805冊目 氷の闇を越えて/スティーヴ・ハミルトン | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「氷の闇を越えて」スティーヴ・ハミルトン著・・・★★★☆

わたしの心臓のすぐそばには、一発の銃弾が眠っている。わたしが警官だった時代にローズという男に撃たれたものだ。あれから14年が過ぎた今、私立探偵となったわたしのもとにローズの署名のある手紙が届く。手紙は、最近わたしの身辺で起きた連続殺人はローズ自身の犯行だと告げていた。彼は逮捕され、刑務所で服役中なのだが……

 

著者は「解錠師」で2013年版「このミス」1位を獲得。

デビュー作の本書は1998年「アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞」を受賞した。

 

「解錠師」は巧みなプロットとハートウォーミングなストーリーが印象に残る素晴らしい作品で本国でも高い評価を受けたが、果たしてデビュー作はどうか?

 

アレックス(元警官の私立探偵)の富豪の友人の周辺で連続殺人が起き、刑務所に収監されている筈の男・ローズからアレックスのもとへ連続殺人の犯行声明が届く。

ローズに同僚を射殺され、自分も銃撃され胸には今も銃弾が残っている。

事件の記憶がよみがえり、ローズの影におののくアレックス。

刑務所にいる筈のローズの正体はいったい誰なのか?

 

ストーリーは王道的クライムノベルといった作風で、終盤で事件の真相が明かされる。

手堅い作品ではあるものの展開が地味目で「解錠師」に比べると凡庸である事は否めない。

もうひと押しスリリングさが欲しかった。

 

なお本作の後、「アレックス・マクナイト」シリーズとして現在8作品が刊行されている。

 

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