カウンセラー中島知賀です。
 

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カウンセリングの資格をとってもカウンセリングができなかった過去の私が、20数年間悩みながら学び続けてきた内容を、みなさんに分かりやすい言葉でお伝えしたいと思っています。

 

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では、今日のお題は

「寄る辺ない深い孤独感などを自分のことのように感じる?」です。

 

前回のブログでは、

「依存的なクライエントにはどう対応したらいいの?~その①」をお伝えしました。

コチラの記事です。

本日は、その①の続きで、その②になります。

 

カウンセリングでは、「依存は良くないとか、依存させてはいけないとか」いろいろと依存について検討することが多いと思います。

 

まず、心に留めておきたいことは、「誰もが依存的な欲求はある」ということです。

 

そして、それを理解した上で、その中でも依存心を抑えきれないほどの苦しみを抱えているクライエントの場合、カウンセラーからの関心や愛情を求め、カウンセラーを揺さぶってくる言動がとても多いことが特徴です。

 

そのときに、とても大事なことは、カウンセラーがクライエントの言動に揺さぶられることなく、どっしりと腰を据えて、クライエントの依存的にならざる得ない深い苦しみを理解しようとして関わることです。

 

クライエントの「~して欲しい」という依存心を満たすのではなく、

 

依存心が抑えられないほど依存的にならざる得ないクライエントの苦しみを、あたかも自分のことのようにありあり、ひしひしと一緒に感じながら、共感的に理解することが大事です。

 

では、何をどのように共感的に理解することが大事なのでしょうか?

 

多くの人は、カウンセラーに特別の感情を持ちながらも

「でも、やっぱり、カウンセラーは、親友でも、親でもないし、パートナーでもない。カウンセラーに過剰に期待をしてはいけない」と心の中で線を引くと思います。

 

ところが、依存欲求が強いクライエントは、線が引けないのです。

べた~っとくっついてしまうか、反対に、壁をつくり、距離をとってしまうか、どちらかです。

 

それは、クライエント自身も気づかないし、理屈ではなんともできないことです。

これまでの人間関係、とくに親子関係の中で身に着いた人間関係の苦しみのパターンを、カウンセラーとの関係でも繰り返してしまうからです。

 

ですから、クライエントの心の傷つきからくる苦しみ

<線を引くことができないほどの寄る辺ない深い孤独感、一人ぽっちの寂しさ、まるで小さな子どもが親の抱っこを求めるようにべた~っとくっつきたくなる感じ、乳児が親を探して、独りぼっちで泣き叫んでいるような感じ>を、

 

カウンセラーは、まるで自分のことのようにありあり、ひしひしと想像し、体感覚で理解すること。感じることが大事です。

 

反対に

 

カウンセラーが、クライエントの依存欲求を満たすことは、最終的には、クライエントを傷つけ、これまでの傷つき体験を再現することになります。

 

例えば、

時間延長をして欲しい、コロコロと予約変更をする、メールをしてくる、等々に対応して、クライエントの欲求に応えることは、依存欲求を満たし、クライエントの依存したい気持ち、カウンセラーに期待する気持ち助長することになります。

 

どういうことかというと、

「カウンセラーは、私の欲求を呑んでくれた、嬉しい!」

すると、期待がどんどんと膨らみます。

「もっと、もっと、もっと、私のことを想って欲しい、私だけを見て欲しい、私のことを正確に間違いなく分かって欲しい」という足掻くような愛情欲求を喚起させることになります。

 

それは、あたかも乳幼児が親の愛を求めるような感覚です。

「いつも私を分かって。いつも私を見て。いつも私を選んで。いつも私を抱きしめて」

 

しかし、カウンセラーは、クライエントの理想の親ではありません。

理想の親のように、クライエントの世話をするなことは到底できないし、いつかは、クライエントの際限のない愛情欲求に対して疲れ果て、嫌気がさしてきます。

 

すると、どこかでクライエントの欲求に応えられなくなって、クライエントに怒り出したり、説教したり、いきなり線を引いて冷たくしてしまいます。

 

クライエントにとっては見捨てられ体験、傷つき体験になります。

再び、日常での人間関係と同じ見捨てられ体験、傷つき体験を重ねることになるのです。

 

私も身に覚えがあるのですが、このようにクライエントの依存欲求に「応えないといけない」と急かされたり、巻き込まれてしまうのは、私自身の中にある心の痛み、無価値感から来る「必要とされることで自分の価値を感じたい」という欲求からでした。

 

ですから、クライエントの依存を刺激するのは、多くがカウンセラーの心の中のある心の痛みです。心の傷が無意識に反応して、逆転移が起きるからです。

 

依存したくなるほどの激しい寂しさ、孤独感、悲しみ、人への不信感、でも、愛情に飢えている方の心の援助は、彼、彼女の激しい心の痛みから来る孤独感や愛情飢餓感を、深く感じ、一緒に居ることです。

 

そして、カウンセラーは、これまでとは違う人間関係を安定して提供し続けることです。

 

ちゃんと線を引く。

 

そして、健康的に線を引いた人間関係の距離の取り方と、その関係の中で健康的な依存関係を提供する。

つねに変わることない安定した暖かな関心と愛をもって、ゆらぐことなく居ること。

 

それが、クライエントにとっては、新しい経験になります。

 

言うは易し、ほんとうに、とても難しいことです。

 

それが理屈ではなくカウンセラーの存在、在り方としてできるには、

 

カウンセラー自身の中にも存在する心の傷つきからくる依存的な欲求、悲しみ、怒り、寂しさ、等、親子関係の中で傷ついた心の痛みを癒して解決しておくことです。

 

私もまだまだです。

スーパークライエント、自分に向き合うことをしています。

 

参考にしてみてくださいね。

 

本日もお読みいただきありがとうございました♪

 

■産業カウンセラー実技試験対策の過去記事は↓からどうぞご覧ください。お役に立てば幸いです。
産業カウンセラー実技試験対策①

その②

その③

その④

その⑤

その⑥

その⑦


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