ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

ご訪問ありがとうございます。m(u_u)m 誠に僭越では御座いますが下記の通り評価させて頂いております。

異論・反論はあるかとは存じますが、ブンガク素人の戯言で御座いますので何卒ご容赦の程よろしくお願い申し上げます。(^_^)v


★★★★★ ・・・孤島に持って行きたい1冊

★★★★☆ ・・・生涯の記憶に留める1冊
★★★★  ・・・強くお薦めします
★★★☆  ・・・お薦めします
★★★    ・・・平凡 or 相性が合わない
★★     ・・・辛うじて読めた

★       ・・・途中で放り出した
番外

【国内フィクション作者別】

 ■あ~お  ■か~と  ■な~ほ  ■ま~

【海外フィクション作者別】

 ■ア~ソ  ■タ~

■ノンフィクション

■直木賞

■芥川賞

■世界の長編小説ベスト100

【このミスランキング】

 ■1988~2000年  ■2001~2009年  ■2010年~

■ブッカー賞

■作家年表

クリックすれば必ず良い事があなたに起こる。。。と思う。( ̄∩ ̄#

    ↓
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他の事に知力を奪われ、小説を読む気力も萎えている為このブログは暫く休みます。

気が向いて本を読んだらまたUPします。

「月と六ペンス」サマセット・モーム著・・・★★★☆

あるパーティで出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十をすぎた男が、すべてを捨てて挑んだこととは――。

 

本作(1919年)はイギリス作家・モームの歴史的名著として評価され、大ベストセラー作品でもある。

 

主人公である画家ストリックランドの生涯を友人の作家が一人称で綴っている。

ストリックランドはゴーギャンがモデルとされているが、実際の生涯とは相違点が幾つもあるらしい。

 

ストリックランドは仕事や家族を捨て、人の善意を拒否し、頑なに自分の生き方を貫き最後まで画家として真理を探求した。

 

本書にはストリックランドの本心も真理も描かれていないが、他人を拒否し、己の命まで削って真理を探求する姿は読む者に「おまえの人生はそれでいいのか?」と問い掛けをしているような感じがする。

 

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「ゴールド・コースト」ネルソン・デミル著・・・★

わたしはジョン・サッター、善良なる市民にして有能なる弁護士、そしてワスプの代表選手。妻は美しく知的で、ときに適度の淫蕩性も発揮する。ワスプ最後の牙城と目される超弩級の高級別荘地、このゴールド・コーストに邸宅を構え、乗馬に園芸にヨット遊びに日を送る。ところがある日、隣家に越してきたのがマフィアのドン…。

 

本書は1993年版「このミス」で7位にランクイン、読書関連のインスタ記事でも紹介されていて興味を惹かれた。

 

ゴールド・コーストと呼ばれる伝統ある高級住宅地(アメリカ・ロングアイランド、ニューヨークから東に延びる細長い半島)の豪邸に住む主人公の隣にマフィアのドンが引っ越してきた・・・

という紹介文で面白そうだと期待したが、上下2巻(約900ページ)の1/4ほど読んでもマフィアのドンは暴れ回らず、作風はミステリーというよりもここに住む、ワスプ(白人 (White) ,アングロ・サクソン系民族 (Anglo-Saxon) ,プロテスタント (Protestant) の3条件を満たしているエリート層)たちの昔からの慣習や思考、階級構造などをモチーフにしたコメディタッチな作品といった感じで、こういう如何にもアメリカっぽい世界が好きな方には嵌ると思うが、私的には冗長過ぎて辛かった。

 

という訳で上巻180Pまで読んでひさびさに放り投げました。。。残念。

 

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「ディビザデロ通り」マイケル・オンダーチェ著・・・★★★☆

血のつながらない姉妹と、親を殺された少年。一人の父親のもと、きょうだいのように育った彼らを、ひとつの恋が引き裂く。散り散りになった人生は、境界線上でかすかに触れあいながら、時の狭間へと消えていく。和解できない家族。成就しない愛。叶うことのない思いが、異なる時代のいくつもの物語を、一本の糸でつないでいく―。

 

オンダーチェの第7作目(2009年)。

 

「(本作)のなかを流れる時間は途切れている。物語はある時点まで語られると、すっと虚空のなかに放り出される。そして、それと重なり合う部分のある、もうひとつの物語が語りだされる。・・・まるで、コラージュのように並べられたいくつかの物語を読み進んでいくうちに、ひとつの作品世界が見えてくる。・・・」訳者あとがきから引用

 

本作の特徴はあとがきの通り、登場人物たちのそれぞれの人生が、時空間を超えコラージュのように描かれている事で、文章はオンダーチェ特有の詩的文体ではないが、作品全体の構成は詩的な作風に描かれている。

 

どの人間の物語も未完に終わり余韻を残しているが、凡人の私にとってはもう少し結末を知りたいところ。

読みこなしと、評価がなかなか難しい作品である。

 

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「ギケイキ2 奈落への飛翔」町田 康著・・・★★★☆

兄頼朝との対面&対立、恋人静との逃避行。源義経本人が語る、源氏千年の祈り。抱腹絶倒の超大河小説。

 

「ギケイキ」(義経記)の第2巻。

本作は現在2巻まで刊行されてますが、全4巻の予定のようです。

 

当然、語り口は第1巻と同じく町田節炸裂で感想も特に変わりないので、本物の義経記のストーリーと経歴を簡単に纏めてみます。

 

1)1159年(平安末期)源義朝の九男に生まれ、牛若と名乗り父の死後寺に預けられ天狗に剣術や兵法を学ぶ。

2)奥州平泉(青森)に下り元服し義経を名乗る。東北地方一帯の有力者藤原秀衡に庇護を受け、伊勢三郎を家来とする。

3)怪力で暴れ者の僧・弁慶が五条大橋で義経と闘うも敗れ家来となる。兄・頼朝が平家の追討に立ち上がり、義経が駆けつける。

4)頼朝と対面し、義経の活躍により平家を滅ぼすものの頼朝と対立し逃避行が始まる。

5)吉野山への逃避行。愛妾・静との別れ。義経四天王・佐藤忠信をクローズアップ。

6)忠信の活躍と死。静の動静。

7)北陸への逃避行と弁慶の活躍。

8)最大の理解者・藤原秀衡の遺言も空しく嫡子・泰衡は頼朝の圧力により義経を襲撃、義経は妻子と共に自刃(1189年31歳)。その首は鎌倉の頼朝の元に送られ、平泉は頼朝により滅ばされてしまう。

 

だいたい以上ですが「義経記」は全8巻で「ギケイキ」の1巻は3まで、本書では5までが描かれています。

ちなみに歌舞伎の演目で有名な「勧進帳」は「7巻」であったエピソードが原形となっています。

 

ところで「義経記」をなぜ「よしつねき」ではなく「ぎけいき」と読むのか?

昔は偉い人の名を敬意を込めて音読みで呼んだらしく、その為「ぎけいき」と読むんだそうです。

「信長記」も「しんちょうき」と呼ばれています。

 

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「DRY」原田ひ香著・・・★★★☆

北沢藍は職場の上司と不倫して、二人の子供を置いて家を出た。十年ぶりに実家に戻ると、男にだらしない母と、お金にがめつい祖母がうら寂しく暮らしていた。隣に住む幼馴染の馬場美代子は家族を見送り、今は祖父をひとりで看ている。介護に尽くす彼女は、孝行娘とあがめられているが、介護が終わったその先はどうやって生きていくのだろうか。実は、彼女の暮らす家には、世間を震撼させるおぞましい秘密が隠されていた。

 

だいぶ前に本書を図書館に予約し順番が回ってきたが、何故この本を選んだのか?全く記憶に無い。

 

初読み作家で、何の事前情報も無しに読み始め、純文学っぽい作風だなぁと思っていたら後半から一転してホラーサスペンス風になった。

かなりエグい。

 

ネタバレになってしまうので多くは書けないが、主人公の女が徐々に追い込まれ犯罪に加担していく過程が本作の核心で、なかなか面白い作品だった。

 

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「ギケイキ 千年の流転」町田 康著・・・★★★☆

はは、生まれた瞬間からの逃亡、流浪。千年の時を超え、私は、私の物語を、語ろうと思う―私の名は源義経。打倒平家を胸に、都会的なファッションに身を包み、早業を駆使。鞍馬での幼年期から奥州への旅、メンヘラ気味な最強の家臣弁慶との出会い、そして兄頼朝への思い…。

 

「ギケイキ」とカタカナで表記されると、町田のパンクバンドに関係した話?とか思ってしまうが「義経記」と分かったところで「ハハ~ン、あれね、ハハハ」と納得。

と、言っても源義経の話は、牛若丸VS弁慶の五条大橋での決闘の話くらいしか知らぬ訳で「あれね」と上から目線で言う程でもない。

 

てな訳で本作は「義経記」を町田節全開で現代流に解釈し描いた作品である。

本作は全2巻で本書では幼年期~頼朝の挙兵前までが描かれている。

 

オモロイやないけ。

 

子細なストーリーやファッション、地名、人物が登場し、義経の物語りが分かり易く描かれているが、原作通りなのかは未読なので定かでない。

しかし、素人が原作をそのまま読むよりは、読み易く、面白いのは間違いない。

 

1冊他の本を挟んで第2巻はまた後日。

 

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「氷の闇を越えて」スティーヴ・ハミルトン著・・・★★★☆

わたしの心臓のすぐそばには、一発の銃弾が眠っている。わたしが警官だった時代にローズという男に撃たれたものだ。あれから14年が過ぎた今、私立探偵となったわたしのもとにローズの署名のある手紙が届く。手紙は、最近わたしの身辺で起きた連続殺人はローズ自身の犯行だと告げていた。彼は逮捕され、刑務所で服役中なのだが……

 

著者は「解錠師」で2013年版「このミス」1位を獲得。

デビュー作の本書は1998年「アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞」を受賞した。

 

「解錠師」は巧みなプロットとハートウォーミングなストーリーが印象に残る素晴らしい作品で本国でも高い評価を受けたが、果たしてデビュー作はどうか?

 

アレックス(元警官の私立探偵)の富豪の友人の周辺で連続殺人が起き、刑務所に収監されている筈の男・ローズからアレックスのもとへ連続殺人の犯行声明が届く。

ローズに同僚を射殺され、自分も銃撃され胸には今も銃弾が残っている。

事件の記憶がよみがえり、ローズの影におののくアレックス。

刑務所にいる筈のローズの正体はいったい誰なのか?

 

ストーリーは王道的クライムノベルといった作風で、終盤で事件の真相が明かされる。

手堅い作品ではあるものの展開が地味目で「解錠師」に比べると凡庸である事は否めない。

もうひと押しスリリングさが欲しかった。

 

なお本作の後、「アレックス・マクナイト」シリーズとして現在8作品が刊行されている。

 

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「木曜日の子ども」重松 清著・・・★★★☆

7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。結婚を機にその地に越してきた私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との距離をつかみかねていた。前の学校でひどいいじめに遭っていた晴彦は、毒殺事件の犯人・上田祐太郎と面影が似ているらしい。この夏、上田は社会に復帰し、ひそかに噂が流れる―世界の終わりを見せるために、ウエダサマが降臨した。やがて旭ヶ丘に相次ぐ、不審者情報、飼い犬の変死、学校への脅迫状。一方、晴彦は「友だちができたんだ」と笑う。信じたい。けれど、確かめるのが怖い。そして再び、「事件」は起きた…。

 

少し前にTVで取り上げられ、話題になっていたんで読んでみた。

 

著者は、子どもや家族を題材にしたハートウォームな作品が多いが、こんなシリアスなミステリィ風作品を書いた事が以外だった。

 

昨今の日本では常識外で理不尽な事件が度々起きているが(今年もあった)、本作は学校での無差別殺人という衝撃的な事件を元にした物語を描いている。

 

事件そのものの怖さよりも、子どもたちの大人を見透かした言動や、感情の無さに怖さを感じた。

 

難しいテーマで果たしてどう物語の決着をつけるのか?と思いながら読んだが、終盤の大仰で劇画チックな展開に興醒め。

オチも安直で期待外れだった。

問題提起は良かったが、一冊の本で答えが出せる程簡単なテーマでは無い。

 

あくまで、エンタメの一作品として読めばいいかもしれないが、このような社会派なテーマを扱うにはそれなりの覚悟が必要だろうね。

 

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「屍人荘の殺人」今村昌弘著・・・★★★

神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。合宿一日目の夜、映研のメンバーたちと肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。緊張と混乱の一夜が明け―。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった…!!究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?!

 

2018年版「このミス」1位の他、数多くのランキングで1位を獲得している。

 

ちょっとネタバレになってしまうが、あらすじを大まかに言うと「ゾンビの襲撃+密室殺人事件」という何とも奇想天外な話。

 

ゾンビの襲撃を利用して密室殺人に見せかけた事件だが、そのトリックがややこし過ぎて切れ味に欠け、絶対絶命の状況の割に緊張感も無く、バイオテロを仕掛けた斑目機関の真相も全く触れられず期待外れ。

 

いっその事、密室殺人は無しでゾンビだけで行った方が、まだ増しのような気がする。

 

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