【富士登山競走レポ ~準備編】
市役所では、すでに多くのランナーが準備を進めています。
私も一画に陣取り、最終確認を行う。
さて、今回の装備は…
シューズ dadizero JAPAN 6
ZAMST インソール
下半身 2XU MCSランコンプショーツ
タビオレーシングランプロ5本指ソックス
ZAMST プレシオーネカーフ
上半身 シングレット
頭部 ミドリ安全インナーキャップヘルメット、バフ
アクセサリー サングラス、リストバンド
ザック TNF TR-10
Hydrapakソフトフラスク350mlに水
補給 Mag-On4個
その他 登山用グローブ、レインジャケット
携帯電話、お金(トイレ&非常用)
脚各部にテーピング
富士登山競走は、その独特性ゆえ、
普段のロードレースとも違うし、トレランとも違う装備。
しかも、ケガの保護のために、いつも以上の過剰装備です。
先ずはシューズ。
人によってトレランシューズか、ロード用シューズか分かれるところでしょうか。
個人的には、ロード用シューズで十分だと思います。
登りのみで下ることが無いので、トレイルシューズのようなクッションやゴツゴツしたスパイクは必要ないとの考えから。
何より、序盤のロード部分での順位が、その後の展開に大きく関わってきます。
重いトレイルシューズだと、スピードが出せません。(私には)
ただし、ロード用の柔らかいアウトソールは、富士山の砂礫によって、一度の登山でボロボロになるらしい。
そのため、使い古しのシューズで走るランナーがほとんど。
しかし、私は今回のためにニューシューズを下ろしました。
練習不足を補うためと、ケガを保護するため、少しでもクッションがあった方がいいので。
と言いつつ、色々な店を比較し、1円でも安く買ようにしましたが…(汗
次に、必携装備のヘルメット。
持っていないランナーは、六合目でレンタルさせてくれるらしい。
しかし、関門ギリギリが予想される私。
1秒でも無駄にしたくないため、自前のヘルメットを被ってスタートします。
実は、コロナのために前大会は中止になりましたが、事前にヘルメットだけは準備していました。
それが、3年越しに、やっと日の目を見ることに。
ただし、インナーキャップ式なので、これ単体ではなく帽子も合わせて被らないといけない。
と言うか、これだけ被ると、見た目が…(汗
ぶっつけ本番は怖いので、試走時にキャップに合わせて試してみました。
が、私にとっては、これが非常に登りにくかった。
キャップのツバが上方の視界を遮り、岩場などの急斜面を登るのに、非常に邪魔でした。
ツバを後ろに回せばよいのですが、なんだか後頭部に違和感が。
そんな訳で、バフを上から被ってごまかすことに決定。
私には、このヘルメット単体で被る勇気は、ありませんでした…(笑
次に悩んだのが、ザックを背負うか否か。
なるべく身軽に登りたいので、いつもなら背負わないと思います。
しかし、ここで問題になるのが、給水。
今回はコロナ対策のため、カップを持参し、タンクから給水しなくてはならない。
1秒でも惜しいのに、そんなことをしていたら、並んで時間がかかるのでは?
また、七合目以降の給水ポイントも、減っているとか??
そんな考えから、350mlのソフトフラスクをザックの前側に入れ、基本的に給水はこれで賄うことに決定。
もちろん、頂上まで水分350mlでは足りない。
なので、中の茶屋、馬返し、五合目でもらえるペットボトルもその都度ゲットし、ザックに入れて持っていく作戦にしました。
あと、お金やスマホも持っていくのに、落としたら怖いな~、という考えもありました(汗
ポーチよりも持ち物の整理がしやすいのは、ザックの利点だと思います。
補給もエイドでは期待できなかったので、自前で準備。
マグオンを1時間に1個の計算で、計4個。
もう1点、今回変えたのが、登山用グローブ。
試走をして感じたのですが、ゴツゴツした岩場を、手で掴んで上ることが多い。
これまでのトレイルレースでは、指だしグローブを使用していました。
しかし、指先まで保護されていないと、思い切って岩を掴めない(泣
そんな訳で、登山系のショップへ行って、登山用グローブを急遽調達。
軍手でも構いませんが、暑くて蒸れそうだったので、夏用の涼しそうなモノをチョイスしました。
嬉しいことに、UVカットのおまけつき(いまさら?)
走ることに関しては以上ですが、今回はケガ対策も追加。
先ずは、テーピング。
捻挫した左足首を固定するため、治療院などで使用される「アクションテックス」を調達。
キネシオテープに比べて、低伸縮で粘着力が強いです。
これで、左足首をフィギアエイトで固定します。
ついでに、右足まで捻挫したら怖いので、こちらは家に余っていたニューハレのXテープで固定(レベル1)。
さらに、膝関節保護のため、ファイテンチタンテープを「ひざの皿ささえ貼り」。
そして、これまでのランニング生活では使ったことのなかった、インソールとカーフガードを初投入。
治療院の先生の話では、捻挫のせいで左足のアーチが落ちているらしい。
それをカバーするために、インソールを利用することにしました。
実際に練習で使ってみると、足首の違和感が無くなる。
今まで特に必要性を感じていませんでしたが、インソール1枚でこんなに変わるのかと、目からウロコでした。
カーフガードも使ったことは無かったのですが、とにかく少しでも完走の確立を上げるため、モノに頼る作戦です(汗
以上に様に、考えうる限りの対策を行い、準備完了。
あとは、専用の袋に入れて、荷物預け。
袋は2種類。
緑色の小さな袋は、五合目行き。
白い大きな袋は、道の駅吉田行き。
私は走ったままの格好で帰るつもりだったのですが、
念のため緑の袋にTシャツ短パン、汗拭きシートとタオルを入れました。
それ以外の荷物は、白色の袋へ。
荷物預けも終了し、あとはスタートを待つのみ。
スタートエリアに行くと、ブロックごとに大まかな待機場所が設定されていました。
Bブロックの私は、市役所向かいのビルの駐車場へ。
ストレッチなどをしつつ待ち、6時30分、道路封鎖&整列開始。
前回は多くのランナーが一目散にスタートラインに駆け込んでいました。
しかも、なるべく前方に並ぶために隙間が無いほどぎゅうぎゅうでした。
しかし、今回はそんな様子は全く無し。
おかげで、特に意識するわけでもなく、ブロックの前方に並ぶことに。
もっとも、この位置取りはそんなに気にするものでもないかもしれません。
記録はネットタイムだし、ロスもせいぜい10秒ほど。
長い山頂への行程を考えれば、落ち着いて並んだ方がよいと思います。
スタートまで30分。
少しでも体力消費を抑えるために、地面に座り込む。
テーピングで固めた、左足首をぼんやりと眺める。
完走できるか…?
いや、絶対完走するんだ…。
しかし、無理して怪我したら…。
色々な思考が巡り、落ち着かない。
覚悟を決めたつもりでも、やはり弱い部分が心を乱す。
やがて、選手宣誓が始まる。
40回連続出場の、芹沢選手。
富士登山競走に対する思いのこもった、心揺さぶられる宣誓でした。
芹沢選手は、60歳となる今回で引退するらしい。
しかし、富士登山は続けるとのこと。
好きなことを、いつまでも続けていたい。
私も、常々そう思っています。
走れるだけで、幸せじゃないか。
そう考えると、緊張感がすっと抜けました。
とにかく、今できるベストを尽くそう。
気持ちを新たにし、午前7時、山頂への挑戦が始まりました。