804冊目 木曜日の子ども/重松 清 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「木曜日の子ども」重松 清著・・・★★★☆

7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。結婚を機にその地に越してきた私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との距離をつかみかねていた。前の学校でひどいいじめに遭っていた晴彦は、毒殺事件の犯人・上田祐太郎と面影が似ているらしい。この夏、上田は社会に復帰し、ひそかに噂が流れる―世界の終わりを見せるために、ウエダサマが降臨した。やがて旭ヶ丘に相次ぐ、不審者情報、飼い犬の変死、学校への脅迫状。一方、晴彦は「友だちができたんだ」と笑う。信じたい。けれど、確かめるのが怖い。そして再び、「事件」は起きた…。

 

少し前にTVで取り上げられ、話題になっていたんで読んでみた。

 

著者は、子どもや家族を題材にしたハートウォームな作品が多いが、こんなシリアスなミステリィ風作品を書いた事が以外だった。

 

昨今の日本では常識外で理不尽な事件が度々起きているが(今年もあった)、本作は学校での無差別殺人という衝撃的な事件を元にした物語を描いている。

 

事件そのものの怖さよりも、子どもたちの大人を見透かした言動や、感情の無さに怖さを感じた。

 

難しいテーマで果たしてどう物語の決着をつけるのか?と思いながら読んだが、終盤の大仰で劇画チックな展開に興醒め。

オチも安直で期待外れだった。

問題提起は良かったが、一冊の本で答えが出せる程簡単なテーマでは無い。

 

あくまで、エンタメの一作品として読めばいいかもしれないが、このような社会派なテーマを扱うにはそれなりの覚悟が必要だろうね。

 

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