809冊目 ディビザデロ通り/マイケル・オンダーチェ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ディビザデロ通り」マイケル・オンダーチェ著・・・★★★☆

血のつながらない姉妹と、親を殺された少年。一人の父親のもと、きょうだいのように育った彼らを、ひとつの恋が引き裂く。散り散りになった人生は、境界線上でかすかに触れあいながら、時の狭間へと消えていく。和解できない家族。成就しない愛。叶うことのない思いが、異なる時代のいくつもの物語を、一本の糸でつないでいく―。

 

オンダーチェの第7作目(2009年)。

 

「(本作)のなかを流れる時間は途切れている。物語はある時点まで語られると、すっと虚空のなかに放り出される。そして、それと重なり合う部分のある、もうひとつの物語が語りだされる。・・・まるで、コラージュのように並べられたいくつかの物語を読み進んでいくうちに、ひとつの作品世界が見えてくる。・・・」訳者あとがきから引用

 

本作の特徴はあとがきの通り、登場人物たちのそれぞれの人生が、時空間を超えコラージュのように描かれている事で、文章はオンダーチェ特有の詩的文体ではないが、作品全体の構成は詩的な作風に描かれている。

 

どの人間の物語も未完に終わり余韻を残しているが、凡人の私にとってはもう少し結末を知りたいところ。

読みこなしと、評価がなかなか難しい作品である。

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村