ＴＰＰの内容が如何に酷いかについても今後しっかりと検討＆解説をしていきたいと思いますが、その前に、今回はＴＰＰに関して安倍政権がついた３つの重大なデマについて解説したいと思います。
重大なデマその① 選挙公約違反
自民党は２０１２年の衆議院選挙ではっきりとＴＰＰ反対を掲げて選挙を戦い勝利しています。そのようなパンフレットやポスターも大量に作成しておりこれが選挙公約ではなかったと主張するのは常識的に考えて不可能です。
ですが、安倍首相は、2012年2月に放送された「ウェークアップ！ぷらす」という番組の中で、はっきりと、「（TPP）交渉に参加することは、わたくしは賛成です」と述べています。
TPP交渉参加に賛成する安倍晋三
さらに、安倍首相はなんと、この選挙のおよそ半年後には交渉参加し、１年後には「ＴＰＰは私の経済政策を支える主柱です」と述べています。
世界経済フォーラム年次会議冒頭演説～新しい日本から、新しいビジョン～
平成26年1月22日 スイス・ダボス、コングレス・ホール
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0122speech.html
要は、最初からＴＰＰに反対する気など全くなかったにも関わらず、選挙で票を獲得するためにワザとウソをついたという可能性が非常に高いのです。
重大なデマその② 守り抜くべき国益6項目の放棄
また、交渉参加前の段階では、自民党が公表した「ＴＰＰに関して守り抜くべき国益」と題した公式文書にて、６つの重要項目を挙げています。
１ 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
２ 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
３ 国民皆保険制度を守る。
４ 食の安全安心の基準を守る。
５ 国の主権を損なうようなＩＳＤ条項は合意しない。
６ 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
しかし、後にはこれらの6項目の目標は事実上放棄し、聖域として重要5品目の関税を守ることを目標としました。「守り抜くべき国益」を放棄したということは、事実上、自民党が重要な国益の一部を放棄したということになります。
これらの目標を放棄したことに関して、安倍首相は「これらは公約ではなく政策集である」と述べているそうですが、自民党の宇都隆史議員は、ＹｏｕＴｕｂｅの番組にて「TPP6項目は政権公約」であるとはっきりと述べています。
ここでもいくつもの重要な嘘が含まれるワケですが、とりわけ重要なのは、自民党は政権公約である6項目の約束を放棄し、なおかつ、「国益を守るよう交渉を進める」と言いながら、自分たちが「守り抜くべき国益」であると指定した6項目を守る約束をも反故にしたということです。
重大なデマその③ 国会決議違反
また、今回の交渉結果は、2013年の国会決議に違反しているという指摘も出てきています。
ＴＰＰ 関税撤廃率９５％ 野党「国会決議に違反」
環太平洋連携協定（ＴＰＰ）により、日本が関税をかけている九千十八品目のうち、約９５％の関税が撤廃されることが分かった。二〇一三年に衆参両院は、コメや乳製品をはじめとする農産品五項目などの関税を維持するよう決議。これを守れば撤廃される品目の割合は９３・５％にとどまる計算だった。しかし交渉の結果、コメの加工品の一部やクリームチーズ類などの撤廃が決まり、関税をなくす品目が増えた。 （吉田通夫、宮尾幹成）
安倍晋三首相はＴＰＰの大筋合意を受けた六日の記者会見で「自民党が掲げた国民との約束は守ることができた。（農産品の五項目で）ギリギリの交渉を続けた結果、関税撤廃の例外を設けることができた」と話したが、関税が撤廃される品目は約９５％に達し、「一三年の決議に明確に違反している」（民主党議員）との指摘も出ている。
ここで、安倍信者共は、いつものように、「国際条約の方が国内の国会決議より優位だ！！」などというバカな擁護をするでしょうが、ＴＰＰはまだ批准されていないので、正式な国際条約ではありません。ですので、今回のＴＰＰの交渉結果そのものが国会決議違反であり、さらに、このような国会決議に違反する条約を批准することは、国会での審議をないがしろにするものであり、民主主義自体の否定であります。
今回のＴＰＰは日本にとって何一つメリットはなく（おっと、タオルと陶磁器の関税が撤廃されたので正確にはタオルと陶磁器の関税撤廃以外には何のメリットもないということになります）、今回のＴＰＰの条約の中身についても検証が必要なのですが、まずはそれ以前の問題として、今回の交渉や合意に至るプロセスに手続き上の重要な問題がいくつも存在するということを認識する必要があるでしょう。
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重大なデマその① 選挙公約違反
自民党は２０１２年の衆議院選挙ではっきりとＴＰＰ反対を掲げて選挙を戦い勝利しています。そのようなパンフレットやポスターも大量に作成しておりこれが選挙公約ではなかったと主張するのは常識的に考えて不可能です。
ですが、安倍首相は、2012年2月に放送された「ウェークアップ！ぷらす」という番組の中で、はっきりと、「（TPP）交渉に参加することは、わたくしは賛成です」と述べています。
TPP交渉参加に賛成する安倍晋三
さらに、安倍首相はなんと、この選挙のおよそ半年後には交渉参加し、１年後には「ＴＰＰは私の経済政策を支える主柱です」と述べています。
世界経済フォーラム年次会議冒頭演説～新しい日本から、新しいビジョン～
平成26年1月22日 スイス・ダボス、コングレス・ホール
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0122speech.html
要は、最初からＴＰＰに反対する気など全くなかったにも関わらず、選挙で票を獲得するためにワザとウソをついたという可能性が非常に高いのです。
重大なデマその② 守り抜くべき国益6項目の放棄
また、交渉参加前の段階では、自民党が公表した「ＴＰＰに関して守り抜くべき国益」と題した公式文書にて、６つの重要項目を挙げています。
１ 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
２ 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
３ 国民皆保険制度を守る。
４ 食の安全安心の基準を守る。
５ 国の主権を損なうようなＩＳＤ条項は合意しない。
６ 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
しかし、後にはこれらの6項目の目標は事実上放棄し、聖域として重要5品目の関税を守ることを目標としました。「守り抜くべき国益」を放棄したということは、事実上、自民党が重要な国益の一部を放棄したということになります。
これらの目標を放棄したことに関して、安倍首相は「これらは公約ではなく政策集である」と述べているそうですが、自民党の宇都隆史議員は、ＹｏｕＴｕｂｅの番組にて「TPP6項目は政権公約」であるとはっきりと述べています。
ここでもいくつもの重要な嘘が含まれるワケですが、とりわけ重要なのは、自民党は政権公約である6項目の約束を放棄し、なおかつ、「国益を守るよう交渉を進める」と言いながら、自分たちが「守り抜くべき国益」であると指定した6項目を守る約束をも反故にしたということです。
重大なデマその③ 国会決議違反
また、今回の交渉結果は、2013年の国会決議に違反しているという指摘も出てきています。
ＴＰＰ 関税撤廃率９５％ 野党「国会決議に違反」
環太平洋連携協定（ＴＰＰ）により、日本が関税をかけている九千十八品目のうち、約９５％の関税が撤廃されることが分かった。二〇一三年に衆参両院は、コメや乳製品をはじめとする農産品五項目などの関税を維持するよう決議。これを守れば撤廃される品目の割合は９３・５％にとどまる計算だった。しかし交渉の結果、コメの加工品の一部やクリームチーズ類などの撤廃が決まり、関税をなくす品目が増えた。 （吉田通夫、宮尾幹成）
安倍晋三首相はＴＰＰの大筋合意を受けた六日の記者会見で「自民党が掲げた国民との約束は守ることができた。（農産品の五項目で）ギリギリの交渉を続けた結果、関税撤廃の例外を設けることができた」と話したが、関税が撤廃される品目は約９５％に達し、「一三年の決議に明確に違反している」（民主党議員）との指摘も出ている。
ここで、安倍信者共は、いつものように、「国際条約の方が国内の国会決議より優位だ！！」などというバカな擁護をするでしょうが、ＴＰＰはまだ批准されていないので、正式な国際条約ではありません。ですので、今回のＴＰＰの交渉結果そのものが国会決議違反であり、さらに、このような国会決議に違反する条約を批准することは、国会での審議をないがしろにするものであり、民主主義自体の否定であります。
今回のＴＰＰは日本にとって何一つメリットはなく（おっと、タオルと陶磁器の関税が撤廃されたので正確にはタオルと陶磁器の関税撤廃以外には何のメリットもないということになります）、今回のＴＰＰの条約の中身についても検証が必要なのですが、まずはそれ以前の問題として、今回の交渉や合意に至るプロセスに手続き上の重要な問題がいくつも存在するということを認識する必要があるでしょう。
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