ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

ご訪問ありがとうございます。m(u_u)m 誠に僭越では御座いますが下記の通り評価させて頂いております。

異論・反論はあるかとは存じますが、ブンガク素人の戯言で御座いますので何卒ご容赦の程よろしくお願い申し上げます。(^_^)v


浅田次郎/伊坂幸太郎/いしいしんじ/稲見一良/車谷長吉/東野圭吾/町田康/村上春樹

村上龍/東海林さだお/イアン・マキューアン/カズオ・イシグロ/G=ガルシア・マルケス

フランツ・カフカ/ポール・オースター。。。etc


★★★★★ ・・・孤島に持って行きたい1冊

★★★★☆ ・・・生涯の記憶に留める1冊

★★★★  ・・・強くお薦めします

★★★☆  ・・・お薦めします

★★★    ・・・平凡 or 相性が合わない

★★     ・・・辛うじて読めた

★       ・・・途中で放り出した

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過去に読んできた本の一覧


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クリックすれば必ず良い事があなたに起こる。。。と思う。( ̄∩ ̄#

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「ポー怪奇幻想集 1・2」エドガー・アラン・ポー著・・・★★★☆

すぐれたマガジニストにして、天才的な詩人、短編小説の名手、E・A・ポーの怪奇ゴシック風味のファンタジーと詩を端正で現代的な読みやすい新訳で贈る。
小説や詩の世界を拡げるイラストによるポーのゴシック&ホラーの傑作集。

 

エドガー・アラン・ポーと言えば江戸川乱歩である。

江戸川乱歩と言えば「明智小五郎」「怪人二十面相」「少年探偵団」である。

現代の子どもたちは「名探偵コナン」だろうが、我らオヤジ世代は「小林少年」なのである。。。遠い目

 

私が小学生の頃通っていた近所の塾に、江戸川乱歩の本がずらっと並べられていて、それをよく借りて夢中で読んでいた。

それが、私が本を夢中で読んだ最初の読書体験である。

その塾で勉強した記憶は殆ど無いが、卓球台があって塾友達と勉強をサボってそれで遊んでいた記憶と、その本の記憶は今でも憶えている。。。。(´д`lll)

 

しかし、元祖エドガー・アラン・ポーを読んだのは本書が初めてである。

今更その手の本を読んでも、と食指は動かなかったが、オドロオドロしい本書を見て興味が湧いて読んでみた。

 

本書はヴィジュアル・ストーリーと謳われ、1巻「赤の怪奇」2巻「黒の恐怖」の大人向けのオドロオドロしい絵本になっていて、2冊で7編の作品が収められている。

ご丁寧に、本書を読むシチュエーション造りの為の音楽サイトまで用意されている。(私は怖くて掛けてないですが!(´Д`;)

薄くてほとんどが挿絵なので、2冊を1時間程で読み終えた。

 

で、肝心の中身だが、う~ん、やっぱり古典的だわ。

絵の割には、怖さもオドロオドロしさも現代のレベルと較べたら大した事は無かった。

先日読んだ三島の「午後の曳航」の結末の方がよっぽど怖い。

まあ、子ども向けの怖さと大人向けの怖さは質が違うだろうけど。

 

あとがきで、解題として本書の作品について解説がされているのであるが、その中で「アナベル・リー」という作品について、この作品はウラジミール・ナボコフに影響を与え、特に著書「ロリータ」の中で、語り手は幼いころ「海辺の王国」にいた病気のアナベル・リーに恋したと語り、ナバコフはタイトルを「ロリータ」ではなく「海辺の王国」にするつもりだった。と解説されている。

 

偶然にも今回図書館でこの2冊と、次にナボコフの「ロリータ」を再読しようと思い一緒に借りてきたところだった。

(こっちの方が)何とも奇怪な出来事だった。。。(;´Д`)ノ

 

次はもちろんその「ロリータ」です。

 

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「崩れゆく絆」チヌア・アチェベ著・・・★★★

古くからの呪術や慣習が根づく大地で、黙々と畑を耕し、獰猛に戦い、一代で名声と財産を築いた男オコンクウォ。しかし彼の誇りと、村の人々の生活を蝕み始めたのは、凶作でも戦争でもなく、新しい宗教の形で忍び寄る欧州の植民地支配だった。

 

最近「世界最高の小説 BEST100」というものを見つけた。

https://matome.naver.jp/odai/2133241493872010001

 

それによれば「ノルウェー・ブック・クラブにより2002年世界54カ国の著名作家100人の投票で選ばれた【The 100 Best Books of All Time】順位は1位のドン・キホーテ以外非公開。」なんだそうである。

 

この中で(挫折も含め)20冊程読んでいるが、1位の「ドン・キホーテ」をはじめ古典物が多く、紀元前に書かれた物もあり少々敷居が高そうである。

 

という事で今回その中でも新し目の本書(1958年)を選んでみた。

著者のアチェベ(1930-2013)は、ナイジェリア出身のイボ人(アフリカ民族)で、”アフリカ文学の父”と称されているようである。

 

ストーリーは、イボ人の村では英雄的存在の男オコンクウォと、その家族(妻が3人いてそれぞれに子どももいる)、村の人々との日々のエピソードが描かれている。

このイボ人社会は長老を頂点に、男たちの絶対的社会で成り立ち、女たちや子どもは服従して毎日を暮らす。

呪術や迷信を信じ、およそ文明とは程遠い未開の地だった。

些細な事でも、それを破ればオコンクウォは、子どもだろうが女だろうが容赦なく暴力でねじ伏せる。

殺人を起こし隣村から身代わりで連れてこられ、オコンクウォに3年間息子の様に育てられた少年も、村の掟により殺されてしまう。

オコンクウォ自身も、偶発的に人を殺してしまい、家は焼き払われ家族たちと共に7年間村から追放された。。。

 

本作の3分の2ぐらいがこのようなエピソードが綴られ少々退屈だった。

後半になりイギリスからの宣教師や廷吏が村に現れ、村人たちにキリストの教えを説き次々と改宗させ、裁判で自分たちのルールで裁き、村の秩序と絆を崩していく。

 

文明社会から見れば野蛮とも言えるイボ人たちの社会と、未開の地に分け入り、隣人愛を説くキリスト教と西洋のルールを持ち込み植民地化していった行いはどちらが正しいのか?

 

本作は、アフリカの植民地化を初めてその内側の人間により描かれ批判した作品という事で、史実に基づき描かれたノンフィクションに近い作品のように感じた。

 

そういう意味ではそれまでに無かった革新的な作品だったかもしれないが、砂の数ほどある文学作品の中で、果たして本作が「世界最高の小説」と評価される程文学的に凄いか?と問われたら私には疑問である。

 

もう少し、前半を削り、後半の物語を長めに描いてくれれば面白い作品になった感じがするのだが。。。

 

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「午後の曳航」三島由紀夫著・・・★★★★☆

船乗り竜二の逞しい肉体と精神に憧れていた登は、母と竜二の抱擁を垣間見て愕然とする。矮小な世間とは無縁であった海の男が結婚を考え、陸の生活に馴染んでゆくとは……。それは登にとって赦しがたい屈辱であり、敵意にみちた現実からの挑戦であった。登は仲間とともに「自分達の未来の姿」を死刑に処すことで大人の世界に反撃する――。

 

私は、何故こんな素晴らしい作家(文豪と呼ばれる日本作家は殆ど読んでないが)を今まで見過ごしてきたんだろうか?

過去に三島作品は、最高傑作と言われる「金閣寺」と、ちくま日本文学全集の三島由紀夫作品集(短編・戯曲・エッセイ)しか読んでいない。

訳の分からんマニアックな本読んでる暇があったら、三島を読むべきだった。。。。(´д`lll)

 

本作のストーリーは説明文の通り(ちょっと簡略過ぎだが)で、主人公の登と仲間たちの大人に対する屈折した論理が主題となっているのだが、その論理に従い行動した結末は衝撃的だった。

 

そして、このストーリーを支えているのが、三島節とも言えるような修辞を多用したその文体である。

本作の中で私が唸った一文を引用しよう

 

登の母、房子と船乗りの竜二の会話で、房子の「なぜ結婚なされなかったの?」との問いに対し竜二は「船乗りのところなんか、なかなか来手がないですよ」とあいまいな返答をするのだが――

以下本文より引用

 

実はそのとき、彼が答えようとしたのは、次のような言葉だった。

「同僚には、みんなもう二、三人の子供がいます。家族からの手紙を、何十ぺんもくりかえして読んでいます。子供の描いた家だの花だの絵のある手紙を。・・・・・奴らは機会を放棄した人間です。私は何もしないで、しかし、自分だけは男だ、と思って生きて来たんです。何故って、男なら、いつか暁闇(ぎょうあん)をついて孤独な澄んだ喇叭(ラッパ)が鳴りひびき、光りを孕んだ分厚い雲が低く垂れ、栄光の遠い鋭い声が私の名を呼び求めているときには、寝床を蹴って、一人で出て行かなければならないからです。・・・・・そんなことを思い暮らしているうちに、いつのまにか三十を越したんです」

 

う~ん、素晴らしい。

そして、かっこいい。

この男の姿こそ、登が求めていた人間像だったのではないか?

しかし、竜二は房子に対してこの言葉が言えなかった。

これが、登が竜二(大人)に対する憧憬の分岐点になったのではないか?

このやりとりは、前半で出てくるのであるが、既にこの物語の結末(テーマ)を暗示しているように思う。

しかし「機会を放棄した人間」の”機会”とは何なのだろうか?

 

このように、三島が綴る情景描写や心情描写は美しく、そして力強い。

今まで、このような文体を持つ作家に巡り合った記憶は余り無い。

強いて言えば、大江健三郎が近いだろうか?(当然、三島の方が先に書いているが)

 

先日、フジTVでやっていた27時間テレビだったと思うが、三島由紀夫を取り上げていて「三島由紀夫は美を追求する作家だった」というようなコメントがされたいた。

「金閣寺」は日本の様式美を世界にも発信し、評価を受けた作品だと思うが、本作を読んでも、美(男の生き様の美学と美文)を追求する姿勢を感じる事が出来る。

 

故に三島由紀夫は、その人生の結末で、男の生き様の美学を自ら体現したのではないだろうか?。。。

 

もちろんこれから三島作品は読んでいきますが、名作と呼ばれる作品が多いだけに、高評価連発のような予感がする。。。\(゜□゜)/

 

最後に素晴らしい本で締め括り「薄い本」シリーズはこれで打ち止め。

次はまたマニアックな本です。(右往左往忙しいな。。。(;´Д`)ノ

 

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「ご遺体」イーヴリン・ウォー著・・・★★★☆

英国出身でペット葬儀社勤務のデニスは、友人の葬儀の手配のためハリウッドでも評判の葬儀社“囁きの園”を訪れ、そこのコスメ係と恋に落ちる。だが彼女の上司である腕利き遺体処理師もまた、奇怪な方法で彼女の気を引いていたのだった…

 

聞いた事もない作家だったが、図書館で表紙を前に向けて「おすすめ本」みたいに陳列され、且つ薄い本だったので読んでみた。

 

著者(1903-1966)はイギリス作家で、本作は1965年に映画化されている。

 

主人公のイギリス人デニス・バーロウは詩をこよなく愛する、ハリウッドにあるペット専門の葬儀社〈幸福の谷〉の従業員だった。

そこには毎日のように、猫やら犬やら羊やらチンパンジーやらカナリア、、、etcが持ち込まれ、火葬をしていた。

デニスはハリウッドに住むイギリス人の映画関係者らと交流していたが、ある日その中の1人である脚本家のフランシスが人生に悲観し首を吊って死んでいた。

デニスはフランシスの葬儀の為、近くにあるハリウッドでも評判の葬儀社〈囁きの園〉を訪れる。

広大な霊園は、〈巡礼の安息地〉やら〈恋人たちの巣〉やら〈影の国〉やら、、、etcと区画分けされ、彫刻などの芸術作品が置かれ、故人の人生に相応しい場所に埋葬されていた。

遺体は遺体処理師のMr.ジョイボーイとコスメ係のエイメの処置により生前の様に蘇った。

そこでデニスはエイメに一目惚れするが、ジョイボーイもエイメに恋心を持っていた。

2人の狭間に立たされたエイメは悩み、地元紙にコラムを持つ魂の指導者、導師バラモンに手紙を送る。。。

 

むか~し、昔読んだ、山口雅也のデビュー作「生ける屍の死」もアメリカの葬儀事情が描かれていて、それに感心した記憶があるが、こんな昔(1947年)からアメリカの葬儀がビジネス化されていた事にまず吃驚。

日本でも自宅で葬儀をする事が減り葬儀場で行ったり、民営の霊園が造られたり、土地の無い都会ではビルの中にシステム化された納骨堂があったりとビジネス化が進んでいるが、アメリカはその比では無い。

何しろペット専門の葬儀社がこの時代にあったのだから。((゚m゚;)

 

本作は著者がハリウッドを訪れた際に、巨大な葬儀産業に出くわし、厳粛なはずの葬儀まで商業化してしまうほどのアメリカ社会を皮肉って描かれた作品で、全篇に亘りシニカルさとブラックユーモアに溢れている。

結末のデニスがとった行動には大笑いした。( ̄▽ ̄)

 

初読み作家の200P程の中編だったが、なかなか面白い作品だった。

 

次は「薄い本」シリーズ最後の一冊です。

トリを飾るのは、日本を代表する作家の薄い名作です。

 

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「誰にも書ける一冊の本」荻原 浩著・・・★★★★

疎遠だった父の死に際して故郷に帰った「私」に手渡されたのは、父が遺した原稿用紙の束。気が乗らぬまま読み進めるうちに、過去にまつわるいくつかの謎が浮かび上がる。果たしてこれは、父の人生に本当にあったことなのだろうか?次第に引き込まれるうち、父と子の距離は、少しずつ埋まっていく―。父親の死を通して名手が鋭く描き出す、生きる意味と、親子の絆。

 

薄い本シリーズ5冊目。

昨年「海の見える理髪店」で直木賞を受賞した著者の2011年の作品。

149Pの薄い本だが、字が大きいので普通の本にしたら100P少々かな?

 

タイトルを見て「これは素人向けに書かれた、本を書く為のHOW TO物か?」と思ったが、フィクションの棚にあるんで、一応小説なんだろうな、と思い手に取った。

 

しかし、このタイトルの本でまさか泣かされるとは・・・(本当に最近は涙もろいな~(´□`。)

 

小さな広告制作会社を経営しながら、執筆活動をし2冊の本を出版した主人公(私)に、「入院中のお父さんが危ない」と母から電話が入った。

急遽実家のある函館に帰ったその夜、母からお父さんが書いたという分厚い原稿用紙の束を渡される。

口数が少なく、文を書くようなタイプで無かった父をいぶかりながら、その原稿を読み始めた。

 

「私がこの世に生を受けたのは、大正十三年、福島県大沼郡本郷町(現会津若松市)だ。誰が何を言おうが言うまいが、それは変えられない。――」

 

そこには最後まで語られる事が無かった、父の歩んできた半生が綴られていた。

 

北海道開拓期に移り住んだ毛額志での少年時代の思い出、文学の道を目指した学生時代、戦争が始まり文学を諦め入った海軍豫科(よか)練時代と戦地での過酷な体験、終戦後、炭鉱の町に移り住んだサラリーマン時代、そして結婚し、諦めていた子どもを授かり、私が生まれ喜ぶ父・・・

 

そして、一面の雪に覆われて迎えた父の告別式の朝。。。

 

小品ながらも、濃くて巧い。

こういう、親子物・友情物にホント弱いんだよね~(iДi)

という訳でちょっと甘いかもしれませんが、★4つです。。。( ´艸`)

これ以上の感想は言いません。。。。(;^_^A

 

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「異国のおじさんを伴う」森 絵都著・・・★★★☆

思わぬ幸せも、不意の落とし穴もこの道の先に待っている。どこから読んでも、何度でも、豊かに広がる10の物語。誰もが迎える、人生の特別な一瞬を、鮮やかにとらえる森絵都ワールド。 

 

私が今まで読んできた作家の男女比率でいうと、圧倒的に男性作家が多い。(作家自体の絶対数で言えばそうなるのかも知れないが・・・)

そんな少ない女性作家の中で、森絵都は私と相性がいい。

 

先日読んだ、塾経営に情熱を傾けた三世代に亘る物語を描いた「みかづき」は力作で素晴らしい作品だった。

今回は薄い本シリーズで本書を手にとってみた。

本書は10篇からなる短編集(掌編と言っていい作品もある)である。

 

どの話もその切り口が面白く、コミカルあり、シニカルあり、心沁みるものあり、実にバラエティに富んでいる。

 

この中で私が笑ったのが「桂川理香子、危機一髪」の、たった11ページの掌編だ。

 

名古屋の豪族旧家で育った桂川理香子(51歳)は、結婚も仕事もせず趣味に生きる女で、エコライフ、キックボクシング、忍者、爬虫類と片っ端から手を出し好奇心を満たしていた。

ところが、そんな理香子にもある男との苦い過去があった。

三十路を過ぎた理香子は、スフィンクス友の会で出会った、イケメンエジプト人アリと恋に落ち結婚を決意。

世間体を気にし、婚姻を許すとは思えない桂川家にいきなりアリを連れて行く奇襲作戦を実行すべく、名古屋行きの新幹線を2人で待っていたのだが。。。

 

結末の、胸がすくような理香子のドンデン返しの行動と決意に大笑い。

 

表題作の「異国のおじさんを伴う」は、異国の旅で予想外の出来事に戸惑う主人公だったが、過去の荷物を捨て、新たな自分自身の旅に踏み出すという、心に沁みる女性の話。

 

どれも小気味いい短編で、時間の合間で読めるので移動中や忙しい人にもホッと一息できる、おすすめの一冊である。

 

 

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「顔のない裸体たち」平野啓一郎著・・・★★★

地方の中学教師・吉田希美子が出会い系サイトで知り合ったのは、陰気な独身公務員・片原盈だった。平凡な日常の裏側で、憎悪にも似た執拗な愛撫に身を委ねる彼女は、ある時、顔を消された自分の裸体が、投稿サイトに溢れているのを目にする。その時、二人は……。

 

著者のデビュー作であり芥川賞作品「日蝕」は難解な漢字のオンパレードに挫折し、その後素通りしてきた作家だったが、先日読んだ「マチネの終わりに」は、難しい漢字も無く、大人の恋愛小説として高く評価できた良い作品だった。

今回その著者の薄い本書を読んでみた。

 

ひとことで言えば本書は、えげつない程エロでイヤラシイ作品である。

前出の「マチネの終わりに」の抒情的作品とは180°かけ離れている。

 

平凡な人生を送ってきた、独り身の中学教師吉田希美子が、生徒たちの間で広がる出会い系サイトを調べる為に自ら会員となる。

男に縁の無い希美子は、ふと、自分もこのサイトで男性と出会ってみようと思い、役所で働く独身男片原盈と出会う。

片原は、女を自分の性欲を満たす道具としか思っていない偏執的な男で、特異な性癖を持っていた。

希美子は片原に馴らされて徐々に異様な性行為を受け入れ、それに喜びを感じる自分に驚く。

やがて片原は自分たちの行為を録画するようになり、室内では飽き足らず、野外や公共施設で録画し希美子に内緒でそれを投稿サイトに投稿して、視聴者が増えていく事に喜びを感じていた。

希美子がそれに気づき、ネットの世界で称賛される裏の自分と、現実の表の自分とのギャップに恐さを感じ始める。

そして結末は片原が事件を起こして終わる。

 

現代社会の裏側に潜む別世界と、人間の表と裏の顔を描き、ネット社会に蔓延る危険性、特異性を炙りだしている。

その点では評価出来るものの、えぐい性描写が続くので、本書に嫌悪感を持つ方もいると思う。

私も少々辟易した。

次はもう少しまともな本だと思います。。。(´∀`)

 

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「レヴォリューションNO.0」金城一紀著・・・★★★☆

典型的オチコボレ男子高に入学した僕。“学校”という箱庭で先の見えない苛立ちや息苦しさを抱える僕らを「団体訓練」という名のシゴキ合宿が待ち受ける。どうしてこんなクソみたいな目に遭いながらここにいるのか?欺瞞に満ち溢れた世界に風穴を開けるため大脱走計画を練るうち、停滞していた世界に熱い血が通い始める―すべてを捨て去りゼロに戻ることを恐れるな!ザ・ゾンビーズ結成前夜を描くシリーズ完結篇!

 

本書は落ちこぼれ高校生達(ザ・ゾンビーズ)を描いたシリーズの一冊である。

 

主人公(僕)は、偏差値レベル40という落ちこぼれ男子高校に入学したが、何故かその年は例年より200人も多く受験生が合格し入学した。

学校は一年生の風紀の乱れを理由に、急遽6月14日から3泊4日、群馬県赤城山で合宿を開催すると告知した。

合宿は毎日山登りがメインで、無茶な制限時間が決められ、遅れた者には暴力教師の猿島と、野口シニア(息子も生徒として参加している)から殴る蹴るの制裁が加えられた。

一日目が終わり、この訓練が終わったら学校をやめると次々と仲間たちが訴えた時、野口(息子)が父親から偶然聞いたこの合宿の本当の目的を語り出す。。。

 

ストーリーは極単純で、何にも考えずサクサク読める。

登場人物のキャラも面白い。

喧嘩に滅法強い、舜臣。

訓練をサボり、保健室で女医(還暦前)を手玉にとるフィリピン人とのハーフの伊達男アギー。

 

この後、この仲間たちが、ザ・ゾンビーズを結成し「レヴォリューションNo.3」「フライ,ダディ,フライ」「SPEED」と続く作品で活躍する。(本書は一番最後に出版された)

 

金城一紀はこのシリーズとは全く作風が違う(と思う)、警察物のTVドラマ「SPシリーズ」や「BORDERシリーズ」「CRISIS」の原作脚本を書いている。

先日も何気にTVを見ていたら、金城一紀原作で、綾瀬はるか主演の「奥様は、取り扱い注意」というドラマが10月から始まるようだ。

いろいろ書ける器用な作家である。

 

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「ある一日」いしいしんじ著・・・★★★☆

「予定日まで来たいうのは、お祝い事や」。にぎやかな錦市場のアーケードを、慎二と園子は、お祝いの夕食にと、はもを探して歩いた。五年前には、五ヶ月でお腹の赤ちゃんの心音が聞こえなくなったことがある。今回は、十ヶ月をかけて隆起する火山のようにふくらんでいった園子の腹。慎二と迎えたその瞬間、園子に大波が打ち寄せた――。新たな「いのち」の誕生。その奇蹟を描く物語。

 

マニアックな本の日々に疲れ、出来るだけ薄くストーリー性のある様な本を数冊選びました。。。(^_^;)

 

まずは久しぶりの、いしいしんじの132ページ(薄っ!)。

 

いしいしんじ、と言えば「麦ふみクーツェ」「ポーの話」(どれも読んだ筈なのに書評が無い!)「トリツカレ男」など、大人向けの童話と言っていいような、優しくて心温まる作風が良くて過去に数冊読んできた。

本書は、猫に乗った赤ちゃんの絵が水彩で描かれた、優しさいっぱいの表紙である。(´∀`)

 

ストーリーは、海の生き物に興味がある夫(慎二)と、出産を目前にした妻(園子)との2人の話で、出産当日の一日を描いている。

あとがきの解説にも書かれているが、所謂マジックリアリズムの手法で描かれていて、中盤あたりまでは掴みどころの無い感じだった。

 

後半からは園子の出産を描いているのであるが、男性が書いたとは思えない、壮絶とも言っていいような出産の過酷さと、出産後の赤ちゃんと園子の姿をホワ~ンとした感じで描かれている。

そして最後の数ページで、高齢出産ながら執念とも言える程自然分娩に拘る園子の心境が、出産前に書かれたアンケート(バースプラン)により綴られている。

これを読んで、赤ちゃんを守る園子の決意に感動すると共に、安易に出産を医者任せにする事の怖さが分かった。

 

うちの娘たちは双子で自然分娩が難しかった為(2人で合計5000g!)、最初から帝王切開で病院の予定に合わせ出産日まで決められていたが、もし自然分娩だった場合、出産についての事前説明(インフォームド・コンセント)がされていたのだろうか?

これから出産する予定のある方には参考になる一冊ではないだろうか?

 

話は変わって、この作中にうなぎの話が出てくるのであるが、その生態はいまだ謎に包まれているらしい。

2008年にマリアナ海溝付近で産卵場所が発見されたと話題になったが、そこまでどう辿り着くのかは解明されていないようだ。

卵から孵ったうなぎは、レプトケファルスと呼ばれる生物として、本書によればその時点では「うなぎ」なのか「はも」なのか「海へび」なのかも分からないらしい。(゚Ω゚;)

成魚になってもオス、メスの区別もつかない(途中で性転換する)ようである。

吃驚。

知り合いにうなぎ屋がいるんで、今度飲み会の席で聞いてみよう。(憶えていたら(^_^;)

 

 

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「G.」ジョン・バージャー著・・・★★★

 

1972年ブッカー賞受賞作品。

 

図書館(閉架)で本書を受け取り、中をチラッと見て嗚呼(心の声)。。。(><;)

2段組みでそれも字が小さ~い!

300ページ程だが、普通の本で換算すれば1.5倍位になりそう。

これは、ちと手強そうだぞと・・・

 

物語の舞台は1800年代後半~1900年前半(第一次世界大戦の開戦頃)のイギリス。

イタリア人で”野獣”と呼ばれた貿易商の父と、イギリス人の愛人との間に生まれた男(G)の生涯を描いた物語である。

Gは少年時代に、世話になっていた未亡人(当然かなり年上)と禁断の初体験をし、それ以降次々と女を誘惑、行きづりの女や人妻と関係を結ぶような、父親譲りのドン・ファン(プレイボーイ)だった。。。

 

これが大筋の展開で、軟派な作品に思われそうだが、本作はこの男についての事はセリフや描写が少なく、むしろ周辺の人物や当時の政治、軍治情勢について多く描かれている

著者自身が挿話や登場人物についての解説を作中で綴ったりもしている。

要するに固い作品である。

なので、面白いか否かと問われれば、、、面白く無い。。。(T_T)

 

訳者あとがきによれば、発刊当時本書はかなり話題となったが、ブッカー賞を受賞しながらも著者はこのスポンサーと文学賞を批判したそうである。

人物的にも一癖ありそうな作家である。

 

ハァ~(x_x;)マニアックな本に疲れた。。。(_ _。)

ブッカー賞のハッシュタグ繋がりを見ると、殆ど俺の記事じゃん。。。( ̄_ ̄ i)

次から、短くて面白そうな本にします。(´д`|||)

 

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