§7.「なぜ教員の質が低下しているのか」(朝比奈なを 朝日新書 2025)を読んでみた

 

 教師にとって日本の公立学校の現状を理解する上で極めて貴重なデータ、大切な指摘が数多く登場し、現役の教師としてはぜひ、読んでおくべき良書の一つであるが、今や、多くの教師は本一冊読むことすら、大きな負担を感じてしまうに違いない。そこでお忙しい皆様の参考とすべく、以下、本書の内容の一部をかいつまんで紹介し、自分の感想を少しだけ付け加えてみた。

 なお、重要なポイントとなる朝比奈氏の指摘、事柄は太字、特に重要な箇所は赤字で、自分の感想は緑字で記しておく。

 

 2023年度小学校218238人(前年より約2万1千人増)、中学校275202人(約1万1千人増)、高校104814人(約1万8千人減)。高校では三部制の定時制など(2024年度定時制入学者7万1662人)や通信制高校への入学者(2024年度在籍数29万87人。ただし進路先未定のまま約3割が高校卒業している、といった問題点も)が増大し、不登校生徒の多くを吸収しつつある。

 ヤングケアラー日本語を理解できない保護者のサポートで長欠する児童生徒が増大。他方で「隠れ不登校」(欠席扱いされない児童生徒の増大)も約5万人。つまり2023年度の小中学校の不登校数は実際には概数として約55万人に及ぶと推測できるのでは?

 また小学校低学年及び中学年の不登校が急増。くわえて不登校期間の長期化重症化年間の登校日数が約200日の内、90日以上欠席する児童生徒が2019年度小中学校で約1万人だったのが、2023年度には約1万9千人とほぼ倍増)が進んでいる。

 原因としては学校の制度が現状の社会と酷くミスマッチ。共稼ぎ世帯が専業主婦世帯の約2.2倍となり、子どもを朝、起こせない…放課後も面倒を見られない(…学童保育の遅れ)家庭が増加。母子家庭の場合、母親の半分以上は非正規雇用で平均年収は236万円(父子家庭は496万円)であり、過重労働、貧困に直面

 学校設備の老朽化、破損に加えてエアコンや洋式トイレ設置の遅れも公立学校を忌避する傾向を助長。

 2016年の教育機会確保法により、「不登校は問題行動ではない」旨が明記され、登校圧力が低下し、「学校からの逃走」が容認される。

 教職のブラック化による対応力の低下。2004年の「発達障害支援法」、2014年の「障がい者権利条約」の発効により、学校には子どもの適性に応じた配慮や支援の義務があるとされた。こうした動きの延長線上に「教育機会確保法」が2016年に成立。2023年には「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」プランがまとめられる。これらの措置は結果的に教師の職務を激増させる。

 保護者の学校や教師への評価の低下、むしろ不信、不満が増大。にもかかわらず、教師側には保護者の心情への理解が足りず、学校教師への不信感に鈍感となるか、「モンペア」(2007年以降、頻出。その出現は既に1990年代後半から)の一言で保護者を括り、ひたすら敵視して反発するだけ。

 かつて学校や教師への敬意を欠き、強く反発してきた校内暴力世代に属する保護者の間でとりわけ教育サービスの消費者という意識が優勢になり、学校や教師への過大な要求と不満が過剰に噴出。加えて新自由主義の蔓延が保護者の消費者意識を高め、子どもたちの教育へ教師と共に関わろうとする意識が希薄になってかつての協力関係が崩れてしまった。結果的に保護者対応が教師の最大の重荷に。2023年の奈良県教育委員会の調査では教職員のストレスの源のトップに過大な業務量と保護者対応が並ぶ(小学校では保護者対応、中高では過大な業務量がストレスの原因のトップ)。→スクールローヤーの導入2010年代の半ばから始まり、2020年度からは財源措置導入)、PTA、子供会の衰退

 教員もまた教育への情熱を失い、学校から距離をおくように。加えて深刻な教員不足(2000年代には表面化)の進展、非常勤職員による穴埋めも種々の問題を引き起こす。教員不足の背景には児童生徒数ではなく、学級数に応じて増減する教職員の定数を定めた義務標準法の欠陥も。加配は一定程度認められているが、現状では予算のハードルが厳しく、申請の手続きも煩雑。

 …教員にとってより負担の大きい「個に応じた指導」を長年求め続けておきながら、一学級の子ども数を減らして教員定数を増やす努力を怠ってきた教育行政側の責任は重大。すなわち1980年代から延々と続けられた闇雲な行政改革こそが公務員の削減と義務教育費の削減をもたらし、学校の疲弊を招いた張本人であろう。

 しかも学校には福祉(障がい者の学び保障)業務や危機管理(災害時の避難場所)業務、消費者教育、金融教育、英語教育、IT教育、探究学習などの教育職務が情け容赦なく続々と加わる。その都度、無意味な官製研修が増えていき、学校現場の疲弊を進めていく。その中で最大の噴飯物は教員免許更新制の導入であった。これでついに教員側の堪忍袋の緒が切れ、我慢の限界に達した教師たちの間で教職への熱意、意欲が一気に萎えてしまったケースは極めて多いはず。

 「教員の質の悪化」問題自体、実際にはとっくの昔から存在していたはずだ。PL法を例にして教員の質の問題を例えてみよう。現在、教員の質が低下している原因の多くは本をただせば教員養成教育の欠陥から始まるだろう。つまり教員を生み出すプロセスこそがまずは問われるべき問題なのだ。さらに学生たちの教師像が形成される時期にも原因は遡れるだろう。つまり彼らの「恩師」たちのパフォーマンスも、現在の教師たちの質に大きな影響を及ぼしているに違いない。また新任教師を育てる学校現場や教育委員会の研修内容にも質の低下要因が少なからず潜んでいるはずだ。

 つまり製品が何らかの問題を引き起こす時、まず問われるのはその製品の製造プロセス、材質など、いわゆる製造物責任である。これは教員養成プロセスの問題に該当する。またその製品を利用した側の責任もあるだろう。乱暴に扱ったり、点検を怠っていなかったか、などといった製品の使用方法や管理、保管上の問題が次に問われるはず。これは教員採用や教員研修など、文科省以下、各教育委員会や各学校側の問題となる。

 世間的にもっぱら問題視されるのが後者、すなわち教師の利用のあり方(働き方)、教師の研修のあり方に偏ってしまう傾向を私は感じてきたのだが、いかがか。

 教師の質を問う際に、質の劣る新任教師を生み出している教員養成のプロセスや、そうした質の劣る教員を採用したり、敢えて管理職に登用してしまう人事のあり方にも、私たちは厳しい目を向ける必要があるだろう。

 さらには団塊世代の大量退職後、世代間のアンバランス(40代と50代の前半が少なく、20代、30代が多い)が一気に表面化し、教師たちの助け合いのもととなるチームワークが崩れてきた。若い教師の割合が増えることで産休、育休も増え、代替教員を見つけられないことによってその穴埋めが一般教員に割り振られ、教職の「罰ゲーム」化が進む。そこに副校長、主幹教諭などの新設による教員の階層化まで進み、職員集団の分断、挙句の果てに新任教師の孤立までも加速。今や仕事の押し付け合いによる若手教員の早期退職、安易な使い捨てが学校現場では日常的となりつつある。多くの公立学校の実情はもはやかつてのブラック企業そのものと言って良い。

 教員採用試験の倍率低下に伴う、教師の学力低下も加速している。地方によっては定員割れの状態が出現し、教師の質を維持できなくなっている。不足するのは教員の「量」だけではなく、「質」もまた足りなくなっているのだ。教員による不祥事の連発はそのことを雄弁に物語っている。もちろん学校のブラック化が公然とした事実として世間に周知されるにつれ、教員志望者が若者の間で減少するのは不可避である。

 こうした事態を招いた責任は専ら教育や福祉を軽視してきた国政、とりわけ問題だらけの教育行政側にあり、マスコミの報道ぶりに問題を見出す朝比奈氏の指摘は核心からズレているように感じる。また若者が教職を忌避する傾向が出てきたのはお粗末な教育行政がもたらした当然の結末であり、若者たちの進路選択はむしろ概ね正しいと言って良い。したがって「社会が若者に教員になることを俊巡させている面が大いにある」(P.133)と私は思わない。仮にそうだとしてもここで言うところの「社会」とは専ら政治・行政の方であり、マスコミの方ではあるまい。

 しかし「教員志望者を増やすためには、給与を上げ、仕事を精選して労働条件と環境を改善するしか方法はないと断言できるという指摘は問題の核心をついており、全面的に支持する。

 ただし「学校には子どもの成長に配慮した施設、設備、教材が備わっており、また、大学で教職課程を学び、教育実習を経て教員となった人の専門性は高い」(P.146)という記述はこれまでの朝比奈氏の指摘と完全に矛盾しており、個人的には違和感しか覚えない。

 P.172~173の記述にある通り、教員免許取得において一番重要な教育実習の期間が日本の場合、極めて短く、不十分。さらに教員免許取得に大学院卒を求める北欧と比べれば、日本の教師の専門性は決して高くはあるまい。まして朝比奈氏自身が指摘されているように現今の教員採用試験の倍率低下によって、教員の質自体、全体的な低下を余儀なくされている。そして日本の公立学校の施設は地域によっては不備だらけであり、老朽化も進んでいる、と本書のP.47~52で自ら指摘されているではないか。

 この論理的矛盾は決して小さくあるまい。本書に垣間見られる論理の揺れ、矛盾はもしかすると朝比奈氏が長年抱えてきた学校教育への素朴な信頼感がもたらしてしまっているのではあるまいか。

 公教育が必要悪として本質的に抱えざるを得ない負の側面(集団主義的社会化、資本主義的人材育成と選抜機能…)を完全に否定するわけにはいかないだろうが、かといって無条件に肯定して良いものでもあるまい。公教育が抱える負の側面と正の側面とのアンバランスを日本の現状の中でどうバランスよく調整していくのかが、教育問題を話題にする際には常に問われていると思うのだが、いかがか?

 

 …とは言え、本書の終わりの方で教職を担当している大学の教官の言葉として「現代社会と自分の生活がどんな関係を持っているかを考えない学生が多い」という、「現代社会」を担当してきた元教師としては実に耳の痛くなる指摘があった。これは高校での授業に際して、多くの教師が「現代社会」という科目の果たすべき本来の重大な役割に十分な関心を向けてこなかった証拠だろうと個人的には感じた。40年余り前に設置され、今は消滅してしまった、極めて画期的な意義を持つはずの科目が、おそらくはその目的を不十分にしか果たせずに消滅してしまった…その責任の過半は私たち、当時の社会科教師にあるに違いない。

 「現代社会と自分の生活」との関係性を考える材料として学校そのものを授業のテーマとして教材化する試みを個人的にはしてきたが、限界は大きかった。この点はいまだに慙愧の念に堪えない。これまでの高校社会科の授業の至らなさが、今時の教育実習生の「現代の学校教育に問題意識を持ち、それを踏まえて、子どもたちにこのように接してみたい、このような授業を行ってみたい…」(P.235)といった意欲に欠ける側面が生じてしまっているのだろう。また教育実習生に「学校現場の現状是認型の姿勢」(P.236)が一定数、見られるのも、「現代社会」の授業が不発気味に終わっていた証拠かもしれない。もちろん、これは大学での教員養成の問題でもあろうが…

 こうした問題点に絡んで「教員の資質向上の掛け声の下、教員の養成、採用、さらに教員になった後の研修の全てに関して教育委員会の関与が大きくなっている」(P.237)との指摘は実に慧眼である。おそらく今後、日本の学校では全国的に「教育行政に対して、それを容認する姿勢を持つ教員しか存在」(P.237)できなくなる可能性は極めて高い(千葉県の場合は古くからそういう人事だったが)だろう。

 2000年代以降、教員養成が「その時点での学校現場で必要とされる実戦的な知識や技術の育成が主眼とされ」、その結果、「教育制度や行政への批判的精神は育たず、教育の本質に関する深い思索も行われない現状是認型の育成」になっていることへの強い懸念も表明されている。

 さらには朝比奈氏が指摘するように、「人材」という言葉が多用される教育が新しい「国家主義」に向かい、将来、富を築くスキルを教える教育の強調が新しい「立身出世主義」につながる危険性もまた大いにあるだろう。

 最後に本書で登場した、80年近く前、ある教育実習生が記した以下の文をぜひ、熟読玩味したい。

 …既に獲得すべき目的を地位や冨に置くならば、そして、これらのものが有限であるならば、当然にそれの獲得は修羅の巷を現出せしめずには置かない。日本の社会が持つ落ち着かざる慌ただしさは、ここに原因が存する。立身出世主義は最広義に於ける物質主義に属し、判然として理想主義に対立する…(P.276)

 

参考記事

高齢化で外国人の入居相次ぐ光が丘団地、小学校では日本語「個別」指導…校長

    「増加スピードに対応追いつかない」 読売新聞 2026.1.9

 こうした現象は都市部の小中学校や定時制高校ではかなり早くから指摘されていたはずである。日本語が分からない児童生徒を持て余し気味の中学校においては苦肉の策として既に10数年前から日本語を母語としない生徒を一クラスに集めて指導の効率化を図ろうとしていた。まして東京都や神奈川、埼玉の一部では遥かに深刻な事態が生じていたに違いない。

 高齢者の割合が増えて施設の老朽化が進み、とうとう一部が廃墟化している団地は千葉県でも各地で見られる。実際、「廃墟ツアー」を謳い文句とする幾人ものユーチューバーが繰り返し訪れる有名な団地群が私の近所にも複数存在しているのだ。そのうちの一部は比較的立地条件が悪くないこともあって早くから外国籍の方の入居が目立ってきていた。私の住む市原市では東京近郊の市町村の例にもれず、やはり日本語の不自由な外国籍の方が急増している。

 日本語の不自由な保護者が増え、入学式の光景はすっかり様変わりし、ある面では国際色がきわめて豊かになっている。そうした現在、日本語での授業が難しい児童生徒は千葉県の場合、その多くが大した援助を受けることなく放置されてきた。ひらがな、カタカナすら十分に分からないまま、高校三年生になっている生徒までいた。つまり中学校以降、きちんとした個別指導を通じての学力の保障を受けられずに「形式卒業」と「形式進級」が中高の数年間、無駄に繰り返されていたのである。

 今後はさらに事態の悪化が進むだろう。それは学校のブラック化を止める事に失敗し続け、教員の量的不足と質の低下という最悪の事態をもたらしてしまった教育行政の、もっぱら負うべき問題である。仮に、この問題解決のために新たな負担が教職員に加わるとしたら、公立学校崩壊の日が近づくだけであろう。

“若者のSTEM離れ 何が足りない? 調査が示す本当の理由

     TechTargetジャパン 2026.1.5

 日本の学校教育を考える上でも非常に重要な調査結果であろう。「科学分野で実験や実習といった体験型授業を十分に提供しないことは、子どもが将来STEM(科学、技術、工学、数学)分野の職業を選ぶかどうかに直接的な影響を与えること」がイギリスの調査結果から指摘されている。「体験型授業が減少傾向にあること、その背景にはさまざまな障壁が存在することが明らかになった」という指摘は日本にも十分当てはまるだろう。

 「調査対象となった7~9年生(中学1~3年生)の生徒の52%が、科学への学習意欲を高める上で体験型授業が重要だと回答した。この傾向は、もともと科学への関心が低い生徒ほど顕著に見られた。体験型授業が減ることは、結果的に将来その科目を学ぶ意欲を削ぐことにつながると言える。」加えて「女子は男子に比べて、体験型授業がある科目への関心を抱きやすい傾向がある。SET 2023で、体験型授業が学習の動機になると回答した人は、男子が50%だったのに対し、女子は54%に上った。優れた教員の存在も、男子より女子にとって重要度が高いという結果になった。」という指摘は日本にとっても実に耳の痛い重要ポイントであるはずだ。

 「2週間に1回以上、体験型の課題に取り組む就学者の割合は、2016年は44%、2019年は37%で、2023年には26%まで落ち込んだ。試験対策として実験や実習ではなく、授業でビデオ視聴をすると回答した就学者の割合は、2016年の39%から2023年には46%に増加した。」という指摘はイギリス以上に日本への厳しい警告となっていると考えるが、いかがか。

 多少改善しつつあるものの、日本では古くから女性の理系離れが深刻であった。近年、わずかながら上昇してきた女性の理系進学率も、今後はかつてないほどに低落してしまうかもしれない。たとえば教員採用試験の倍率低下によって近い将来、教員の理数系授業における力量にも大きな問題が生じてくるのではあるまいか。特に小学校での理科分野における実験や観察、解剖実習は既に質、量とも大幅に低下しているのでは…と危惧しているのだが、いかがだろう。

 授業ではイギリスでの調査に類似した、簡略な調査を実施してみて、その結果をイギリスの結果と比較し、生徒たちと差異が生じた、ないしは生じなかった理由について詳しく分析してみると面白いだろう。

高2自殺 学校がいじめ報告書拒否 裁判で担任教諭「認識なし」証言

     朝日新聞社  2025.12.16

 …第三者委は18年11月、男子生徒に対する腹の音に結びつけたからかいなどをいじめと認定。「少なくとも中学3年時以来のいじめを主たる要因としつつ、これに起因した心理的な孤独・音に関する過敏な心理状態、教師からの理不尽な指導、学習に関する悩みや焦りなどが相互に作用し合って自死につながったものと考える」と結論づけた。だが、学校側が受け入れを拒否し、両親が22年に提訴した。…

 この件の突出した異様さは上記に示された、遺族の提訴に至るプロセスのゾッとするほどのグロテスクさに現れているだろう。学校側が第三者委員会の報告書を受け入れ拒否する、という前代未聞の冷徹な対応、当時の担任の、恐ろしいほどのイジメ認識への欠落、「いじめ防止対策推進法」の理解度については「読んだことはありますが、細かく把握できていなかったかもしれません」とまるで他人事のような、あからさまに乾ききった証言…

     自殺にまで至ってしまった事の重大性についてひたすら「我関せず」という、開き直りとも受け取れるような冷酷で鈍感な対応…当該教師の発言や対応からは教育に関わる者として最低限に必要とされるだろう資質の欠片すら、微塵も感じ取ることができない。この教師を雇い続けた学校側の経営責任まで厳しく問われるべき、異常な事件だと思うが、いかがだろうか。

独自取材|仙台育英いじめ被害生徒「本当のことを知ってほしい」何度も自殺未

     遂、ようやく始まった調査 “声が届かなかった2年半”“訴えても動かなかった学校”

     とサッカー部指導者の対応     FNNプライムオンライン 2025.12.13

 …学校側は、再質問状に対する12月3日付の回答書で、「特定の個人に関する内容のため回答は控える」としたうえで、「公式見解はホームページに公表している通り」としています…という。これはまさに個人のプライバシーの保護を盾にした、イジメ案件に対する典型的な隠蔽工作がこの学校にもいまだに根強くはびこっていることを予感させる。

 問題のあったサッカー部への学校側による対応は監督および部長の辞職、全国大会への出場辞退、という、それなりの厳しさを感じるものではあった。しかしこれだけでは「トカゲの尻尾切り」の印象を免れまい。このイジメ問題が長期にわたって継続してしまった大きな原因は、決して特定の人々による不適切な対応の積み重ねだけではないはずだ。

 ここまで問題がこじれてしまった背景には多くのスポーツ名門校が共通して抱えている、根深い構造的、体質的問題が潜んでいるに違いない。今夏の夏の甲子園大会でも似たような問題が他県で露見したばかり。しかしその教訓はおそらくスポーツ名門校に内在する構造的問題に阻まれ、相変わらず十分に生かされていない…と感じざるを得ない。

 スポーツでの実績を宣伝材料にして生徒集めに狂奔する余り、学校の印象を悪くするような事態は出来るだけ表に出さずに隠蔽しようとする…こうした学校経営者側の姿勢はこれまでも数多く見られてきた。似たような不祥事を繰り返さないためにも、経営者側には任命責任が厳しく問われなければなるまい。一体、誰がこうした不祥事を招くような監督、部長を任命してきたのだろうか…どう見ても学校側の組織運営上の責任は決して軽くないはずだ。

教員1,400人調査、やりがい8割超も「多忙」が課題トップ リシード 2025.11.25

教員の“精神疾患による休職”7000人の時代 「働き方改革だけでは解決しない」理由

     とは?【専門家に聞く】 AERA DIGITAL 塚田智恵美 2025.11.25

 この対応はただの対症療法の一つに過ぎない面もあるだろう。大きな原因は教師の職務の質と量があまりにも過剰である点にあると考えるがいかがか。対策はこの点の改善に最大の比重を置くべきだと考える。大胆な業務量の削減こそが真っ先に急がれるべき課題の中心であり、この視点から目を逸らすような問題点の指摘は、何よりも深刻な教員不足の解消を急ぐべき現時点では好ましいとは思えない。

 確かに多くの教育問題が「働き方改革だけでは解決しない」問題であることは事実だが、仕事量の大幅な削減を軸とする「働き方改革」を改革の先頭に置かない限り、すべての改革は水泡に帰するだけであろう。ただでさえ、「教育改革」という、教師の負担をひたすら重くする「改革」の呪縛に長く苛まれてきた教師たちなのである。教師たちの教育行政への不信感がいかに大きいものなのか、行政側はまずしっかりと認識すべきなのだ。

教員も実感、小学校で「暴力行為18.6%増」の深刻 

     東洋経済オンライン 松尾 英明 2025.11.13

 今、なぜ小学校や中学校での児童生徒による暴力行為が増加してきているのか、その原因は単純に特定できるものではないだろう。松尾氏が指摘するように大人の指導力の弱体化という側面があるのは確かに否定できない。とはいえ、「目には目を」のように暴力には力で対抗する…といった対応がはたして暴力行為の沈静化にどこまで効果があるのかは、極めて疑わしい。

 たとえば「叱る大人がいない社会では、子どもが「悪いことをしたら叱られる」という当たり前の構造を学べません。叱られて悪いことをやめようとする子どもに暴力が横行することは、本来あり得ないのです。」という指摘は正しいのであろうか。

 かつて校内暴力が吹き荒れた時代、学校は運動部顧問、体育科教師を中心にして厳しい生徒指導を行うことで事態の鎮静化を図った事は事実である。その結果、校内暴力の沈静化は実現できたと言えるが、他方で「イジメ」や登校拒否の問題が新たに浮上してきた。つまり下手な管理主義をとったとしても別の問題が浮上するようではただの「モグラたたき」に過ぎないのかもしれない。実際に過去の校内暴力件数や学校での暴力件数の統計を確認してみよう。

 まず校内暴力の件数は1981年がピークであることが分かる。例のテレビドラマ「金八」シリーズの第一弾が1979年10月から1980年3月まで。確かにこのテレビドラマが校内暴力を多少とも誘発した側面がある、との工藤勇一氏らの指摘もあながち間違ってはいないだろう。

 次に今から30年ほど前の、暴力件数が急増してきた頃の文科省の統計を見てみよう。この時代には小学校と高校での暴力件数が統計に加わってきている。また典型的な対教師暴力を中心とした「校内暴力」よりもかなり広く学校での暴力行為を捉えるようになったようで、昭和での校内暴力の発生件数と単純な比較はできないが、暴力案件の増減の動き程度はある程度、捉えることができる。この段階ではまだ中学校での件数が小学校や高校に比べて圧倒的に多い。

 最後にこの記事で取り上げている直近のデータを見てみよう。平成20年を境にして暴力件数が増大している。と同時に中学校の件数を小学校が上回り始めている。この変化をきちんと説明できる材料は今のところ不十分なものしかないと考えるので、これについてのコメントは控えたい。

ただ現段階を含む学校での暴力件数のピークは3つ存在している。ただし、それらの内、現在の状況に関しては現在進行中の現象なのでそのピークが来年度以降になっていく可能性もある。つまり現段階ではピークを迎えつつある、という表現にとどまるだろう。

 以上を踏まえて学校での暴力案件(校内暴力を含む)の推移を見ると、一つの仮説が思い浮かぶ。まず二番目のピークに関しては校内暴力の時代の生徒らが成人して親になり、その子供たちが小学校から中学校に在籍する頃合いである点にまず注目したい。つまり二番目のピークをもたらしていたのは校内暴力世代のジュニア世代であるということ。また三番目の暴力件数急増には校内暴力世代の孫世代にあたる児童生徒が数多く関わっている可能性もある。

 私自身の経験から見ても勤務校が荒れだしたのが、二番目のピークに相当する、すなわち「校内暴力ジュニア」世代が高校生となり始めた頃とピッタリ重なるタイミングであった。そういう経験も踏まえると、現状の件数増加は親世代における反学校的文化の次世代への継承が背景に潜んでいるのかもしれない。

 以上はかなり不確かな仮説に過ぎない。こうした分かりやすい世代論には落とし穴がつきものではある。しかし、ここで管理主義を強めることが問題の解決には必ずしもつながらないのでは…という小さからぬ懸念を、以上のような観点も加わって、この記事から感じとった次第である。

学力は同じなのに…大学受験の合否を分ける「学校の先生」問題 ダイヤモンド・オンライン 孫辰洋 2025.11.27

 こういう学校の現場をよく知らない、偏った立場からの意見は俗耳に入りやすい分、誤解を招きやすく、現実的には有害であることが多い。確かに伝統的な上位の進学校教師の場合、特に年配教師の場合には推薦入試、総合型選抜の在り方をハナから否定する人は決して少なくあるまい。そしてそれが生徒たちの進学の妨げになってしまう事もおそらく生じてしまっているだろう。

 ただ、他方で進路指導の現場に一定期間、携わってきた教師の立場からすれば、孫氏の意見に必ずしも全面的には同意できない。特に20年以上、進学指導に携わってきた経験からすれば、安易な「青田刈り」につながりかねない推薦入試や総合型選抜の在り方に、大きな疑念を覚えざるを得ない。

 この問題は大学入試の前段階、高校入試の在り方と実は深いつながりがあると、個人的には捉えてきた。高校入試において学力中位層以下の高校では大学入試よりも古くから学力試験の比重が低く、早くから総合型選抜的発想が一般的となっていた。そうしたなかで学力上位層の高校でも一部、部活動の活性化、実績向上のために受験生の部活動実績を過大評価する動きが強まっていた。その結果、以前よりも学力の乏しい入学者を抱える自称「進学校」も増えてきていた。かつての当該校における授業のレベルとの大きなズレのある生徒たちの増加が学校全体に及ぼす悪影響は少なからず存在していたはずである。

 学力よりも部活動などの実績が大きく作用して高校入試を勝ち抜いた生徒の多くは大学入試でも同様の事を期待しがちである。これは、経験上、否定できない傾向だろう。そうした生徒たちが大学入試においても学力選抜を忌避し、推薦入試、総合型選抜に殺到する動きを学校全体にもたらす。一旦、この動きが表面化してしまうと、部活動の実績は上がるものの、大学への進学実績は確実に停滞する。そもそも共通テストの受験者が年々、減っていき、ついにはゼロになることすら、実際にあった。

 こういう高校では内申点を気にして授業を大人しく受けることまでは出来ていても、いかんせん学習意欲の乏しさが生徒たちの間で目立ってくる。たとえそうした生徒たちが、希望通りに推薦入試などで大学へ進学できたとしても、そもそも肝心の学習意欲が保証できないのだから、大学での授業についていける保証も出来ないだろう。

 体育系大学や芸術系大学ならばともかく、一般の大学において運動部等の実績を重視する入試の在り方自体が、大いに疑問である。実際には入試倍率の維持、向上を最優先し、部活動の実績を売名行為に用いているに過ぎない、大学入試の在り方を快く思っていない教育関係者はきっと少なくあるまい。

小学生の暴力が過去最多の皮肉。「いい子」に育てようとした親が、知らぬ間に奪っ

     たもの All About 石井 光太 2025.12.5

 幼児期の集団遊びの不足は小学一年生の暴力件数を激増させている大きな要因に違いあるまい。他方で現在の小学校は教員不足と教員の質の低下などによって激増する暴力事案に対応できる力を失いつつある。いよいよ公教育崩壊の日は近いのかもしれない。

カッパの伝言板53 高校教育の無償化

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

倍率0.69倍、前年度下回る 県立高一般入試倍率 宮崎     朝日新聞社 2026.2.20

  「0.69」倍というのはさすがに衝撃的な低倍率である。まさに衆院選における中道の歴史的大敗に匹敵するレベルだろう。しかし、中道の壊滅的敗北と同様、この現象は決して意外な事ではない。公教育の没落はとっくの昔から始まっていたのだ。むしろ、こうなるのが遅すぎた、というべきなのだ。

    「安かろう、悪かろう」の公教育がこれまで何事もなく延命できてきたのは長期にわたった日本のデフレ不況のお陰であり、既に「安価」以外の公教育のメリットはほほぼ、消失していたはずである。この「失われた30年間」、公教育はある意味、無駄に延命してしまったのである。しかし、景気回復と高校の無償化によってようやく日本の公教育に年貢の納め時が来たのだ。

 次年度以降、多くの都道府県が宮崎県と同じ道を猛烈に加速しながら追随していくであろう。これは決して悲しむべきこととは限るまい。また都道府県教委、各学校や教師たちの責任を厳しく問うべきでもあるまい。公教育をここまで悲惨な境遇に陥れた責任の過半はもっぱら政府、文科省にある。

【全掲載】宮崎県立高校一般入試 志願倍率一覧(変更前)過去10年で最も低い0.73

     倍に 私立高校の授業料実質無償化が影響か     FNNプライムオンライン 2026.2.18

 「宮崎県立高校の一般入試願書受け付けが2月18日正午に締め切られた。全日制の定員3873人に対し、志願者数は2814人。志願倍率は0.73倍で、前年度を0.11ポイント下回った。過去10年間で最も低い数字となっている。全日制34校のうち27校で、学校全体の倍率が1倍を割り込んでいる。県教育委員会は、私立高校の授業料実質無償化が要因の一つと見ている。」

 授業料無償化が公立離れを加速することは誰でも予測できただろうが、本質的な原因は公教育の没落にある。こうした事態は教育委員会とは違い、公教育を淘汰させることで学校教育全体の質を向上させることに肯定的な立場からすれば、かなり好意的に受け止められるだろう。

 とはいえ、各教育委員会が公立離れの原因を自分たちにも求める謙虚な姿勢がなければ、今、公立高校に通っている生徒や保護者への顔向けは出来ないはず。

授業料実質無償化で私立高校に追い風「志願者数3倍超」「専願生で定員充足」

     学校側「強みを再評価してもらえる機会に」と期待

     FNNプライムオンライン 2026.2.4

     この現象を周囲が私学への「追い風」などと微温的な表現をしている限り、人々は公教育の停滞と腐敗から目を背け、結果的にその没落をくいとめる事はいよいよ難しくなるだろう。これは私学への追い風などではなく、私学の生徒募集における高額な授業料徴収という大きなハンデがようやく取り除かれた、と率直に表現すべき出来事なのだ。

 高校における公私間の生徒獲得競争が授業料に関してはほぼ対等な条件で行われるようになった結果、私学がこれまでイマイチ振るわなかった地方においても突如として私学が公立に勝ち始めている。つまり受験生やその保護者は「安かろう悪かろう」公立、「学校独自の努力に乏しい」公立、「画一的、強圧的で自由に乏しい」公教育に対して、ようやく「NO」を突き付けることが出来るようになった、ということだ。であるならば、これはある意味、高校教育における消費者主権の尊重、選択の自由の保障につながる一つの社会的進歩でもあろう。

 私学の少ない地方では長らく私学の高額な授業料の壁に阻まれ、地元の公立を第一志望に挙げるのが通例であった。数多くの公立が進学先に選ばれてきたのは私学の教育よりも公教育の方が優れていたわけでは決してなかった。

 これからは東京都や大阪府のように公立高校の没落が加速する一方で、私学間での生徒獲得競争が一層、激烈になるに違いない。高校教育の場で「市場のメカニズム」がどのように働くのか、今後も注目していきたい。

<群馬>公立高志願倍率 初めて1倍割れ     東京新聞 2026.2.3

 かつて公立王国とも呼べるほどに私立高校への進学率が低かった群馬県ですら、公立の志願倍率が1倍を切るらしい。しかも…高橋章高校教育課長は、少子化や私立高校の授業料無償化、通信制を含めた進路選択の多様化などが要因で考えられるとし、「公立高校の魅力を(生徒や保護者に)伝えられるよう努めていきたい」と述べた…とのこと。この言、呆れ果てるしかあるまい。

 県教委としては公立高校の志願倍率が1倍を切ったことの要因を私立高校の授業料無償化や進路選択の多様化、といった専ら公教育の外部的要因に求め、根本的に公教育の改革が迫られている現状から今後もなお、目を逸らしていく姿勢を頑なに貫いていくようだ。

 授業料の無償化によって何が変わったのか。ただ単に受験生の獲得を巡る公私間の競争が、授業料の撤廃によって以前よりも多少は公正に行われるようになっただけに過ぎまい。そしてそのちょっとした公正な競争の実現によってですら、公立は私立にたちまち敗北を喫した、ということが事の真相だろう。敗北を潔く認めず、公立の宣伝不足、という軽薄な要因こそが敗北の主因であるかのように装う県教委の責任逃れの姿勢にはただただ失笑するほかあるまい。

 とはいえ、公立高校の過半数が定員割れの危険性を帯びてきた根本的な原因は各都道府県の教育委員会レベルなどにあるわけではない。国全体の文教政策を含む国政の巨大な欠陥が招いた当然の帰結が、今、起きている公教育の没落なのだ。

 授業では以下のように生徒たちに繰り返し問うてみれば良いかもしれない。「現今の日本で実施されている学習指導要領は本当に高校教育にも必要なのだろうか?諸外国では高校教育への統制、画一化をどの程度行っているのだろうか?」「大学にも学習指導要領のような、国家による授業内容への統制、画一化の仕組みがあるのだろうか?またそれはどれほど必要なのだろうか?高校と大学との本質的な違いはどこにあるのだろうか?」

 小学校や中学校のような義務教育段階では、ある程度まで教育内容への統制が必要だ、というのはほとんど議論の余地があるまい。しかしAIの急速な発達の中では今後、どの程度まで統制すべきか、何を教えるべきかは大いに議論すべき段階にきている。義務教育ではない高校段階ならば、なおさら、教育の根幹から見直すべき点は多い。それがなぜ、現時点まで根本的な改善がなされてこなかったのか?その謎に私たちはもっと注目すべきだろう。

 10年に一度のペース(これ自体が現状ではあまりにも間の抜けた緩さではある)で見直されてきた学習指導要領は文科省、中教審の指導の下、教育課程検討のための組織(教育課程審議会以下、教科別の分科会まで)が結成され、教育課程改訂の原案を作る。そのプロセスに大きな問題が潜む点は割愛するが、ここではそのメンバーの属性をまずは確認しておくべきだろう。これまでは国会議員と同様、間違いなく高齢者の男性が中心となってきたはずである。近年、多少の改善はあるかもしれないが、やはり高齢者が多い傾向はさして変わるまい。

 生成AIの知識、技能に欠ける人物が過半を占めるようなメンバーが、予測困難な10年先までの教育内容を決定できるはずもない。将来への備えにも通じるこの作業は変化が猛烈に加速するかもしれない、先行き不透明な現代において、かなり優秀な若者ですら相当難しい仕事なのだ。

 未来に生きる若い人ですら尻ごむほどの難題を、あろうことか引退間際の高齢者があたかも名誉職としてであるかのように、各種の審議会に名を連ねてふんぞり返ってきた。そのことの滑稽さをまずは思い知るべきである。

 しかも各種審議会のさらに上に君臨する国会議員の先生方の多くがいまだに生成AIの何たるかを知らぬ、学校教育の進化の何たるかをも知らぬまま、100年一日、時代遅れの陳腐な考えのまま、日本の未来を大きく左右しかねない国政、教育行政に強く関与しているのだから…これまで繰り返し指摘されてきた公教育の停滞も、必然的に不可避であったと考えるべきなのだ。

 老害者集団から染み出てくる時代閉塞をもたらす毒素のトリクルダウンが、今まさに日本社会の隅々まで侵し始めているに違いない。やはりこの問題、ただ単に群馬県教委を一方的に嗤って済ませるほど、軽いものではあるまい。

 日本は今、何よりも一刻も早く政治家と審議会メンバーの大胆な刷新を進めるべきなのではあるまいか。

多くの高校で導入「騙されない為の教科書」とは?【THE TIME,】

     TBS NEWS DIG_Microsoft  2026.2.4

 こういういかにも皮相な記事が近年、教育関係ではとりわけ目立ってきた。それにしても記事で紹介された「騙されないための教科書」という本の表題が、私的には実に皮肉に満ちていて思わず笑ってしまった。

    「騙されない為の教科書」よりも今の高校生たちに一層切実に必要とされているのは、「今の教科書や学校に騙されない為の教科書」の方であろう。当然、後者の教科書は決して文科省の検定を受けてはなるまい。

     ネットを通じて世界とつながり、世界の進展に遅れをとるまい、と努力している意識高い系(これは決して皮肉ではない)高校生ならばなおさら、後者の教科書が必要不可欠となる。たとえば10年に一度の、今やすっかり間の抜けたペースでしか改訂されない日本の教科書ばかりを学習していては、世界の進展にむしろ後れを取るだけであろう。そしてもっと重大なのは学校のブラック化によって教師たちもまたその多くが知らず知らずのうちに世界の進展に後れをとりがちになることだ。

 日本の学校教育は欧米のそれとは既に周回遅れ、と言われるレベルで遅れており、今も停滞している。もちろん欧米の学校にも欠陥は多いだろう。しかし時代の進展に後れを取らない教育、という観点から見れば日本の学校は恐ろしくなるほど、システム自体がすっかり老朽化したまま放置されてきた。しかも本来、すべての国民が知っておくべきその実態を、日本の学校では決して教えようとしない。そのこと自体が、高校生たちを時代の進展から取り残させてしまう一つの重要な要因とすらなっている。

 今の高校生に最も必要なことは日本の学校教育の停滞とその弊害のメカニズムを探る事、知る事であり、これまでの学校教育を通じていつのまにか身に沁み込んでしまった日本の教育の、時代を停滞させてしまう強烈な毒素を意識的にデトックスしていくことだろう。

参考動画

【日本の公教育は、古くて貧しい】東京と地方の差が大きい/不登校34万人/知識

   の詰め込み方も多様/学校のWiFiが繋がらない/フリースクールの月謝補助を/教

   育機会確保法による変化/軍隊教育マインドの名残

   PIVOT 公式チャンネル 2025/03/22  29:56

   白井氏が指摘しているように公教育の古さと貧しさは確かに日本の学校教育における大問題であろう。そしてフリースクールを含む学校の多様化を生み出すにはまず国家による学校教育への統制を緩めることが必要である。

   公教育だから統制を厳しくするのは不可避だ、とするのは教育観の古さと教育予算の貧しさに由来する側面が小さくないのではあるまいか。教育行政の画一的管理主義こそが学校教育の管理主義を蔓延らせている根源ではないのか。

 軍隊教育のマインドが残存する学校教師の問題は確かにあるが、そもそも軍隊教育のマインドを持つ政治家と官僚の責任こそ、強く問われるべきであると考えるが、いかがか。教師の質の低下を問う以前に、問われるべき問題は数多くあるはずだ。

公立学校の廃校、延べ数は8,850校現存廃校の活用は7割超

 リシード 2025.4.10

 このデータが意味しているのは、かつて白井智子氏が指摘したごとく、まさに日本の公教育の古さと貧しさそのもの、であると考えるが、いかがか。

 将来的に児童生徒数が大幅に減少していけば、やがて学校の施設や教職員にゆとりが生まれる、一学級の児童生徒数が劇的に減少し、一人一人の児童生徒へのきめ細やかな配慮が可能となってくる…などといった30年ほど前の教師たちが抱いた期待は無残にも悉く裏切られてきた。

 むしろかつてよりも教師の負担が増大し、しかも不登校やイジメ件数は増加している。一クラスの児童生徒数が最悪の50人から35人程度まで減少したにもかかわらず、教師たちの中途退職や休職は増える一方となり、教員志望者数と正規教員数とが同時進行で急速に減少し、地方によっては学校としての体裁を保つこと自体が危ぶまれるレベルにまで不足してきている。

 今後、高校の無償化が進むにつれて、公立を中心に高校の統廃合は一層加速していくに違いあるまい。そして東京や大阪に限らず、将来的に公立高校はいよいよジリ貧となり、全国規模で一気に縮小、削減されていくのかもしれぬ…

 児童生徒数の大幅な減少という、教育環境の改善においてはせっかくの追い風を有効に生かせなかったばかりか、かつて以上に負担増という形でひたすら教師への逆風を吹かせ、教師の疲弊と若者の教職離れを加速させてしまった…教育行政の責任は、今こそ間違いなく「万死に値する」ほど重い…と言うべきではないのか。

橋下氏知事時代に教育委員会と激突して進めた教育改革 少子化で定員割れの公立

 校に統廃合必要と主張 関西テレビ 2025年3月12日

 橋下氏の主張に対し、私としてもかつては新自由主義的な側面を危惧し、大きな懸念を抱いたことがあったが、今となっては十分な説得力があると考える。今日、全日制普通科の府立高校の半数以上が定員割れを起こした背景には公立高校における改革の歩みの鈍さがあるだろう。旧態依然のままの公立はもはや時代の急激な変化についていけなくなったのだ。その責任の過半は学校ではなく、個々の学校の自由な取り組みをひたすら妨害してきた文科省と教育委員会にある。

 この公立離れ現象は4月からの「高校無償化」によって瞬く間に全国に拡大するであろう。確かに詳しく政策を見れば、「高校無償化」とは名ばかり、高所得者層のニーズにばかり対応することでさらなる格差拡大へと向かってしまう懸念は大きいが、何はともあれ全国的なレベルでの公立の没落自体は大歓迎されるべきことである。

 こうした事態を招いてしまった文科省や教育委員会の責任は極めて大きく、結果的に教育行政全体への根源的批判が大きく広がることを私は願っている。こうした動きが文科省や教育委員会のあり方、教員養成や教員採用のあり方、学習指導要領のあり方などを根本的に見直す、絶好の機会だと捉えたい。

知っておきたい!新しい教育の形「メタバースの学校」とはどんな場所?メリッ

   ト・デメリットも紹介 saita 2025.3.12

   こうした斬新な学校の在り方も視野に入れて高校教育の無償化を論じていく必要があるだろう。税金が投入されているがゆえの制約、不自由さが公立高校にはある。学習指導要領などでガンジガラメに学校を縛り付けてきた教育行政の在り方を根本から見直す上で、先進的な取り組みは大きなヒントとなるだろう。

 N高やメタバースを利用した学校を念頭に置くことは柔軟な発想を生み出す上で役立つに違いない。たとえば週の二日は通学し、三日はメタバースの学校を利用する…といったような、まったくタイプの違う学校を組み合わせた通学もOK、とする視点は、学校への固定的な観念を柔らかくほぐし、自由な発想を可能にするはず。

 しかし、日本の画一的で管理主義的な教育行政の現状ではこうした取り組みはとりわけ公立学校では極めて難しいだろう。大胆な発想の転換はN高のような私学の取り組みに期待するほかない…違うだろうか。

実はデメリットだらけの「高校授業料無償化」 日本維新の会による党利党略で「大

   阪府」が丸もうけ AERA dot. 古賀茂明 2025.3.11

   古賀氏の意見の多くは確かに正論であるが、やや現実的ではあるまい。公教育の動きを振り返ると、公立高校の改革を望むことをもはや諦めるほかないほどに迷走を繰り返してきたからである。少なくとも今の政府、文科省に本質的で根本的な取り組みは出来ないだろう。まず文科省自体を一度、全面的にリセットしなければ教育改革は前に進みようがないからである。文科省の迷走ぶりについてはブログの随所で指摘してきたのでここでは割愛するが、そのトンチンカンさには呆れるほかないのだ。

 どうやら同じ官僚出身の古賀氏の認識には公教育への危機感が、文科省の官僚並みに欠如しているようなのだが、いかがだろう。

 古賀氏の論点で特に違和感を覚えるのは「第2に、私立高校への志願者が増えると、財政的に楽になるため、一部の私立はあぐらをかいて努力を怠り、本来は淘汰されるべき質の低い私立高校の温存につながる可能性もある。」という指摘。「あぐらをかいて努力を怠り、本来は淘汰されるべき質の低い」教育を行ってきたのは一体どこのどなたなのか。それは日ごろから淘汰圧にさらされてきた私学ではなく、官僚制の下で上意下達のお役所仕事に甘んじて責任逃れに終始し、学校経営の当事者意識が校長ら管理職たちにスッポリと抜け落ちていた公立高校の方ではなかったか。

 続発してきた学校、教育委員会によるイジメ事件等の隠蔽工作、入試を巡る数々の不祥事、繰り返される部活動や学校行事における体罰や学校事故などはまさに中央集権的で画一的管理主義をとってきた教育行政の有り難き賜物というほかあるまい。

 文科省の致命的欠陥は地方の教育委員会以下、学校現場の実情にまったく無頓着で興味関心が無い、という点である。このお役所の現状把握の意欲の低さは驚くばかりであり、教育現場への認識能力が大きく欠ける組織にまともな教育改革を期待する方こそどうかしているのだ。教育予算を引き上げて教育の質向上と教育環境の整備、充実、とりわけ教師の労働環境の改善に早急に努めなければならない中での、文科省が次々と打ち出す的外れな政策の連打にはもはや絶望しか感じられない。

 高校の無償化が公立高校の衰退を招いたとしても、それが直ちに高校教育全体の荒廃を招くわけではあるまい。私学、公立を問わず、高校における学校間格差は極めて大きい。むしろ当初は「安かろう、悪かろう」の公立が真っ先に淘汰されることで一時、学校の質が整う可能性だって無きにしも非ず、なのだ。これは古賀氏の言う、暴論などではない。それほどまでに文科省直轄下の公立高校は行き詰まり、停滞を極めている…違うだろうか。

 私学のN高のような、新鮮で大胆な取り組みを、公立においてはひたすら妨げてきた教育行政の在り方を変えない限り、公立高校の再建は不可能であろう。つまり私たちが教育改革への期待を寄せられるのは個性的で大胆な私学の試みの方ではないか。したがって公立中心から私学中心へと高校教育の軸を変えていく事こそ、現状では高校改革の王道であり、「正義」であり、「正論」そのものかもしれないのだ。

 ただし私学中心の高校改革を実現する上で重要な条件がある。当然すぎる事であるが、市場における自由競争に委ねればダメな学校が淘汰されて自動的に教育の質が向上する…とは限るまい。これは古賀氏の懸念する通りであろう。今後、どのような高校教育が望ましいのか、意見は大きく分かれる。今こそ、じっくりと腰を据えて現状をきっちりと把握した上で、時間をかけて検討を繰り返し、根本的で効果的な改革の道筋をつけていく時なのではあるまいか。

 その検討を始めるためにはこれまで教育予算を削り続けて子ども、若者、女性を見下してきた老害政治家たちを政界から追い出す事が先決となるだろう。そのためにも政権交代がまずは必要不可欠となる。さらに文科省とは独立した審議会を設けて教育改革の方向性を定めていく必要が出てくるだろう。

 「国家百年の大計」…拙速は禁物なのである。

ちょっと待て!「高校授業料無償化」で得するのは年収910万以上、私立に通わせ

   る恵まれた世帯のみだ/佐藤治彦「儲かる“マネー”駆け込み寺」

   アサ芸biz 2025.3.10

   国民民主党が主張する「103万円の壁」の撤廃に対抗するために維新や立憲民主党と「高校無償化」で手を組み、政府の予算案を通過させて「103万円の壁」問題から国民の目を逸らそう、骨抜きにしよう…という魂胆を感じて政府に反発する声が出てくるのは至極、当然のことである。しかし高校の無償化自体はいずれ必要だろう。そして無償化の結果、公立高校が淘汰されてしまう事には、もちろんマイナス点があるだろうが、積極的な意義もまた見い出せないわけではあるまい。

   加えて高校の無償は年収910万以上の恵まれた世帯のみ得をする…とはあまりにも視野が狭い指摘であると思うがいかがか。たとえ通学が不便でも我慢して遠隔地の公立高校に通っていた児童生徒にとっては、公立高校の没落によってバスの送迎でたやすく私学に通えるようになった方がよほど助かる話であろう。一部の私学の通信制高校では極めて意欲的に授業改革を推進しており、公立高校での「金太郎飴」のような没個性的授業を受けるよりは遥かに有意義な授業を受けられる可能性がある。地方にはびこる保守的な公立高校信仰を払拭する上でも、公立高校の衰退は高校教育全体においてむしろ極めて有益なのではあるまいか。

高校無償化「ますます教育格差進む」…知事、政府予算案修正案受け

   読売新聞 2025/03/07 12:00

 公立高校への依存度が高い地方では今後、少子高齢化の急速な進展に伴い、通学の便の悪さがさらに増大し、生徒数と教員数の不足による公教育の質の低下がいよいよ放置できないレベルまでに達していく可能性があるだろう。富裕層と貧困層との教育機会の不均衡は確かに問題であろうが、児童生徒の居住地間における教育環境の格差拡大にも目を向けるべきであると思うが、いかがか。

   地方の私学の多くは送迎バスを用意して広範囲から生徒を集め、定員拡充や受験倍率の向上に努めている。一方、予算の無い公立高校は生徒たちの通学上の不便を解消する手立てをほとんど講じられていない。公立高校しか存在しない地域では私学こそが通学上の不便を解消してくれる唯一の高校なのであり、地方においても私学に進学希望者が殺到するようになるのは必然的なのだ。

 現在、高校の無償化に対して経済的格差拡大の観点から盛んに批判する風潮が見られるようだが、無償化は公立の没落を招くことでむしろ格差の縮小と教育の質の向上にもつなげられる可能性を持っている、といった考えも成り立つはず。

 無償化に反対する人々は、本音の部分では批判する目的を格差拡大への懸念には置いておらず、教育への国家統制を強化、ないしは維持することに主眼を置いて批判しているのではあるまいか。私学よりも公立の方がより画一的であるがゆえに文科省や教育委員会の統制下に置きやすい…したがって公立高校の衰退は好ましくないと考えている向きは、おそらく保守的勢力において決して少なくあるまい。

高校無償化は「地方公立に不利」 細る通学の足、私立は県境越えバス

 朝日新聞社 2025.3.9

 高校無償化が公立高校の没落を加速するのは大阪府や東京都の現状を見れば明らかであろう。最大のポイントは公立の没落が高校受験生にとって不利になるのか否か、である。すなわち全国すべての公立高校が消滅し、すべて私学となってしまう事でどんな事態が予想されるのか、よくよく考えておくべきだろう。

 朝日新聞が指摘するように、通学の便からみて私学は圧倒的な優位に立っている。

交通の便の悪い地域の生徒たちはこれまで、本数の限られた電車やバスを乗り継いだりしながら1時間以上、場合によっては2時間近くもかけて遠くの公立高校に通学している。当然、放課後の部活動に参加することは極めて難しい。地方のこうした地域では私学が存在しないことが多いので、今まで進学先に私学の選択肢はほとんど視野に入れていなかった。そうした地域に私学のバスが自宅近くまで来てくれて送り迎えするようになれば、進路先にもっぱら私学が選ばれるようになるのは必然であろう。

 私学の中にはドワンゴ学園の様に通信教育を柱にして全国から大勢の生徒たちを集めている学校もある。少子高齢化が進み、ローカル鉄道やバス路線の廃止、縮小が進む厳しい地方の現状がある。したがって今後、一層多くの中学生たちが通信制をも含めた私学を有力な進学先として視野に入れてくるに違いない。無償化が進めば、何も無理して地元の公立へ進学する必要は無くなるのだ。結果的に公立高校の多くは淘汰されてしまうだろう。

 仮に公立高校へ通学するメリットがあくまでも教育費負担の軽さだけであったとしたならば、無償化の結果、公立高校が消滅していくとしても地方の中学生にとっては痛くもかゆくもあるまい。むしろ学校経営の個性と手腕が問われる私学を軸とした高校教育の方が選択肢の幅が広がり、受験生のメリットは大きい。これまで公立高校でも個性化が進められてきたものの、公立はやはり予算の制約が大きく、限界がある。たとえ授業がユニークで面白い、といったことなどで人気のある教師が複数集まり、高校の評判が一時的に良くなったとしても、公立では瞬く間に教師たちが異動してしまう。公立の評判は一部の伝統的進学校を除くとそのほとんどは極めて不安定。しかし教師たちの顔ぶれが急激に変化しない私学の評価は経営側が大きく失敗しない限り、さほど変動はない。

 経済的負担の軽さ以外で公立高校へ通学するメリットはあるのだろうか…おそらく無いだろう。もちろん個々の学校をつぶさに見れば、状況にはかなり学校間格差があるだろうが、総じて通学の便、施設の充実度、個性的な学校経営…ほとんどの観点において、私学は公立よりも有利である。結論として今後の高校教育は私学が軸となっていく他あるまい。

 もっとも私学に負けてしまう責任は公立高校側にはほとんど無い。先進国の中で教育予算が最低レベルまで低い、教科書検定制度など、公平さを求めるあまりの行き過ぎた画一的で管理主義な教育行政…つまり、これまでの政治が悪いから公立高校が没落するのだ。そして「安かろう、悪かろう」の公教育が淘汰されていくのは児童生徒にとって、むしろ大変喜ばしい出来事なのかもしれない。

 結局、若者や子ども、女性、そして学問や教育を軽視する日本の政治が変わらない限り、公立高校のみならず、義務教育から国公立大学までの公教育全体が徐々に劣化していくのは不可避であろう。

「ますます教育格差も」 自公維の高校無償化に、和歌山県知事が苦言

   毎日新聞 2025.3.7

 高校の無償化が公立高校の志願倍率を下げ、私立高校のシェアを拡大することで教育格差の問題を悪化させるという意見は、保革の立場を超えてかなり多く支持されているように見受けられる。確かに東京都や大阪府のような、公立高校の低受験倍率状況が全国に広がっていくことの可能性は決して低くは無いだろう。

 教育無償化を進める本来のメリットの一つは、この政策が一見すると、家庭間の経済格差によって生じてしまいがちな、教育を受ける機会の不均等さへの是正措置となりうるように見える点にある。しかし、維新の会の真の狙いは、それよりも無競争的であるがゆえに自己改革を怠りがちな公立高校の淘汰、すなわち学校間、教師間の競争を煽って公教育の民営化を強力に推進することにあるように見受けられる。そうした立場からは公立高校の没落はむしろ大歓迎されることになるだろう。

 ところがこれまで文科省が及ぼしてきた高校教育における影響力と教育内容への統制力の大きな低下を恐れる官僚たちや自民党の保守派は、管理統制しやすい公立高校の没落を必ずしも歓迎しないのではあるまいか。だからこそ和歌山県知事のような論理を用いて高校無償化を危惧し、本音では公教育の保守性を固守せんとする…そういった動きも各方面で見られるのだろう。

 教育の画一性を緩め、過剰な管理統制主義を排して児童生徒の個性や多様性、自己決定権を重んじる方向へと大胆に舵を切ろうとするのであるならば、改革への動きの鈍い公立高校の淘汰は少なからずプラスに働くかもしれない。

   私立高校のシェアがたとえ半分を超えたところで、和歌山県知事のように教育の格差が拡大すると決めつけるのはいかがなものだろう。実際には、彼の主眼は教育の格差拡大を脅し文句に使って財政負担の避けられない高校教育の無償化を妨害しつつ、公立高校のシェアを守ることで公教育が孕んできた頑迷な保守性の存続を画策することにあるのではあるまいか。

高校無償化巡り、教育の質の重要性を石破首相強調「卒業証書さえもらえばよいと

   いうものではない」 読売新聞 2025.2.26

県立高校一般入試、最終倍率は0.82倍 志願者は3159人

   朝日新聞社 2025.2.26

     県立の全日制普通科高校の受験倍率が県単位で平均1倍を割り込んだのは宮崎県だけではない。富山県では史上初めて0.99倍となっている。高校教育全体の無償化が検討されている中で、公立から私学へと受験生がかなり流れてきているのだろう。このようなことは大阪府や東京都では以前から表面化していた。当然、早くから予想されていた事態ではある。

   競争原理が働かない上に、「金太郎飴」のような没個性の公立をできるだけ数多く淘汰して高校教育全体の質を向上させる、維新の会の目論見はいよいよ全国レベルで進んでいくだろう。しかし、無競争もあって停滞気味の公立高校の没落を今後、加速させていくことが実際に高校教育全体の質を上げていく…という保証は必ずしもない。私学の教育の質が公立よりも本当に高いのかどうか、は多少、議論の余地があるだろう。もちろん、公立高校の質は全体として決して高いレベルではないが…

   真っ先にここで問われるのは学校教育における「質の良さ」とは一体、何なのか?ということだろう。石破首相が言葉にする「質の良さ」とは具体的に何を意味しているのか、詳細に問うべきである。学校教育を語る際、抽象的な美辞麗句、理念は誤魔化し、誤解、曲解を避ける上でも語るべきではあるまい。

東京都立高の一般入試スタート 全日制の倍率は過去最低1・29倍 無償化が影響か

 産経新聞 2025.2.21

   大方の予想通り、東京都も大阪府と同様、公立高校の入試倍率が低下している。しかし、それ自体は高校教育の改善に関してプラスでもマイナスでもないだろう。

   府立高校や都立高校が多少、統廃合されたとしても高校教育の改善には必ずしも結びつかない。問題は教科書検定制度と共通テストによる授業内容の過剰な画一化や統制強化、教育行政の過剰な管理主義化、知識偏重主義の横行、一斉講義形式の蔓延、肥大化するばかりの学校業務、大学での教員養成教育の遅れ、旧態依然の教員採用試験と管理職登用試験、各高校における不公平な校内人事・・・などなど数多い。これら、山積する難題を学校間、教師間の新自由主義的競争、単純な市場原理だけで解決できるわけがあるまい。法制度の大幅な見直しを前提とする、1980年代の臨時教育審議会並みの、腰を据えた本格的で中長期的な展望に立った議論が、今後は避けて通れない、と考えるべきだと思うのだが、いかがか。

「大阪ではタダなのに…」大阪で私立人気高まり公立70校定員割れ 兵庫県の県立高

   は独自策で志願者増 高校無償化巡る維新・与党議論は平行線

   FNNプライムオンライン   2025.2.11

   高校の授業料を完全無償化すること自体に反対する人は少ないだろう。現状として義務化と言って良いほどに高校の進学率は高い。同調圧力の強い日本である。高校への通学を半強制的に強いる日本社会ならば保護者の経済的負担は少ない方が好ましいに決まっている。しかし高校授業料の無償化自体は授業改革を柱に据えた、高校教育の質を高める経営努力に直結するわけではあるまい。

   もちろん授業改革を軸に据えて学校の個性化を大胆に推進し、教育の質を高める経営努力を行えるような環境がしっかりと公立高校に存在していれば、授業料の無償化は教育の質を上げていく可能性が出てくるだろう。授業料という壁が取っ払われる分、授業の良し悪しを巡って公立と私立との競争が激化し、授業の質が良くない高校や教師は淘汰され、質の良い教師や高校は生き残る…結果的に高校教育全体の質は向上する…という事態は考えられなくもないからである。

   問題ははたして公立高校が授業改革を軸とした独自の経営努力を行えるほどに自由な環境にあるか否か、という点。あたかも金太郎飴みたいに授業内容から授業方法まで均質で、共産主義社会の様に厳重に管理されてきてしまった伝統を持つ多くの公立高校は、決して民間企業のような、独自の経営努力を行えるような環境に置かれてはいない。そもそも校長を含めた教師自体、自分の所属する学校への帰属意識は極めて低いのが現実であろう。

     社員ならば企業の成長が自分の生活に直結するため、管理職を含め、私企業の社員たちは会社の経営状態に無関心ではいられない。しかし公立高校の多くの教師は、勤務校の定員割れや中退者の増加に、我、関せず。公立高校教師の多くは運命共同体的帰属意識など勤務校に対してほとんど持っていない。学校経営の責任者たる管理職自体、勤務校の経営に無関心であるばかりか、授業の質を高める事への意欲、知識すら皆無の人物が少なくない。そもそも勤務校へ3年間しか在職しない管理職に独自の学校経営など出来るわけが無いのだ。彼られのほとんどは自己保身に走り、ひたすら不祥事が起きない事だけを欲している。ゴールはあくまでも自身の円満退職とその後の好条件な再就職先の確保なのであり、本音では目の前にいる生徒たちの人生など知ったこっちゃない…

   管理職に授業改革の意欲、資質すらほとんど存在しないような公立高校と、少子化の中で必死に生き残ろうとあがき、独自の経営努力、授業改革を強いられてきた私立高校とがこれまでのような公私の「棲み分け」をやめて生徒募集で激しい競争を行うことになれば、その勝敗は明白である。大阪府や東京都の様に公立高校の過半は淘汰されていく他あるまい。もちろん、それは好ましくもあるのだが、視聴率稼ぎに奔走するあまり、不祥事を招いてしまったフジテレビの例もある。中学生の人気取りに走るだけの高校は大きな危険性も秘めているだろう。

   特に管理主義的傾向の強い千葉県などでは学校経営という言葉が教師や生徒たちへの管理統制、というマイナスの意味合いでしか用いられてこなかった伝統が濃厚に受け継がれてきた。だからこそ入学試験の志望者が入学定員の3割にも満たない県立高校が毎年のように複数、存在しているのだ。そうした高校を含めて授業の見直しを軸とした独自の経営努力を目に見える形で行っている学校を、私自身も経験したことはまったく無い。

   つまり、今、根本から見直すべき重要案件は公立高校の硬直した管理主義、画一的教育の在り方なのである。もちろん、授業料無償化は直ちに実現すべきであるのだが、授業改革もまた別途、真剣に検討されるべきである。ただし、授業改革にあたって先立つものがある。学校のブラック化対策である。授業料完全無償化と教師の仕事の削減は喫緊の課題であり、どちらも蔑ろにはできない。授業料の無償化に加えて、教師たちが自己の授業改善に取り組めるだけの時間的体力的余裕を生み出すべく、学校の仕事量の大幅な削減こそが、現在、真っ先に求められていると考えるが、いかがか。

なぜ今になって…? 教育研究者が「日本の公教育の崩壊が大阪から始まる」と嘆 

   く“納得の理由” 文春オンライン 鈴木 大裕 2024.12.5

   新自由主義的な観点から導入された全国学力テストの点数争いと入学希望者数を軸とした学校間の競争が一体、学校現場に何をもたらしているのだろう。大阪府民の多くはこのことにあまり関心が無いようだ。

  公教育の解体と教育予算の削減、節約が文科省の真の狙いならば大阪府の取り組みはモデルケースとしてかなり高く評価できるだろう。実際、大阪府の公教育は衰退の道を順調に辿っている。維新の会が大阪府政を掌握してから廃校に追い込まれてしまった府立高校は既に20校以上にも上っているのだ。東京都も大阪府に追いつけ追い越せとばかりに新自由主義的立場からの都立高校再編を矢継ぎ早に進めている。事は大阪や東京に限るまい。少子化という追い風に乗って全国的に公立高校の多くが定員割れを続け、統廃合の嵐が吹き荒れている。

 はたしてこれで良いのか、真剣に問い直すべきだろう。

東京都立高校の4分の1が定員割れ。授業料の実質無償化で私立or都立のどちらを選

   ぶべき? ダイヤモンド・教育ラボ 2024.12.5

   いわゆる公立高校民営化の動きは大阪府、東京都で真っ先に先鋭化してきている。少子化への強い危機感をバネにして柔軟かつ大胆に改革を進める私立校の人気は今後、一層増大していくだろう。他方で硬直した官僚主義のシステムに縛られがちになり、改革が遅れ気味な公立校の人気はさらに低下していく。これは教育予算のさらなる削減を狙う都道府県としてはまことに好都合な状態であろう。

   少子化に便乗して学校の統廃合を推進し、教職員のリストラも同時に実現できれば、行政としては願ったり、かなったり。確かに地方財政の赤字は緩和されるだろう。しかし選択肢の多い都市部はともかくとして、公立しか選択肢の無い地方はどうなっていくのだろう。実はこの問題もコンパクトシティ構想の枠からすれば想定内であり、財政的に重荷となってきた地方が今後はさらに情け容赦なく切り捨てられてていくことになるのだろう。地方もどんどん「スマート」になっていくのだ。

  動きの取れない高齢者も切り捨てられ、公教育の改革は中途半端なまま、公教育の衰退だけが進行していく。現今の教員不足も、都道府県の財政からみれば人件費節約につながり、実に好都合。だからこそ文科省も都道府県も市町村も、軒並み、本音の部分では公教育の改革に消極的なのではないか。行政側は表向き、批判をかわすために「教育改革」を声高に叫ぶが、本当に改革する気は毛頭無い…とすればこれまでの文科省の的外れな弥縫策の連発も、実は本当の意図を知られないための、国民への「目くらまし」戦法として極めて有効なのかもしれない。

 何よりも目先の損得勘定を優先すれば、確かにこうしたプランが生まれてくるかもしれないのだが、はたしてこれで良いのか、疑念は尽きない。

§5.日本の進路2.AIの進化と日本社会

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

フェイクニュースとの向き合い方】本当に触れるべき情報とは /ターゲティングやア

 ルゴリズムがもたらす弊害 / ドーパミンカルチャー / フィルターバブル / 情報リテラ

 シー PIVOT 公式チャンネル 2025/12/28  36:10

 情報過多社会の中で、ターゲティング、アルゴリズムによるフィルターバブルの危険性にどう対処すべきなのか、参考となる意見が得られる。特にSNSはただの嗜好品として捉えるべきであり、救助要請などのような社会インフラとしては扱うべきではない(偽情報にかく乱され、本当に救助が必要な人への救助が遅れる…)といった指摘は極めて重要だろう。

【SNSとの付き合い方】落合陽一氏が語る情報リテラシーvia日本財団社会課題研究

     ゼミ 日本財団活動紹介 2025/12/28  29:02

 刑法改正による侮辱罪の厳罰化はネットによる誹謗中傷に対してさほど効果が期待できないと考えるべきであり、SNS上での誹謗中傷に耳を貸さない、SNSとの間に距離を置く…といった個人的な対策の方がより効果的、現実的との指摘は極めて重要だろう。

 以上、二つの動画は教師として視聴しておいた方が良いと思うが、いかがか。

参考記事

ハルシネーションより危険なAIのシコファンシー問題、ヨイショするAIで強化され

     る人間の思い込み JBpress 小林 啓倫 2026.2.19

     生成AIが利用者に対して紛らわしいウソをつき、媚びてくることがある。この二点はAIを利用する上で最も重要な注意点であろう。生徒たちにもぜひ、周知徹底させたい。

不登校35万人時代「小中学校に通信制がない」のはなぜか?IT普及前のルールが“

 どもたちの学びを制限する現実 日刊SPA! 2025.9.9

 乙武氏の意見に全面的な支持をしたい。IT普及によって通信制のメリットが大いに生かせる時代となっており、これを利用しない手はあるまい。校舎不要で対人関係も広く築くことが可能、通学の不便を解消でき、同じ授業を繰り返し受ける事が出来る…こうしたメリットの一部は教師側も享受できるはず。小中学校でもぜひ通信制を認めるべきだろう。

参考動画

【OpenAI論文を読む】なぜAIはもっともらしい嘘をつくのか? ハルシネーショ

     ンの正体をゆる解説 安野貴博の自由研究 2025/10/10  18:25

ゆる解説】AIが人間を騙しはじめた!?/LLMの「デセプション」とは/ハルシネ

     ーションとの違いは/不倫暴露で脅迫?!

     安野貴博の自由研究 2025/12/19  15:12

 以上の二つの動画は非常に分かりやすい内容であり、生成AIの利用に際しての重要な注意点を要領よく理解できるオススメ動画。

【学ばない若手はなぜ生まれたのか?日本を襲う「学習恐慌」】ワークライフバラン

    ス重視の罠/未婚化の影響/組織の強制力低下/リモート定着と飲み会文化縮小/

    AIによるスキルのだるま落とし/正解待ち部下の増殖

    PIVOT 公式チャンネル 2025/10/06  26:56

    リスキリングと言う言葉が飛び交う一方で、「学習恐慌」という言葉の持つ衝撃は決して小さくあるまい。特に「内圧」「外圧」ともに低下したことが若者の学習意欲、成長意欲の低下が生じている、といった指摘は説得力を強く感じて興味深い。各種統計データが要領よく整理されていて若い社員の心理をうかがうことが出来るだろう。

    ここで指摘された若者の心理は高校生にもある程度は共通するはず。今時の若者の働く意識の一端を知る上では見逃せない動画。

【学ばない若手はなぜ生まれたのか?日本を襲う「学習恐慌」】ワークライフバラン

    ス重視の罠/未婚化の影響/組織の強制力低下/リモート定着と飲み会文化縮小/

    AIによるスキルのだるま落とし/正解待ち部下の増殖

    PIVOT 公式チャンネル 2025/10/11 23:43

    やや視聴時間が長くなるが、高校生にとっては先々進路、就職を考える上で非常に役立つ、示唆に富んだ内容となっており、ぜひ、授業で視聴させたい動画。また教師にとっては学校がなぜ自ら変わろうとしてこなかったのか、ただ知識と言う正解を一方的に「教える」ことが教育とみなす発想と行為に潜む重大な落とし穴に気付くことが出来るだろう。さらには生徒との関係や新任教師、後輩教師との関係を見直す良い機会となるに違いない。「学ばない若者」が生まれてきた背景には間違いなく自ら「学ぼうとしない日本の教師」、「変わろうとしない日本の学校」があったはずである。

【禁断のマウス実験】食料∞・病気や天敵ゼロなのに滅亡…楽園実験「ユニバース

 25」とは何か?

 ぶーぶーざっくり解説【小学生でもわかる科学】 2023/06/23  13:24

 議論の材料として授業で使えそうである。AI、量子コンピュータなどの急速な進化により、科学技術は爆発的なスピードで高度化していくことが予想されている。人類は科学技術を駆使してやがて地球環境の悪化を食い止め、病気や貧困を克服し、ロボットたちに多くの労働を委ねていくのかもしれない。そして人々は近いうちに毎日、遊び暮らせるようになる時代が来るのかもしれない。

 しかし科学技術の発達と暴走がむしろ人類を滅亡させる戦争を引き起こしてしまうのかも…ロボットの手によって人類が滅ぼされてしまうのかも…

 この楽園実験はそうした人類の、必ずしも明るくない未来を予見させる要素があるかもしれない。仮にあなたが今後、死ぬまで遊び暮らせるとしたら、一体どんな日々を送りたい?ぜひ、生徒たちと一緒に考えてみたい。

参考記事

ハラリが警告「ロボット反乱」より恐ろしいAI

 東洋経済オンライン ユヴァル・ノア・ハラリ 2025.5.24

 AIが人類の統制から解放されて自律的に動き始める時、一体、何が起きるのか、ハラリ氏の警告に耳を傾けたい。

「人類絶滅の恐れ」、オープンAI現・元従業員が警鐘

   JBpress 小久保 重信 によるストーリー 2024.6.12

   元オープンAI「従業員グループは具体的に、①従業員が匿名で懸念を通報できるようにすること、②内部告発者に対する報復を行わないこと、③従業員の発言を抑圧するような合意書に署名させないこと、を求めている。」らしい。AIの目覚しい進歩の裏側で早くから懸念されていたAIの暴走、悪用の危険性。人類の滅亡すら招きかねない力を持ち始めたAIに対して、AIの開発に従事する人々の内部告発を抑圧する体制の見直しが強く求められているとのこと。

 ただでさえ公益通報システムの確立が遅れがちであり、不祥事の隠蔽が政官財の随所にはびこる日本ではとりわけ注目される動きであろう。

 授業ではAIそのものよりも、日本の公益通報のお粗末なあり方を、かつて原発の「事故隠し」に走った動燃問題や「食の安全」が問われた雪印事件、学校や教育委員会によるイジメ隠蔽事件、自民党の裏金問題、さらには敗戦後の一部のA級戦犯らの釈放と戦後の活躍、公益通報の中核たるべきマスコミのジャニー氏による性加害報道に見られる深刻な機能不全…などの事例を引き合いに出して歴史的に振り返り、なかなか公益通報のシステムが浸透しない日本社会が抱える問題点を多面的に考えさせたい。おそらくポイントとなるのは公益を犠牲にしてまで仲間内を庇おうとする、日本人の歪んだ集団主義的心性が一体何に淵源するのか…ということではあるまいか。

玄侑宗久チャンネル お悩み拝聴 恐ろしい時代がやってきました 60代男性 

 玄侑宗久チャンネル  2022/05/06 7:28

 アナログ過ぎる考え方かもしれないが、実際、技術の進歩がもたらした便利すぎることのデメリットというのはあると思うが、いかがか。少なくともゆっくりと立ち止まって生きていることの意義くらい考えるゆとりは欲しい…科学技術の発達スピードが加速している時代ではあるが、今、生きていることをしっかりと味わえるようなマインドセットは時代を超えて相変わらず必要だと思う。私もまた「無用の用」という言葉をかみしめながら、あえて老荘思想を少しばかり学んでみたい60代である。

玄侑宗久チャンネル 今を語る!一日暮らし

   玄侑宗久チャンネル  2023/07/29 9:13

 仙厓和尚の「人間はみんな生きている間は同い年ばい」という言葉の味わい深さ、「一日暮らし」、「日々是好日」の意味するマインドフルな生き方に学ぶことも必要ではあるまいか。ChatGPTの利用を功利主義的と批判する立場があることは弁えておくべきではあるまいか。

【成田悠輔vs東浩紀】絶望感の正体は?日本の闇【ガチすぎ本音トーク】

   ReHacQリハック【公式】  2023/10/07  54:12

 東氏の観光を哲学する中で得られた観点は日本の今後を考える上で非常に示唆に富む内容だったと思う。ネット社会、IT化の進展とアニメ、音楽、映画の世界同時配信、そして世界規模の観光の発展とが世界の分断をいずれ和らげる可能性を秘めているとの指摘は特に刺激的。日本、特に沖縄の観光業の発展は沖縄、日本の経済的繁栄だけではなく、平和構築にも貢献する可能性を感じた。ただし番組の終わりの方で漏らした日本社会の頑固さ、改革を阻む根強い保守性に東氏が抱く苦渋に満ちた諦念の深さにも思いを致す必要があるだろう。多少、長くて難解な部分もあるが、日本と世界の将来を見据えるためにもぜひ視聴していただきたいイチオシ動画である。

【浪漫ビジネス】なぜ「ぬいぐるみの旅行」が価値を生み出したのか?こんまりメ

   ソッドに学ぶ「トキメキを生む事業」とは?(山口周:ビジョンクエスト) 

  【NewSchool】NewsPicks /ニューズピックス  2022/12/17  14:47

 コンマリを例にして発想の転換の重要性を説く山口氏の切り口は非常に鮮やかで感心させられるだろう。「未来予測」をテーマとする授業で最初に視聴させると生徒たちの興味を引き付けられるだろう。

[超定義] AIのディープラーニングを町田啓太が超高速で解説してみたら「おまんじ

 ゅう」に決定!| NHK 2021/10/22 4:47

[サイエンスZERO] 未来の高級ステーキ!世界初の技術で塊肉を培養 | 次世代の培

 養肉 | NHK 2021/11/06 4:22

世界初!“生きた”皮膚で覆われた指型ロボット開発 傷も自力で修復可能 

 2022/06/10 ANNnewsCH 

 「ターミネーター」も夢では無い?

奇妙な日本のホテル:世界初のロボットホテルに泊まってみた!🇯🇵

 Ruhi Çenet 日本語  2022/10/26 11:30

 この動画の珍妙さに驚く。近未来の生活を想像させるにはピッタリの動画だろう。

robots are getting so advanced it's crazy from 2009 to 2021!

 love-robots  2022/12/18 3:15

 ロボットの進化を確認する上で役立つ動画。

【時論公論】解説 | ChatGPTに仕事を奪われる? 高度AIと共存するために必要な

 スキルとは | NHK  2023/04/20 9:42

 今、話題のChatGPTに関してその長短、今後の対応の在り方までごく短時間で要領よく理解できるオススメ動画。

【ChatGPT】テキスト生成AIの実力は?アフター検索の未来図も?

 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 2023/01/11 14:45

 フェイクニュースが無制限に作れる点では怖さを覚える。他方でたとえば多様な観点から検討すべき社会課題への模範的と思えるような解決策を複数、箇条書きで示してくれるなどの応用力の高さが世界的に注目されている。次から次へと関連した質問に答えられるという対話的なテキスト生成能力を持つため、利用価値は確かに高いだろう。質問の仕方を工夫していけばAIの回答は一層、洗練されたものに変化してくる。しかもエクセルにも適用できるため、関数を覚えていなくともデータの整理、分析が極めて容易となっている。AIの持つ力を誰もが容易に引き出す事が可能となってきたと言う点では革命的な進歩といえるだろう。

【時論公論】〝AIで人類滅亡の危機!?〟 世界中の権威・研究者らが発した「リ

 スク」と「対策」とは | NHK  2023/08/10 9:56

【ChatGPTとBard】AIがついに世界を変える!ネット時代の覇者Google vs

  逆襲のMicrosoft 中田敦彦のYouTube大学 2023/2/11 28:03

【ChatGPTとBard】AIを制するのはMicrosoftかGoogleか?教育や職業はど

 う変わる? 中田敦彦のYouTube大学  2023/02/12 19:40

【GPT-4の使いこなし方】AIで仕事を作る人、AIに仕事を奪われる人!使いこな

 せば未来を掴める 中田敦彦のYouTube大学  2023/04/04 19:38

【GPT-4の使いこなし方】AIの上手な活用方法は「入力が7割、調整が3割」

 中田敦彦のYouTube大学   2023/04/05 18:52

【漫画】「ひろゆきのシン・未来予測①」をわかりやすく解説【要約/ひろゆき】

 フェルミマンガ大学 2021/11/03

【漫画】「ひろゆきのシン・未来予測②」をわかりやすく解説【要約/ひろゆき】

 フェルミマンガ大学 2021/11/04 12分

【日本が危ない!】いま、世界は幕末!?未来から来た女が言う『日本の危機』と

 は【未来から来た女 Vol.1】DLE channel2019/01/24

年金制度が崩壊し、日本から若者が脱出! そして2040年に世界大戦が起きる・・・?

 【未来から来た女 Vol.2】/2019/01/31

日本に残された道は「○○○○の放棄」しかない!?そして起こる『シンギュラリ

 ティ』とは【未来から来た女 Vol.3】/2019/02/07

AIが実現した『シンギュラリティ』 そして訪れる人間の『変化』とは・・・【未来か

 ら来た女 Vol.4(最終話)】/J2019/02/21

 生徒の状況によっては利用可能。 

【漫画】2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ【要約/ピーター・ディアマ

 ンディス】フェルミマンガ大学 2021/05/20

成毛眞が語る「2040年の未来予測」【中田敦彦のYouTube大学でも話題】

 NewsPicks 2021/02/01

【2040年の未来予測】次の時代の成功者になるには(Predictions for

 2040)中田敦彦のYoutube大学 2021/01/09

【2040年の未来予測】衰退する日本と予測されるリスクとは?(Predictions  for 2040)中田敦彦のYoutube大学 2021/01/10

【NFTとメタバース】デジタル資産になぜ数十億円もの価値がつくのか?世界の

 未来はどう変わる? 中田敦彦のYoutube大学 2021/11/06

 

参考記事

10年後「生き残る仕事」「なくなる仕事」の境界線 今後においてもAIにできないこと

 は何か? 東洋経済オンライン 川村 秀憲 の意見 2024.4.13

 …仕事は「意思決定」と「作業」に分解され、このうち「作業」に関しては、相当部分がAIに取って代わられる…「自分で何をするか決める仕事」は残り、「人から言われてやる仕事」はAIに取って代わられる…という時代の流れに沿った学校教育とは一体、どういうものだろう。ぜひ生徒たちに考えさせたい。

 …「その人」だから価値があると感じているものは、AIには入り込めない領域…であるならば個性、多様性を尊重する教育がもっと必要となるだろう。

 …AI時代の到来が本当に問うているのは、「あなたならどうするのか」ということだ…ならば自主的、自発的な言動がもっと尊重されなければなるまい。

 …問題は、大企業や組織力の高い会社に入ったことで、仕組化の歯車のひとつとなって、属人化を排除する組織の文化や風土に慣れて…しまう事だとするならば、徹底的な校則の見直しだけでなく、学習自体をもっと個別最適化させ、自由化すべきだろう。

 …これまで善とされてきた「標準化」「マニュアル化」はAIが担い、悪とされてきた「属人化」こそが私たちが生き残っていく術…であるならば、これまでの文科省の教育行政のあり方とは真逆に近い体制が再構築されなければなるまい。たとえば学習指導要領の大幅な見直し、画一的で管理主義的な教育の徹底的な刷新が求められるであろう。

民主主義を破滅させる巨大IT企業による「監視資本主義」

 毎日新聞 2022/10/19 05:30

 要領よくポイントをおさえた短い記事なので全文、読ませて討論させたい。

OpenAIのサム・アルトマンCEOも言及する「AIが人類を滅亡させる可能性」 

 マネーポストWEB によるストーリー 2023.4.5

ChatGPTの可能性と脅威、ビル・ゲイツ氏も持論展開 AI議論で注意すべき3点と

 は? ITmedia ビジネスONLiNE 2023.4.5

 

・メタバースと仮想通貨

参考動画

【新技術】NTTドコモ細かい表情をアバターに再現

 2022/01/17 日テレNEWS 1:09

米・フェイスブック社が社名を「メタ」に SNSの未来形「メタバース」とは?

 2021/10/29 TOKYO MX 7:04

岡嶋裕史×宮台真司×神保哲生:メタバースはリアルな世界をどう変えるのか【ダイ

 ジェスト】 2022/02/05 videonewscom 12:32

メタ(Facebook)が展開するメタバースのイメージ映像

 2021/10/30 Media Innovation 3:32 

 日本語字幕に設定する必要あり。

ネット上の仮想空間「メタバース」に商機 ビームスなど企業が続々と参入 

 【news23】 2021/11/26 TBS NEWS 6:14

メタバース“2700時間超え滞在者に聞く魅力・・・人間の五感を再現した未来も

 (2022年1月10日) 2022/01/11 ANNnewsCH 8:22

「メタバースとは」アニメで解説!次世代インターネットはもう目の前!?

 2021/08/15 やさにゅー大学 6:36

メタバースとは何か?超わかりやすく解説! 数年後に訪れる未来仮想通貨との関

 係は?2021/12/18 大人の学び直しTV 14:56

【アニメで解説】メタバースって何?2021年の最重要ワードを初歩から!

 2021/12/19 コアラ先生の時事ネタ祭り 13:53

「NFTとは」ツイートに3億円の価値!?今更聞けないブロックチェーン、イーサ

 リアムも簡単解説!2021/08/29やさにゅー大学 9:59

【17分で解説】NFTの教科書 デジタルデータが資産になる未来

 2021/12/25サムの本解説ch 17:17

【NFTとメタバース】デジタル資産になぜ数十億円もの価値がつくのか?世界の

 未来はどう変わる?2021/11/06 中田敦彦のYouTube大学 39:38

【NFTとメタバース】NFTはゲーム・ファッション・スポーツ・音楽業界の未来

 をどう変えるのか? 2021/11/07 中田敦彦のYouTube大学 37:41

 中田特有の話し方にウンザリする方も中にはいらっしゃるとは思うが、そこは我慢してとりあえず耳を傾けてみると何とかNFTやメタバースについてそれなりに理解が進むはず。

【ひろゆきvsせきぐちあいみ】ブロックチェーンでマネー大革命【お金の価値、崩

 壊?】 日経テレ東大学 2021/08/22 40:53

 嗅覚や味覚は化学変化を伴うので視覚や触覚、聴覚とのタイムラグが生じてしまい、VRが5感全部に適応される・・・というひろゆきの指摘は鋭いが、お金という一元的価値尺度がAIの進歩やNFTの進展によってどんどん目減りしていくのでは・・・という成田氏の指摘も相当、エグイ。非常に刺激的な対談。

 ※非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称:

   NFT)とは、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位で

  ある。NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルな

  ど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることができ

  (鑑定書(英語版)と類似)、ブロックチェーン技術を使用して、そのNFTの所

  有権の公的な証明を提供する。オリジナルのファイルのコピーは、そのNFTの所

  有者に限定されず、他のファイルと同様に複製や共有が可能である。代替可能性

  (英語版)(英: fungibility)がない(複製が可能である為、自身の所有権の証明

  には成り得ても、他者の所有する同一のコピーが偽物である証明には成り得な

  い)という点で、NFTはビットコインなどの暗号通貨とは異なる。 

  ・・・ウィキペディアより引用

【解説】メタバース上の殺人どう裁く?全世代が活用可能?政府が「メタバース研

 究会」発足│政治部・小野孝記者 

 2022/08/02 ABEMAニュース【公式】 15:52

【VR】メタバースでも痴漢やストーカー?安全と監視のバランス

 2022/09/29 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 20:06

 メタバース空間で過ごす時間が増えてくると予想される負の側面として何があるのか、プライバシーを脅かすような全面的な監視社会の成立を防ぐためにはどんな仕組みが必要なのか、考えていくべき課題は多い。視聴後、生徒にアンケートをとって意見を募りたい。

【Web3.0とDAO】インターネット以来の大革命に乗り遅れるとヤバい!ポスト

 GAFAM時代の幕開け 2022/06/11 中田敦彦のYouTube大学  39:11

【Web3.0とDAO】次世代の株式会社DAOの仕組みと課題を徹底解説!

 2022/06/12 中田敦彦のYouTube大学  25:44

 Web3.0の本質的な意義をかなり分かりやすく説明してくれている。近い将来にどんな社会が訪れるのか、ある程度の見通しを持てるようになりたい若者にとっては役立つ動画だろう。

 

・デジタル社会の進展

【思想をRethinkせよ】宮台真司と波頭亮が、日本の未来を見つめ直す。

 2020/11/29 NewsPicks /ニューズピックス 57:57

【ひろゆきvsせきぐちあいみ】ブロックチェーンでマネー大革命【お金の価値、崩

 壊?】2021/08/22 日経テレ東大学 40:53

 VR、DXなどの進展がもたらす「マトリックス」のような近未来の社会を想像してみると・・・果たして人類は「仮想現実」の生み出す快楽が「現実世界」が生み出す快楽を上回ってしまう時代がもたらすディストピアを回避できるのか?

成田悠輔さんに「20代はどう働くべき?」と聞いたら、「人目につかない場所にい

 ろ」と言われました 2022/04/01 新R25チャンネル 20:44

 SNSが発達した時代における若者の進路意識を高める上で非常に有益な動画だと思われる。「自分に最適の進路」を探すことは危険であり、多くの場合、無益である可能性が高い。20代は自分が出逢った仕事にがむしゃらに取り組むべきであり、大義、目的は大抵の場合、後付けの言い訳に過ぎない。大義を設定してから仕事を探すのは無用である・・・誰でも発信できる時代は悪目立ちしてしまいがちであり、ほとんどの若者にとっては危険が大きい。むしろあえて若者は人目に付かない場所にいることが大切・・・目立ちがりやの傾向が強い若者にとってはかなり耳の痛い指摘であるが、説得力はそれなりにあるだろう。

【成田悠輔 x 社会論】未来の仕事。学歴と収入。 【KIDSNA】

 2022/07/29 KIDSNA STYLE チャンネル【公式】 3:19

・・・安易に時流に乗ろうとするのは危険。周囲の動きに同調しようとするよりも古くから続いてきた仕事に注目すべき。

[NHKスペシャル5min.] ゲノムテクノロジーの光と影 “神の領域”への挑戦・最前

 線の現場 | NHK 2021/06/08 4:40

Z世代起業家が語る、web3における日本の課題とポテンシャル【渡辺創太×成毛

 眞】 2022/09/24 NewsPicks /ニューズピックス 10:30

【メディア革命】次なるメディアの王者は何か?成田悠輔が語る次世代の特徴と可

 能性 ReHacQ-リハック- 【切り抜き】  2023/07/15  9:06

【ネットの功罪】真実消滅!「情報の死」とは?【フェイクニュースの近未来】日

 経テレ東大学 2023/01/06 30:49

 フェイクニュースが世界中に出回る中でウクライナ侵攻が起きてしまい、巧妙で悪質なフェイクに踊らされて核兵器が使用されてしまう危険性は徐々に増してきている。フェイクニュースを拡散する人々の数は多くはないが、彼らの活性が極めて高いため、その影響力は決して小さくない。フェイクを見抜く技術と精緻なフェイクの作成技術とはコインの裏表の関係にあるだろうから、フェイクをネット上からなくそうとする政府の試みはイタチごっこに終わりかねないだろう。

 

参考記事

私たち現代人が気づけば「井の中の蛙」に陥るワケ 知らずに「フィルターバブル」に飲

 み込まれている 東洋経済オンライン 矢萩邦彦 の意見 2023.4.27

 

参考文献

◎「やばいデジタル~現実が飲み込まれる日~」NHKスペシャル取材班 

 講談社現代新書 2020

 ・・・ネット社会の進展は情報をくまなく迅速に行き渡らせることによって民主主義を支えていく・・・というこれまでの期待が裏切られつつある。フェイクニュースが人々の言動を操り、投票行動を強力に決定づけるようになったアメリカやイギリスの動き、あるいは中国のようにコロナ禍を契機にネットを通じて国家が人々の言動を隅々まで監視できる独裁体制の成立といった現状に警告を発している。

 国家や大企業だけでなく、個人や零細企業までもが他者を陥れる道具として、あるいは「フェイクポルノ」のように利益を得るべく特定の個人のプライバシーを勝手に侵害するようになっている。スマホのデータ一つ、たとえば位置情報だけでも個人のプライバシーの多くは瞬く間に裸にされてしまう。

 「デジタルツィン」と呼ばれる、自分とそっくりなもう一人の自分が自分の知らないうちにネット上を裸で一人歩きしてしまう日が来るかもしれない。幼少時からSNSに触れてきたZ世代はプライバシーよりも便利さを優先してしまいがちと言われる。しかし年収や家族、趣味、食べ物の好み、住所、職業、交友関係までもがたやすく他人に知られてしまう社会になっていることへの警戒は必要だろう。

 

 

 

 

 

その7.③学校のウソ臭さ

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

AIがあっても英語を学ぶ意味 なぜ「黒板」は緑色なのに黒板なのか 分断が広がる今

     こそ必要との意見も AERA DIGITAL 小長光哲郎 2026.2.20

 今さらなぜこんなトンチンカンなことを言っているのだろう。…認知言語学が専門の日本大学教授、町田章さんが意義として強調するのは、英語を学ぶ過程で、英語話者の人たちとの「思考法の違い」や、「異なるものの捉え方」を知ることができるという点…だという。

 町田氏は、中学校や高校の授業で日本語話者の「思考法」や「ものの捉え方」と、英語のそれとの差異を逐一、分かりやすく解説できている授業が実際にどれほど存在しえているのか、一度でも確認してみたのだろうか。英語を学ぶ意義としてこれらを強調されているようだが、その意義が学校教育の中で本当に実現できているのかは極めて怪しいだろう。しかも、本当に「思考法」や「ものの捉え方」が英語を学ぶ上での欠かせないポイントであるならば、実際に定期試験や入試レベルでそれらが数多く問われてきたはずである。しかし、誰がどう見ても実態は違う。

 学校教育の現実を踏まえない机上の空論を根拠にして、社会の「分断」を埋めることなどまったく不可能である、と思うのだが、いかがか。そもそもこんな虚しい「きれいごと」に、今の学校や教師は一秒たりとも付き合うヒマなど無いはずだ。

“30万円の自腹を強いられた校長の告白。「わたしはどうすれば……」未納金問題

    の深刻な実態 All About 福嶋尚子・栁澤靖明・古殿真大     2025.10.11

 この程度の調査だけでは日本の学校現場の自腹の実態が十分に解明されるわけがない。自腹が当たり前のこととして常態化してしまい、教師自身が自腹を自腹として意識できていないまま、出費を続けているケースだって決して少なくあるまい。確かに管理職の自腹などは一時的には多額のケースもあるだろうが、一般の教師が日常的に支払い続ける自腹の総額が管理職のそれと、実際には大差ないものであることの方がむしろ多いのではあるまいか。

 運動部顧問の場合、部活動に必要となる道具類等の一部は顧問が自腹を切って購入することが少なくない。もちろん自分の使う道具やユニフォームなどは自腹である。当然、練習試合などで他校を訪問する際の出費の多くも自腹である。さほど部活動に熱心ではなかった自分ですら、35年間の教員生活において部活動関係で自腹を切った金額は間違いなく100万を下ることはなかった。

 文化系の部活動でも、楽器の購入や修理費など、吹奏楽部の顧問の自腹分もかなりの巨額に上るだろう。

 また授業で実物教材などの独自教材を使う教師の場合、教材費のほとんどは自腹である。もちろん授業準備に要する書籍代は全額、自腹。さらに近年はプロジェクターを用いて授業を行う教師が多く、どこでもプロジェクターは学校の備品だけでは不足しがちである。結果的にプロジェクターを含め、視聴覚機器や記憶媒体の一部を自腹で用意してきた教師は決して少なくない。

 古くは100本以上のビデオテープを購入して授業での視聴に用いていた教師たちの過去がある。その中には録画用ではない、かなり高額のものもあった。自分も先輩教師たちに見習ってテープ代だけで総額数十万円分は費やしている。

 自腹はお金の問題だけではあるまい。お金以上に膨大な時間と労力がとりわけ部活動にはつぎ込まれており、教師たちの私生活は常に厳しい制約を受けてきた。肝心の授業準備もおろそかになりがちであった。そこへ様々な学校行事が絶え間なく加わってくる。文化祭や体育祭、遠足に修学旅行、入試、入学式、卒業式…それらの準備もまた部活動同様、勤務時間内に終わらないものばかりなのだ。

 教師たちによるこうした自己犠牲的な献身抜きにしては、日本の学校教育がまともには成立できてこなかった、という現実をまずはきちんと直視すべきだろう。そしてマスメディアならば先進国で最低レベルの教育予算しかない日本という国の、真の意味での文化的貧しさを引き摺り続ける社会の構造的な欠陥にこそ、もっと深いメスを入れるべきだろう。

なぜ?学校の通知表「主体性」の評価が見直しの訳

    東洋経済オンライン 松下 佳代 2025.10.8

 これまで教師や児童生徒の主体性を踏みにじり、学校現場の主体性をひたすら否定してきた文科省が、なぜか通知表の評価の観点としてこれからは主体性を重視する、という。本来、主体的な学びはまず教師側が児童生徒の模範となるべく、実践できていなければなるまい。

    連絡報告の書類作成などのブルシットジョブや無意味な官製研修の連打によって教師の主体的学びの機会を奪い尽くし、教師の意思を無視して職員会議をただの連絡報告の場に貶め、学校の都合を最優先して校務分掌を一方的に新任者に押し付けることで、ひたすら主体的な勤労意欲を奪ってきた教育行政側が学校現場に対して「主体性」という言葉を口にして良いわけがない。

 …文科省自身は、「主体的な学び」を「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる」と説明し、「主体的」をproactiveと訳している(proactiveはreactiveの対比語で、事態に反応するのではなく、先取りして自ら事態に働きかけることを意味する)。…

 とのこと。裏読みをすれば、国の方針に対して主体的、意欲的に盲従してくれる「民草」の養成に学校はより一層の力を入れていけ、という事かもしれない。その発想において致命的に欠けている視点は、何を学ぶべきなのか、という主体的学びの前提として必要不可欠となる問題意識であろう。文科省が学ぶべき内容への規制を緩めることなく、厚かましくも学習の主体性を教育現場に求めることに潜む矛盾とそこに隠された真の意図に留意したい。

小学校の隠しカメラに市議「盗撮では」 市「正当」強調 愛知・江南

     毎日新聞 2025.10.2

 これが完全な違法行為であり、児童への明らかな人権侵害にあたるものだと判断できない校長や教育長がいることに驚く。どうしてこのような人物が校長や教育長になってしまったのか、管理職人事の闇に触れた思いがするのだが、いかがか。もちろん、隠しカメラの設置を擁護する市長の見識にも呆れるほかあるまい。

 児童のイタズラがどんな内容なのかも、気になる。仮に他の児童への深刻な人権侵害に相当するものならば、一刻も早くイタズラを辞めさせる必要があるのは確かだ。しかし、そのためにとるべき有効な手段は、監視カメラの設置以外にもあったのではあるまいか。

ブラック校則を自ら見直し? 「子どもの意見表明権」教育に取り入れ

 毎日新聞 2025.9.5

 …子どもの意見表明権は、1989年に国連で採択された「子どもの権利条約」の12条に規定。子どもが自らに影響を及ぼす事項に対して自由に意見を述べる権利を確保するとしている。

 日本は94年にこの条約を批准した。国内法は長く未整備だったが、子どもの意見表明権を基本理念に掲げた「こども基本法」が2022年に成立。その後初めての指導要領改定を迎えるため、学校での指導にも取り入れることにした…

 と記事にある。学校教育は児童生徒の将来に直結するため、教育内容に関して世界の進展に大きな遅れがあっていいはずがない。未来を生きていく児童生徒の歩みを学校教育が妨げていいはずがないのだ。特に児童生徒の権利に関してはなおさらであろう。まして科学技術の進展が目まぐるしい現代である。子どもたちの未来を預かるべき学校教育が、日本の場合、進取の精神を児童生徒から奪うような旧態依然のレトロ感をいつまでも醸し出し続けているのはいかがなものか。

 次の学習指導要領が学校現場に適用されるのは小学校で2030年度からである。中学校や高校はさらに遅れてしまう。つまり日本では子どもの意見表明権を規定した子どもの権利条約が国連で採択されてから41年、日本で批准されてから36年以降、ようやく小学校から順次、学校現場に反映される予定、というのだから驚き呆れる。この取り組みの鈍さ、遅さ…まさに「人権後進国」たる日本の面目躍如、というところか。

 これまでの長きにわたり、子供の人権条約の精神が日本の学校教育にしっかりと反映されてこなかったために生じてしまった、残念な事件事故は数多い。これによって犠牲となった児童生徒の数も決して少なくはない。政府、文科省はこうした世界の進展に対して大きな後れを取り続け、結果的に犠牲者を生み出し続けた失態を深く反省し、一刻も早く国民に謝罪すべきではないのか。

 実際にはかなり以前から児童生徒の意見を取り入れてブラック校則の見直しを推進している学校が出てきている現状は確かにある。とりあえず一部の動きにせよ、文科省の取り組みよりも学校現場の方が少しは早い…だからといって国民が安心できるわけではあるまい。

 30年以上にわたる日本経済の失速、経済や政治の停滞の背景に日本の学校教育の、余りにも時代遅れなあり方がある、と考えるべきだと思うが、いかがか。

教室にカメラ設置ってアリ? 「いじめを防ぐため」の案だけど「体育の着替え」

    は、「死角」はどうするの? 東京新聞 2025.4.18

    おそらく熊本市教委の人権意識の低さ、鈍感さがこうした安直な対応にも表れてしまうように思えるのだが、いかがか。ぜひ、授業で取り上げて監視カメラ設置の是非について議論させたい。まずは議論の手始めとしてイジメが発生する主たる原因とイジメへの対応のあり方が問われるはずだ。

    どういう環境下でイジメは発生しやすくなるのだろう。これまでの常識的発想ではこんなロジックで学校でのイジメが語られる傾向があったはずである。まず画一的な管理主義的教育体制の下で学校側が集団行動を偏重し続け、集団への同調圧力を過剰に強めてしまうと児童生徒の精神的ストレスは極めて大きくなってしまうに違いない。そのストレスはきっとイジメとなって発散されてしまう大きな危険性を孕むものだろう。あるいは集団主義的な校風になじめない児童生徒たちの間に数多くの不登校を生み出すかもしれない…

    とは言え、仮に集団主義、管理主義が大幅に改善されたとしてもイジメを社会から根絶することは不可能だと私も考える。そもそもどんな社会であれ、利害の対立が生じるのは不可避である。したがって利害の対立やイジメが生じたとき、学校側が問題の解決に向けてどう工夫し、どう対応するのか、が問われる。

 工藤勇一氏のように、集団間での対立、イジメの発生に対して児童生徒自らが対話を重ね、問題解決の方向に自分たちで歩み出せるように教師が工夫して対応できるのならば、イジメ問題の発生は学校にとってむしろ大歓迎ですらあるだろう。それは児童生徒にとって社会生活のあり方を、体験を通じて学ぶ、絶好のチャンスとなるからである。仮にそう考えられる教師集団ならば、イジメを無くす…という発想、教育目標は決して思い浮かばないはずである。逆に単なる学校や教師側の臆病な自己保身などから、イジメの未然防止のために監視体制を強化してしまうと、児童生徒の自律、自立のチャンスを奪うだけではなく、学校をさらに居心地の悪い場所にしかねないのではあるまいか。

 もちろん、学校における硬直化した画一的管理主義は今後も是正されていくべきであるが、それだけではおそらくイジメ問題の本質的解決には向かわないだろう。学校でのイジメ問題への対応は、日本の学校の根深い隠蔽体質も考え併せれば、イジメの発生防止という観点に軸を置くのではなく、イジメ発生後の対応の在り方の方に対策の軸を置くべきではあるまいか。

 イジメの根絶を図るために児童生徒への監視を強め、管理を強化せんとする熊本市教委の発想は、以上の点から問題の本質を完全に見誤っており、さらなるイジメのステルス化、陰湿化、悪質化をも招きかねないと考えるが、いかがか。

 そもそも今はやりのSNSによる誹謗中傷を、監視カメラの設置で防げるはずはないのだ。イジメは教室内での窃盗事件とはわけが違うし、監視強化によってイジメの発生を完璧に防げるという幻想も即刻、捨てていただこう。そしてイジメ問題をもっぱら児童生徒たちの力で解決できるよう、いかにして議論を組み立てていくのか、熊本市教委および教師側は真剣に考えていくべきであろう。

ニュージーランド公立小の"自由で刺激的"な日常 移民大国で根付く「ダイバーシ

   ティ教育」の実際 東洋経済オンライン 鳥羽 和久 の意見  2025.1.10

   教育においてダイバーシティを尊重するという事は一体どういうことなのか、ニュージーランドの取り組みを例にして具体的に知ることが出来るだろう。ダイバーシティ教育の実現には大きな予算が必要であることが繰り返し強調されている点も重要である。振り返って我が国の学校教育の残念なまでの低予算、教師の出血大サービス残業で無理くり体裁を整えているみすぼらしさと上辺だけのダイバーシティ尊重の掛け声を見るにつけ聞くにつけ、絶望的な感覚を覚えてしまうのは私だけであろうか。

30年変わらぬ体育館での雑魚寝「劣悪環境」の避難所が生む関連死 自治体任せから

   脱却を 備えあれ⑤避難力 産経新聞 2025.1.6

   阪神淡路大震災、東日本大震災・・・肝心なことの多くを過去の経験から学んでこなかったのは政治家だけではあるまい。能登半島沖地震から一年経っても被災地の復興の歩みの遅さ、ノロさは本来、安全で居心地の良い避難所として機能すべき学校の体育館で、寒さに震える「雑魚寝」状態が一向に改善されていない点にも伺える。果たして今回の災害発生後の避難生活における病死、自死の比率は30年前に比べてきちんと減ってきているのだろうか。

 思えば学校の体育館ほど避難生活を送る場所として不適切な施設は無いだろう。そこは大勢の人々が避難生活を送るために配慮され、設計されたものでは決してなく、本来は児童生徒らに忍耐と根性を養成する試練の場であり、むしろ積極的に快適さを嫌う空間であったはずだ。そこでは多くの児童生徒が退屈で長いだけの校長訓話をひたすら耐え忍び、季節によっては酷い暑さ寒さにも耐え忍ばねばならない、神聖にして厳格な「鍛錬」の場ではなかったか。どうみても図体がデカイだけのガランとした体育館の空間は暖房にまったくなじまず、ましてクーラーなど、教師たちにとっては想定外、論外…現代的な空調設備などは、ただただ児童生徒を甘やかすだけの、贅沢過ぎた余計な施設であったはずだ。

 冬はかじかむ手を握り締めて寒さを耐え忍びながらの始業式、終業式、卒業式が長時間にわたって繰り返され、夏は酷暑の中で大汗を書きつつ蒸し暑さを耐え忍びながらの終業式、講演会などが繰り返された。もちろん部活動では地獄の特訓が待ち受ける、恐ろしい試練の場であった。まさに戦時中の「皇国民錬成」精神の生き残りそのものだった体育館である。そもそも40人余りがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた狭い教室にさえ、クーラーが本格的に導入され始めてからまだ20年も経ってはいないのが、経済大国日本の公教育の実態だったのだ。経済的繁栄の絶頂を謳歌していたあのバブル期でさえ、日本の公立学校の教室にはクーラーがほとんど存在していなかったことを思い返してほしい。

 災害時に学校に足を踏み入れた避難民は速やかに自身の学校時代の辛かった記憶を取り戻し、しばらくは我慢強く生活を送ろうとするだろう。が、もはや児童生徒たちの従順さと体力を持たない大人たちが長期間耐え続けられるほど、学校の施設は優しくない。元来が兵舎をモデルにした近代の学校施設は、野営よりは多少マシであるものの、今時の、冷暖房完備の御家庭とはまったく違う発想で設計されているのだ。

 日本の学校は決して生活する場ではなく、いまだに鍛錬の場である。そのことを痛感するのが学校での避難生活であったはずだ。この記事は日本の学校がこれまで抱えてきた、古色蒼然とした軍隊由来の発想と避難生活の場としての快適さを求める発想との相克をも伺えて実に興味深い。そして同時に教育予算と防災予算を徹底的にケチり、国民の幸福と安寧、生命を軽視してきたこの国の政治の貧困さをも痛切に思う。

 政府はこのまま有効な対応をサボり続け、連発しかねない南海トラフの大地震や首都圏直下型大地震、富士山の大噴火を漫然と待つつもりなのだろうか。防災、避難、後片付け・・・その多くをいまだに自助努力とボランティアに依存する国家を今後も「災害大国」などと日本が内外に喧伝し、自称していくのはいかがなものか。

 おそらくロシアや中国の侵攻、北朝鮮のミサイルを待つまでも無く、日本は自然災害によって一気に衰退するに違いない。きな臭い国際情勢が続く現在、確かに防衛費の増額も必要だろうが、確実にかつ目前に迫ってきた大災害への備えはさらに緊急性が高いのではあるまいか。他国の侵略で滅ぶ前に自然災害で滅ぶ方が先だとしたら、「災害大国」日本の名がすたるだろう。

 かつては優秀な人材を多数抱えて敗戦からの奇跡的な復興を遂げ、「人材大国」とも呼べるほどに国民の優秀さを誇ってきた日本である。しかし、ここ三十年余りの間にひたすら教育予算と社会保障費をケチり続け、全国に金権政治家、老害政治家を蔓延らせて、いまや酷いレベルまで子供や若者の未来を閉ざしてきた日本の現状を見た時、「人材大国」、「災害大国」と日本を呼ぶよりも「人災大国」と自称すべき時に至っているように思えるのだが、いかがか。少なくとも真剣に国民を守ろうとしない今の政府に税金を差し出す義務など国民にあろうはずがない。

 少子高齢化を含む様々な課題を先送りしてきた政府の責任はもちろん重大だが、主権を持つとされる国民の選択にも問題は多いに違いない。加えてこの問題の責任の一端は住民を欺いて避難設備の充実をさぼり、予算をケチってきたクセに、漫然と避難所を引き受け続けてきた地方自治体と教育行政側にもあるだろう。

 ところで教師たちはいざという時、自分たちの家族を放置したまま、周辺住民の避難生活をどこまでみすぼらしい学校の中で責任を持って支えられるのだろうか…疑問だらけではあるまいか。自宅ならば自己責任で防災用品を十分に整え、非常時に備えることは各自の判断でできる。しかし、いざという時、学校近くに住む教師たちはその自宅を離れてまともな設備や非常食の備えも無い学校に集合させられ、大勢の避難民のためにあくせくと働くのだ。冷たい体育館の床で一体、いつまで寝起きを強いられるのだろう。とりわけ問題とされるトイレや生理用品の件だが、これに関しても学校において何らかの改善や用意が出来ている、などと感じたことは一度も無い。

 こうした貧弱な施設と備えのままで果たして大地震や大噴火後の避難生活に現在の学校は、教師たちは、住民たちはどこまで耐えられるのだろうか。そもそも近隣住民は災害時における学校施設の不備をどこまで知っているのだろうか。実際、学校の現状を知る多くの教師は自分の家屋の安全が確認できさえすれば、本音の部分では家族とともに自宅での避難生活を望んでいるはず。

 こうして災害時の悲惨な避難状況をわずかに想像しただけでも、多くの人は教師にだけはなりたくない、と切に思うのではあるまいか。様々な点で避難施設としての条件を欠いたままの学校の惨状はもっと広く世間に知られるべきであろう。

長野県、自己実現できる「ウェルビーイング実践」70校決定

   リセマム 2024.12.7

   …飯田市では市内すべての小・中学校で小中一貫教育を導入。小・中学生の異学年が一緒に取り組む行事や学習、地域を生かした探究的な学びをつくる特設教科(教育課程特例校制度)を設置する。根羽村(下伊那郡)の公立学校では、小規模ならではの「学びの村づくり」として、時間割を子供たちが決定したり、地域の人が学校の教育に参加したりできる仕組みづくりを計画。栄村(下水内郡)の小・中学校では、制服や運動着、化粧やピアス、染髪などのルールは子供たちが決めるとし、揃える指導はやめ、多様な生き方や学び方を支援していくという。…

   長野県はこうした取り組みの準備期間として2025年度をあて、翌2026年度から本格実施されるという。正直に言って余りのスピード感に驚きと大きな不安を隠せない。ただし改革例として挙げられた取り組み自体は100年余り昔の取り組み(大正新教育運動)で見られたものとほとんど大差は無く、ICT化による個別最適化教育の推進以外に大した新しさはみられない。むしろこうした取り組みが事前にどれほどの計画性と予算を伴っていたのかを私たちは厳しく注視すべきであろう。

 大雑把に振り返れば大正新教育運動は大正デモクラシーの風潮に乗っかって、制度的、組織的、予算的なバックアップ体制を十分には構築できないままスタートしたため、ほぼ実験段階のレベルのままに収束している。計画性に欠けた拙速で無謀な取り組みによる失敗はその推進者が標榜していた人権尊重と民主主義の価値を結果的に貶める役割を果たしてしまい、昭和に入ると国民学校による皇国民錬成教育という恐ろしい反動を招き入れてしまった。どんなにきれいごとを叫んだとしても、それだけではきれいごとが実現するわけではない。わたしたちはこれまでも「教育改革」の名で再三繰り返されてきた、こうした目くらましに騙されてはなるまい。

 学校教育の改革の成否を握るのは法制度の整備や予算面などでのバックアップに加え、改革を推進する歯車となるべき人材の育成の進み具合である。これは教育学の世界では既に一世紀近く前から指摘されてきた。長野県では一体、こうした人材の育成をこれまでどうしてきたのだろう。どうみても人材の育成は一朝一夕にできるものではあるまい。実に怪しい限りである。

 まずは新しい改革の主旨を理解し、それを実践に移せる管理職が改革の先頭に立たなければ話になるまい。管理職の頭の中が「昭和」のままではまさに「ふてほど」そのものであろう。もちろん、一般の教師たちにも改革を推進していけるだけの知識と理解、それに心身の余力がなければなるまい。既に「教育改革」と称する過重労働ですっかりブラック化した学校にそれだけのゆとりが残されているのだろうか。この点でも大いに危惧される。実際問題として、県は児童生徒のウェルビーイングを言う前に、教師のウェルビーイングの方をまずは心配すべきではないか…

 かつての「教育改革」がことごとくそうであったように、長野県の取り組みが教師たちの疲弊を一層募らせ、挙句の果てに無責任な「絵に描いた餅」で終わらぬことを祈るばかりである。

「どういうつもりなのか」同級生から「ばい菌」扱いのいじめ…女子児童は100日

 以上欠席 急きょ「重大事態」認定に不信感 京都市 別児童のいじめでも一転し重大

 事態を認定 毎日放送 によるストーリー 2024.7.24

 2020年から始まっていたイジメを今頃になって教育委員会が重大事態に認定する背景に一体何が考えられるだろう。いじめ防止対策推進法に対する理解の程度が各地の教育現場ではかなりマチマチとなっており、殊に管理職によって大きな差異があることは容易に推察できるだろう。今回の件も担当者が新旧入れ替わったことでようやく表面化してきたと考えられる。

 しかし重大な案件に関しては統一的基準に基づく迅速な対応が求められるはずだ。法の規定に基づかない、現状の属人主義的な対応ぶりにはどうしても大きな危険を感じざるをえない。管理職の世界における年功序列、先輩後輩関係のあり方に深くメスを入れない限り、こうした事はいつでもどこでも起こり続けるだろう。

 とりあえず、今回の件ではこれまで重大事態としての認定を行わなかった当時の管理職、及び京都市教育委員会の担当者への厳しい処罰を下すべきである。たとえ後輩の身であっても、対応を間違っている先輩を厳しく処断できないようでは教育行政への市民の信頼は崩れる一方となるだろう。

この社会はまるで「寄生虫」のよう…いつのまにか「わたし」に侵入して内側から

 変えてしまう「おぞましい実態」現代ビジネス 

 内藤 朝雄(明治大学准教授・いじめ問題研究) の意見  2024.5.25

「一回いじめたら、止められない」「何か暴走してしまう」…意外と知らない「い

 じめの構造」現代ビジネス

 内藤 朝雄(明治大学准教授・いじめ問題研究) の意見 2024.5.25

 学校が果たしている社会的機能の一つ「社会化」のブラックな側面を寄主に対する寄生虫の不気味な影響力にたとえてみるのはイメージしやすくて効果的だろう。学校のどんなところが寄生虫の影響力と同じような不気味な感染力を持っているのか、生徒たちに問いかけてみたい。少なくとも学校とは「善」なるものと頭から決めつけて思考停止に陥っている生徒たちには刺激的な問いかけになるだろう。

<著者は語る>データの独裁許すな 『ヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に

 騙(だま)されるのか』 統計学者 ジョージナ・スタージさん

 東京新聞 2024.4.28

 統計のウソを見抜くことは難しいが、常に疑ってかかる姿勢は保つべきだろう。特に政府、文科省の統計は怪しい限り。つまり「検定」なるものを通過した教科書や資料集ですら、全面的に信用するのは間違いだろう。授業では年度初めにこの記事を読ませ、統計資料の安易な利用に釘を刺しておきたい。

 とはいえ、政財界によるバイアスのあまりかからない、ごく基本的な統計資料(人口統計など)はきわめて有用なデータであり、こうしたデータをどれだけ授業に生かせていけるかが、教師の腕の見せ所でもあろう。

体罰を訴えた保護者アンケートを破棄して偽造 小学教諭を処分 岩手

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.6.17

 アンケート調査の危うさはこうしたデータの偽造が絡むと一層厄介である。教師の評価が絡む児童や保護者向けのアンケートを教師自身が分析するのはやはり、やめた方が良いだろう。分析は保護者会や生徒会で行った方がデータの信頼性は高まる。回答者が忖度なしの評価をできるような条件を十分に満たさないアンケートならば行わない方が良い。安易な設計のアンケートは危険なだけで、悪用されかねない。

無意識に行動を操られる「ダークパターン」の危険 「妨害」「こっそり」など知るべき7

 つの悪質手口 東洋経済オンライン 酒井 麻里子 の意見 2024.4

 この知識は児童生徒たちがネット詐欺の被害に遭わないために必要な知識になるだろう。加えてこれまで学校教育で行われてきた「教育」という美名に隠れたある種の「洗脳」を自覚する上で役立つ知識だと思うが、いかがか。

 かつて教育社会学では学校での制服や男女別名簿、教壇などが無意識的に児童生徒に及ぼす影響を検証する研究がP.ウッズ(イギリス)らによって盛んに行われていた。つまり児童生徒を無意識的に一定の方向へとコントロールするある種の政治的目論見、「ダークパターン」の研究があったのだ。

 これはフランスのM.フーコーらの監獄への考察にも通ずるもので、軍隊由来の校舎や制服、体育での整列や行進と軍隊、刑務所との類似性が指摘されていた。たとえば日本ではランドセル、セーラー服、詰襟の制服、「気を付け」の号令と「休め」の姿勢などはいずれも軍隊由来のものであった。明治期に掲げられた「国民皆学」と「国民皆兵」というスローガンは近代的国民国家の形成と「富国強兵」を急ぐ明治政府の民衆に対するある種の洗脳政策といっても過言では無かったはず。

 今、学校教育を通じてどのような「洗脳」が行われているのか、冷静に振り返る視点は教師だけでなく、実際に「洗脳」の被害を被っている児童生徒たちにも「解毒」のために必要となっていると私は考えている。

修学旅行で預かった児童150人の財布、引率教員が無断で中身調べる…西宮市教

   委「不適切だった」 読売新聞 によるストーリー 2024.8.1

   学校にはイジメ事件に関しては生徒のプライバシー保護を盾にして事件の全貌解明を妨害し、隠蔽を図ろうとするクセに、普段は児童生徒のプライバシーの管理をおざなりにして時折、漏洩させてしまったりする残念な傾向があったりする。教師たちの多くはいかにも表向きは児童生徒の人権を尊重するフリをしているが、一部の教師の場合、子どもの人権条約すら一顧だにせず、残念ながら生徒指導を名目にして平気で児童生徒のプライバシーを侵害してくる。

 今回の件は不適切だった…では済まされないだろう。校長自身がこの指導に何ら疑問を抱くことは無かった、というから驚きだ。人権意識が今の今に至っても昭和のままであり、管理職や市教委からしてコンプライアンスの欠片すら存在していない、全くの時代遅れの認識にとどまっている、と批判されてもおかしくはあるまい。

 確かに40年近く前、高校でも修学旅行時、生徒たちの持ち物検査をしていた経験がある。当時はもっぱら酒、タバコ、ウォークマンやラジカセなどのチェックが主だったが、まだまだ校内暴力の余韻が残っていた時代でもあったため、検査すること自体はある程度まで仕方ないだろう、と感じないわけではなかった。事実、遠足の際、バスの後方の座席でお酒を回し飲みしていたグループの存在が発覚したことがあった。当時は中位層の高校でも最悪、ナイフ等の所持だって起こりうる時代であり、一切、持ち物検査をしないで済むような旅行がほぼほぼ無理な状況は確かにあったと思う。

 しかしその当時ですら所持する金額に関して上限を設けていたとしても学校側は一切、本当の所持金を確認してこなかった。生徒の所持金は保護者の所持金と同質のものであり、基本的には生徒及び保護者の判断にゆだねられるべきプライバシーそのものである。生徒にあまりにも多額の所持金がある場合、盗難や紛失の恐れが増し、いざという時、十分な事前指導を行わなかったと学校側の責任が追及されるような事態はもちろん想定しておく必要がある。だからこそ、事前に多額のお金を持参させないよう、保護者にも依頼するし、所持金の上限額も提示するのだ。しかし、その先はやはり保護者と生徒自身の自己責任に委ねるほか、手立てはあるまい。

 生徒たちにはこの件をどう思うのか、なぜこのようなことが学校ではまかり通ってしまうのか、じっくり考えさせたい。

 

・名古屋市教委金品授受問題

徹底追及 名古屋市教育委員会の金品問題 不可解な“名簿とカネ” 学閥で校長

 が…? CBCニュース【CBCテレビ公式】 2024/03/26 7:43

 ここでも寺脇氏の学校現場への無知がさらけ出されている。管理職候補を推薦する名簿の存在は千葉にも古くからあったはず。管理職採用を巡っては学閥や校長会の影響力もかなり大きいのは教師たちにも良く知られたことである。特に愛知教育大出身者が管理職の多くを占める名古屋市の場合には管理職採用試験にしっかりとした公正さがある、と思う方がおかしい。

 寺脇氏のような、学校現場への知識にまったく欠ける人物が文科省の官僚だったわけだから、教育行政が迷走してトンチンカンな政策をとり続けるのも当然であり、文科省の改革抜きで教育改革など完全に不可能なのである。

座長「なれ合い構造あった」 名古屋市教育委の金品授受問題報告書

 毎日新聞 によるストーリー 2024.8.28

 そもそも文科省の官僚だった寺脇氏が座長を務めるような調査検証チームが出す報告書なぞ、一体誰が信用するのだろうか。ただの茶番に過ぎないのは見るまでもなく明らかであろう。チームは「…名簿や金品による人事への影響は否定」したというから呆れる。一体、どんなデータ、資料を根拠にこんな結論が出されたのか…限りなく疑わしい。どうせまともな調査など、行われたわけがあるまい。

 他方で「教員集団の閉鎖的・排他的な仲間意識、なれ合いの構造があった」と厳しく批判したというが、これは明らかに口先だけ。世間を欺くただの茶番であろう。教育行政側のメンバーだった人物を座長とするような、厳格さ、公正さ、第三者性に欠けるこの調査検証チーム自体が市教委側と連携してズブズブの馴れ合いを演じているのは想像に難くない。教職員課長や教育長も務めた前市長の松原武久氏へヒアリングしたというが、こんなもの、岸田首相がオリンピック問題で行ったという森元首相へのヒアリング並みに信用できない。市教委および調査検証チームと馴れ合い、じゃれ合う関係性の中で松原氏が知らぬ存ぜぬを貫くのは極めて容易であっただろう。

教育関係者「闇深い」 名古屋市教委の金品受領問題報告書

 毎日新聞 によるストーリー 2024.8.28

 これ管理職の選考を巡る厳格さ、公正さに欠ける金品授受は教育公務員として見逃せないはずの大きな信用失墜行為であり、関係者の分限問題に関わるべきレベルの深刻さがある。にもかかわらず、調査検証チームの報告書には危機感の欠片も見られない、生ぬるさがある。再調査が必要なのは言を俟たない。

名古屋市教委の金品授受、総額1300万円超に…検証チーム「癒着と映らないか

   との視点が欠落」 読売新聞 によるストーリー 2024.3.30

 文科省の官僚だった寺脇氏が「…推薦名簿がまかり通っていたことも驚きだ」と指摘していることに驚く。文科省にいた人物が「推薦名簿」すら知らぬこと自体、恥ずかしい事だろう。学校現場の事を知ろうとしない人物が平気で官僚を務めている文科省というお役所のオワコンぶりに私はむしろ興冷めしてしまう。文科省がこんなテイタラクだから教育現場での不祥事が絶えないのではあるまいか。官僚たちの学校現場に対する無関心、無知、勉強不足こそが諸悪の根源なのかもしれない。

元校長らへの人事案「内覧」会合費にも支出 名古屋市教委の金品授受

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.3.29

 金品の授受に関しては公にされると良くない、との認識が関係者の間で共有されていたという。同様の話はかつて名古屋に限らず、全国的にあったはずで、教員に採用されるためには教育委員会の有力者に金品を送るのが必須だった県があるとも聞いている。しかし声高にコンプラが叫ばれている現在、この悪習はとっくの昔に無くなっているものと不覚にも私自身、思っていた。まさに「不適切にもほどがある」ということだ。

 とはいえ数々のイジメ事件隠蔽など、大きな不祥事を繰り返してきたこれまでの学校社会の異様さを思えば、この程度の事があったとしてもさほど驚くほどのことではあるまい。世界や時代の進展に背を向け、百年一日のごとく因循姑息な、馴れ合いだらけの村社会に安住してきた日本の学校教育界である。おそらく同様の風習を続けてきた市町村が他にもあるに違いない。

 実は日本の学校社会全体が政治家の世界に負けず劣らず、とっくの昔に「不適切にもほどがある」状態であったはず。政治家の裏金問題は教育委員会の裏金問題とよく似た構造をはらんでいるのではあるまいか。

 

公教育のモデルつくるつもりが「法令違反」 奈教大付小教員の嘆き

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.4.5

「文科省の二枚舌」元次官も憤慨、奈良県の教員“総取り替え”騒動で注目「学習指

 導要領は憲法違反?」SmartFLASH によるストーリー 2024.4.4

 前川氏の意見に同感である。20年以上前のことだが、君が代の歌詞を授業で教えていたら県教委のメンバーからそこまで教えなくともよい、との指導を受けてガッカリさせられたことがある。君が代をどのように、どこまで教えるべきなのかといった判断が文科省から明確に示されることなく、たかが教員委員会のメンバー一人の主観で指導を受けたことにも強い反発を覚える。

 そもそも君が代の歌詞を高校の生徒たちがこれまで一人も知らなかったこと自体、本来ならば大問題なはず。学校で歌うことを強制している「国歌」の歌詞と意味を学校ではきちんと教えてはならない、というような、ありえないほどの珍妙な指導がまかり通る教育行政の不思議さに国民はもう少し気付くべきだろう。

 一方で確かに義務教育段階では多少の統制が必要であり、学校や教師の間で教える内容に大差があるのは問題。しかし今回の件では大綱にすぎない学習指導要領があたかも「神の言葉」と敬われた大日本帝国憲法であるかのような仰々しさで金科玉条のごとく奉られている印象を受ける。これは教育界に戦時中の超国家主義的な発想がいまだ生き残っている証拠ではないのか。しかも文科省がズカズカと一学校の校内人事に全面介入するほどの逸脱が本当にこの小学校に存在していたのだろうか…怪しい限りである。仮に大学や文科省の今回の判断が正しいとするならば、かつて私が教えていた高校生たちに小中学校時代、しっかりと君が代の歌詞を教えてこなかった千葉県の小中学校の教師たちの方こそ厳しく処罰されるべきであろう。

 きっと文科省の指導の背景には政府与党の強い指導があったに違いない。だとすれば教育における政治的中立性を守るべき文科省や国立大学がいとも容易に政治的圧力に屈し、教員の半数を転出させるという違法なレベルでの厳しい人事介入を行った…すなわち政治的中立性の順守を謳った憲法や教育基本法を厳守すべき文科省が自らそれに違反するような指導を行った、ないしは黙認したということではないのか。

 やはりこの役所の堕落ぶりは想像を絶している。

「不登校の原因はいじめ=0.2%」という文科省と学校を信用できないワケ

   JBpress 石井 志昂,湯浅 大輝 によるストーリー 2023.8.18

 現場に長くいた人間からすれば、この手の調査結果は全くと言って良いほど信用できないに決まっている。

公立小・中学でのいじめ認知件数 自治体間で最大30倍の格差

 毎日新聞 によるストーリー 2023.6.21

 学校によってはイジメ認知件数がゼロのところもあったという。もちろん現実的に見て「ゼロ」はありえない数字である。といっても別に驚くことはあるまい。市町村によっては学校からの報告に虚偽が含まれるのは当たり前であり、むしろ普通のことではないのか。管理職が自らを不利にするような報告をお上にあげるわけがない、と思うのが教育界の常識。

   全国学力テストの結果がほぼほぼ信用できないのと同様に、学校の上っ面をフワッとなでる程度の安易な手法による報告や調査で学校現場の実態がつかめる、と思う方が今やあまりにも能天気なのだ。

 いや、もとより調査を命じた側も「やってます」感を演出するためだけに嫌々、調査を行なわせているに過ぎないはず。でなければ神戸市のようにイジメ事件の隠蔽が学校や教育委員会の中で執拗に繰り返されるはずがないのである。

   逆に文科省が各教育委員会や学校の牢固な隠蔽体質を知らぬわけがあるまい。所詮は「同じ穴のむじな」、この調査自体が国民を欺くだけの、ただの茶番だと思うべきだろう。

 

   しかし、こうしたアリバイ作りを主な目的とする虚しいだけの仕事だからといって決して侮ってはいけない。学校のブラック化はお上から送り付けてくるアリバイ作りのためだけのような文書の山が生み出している側面もあるからだ。

   教員不足が問題視される以前から指摘されていたのが、学校における管理職希望者の減少であった。実際、傍から見ていても教頭や教務主任の仕事量は異常なほど多く多岐にわたってきている。

 管理職として必要とされる能力はもはや学校教育への深い理解や豊富な経験、授業の力などではなく、膨大な事務仕事を滞りなく表面的にスマートにこなす事務処理能力の高さに特化してきているという印象が強い。

 形骸化した事務仕事の削減は文科省以下、すべての部署に共通した切実な願いとなっているはずだ。そしてこの願いが実現するためには予算と人員の増大が必要不可欠であることは言うまでもなく、しかも予算増の可能性は現政権下、限りなくゼロに近い。こうしたことに由来する先の見えない絶望感こそが現今、多くの教師の心身を追い詰めている最大の元凶なのではあるまいか。

いじめで不登校、学校からの認知報告は卒業後 保護者は再調査求める

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.4.4

 一体、いつになったらこの手の問題が無くなるのだろうか。この種の問題が執拗に繰り返されている現状こそ、被害者側が学校や教育委員会に期待しているうちは問題解決がほとんど不可能だということを物語ってはいまいか。教師だけではなく、保護者もまた教育行政への過剰な期待を捨てるべきなのではあるまいか。

 

イメージは「しんどそう」だけど…将来の夢を「先生」にしてね 兵庫県教委が高校

   に職員派遣、やりがい語る 

  神戸新聞NEXT/神戸新聞社 によるストーリー 2023.7.7

 学校のブラック化を主因とする教師不足が深刻化する中で若者の教職離れを食い止めようと各地の教育委員会が躍起になるあまり、恥も外聞もなく教員採用試験のハードルをひたすら下げてしまおうとしている。これは言ってみれば教職の大安売り、たたき売りを全国規模で展開しているようなものであろう。

 

   この状況がどんなに酷く、みっともない話なのか、極端な例だが、分かりやすいので医者で例えてみよう。仮に深刻な医師不足を理由に医師会の判断で医師の免許を持たない人が医師として病院に勤められるようになったとしたらどうだろう。さて、免許を持たない人が今、あなたの目の前で不安げにメスを握っていて、これから震える手であなたの心臓を手術する…患者の立場からすれば身震いするほどおぞましい光景ではないか。

   実際、地方によってはほとんど教師養成教育を受けておらず、免許すら持たない人まで教壇に立たせる動きが出ているのだ。医者ほどの高度な専門性を要求されない教職ではあるが、それでも児童生徒の命を預かり、将来の進路にまで深く関わってしまう仕事ではある。

 

   「国家百年の大計」を委ねられた教師が今や希望すれば誰でもなれてしまう…どう見ても正常な事態とは思えない。しかしうがった見方をすれば現在の教職価値の暴落は軍拡のために教育予算を削減すべく、教師の賃金を低く抑え、待遇をさらに悪化させる口実には利用できるだろう。案外、政府や文科省、県教委の狙いもそこにあるのかもしれない。

   ただし教師に将来を左右されかねない児童生徒の立場から見ればこの新規採用を巡る人事はまさに噴飯物となる。今、教育委員会に蔑ろにされ、心底馬鹿にされているのは現場の教師だけではない。むしろ児童生徒やその保護者側なのである。

 

   しかも教師間のイジメやイジメ自殺事件の隠蔽などの悪質な不祥事が繰り返されてきた兵庫県では「やりがい搾取」の実態を放置してきた張本人の県教委がついに自ら高校へ乗り込み、無反省にも教職の「やりがい」をエサにして生徒たちをブラック職場に勧誘するという詐欺まがいの行為を行っているらしい。

   おそらく彼らからすれば学校というブラック職場は悪意ある第三者が作り出す間違った「イメージ」、すなわちマスコミが作り出した幻想に過ぎないのだ。現在の教師不足は無責任なマスコミが垂れ流した風評のもたらした被害の一つであり、我々はその後始末に追われている可哀そうな被害者…

   しかしもういい加減、騙されてはなるまい。これは有為な青少年の将来を徒に毀損し、人生をブラック化させかねない、まさに教育の名をかたる詐欺的犯罪行為そのものと見るべきなのである。これまで学校というブラック職場で心身を破壊され、命まで奪われた数多くの教師や生徒たち、その遺族の痛みを、実際、彼らはこれまでずぅーっと世間から見えないよう、巧妙に隠蔽してきたのだから。

参考記事

校長、教頭、教職員計78人を懲戒 異例の大量処分…出張旅費の不正受給が横行、服務規程も守られず 

 東京新聞 2024.2.15

 まさに公教育のメルトダウン、末期的症状とはこのような現象をさすのかもしれない。おそらくこれでも今回表沙汰になったのは「氷山の一角」に過ぎないだろう。これは川崎市における市立学校の多くが校長以下、全職員規模で完全にコンプライアンス無視の暴走を常態化させてしまい、どうにも止まらなくなってしまった結果だと思われる。

 ほとんど土砂崩れ状態でいったん足元から地盤ごと滑り出してしまうと、多くの人は踏ん張りが効かず、ひたすら状況に流されるままとなる。ここまで来てしまうと土砂崩れ現場の人間ではもはやどうにもなるまい。

 漫然としているといずれ千葉県でもいくつかの学校がこのような事態を招くのではあるまいか。こうした事件の背景にあるのは全教師レベルに蔓延する打ちのめされそうなほどの無力感だろう。多くの職員に共有される極めて低い自己効力感、組織効力感がついには学校の隅々まで沈滞させ、どんよりとさせてしまっているのではあるまいか。

 一体、何が彼らをここまで駆り立ててしまったのか…教育行政の責任は重大である。末端の職員をどんなに処罰しても事態は悪化するだけかもしれない。そもそも上級責任者が自分の責任を棚に上げて下々を処罰するだけの醜い人事が横行するような組織に明るい未来が来るわけはない。

「傍聴ブロック」なき今、強制わいせつ罪に問われた元校長に判決 被害者の不信を強めた横浜市教委

   のやり方 東京新聞 2024.5.25

 

・学校教育と政治

参考記事

京大総長からの学位記「受領は拒否いたします!」 学生のスピーチがSNSで話題 伝

    えたかったことは withnews 2025.5.31

※参考動画

トランプ政権が圧力 ハーバード大学で卒業式 「政府が何をするかわからず、なす 

    すべもない」日本の留学生ら不安ぬぐえず

    TBS NEWS DIG Powered by JNN  2025/05/30  3:22

【ハーバード問題】日本人教員「大半が大学を支持」分断が加速?入山章栄氏「米

    の反知性主義VS学費4000万円の超エリート」|アベヒル

    ABEMAニュース【公式】 2025/05/26  20:14

    政治と教育との密接な関係性が日本の京都大学とアメリカのハーバード大学での動きを巡って露わとなってきている。学校教育に対して政府が強い影響力を及ぼそうとすることは世界中で見られてきた。今回の件では大学における学問の自由が政府によって脅かされている点で共通しているが、日米では大学の動きが対照的である。ここではトランプへの批判よりも、日本の学校教育が政治や経済にひたすら従属してきこれまでの教育の在り方を根底的に問い直したい。

 

・横浜市教委裁判傍聴動員

形だけでは意味はない いじめ自殺対応で横浜市教委が失った信頼 神奈川 ノートの

   片隅で 産経新聞 2024.9.3

  「市教委が地に落ちた信頼を取り戻すには、子供を守る心からの行動を積み重ねるしかない」との指摘だが、この程度の精神論でイジメ隠蔽体質が改善できるわけは無かろう。教育委員会での人事評価の基準と画一的な管理主義を具体的に見直していく手順を自ら示せない内は何をしてもダメ。

 しかしこの組織に自浄能力を期待するのはもう辞めておこう。それに文科省自体が変わらなければ地方が変われる部分は小さいに違いあるまい。教育行政全体において上意下達の長老支配が終わらない限り、失われた信頼を取り戻すことは無理である。

横浜市教委、5人懲戒処分 裁判傍聴に職員動員問題、いじめ対応巡り

   毎日新聞 によるストーリー 2024.8.24

   横浜市立中2年の女子生徒が2020年、いじめを受けて自殺した件で、横浜市教育委員会が学校に対していじめを認知したことを報告する文書を取り下げるよう指示していたことが判明したという。神戸市でも似たような事件があり、学校以上に教育委員会の隠蔽体質が問われる結果となった。教師たちの中でどういう人物が校長や教頭になっていくのか…世間から疑われても仕方あるまい。

   裁判傍聴への動員問題でも隠蔽体質の根深さが表面化してしまっている。彼らが教員採用を行っているのだから、彼らに採用された横浜市の教師全体の資質にまで疑問が生じてしまいかねない由々しき事態である。この程度の処分で済ませられる問題だとはまったく思えないのだが、いかがか。

被害者側からの要請「明確な記録なし」 横浜市教委、傍聴動員問題で

 朝日新聞デジタル記事 堅島敢太郎 2024年5月22日 21時18分

 教員によるセクハラ等の事件を裁く裁判で大勢の教職員を法廷に送り込み、一般の人々の傍聴を阻止しようとした横浜市教委の件。教委側が保護者の要請によってこうした事態を招いてしまったという言い訳が実は自己保身のためのウソであったという可能性が出てきている。「明確な記録」が残されていないのに、被害者側の要請があった、とする往生際の悪さ…もしもウソという事になれば重大な責任問題に発展するだろうし、前教育長が法廷侮辱罪等で訴えられてもおかしくはあるまい。本来ならばこの時点で横浜市や神奈川県教委は前教育長及び関係職員への厳しい罰則を科すべきではなかろうか。

横浜市教委の「傍聴ブロック」、外部検証チームを立ち上げ 弁護士3人で6月中に対

 応へ 東京新聞 2024.5.27

   どうやら保護者の要請があったことは文書で確認できたそうだが、横浜市として弁護士を3人外部から招き、調査することになったらしい。詳しい調査結果が公表されるのを待ちたい。

監査を重く見ていただきたい」市教委に委員が指弾 横浜市裁判傍聴妨害めぐる監

 査請求 産経新聞 2024.7.5

 鹿児島県警と似たような、身内をかばうための隠蔽の可能性を強く感じる。

わいせつ教員裁判の傍聴動員を決めた前教育長、その後は「安易な前例踏襲や追

 随」で計11回 読売新聞 によるストーリー 2024.7.28

 やはり隠蔽としか思えない。

 

・鹿児島県警内部告発事件

 軍隊や警察と学校とは本質的に似た者同士と昔からよく言われてきた。この事件は学校でのイジメ隠ぺい事件が多発する中で軍隊や警察と学校とが実際に「同じ穴の狢」であることを確認できる格好の事例であろう。授業では学校と軍隊や警察が体質的に似通っている点を生徒たちに考えさせたい。まずこれらの組織が共通して引き起こしてきた隠蔽事件について様々な事例を生徒たちに挙げさせ、その背景にある恐ろしい非人権的な組織的体質を考えさせてはいかがか。

公益通報潰しに報道弾圧…前代未聞の「警察不祥事」、告発文書「返還」求めた鹿

 児島県警からの通話全容弁護士ドットコムニュース  2024.6.17

 …いくらなんでも鹿児島から札幌まで強制捜査に乗り込んでくることはあるまいと高を括っていたが、なにしろ相手は平気で報道機関を家宅捜索して取材の秘密をあっさり侵害してしまう組織。せめて問題の文書だけでも万が一の押収を回避したいと、札幌市内の弁護士に管理を委任することにしたのだった。もちろん、弁護士の名前は県警に伝えていない…という件に戦慄を覚える。鹿児島県警の隠蔽体質と人権軽視の強硬姿勢が露呈してしまっているからだ。

※参考動画

 〇容疑者コメント「本部長でなければ誰でもよかった」名指しの幹部を変えた理由 鹿児島県警情報

  漏えい事件 (24/06/10 19:20) 鹿児島ニュースKTS  2024/06/10 2:41

 ◎鹿児島県警元幹部「闇を暴いてください」元キャリアも指摘する異例さ【サタデーステーション】 

  ANNnewsCH  2024/06/08 10:31

 ◎文書受け取った記者『闇を暴いてください』と 県警本部長が議会で改めて「隠蔽」否定【報道ス

  テーション】(2024年6月11日) ANNnewsCH  2024/06/12 6:34

 ◎「証拠の返還を」鹿児島県警“情報漏えい”内部文書を受け取ったライターが証言 電話やりとりか

  ら浮かぶ捜査の一端【news23】TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/06/12  11:10 

  これが公益通報なのか、情報漏洩、守秘義務違反なのか、今のところ不透明ではあるが、いずれに

  せよ第三者機関がきっちりとした事実確認を行う必要はあるだろう。この件に関して県議会の及び

  腰がほぼ明らかなので議会による追及はまず期待できない。当然、県警の調査は信用できそうもな

  いので、検察が動けるのかどうか…今後の動向を注視したい。

 〇#656 【塩ちゃんねる】鹿児島県警の隠蔽がついに~長くかかりましたが、ようやく始まったばか

  り~ 塩ちゃんねる 2024/06/06 4:41

  国会議員も以前から注目してきた鹿児島県警の隠蔽体質、なかなか根深いものがありそうだ。

 

㊲「空気を読む」の裏側

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

「答えが合っているのに減点」「勉強嫌いになった原因」SNSで炎上した小学校のテ

     ストの理不尽採点…現役教師が語る真の意図     集英社オンライン 2026.2.18

 …つまり小学校のテストでは、単に答えが合っているかどうかだけでなく、普段から言われているルールや決まり事を理解し、実践できているかも測っている面がある…とのことだが、本当にこれで良いのだろうか。そもそも「普段から言われているルールや決まり事」自体に、おかしな不合理性があるとしたら、やはりこの採点は「理不尽採点」となるだろう。いつまでも「ブラック校則」を蔓延らせてきた日本の学校の不合理性がこうした考えの中にも濃厚に潜んでいると私は感じる。

 とりわけ「算数で、“式”と“答え”をそれぞれ回答する問題があったとします。“式”の回答スペースに、“答え”まで書いていたらバツにします。」という教師の採点基準には強い違和感を覚える。式に答えが書いてあっただけで、それは本当に「式」とは呼べなくなるのだろうか?そもそも「3+5=8」は式ではない、と断定することに一体、どんな教育上の意義があるのだろう?

 小学校教師たちの、理解不能なマイルールに児童を屈服させる事のマイナス面は決して小さくない。「問題の意図を読み取ってそれに沿う回答ができる力」を求める事が子供たちの間に教師や学校への過剰な忖度を強いる息苦しさを生み出してはいないだろうか?忖度する力を重視するあまり、子どもたちの教科の理解度や学習意欲を教師たちが軽視している危険性は無いのだろうか?

 こんな採点によって児童・生徒が授業や学習が嫌いになる事の方を学校は恐れるべきではあるまいか?子どもたちの学習意欲を殺ぐことこそが、学校や教師による最大の犯罪行為だと思うのだが、いかがだろう。

教員3割が過少申告経験 勤務時間、日教組調査 共同通信 2026.1.13

 過少申告の割合が3割に過ぎない、ということにむしろ驚く。イジメ認知件数や不登校の原因に関する調査の場合、回答する教師側が管理職の意向を忖度し、管理職は教育委員会の意向を忖度し、結果的に教育委員会、管理職や学校全体に都合が良くなるよう回答するのが通例であったはず。同様にして残業時間の削減に取り組む管理職に忖度し(あるいは阿り)、教師たちが実際の勤務時間を偽ることはどこの学校現場でも生じていると個人的には思っていた。果たしてこの手の調査結果の欺瞞は私の勤務校だけの現象なのだろうか。

 ただし、たとえ教師たちの過少申告が無くとも、実際の教師の勤務時間が減っているわけではあるまい。そもそも教頭らが勤務時間終了時に学校から教師たちを半強制的に締め出している現場は決して少なくないと思うが、いかがだろう。そして締め出された教師たちの多くは学校で終えられなかった業務を自宅に持ち帰ってこなしているだけなのではあるまいか。これこそが薄っぺらな調査では絶対に表に出てこない「見えざる残業」なのではあるまいか。

 業務量の大幅な削減以外の対策など、さらなる欺瞞を生み出すだけかもしれない。

学校には行くのに…教室に行かず、ずっと「保健室にいる子」の本音【精神科医が

     解説】 THE GOLD ONLINE 2025.12.22

 不登校児童生徒の多様な心理を知る上で役立つ。最も多いタイプは以下のように「空気を読む」真面目な子ども、という指摘にまずは注目したい。

過剰適応型…空気が読めるまじめながんばりや。不登校でもっとも多いタイプです。幼い頃からまわりの空気が読めるので自分の意見を言わず友だちに合わせたり、親の期待に応えようとがんばり過ぎたりして疲れ切ってしまいます。

対人関係に敏感で、ちょっとした失敗にも過剰に傷つき、不安になり自信を失い登校できなくなることがあります。頭痛や腹痛を訴えて受診してもわるいところは見つかりません。突然「うるさい」などと反抗的になって周囲を驚かせることもあります…

加害者は「正論を振りかざす優等生」 同調圧力で加速する現代のいじめの構図 

     nobico(のびこ) 2025.12.18

 ここで指摘されているように、学校による「同調圧力」を通じた管理、統制の強化こそが現在の学校教育が抱えているイジメ問題、さらには不登校問題の増加を招く根本原因であろう。ぜひ、討論のたたき台として授業で扱いたい資料である。

世界中が驚いた「合意形成の練習」 都内小学校に1年間密着した大反響ドキュメン

   タリー AERA dot. 中村千晶 2024.12.22

   … 欧米ではまず隣の子と違うことを発言し、個性を出すことを学びます。日本では集団の中で自分の役割を見つけ、みんなと協力し合うことを学ぶ。教育の入り方が真逆なんです。「個」と「集団」のバランスは難しく日本ではそれが同調圧力に変わったりもしますが、いまの欧米社会の分断の状況をみると、日本の「まずはみんなで話し合い」という合意形成の練習は悪くないのでは?と思います。そして日本人は自分たちのよさに気づいていない。自信を持ってほしいな、という思いも込めました…との山崎エマ氏の発言を小学校教師たちはどう受け取るべきなのだろう。

   最も深刻な教員不足に直面している小学校の課題は決して小さくあるまい。休職に追い込まれる教師が年々増えている中で「自信を持ってほしいな」とは実に暢気なものである。教室掃除が破綻している高校は決して少なくない。その破綻を補うべく疲弊している教師もまた少なくないだろう。

 とりわけ日本の学校が「合意形成の練習」をしているかのような発言には呆れてしまう。一体、日本の学校のどこに「合意形成」のための努力や工夫が見られるのだろう。その根拠を問い質したい。

 日本の小学校の児童会、中高の生徒会…どれをとっても自治的な合意形成への努力、工夫が不完全だったからこそ、「ブラック校則」がこうまでもはびこってきたのではなかったのか。肝心の授業ですら、中高ともなれば一方的な一斉講義形式ばかりで、自分の意見を発表する機会にすら恵まれていない日本の学校で、合意形成の練習など行われようはずもない。 

 元来が人種的、民族的、宗教的な多様性が欧米に比べると乏しい日本において、「合意形成」の練度が欧米を上回ることなどありうるのだろうか。多様性が大きいからこそ、合意形成の難しさを前にして数々の素晴らしい工夫を生み出してきたのが欧米の歴史だったのではあるまいか。もちろん現在も多様性の中での合意形成は容易ではなく、欧米に様々な軋轢が今も発生し続けているのは確かだが、だからといって多様性が相対的に乏しい日本の社会においての合意形成のあり方が優れている、というわけではあるまい。

 日本の合意形成はどちらかと言えば上から押し付けられた一定の徳目、目標へ向かって大勢に同調を強いた挙句の産物であり、非民主主義的な性格を孕んでいる点で決して褒められらものではあるまい。それは本質的に良い意味での合意形成ではなく、同調圧力に大勢が屈した挙句の「言いなり」こそがその実態ではあるまいか。

 なぜ、こんなトンチンカンな言辞がまかり通るのか、まったくもって意味不明。一体、山崎氏は日本の学校の何を見てきたのだろう。マスコミ等の取材に対して頑強な隠蔽体質を誇る日本の学校が本当の素顔を見せてくれるわけがあるまい。とりわけこの方の取材には教師たちの犠牲的な努力と辛さが視野の外に置かれているように思えるのだが、いかがか。まさか、山崎氏はすっかりブラック化した小学校教師の働き方を賛美するおつもりなのだろうか。

 児童生徒が清掃に励むことは、間違いなく教育上、良い事である。給食当番の仕事を児童生徒に任せることも大きな意義がある。それが日本人のきれい好きで、規律正しい国民性を生み出す源流の一つであることも十分、頷ける。しかし、だからといって日本人に決定的に足りていないはずの「合意形成の練習」を、まさか日本の学校が重視しているなどとは到底、思えない。仮に合意形成の練習を重ねてきたのならば、中高における自治的活動の不活発さを山崎氏はどのように説明してくださるのだろうか。むしろ日本の学校は集団的規律を偏重するあまり、硬直した管理主義に走り、民主的で丁寧な「合意形成」のあり方をしっかりと育んでこなかった方に属するはず。

 こうした「日本万歳」の映画を通じて、日本の学校教育が抱えてきた深刻な課題解決を先送りしようとする山崎氏の悪意すら感じられる。それを無批判に紹介するマスゴミもまた非常に罪深い、というほかあるまい。

イタリア人精神科医が見た、日本人の心身をむしばむ「悪しき文化」とは?

 ダイヤモンド・オンライン パントー・フランチェスコ 2024.6.19

   日本のこれまでの学校教育がひそかに日本人の自尊感情を損ない、自己肯定感を低下させてきた可能性について考える際に、大いに役立つ内容。画一的で集団主義的な教育を通じてひたすら周りの空気を読み、忖度することを児童生徒に強要してきた日本の学校の負の側面が見事に指摘されているのではあるまいか。

 他方で感情を揺さぶるような教材を提示した後は、自由記述を通じ、生徒たちに感情表現を試みる機会をきちんと設けるべきことも理にかなっているはずである。

日本の「スクールカースト上位層」が、欧米ではむしろ評価されないワケ

   ダイヤモンド・オンライン パントー・フランチェスコ の意見 2024.6.17

   …なぜ日本のスクールカーストが独特かといえば、欧米では「みんなと仲良くできる」ことが望ましい特性だと思われていないからだ。むしろ、相容れない人が存在することは当たり前。反感を抱かず誰とも仲良くできるなんてほぼありえないと思われている。「真正性」(自分が自分であること)が最も崇高な価値として位置づけられている欧米の文化において、「みんなと仲良し」というのはむしろタブーである

   多様性の尊重とはどういうことなのか、なぜ日本社会では多様性がさほど尊重されないのか、なぜ日本人の自己肯定感はひどく低いのか、なぜ日本社会にはイジメが随所にはびこっているのか、などを考える上で一つのヒントと言えるだろう。そして日本の教師たちの多くがかつてはスクールカーストの上位層だった可能性について日本の教師たちはとりわけ自覚的であらねばなるまい。

子どもの自殺が2022、2023年ともに500人を超えるも学校は硬直的。生徒の自己

 肯定感は低く、学力、運動能力、年齢でラベリングされ、序列化される現実 

 集英社オンライン 2024.5.27

  1.多様性を尊重する

  2.人物本位主義

  3.自己効力感が強く、主体的に社会活動に関わる

  4.すぐに助けを求める

  5.ゆるやかにつながる

 以上の5点が自殺率の低い地域社会の特徴だという。学校社会とは真逆の特徴が並んでいるように思えるが、いかがか。特に多様性の尊重とゆるやかなつながりの2点は今後、日本の学校に強く求められる大きなポイントではないだろうか。

日本は「世界優しさランキング」堂々の最下位...日本人に起業家が少ない衝撃的理

 由を米国大学講師が考察 現代ビジネス 山川 恭弘 の意見 2024.5.27

 解説はバランスがとれており、ぜひ授業に利用したい記事。海外と比較して日本人の寄付やボランティアの少なさは以前から指摘されてきたが、さすがに114か国中最下位であることに納得できない向きも多いだろう。ただ、その背景に日本人の他者に対する恐れ、敏感さがある、との指摘は説得力がある。何せ、日本は集団主義的な忖度社会であり、集団の空気を読むことを優先しがちである。慎重に集団の意向を忖度する一方であっけなく個人の意思は軽視され、イジメが頑固にはびこる日本社会は確かに自立志向の個人には優しくない。そしてこうした風潮を育成し、社会全体に定着させてきたのは集団への忖度を強制する日本の学校教育なのかもしれない。

 国が今後、国民の寄付やボランティア、さらに起業家を増やしたいのならば、学校教育をも根本から見直す必要があると考えるが、いかがか。

なぜ日本の学校で「いじめ」が起きるのか、「学校」という病

   現代ビジネス 内藤 朝雄 によるストーリー 2024.5.3

   「群生社会」の秩序と「市民社会」の秩序のあり方との差異をここで考えておくと

この後の議論が深まっていきそうである。特定の集団におけるメジャーとなった「ノリ」にタイミングよく乗ることで集団内での居場所を確保しようとする、「空気を読む」行為が群生社会の秩序を形作っているとすれば、空気を読めずに場の雰囲気を乱してしまう人物は群生社会の中でイジメの対象となりがち。したがってイジメを少なくしていくには学校での集団を場当たり的な群生社会から普遍的な正義を追求する市民社会に変えていくことを目指すことになる。

 しかしこのことは現在の学校社会でどこまで可能だろうか。大人の社会ですらイジメがはびこり、多くが群生社会に過ぎない日本では極めて難しいように思える。学級という生徒集団を市民社会的な集団にしていくには、生徒たちに市民としての主権と市民としての自覚をそれなりに持ってもらう必要があるだろう。そのためには制服や校則、学校行事、授業のあり方などには生徒たちにある程度の決定権を委ねる必要がある。しかし「知らしめず、よらしむべし」の方針が隅々まで貫徹している日本である。とりわけ画一的で管理主義的な教育行政下に置かれた、自主性が大きく制限されている日本の学校では、以上のような必要性をある程度理解している管理職であってすら、生徒たちに一定の決定権を委ねることを躊躇する人は少なくあるまい。

 まず変わるべきは率先垂範、教育行政のあり方であって、大人たちのあり方自体が市民社会的なそれへと変革されなけれなならないのではあるまいか。自分たちが変革をサボっているクセに、教員や児童生徒たち下々に変革を押し付けようとするのが日本の上意下達的教育行政であり、結局はすべて他人事の改革に過ぎない…とすれば文科省がどんなに素晴らしい改革案を示そうとも、教員や児童生徒の村社会化、群生社会化に歯止めをかけることはできないだろう。

だから「いじめ」はなくならない…この国で「人の命よりその場のノリが重視」さ

 れる実態 現代ビジネス 

 内藤 朝雄(明治大学准教授・いじめ問題研究) によるストーリー 2024.5.21

 …「悪い」とは、規範の準拠点としてのみんなのノリの側から「浮いている」とかムカツクといったふうに位置づけられること…「みんなから浮いて」いる者は「悪い」。「みんな」と同じ感情連鎖にまじわって表情や身振りを生きない者は、「悪い」。「みんなから浮いて」いるにもかかわらず自信を持っている者は、とても「悪い」。弱者(身分が下の者)が身の程知らずにも人並みの自尊感情を持つのは、ものすごく「悪い」。…もっとも「悪い」のは、「いま・ここ」を超えた普遍的な次元への「チクリ」と、個人的な高貴さである。そういう者は徹底的に苦しめなければならない。彼らはそのような「悪い」者を、「いじめ=遊び」の玩具として思う存分痛めつけ、辱め、あらたな全能感ノリを享受しようとする。…もちろん、このような「ノリの国」では、個の尊厳や人権といった普遍的ヒューマニズムは「悪い」ことであり、反感と憎しみの対象になる。彼らにとっては、その場その場で共振する「みんな」の全能感ノリを超えた普遍的な理念に従うことや、生の準拠点を持つことは「悪い」。自分たちの「ノリの国」を汚す普遍的な理念に対して、中学生たちは胃がねじれるような嫌悪と憎悪を感じる…

 周囲の空気を読み、他人の意向を忖度する能力こそが学校社会を無難に生き抜く上で最も重要な力であるとするならば、そのような力を学校社会においてじっくりと養成されてから実社会に出た日本人の間でさらにイジメがはびこるのはどうみても不可避であろう。学校の不祥事において教員からの内部告発が乏しいように思えるのも、教員社会がすっかりイジメ社会化してしまっているからではないのか。今後、日本の学校が「個の尊厳」や多様性の尊重を前面に出して根底から学校教育を見直していかない限り、イジメを減らすことは絶対的に不可能であると考えるがいかがか。

不謹慎にもほどがある!「京都大学ボヘミアン」の泣ける笑える青春…話題ドラマ

   「ふてほど」と同時代 日刊ゲンダイDIGITAL の意見 2024.3.15

   …京都大学ボヘミアンは「まじめなだけでは人間がこぢんまりしてまう」という、りょうさん(1982年入学)の発案で1984年に創設。現在もその精神は後輩に受け継がれ、今年で40周年を迎える。「京大唯一のアウトドアサークル」と名乗ってはいるが、実態は“京都一の変態サークル”と言っていい…という書き出しからして尋常ではない発想にひきつけられる。そして何よりも「お金では買えない仲間との共通の恥が宝」とする考え方が傑作。

   大学生ならではの特権としての持て余すほどの自由時間、このかけがえのない時間をあなたならどう使うのか、改めて現代の大学生は問われているのだろう。イジメや孤立を恐れるあまり周囲の空気を読み過ぎた結果、個性や多様性を軽んじてすべてのメンバーに集団への同調を強いる歪んだコンプラ意識が今の社会を窮屈にし、若者を妙に「こじんまり」とさせてしまっている…そうした危険性は、日本の場合、確かにあるのかもしれない。

   …繁華街では、『ウッホ』という言葉しか発してはいけないというルールがありました。マクドナルドに入店すると、女性店員はギョッと目をむいた。半裸のシオモトが手元のメニューを指し『ウッホ』とハンバーガーを注文し、『ごいっしょにポテトはいかがですか?』と聞く店員に『ウッホ』と返す。今なら確実に通報されるレベルですが、京都の街の人は『学生さんのしはることだから』とおおらかでした。最初は気味悪がられましたが、おなじのが3人、4人とつづくと女性店員も笑いはじめ、店の前の人だかりに失笑(こらえ切れず大笑いすること)が広がっていきました…という珍妙なエピソードには思わず笑いがこみあげてくる。

 こんなおふざけを人前でさらけ出せるのは既にそれなりの高い自己肯定感を保てているエリート学生だからであり、いわゆる「高等遊民」の特権に過ぎない、と批判する向きもあるだろう。しかし社会の常識の枠外にほんの少しだけはみ出てみて「生き恥をさらす」、痛い体験は若いうちにしておいた方が良いような気もする。とりわけ失敗することに臆病になりがちな、傷つきやすい今の青年たちだからこそ、それは大切な経験となるのではあるまいか。周囲からの減点評価ばかりを恐れ、あくまで常識の枠内にしがみつくようにして無難に小さくおさまっているだけの日々では日本の若者に起業家としてのチャレンジ精神を育むことは難しいに違いない。

 そろそろ学校も企業も、日本社会に隅々まで蔓延する減点主義の評価から一旦は離

れてみる覚悟が求められているように思えるのだが、いかがだろう。SNS上で有名人への誹謗中傷がやまないこの悲惨な現状だって、加点主義が社会に広がってくれれば多少は改善される見込みも出てくるのではあるまいか。

 あくまで進学校向けの記事ではあるが、討論のネタに使うと面白いだろう。

 

日本人は「世界一礼儀正しい」が「世界一イジワル」だった…「自分の利益より他

   人の不幸を優先する度合い」を測る実験で「日本人ダントツ」の衝撃結果

   現代ビジネス 週刊現代 の意見 2024.1.2

 日本社会に蔓延する「生きにくさ」の正体は日本人特有の集団心理にあるのかもしれない。規律正しさ、礼儀正しさ、おもてなし文化…これらは同調圧力の強い日本会が生み出した強みでもあり、これまでの日本の工業化を支え、観光業の発展をもたらした長所ではあっただろうが、同時に「出る杭は打たれる」、場の空気を読めないKYを排除する集団的イジメを学校などにはびこらせてきた側面があることも否めないだろう。

 単純に集団主義的な心性を批判し、個性や多様性の尊重を謳うだけでは日本人のせっかくの長所を損なう恐れもあると考えるが、いかがか。要は行き過ぎた忖度を見直し、個性や多様性の価値を認めつつも、規律正しさ、礼儀正しさを出来るだけ失わないような工夫と絶妙なバランス感覚が今の日本社会には求められているのだろう。

北海道警の安倍ヤジ排除問題を追う『ヤジと民主主義』が見せたメディアの矜持  

   ニューズウィーク日本版 によるストーリー 2023.11.29

 戦前の日本における激しい言論統制を彷彿とさせる事件であり、北海道警の違法な動きには恐ろしさを禁じ得ない。日本の言論がどれほど政権に対して「忖度」し、委縮していたのかが浮かび上がる事件。なぜこのような息苦しい日本になってしまったのか、このテーマの導入として問いたい。

【news23】監視社会への懸念も スーパーシティ法成立

 2020/05/28 TBS NEWS DIG Powered by JNN 5:28

知らなきゃヤバい!スーパーシティ法について5分で解説!【せやろがいおじさん】

 2020/05/29に公開済み ワラしがみ 4:33

OPEN THE FUTURE ~スーパーシティ(大阪府・大阪市)における取組~

 地方創生【内閣官房・内閣府】  2023/08/07 3:54

 私たちの個人情報が徐々に可視化され、透明化されていく…すなわち政府や大企業による個人のプライバシーへの侵害可能性が高まっていく傍らで、日本の場合、政治面での隠蔽体質は相変わらず根強く、政府による情報公開は恐ろしいほどに遅れたままである。すなわち国民の知る権利はひたすら蹂躙される一方である…としたら、事は重大であろう。

 「空気を読む」ことを美化しがちな日本社会が陥りやすい、「滅私奉公」的価値観が招き寄せる個人の人権、自由を軽んずるような風潮はこれまで一体どのようにして醸成されてきたのだろうか…日本における学校教育が果たしてきた負の役割について教師としては一層真剣に見直すべき部分は大きいだろう。

 この「スーパーシティ」構想が果たして大阪万博の宣伝に見られるようなバラ色の未来を招き寄せるものなのかどうか…は大阪万博の裏でうごめく利権構造の透明化抜きでは決して明らかにできないはずである。恐ろしい監視社会のディストピアの実現を阻止する上でも国民が政治を監視できるシステムの再構築が急がれるはずである。

 上の北海道警によるヤジ排除の件と併せて「スーパーシティ法」が成立した政治的背景をぜひ考えてみたい。また日本社会、とりわけ学校でなぜこれほどまでイジメが横行するのか、できればその原因を政治の動きと関連させて推論させてみたい。


 

2.日本人の自己評価の低さの背景:「自分だましの心理学」(菊池聡 2008)より

 一見すると日本人はポジティブ・イリュージョンが苦手のように思われがちです。確かに傾向としては平均以上効果が目立たず、自分の能力は劣ったものとするネガティブ・イリュージョンすら認められます。

 しかし相互協調性を大切にする伝統的心性から自己の能力を誇るよりも謙遜し、自己批判する人間の方が社会的にも好ましいという価値観から自己卑下するのではないでしょうか?むしろ自己卑下したほうが相手に好印象を与えるという計算が働いており、これも一種の情報戦略といえます。

 個人主義的な欧米や中国、韓国では成功やポジティブな出来事を自分自身に帰属させる傾向が強いですが、日本では極端に弱く、ときにはマイナスでさえあります。日米中三カ国の高校生約3400人を対象にした調査でも・・・

 「私は他人に劣らず価値のある人間である」という質問に肯定的に答えた高校生はアメリカで89%、中国では96%に対して日本は38%。同じく「私は人並みの能力がある」アメリカで91%、中国94%、日本で58%。「計画を立てるときはそれをやり遂げる自信がある」アメリカ87%、中国73%、日本38%。逆に「自分にはあまり誇りに思えることはない」アメリカ24%、中国23%、日本53%。

 

 ただしこれも「出る杭は打たれる」といった自己保全からくる自己卑下だけではなく、自己の弱点や問題点を能動的に受け入れて自己の向上を目指す傾向の賜物とみる見方があります。

 よくいわれる日本人の自虐史観もネガティブなことの責任を自分に帰するのが美徳とされてきた伝統的心性の産物なのかもしれません。

 しかし・・・他者と比べての自己評価を見る大学生対象の調査では「社交性」「容貌」「経済力」「スポーツ」などの側面ではやはり過小評価する傾向が見られましたが、「優しさ」(7割以上)「まじめさ」「明るさ」「誠実さ」(6割以上)といった項目では自分が他の大学生よりも優れていると考える傾向が見られました。

 さらに夫婦間の調査でも夫は妻を、妻は夫を自分よりも高く評価する傾向が見られました(特に夫側)。この相対的自己卑下は友人関係でも見られましたが、これは自分たちの夫婦関係や友人関係は他の平均的なそれよりも素晴らしいものだという「関係性高揚」のイリュージョンが見られるということでもあります。 

 

 つまり日本人のポジティブ・イリュージョンは自分自身を直接持ち上げるようなものではなく、人間関係を仲介として自分自身を高く評価する傾向があるということ。 

 ここにも日本人の強力な集団主義的心性が潜んでいそうです。

 

 楽観的であればそれで良いというわけではありません。小学生対象のある調査ではストレスの高い子どもにはポジティブ・イリュージョンが基本的に好ましい影響を及ぼすが、子どもの攻撃性が高い場合にはかえってその攻撃行動をエスカレートさせる傾向が指摘されています。

 

 ムードメーカーや営業などには楽観的な人が向いていますが、リスク管理のような公正で、冷静な判断力が問われるポジションには「防衛的悲観主義」のタイプがふさわしいのだそうです。

 「防衛的悲観主義」は悪い状況を想定することで不安を制御し逆境に備えるタイプ。病的なうつとは違い、適応的な悲観主義のことです。一人の人間の中でこの二つを使い分けられるようになることが理想でしょうか。

 

 人には一歩引いて冷静に観察できる「メタ認知」が必要なのです。やたらにポジティブ・シンキングに走るのはむしろ間違いでしょう。不安や恐怖といったネガティブな感情にも適応的な意味があります。これらの感情は周囲の環境が望ましくない状態になっていることの反映であり、認知システムとして脅威や危険を見逃さないように分析的でシステマティックな思考方略を採るのが必然であり、「ウツの現実主義」もこうした原理によっているのです。

 

 客観的に物事を眺めるべき時点で単純にポジティブ・シンキングに走ればむしろ不適応状態を招く(・・・太平洋戦争末期の日本?)ことすら起こりえます。新興宗教や自己啓発セミナーの危険性はまさにそこにあるといいます。

 

 日本人は伝統的に均質で固定的な共同社会を営んできたために「だまし」の文化が欧米に比べて未成熟だそうです。ある犯罪学者は日本人が情報を鵜呑みにしやすく、それらへの警戒感も、確認作業の習慣も不足していると指摘しています。

 →歴史の隠蔽や改ざんに無頓着でデマやフェイクニュースに踊らされやすい。

 

 日本人には関係性高揚のイリュージョンが見られるという認知心理学の知見は極めて重要だと考えます。控え目で自己主張に乏しく、「空気を読む」ことが大切とされる日本社会独特の息苦しさも日本人の伝統的心性にこびりついている集団主義に基づくものと考えられます。

 質問紙調査の結果でも分かるとおりに欧米や中国のような、個人主義が伝統的に強く根付いている社会と個が埋没しがちな集団主義的社会の日本とでは決定的に違うものを感じます。

 

 よく海外向けに「おもてなし」が日本の美徳として宣伝されますが、それは日本のブラックな体質のサービス産業が演出している側面もあって、「お客様は神様」だとする裏側に「過労死」や「社畜」と呼ばれるような労働世界の過酷さが横たわっているのではないでしょうか。

 

 変に「空気を読む」延長線上に成立する、働く人の「滅私奉公」に支えられた「おもてなし」であるのならばそれは厳しく見直すべき「美徳」でしょう。

 

 また日本人は情報を鵜呑みにしやすく、だまされやすいのでは・・・という犯罪学者の指摘も頷けます。他者への肯定的で積極的な関心に裏付けられた「空気を読む」社会であるならばもう少し他者への思いやりがある社会になっていたはず。きちんと空気が読める社会ならば自殺や孤独死が横行するはずはありません。

 

 同質性を重視する傍ら異質なものを排除し、個性を軽んじてきた日本の集団主義的心性は相変わらずファシズムに転化しやすい危険性を抱えていると思います。

 日本の学校教育がそうした心性を育む張本人である、との自覚は教師に必要不可欠のものでしょう。

 

 今、日本はオリンピックを機に「素晴らしいおもてなしの国である」と自負する余り、近隣諸国を見下す傾向がネット上の言論の一部に感じます。またコロナ禍を巡る騒動を通じて、上から強制されなくともマスクを着用している日本人と強制されなければマスクを着用しない欧米の人々とを比べ、日本人の優位性を説くような言論もチラホラ出てきたようです。

※参考記事

ハーバードで教えた心理学者が伝授、「同調圧力で外せない」日本人のマスクを外す方法 

 ダイヤモンド・オンライン トッド・ローズ の意見 2023.8.15

 ソーシャルメディアによって強化された同調圧力に対抗するには「なぜ?」と理由を問い続ける努力が有効だという。また「少数意見でも何回も投稿される意見が、多数派とみなされ、今目の当たりにしているのは、少数派が多数派を黙らせている状態です。政治家はこのことを熟知しており、うそであっても何回も繰り返して“真実”にしているのです。」という指摘はSNS上でのフェイクニュースと誹謗中傷、偏った意見の横行を説明してくれる。

 

 欧米の個人主義をただの「ワガママ」という言葉で一方的に見下すような一部の日本の風潮は明らかに変です。

 どうやら日本人の中で他者への積極的な関心に基づいた、共感性豊かな「メタ認知」とはほど遠い言論が現在、目立ってきたように思いますが、皆さんはどのように考えますか?

 

 

その7.②学校の閉鎖性

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

「先生終わりだね」「消えろ」暴言に暴力も… 子どもから教職員への暴力行為が“

     加 熊本県民テレビ KKT公式チャンネル 2026/02/10 3:36

 この手の薄っぺらな「煽り」報道に対しては概して冷静に把握すべきだと考える。ただでさえ学校教育に関する統計の一部はほとんど信用ならないシロモノである。自らの落ち度をできるだけ隠蔽し、棚に上げて可能な限り軽く見積もる一方で、被害者意識だけは強い教育委員会や管理職側の一方的な言い分を、何の実証的、客観的検証も無く鵜呑みにするほど、浅はかなお人好しにはなるわけにはいくまい。

 児童生徒からの暴力的行為の増加傾向は実際、全国的に見られるようだが、これを理由にして単純に児童生徒への厳しい統制、行き過ぎた管理主義の復活を図ろうとする、復古的な動きには強く警戒したい。学校や教師側の問題やネット社会の問題、地域社会や家庭の問題なども同時に把握しつつ、児童生徒の暴力行為の背景にあるものをなるべく実証的に広く、かつ深く探るべきだろう。こうした表層的報道だけで「こんなことまで言われて先生、可哀そう!」と、変に憐れむのは厳に慎むべきである。

 「学校や教師が次第にコンプライアンス重視の風潮に縛られて徐々に指導が生ぬるくなってしまったからこんなことになるのだ」という一方的な決めつけだけは絶対に避けるべきだろう。こう言っては失礼になるかもしれないが、ただでさえ、イジメや教員の体罰がはびこりがちな、旧態依然の教育風土が強く感じられる熊本である。

 こんな薄っぺらなマスコミ報道を利用して他責的な姿勢を示す前に、まずは教育委員会や管理職側の教育の在り方に関する知識や意識のアップグレードが十分にできていたのか、学校側の生徒指導等に落ち度はなかったのか、等を含めてしっかりと内側の問題点を検証すべきだったのではあるまいか。

参考記事

校長が児童を突然怒鳴る、学校内の飲酒で発覚 市教委の報告漏れも

 朝日新聞社 2025.12.26

 勤務中に校長室で飲酒し、さらにPTA総会や、5月の運動会、職員会議でも居眠り。そしてあろうことか学校の校外学習に向かう児童らを突然怒鳴り、うち1人に精神的な被害まで与えていたという。まさにやりたい放題である。福島では校長が独裁者と同じような地位なのだ。

 加えて市教育委員会はこうした事態を把握しながらも、「非違行為との認定までできず、報告」の必要無し、と判断し、県教育委員会に報告さえしていなかったという。つまり校長ならば大抵のことは許されるべきだ、との考えが、実はこの校長だけではなく、市教育委員会全体に蔓延しているのだ。

 さらに県教委もここまで酷い失態を繰り返した市教委に対して「適切な情報共有を市教委に口頭で申し入れた」だけ。当該校長に対しても県教委は職務態度不良を理由にこの校長を停職12カ月の懲戒処分に処しただけというのだから呆れてものが言えない。

 校長ならば何をしても許される?…そんなはずがあるわけはない。むしろ管理職として一般職員よりも一層、重い責任を負う立場であろう。同記事では県教委が「高校の20代の男性非常勤講師を懲戒免職にし、発表した」らしい。当該教師は「10月に被害女性が18歳未満であると知りながら、わいせつな行為をした」という。

 責任重大な管理職に対しては「停職12か月」、20代の非常勤講師には懲戒免職…どうにもアンバランスで腑に落ちない。講師の懲戒免職に対しては事の詳細が不明なので断定的なことは言えないが、とりたてて違和感や疑問は湧いてこない。しかし児童生徒に有害な言動をとり、数々の信用失墜行為を繰り返してきた校長に対して「停職」で良いものだろうか。重い責任を負うべき管理職に対して軽い責任しか問おうとしない県教育委員会にも不信感が募る。こんなレベルの校長を登用してしまった任命責任は重大であるはずだが、一体、誰が任命責任を負うのだろう。福島の教育界では管理職同士の「庇い合い」の一線を超えた、ただの醜い「なれあい」そのものであろう。

 きっと学校教育村の内輪だけでヒソヒソと人事を決めてきたから、こんなみっともない事態を招いたのではあるまいか?

 

 私の大学での大先輩にあたる方が40年余り前、教育困難校での教師がどのようにして困難な状況を乗り越えようとするのかを博士論文のテーマにして取り組んだことがある。「サバイバル・ストラテジー(生き残り戦略)」というキーワードで民族学、文化人類学が用いる参与観察という手法を使って教師や生徒の生態観察を試みたものである。

 私自身は素晴らしい論文だ、さすがは博士論文・・・などと単純に感心していたのだが、当の学校現場では必ずしもそう受け取られず、倫理面での批判があったと聞いた。しかし実はこのような、まさに「潜入捜査」でも試みない限り、すっかり村社会化し、自閉してしまった今の学校の内部や実情を探るのはどんなに優れた学者であっても困難を極めるだろうと私は今も確信している。

 つまり教育行政や学校現場の持つ牢固な隠蔽体質が研究者の学術的研究やマスコミによる真相究明を長年、妨害し、頑なに阻んできたと考えられるのだ。従って学校教育の病状が極めて深刻でその症状は誰の目にも明らかになっていたとしても、肝心の症状を生み出すメカニズムや学校や教育委員会の奥底に潜む病巣を明らかにし、適切な診断を下すことは相当の専門家ですら今後も困難を極めるに違いない。

 それはあたかも医者がウソまみれの記述と空欄だらけの問診票、頭皮をそっとなでるだけの触診、それに体温と血圧の数値だけで脳腫瘍などの診断を行おうとするに等しいほど、無謀な行為だと思われる。

参考記事

そりゃ隠蔽するわ…「正直者がバカを見る」バッシング社会の病理

   ダイヤモンド・オンライン 秋山進 2025.3.12

   隠蔽に走りがちな組織に見られる特色として「リーダーシップの不足」、「証拠の不在」、「リソース不足」、「心理的バイアス」(現状維持バイアス、損失回避バイアス)が挙げられている。いずれも多くの学校に当てはまる特色だろう。2~3年でいなくなる校長や教頭に学校経営のリーダーシップなどあるわけがない。学校の組織的病理に通じている人材がほぼ皆無であり、多くの教師は学校経営自体に無関心。事を荒立てることなく無難にやり過ごせる能力が重宝がられる組織風土…学校自ら学校の根深い隠蔽体質を見直すことは極めて困難である。

「文科省と日教組が結託した治外法権」問題教員にも手出しできない市長の無力

 ダイヤモンド・オンライン 泉 房穂 によるストーリー 2024.10.27

   泉氏の主張には無条件に賛成できない部分もある。たとえば市長が学校教育へ不用意に介入することは公教育の「政治的中立性」を脅かす危険性を強めてしまうだろう。もちろん泉氏のような考えである限り、市長が介入することは学校現場としても大歓迎すべきであろうが、市長の方針によってはとんでもない事態を招いてしまうかもしれない。

   確かに「政治的中立性」を盾にして教育行政は外部からの介入を排除し、「治外法権」の領域を拡大しようとしてきたのかもしれず、その点に関しては泉氏の指摘通りなのだろうが、やはり斎藤元兵庫県知事のような人物がゴリ押しで公教育に介入してくるのはどうか、とも思うのだ。

   本来、こうした問題を解決すべく設置されたのが都道府県および市町村の教育委員会であったはず。戦後間もなく、アメリカの指導によって設置された教育委員は公選制の形を持って民主主義的に選出されていたのである。しかし教育委員会の役割に対する日本国民の理解が進まず、結局、公選制は瞬く間に撤廃されてしまった。長く公教育の運営を「お上」に依存し、ひたすら政治に対しても受け身のままであった国民を、主体的な主権者として育成していくにはそれなりの時間と種々の施策が必要であったに違いない。軍国主義が一掃されていない戦後間もなくの段階での教育委員公選制は確かに時期尚早と言えた。

   教育委員は結局、学校の管理職候補と元管理職で占められてしまい、結果的に学校と教育委員会との馴れ合い、癒着が進んでしまった。これが学校の不祥事、隠蔽事件が多発する土壌を生み出してきてしまったと考えるが、いかがだろう。

   相次ぐイジメ隠蔽などの学校、教育委員会による不祥事隠蔽は、教育委員会が本来果たすべき役割をこれまで十全には果たせてこられなかった側面が極めて大きいのではあるまいか。ならば、今、見直すべきは人事を含めた教育委員会という組織のあり方の方であろう。泉氏のような高い見識を持つ市長ばかりではない、という現状からすれば、市長による教育への介入強化はやはり好ましくはあるまい。検討すべきはむしろ教育委員公選制復活を視野に置いた、教育行政の民主主義化、自由主義化の方ではあるまいか。

 かなり遠回りに思えるようだが、教育委員会の抜本的組織改革が実現するには、まず児童生徒や保護者らが学校運営に積極的に関わっていく各種の工夫やシステムを構築して、国民の多くが望ましい学校運営とはどういうものなのか、ある程度の見識を持てるようにしていく努力が欠かせまい。そういった点でも児童生徒の主体性、当事者意識を育む授業改革は教育行政改革にもつながる地道な一歩であると考える。特に社会科授業で学校教育問題を積極的に取り上げて児童生徒に議論させる取り組みは今後、一層重要となってくるであろう。

『あさイチ』学校内での「盗撮」にスタジオ騒然…博多大吉「途中から気持ち悪く

 なってきた」ゲストも激怒 中日スポーツ 2024.7.3

 一見、授業では使えそうもない記事のように感じるかもしれない。しかし使い方次第では面白い教材に化けるだろう。なぜこんな事が学校で起きているのか、まず生徒たちに考えさせたい。

 みなかみ町下半身検診問題や学校での盗撮問題、イジメ事件とその隠蔽問題などに共通するのは、学校が、今や自己責任を問われる大人社会と隔絶された奇妙な聖域と化し、かつ外部の人からは妙に薄暗く、よく見ようとした途端にピシャっと閉ざされてしまうカーテンの奥、完全なブラックボックスと化した現状である。すなわち今や良からぬことを密かに行う場として最適な場所になってきているのが、現在の学校と言う空間なのだ、と私は考えている。

 「学校の中ならバレない、教師にバレたとしても大事には至らない」という心理的安心感も、学校での犯罪行為を後押しする大きな要因と考えられる。実際、余程のことでなければ警察官が校内に立ち入ることは無い。警察官が校内に立ち入ることを極端に嫌悪する管理職や教員は極めて多いし、事件を大事にしたくない多数の教師たちは結果的に「臭いものにはフタ」をしがちである。これらの要素は犯罪者やいたずら者にとって極めて好都合であり、実際、犯罪の横行する条件が現在の学校にはフルで揃っていると考えるべきだと思う。

 学校という場が現状としてあたかも無法地帯のような空間となってしまった背景には一体どんな要因が潜んでいるのだろうか。一つには教師の目が行き届かない「死角」が校内には少なからず存在しており、かつ教師数の不足や過重労働によって教師自身、生徒たちの動きを十分、追えていない点がまず考えられる。

 さらに少なからぬ教師たちが過重労働のもとで責任逃れをしたいがために事件の隠蔽や見て見ぬふりをする。そしてそうした教師たちの姿を児童生徒らは日常的に観察している。こうした点も、校内での教師や児童生徒たちによる事件を頻発させている大きな要因だろう。

小2男児が頭打ち嘔吐、担任ら保護者の要請断り45分間救急車呼ばず…頭蓋骨骨

 折など診断 読売新聞 によるストーリー 2024.6.6

 この件では主に二つの事が懸念されよう。一つは頭を打って嘔吐した、という、非常に危険な状態への教師の認識に甘さがあったのでは…という点。常識に見て一刻を争う事態であり、容体を静観している場合ではあるまい。

 にもかかわらず、担任や養護教諭がただちに救急車を呼ばなかった…となれば担任や養護教諭の頭部打撲に対する認識の甘さ、知識不足が強く疑われる。本来ならば知識と経験豊富な養護教諭が真っ青になって救急車を手配する場面だろうが、なぜ、そうしなかったのか、理解に苦しむ。

 もう一つは学年主任や管理職の判断を待つために無駄な時間を費やしてしまった可能性。「ほうれんそう」、すなわち管理職への報告、連絡、相談を欠かさない姿勢が学校現場では強く求められてきたが、それが行き過ぎると教師個人の判断力が鈍り、責任感も分散しがちとなる。管理主義の行き渡った小学校では災害時などでの教師個人による即断即決、緊急対応の力が十分に養われない可能性は大いにあるだろう。

 学校における緊急事態への対応の遅れはこれまでも頻発してきた。最も悲惨な例は東日本大震災時の大川小学校での悲劇だろう。これはまだボンヤリとした個人的憶測にすぎないのだが、日本における義務教育段階での行き過ぎた管理主義と集団主義は教師個人の決断力と当事者意識を大きく損なう側面があると思えて仕方ない。子どもたちのかけがえのない命を預かっている、という教師にとって本来、最優先されるべき自覚が日本の場合、どこか蔑ろにされている、という懸念が私にはあるのだ。行き過ぎた集団主義、管理主義の下では教師個々人の当事者意識と責任感の欠如を招き、いざという時の初動の遅れをもたらしているのではあるまいか。

県警本部長「隠蔽」を否定せず 鹿児島、前生活安全部長が指摘

   共同通信 によるストーリー 2024.6.6

 公益通報は社会人にとって本来、重い責務であるはず。上司や組織の違法な行為を知っているにもかかわらず公に通報しない…ケースによってはそのことで生じる社会的損失には計り知れないものがあるだろう。しかし学校や警察、お役所などでは残念ながら市民のために通報、公開すべき事案を隠蔽する事件が頻発しているように見えてしかたない。しかも勇気をもって通報した人が処罰されてしまう、職場にいられなくなってしまう、自殺に追い込まれてしまう惨いケースも少なくはないようだ。

 だが公的な立場にある人こそ、公益通報の責務は重くしなければなるまい。特に政治家の側近、秘書などはこれまでもっぱら政治家の悪事の手先、協力者とされてしまいがちだったような印象が強い。しかし政治家の秘書とは自分が仕えている政治家の悪事を知ったならば市民のために直ちに通報すべき立場に置かれているはず。でなければ市民社会を守るべき政治家の秘書としては完全に失格であろう。口の堅さが秘書の資質とされがちな日本の政治風土こそ、悪事の温床なのではあるまいか。

 こうした閉鎖的な職場風土は他の公務員社会でも同様であろう。警察や学校ですら公務上知りえた秘密を口外してはならない、とする原則が裏目に出て各種の隠蔽事件の続発をもたらしているのではあるまいか。

 今後は公務員の場合、守秘義務が適用されるケースを情報のリークによって一般市民に大きな被害が及ぶ場合に限定すべきだろう。守秘義務を悪用して公益通報の理念を形骸化しようとする今までの日本社会の陰湿な風潮にそろそろ反旗を翻す時ではあるまいか。

 ※参考動画

  #656 【塩ちゃんねる】鹿児島県警の隠蔽がついに~長くかかりましたが、ようやく始まったば

   かり~ 塩ちゃんねる 2024/06/06 4:41

  ◎鹿児島県警元幹部「闇を暴いてください」元キャリアも指摘する異例さ【サタデーステーショ

   ン】 ANNnewsCH  2024/06/08 10:31

  容疑者コメント「本部長でなければ誰でもよかった」名指しの幹部を変えた理由 鹿児島県警情

   報漏えい事件 (24/06/10 19:20) 鹿児島ニュースKTS  2024/06/10 2:41

  〇【留置場で遺体となって発見】警察官が取調室で暴行か「右足にアザ」が 法医学者が異例の告

   発 密室取り調べの実態 「取調室はブラックボックス」| 

   カンテレNEWS 2019年5月21日 9:12

   密室の怖さは学校にもある。 

 

 なぜカッパは学校の閉鎖性、責任逃れの隠蔽体質を強く問題視するのか…については以下を参照してください。そこで学校の根深い隠蔽体質を繰り返し、指弾しています。多くの学校教育に関わる問題の根っこにこの隠蔽体質が潜んでいるとカッパは睨んでいるのです。

 

 →§7.カッパの伝言板その5.1980年代以降の学校教育を巡る言説に関する私的覚

   え書き①

 →§3.学校教育編その1.画一的、管理主義的教育の弊害前編

 →§3.学校教育編その2.学校の隠蔽体質前編・中編・後編

 →§3.学校教育編その7.揺らぐデータの信頼性

§5.日本の進路2.少子高齢化のインパクト

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【予言的中】ソ連崩壊を唯一当てた男、E・トッドが警告。中国の「静かなる時限爆弾」と日本の「意外な未来」 

     歴史の羅針盤 2025/11/06 16:57

     トッドと司馬の二人の指摘を同時に提示すると面白い議論が出来そうである。

司馬遼太郎式】日本人の”最大の弱点”とは|伝説の文豪が語る『現代日本がダメになった理由』 

     偉人の名言コレクション  2025/10/31  10:54

【司馬遼太郎】人は◯◯でしか動かない。人を動かすリーダーとは|文明史家が語る『人の心を動かす力の正体』

     偉人の名言コレクション  2025/11/09  9:11

 空気を読む文化の負の側面をしっかりと考えたい。議論、討論が授業で求められる理由は何だろう。おそらく授業とは究極的には他人が考えた正解を覚える事ではなく、「自分の言葉で考える」訓練そのものだからであろう。

看護師27万人不足の衝撃崩壊寸前?医療現場の今【ガイアの夜明け】

     テレ東BIZ 2025/04/28  10:06

介護の質が下がる理由〜認知症専門医・長谷川嘉哉

    「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」チャンネル 2025/06/06 9:24

     これが日本の医療介護の実態であり、現在、政治の貧困が最も露骨に表面化しているのが、医療介護の現場であろう。学校教育ももちろん酷いのだが、介護医療の現場は既に医療従事者として「諦め」のレベルにまで達してしまっているようである。医療介護の崩壊がここまで来てしまっている、という痛切な認識が国民だけでなく、政治家全員にも必要。

【病院大倒産時代。医療崩壊に導く「5つの罪」】中小病院の経営はなぜ苦しいか/

 データに基づかない、思いつき医療/民間参入を阻む医療制度/地獄絵を回避する

 改革/テクノロジーは救世主となるか/病院の規模拡大

 PIVOT 公式チャンネル 2025/06/26  28:36

【2030-2040年の医療の地獄絵】認知症シニアが街に溢れる/2030年から85歳以上

 が急増/外科医不足で手術が半年待ち/介護職員不足も深刻に/単身世帯、自宅・

 施設での死が急増/若者が支えるのは無理

 PIVOT 公式チャンネル 2025/06/25  30:36

 介護医療教育に共通する厳しい問題がデータに基づいて分かりやすく説明されている。これらの分野に対する政治の無策ぶりがよく分かる。ただし学校教育に関しては児童生徒数の減少があるので教員不足の悪影響も緩和される側面があるだろうが、介護医療分野では患者数が激増するにもかかわらず、医師、看護師、介護士、施設すべてが減少していく点でより深刻であろう。

参考記事

児童相談所の職員、最大月5万円の給与加算へ…離職防止へ政府方針

     読売新聞 2026.2.16

 これまたいつもの通りの的外れ対応である。職員の定員を増やすか、職務の大胆な削減を進めるか、のどちらか一つの選択肢しかあるまい。給与がわずかばかり上がったとしても、ブラックな職場を避けるのが今時の若者である。

     これまで予算をケチりにケチってきた国政の経緯をふまえれば、職務の大胆な削減を選ぶのが唯一の選択肢と考えられる。しかし、国はこの選択肢も当分の間、選ぶつもりはないだろう。児相の機能マヒがさらに深刻化するのは目に見えている。

揺れる保護司制度、世論調査で9割弱が不安 殺害事件あす初公判 動機や経緯が焦点

 産経新聞 2026.2.15

 中学校や小学校教師、家裁の調査官捕、保護観察官、保護司、民生委員、町内会、子供会、保護者会、消防団員、消防官、警察官…地域の児童生徒やお年寄りの安全を確保する上で欠かせない身近な職員やボランティアがことごとく不足してきている。不足するのは人の数だけではない。力量、能力といった質の面の低下も伴っているはずだ。それぞれが皆、同時多発的に高齢化してきており、圧倒的な数の不足と質的な低下が猛烈なスピードで進行してきている。地域社会の一部はすでに崩壊しつつあるのが実情だろう。そして外国人の流入増がこの混乱に一層の拍車をかけている…そんな地域も少なからず存在しているに違いない。

 この混乱は一部の公立学校で既に表面化していた。低下しているのは学校や教師たちの教育力だけではなく、家庭の教育力や地域社会の教育力までもが同時進行で低下してきている。そしてこの動きは当分の間、止まりそうもない。なぜならば、今後、さらなる少子高齢化が加速することに加えて、これまで地域社会の中核となって近隣の互助的な動きを支えてきた分厚い中流層が続々と下層へ転落し、徐々に先細りしてきているからだ。急速に地域社会の紐帯は緩み、随所で寸断されつつある。

 社会インフラもまた全国規模で経年劣化が進み、大規模な補修改善を必要としてきている。実際には現状維持すら極めて難しいのが地方での地域社会の実情ではないのか。昨年、クマによる被害が長期にわたって連発し続けたのも、もとはと言えば地域社会の力が低下してきたからではあるまいか。もはや手をこまねいて見ている場合ではあるまい。

 急ぐべきはこれらの職務の大胆な削減であろう。この記事にあるように無給でありながらも、保護司の職務は専門性が極めて高く、しかも多岐にわたる。かなりの危険も伴う。これほど犠牲の多い、かつ高度なボランティアを務めあげられるだけの高潔で有能、かつお人好しな人物が一体どれほどの数、地方にいるだろうか?

 ただでさえ若くて有能な人は都市部へ、さらには海外へ、自由と活躍の場を求めて雄飛していく時代である。高齢者が目立つ地方においては、本当に保護司を任せられるだけの、有能でやる気のある人材が不足するのが当たり前のことだ。人数が不足する分、保護司の職務の精選を進める他に手はあるまい。

 たとえば、安定した地位とそれなりの給与があったとしても、教師の希望者と教員の実数は実際、全国的に少なくなる一方である。教師たちの職務の大胆な削減がいつまでたっても進まないのだから、これも仕方あるまい。民生委員、消防団、町内会、子供会、保護者会…どれもこれも職務の大胆な削減で人手不足の問題をわずかでも解消するしか、打つ手は残っておるまい。

 それにしても一体、いつまで国家は図々しく国民の善意に寄りかかり続けるつもりなのだろう…国民の健康と安全をロクに守れないような国家にさえ、唯々諾々と税金を払い続ける「お人好し」がこれ以上、減ってしまっても構わないのだろうか。

2024年度67.2%の病院が赤字 厚労省・医療経済実態調査

 日テレNEWS NNN 11/26(水) 9:30

 国民の健康と教育にこれほど手を抜いている先進国はアメリカと日本ぐらいのものだろう。

「産めや、働けや、納税しろや」では何も解決しない…政府とマスコミが無視する「若者

     が結婚できない」根本原因 プレジデントオンライン 荒川 和久 2025.10.31

 急速な少子化の背景を考える上で欠かせない視点だろう。

若者の「価値観の変化」でも「恋愛離れ」でもない…政府が無視し続ける「少子化が止ま

     らない根本原因」 プレジデントオンライン 荒川 和久 2025.9.30

    「少母化」という造語はまさに、言い得て妙、である。「令和の中間層の若者が置かれた経済的不安や社会的リスク」を政府は把握できていないからこそ、高価の無い対策を繰り返している、という荒川氏の指摘こそ、日本社会が直面している少子化現象の核心をついていると思うがいかがか。

孤独死防ぐ「見守り」利用、10~50代で14倍に 現役世代の懸念

   朝日新聞社 2025.2.9

   このデータの持つ意味が、心底、衝撃を受けるほどに深刻さを帯びているように感じられるのは決して自分だけではあるまい。たかだかこの数年で一体、どれほどまでに現役世代の労働環境、生活環境が一気に崩壊していったのか、雄弁に物語る、極めて貴重なデータ。これは急激な少子高齢化が及ぼす現役世代への悪影響だけではなく、社会の分断の深刻さをも、物語る結果ではないのか。

   政府はかつて孤独担当大臣を任命して社会的孤立の問題に対応する姿勢を見せたことがあったが、それはほとんど何らの成果を挙げることなく、ただのウケ狙いのポーズに過ぎなかったことが今や明白であろう。

小中高生の自殺は過去最多の527人、人間関係に悩む子ども増える…全体は前年

   比1569人減 読売新聞 2025.1.29

   文科省もコロナ禍を自殺者増加の背景に挙げているが、本当にそうだろうか。確かに児童生徒の自殺者数増加はコロナ禍の始まりとともに始まっている。しかし2024年の増加はコロナ禍とはほとんど無関係に生じているとみて良いのではあるまいか。街中でマスク姿が激減したのは2024年から、という印象はなきにしもあらず。

   若い女性の自殺者が増えた点も注目される。少子高齢化が加速し、強い閉塞感が蔓延する日本社会…イジメがはびこる学校社会のブラック化と耄碌した老害男性がいつまでも社会に君臨し、頑固に居座る…どうしようもないほどの女性蔑視社会、そして日本の精神医療の闇…2025年、現代日本の歪みが一気に肥大化してくる不安を最も強く感じているのは若い女性たちなのかもしれない。

「2050年の人口ピラミッド」全国比較で驚きの格差 関東甲信越の人口は今後どうな

   っていくのか 東洋経済オンライン 

   東洋経済『都市データパック』編集部  2024.12.12

   都道府県別の人口ピラミッドが年代別に見ることが出来、授業の資料として活用必須の内容となっている。特に秋田県と沖縄県や東京都との比較は衝撃的。東京都への一極集中が地方にどれほどの打撃を与えてしまうかは想像に難くない。少子高齢化対策が東京都においても重点的に取り組むべき課題であることも分かるだろう。地方は地方で、東京都は東京都でどんな対策に取り組むべきか、それぞれの少子高齢化対策の重点目標を生徒たちに挙げさせてみたい。

公共施設「このまま維持は不可能」 彦根市が初めての財政説明会

   朝日新聞社 2024.12.10

   少子高齢化によって地方で一体何が起きるのか、具体的な事例としてこの記事は役立つだろう。突出して人口の多い団塊ジュニアが後期高齢者となって医療費、社会保障費を圧迫する「2025年問題」については様々な側面から語られねばなるまいが、まずは地方財政の窮状を取り上げておくべきだろう。財政悪化はすべての施策の足を引っ張る元凶となるからだ。

「政治的活動なので、ポスターをはがすように」高校時代の経験から… 20歳が見た

 総裁選の「内輪感」 withnews2 2024.9.24

 若者の政治離れの原因は他にも数多く挙げられよう。しかし日本の政治システムが若者の意見をほとんど反映させない装置として機能していることに絶望し始めた点こそが若者の政治離れの要因として極めて大きいと思われるが、いかがだろう。

 若者の政治への絶望感は「少子高齢化」の進展による若者の一票の重さが悲惨なレベルまで軽くなってしまっていることだけに由来しているのではあるまい。成田氏が指摘しているように現代では急速に学問の高度化と専門分化が進み、科学技術が急ピッチで進化し続けている。こうした現状に対して従来の代議制が不適応を起こし始めている可能性は決して低くあるまい。

 成田氏の指摘する通り、高度に複雑化し、多様化する現代社会においては政治全般に対する議員一人一人の知識、理解、政策立案能力には大きな限界があり、すべての議題、政策、法律に通じている者などもはや一人もいない。にもかかわらず、有権者が一人の立候補者にだけ投票してすべての政策、立法をたった一人の代議士に委ねてしまうシステムは既に時代遅れなのかもしれないのだ。

 まずは参政権を付与する年齢の上限を決めて若者の不利な状況を少しでも解消していくことが急がれよう。さらには成田氏が提案しているように、議題によっては政策ごとにその賛否等をネットで投票して方向性を決定するような、代議制に代わる新しいシステムの導入が検討されてしかるべきだと思う。

 具体例を考えてみよう。これまでの教育政策は実際には学校現場にほとんど無知な政治家と官僚が大き過ぎるほどの政策決定力を行使してきた。その害悪は今や計り知れないほど大きなものになりつつある。しかし、今後は新しい教育政策の導入や旧来の政策の見直しなどにおいては学校関係者(高校生以上の生徒・学生と教師)にネットを通じての投票を義務化して現場の意見を重視させる路線を打ち出す一方で、他の有権者にも同等の投票権を与えて政策の是非を決定していく。ただし政策の立案や細則などの専門性を要する部分は、国会や内閣、文科省などの配下に置かれた審議会ではなく、開かれた公正な選挙で選ばれた高い専門性と経験値の高いメンバーからなる教育審議会に委ねる。

 以上のようなことが実現すれば教育政策において教師だけでなく高校生にも主権者としての当事者意識が多少は湧いてくるだろうし、政治家や財界からの時代錯誤な介入、下手な横やり、改革への妨害を少しは避けられるかもしれない。

少子化見据えて大学を統廃合や定員減で適正規模に…中教審が年度内に答申へ 

 読売新聞 によるストーリー 2024.7.20

 平成時代からこれまで少子化によって既に小中学校や高校段階での統廃合が徐々に進んできたが、大学はその間も大学進学率の上昇によって入学者数が増え続けてきたことで、つい最近まで小中学校ほどには大幅に統廃合されずに済んできた。

 しかし令和時代に入ると大学進学率の上昇は5割を超えたところでほぼ頭打ちとなってしまった。加えて日本に留学してくる外国人も日本の若者の減少を埋めるほどには増えてこなかった。そもそも日本の大学教育は、国際的な評価から見ても決して高く評価されていたわけではなく、今後も外国人留学生を増やせる可能性はほぼないといって良いだろう。また日本社会は残念ながら大々的にリカレント教育を受け入れられるほどには人材の流動性が高くなく、中高年の学び直し、社会人の大学院入学が広く奨励されるような企業文化にも乏しい。

 以上のような理由から少子化による大学の統廃合は今後、いわゆる地方のFラン大学を中心に急激に進むほかあるまい。既に大学の定員割れが50%を超えてしまった現在、定員の大幅な見直しは不可避であり、学部の統廃合なども容赦なく進めざるを得ない。地方によっては大学の存続自体も危ういだろう。

 国としては地方の若者が進学先や就職先を求めてこれまで以上に大都市に流出することによる極端な少子高齢化、人口の急激をわずかでも緩和していく施策が必要となるが、今のところ、これといって有効な方策があるとは思えない。

 唯一、わずかな望みがあるとすれば欧米の観光客が近年、日本の地方における街並みの伝統的な佇まいや自然の豊かさに注目し始めていることであろうか。地方における観光業の発展があれば若者の有力な就労先として地方のホテルや観光施設などが考えられなくもない。つまり地方によっては観光業ならば若者を今以上に地方につなぎとめる可能性を秘めているのではあるまいか。

 しかし外国人観光客を受け入れるためのキャパシティを既に失いつつある地域も地方によっては少なくないだろう。インバウンドを期待した地方での新たな観光資源の掘り起こしや施設の整備、人材の育成と配分などには国や地方自治体の強力なテコ入れが求められるに違いない。

 特に地方私大をめぐる情勢は厳しさを急速に増してくるだろう。少子高齢化による地方財政の圧迫は危機的状況にまで悪化するかもしれない。しかし世界一訪れたい国と評価されている観光大国日本の魅力を地方対策としてもっと有効活用する術はまだまだ残されているだろう。たとえば沖縄県の名護市における大規模観光施設ジャングリアの試みは現地大学での人材育成による連携を含めて、地方での観光振興策、過疎化対策のモデルケースとなるかもしれない。

 授業では大学大量淘汰の時代が到来する理由とそれへの有効な対策として考えられる施策を考えさせたい。特に地方での少子高齢化の現状は勤務先の学校の所在地で把握し、自分たちの地域で何ができるのか、生徒たちに足元の問題として提起すると探求型の学習として大いに盛り上がるだろう。

参考動画

「子どもに権利ない」津市議の発言に批判【知っておきたい!】【グッド!モーニ

   ング】 (2024年12月16日) ANNnewsCH 2024/12/16 1:22

   国会から地方議会まで広くはびこる老害政治家たちが学校問題発生の土壌を作りだしている側面があるのは間違いないだろう。議会こそが差別問題の温床である、と言っても過言ではないこの現状をどうしたら変えていけるのか、授業でぜひ意見を募りたい。選挙のあり方、代議政治の行き詰まりの問題としてまずは考えていきたい。

【現代日本 後編】今の日本はどうしてこうなってしまったのか?私達に出来ること

 は何なのか おっくんの眼【山田玲司のヤングサンデー 切り抜き】

  2024/09/08 24:36

 山田氏の指摘はマンガ、アニメ、J.ポップなどの大衆的若者文化の流れから日本社会の変容を考察する、いわゆるサブカルチャー論に依拠していて非常に興味深い。近年の若者を取り巻く社会の変化と若者の価値観、意識を探る上で参考となる箇所は少なくないだろう。

【要約】未来の年表 人口減少日本でこれから起きること【河合雅司】

 フェルミ漫画大学  2024/04/19  20:33

 やや視聴時間が長くなるが、今、話題となっている少子高齢化の行く末を分かりやすく解説してくれており、ぜひ、フルで視聴させたい。多種多様な問題点が予想されているので、時折、途中で動画を止めて多少の解説を加える必要もあるだろう。

 動画を視聴させる前にまずは合計特殊出生率低下の原因とそれがもたらす日本社会の変化を生徒たちにできるだけ数多く挙げさせ、黒板に列挙しておきたい。その後、動画を視聴させ、黒板に列挙された項目に該当することが取り上げられた際にチェックを入れていくとさらに分かりやすくなるだろう。

人口減が止まらない 秋田県は日本の近未来

 J-CASTニュース によるストーリー 2024.4.28

自治体の約4割消滅の恐れ 前回調査で全国ワーストの村は今【news23】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.4.27

 真山氏の「余計なお世話だ」という反発も地方自治の精神から見て分からぬではないが、少子高齢化が急激に進む地域では近くの学校や病院、商店などが無くなり、転出者の急増に拍車をかけてしまうため、集落のあちこちで廃屋が目立ちだし、多くの田畑も荒れ果ててきている。ついには要介護老人の孤立が深刻化している地域だって少なからずあるだろう。

 にもかかわらず、高齢化している首長や市町村議会議員の多くは残念ながら危機感をさほど感じていないケースがあるために新しい取り組みに躊躇し、結果的にいよいよ限界集落が増えていく…こんな恐ろしい悪循環に飲み込まれつつある地方はきっと少なくあるまい。

 安芸高田市を例に出すまでもなく、既に地方政治は若者の意見を十分に反映しなくなっており、少なからずの市町村で地方自治の形骸化、腐敗が進んでいるのではあるまいか。財政悪化も手伝ってどう見ても機能不全に陥りつつある地方自治体に一体、どこまで期待できるのだろう。これでは将来を不安視した数少ない若者たちの転出がさらに相次ぐのは不可避であると思うのだが…

 こうした事態を招いた責任を負うべきは住民や地方議会、市町村長だけではないことも明白であり、国策の失敗がこの惨状をもたらした側面は否定できまい。特に東北などではどうしても国家の強力なテコ入れを必要とするケースが少なくないと見るがいかがだろう。

 仮に国の支援を余計なおせっかいとみなすのならば国のテコ入れ以外、他にどんな施策があるというのだろう。この状況を「静かなる有事」、自治体の「消滅」などと表現して危機感を煽ることが、本当に不適切で「余計なお世話」なのだろうか。徐々に孤立し、介護などの支援から遠ざかっている身寄りのない高齢者たちの不安を思うと私自身は大きな焦りを覚えてしまうのだが…

 もちろん、結果的に消滅する自治体が出てきてしまう事自体、既に不可避であるが、犠牲者はできるだけ最小限にすべきだろうし、その場面においても国家が果たせる役割は決して小さくあるまい。むしろ今こそ国は積極的に地方へのお節介を焼くべき時ではあるまいか。

「日本人は本当は変化を求めていない」この国は社会的弱者を包摂できるか? 東

   浩紀×成田悠輔×三浦瑠麗×先崎彰容×中野信子×新谷学

   文藝春秋 電子版  2023/01/01 13:56

成田悠輔「何かを変えようとすることはコスパに合わない」 ライブドア事件が日

   本に残した呪いとは 文藝春秋 電子版  2023/10/14  6:46

   妬み、足を引っ張りあうがゆえに変革が生じにくい日本の社会がなぜ成立しているのか、考えさせてみたい。「ゆでガエル」状態の日本が変わる可能性は極めて低い。

【目標だらけの世の中】「目標からの逆算が、僕らから奪っているもの」編集部員

 ×若新雄純が“逆算思考”に物申す【前編】

 新R25チャンネル  2023/07/05  31:35

【人生と逆算】「“逆算思考”を身につけないと、これ以上出世は…」編集部員の悩

 みに若新雄純が「魔が差している」と一刀両断【後編】

 新R25チャンネル 2023/07/12 28:29

 高校生になっていても「思期」「中二病」の心性を持ち続けている生徒は決して少なくないだろう。そうした生徒たち向けの進路指導として素晴らしい洞察と役立つ示唆に満ちている動画。

 もしも「生きている間はすべてである」「人生は短い春に過ぎない」「人生は思い出でしかない」という捉え方を大切にする生き方を選ぶならば、「逆算」式(具体的な細分化された目標設定を次々とクリアすればいずれ大きな目標に到達できる、他者からの評価が軸、実績が極めて大切、満点という評価が存在する、という前提を許容する…)の、長期的見通しを持つ堅実な、計画性のある生き方を諦めた方が良いのかもしれない。

 一方で「積算」式の、先を読みにくい生き方の良さ、幸福感を発信する力さえあれば、大人になっても思春期の心性を持つ人だって周囲から居場所を与えられる可能性は高まるだろう…若新氏の指摘に頷く方は決して少なくあるまい。

 幸福であることとはどういう状態を指すのか、今を充実させる生き方とはどういう生き方なのか、深く考えさせる素敵な動画。生徒の将来を心配するあまり、計画性のある生き方を全員に一律強制しがちな教師にとっては必見。

 

日本と世界『働き方』/J.P.モルガンが行った驚きの改革/Z世代アメリカ人の変化

 「会社はカルチャーで決める」/ChatGPTは日本企業にとって危険/ダイバーシテ

 ィで『ネオトーキョー』日本スゴい島に変貌

 PIVOT 公式チャンネル 2023/10/26  37:99

【油断禁物】海外から見る本当の「日本経済」事情/今投資をするなら熊本/

 「成果主義」の導入が急務/優秀な外国人人材を採用するための方法/どうすれば

 日本がもっと良くなるのか?【KUROFUNE】

 PIVOT 公式チャンネル  2023/10/21  31:00

 以上の動画は二つとも分かりやすく、日本の企業文化を見直す上で参考になる点も多い。またここでの厳しい指摘は日本の学校文化にもかなり当てはまると思われ、日本の学校教育をアップデートする上でも大いに参考となるだろう。

 そこで重要ポイントを以下に概略、紹介しておく。

 「報告・連絡・相談」=「ホウレンソウ」と呼ばれたように、個人プレーを極端に嫌う昭和な社内文化が日本企業の進化、改革を遅くし、何事にも細かすぎて窮屈、不自由な気分を職場に蔓延させてしまっている。

 中高年層が成田氏の指摘するように「ミルフィーユ」のごとく厚い層をなして少数派の若者にのしかかっている少子高齢化の日本においては、年功序列型の階層構造と集団主義的企業文化が長い順番待ちの行列の最後尾、階層の最下層に立つ若者を苛立たせ、精神的に腐らせている元凶。

 こうした組織文化は連帯責任を重視するがために失敗を恐れる傾向が強く、新しい事にチャレンジすることを妨げ、若者を組織の底辺、末端に追いやる。また同調圧力が強く、妬みを生みやすい組織となり、東芝や東電で典型的に見られたように仕事の失敗は組織の中に隠蔽されやすい。また「出る杭は打たれる」ため、個々の力が十分には発揮されず、すべてがチームワークの成果と見なされるため、個々人の実績や成果が給与には反映されにくい。こうした点が日本経済低迷の背景にあるだろう。

 しかし歴史的に見れば海洋国家の住人たる日本人は本来、複眼思考に長けていて異文化への順応性はかなり高く、実際、日本企業の外国支店・工場での生産性は比較的高いといわれる。したがって日本がこれから先、異文化とのハイブリッドを通じて高い業績を挙げていくことは決して不可能ではない。

 しかしそのためには英語の習得と硬直した組織文化の改善は避けられない必須のクリア条件。日本の学生や労働者も国内にとどまろうとすると世界の流れに後れを取るリスクは高まる。政府は若者の所得税を免除するなど、若者支援を強化し、教育においては早くからダイバーシティと個性の尊重を重視すべきだろう。

 

冨山和彦さんが“直言”超・人手不足時代をどう乗り越える?[NHKスペシャル&日

   曜討論] | NHK  2023/11/03 8:31

 少子高齢化の中でコロナ禍も手伝い、とりわけ福祉や観光業、飲食業といったエセンシャルワーカー部門の人手不足が深刻化している日本。教員もエセンシャルワーカーに含まれるとすればやはり人手不足に直面している。ならば一体、どんな対応が求められているのか…一般企業でいえば機械化、DX化による生産性の向上、企業の淘汰による労働力の流動性を高めたうえでの集約化、公定価格制の見直しなど、教員不足の現状を打開する上でも参考となる。

 行政による下手な管理、統制は緩めていき、民間のバックアップに専念する方向が望ましいだろう。文科省の無能化を踏まえれば、教育界においても公立学校の数を減らしていき、私学に教育を委ねていくのが学校改革の近道かもしれない。

 

・明石市の取り組み:人口減少と地方自治

参考動画

【成田悠輔vs泉 前明石市長】172億はどこから?退任直前赤裸々告白【市町村の

   やるべき事】 ReHacQリハック【公式】 2023/05/06  41:54

【成田悠輔vs泉房穂】市政で国の政治動かす!今、政治家に必要なものは?

  【 mudai】 ReHacQ−リハック−【公式】 2023/05/13  54:20

熱量】ひろゆき&明石市長が対談!9年連続で人口増加?所得制限なしは正解?少子

  化日本の処方箋 

  2022/05/21 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 15:10

【9年連続人口増】子育ての街「明石」ホントの事情教えてください

  2022/10/01 NewsPicks /ニューズピックス 19:24

「国の政策はリアリティがない」全国初の政策を次々と生み出す、明石市の"win-

 win力" 2022/07/31 新R25チャンネル 14:24

「誰もやる気がなかっただけ」明石市市長が“子ども無料政策”を実現できたワケ

  2022/07/30 新R25チャンネル 10:27

 人口減少、少子高齢化に直面している日本社会の中で明石市の取り組みが注目されている。明石市の現状と課題について知っておくことは極めて重要。最後まで通して視聴させずに、何カ所か途中で区切り、問いをたてて政策の効果の背景にあるものを予想させてみたい。

子供はコスト 結婚4割減 習政権 3期目に立ちはだかる人口減

 【日経プラス9】2022/10/12 テレ東BIZ 13:28

 ついに中国が人口減少局面に突入する。東アジアの経済発展を牽引してきた中国の急速な少子高齢化は日本経済に大きな打撃を与えかねない。

参考記事:

『天誅が下るぞ!』脅迫文も…「泉房穂」前明石市長と「高島宗一郎」福岡市長が

   苦労した「予算カット」の難しさ〈市の職員と議員の猛烈な抵抗に遭って…〉 

   現代ビジネス 週刊現代 によるストーリー 2023.11.4

「子供に留守番させたら虐待」おかしな法案が通りかねない地方議会の暴走…問題

 は埼玉だけじゃない!【泉房穂の「ケンカは勝つ!」第19回】

 SmartFLASH によるストーリー 2023.10.20

 このバカげた条例案を提出できた埼玉県の自民党議員の見識の凄さにはあまりにも恐れ多くてひれ伏すしかあるまい。「老害政治」の極みを垣間見た思いである。このような議員を選挙で選んでいる埼玉県民もおそらく相当高齢化しているのだろう。

 ほとんど判断には困らない記事であり、討論の対象にはならないが、「老害政治」がどんな政策を思いつくのか、分かりやすく例示できる点では利用価値の高い記事である。とりあえずこの条例案にはどんな問題点があり、なぜこのような発想が出てきてしまうのかだけは確認させておきたい。

「失われた30年」の正体は、今もなお日本社会に根強く残る「ムラ社会」的な意

 識 3/1(火) livedoor‘sNEWS 6:00配信 

既得権益を温存し衰退する日本…社会学者・宮台真司「愚かな総理を生み出したの

 は、からっぽの民衆だ」 週刊現代 2022/11/11 06:00

賢い若者だけが気づいている「ぬるい日本」でさっさと億万長者になる方法

 集英社オンライン(『不条理な会社人生から自由になる方法 働き方2.0vs4.0』

 橘玲 PHP研究所 2022より抜粋・再構成 2022/07/14 09:01

「合計特殊出生率」去年は1.26で過去最低、7年連続で前の年を下回る 厚労省の人

 口動態統計 日テレNEWS によるストーリー 2023.6.2

50歳未婚率が急上昇 20年は男性28%、女性17%

 共同通信社 の意見 2022.12.29

 50歳になって一度も結婚していない男性が28.25%、女性が17.81%と急激に上昇しているという日本の現状にはどんな社会的要因があるのだろう?アンケートを利用して生徒の意見を募ってみたい。人口ピラミッドを示して団塊ジュニア世代と今後の日本が直面している困難さに注目したい。

人口5000万人の絶望的未来世界に遅れる日本企業が捨てなければいけないもの  AIに人口減少について書かせてみた 現代ビジネス 現代新書編集部 2022.12.15

出生数80万人割れの危機人口激減ニッポンが衰亡する前にすべき「たったひとつ

 のこと」 現代ビジネス 河合 雅司 2022.12.15

12年連続「日本人」の減少幅は年々拡大。とてつもない人口減少の破壊度 子供対象

 の業種に早くも試練 現代ビジネス 磯山 友幸 の意見 2023.4.18

なぜ「日本への移住を望む中国人」がここへきて急増しているのか? その「驚きの

 理由」 現代ビジネス 中島 恵 の意見 2023.5.18

 外国からの富裕層の来日をもっともっと歓迎すべきではないのか。日本の経済発展の見地から見れば、外国人の来日が観光目的にせよ、移住目的にせよ、今後一層の発展拡充を目指す政策をとっていくべきであろう。少子高齢化の弊害を最小限に抑えていくには日本の門戸を海外に向けてさらに開いていく方向でしか、日本の未来は見えてこないように思える。これも議論のテーマにうってつけだろう。

高齢者の「免許返納」はじつは年々減っていた! 深刻化する高齢ドライバー問題の

 「シビアな現実」現代ビジネス 二階堂 運人 2023.4.18

「死ぬかい?」「いいよ」老老介護の末の 承諾殺人 おしどり夫婦が残したもの…

 RCC中国放送 の意見 2023.6.10

 高齢者世帯の急増、老々介護の深刻さ…呆れるほど執拗に暴言を繰り返す一部の高齢政治家達のせいで高齢者の存在自体が「老害」と揶揄されることの多くなった日本の社会の先行きは不安に満ちている。いよいよ日本の高齢者は厄介者扱いされ、このような悲劇が繰り返されるとすれば、若者の自殺率の増大と相まって高齢者の事件事故も急増するに違いあるまい。このままでは極めて悲観的な日本の将来が待ち受けているのだろう。

ユニクロ賃金最大4割アップ!ファストリは気づいた日本を待つ最悪な3つの未来 

 ダイアモンド・オンライン 鈴木貴博  2023.1.13

 将来的に日本の若者が希少資源になっていく事で特に優秀な若者を巡る日本企業間の奪い合いは熾烈の度合いを増してくるだろう。ユニクロの大幅な賃金引き上げ方針は間近に迫ってきた団塊ジュニアの大量退職と若者の急激な減少を見越した人事戦略と見られる。若者を惹きつける上で年功序列型の賃金体系からいち早く脱却し、他のライバル企業との待遇格差を拡大して人材確保に走るこうした企業は他の業界でも続々と出現してくるに違いない。

日本はこのまま衰亡するのか…結婚も出産も増えることのない「小さな国」がなん

 とか生き残る方法 現代新書編集部 2022.12.20

 人口急減期が近づいている日本への処方箋は何だろう?取りあえず始めに日本の人口ピラミッドを提示して将来の人口減への歩みを予想させ、人口減の原因を推理させてからこの資料を読ませたい。さらに以下の動画を視聴させ、高橋氏の指摘「人口減少は問題視する必要なし」についてどう思うか、意見を書かせたい。少子高齢化と人口減少は日本社会が直面する大問題と言われるが、日本社会にとって何が本質的問題なのかは今後のテーマを展開していくスタート地点である程度は整理しておくべきであろう。

※参考動画

【少子化】「まやかしだ」人口減はホントに問題?出生率の低迷=日本の大問題が

 テンプレになった弊害とは?内閣官房房参与 高橋洋一に聞く【ロンブー淳】

 ABEMAニュース【公式】 2021/04/14 16:53

 これも凄まじいほどに珍妙な意見で、反論噴出が期待できる。しかもかつての官僚として今も政府から意見を求められている高名な人物の発言だから、暗然たるものを覚える。きちんとしたデータを示して議論を進めていくにはうってつけの動画。

【「消滅可能性自治体」発表…】30年で若い女性半減 全自治体の4割が該当 

 日テレNEWS  2024/04/24  4:34

人口3分の2という選択 「8000万人国家」が持つ国力【日経モープラFT】

   (2024年4月25日) テレ東BIZ  2024/04/25  5:22

   少子高齢化がもたらす問題は地方、特に過疎地において深刻なものとなるのは当然として、都市部でもかなり危機的な状況が生じかねないものがある。したがって人口の社会増と自然増の二点からの対策、強力なテコ入れが大切になる。それぞれにどんな対策が有効だと考えられるのか、生徒たちに考えさせたい。

 ポイントとしては明石市が行った若い女性や子供たちへの様々な支援策、移民政策の見直し、長期滞在型の地方観光を目指す政策などが挙げられようか。それぞれに効果的な具体策が切実に求められているに違いない。

 ただし、それら政策実現の上での最大の障害物こそ現在の日本の宿痾となっている「老害政治」である点はぜひ留意させたい。頑迷な「老害政治」を中心的に支えているのはおそらく保守本流の要として機能してきた旧態依然の学校教育と自民党のお家芸と化している派閥政治や金権政治あたりではあるまいか。

 少子高齢化の背景に潜む問題は多種多様であり、生徒たちに多角的な視点を養う上では格好のテーマであろう。ぜひ時間をかけて取り組みたい。

【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化よ

 り無人化の方がマシ」少子化&人口減少前提で考える日本の未来|

 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】  2021/12/19 20:28

【成田悠輔×堀江貴文】高齢者は老害化する前に集団切腹すればいい?成田氏の衝

 撃発言の真意とは 2022/02/01 堀江貴文 ホリエモン 10:43

 ※参考記事

  いじめや不登校を乗り越えケアマネージャーになった40代男性が力説介護保

   険制度自体への「強い違和感」現代ビジネス 2024.6.10

  成田悠輔氏 政治家の若返りの利点を分析「保育や教育の予算が増える」「長期

   的視野で政策」東スポWEB によるストーリー 2023.7.2

 敬老の精神は失ってはなるまい。しかし、いつまでも権力の座にしがみつく老害政治家は「百害あって一利なし」。いつも大胆な提言で知られる成田氏の刺激的な発言は毒も含まれるが、議論の活性化に欠かせない視点を提供してくれる。他方で介護をめぐる問題は深刻化する一方である。特にケアマネージャーの社会的待遇の改善を急がないと、教師同様、人手不足の深刻化を招くに違いない。ケアマネの養成教育問題と教師養成問題とは重なる要素が多いように見受けるが、いかがか。いずれも福祉と教育の予算不足が大きな足かせになっていると思われるのだが…

 

参考記事

民生委員、欠員1万5000人 3年で32%悪化、戦後最多

 共同通信社 2023.1.13

 行政による社会保障の不備を民間のボランティアの力を借りることである程度まできめ細やかに補完してきた日本の福祉政策は少子高齢化が進展する中でいよいよ深刻な機能不全に陥ってきたようだ。他方で仕事の過酷さが手伝ってか、地方公務員の休職件数が増加し、公務員のなり手不足も進行しているという。すでに学校教師は慢性的な不足状態である。こちらも事態を一層こじらせる一因となろう。

 家族や地域社会の在り方が変化してきた事が事態悪化の背景に考えられる。今や国家的なテコ入れ無しに事態の改善は見込めないだろうが、政府にその力はあるまい。日本社会はどうにも八方塞がりの状態にあるようだが、いかがだろう。

日本には「世襲政治家」が多すぎる、ビジネス界からの転身が少ない根本理由 

 ダイヤモンド・オンライン 上久保誠人 によるストーリー 2023.4.19

 いわゆる「老害」がはびこると批判される日本の政界がはらんでいる大きな問題点の一つがこの「世襲政治家」であろう。日本でなぜ世襲政治家がはびこり、政権の中枢に居座り続けているのか、なぜ若手政治家の新規参入が進まないのか、その理由が手際よく整理されていて大いに参考となる。

日本はもはや稼げる国ではない 割り切って「人材加工立国」「出稼ぎ立国」を目指

   すべき 古賀茂明 AERA dot. 2023.10.11

 若者にとっては非常に厳しい将来予測だが、かなり説得力があり、議論の材料になるだろう。日本の将来を予測する上でどういう指標を参考にするのか、目の付け所に注目させたい。

就職氷河期世代「年金15万円なんて、どうせもらえない」「他の世代に類を見な

 い」厳しさ THE GOLD ONLINE によるストーリー  2024.5.11

公的年金、「制度見直し」派が7割 見直すべき項目の1位は?

 ITmedia ビジネスONLiNE 2024.5.16

総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長」案は、なぜ避けて通れない

 議論なのか? ニューズウィーク日本版 によるストーリー  2024.5.15

「日本国債」の紙くず化がとまらない…雪だるま式「借金地獄」から日本が抜け出

   せない根本原因【経済のプロが解説】

   THE GOLD ONLINE によるストーリー  2024.5.11

   上の二つの記事は図表などでデータがつかみ易く、授業での利用価値の高い記事であろう。外国からの借金が少ない点は確かに日本の強みではあるがさすがにここまで借金が膨れ上がるとマズイのではあるまいか。特に少子高齢化が加速する中でこの累積した借金は日本の若者のへの負担を重くするに違いない。しかも若者や中年層が高齢者になった時にもらえる年金額は目減りする一方である。こうした負担の先送りとその場しのぎの借金漬けの政治もまた若者、皇族世代の犠牲を前提とした「老害政治」の弊害と言うほかあるまい。

このバラマキのツケは若者世代に…日本の財政の「膨張」が止まらない実態

   Finasee によるストーリー 2023.10.11

 増え続ける財政赤字も若者の将来に重くのしかかる難題である。累積債務の実態は常に念頭に置いておきたい。

生活保護の申請、7・6%増で4年連続の上昇…物価高騰に賃金上昇追いつかず

  読売新聞 によるストーリー 2024.3.6

生活保護申請、12カ月連続増 最長期間更新 厚労省

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.3.6

 株価がバブル期を超えて史上最高値を記録した昨今、このデータは一体、何を意味

するのだろう。ぜひ生徒たちの意見を募り、議論させたい。

「万博やってる場合じゃない」介護保険料、大阪市が全国ワースト9249円の一方で

 万博負担「ひとり2万7000円」試算に市民の怒り爆発

 SmartFLASH によるストーリー  2024.5.15

 

参考動画

【世界の年金が凄い】外国人に年金いくら貰ってるのか聞いてみた|海外の老後生

 活の現実 タロサックの海外生活ダイアリーTAROSAC  2022/11/05 19:20

 当然の事ながら貯金や投資を早くから行っていくことが世界共通で老後の生活を保障する事が分かる。それにしても日本の年金の少なさには唖然。

【ゆっくり作品解説】藤子・F・不二雄SF短編「定年退食」 2021/03/15

 そかなりどぎつい内容だが、高齢者問題の導入としては刺激的で生徒たちからかなりの反応が期待できよう。

暴れる認知症患者さん・いつまて我慢すれはいいの?認知症専門医・長谷川嘉哉

 長谷川嘉哉チャンネル「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」 2022/11/01 8:42

新たな認知症ケア「ユマニチュード」とは【報道特集】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN 2021/09/02 22:57

 認知症患者への接し方は難しく、いまだに手探り状態にあるように思える。しかし「ユマニチュード」の考え方は古典的でありながら、王道を行くものであろう。ヤングケアラーが増えている現在、高校生の間で認知症への理解が広がることが切実に求められているだろう。

 

 

⑩教育改革が進まない理由

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。
 

参考記事

学校の「カリキュラム」多すぎでも減らせない事情

     東洋経済オンライン 妹尾 昌俊 2025/10/22

 妹尾氏の指摘は正しい。頭の古くなった高齢学者ばかりの「専門家」たちに議論を委ねている限り、教育内容のアップデートはいつまで経っても望めまい。ただでさえ10年に一度という、余りにもスローモーな学習内容の見直し方がようやく問題視されてきた現在、これ以上の躊躇は絶対的に許されるはずがない。

 急速な進化を遂げつつあるAIが引き起こすであろう、まったく新たな世界の展開に取り残されてしまう人々がこれ以上増えていって良いはずもない。今、最も必要とされているのは迅速にして果敢な政治的決断だけであろう。

疲弊する学校、「次期学習指導要領」は理想論か?

 東洋経済オンライン 庄子 寛之 2026.2.7

 …学校が疲弊していることを重々承知しながらも、「新しい実践は無理だと考えるなら、やりたい人に校長を任せるべきだ」と強く思います。「文科省がやれと言ったからやらねばならない」と渋々展開するような学びは、目の前の子どもたちのためにならないからです。

 国から「各地域に応じた授業時数を作っていい」「校長のあなたが子どもたちと教職員のことを考えて時数から変えていい」と言われても、それ自体が負担だと考えるなら、やりたい若手にその席を譲ってほしいと強く思います…

…これだけ学校や教材の好事例をインターネットで収集できる時代ですから、一教員でもできることがたくさんあります。そもそも学習指導要領は、さまざまな工夫をしやすいように書いてあります。教科書を端から端まで同じように実践しなさいとは書いていません…誰かのせいにせず、自分の今置かれた立場からできることを一歩ずつ行っていきましょう…

 以上、長々と引用してしまったが、こうした思考法こそがここまで酷い学校のブラック化を招き寄せてしまった最大の原因、と考えるが、いかがか。この主張はどうみても文科省に阿り過ぎだろう。これまでの経緯から見れば文科省の責任の重大さを厳しく告発する事こそ、最優先すべきである。「誰かのせいにせず」と疲弊する教師たちに説教を垂れる資格なぞ、一体、どこのどなたにあるのだろう?

 校長らに「やりたい若手にその席を譲ってほしい」と要求すれば本当に管理職の座を退いていただけるのだろうか。いや、そんなわけがあるまい。これまで学校教育の改革を妨害してきた張本人こそ、教育委員会であり管理職ではなかったのか。

 学校の職務軽減と授業改善に積極的な管理職を私はほぼ一度も見たことが無い。むしろ授業の良し悪しなぞは抜きにして、どれほど長時間、教員を働かせることが出来るのか、それこそが管理職の腕の見せ所ですらあったはずだ。そうした管理職を輩出してきたのが教育委員会である。

 そもそも、自身の授業の革新性に自信がある管理職がどれほどいるのか、大いに疑問なのであるが…

参考動画

教育格差が拡大!?】AIで伸びる子・伸びない子「5年後の未来予測」【安野貴博

     × HR高等学院】 HR高等学院の非常識な職員室 2026/2/2 2026.2.2 20:17

     教育改革が進まない一番大きな理由として政治家の教育への無理解があることはもはや間違いないだろう。AIの急速な進歩に無頓着で鈍感な政治家たちが教育の未来を語れるわけがないはず。しかし国会議員の多くが中高年ばかりであり、投票に出かける人も中高年ばかりである日本の現状には猛烈な閉塞感が漂っている。

 いっそのこと、選挙権、被選挙権ともに75歳までとしたらいかがだろう。今更、中高年の方にむりくりAIの進歩と社会の変化の様相をご理解していただくヒマはあるまい。日本の学校教育、特に公教育の遅れは周回遅れに近い。学校教育の遅れこそが日本の将来を危うくしつつある最大最悪の張本人ではないのか。日本にノンビリとしている時間はもう残されていないのかもしれない。

全国35万人不登校時代を逆転!五十嵐立青の〈つくばメソッド〉【前編】#11

 東修平の対話チャンネル【公式】 2025/05/06  32:39

 つくば市が掲げた「教え」から「学び」へ、「管理」から「自己決定」へ、「認知能力偏重」から「非認知能力の再認識」へ、という三つのスローガンは決して目新しいものではないが、それらを実際の学校現場に実装していくには大きな困難が伴うであろう。特に行政と教育行政との間に立ちふさがる壁はなかなか手ごわいようである。

    五十嵐氏は時間をかけて壁を乗り越え、教師の負担を減らすためにも教育予算を増額し、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校支援員を増員して教育と行政をつないでいったという。こうして東氏、五十嵐氏、高島芦屋市長、石丸氏らが続々と地方行政の立場から学校改革に乗り出してきており、教育改革は教育界の外側から少しずつ実現しつつある。

 工藤氏によるかつての麹町中学校の改革のように、そろそろ本家本元の教育界の内側からも大胆な改革が表面化してきて欲しいところであろう。

【激論】国80億vsつくば5億!五十嵐市長が語る不登校"逆転パッケージ【後編】

    #12 東修平の対話チャンネル【公式】 2025/05/09  30:20

 学校の保守性、閉鎖性を管理職の一部が創り出している傾向はどこでも見られるだろう。管理職の適性が厳しく問われるべきではある。しかしつくば市を見ると、そうした壁を市長がある程度まで崩すことは可能なのかもしれない。

【成田修造vs川上量生】日本教育の失敗!?受験勉強は必要か?【ZEN大学vsHR高

    等学院】 ReHacQリハック【公式】 1:28:35

 未来の学校のあり方を探る上でドワンゴ学園の動きを知っておくことは必須であろう。N高を中心とする通信制高校に加えて通信制の大学であるZEN大学をスタートさせた背景にある川上氏の狙い、日本の学校教育に対する批判は教師にとって大いに参考となるはず。

 専門分化して学際的な研究が難しい日本の高等教育においてZEN大学が掲げる学問横断的な学習の重視、大学で横行する徒弟制的仕組みの撤廃などは非常に魅力的。いわゆるオンライン大学としてN高と同様、数多くの学生を集め、高等教育のすそ野を拡大していく戦略も期待大である。

 行き詰まりを見せている日本の学校教育に大きな風穴を開けつつあるドワンゴ学園のチャレンジからは決して目を離せないだろう。

オワコン化した従来教育、捨てられる教師の末路

 塾講師チャンネル  2024/01/26  15:59

 小林氏が指摘する共通テストの問題点に注目したい。教育内容の国家統制につながるテストは今すぐにでも廃止するのが一番。小林氏が提案するようにせめて限定的に利用するだけにとどめるべきだろう。いずれにせよ知識詰込みを中心とする画一的、管理主義的教育の見直しは必要不可欠。そのためには教育改革をうたい文句としながら非情にも学校のブラック化を推し進めてきた張本人であり、実際には教育改革における最大の障害物と化している文科省自身の根本的な組織改革がとりあえずは避けられないと考えるが、いかがだろう。もちろん、諸悪の根源は改革を捻じ曲げ、阻んできた老害政治の総本山である日本政府及び国会そのものなのだが…

【最新0410】遂に明らかに!再生の道が参院選で目指すものとは・・・【石丸伸二 

   リハック 再生の道】   BDV NEWS【政治のエンタメ化】2025/04/10 14:31

    再生の道が今後の国政においては教育投資の充実をワンイシューとして打ち出すことを石丸氏がついに明言した。とりわけ公立高校への投資を最優先するとのこと。高校のブラック化を阻止することは確かに喫緊の課題ではあるが、公立高校に予算をつぎ込んだだけで教育のアップグレードが出来るとは到底思えないのは私だけではあるまい。酷く硬直化してしまった公教育においては、教育行政側の大胆な改革をも伴わない限り、公教育の再生自体、絶対的に不可能だと思うのだが、いかがか。

    学校教育のリニューアルを本格的に進めるならば、教育基本法、学校教育法の改正だけではなく、文科省及び各教育委員会の組織改革や大学での教員養成の見直しをも含む、大規模で抜本的な変化が求められると私は考えている。これは教育投資の増加だけで成し遂げられるはずがあるまい。

 仮にN高のような、あるいは非一条校のフリースクールのような大胆な試みを現状の「古くて貧しい」公教育の枠組み内で実現しようとするのは既に完全な無理ゲーであろう。そして民間の資本力や技術力を学校教育に生かして教育改革のスピードアップを図る上で、地方で依然として大きなシェアを占める、旧態依然の公教育の存在がひたすら改革の足を引っ張るだけの、因循姑息な障害物となりつつあると思うのだが、いかがか。

 国政政党としての政策に学校教育の改革を打ち出すだけならば異論は無いが、高校での公教育をメインターゲットとする事には反対である。法制度の抜本的な改革を伴わない、教育予算の増大レベルの「改善」で公立高校が再生できる…とするような現実離れした絵空事には違和感しか覚えない。

フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?

 社會部部長  2024/08/14 46:19

 この動画、一見、データを基に客観的な立場でフィンランド教育を批判しているように思えるが、実は極めて短絡的な意見に過ぎないと私は考える。もちろんフィンランド教育を全面的に否定するといった単純な内容ではなく、また教師の待遇の悪さなど、日本の学校教育の欠点も指摘しており、表面的には公平な視点を保っているようにも感じられる。ただし、じっくりと内容を検討してみるとこの動画にはフィンランド及び日本の学校教育への本質的な理解が決定的に欠けていることに気付くだろう。

 そもそもただのペーパーテストを通じて示されるに過ぎないPISAの国別の平均的学力はあくまで学校教育の成果の一断面を示す指標の一つに過ぎない。PISAの結果だけで国の教育レベルを云々するのはいかがなものか。PISAの結果を取り上げてフィンランド教育の失敗を過剰に説くかたわら、日本の管理主義的、画一的学校教育を擁護しようとするこの動画の論法は明らかに間違っていると考える。

 また識字率の高さが画一的で管理主義的な教育によって実現された、という認識が仮に正しいとしても、途上国ならばともかく、現代の先進国としては識字率の高さを持って国の教育レベルを測る尺度とするような認識は余りにも時代遅れ。過去、識字率を高めたとされる教師主導型の管理教育を、今後も有効な教育方法として正当化するかのごとき論法はもはや時代錯誤に過ぎないだろう。

 現在、直面している日本の学校教育の危機はもちろん教師の待遇の悪さ、教師不足などにも起因するが、おそらくそれだけではあるまい。日本の画一的、管理主義的教育がはらむ負の機能によって広範に生じていると思われる児童生徒たち及び教師たちの自己肯定感の低さ、社会への当事者意識の低下なども、日本の民主主義を将来的にも脅かす深刻な問題であるはず。

 児童生徒のみならず、教師にすら自己決定権をまともに行使する機会を与えてこなかった日本の管理主義的公教育自体が、IT化時代の趨勢と決定的な齟齬を生じている側面は決して見逃せまい。集団主義的一斉指導から個別最適化ならびに個性化、多様化へと教育の舵を切り、イジメを見逃さない、豊かな多様性が尊重される学校社会を構築する…そうした方向性を強く打ち出すには第一に教師主導による一斉講義形式の授業を最小限にとどめる工夫が絶対的に必要となるだろう。

 一方的で押し付けがましい公教育から、教師、児童生徒ともに主体的で意欲的に学ぶ授業の創設こそ、日本の公教育に切実に求められている本質的「改革」であり、小手先の「改善」を説く本動画には個人的に万不同意である。

参考記事

「ますます教育格差も」 自公維の高校無償化に、和歌山県知事が苦言

   毎日新聞 2025.3.7

 高校の無償化が公立高校の志願倍率を下げ、私立高校のシェアを拡大することで教育格差の問題を悪化させるという意見は、保革の立場を超えてかなり多く支持されているように見受けられる。確かに東京都や大阪府のような、公立高校の低受験倍率状況がこれを境に全国に広がってしまう可能性は決して低くは無いだろう。

 議論が錯綜しがちに見える理由はこの政策が一見すると、家庭間の経済格差によって生じてしまいがちな、教育を受ける機会の不均等さへの是正措置となりうるように見える点にある。しかし維新の会の真の狙いは、そんなことよりも無競争的であるがゆえに自己改革を怠りがちな公立高校と教師たちの淘汰、すなわち学校間、教師間の競争を煽って公教育の民営化を強力に推進することにあるように見受けられる。そうした立場からは公立高校の没落はむしろ大歓迎されることになるだろう。

 ところが長らく文科省が及ぼしてこれた高校教育における強大な影響力、統制力の大きな低下を恐れる官僚たちや自民党の保守派は、私立よりも管理統制しやすい公立高校の没落を必ずしも歓迎しないのではあるまいか。だからこそ和歌山県知事のような、格差拡大の論理を用いて高校無償化を危惧し、本音では公教育の保守性を固守せんとする…そういった動きも各方面で見られるのだろう。

 教育の画一性を緩め、過剰な管理統制主義を排して児童生徒の個性や多様性、自己決定権を重んじる方向へと大胆に舵を切ろうとするのであるならば、改革への動きの鈍い公立高校の淘汰は少なからずプラスに働くかもしれない。

 私立高校のシェアがたとえ半分を超えたところで、和歌山県知事のように教育の格差が拡大するはずだと決めつけるのはいかがなものだろう。実際には、彼の主眼は教育の格差拡大を脅し文句に使って財政負担の避けられない高校教育の無償化を妨害しつつ、公立高校のシェアを守ることで公教育が孕んできた頑迷な保守性の存続を画策することにあるのではあるまいか。

「決まったことが伝達されるだけ」になってしまった学校の「職員会議」。「学校

 運営にかかわりあいたくない」という若い教員も多数派に

 日刊SPA! の意見 2025.1.7

 児童生徒の当事者意識、主権者意識を育む立場の教師たちの心中には、残念ながら所属する学校への当事者意識がほとんど見られない。この点は、学校がガラパゴス化の道を歩み続けてしまう大きな原因の一つであろう。2000年から職員会議は校長の職務をサポートすることと位置付けられた。

 これはあたかも大日本帝国憲法下での天皇と議会との関係のようであり、民主主義からは程遠いのが現在の学校である。教員たちはもはや校長ら管理職の輔弼にあたるだけであり、校長らの協賛機関に過ぎない、と言っても過言ではあるまい。こうした非民主主義的な学校運営が職場を腐敗させてしまったのではあるまいか。学校教育法改悪の結果、職員会議で多数決を取る場面がなくなり、職員の意向を無視して校長の独断が横行するようになったのは千葉県だけではあるまい。

 企画委員会のメンバーになったことがあるが、その企画委員会ですら、今は校長らの諮問機関に成り下がっている学校が少なくないのではあるまいか。意見は言えても結論は校長任せ…これで当事者意識が会議のメンバーに生まれるわけがあるまい。

 こうした結果、様々な問題を抱えて学校が定員割れを起こし、地域住民の信頼をすっかり失っている状況であっても、新任の教師たちの多くは「外れクジを引いた」とばかりに転勤希望を出すだけとなる。教師たちが中心となって学校を改善しようとする意欲は近年、ほとんど見られなくなっているようである。むしろ下手に意見を言えば、多くの学校では「あいつは管理職を目指している」と後ろ指を指され、いずれははしごを外されるのがオチであろう。

 千葉県の公立高校受験の志願状況などをみると新学年2クラス、新入生80人の募集なのにわずか20人台の志願者しか集まらない高校が複数、存在している。つまり1クラス分すら集まらない、大規模な定員割れがそこでは例年の様に生じている。

 確かに少子高齢化の中で過疎地の学校の多くは生徒集めに苦戦を強いられている。しかし中には比較的、都市部に近い立地にありながら、20年余りも危機的な状況に置かれている高校もある。そうした高校では少子高齢化を定員割れの口実にするわけにはいくまい。

 あきらかに学校経営の失敗がその高校には随所に見られるはずである。改革の主体が教師たちに無い現状では管理職の手腕が厳しく問われているはずだが、大きな定員割れを起こしていても、管理職がその責を厳しく問われた試しを聞いたことがない。つまり職員会議の諮問機関化は改革の主体が喪失する事を意味するのみならず、誰一人定員割れの責任を問われないという、無責任体質を創り出してしまったのだ。

 かつてはそうした教育困難校でも定員割れへの危機感を持った管理職や教師たちが中心となり、どうすれば少しでも志願者を増やせるのか、学校の荒れを沈静化できるのかについて各種会議で白熱した議論を続けていた。私も20年余り前に学校改善委員会を組織して教師や生徒たちを対象にした質問紙調査を行い、その結果を踏まえた学校の具体的改善案を職員会議で幾度か提示した経験がある。こうした動きは当時、どの学校でもごく自然発生的に見られていたはずである。

 しかし、教育困難校では今や教師の誰もが普段は押し黙ったまま、大して文句も言わずにただ年末になると転勤希望を出し続けるアリサマ。管理職も、定員割れに対して県から何ら責任を問われることが無いため、入学時の定員割れは放置されたまま。他方で自分の管理責任が問われてしまう自校の教師の不祥事を極端に恐れている。結果的に厳しく教師たちを隅々まで管理しようとしているのが多くの管理職の実態である。自己保身こそが管理職の管理に対するインセンティブを生み出しているのだ。

 こんな状況で学校現場から自己改革に向けてのインセンティブが生まれるわけはあるまい。児童生徒の当事者意識の薄さを問う前に、教師たちの学校運営者としての当事者意識を高めていく工夫とは一体何なのか、こんな事態を招いた張本人である文科省はぜひ有効な解決策を提示すべきだろう。

生成AIの学校活用ガイドライン、文科省が改訂 リシード 2024.12.27

 今や生成AIを学校現場でも積極的に活用することが求められる時代であることは間違いなかろう。とはいえ、生成AIを自在に活用できるだけの知識、技術を身につけられるだけの時間的余裕は今の教師たちに残されているのだろうか。これもまた教師の自腹、自助努力に結局は依存することにならないか。

   特に40代以降の教師はかなり手こずるのではないか。夏休みや春休みなどに、各学校を会場とする無料の出前講習会を最優先で開催するといった工夫はできないのであろうか。生成AIを利用できる教師と利用できない教師との間には今後、明らかに埋めようもないほどの落差が生じてしまうだろう。その技量の有無が人事に反映されてしまうのはもはや時間の問題である。教師間に、さらには生徒間に生成AIの利用が出来ない「IT難民」を増やすことだけは避けたい。

茨城県、2025年に教員採用改革…エン・ジャパン 2024.12.18

 一見、素晴らしい取り組みに見える茨城県の試みであるが、実は非常に危険な方向性も感じられてしまう。認識としては社会の進展に旧来の学校教育が取り残されつつあることは間違いない。外部の人材を積極的に取り入れる試みも正しい。

 しかし学校現場では旧来の教師たちが相変わらず多数派であり、校長、教頭もまたしかり。外部から招いた人材が多少は新風を学校に吹かせることもあるだろうが、それも一時的に過ぎない現象かもしれない。結局は「多勢に無勢」となりかねないのは東京の麹町中学校の現状が雄弁に物語っているだろう。「大山鳴動して鼠一匹」では時間と労力の無駄遣いに過ぎなくなる。

 改革を成功させる上で最終的にカギを握る教師の多数派を少しでも改革に向けて変えていくには、やはり少数精鋭作戦では無理がある。相当、まだるっこさがあるもの

の、教員養成教育の見直しや現職教員に対する研修内容の見直しは欠かせまい。ただしそうした取り組みに先立って解決すべき緊急の課題がある。

 学校改革の成否は一般の教師たちの取り組み次第であることは、一世紀も前から明らかにされてきた。一般教師が容易にはできないことを当面、外部人材で補う、という発想は必ずしも悪くは無いのだが、そこには大きな危険性が伴うことは学校全体に周知させておくべきだろう。

 最終的には教師全体が改革の方向を理解し、改革の実質的推進力にならなければ意味が無い。とすれば教師たちが改革に取り組めるだけの十分な時間的、体力的余力をあらかじめ設けておく必要があるはず。つまりまず最初に取り組むべきは学校の仕事の大幅な縮小、削減である。

 そして茨城県の教育委員会にそうした心構えがどれほどあるのか、社会は厳しく監視していく必要がある。でなければ今までと同様、「学校改革」という名で再三繰り返されてきた酷い仕打ちに、教師たちはまたもや疲弊し、挙句の果てに心身の極限まで追い詰められてしまうだろう。

 長野県の取り組みと同様、学校の仕事量の大胆な削減を先行させないような改革への取り組みは、それがどんなに素晴らしい目的を持つ、どんなに斬新なものであっても、決して釣られて乗っかってしまってはなるまい。そうした改革は結果的に教師の健康を蝕み、家庭生活まで破壊し、ついには学校全体、公教育全体を崩壊させ、児童生徒を混乱させるだけのものに過ぎない、と考えるが、いかがか。

 「教育改革」という名の「やりがい搾取」によって、その裏側で一部の教育委員会のメンバーの功名心の犠牲に捧げられてしまった教師たちの数々の屍を、もうこれ以上積み重ねることだけは絶対に許してはなるまい。その点、実に差し出がましい限りなのだが、茨城県の教師たちは今後、県の「改革」の動向に関して一層厳重な警戒をしておくべきであろう。

怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは

   DCSオンライン によるストーリー 2024.11.8

   とある業界で今、どのような企業の戦略が功を奏しているのか、なぜ功を奏しているのか、これらを知ることは経営の観点からすれば極めて重要であろう。もちろんすべての業界の動向についてまで学校としては知っておく必要が無いが、消費者の動向に大きく左右される小売業界の最新動向などは進路指導、就職指導にも生かせるので社会科教師や進路指導部員、学校管理職などはぜひ注目して欲しい。

 小売業界は飲食業界と並んでCMなどを通じ、児童生徒にとって比較的身近な存在である。その成功事例は社会の変化を捉えるための事例として、また生きた経済の動きを知るためにも授業で取り上げれば比較的とっつきやすく、理解しやすい。同時に校長などは学校経営の立場から時折、注目しておくべきポイントが潜んでいる。

 ロピアのケースで注目すべきは人材登用のスピード感が学校におけるそれとはまったく違う点であろう。教頭や校長といえば、通常、多くの教師にとっては最終到達点であり、30年以上の歳月を要して年功序列の階段を上った挙句にようやくたどり着ける、あたかもスゴロクの「上がり」のような地位となって見えるだろう。

 しかし私立高校の中には30代の若者を校長に大抜擢して一気に学校の評判をあげ、急成長を遂げた事例があるように、教育界でも旧来の年功序列型人事を見直す動きが無いわけではない。日本の政治や教育が旧態依然のままであり、時代の急速な変化にしっかりと追いつけてはいない印象があるのは、まさに年功序列人事による「老害政治」、「老害教育」が今の日本にはびこってしまったせいでもあるに違いない。

 実際、わずか数年で店長になれるケースまで存在するロピアでは店員たちの職務へのモチベーションが高く、出世のチャンスは年齢を問わずに存在している。それがロピアの急成長と店舗数の拡大へ、大いにつながっているようだ。

 また若手にも広くチャンスが与えられるため、旧来の伝統にとらわれない、新奇なアイディア、発想が続々と各店舗、各売り場から出てくる点もロピアの成長を支えているようだ。店舗の置かれている環境、消費者の動向の変化や特色をいち早く捉えて即、売り場に反映させていくスピードも速いのだそうな。

 振り返って学校教育界を見てみよう。斯界の変化の遅さは「金魚の糞」にもよく例えられるように、極めて遅い。よく言えば時代の風潮に安易に流されない、手堅さがある。時代の変化がゆっくりしていた時代なら、それでも大きな不都合はなかったかもしれない。しかし科学技術の進歩は日進月歩の勢いで、社会もそれに伴い、急ぎ足で大きな変化を求められている。「百年一日」のごとき日本の教育界だって、今や時代の急速な変化にそれなりのスピード感を持って対応すべき時代であろう。

 政治家と教育会の人事的若返りは日本が世界の進運に後れを取らないために、今こそ切実に求められているはず。過去の栄光にしがみつき、保身に走りがちな「老害」を一刻も早く排除して、清新な発想と失敗を恐れない、意欲に満ちた30代、40代の大臣や校長が普通に存在する日本でありたい。

授業時間は韓国の「10分の1」中学生の情報教育 教員不足も深刻なぜ? #みんなの

   ギモン 日テレNEWS NNN によるストーリー 2024.10.30

   最も力を入れるべき情報教育においてすら、惨めなほどまで世界から遅れてしまっている日本の学校教育の現状に背筋が寒くなる思いがする。日本経済停滞の原因となっている学校教育の遅れについて日本政府は一体、どんな認識を持っているのか、厳しく問い詰めたくなる。

   文科省はこれまで口を開けば自分たちの手柄話、自慢話を繰り返し、ひとたび問題が露見すると自分たちの失敗はすべて棚に上げて学校現場に責任転嫁してきた。そのツケはいずれ国民全体が支払わされることになるだろう。

   日本の教育政策、教育行政のどこに問題があったのか…一刻も早く、学校教育の根本的改革を進めていかないと手遅れになってしまうのではあるまいか。

「保護者からの個人的な電話に悩まされている」“うつ病”で休職する教師が激増…

 日本で“教員不足”が深刻化する本当の理由

 文春オンライン 池上 彰 によるストーリー 2024.8.19

 教師不足の原因に安い給料と重い負担の二つはよく挙げられている。特に負担軽減は一刻を争う問題であり、部活動の地域社会への移行を中心に取り組むべきことは多い。しかし給与の引き上げは一刻を争う問題ではあるまい。むしろ給与と仕事の責任の重さとは比例する部分があるため、給与の引き上げは時に負担や責任の増大を招きかねない。したがって中教審の給特法改正案は極めて危険な要素を秘めており、要注意である。

 教員不足の原因は他にも考えられるだろう。教師の質的低下、教師集団の強い同調圧力がもたらす職場の息苦しさ、年功序列型の給与体系と人事などにおける老害の跋扈、無能な管理職の存在、放置される職務分担の不公平、旧態依然な授業内容や授業方法の残存、事務仕事に見られるブルシットジョブの増大、的外れな研修の増加、教師の社会的威信の低下、児童生徒や保護者への個別対応の増加による集団的、管理主義的指導の行き詰まり…いずれも教職の魅力を酷く押し下げている現象であるにもかかわらず、これらに対する文科省の対応はイマイチ、学校現場の実情とズレており、トンチンカンな印象が強い。

 本質的に改革すべきは上意下達の管理主義的教育行政のあり方であり、教員養成教育の根本的見直しであると考えるが、いかがか。これらをぼやかし、ごまかしておきながら、給与の引き上げと新味のない教職の魅力アピールばかりで教師志望者の増大を狙うのはまさにキャッチセールスに等しい詐欺的行為ではないか。

公立高校の校長「現場と自治体の間」で揺れる苦悩 人手不足の中、問題行為起こした

   先生の対応も 東洋経済オンライン   濱井 正吾 によるストーリー 2024.7.11

   公立中堅校の困難さはまず進路多様校であり、進学から就職まで、幅広く指導できる力を教師たちに求められる点が挙げられる。生徒指導も生徒の多様性に応じた幅広い対応が求められるため、意外に厄介である。当然の事ながら、授業に対する要求も幅広く、受験対応から思考力重視、楽しさ重視など、授業も重点の置き方を時折、変えて臨む必要がある。加えてこうした学校は校数が一番多いため、教師もまた多様性を極めており、かなり大きな問題を抱えている教師が複数いたりする点も困難さを招く要因として挙げられるだろう。

   しかし、特に目立つ問題点は校長の話に出てくるように、意欲に欠ける教師たちが少なからずいる点である。彼らは進学校への転勤を希望している事が多く、そのほとんどは自分の現勤務校を進学校へ転勤するための、ただの一時的通過点として捉えがちで、ややもすると日常的に不本意で残念な思いを引き摺りながら過ごしている。しかも進学校を志向しているため、生徒指導の手を抜くことが多く、かつ授業も難易度を下げようとしないため、生徒の実態からかけ離れた指導や授業を続けがちとなる。こうした教師たちが一定の割合を超えてくるとたちまち学校の評判が悪くなり、入学試験で定員割れとなる危険性が高まってくる。

   生徒たちもまた進路が多様な分だけ、逃げ道が多い。すなわち部活動推薦で入学してきた生徒の多くは次も推薦で進学しようとするため、一般受験のための準備は怠りがちとなる。彼らは部活動に専念するあまり、学力向上には元々関心が高くない。中には部活動の実績で次の進学先も決めようとする生徒もいる。では在校中、部活動に本当に専念するのかというと、実はそうでもない。練習が苦しくなると、塾に行く…などといって勉強を口実に練習から逃げ出す者も出てくる。学習、部活動どちらにせよ中途半端な印象が拭えないのが、中堅校の生徒たちなのである。

 私の経験であるが、当初、センター試験(現共通テスト)の受験希望者が若干名いたものの、全員、二学期に推薦で進学が決まってしまい、誰一人として共通テストを受験しない年があった。いわゆる偏差値で50を超える市内の公立高校のトップに位置していた学校であるにもかかわらずセンター試験の受験者ゼロ…これにはビックリ仰天であった。

 9月中に推薦で進学がほぼ決定した少なからずの生徒は、それまで真面目に取り組んでいた授業を、10月以降、まさに掌返しでサボり始める。中には運転免許を内緒で取得し、バイクを乗り始める者もいたりする。成績は二学期後半からガタ落ちし、進学先の大学から課された課題の提出までサボりだすような者も出現する。

 こうした生徒たちの進学先での成績をあくまでも個人が特定されない、大雑把なデータではあるが、何度か大学側から見せてもらったことがある。地元では伝統のある有名私大だが、推薦入試で入学した学生の半分近くが成績不振で留年、退学者すらチラホラ出ていた。もちろん苦労して一般入試で入学した学生でも成績不振に陥る者がいないわけではないが、数は明らかに少ない。推薦入試の合格によって瞬く間に遊び癖、サボり癖をしっかりと身につけてしまった一部の残念な生徒は中堅校では決して少なくなかったのである。

 大学側でもこうした事態をかなり憂慮していたようで、別の地元私大(こちらも伝統校)では、たとえ推薦入試で合格していたとしても入学前の課題を出さない生徒は合格を取り消す、との発言があった。またそうした生徒を送り出した高校の指定校推薦枠を減らす、という大学も実際にあった。生徒数の減少に焦り、現在の総合選抜型入試(かつてのAO入試)や一般推薦の枠を拡大する私大が多くなる一方で、こうした悩ましい問題を抱える大学も増えてきたようである。

 私は以上のような経験から、これらの問題を主に発生させているのがもっぱら公立の中堅校であった、と考えている。教師にとって意外に感じるほどに中堅校の多くはけっこうな困難校だと言っても過言ではない。中堅校に転勤することとなった教師はあらかじめ相当の覚悟を固めておく必要があると考えるが、いかがか。

公立高の履修単位数、約98%が学習指導要領の最低基準を上回る

 リセマム 2024.6.27

 単位制を取る定時制や通信制ならば普通は最低基準の年間履修単位数を基に担任が生徒の履修指導を行う。もちろん単位制なので生徒が多少、単位数を多めに履修申請することは頻繁に見られる。また単位制ならば卒業年次まで基本的に留年が無い。年度途中で家庭環境が激変したり、心身の状況が悪化したりしても、クラスが下の学年と一緒になる心配は卒業年次以外無いのだ。こうした点は中学校時代、不登校気味の生徒にとっては極めて喜ばしいシステムだろう

 また単位制を取っている場合、1~2年次で真面目に目いっぱい単位数を稼いだ生徒たちは、3~4年次ではかなりゆとりのある時間割となっている。これもまた進学を考えてバイトを必須とする生徒たちにとっては大きなメリットになっている。特に三部制の定時制などでは結果的に年次が進むにつれて生徒によって来校する時間や帰宅する時間がかなり異なってくるため、HR、清掃の時間設定が難しくなるといった欠点はあるものの、時間の割り振りが生徒たちのそれぞれの家庭事情に応じられる柔軟性を持つ点は単位制が高く評価される所以であろう。

 しかし多くが学年制をとるごく普通の全日制普通科では各学年で取得できる単位数がおおむね画一的に決められている。このため全学年で同じような単位数の時間割となっている学校が多い。もちろんほぼ全員が同じ時間に登校し、下校している。その中で進学校では受験を意識した選択科目の講座を3学年で数多く用意するため、どうしても最低基準を上回る履修単位数となりがちである。

 全日制普通科の教育困難校であっても成績や出席数が足らずに単位を落とす生徒が続出するので、1~2講座程度ならば単位を落としても何とか3年間で卒業できるよう、あらかじめ多めの単位数、講座数が設けられている。

 以上のことから公立高校の履修単位数は概して学習指導要領を上回ることが多くなると考えられる。しかしそのこと自体は大した問題ではあるまい。ここで問われるのは果たして全日制普通科の高校で、今後も引き続き今までのようなリジッドな学年制を取る必要があるのか、否か、である。実は何でもかんでも全国画一にして管理しやすい体制を志向する、といった日本の悪しき教育行政の伝統がこの問題の背景にも潜んでいるのではあるまいか。

 すなわちできるだけ必修科目ばかりにして選択科目を少なくし、一講座でも落とすと留年決定…生徒からすれば選択の余地が無く、一講座も落とせない学年制の不自由さの中でひたすら我慢を強いられるカリキュラム…これは既に在宅ワークが増えて勤務時間もフレキシブルになり、転職の自由も拡大してきた近年の労働環境の変化とのミスマッチを起こしかねない、かなり時代錯誤の教育体制ではないだろうか。

 本来ならば3年間の最低取得単位数は74であり、一日5時限、週5日の授業日数で3年間を送れば卒業できるはず。これは全日制普通科高校であっても同じである。仮に一日の日課が5時限とされれば放課後を自分なりに有意義に過ごしたい生徒にとってはうれしい限りである。逆に遠距離通学や早起きが苦手な生徒ならば2時限目から学校の授業が始まると嬉しいに違いない。学校の時間割は一日6時限で組まれるが、生徒はそのうち自分の都合に合わせて5時限だけ受講すれば良い、というシステムは現行の学習指導要領でも十分可能に見えるのだが、いかがだろう。

 もちろんこのプランを実行に移すには教師の数を増やす一方で部活動の指導を無くすといった大胆な仕事量の削減が大前提となる。単位制による教師の授業負担の増大はかなり過酷なものであり、現在のブラックな学校の現状を変えない限り、単位制の導入はまったく不可能と考える。

 とはいえ単位制のメリットはどの授業においてもほぼ同じクラスのメンバーと一緒であり続ける、固定した人間関係の窮屈さから少しだけ生徒を解放する点にも見いだせる。これは単位制がイジメなどクラスの人間関係に起因する不登校や自殺問題への有効な対応策となることを意味する。戦後の教育改革で新制高校の三原則の一つであったはずの総合制の導入を一部でも実現するには単位制を念頭に置いたカリキュラム改革はもはや不可避ではあるまいか。

 繰り返しになるが、こうした抜本的な改革を行う上でも教師の負担軽減こそ、最優先される「改革」なのだと考えるが、いかがだろう。

中堅がどんどん辞める職場 「時間の無駄な朝礼、昭和みたいな会社。働き方改革と

   は真逆です」と語る女性 キャリコネニュース によるストーリー 2024.6.23

 まさに一部の学校でも同じ様な事態が進行している。職員会議はもはや話し合いの場ではなく教育委員会や校長からの指令を伝えるか、事務連絡の場に過ぎず、ほぼ教師全員が反対している案件でも校長の一存で決定してしまうのが千葉県の現状。そこには民主主義の精神の欠片すら、残っていない。当然、まともな教師ほど早く異動しようとする。毎年、異動する教師が多いため、煩雑を究める仕事の伝承が困難となっており、新任はいきなり主任やクラス担任を任せられる。こうした学校では4月早々から仕事上のミスや不祥事が連発しがちとなる。

 50年近く前から管理主義教育の権化として「東の千葉、西の愛知」と並び称された千葉県。その頃と比べても教師が置かれている境遇は改善されるどころか悪化する一方であり、学校の不祥事はいよいよ連発している。せいぜい改善されたと言えるものは校舎の一部にようやくクーラーが設置されたことと通知表を手書きしなくても良くなったことぐらいだろう。

 かつて教師が自主的研修に取り組むことを可能とした時間的余裕は完全に奪われ、学校運営に関して激論を戦わせた職員会議も今はつまらない連絡事項で埋め尽くされてしまった。教師の仕事もまた多くはアリバイ作りの不毛なブルシットジョブの塊と化し、授業の工夫に費やす、もっともやりがいを感じられるはずの時間は欧米の教師とは比較にならないほど貧弱なものとなってしまった。このままでは一体いつまで教師たちを教職に引きとどめておくことができるのだろうか、疑問でしかない。

 「働き方改革」とは本来、教師たちの業務量を削減することを第一目標にすべきものだろう。ところが現実の学校ではもっぱら残業時間を削ることだけに特化し、退勤時間の厳守ばかりが徹底される。結果的に膨大な量の校務持ち帰りが常態化し、多くの残業は自宅での「勤務外時間」中に隠蔽される。のみならず帰宅途中のUSBなどの紛失による個人情報漏洩の危険性をも高めてしまっている。

 こうした実態こそが世に言うところの「働き方改革」が現場にもたらしている本当の姿であろう。文科省も世間もその現状を知ることはほとんどあるまい。残念ながら学校もまた「昭和」の中にずっと封印されたままなのだ。学校のブラック化とブラックボックス化は何一つ改善されていない…それが教師たちの早期離職、休職を招き、教師志望者を減らしている真因なのではあるまいか。

 

国立大を「授業料値上げ」に追い込んだ「真犯人」 大学はただ「ピーピー騒いでいるだ

   け」なのか 東洋経済オンライン   古川 雄嗣 によるストーリー 2024.5.28

 とりわけ教育いう観点から見れば国立大学の現状はまさに「亡国」的な悲惨さに直面しているのかもしれない。新自由主義的競争原理の導入によって営利目的の研究が肥大していく分、営利に直接結びつかない基礎的な研究や教育がおざなりになっている…とすれば確かに日本の行く末は相当、ヤバイだろう。

 東京都や大阪府で進みつつある、ある種の高校教育の民営化もまた同じ論理で進められているとすれば、これはこれでヤバイのかもしれない。しかし、大学教育とは違ってこと高校教育に関しては現今の公立高校の停滞ぶり、低迷ぶりが甚だしく、もはや放置できる現状では決してあるまい。対してかつての国公立大学には現今の公立高校ほど酷評されるほどの低迷ぶりが表面化していたわけではなかった。にもかかわらず政治的判断で独立行政法人化が強行されてしまったのである。

 教育機関をもっぱら営利目的に従属させるような発想は児童生徒学生たちの学習における主体性を損ないかねない。そもそも彼らは営利目的オンリーで学習意欲をかき立てられてはいない。学びたいという欲求の源は多種多様であり、個性的である。彼らの多様性を受容し、個性豊かに育むためにも、国立大学が置かれている状況は早急に改善すべきだろう。

 しかし公立高校の現状は硬直化が甚だしく、大学とは違って生徒たちの多様性、可能性を押しつぶす側面の方が目立ってきている。さらに画一的で管理主義的な教育行政の下で教師たちまでが窒息してきている。文科省や都道府県教育委員会の無意味で厳しい統制が続く限り、おそらく高校教育の行き詰まりは打開できないだろう。したがって高校教育の将来は、N校などの躍進ぶりを見るにつけ、公立よりも自由裁量の余地が大きい私学の創意工夫にまつところが大きいと思うが、いかがだろう。

日本の教育現場にもEBPM(証拠に基づく政策立案)を! EBPM導入によるメリッ

 トを慶應義塾大学・中室教授が解説TOKYO MX+ によるストーリー 2024.4.4

 これまでまともなデータすら持たないままできた日本の学校教育の世界は自分たちの教育が欧米に比べて惨めなほどに遅れているという歴然たる事実を頑なに認めようとして来なかった。日本が遅れているという事を示すまともなデータが手元に無いことを良いことに、長らく開き直ってきたのだ。近年ではPISAの得点ばかりを気にしているうちに、かえって日本の学校教育は一層の遅れをとり始めてしまったと考えるべきではないのか。

 文科省は学校の実態、教師の実態を正確につかむ努力を徹底的にサボってきた。政治家や官僚たちの得点稼ぎばかりを目指す政府が休みなく繰り出すエセ教育改革の連打こそが教師を疲弊させ、学校の教育力を低下させてきた張本人ではないのか。真っ先に急ぐべきは教師の業務の徹底的削減を断行することであり、現状では教師たちにそれがどんなに素晴らしい内容であったとしても、教育改革を担っていけるほどの余力は既に残っていないだろう。加えてこのままでは教員採用試験の受験倍率は低下する一方である。すなわち日本の学校崩壊は目前に迫っているのかもしれない。

 もちろん信頼しうるまともなデータの収集も急がれようが、過去のデータが限られている分、残念ながらデータに基づく政策立案は当分先の話、と見てよい。一刻を争うべきは業務の精選を通じた教師の負担軽減の方であろう。

「どの都道府県で育つか」でこれほど違う大学進学率、背景に高校制度…普通科

 88.6%の東京、地方との圧倒的な機会差

 JBpress 松岡 亮二 によるストーリー 2024.4.5

 この記事でも文科省や政府の打ち出す教育政策に科学的な根拠の希薄さが指摘されている。世界ではいわゆるエビデンスに基づいた政策の立案が求められているのに、安倍政権が行った「教育改革」の策定からは教育学者、とりわけ重要な役割を果たすべき松岡氏のような教育社会学者がほとんど外されていたことを思い出してしまう。しかも「教育改革」への評価は客観性を欠き、ただの自画自賛に終始してきた点も見逃せまい。アノ犯罪的な教員免許更新制への振り返り方を見れば、これまでの教育政策の多くが実際には政治家や官僚の点数稼ぎに過ぎなかったと思わざるを得ないのだが、いかがだろう。

私人逮捕なぜ称賛?真山仁さん 背景に「何言ってもダメな社会」

   毎日新聞 によるストーリー  2024.1.10

 国民の間に広がりつつある無力感、閉塞感の正体を突き止め、そこから脱却する方途を探りたい。暗記と特定の考え方を押し付ける画一的で管理主義的な日本の学校教育を変えていくことも一つの方途。これまでどんなに批判されても、否定されても、「何言ってもダメ」だった学校、ダメな教師、ダメな教育委員会、ダメな文科省の壁をどう崩していくのか、ぜひ授業で討論させたい。

【日本軍の敗因】「悲惨な結果を生むリーダー」7つの共通点

 ダイヤモンド・オンライン 書籍オンライン編集部 によるストーリー 2023.7.4

 先の大戦における日本軍の敗因を探る中で日本人が伝統的に抱えてきた7つの「失敗の本質」が見いだされるという。軍隊と学校とは日本の富国強兵化、近代化を推進するための車の両輪であり、両者は兄弟のように近しい関係にあるとされている。したがって、以下の7点は学校という組織にもほぼ共通する弱点であると考えても差し支えないだろう。

 

 ① 「戦略性」──俯瞰的な視点から最終目標への道筋をつくれない

 ② 「思考法」──革新が苦手で錬磨と小手先の改善が得意

 ③ 「イノベーション」──ルールをつくり出せず、既存のルールに習熟する

 ④ 「型の伝承」──創造ではなく「方法」に依存する

 ⑤ 「組織運営」──勝利につながる現場活用が苦手

 ⑥ 「リーダーシップ」──現実を直視できず、環境変化に合わせて判断できない

 ⑦ 「メンタリティ」──「空気」と同調圧力、リスク管理の誤解

 

 実際、太字にした部分などは日本の学校にもズバリ当てはまる組織風土に思える。現在の急速な技術革新にともない、柔軟で斬新な人材育成策が求められる中で、日本ばかりが多くの場面で世界に遅れをとってしまう大きな原因が企業社会だけではなく、日本の学校教育にもあることを示唆していると考えるが、いかがか。

 ブラック校則をいつまでもはびこらせ、相変わらず精神的鍛錬を軸とした部活動や学校行事、個性や多様性を犠牲にした画一性の強要などを温存してきた学校教育の頑強な保守性は、日々の革新を迫る、変転目まぐるしい現代社会との間に大きな齟齬を生み出してきていると考えられないだろうか。

 

 もちろん学校教育に関わる法制度の見直しや文科省や教育委員会の組織改革だけでは学校を変えることが出来ない。学校教育の改革を実効あるものとするには現場における改革の担い手である教師自身の改革が伴っていなければならないはず。まずは教師の意識や能力、技術、適性の見直しが必須となる。

 すなわち大学における教師養成教育の抜本的な改革(一斉講義形式からの脱却を目指すべく、探求型の個別学習・グループ学習や実験・調査・討論を軸とする授業力の養成を軸とする、今以上に充実したカリキュラムを大学では組むべきである)を基本的な前提とする包括的な観点からの法制度や組織などの見直しが行われる必要があると考えるがいかがか。

 

松谷創一郎×宮台真司×神保哲生【5金スペシャル映画特集+α Part1】ジャニーズ

 を「サンクチュアリ」(聖域)化し、ジャニー喜多川を「怪物」にしたものとは

 videonewscom  2023/07/01  1:56:11

 学校社会もまたジャニーズ事務所が君臨する芸能界やマスコミと同様に聖域化してしまい、法律以上に学校社会特有の掟が幅を利かす村社会、アウトローの社会なのかもしれない。だからこそ事件の隠蔽が横行し、不祥事が多発してもブラック校則や一斉講義形式の授業が残存し続けるのだとすれば、ジャニーズ事務所の問題と同様、学校社会もまた、一度は組織の膿を出し切らなければなるまい。

 

宮台真司】"他人を見捨てる"「日本社会」なぜ助け合わないのか?

   NewsPicks /ニューズピックス 2023.5.20

 現代日本の何がダメになっているのかを根本から見直す、有意義な見識に満ちていると思うがいかがか。民主主義を危機に導く「民意の劣化」をもたらしたのはもっぱらマスコミと学校であろう。特に学校教育の責任は重大であると考えるが、いかがだろう。

 民意を育てるには国民の知る権利が最大限保障されている事が一つの基本条件であるはず。しかしほとんど情報統制の道具と化してしまったマスコミや学校教育がもたらす情報の偏り、加えて本来、周知せしめるべき情報の隠蔽とがあいまって日本国民の「愚民化」を推し進め、今に至る…

 政治について論ずることの出来ない主権者の増加は再び民主主義の暴走を招くに違いない。未熟であっても論じ続けられる場と機会が乏しい日本の社会を作り出したのも、生徒の意見を尊重せず、服従と忖度ばかり一方的に強要する一斉講義形式に依存してきた日本の学校教育ではなかったか。

参考記事

今の職場で本当に大丈夫?メンタルに悪影響を及ぼす「ブラックな職場」の特徴5つ

 ライフハッカー編集部 によるストーリー 2021.8.14の記事再編集

 1.自身の権力と力の誇示に必死な上司・先輩がいる

 2.職場や現状に対する「あきらめ」がある

 3.陰口・噂好きな人が影響力を持っている

 4.フィードバックが個人攻撃になっている

 5.情報の周知が十分になされない

 以上の5点がブラックな職場に見られる特徴だというが、学校もこの5点を満たす職場が増えてきているだろう。生徒たちには資料を読ませる前に、あらかじめメンタルが病みやすい職場、組織の特徴をできるだく数多く挙げさせておくと話が進みやすくなるだろう。学校教師集団にはどのような特徴があるのかも挙げさせておくとさらに議論が活発化すると思うが、いかがか。

「教員や学生の声も聴いて」働き方改革めぐり、若手教員ら国に要望

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.11.8

 上意下達の権化たる文科省がこうした要求に耳を傾けるはずもなく、相変わらず下らない弥縫策を自慢気に示すだけになるだろう。

首都圏の公立中高一貫校の志願者が大きく減っている4つの「理由」とは?【2024

   年中学入試を読み解く】 AERA dot. 井上修 によるストーリー 2024.5.22

   私立中高一貫校は人気となり、公立中高一貫校が不人気となった理由としてこの記事では以下の4点を挙げている。

      ①説明会など学校を知るチャンスの少なさ

      ②教育の硬直性

      ③施設の古さと柔軟性の欠如

      ④高校無償化

 ②と③は重なる部分が大きいだろう。①もまた公立学校の弱点である。つまり①から③までは中高一貫校に限らず、公立校の限界を示す弱点である。それらに加えて公立校唯一の長所だった授業料の安さ、無償化が大阪府や東京都を先頭に私立にも適用されることになれば、もはや公立校の売りは何一つ存在しない。大阪府が先頭になって推し進めている府立高校の事実上の民営化は今後、全国的に波及するだろう。この動きが公立校と比較して相対的に自由で個性的な私学の取り組みを日本の学校教育全体に少しでも普及させることにつながるとすれば大いに歓迎すべき現象である。

大阪で私立高校ブーム、専願者が20年間で初めて3割突破 授業料完全無償化で選択

 に幅 産経新聞 2024.6.19

 上の記事を補完する内容となっていて参考になる。特に公立高校と私立高校との教員採用のあり方の違いから私立高校の優位性が説かれている箇所は納得できる。

後絶たぬ学校現場での個人情報漏洩、教員へのルール浸透に課題 5年度は218件発

   生 産経新聞 2024.8.27

   学校でヒューマンエラーが頻繁に生じる背景には教師たちの過重労働と強いストレスの蓄積があるはずだが、そこにはまったく触れようとしない教育委員会、教育行政側の認識に大きな問題を感じてしまう。教員へのルール浸透、情報技術の高度化…といった教師の負担を増やす方向でしか問題解決が模索されていない現状には絶望感すら覚えてしまう。

 授業ではこの問題に対する生徒たちの意見を募りつつ、学校現場にひたすらブルシットジョブの山を築いてきた教育行政側の問題点にも気づかせたい。

・茨城県ナンバースクール残存問題

「一高」「二高」茨城には全国最多28のナンバースクール…校名変更を議論へ

   「枠にはめ変化妨げていないか」 読売新聞  2024.9.19

   この問題も埼玉県の男女別学問題と同様、学校の役割を考える上で役立つ内容が含まれているだろう。隣の千葉県でも他県同様、戦後、しばらくの間であるが旧制中学校以来の伝統ある高校ではナンバースクールが存在していた。しかし60年近く前にはナンバーを付けない校名に変えられていったようである。

 いまだに28校ものナンバースクールを残しているのはいかにも保守王国茨城らしい。ナンバースクールの問題点は実態として一校、二校、三校…と進学校としてのランク付けがされてしまい、校名によってカーストのような学校間格差が固定してしまう傾向が生じてしまうことだろう。

 公立高校がたかだか校名によって優位に立ったり、劣位に立ってしまいがちになるのは明らかに不合理であり、公立として公平性に欠くのは間違いあるまい。即刻改善すべきであるのは論を待たないのであるが、なぜ、茨城や埼玉といった北関東には男女別学やナンバースクールのような不合理な古い体制がいつまでも残存してきたのかは、別途、解明の必要があるだろう。

 授業ではぜひ、他の資料も加えながら議題に取り上げてナンバースクールの是非と茨城の学校教育の体質の古さについて生徒たちから意見を募りたい。

数字入り高校名の議論頓挫 議会反発受け茨城県教委

   共同通信 によるストーリー 2024.9.25

 保守王国茨城県での県議会の反発は当然、予想された事態であり、この程度の事で議論を中途半端に終えるのは言語道断であろう。むしろ県議会の反発ごときで県の教育政策がいとも簡単に覆るといった先例が生じてしまう事の方こそ空恐ろしい。県教委の腰砕けぶりには呆れるほかなく、このザマでは公教育における政治的中立性自体が揺るぎかねまい。

 この問題は県立高校における学校間格差、すなわち学校間カーストの残存を県として認めるべきか否かが焦点となると考えるが、いかがか。おそらく県議の少なからずは学校間カーストの上位校出身者なのだろうが、そろそろ自身の特権的意識を捨て去るべきである。出身校が「~校にあらずんば人にあらず」とするような、古びた観念が地方によってはいまだに残っているようだ。

 この記事では全国の県立高校のナンバースクールの校数が都道府県別に表示されており、資料としても価値がある。茨城県が突出して数が多いことは明白である。戦前の旧制高等学校でもあるまいに、いい加減、改めたらよかろう。

⑧インクルーシブという美名の陰で

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

 私はかつて統合教育と呼ばれ、今はインクルーシブ教育と呼ばれている教育の理念そのものに反対するものではない。しかし、学校教師の業務の大胆な削減抜きで理念ばかり先行することへの懸念が現状ではきわめて大きいと感じている。

 今から8~9年前のことになるが、クラス担任として障がいを抱える生徒を4年間(秋入試で入学してきたので年度で言えば5年度にまたがる)受け持っていた。週に16~18時間、2~3科目の授業、2時間のLHRと総合(実態としては進路指導の時間)を担当しつつ、週に5~6時間ほど、空き時間に当該生徒とつきっきりの対応をしてきた。突発的に奇声を発し、席を立って教師の妨害をし、女子生徒や女性教師に抱きつこうとしたりするので他の生徒たちとともに授業を受けることは難しかった。驚くほど瞬発力と体力があるため、副担任と私の二人がかりで制止する必要もあった。

 担当してから4年目、疲労困憊の末に自分の心身の異常を感じ始めた。まず驚いたのは毎朝、何千回も繰り返してきてすっかり身に付いていたはずのコーヒーの淹れ方がふと分からなくなったのだ。突然のことでしばらく戸惑っていたが、ゆっくりと手順を思い出し、最終的にはコーヒーを淹れることができた。これが一度ならず、間をおいて数回、起きた。

 しかし異変はこれだけに留まらなかった。休日に二階のベランダで干していた布団や毛布を一階の寝室に運ぼうとして階段を降りようとし、ふと自分の違和感に気付いた。普段、何気なく階下に降りれていたはずの階段が妙にしっくりとこない。リズムが合わないのだ。慣れていたはずの段差が今までと違うような気がする。もしかすると一段、とばして降りてしまうかも…そして最後の一段を降りようと一階の廊下に足を下した、と思った刹那、ふと気づいたら体は廊下に横倒しとなっていた。頭を打っていそうなものだが、ボォーとしていたのか痛みは感じず、何だか悪い夢を見ているようだった。これは二度、起きた。

 おそらく脳に多少の異変が起きていることは確かだった。手続き記憶の障がいとバランス感覚の一時的喪失…ととらえれば小脳でのちょっとしたトラブルが考えられよう。本来ならば病院で精密検査を受けなければならない症状だったが、四年生の担任と就職指導の責任者であったため、病院には行かなかった。翌年は進路部長であったため、余計に病院に行くことは出来なくなった。

 当時の勤務校に強いやり甲斐を感じていたことも病院へ行かなかった理由である。定時制、それも三部制というユニークな試みには問題も数多いが、やり甲斐もまた大きかった。私自身が大変な学校嫌いであり、長期間、場面緘黙症であったため、とりわけ不登校の生徒には少しでもプラスの存在となれるよう、努力したかった。そのためには授業を興味の湧く、面白い時間にしたくてできる限りの方法を駆使してきた。だからそう簡単に学校を休みたくはなかったのだ。

 これは58~60歳の時の状況である。当然、加齢もこうした出来事の背景にあるだろうが、もちろん、それだけではあるまい。事の発端が一人の重い障がいを持つ生徒を担任した件であることは間違いない。明らかにそれに伴う過労と過度のストレスが主な原因である。今、当時の症状を思い返すと、小さな梗塞が小脳などに出来始めていたのかもしれない。アノまま勤務していれば大変な事態を招いていたはずである。

 ただ、60歳での定年退職が私の健康を取り戻す大きな時間的、体力的ゆとりを与えてくれた。その結果、今、こうしていられるのだと思っている。65歳までフルの再任用をしよう、と以前は考えていたが、結果的に2年だけのそれもハーフ、という極めて軽い勤務で済ませ、ただちに完全退職したのは正しい判断であったと思う。

 今や、学校現場の実情を知ろうとすらしない、政治家や文科省の官僚たちの教育に対する無責任な「きれいごと」には嫌悪感と反発しか覚えない。もう教師たちは断固として騙されてはなるまい。

 

参考記事

車椅子の子も、全盲の子も、知的障害の子も…障害のある子とない子とを“分けない

 教育”を貫く、大阪・南桜塚小の実践とは AERA DIGITAL 仲藤里美 2025.10.1

 たった一人、それも校長だけの、手抜き取材で作られた記事を一体、誰が信用するというのだろう。

 支援学級の教師にどの程度の負担感があるのか、障がいのある児童の学級担任がどの程度、苦労してきたのか、仲藤氏はしっかりと聴いて回ったのだろうか。子どもたちにも取材したのだろうか。この校長の自慢話を、一切、疑うことなく記事にする無責任さ…ジャーナリストとして恥ずかしくないのだろうか。

 基本的に日々、苦労するのは障がい児に関わっている教師たちであり、管理職ではない。自分は大した苦労をせずに、部下に仕事を丸投げしておきながら、すべての手柄を独り占めし、平気で偉ぶる管理職は全国的に見ても決して少なくあるまい。

 これは典型的なマスゴミによる無責任なクズ記事でしかない。

公立高のバリアフリー格差、調べた千葉の高校生「こんなに違うなんて」 エレベー

 ター設置率が東京と段違い 東京新聞 2025.7.6

 東京都立高・中等教育学校は85.9%、埼玉県立高の設置率は29.1%、神奈川県立高・中等教育学校は32.4%、千葉県立高では14.8%らしい。…東京と3県との格差について、千葉県教委の担当者は「財政的な違いではないか」と推測。2028年度までに設置率40%を目指し、車いすの生徒がいる学校への優先設置や、初期費用を抑えられるリース方式で導入を進める…らしい。

 千葉県教委の担当者のおとぼけぶりには怒りを覚える。「財政的な違い」だけで埼玉の29.1%と千葉の14.8%、すなわち倍近くの格差をはたして説明できるのだろうか。財政的格差以上にバリアフリーへの意欲に格差があったに違いない。相変わらず上辺だけ改革するふりをして、その実、面倒なことは学校現場に丸投げする千葉の公教育の伝統が見事にこの格差に表れている、と思うが、いかがか。

 他の46道府県と最初からケタ違いに財政状況の違う東京都なんかと比べるよりも、財政規模にさほど大差ない埼玉との格差「2倍」、にここは注目したい。財政の問題にすり替えてバリアフリー実現を埼玉よりも「2倍」サボり続けてきた、責任逃ればかりの千葉県教委こそが公教育における差別残存の黒幕である。

参考動画

【車いす生徒】合格しても入学しない約束で受験?入学拒否に波紋…設備面の配慮

 すべき?|ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2025/04/16  20:00

 災害時の避難場所とされている公立高校には本来、備えられてしかるべき冷房設備やエレベーター、バリアフリーの各種設備、障がい者用トイレがまったく無い、あるいは不足しているケースが決して少なくない。とりわけエレベーターは多くの公立高校に存在していない。日本の公教育の圧倒的な「古さと貧しさ」がその背景に広く存在しているのだ。根本的にはGDPに占める教育予算の割合が先進国の中で長く最低レベルであり続けたことに無頓着でいられる日本の政治の問題である。にもかかわらず設備の不備をもっぱら個々の学校や各教育委員会の責任と見なすこと自体、議論としてあまりにもズレ過ぎていると考えるが、いかがか。

 高校の場合、ほとんどが4階建の校舎である。4月に重い教科書や機器などを幾度も往復して4階の教室まで運ぶ労力は並大抵のものではない。春を迎えるたびにエレベーターを備えている他校をうらやましく思う教師は今も圧倒的に多いだろう。

 生徒の保護者にも車いすの利用者、杖などを必要とする人はいる。生徒だけではなく、障害を持つ教師や保護者、来校者、とりわけ避難時の住民たちの中には特別な配慮を必要とする人が少なからず存在する。だとすれば、元来がインクルーシブ教育を担い、避難先をも引き受けた学校にはバリアフリーの設備が当然のごとく備わっていなければならないはず…なのにこの有様だ。

 日本の公教育の余りの古さ、貧しさに深く頭を垂れるほかあるまい。

参考記事

学校の合理的配慮「正しいけどモヤモヤ」する理由

 東洋経済オンライン 武田 緑 2026.2.13

 そもそも武田氏がどれほど今の学校の実情を知っておられるのか、はなはだ疑問である。繰り返し、「学校現場の辛さは分かる」と書いているのだが、本当に分かっておられるのだろうか?

 「基礎的環境整備・事前的改善措置に取り組む」ことの重要性を随所で強調しているようだが、文面を読む限り、環境整備や改善措置はもっぱら各学校や教師の工夫と義務であるかのような書きぶりを感じてしまう。本来は教育行政がそれなりの予算や人員の整備、充足を行って取り組むべき「基礎的環境整備」であり、それを下々に押し付けるのは完全なお門違い。あたかも現場の教師たちへすべてを「丸投げ」するかのように受け取れる論調。実にガッカリである。

 学校の環境整備まで教師たちの自助努力に任せ、さらには自腹まで切らせるつもりであるのならば、いよいよ教師になろうとする若者は減るに違いない。

 学校の環境整備がもっともっと必要なことぐらい、今更、他所から言われなくとも教師のほとんどは十分過ぎるほど痛感してきたはず。車椅子の生徒を受け入れるのであるならば、本来、エレベーターは必須なのに、5階建ての校舎には無い、入学式、卒業式の会場となる体育館の入口にはスロープすらない…日本の学校の設備面での圧倒的な貧しさは先進国においてもはや情けなくなるほどに酷い。日本の公立学校は「バリアフリー」のきれいごとからは程遠い、お寒いばかりの現状なのである。災害時の緊急避難先としても、多くの学校が設備面でまったく不適切であることは、避難経験者ならば十分、分かっているはずだ。

 分かっていても、出来ない。当たり前である。学校環境の改善はそれなりの労力と金銭的負担、そして何よりも時間を必要とする。そしてそれらすべてが今の教師には決定的に不足しているのだ。特に時間的不足は多くの学校で既に致命的レベルに達している。

 誰が悪いのか…普通の教師には罪がない。悪いのは本当に学校が必要としているはずの教育予算を次々とケチる一方で、万博やオリンピックのような学校の整備とはほとんど無関係なところになけなしの予算を支出してきた国政の方だろう。その不足分をこれまで多少とも工夫と自腹でカバーしてきたのはこれまでもずっと教師たちの方であった。この期に及んで「生きがい搾取」を加速させ、さらに一層の教師の努力と自腹に期待しようとは呆れ果てた暴論である。

 学校の設備面で難癖を付けたいのであるならば、教師や学校に対してではなく、十分な予算と人員、時間的余裕を提供してこなかった政府の方へ、まずはお願いいたします。それこそが学校や教師たちへの「合理的配慮」であり、この記事を読んで「モヤモヤする」のはもっぱら教師たちですから。

県内の「定員内不合格」考える 「障害あっても高校へ」自主登校の男性の映画 千葉

    市で上映会 東京新聞 2025.9.22

 こうした聞こえの良い綺麗ごとを、予算も人手も圧倒的に不足する千葉県の公立高校に押し付けるだけの、薄っぺらな正義漢ぶった報道はもういい加減にやめた方が良い。都立高校には千葉県とは比較にならないほどの予算がついている、この点を記者は一体どこまで認識できているのだろう。記者の取材不足、手抜き、恐ろしいほどの怠慢をまずは糾弾したい。

    厳しく批判されるべきなのは長年にわたって教育予算をケチり続けた千葉県と国家の方、文科省や教育委員会の方であろう。疲弊しきった学校を一方的に被告と見なしてやり玉に挙げるような報道ぶりは、むしろ「マスゴミ」による人権軽視の、弱い者イジメそのものではないか。

     5階建ての校舎ですらエレベーター無し、電気代が足りずにクーラーの使用時間は厳しく制限され、教員は人手が足りずに複数の科目を担当し、最悪、複数の部活まで担当させられる…千葉県の公立高校のこうした貧しすぎる実態を東京新聞はどこまで知っているのだろうか。どこまで千葉県の学校現場を密着取材してきたのだろうか。現場をろくに取材しない腐れ切ったマスゴミの罪こそ、真っ先に糾弾されるべきだろう。

手取り月45万円、59歳・経験豊富な「公立中学校教師」が虚無感を覚えた「静か

   な学級崩壊」【社会保険労務士が解説】 THE GOLD ONLINE  2024.12.19

   多様性尊重の掛け声のもとに、特別な支援を要する児童生徒が数多く普通の学校にも入学するようになってきている。このために「静かな学級崩壊」が生じてしまうこともあるという。

 ただでさえ学級定員が多い日本の学校では教師が一人一人に注げる時間は限られており、特別な支援を要する児童生徒であっても、その子にかかりきりになれるほど他の児童生徒が教師に協力的である保証はない。しかも指導が難しいと予想される学級ほど、新任の教師を担任にあてがう、といった非常識なトンデモ人事が横行している現在、下手な「多様性の尊重」は学級崩壊の大きな一因にもなりかねない。

 きれいごとを並べ立てる前に、文科省や教育委員会はブラック化した学校現場の改善に努めるべきだろう。さもなくばいよいよ教員不足は増進するのみである。

「障害の無理解による判定」 定員内不合格で千葉県を提訴 原告の母親、憤り 地裁

   初弁論 東京新聞 2025.1.29

「定員割れ」高校なのに不合格…知的障害の生徒が撤回求めた訴訟、千葉県側の反

 論は? 東京新聞 2025.1.28

 この問題のポイントは当該生徒の障がいが、一体どの程度まで授業進行の妨げとなるのか、妨げが生じたときに学校側は実際、どの程度まで対応が可能なのか、という一点に尽きるであろう。授業中、突然、叫び声を上げてしまう生徒は過去にも何人かいたが、叫び声は多くの場合、一時的に過ぎないので、さほど授業の妨げとはならなかった。しかし、常時、叫び続けてしまうとなれば話は別である。

 当該高校ではかつて学習の障がいがかなり大きく、高校のどの教科もほぼほぼ理解できていない生徒は何人かいたが、基本的に授業中、大人しくしていればさほど学校としての支障は生じないはずである。元来が定時制なので日本語自体、ほとんど理解できていないケースだって少なからずある。中学校では長期間、不登校だったため、学力や学習意欲が相当不足していても、それを合否の判断基準には必ずしもできないだろう。とりわけ秋入試の場合には倍率が極めて低い。当然のことながら受験生を不合格とする基準は他校と比べてかなり「曖昧」となるほかない。

 当該校は以前から「やり直し」を可能とする高校を謳ってきた。したがって入試の際、過去の成績や生活を過剰に問うことは、多少の例外はあるものの、原則としてできない(ウツ傾向の強い生徒が少なくないため、反社会的な傾向がある生徒を不合格とすることはある程度やむをえまい)。問われるのはあくまでも当該生徒が周囲に及ぼす影響の内容と程度、及びそれに対応する学校側がとりうる条件整備とのバランスである。そのバランスがとれない、との学校側の判断であったとして、その判断の根拠にはたして合理性、妥当性があったのか否かが、裁判では問われるであろう。

   何はともあれ東京新聞のこの件に関する一連の報道は学校の現状に対する無理解、無関心に基づく偏見が極めて目立つと思うが、いかがか。ご指摘のように「障害の無理解」が高校側にあるのは決して否定できないが、同時に高校に対する圧倒的な無理解が東京新聞にはある、と考える。学校が置かれた現状に理解を示そうとしない報道は学校教育のさらなる崩壊に加担せんとする、極めて破壊的なものではないのか。

定員割れの県立高なのに不合格、「教育受ける権利を侵害」…難病の少女が入学許

 可求め提訴 読売新聞 2024.12.13

 まず「定員内不合格」の是非について考えたい。その際の前提として「教師はスーパーマンではない」という常識を改めて認識していただく必要がある。つまり出来ないことを出来る、と言うような無責任で欺瞞に満ちた言動は、数多くの児童生徒の安全及び教育を受ける権利を保証する立場にある教師として決して許されることではない。そのことへの共感的理解をまず前提としなければこの議論は一歩も前進しない。

 それはあたかも「あなたは医者なのだから癌患者の治療ができるはずだ」と歯科医に迫ることが不合理そのものであるように、教師にも出来ないことが山ほど存在するのは当然のことなのである。高校教師だからと言って、社会科教師に数学科の授業がなぜできないのか、と文句を言っても的外れであるのと同様、それなりの専門的知識と技能を持つ職員と施設が整った特別支援学校が既にあるのに、それをほとんど備えていない普通科の学校に重い障がいを持つ児童生徒を入学させようとするのは基本的には筋違いであるとすべきなのだ。最悪の場合、当該生徒のみならず、他の生徒にも何らかの危害が及ぶ可能性を否定できず、その生徒の入学が他の生徒の「教育を受ける権利」を大きく侵害しないとも限らない。この点に同意してくれないと何一つ生産的な議論にはなるまい。

 ただし障がいと言っても当然のことながら様々な種類がある。また障がいの程度にも差異がある。それらの要素については合否を決める際にそれぞれ一定の検討を要するだろう。実際、普通科高校にも軽い自閉症や肢体不自由といった障がいを抱えた児童生徒が入学することはこれまでも少なからずあった。つまりたとえ普通科の教師であっても、また通常の施設、設備であっても対応可能なレベルでの軽い障がいであるならば受け入れに大きな問題は生じないだろう。したがってここで問われるべきなのは当該生徒の障がいが当該高校において受け入れ可能なタイプやレベルでの障がいなのかどうか、という一点に絞られる。

 実は同じ普通科の県立高校であっても施設、設備、あるいは組織体制にはかなりの差異がある。たとえ同じ県立高校だからと言って乱暴に一括りされては困ることも多いのだ。千葉県では同じ三部制の定時制高校であっても、ある学校にはエレベーターがあり、車椅子の生徒でも受け入れ可能だが、別の高校では5階建てであるにも関わらず、エレベーターは無い。エレベーターが無ければ車椅子の生徒、まして寝たきりの生徒はほぼ受け入れ不可能であろう。

 あるいは同じ三部制の定時制高校であっても、ある学校には全日制が併置されておらず、学校全体での定時制としての共通理解がある程度、出来上がっているが、別の学校では全日制が併置されているため、教師間に一つの学校としての共通理解が極めて成立しがたい状況にある。つまり特別支援を要する生徒を普通科高校が受け入れるためには当該生徒の障がいの内容とレベルの問題に加えて、受け入れる側の高校の協力体制、様々なキャパシティをも注意深く勘案する必要があるのだ。

 これまでの報道では残念ながらその点に関して第三者が判断できるほどの具体的な情報が見られず、今のところ、どうにもコメントしがたい状況であると思うが、いかがか。特に高校側の現状に関する情報が全くと言って良いほど欠失しており、基本的には公平性を欠く報道というほかあるまい。少なくとも今回の定員内不合格に関してはこの記事の内容をもって「教育を受ける権利」への侵害だと一方的に決めつけるだけの十分な根拠はどこにも見られない、と一般論としては判断できるだろう。

   もっともこの件に関してはこれまでの歴史的経緯があるため、不合格への評価はまったく異なってくる可能性があるので実は要注意である。定員内不合格を出したこの高校ではかつてもっとはるかに重い障がいを持つ生徒を受け入れ、かつ無事に卒業までさせている、という重い事実の存在がある。したがって過去との整合性を重視する立場からは、今回の不合格について納得しがたいものがある、と抗議するのはある意味で当たり前なのだ。

 私は当時を知る立場にあるので、個人的には今回の不合格についてやはり不可解な印象を受けないわけではなかった。ただし、繰り返しにはなるが手放しでインクルーシブ教育に賛同しているわけではない。あくまでも受け入れる学校側のキャパシティ及び受け入れ態勢整備の可能性をこそ問うべきなのだ。

 問題はかつてこの学校が重い障がいを持つ生徒を受け入れた理由に潜んでいる。学校側には受け入れるキャパシティがほとんど無い、というのが当時の判定会議におけるほぼ教師たち全員の意見であった。しかし校長一人の独断で教師たちの意見は完全に無視され、受け入れが決定してしまったのである。したがってこの受け入れに至る経緯は、とりあえず民主主義を標榜する日本の学校としては決して前例として踏襲すべきものではあるまい。

 加えてもう一つ無視できない重大な問題となるのが受け入れ後のキャパシティの整備がどうだったのか、という点であろう。半年間は若い非常勤講師を一人、特別にあてがわれて対応していたのだが、残りの卒業するまでの三年半は若い講師の副担が生徒の付き添いをしただけである。副担は重い障がいを持つ生徒へのほぼマンツーマンの対応に追われ、副担や教科担任としての業務がほとんどまともにできない状況に置かれてしまっていた。つまり、たちまち特別な対応は消えてしまったということ。この後の、担任としての苦労は到底、言葉では言い尽くせない過酷さがあった。

 こうした悲劇的な事態を二度と繰り返さないために学校として出来る事は、実は極めて単純で簡単な事であろう。とりあえず県教委としては管理職が独断で学校のキャパシティを無視した受け入れを二度とさせないよう、責任を持って管理職を指導することに尽きる。今回の決断が判定会議の中でどんな議論の中で出てきたのか、今後の裁判の中でしっかりと明らかにされることを切に期待したい。これは本質的には個の学校の問題ではなく、県全体としての取り組みの問題なのだ。

知的障害の娘は、屈辱で泣いた…定員割れ高校に不合格 学校側は「学ぶ意欲なし」

   と言うけれど【作文全文】 東京新聞 2024.11.26

障害児の「定員割れ不合格」なぜなくならない? 98%超が高校進学する時代、全て

 の子に学業のチャンスを 東京新聞 2024.11.26

 誰がこの問題の本当の責任者なのだろう。それは教育予算を長い間ケチり続けた歴代内閣ではないだろうか。新聞ならばGDPに占める教育予算の割合を国別に表示した資料を使ってそのことを明確に示しておくべきだろう。でなければ教師の疲弊は募るばかりとなってしまうに違いない。

 また、過去、障害を持つ児童生徒を受け入れたケースがあるのだから、今回も受け入れるべきだ、などと思わせるような記事を載せるべきではない。低予算と人手不足の中でひたすら業務量が増えてきた学校の現状をまずは強調すべきであろう。今、インクルーシブ教育を担えるほどに余裕のある学校が一体全体、日本のどこに存在しうるのか、ひとまずしっかりと検証してから記事にするべきであると考えるが、いかがか。教師は何でも屋のスーパーマンではないのだ。

 この手の表面的できれいごとの記事が、結果的に学校の業務量をさらに増やして学校教育をいよいよ破綻させつつあることを、加害者としてのマスコミは厳しく自戒すべきであると考える。こんな一面的な報道が続く限り、若者は教職を避け、教員の中途退職や長期休職は増えるばかりとなるだろう。

「定員割れで不合格」知的障害のある少女、裁判でも入学を認められず 住民票を千

   葉から移して都立高に進学 東京新聞 2025.3.4

 いかにも正義派ぶった、マスゴミらしい記事であり、批判的な文脈において授業でぜひ取り上げたい内容である。まずは一読させて生徒から感想、意見を募りたい。

 都立高校ではどのような条件を付けて入学を認めたのか、知的障害などを抱える浜野さんに一体どのような特別対応をする予定なのか…この記事では肝心なことがまったく分からない。東京都では定員内不合格を出さない原則があるようだが、ならば入学前に深刻な傷害事件を引き起こした生徒でも入学させているのだろうか。

   かつて中学生の時に二度、危険な刺傷事件を起こしていた生徒が高校入学直後に同学年生徒をナイフで切り付けてしまった事件が千葉県であった。東京都では同様の事があった時、これまでどのように対応してきたのだろうか。そのような生徒が再び事件を起こさないような、特別な働きかけを都立高校はしてきたのだろうか。

 定員内不合格を出すこと自体が必ずしも悪いわけではないだろう。単純で機械的な決めつけは大きな誤りの元となる。他の生徒や教師たちに危害を及ぼす可能性が極めて高いと判断した時には、入学試験を不合格としても決して悪くはあるまい。高校は決して少年院や鑑別所ではない。凶悪な事件を起こしてきた少年たちを何人も受け入れられるだけの施設や人員、権限を、普通の高校では確保できていない。

 障がいを持つ生徒の受け入れもまた、高校の施設やスタッフの状況に応じて柔軟に判断すべきであり、そうした条件が整っていないにもかかわらず、一律に受け入れようとするのはむしろ無責任過ぎるであろう。この新聞記事は一方的で片手落ち、内容的にあまりにもお粗末であろう。千葉県の高校実態に関する十分な知識もないまま、当該校への事実確認、現場への取材をサボっていることにすら記者は気付いていないようだ。単純に都立高校を判断基準にして千葉県の高校を一方的に断罪しているだけの軽薄な煽り記事…と感じてしまうのだが、いかがだろう。

公立高校「定員内不合格」 ダウン症の男性らが人権救済申し立て

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.7.13

 インクルーシブ教育について考えるための導入にはうってつけの記事。障がい者を定員内不合格とした公立高校を糾弾するかのようなこうした上から目線のご指摘は、いかにも学校側が障がい者差別を助長しているかのような悪印象を与えかねず、陳腐きわまりない報道と言えよう。公立高校のブラック化した状況への取材をサボっておきながら、「定員内不合格」という公立高校として不適切な対応をとった学校を一方的に悪者にするかのような、こうした悪意に満ちた皮相な報道が公立高校のブラック化を一層、招いてきたと私は考えている。

 確かに「定員内不合格」を出すことは公立高校として明らかに好ましくない。そんなことは分かり切っているのに不合格とせざるを得ない学校側の切羽詰まった窮状があるのだ。残業だらけで疲弊する教師たちに余力はほとんど残っていない。学校の予算もギリギリ。そんな中で管理職は何一つ動こうとせず、結果的に県からの支援がまったく無い中、一握りの教師にばかり重い負担がのしかかる。こんな光景はもうすっかり見飽きてしまった。だから千葉県では本音の部分で定員内不合格を容認する教師は極めて多い。潤沢な予算と障がい者対応が多少整えられている東京都とは事情がまったく違うのだ。

 一言でいえば千葉県では多くの教師が公立高校の現状に絶望している。希望の光がどこにも見いだせないのだ。2023年度、千葉県で生じた教員の不祥事は過去最高の数に達した。2023年度入試の採点ミスが930件を超えた。2025年度教員採用試験の志願者状況は過去最低の倍率となっている。すべては起こるべくして起きている。そして今、二件の「定員内不合格者」が非難されている。個人的な本音を言えば、こんな県でまだ教師になりたい若者がいること自体、不思議でならない。

 重い知的障がいを持つ生徒を受け入れた教師側は当然のことながら突発的な事故や授業妨害の恐れを最も警戒する。しかしそうした対応を一人の教師がとるヒマはまったくない。体力も精神力も技術もない。障がい者に対応できる支援員が千葉県の高校には派遣されないのだから当然である。精々が教員採用試験合格を目指して奮闘中の若手講師が割り当てられるだけである。そのような採用試験を控えた、しかも障がい者対応未経験の講師に重い知的障がい者の面倒を丸投げするバカはいないだろう。しかし千葉県ではそうした対応しか行ってこなかった。

 糾弾されるべきは管理職であり、県教委であるはずなのに「定員内不合格者」を出した現場の教員たちばかりが責められる。明らかに公立高校の崩壊は近い…

「学ばない教師」が学級崩壊を招く! いま中学で求められている「特別支援教育」

 のスキルとは 現代ビジネス 長谷川 博之 によるストーリー 2024.4.13

 いちいちお説ごもっともだが、長谷川氏の言うような、一人一人に寄り添う特別支援教育を実行に移せる能力と時間的、体力的余裕を持つ教師がどれほどこの世の中にいるのかは疑わしい限りであろう。問題は「学ばない教師」なぞではなく、「学びたくとも学ぶ余裕のない教師」であり、教師になる以前に「肝心なことをほとんど学んだことの無い教師」たちではないのか。

 まず急がれることは私たちがすっかりブラック化した学校現場において発達障がい児との触れ合いを十分に持ててこなかった、現在の未熟な若手の教師に山のような仕事と割に合わないレベルの大きな責任が押し付けられている…そうした学校の過酷な現状をしっかりと把握することだろう。まずはこうした現状認識を多くの人が共有しない限り、どんな提言も意味をなさない。いや、むしろ百害あって一利無し、の有害な議論に過ぎない。

 教師の業務の大胆な削減抜きに特別支援教育を特別支援学校以外の学校で導入することには猛反対すべきである。インクルーシブ教育といった言葉に幻惑されてはなるまい。優先順位の議論を抜きにしたきれいごとの教育改革に学校の未来は無い。

「子どもたちのためなら常識にとらわれない」狛江第三小学校が挑むインクルーシ

 ブへの道 学校に行きたいけど行けない子どもたち3

 現代ビジネス 太田 美由紀 によるストーリー  2023.7.8

 この取り組みでいつまでも笑顔でいられるのは教育長や管理職、そして管理職を目指す一部の教師に過ぎない、と疑ってしまうのは私だけであろうか。おそらくこの取り組みのために下々が作成しなければならなかった文書の量は膨大であり、教育委員会への報告書の類だけで誰か一人は過労死するレベルの量になっているだろう。私が預かった障がい者の記録は副担が記したものだけでわずか半年の間に段ボール箱の半分にも達していた。

 当然、インクルーシブ教育導入のためにこの学校で実施された数々の研修は多くの教師たちの時間と労力を奪うことで辛うじて成り立っていたはず。この記事ではそうした闇の部分は一切語られず、笑顔の管理職と特別支援学級の先生が登場するだけ。どう見てもこの記事、上滑り気味でしかもきれいごと過ぎる。日本の学校教育の現状においては今やきれいごとほど質の悪いものはない。

 

 本来、障がい者や不登校児童を受け入れる普通学級の担任こそが一番の苦労を背負わされる主役であるはず。しかし肝心の教師たちは縁の下に隠れていて当然、本音は言えず、素の姿を見せることがほとんどない。

 この小学校がリーダーシップのある優れた校長の尽力によって実際に教師の事務仕事などが激減し、本当にすべての教師たちがゆとりをもって笑顔でいられる学校ならばインクルーシブ教育の導入があったとしても別段、文句は出ないかもしれない。

 だが私が抱く学校のイメージではそんなことはありえない。もしかすると校長は配下の教師たちの疲弊ぶりをよそに、自分がより良い再就職先にありつく上での手柄作り、点数稼ぎのためにきちんとした話し合いの場を設けることなくほぼ独断でインクルーシブ教育の研究指定校に名乗りを上げたのかもしれない。

 少なくとも私が経験した千葉県では凡そそんな具合であった。表面的な取材できれいごとばかり並べ、教師の仕事を増やすだけの報道は学校にとって百害あって一利無しであると思うが、いかがか。

学校施設のバリアフリー化…トイレ70.4%、エレベーター29.0%

 リシード 2022.12.28

 十分な施設も無い、人員も圧倒的に不足する中でインクルーシブ教育という美名のために普通科の教師が車椅子や生徒を抱えて階段を上り下りし、さらには通学途中、突然歩行できなくなった生徒のために幾度も駅まで出迎えに行き、生徒を背負って帰ってくる…そんな担任がいた。

   時と場合によっては命の危険があるため、常時マンツーマンの対応が不可欠な生徒を抱えた担任は副担任と共にクラスの他の生徒達をほぼ放置して修学旅行、遠足、球技大会などをこなす。当然、自分の授業が無い時には週6~8時限程度、一人の生徒につきっきりで同伴しつつ、週16~18時限の授業もこなしている。それでも割り当てられた自習監督や分掌の仕事は引き受けざるを得ない。

   授業中、泣き叫んでリスカを試み、教室を血まみれにした挙げ句に窓から飛び降りようとする生徒を必死で制止し、授業を中断。結局、自殺予防のためにその都度、担任が現場に呼ばれ、最後は責任を持って担任が家まで送ることになる。

 

 以上は特別支援学校での出来事ではなく、とある定時制普通科高校で私自身が目撃した事、あるいは自ら体験した事である。

   文科省や教育委員会はきれい事を並べる前に、設備や人員の配置を見直すなど、障がい者の受け入れを可能とする条件整備にまずは着手すべきであった。

   バリアフリーやインクルーシブ教育が進まないのは学校現場、とりわけ教師の無理解や怠惰によるもの、とされてしまうのであればそれは現場で悪戦苦闘する教師にとってあまりにも酷すぎる仕打ちである。

 

【教育困難校】授業が成立しない?児童生徒に合わせた教育とは?境界知能&グレ

 ーゾーンが広がる?現役教師と考える|アベプラ

 ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/12/19  14:01

 この動画からも高校教育の現場を全く理解していない人たちが世の中にいかに多いか、痛切に感じざるを得ない。特にインクルーシブ教育を推進する中谷氏の意見には反発しか感じない。今、なぜ若者の間で教職離れが進んでいるのか、精神的に追い詰められる教師がなぜ増えてきているのか、この方には理解の欠片もないことがよく分かる。

   これまで教師が文科省や教育委員会の「教育改革」にどれだけ振り回されてきたのか、35人以上の集団を相手に一人の教師が一体どのような指導が可能なのか、教師の仕事がどれほど多岐にわたっているのか、中谷氏がその一端ですら分かって発言しているとは到底思えない。無意味な研修や部活動などの負担による学校のブラック化を多少とも理解できているのは番組出席者の中では不登校問題に詳しい大空氏だけのように見える。

 そもそも教育困難校問題を論ずるにあたって二年目の若手教師一人だけの発言で一体、困難校の何が分かるというのだろう。困難校の実態も多様であり、困難さの度合いだって学校や教師の置かれた状況によって大きく違う。この教師はわずか二年目にして授業がうまく進むようになった、と言っているが、この言葉を真に受ける困難校の教師はおそらく少ないだろう。若手がわずか二年目でうまくいくようならそこはもはや困難校とは言えまい。そもそも彼がどんな教科を何科目、週何時間教えているのか、一クラス平均何人の生徒たちが教室にいるのか、部活動は何を任され、どんな校務分掌を任されているのか、何学年に属し、何学年を教えているのか、全日制普通科なのか、そうではないのか、中退率はどの程度か、警察がかかわる事件は年間平均でどの程度の件数なのか…こうしたことの違いによって教師の負担は大きく異なってくるはずだ。

 司会者自身が若さもあるのだろうが、高校教育に対して相当無知であるがゆえに、多様な意見をバランス良くさばけていない。そのため、議論がまったく深まっていない。

 もしも中谷氏の言うように教師のインクルーシブに関する研修がさらに増やされてしまえばいよいよ教師志望者は少なくなると思うのだが、いかがだろう。教師の負担軽減が実行されないうちはインクルーシブ教育など前に進むわけはない。現状を知らぬ者の理想論ほどはた迷惑なものは無いのだ。

 ただしある意味で極めて突っ込みどころの多い動画なので、ぜひ生徒に視聴させて意見を募りたい。

§5.日本の進路その1.政治と経済の混迷②

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

日本は歴史的な衰退段階に入った…著名投資家レイ・ダリオが分析する「この国に

 蔓延する無力感の正体」 現代ビジネス 週刊現代 2026.2.10

 ダリオ氏の指摘は実に興味深いものである。日本の政治や経済の停滞、衰退と日本人の間に色濃く漂う無力感は、そのまま日本の学校教育の停滞、衰退と教師や生徒、学生たちの間に色濃く漂う無力感と相似形であろう。だからこそ私たちの無力感はひたすら内向して心身を蝕み、ネット上で暴発しているのかもしれない。

 学校でイジメと他罰が横行する裏側では自己肯定感や幸福感の低下と不登校、自殺、自傷行為の多発…こうした児童生徒の病理が成人後も続き、社会全体を停滞させ、自閉させ、同時に狂暴化させてもいるように感じるのだが、いかがか。

・2024年の総選挙より

参考動画

【解説・衆院選】政権交代までいくのか? 与党で過半数維持はギリギリの情勢 

 日テレNEWS  2024/10/25  10:26

 過去の総選挙の経緯を振り返るには便利な動画。歴史的流れを整理するために下の動画と併せて視聴させたい。

【衆院選】与党過半数割れ 今後の日本は政治部長解説

 日テレNEWS  2024/10/28  4:41

 重大な時事問題として今、授業で必ず取り上げるべき話題の一つが総選挙での与党の過半数割れであろう。生徒にはまず、なぜ与党が過半数割れしてしまったのか、さらに今の日本が優先的に取り組むべき政策とは何か、考えさせたい。

 また、総選挙の結果から「決められない政治」となってしまい、政治的停滞が続くこと、そのことが本当に「失われた30年」から「失われた40年」へと日本の不振が続くことにつながってしまうのか、否かもぜひ問いたい。あわせて政治とカネの問題を解決することが本当に日本の優先的課題なのか、そこに疑念は無いのか、日テレの政治部長の解説を鵜呑みにすることは出来まい。

 前回の総選挙に比べて投票率が少し低下してしまった原因も同時に考えさせたい。

 

・自民党女性局38人、フランス研修旅行

 参考動画

自民女性局 パリのエッフェル塔前でポーズ フランス研修が物議(2023年7月31

   日) ANNnewsCH  2023/07/31 3:30

【海外視察】議員の旅行に?政策に生かせる?出張中の空き時間どう過ごす?女性

   局のフランス研修を考える|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/08/02  14:39

 3泊5日で全国の自民党女性局所属の議員や党員(女性議員とは限らず)ら38人が参加。内、国会議員は松川氏を含めて4人(他に今井絵理子氏、生稲晃子氏…)。費用は党費と自腹でまかない、少子化対策や女性活躍などをテーマに、フランスの上院や下院の議員と意見交換をしたというこの研修旅行がSNS上で炎上した大きな原因としては二つ考えられるだろう。

   まず38人という人数がそもそも適正なのかどうか、さらにメンバー選出の基準は的確だったのか、という点。国会議員の4人はともかく、地方議員や党職員が34人。おそらく党職員が日程含めてすべてお膳立てしていたのだろう。こちらは相当、激務であったことが察せられる。問題は議員団の方。フランス側も対応に苦慮するレベルの人数である。この議員団がそれぞれの専門分野別小グループに分かれていて、訪れる場所や組織も多少違うのならば合わせて30人ほどの人数となってしまうのも不思議ではない。しかしこの38人がほぼ同じ場所、同じ担当者と会う、としたらおそらく日程的に近い修学旅行レベルより下の、かなり杜撰な研修しか期待できまい。

  一般的には人数が多ければ多いほど、質疑応答も形式的なものになりがちであり、多くの議員は簡単な自己紹介だけ済ませれば、その後は一切、発言しなくとも済まされてしまう。これは憶測になるが、実はフランス側の長々とした説明が中心とされ、日本側の発言自体が(幸いにも…)時間的にもかなり限られていたのではあるまいか。また日本側の少子化対策の概要や問題点などの資料はその場に持参したのか、持参したとすればその資料は誰が作成したのか、誰が中心となって日本側の事情を説明したのか…責任者の松川氏が説明したとしても、そのほかの国会議員は意見交換の場で何をしていたのか、ただ同席していただけなのか、それとも何らかの役割を果たされていたのか、地方議員からの発言はあったのか…疑念は募る。

   さらに費用対効果の問題も大きいだろう。特に飛行機がファーストクラス、ホテルも一流ホテルであるならば38人の大旅行団ともなるとそれだけで巨額の出費…果たして総額はいくらで何にどの程度の出費があったのか、自腹分は除くとしてもここまで問題となった以上、ある程度の会計報告を国民に示すべきではないか。党費が相当、つぎ込まれているのだから帰国後、研修内容や党費の使途について党への報告義務が課されるべきだが、報告は課されているのか、課されていないとすれば自民党の海外出張に関わる党費管理に対する姿勢の甘さが問われるはず…こうした海外研修で得られた知見は何だったのか、フランスの議員との意見交換があったとされるが、どのような意見が出されたのか、その記録はとってあるのか、参加者全員に報告書は課されたのか、課されていないとすれば自民党の研修のあり方にも問題があろう。

   自腹を切っている、という議員(国会議員30万円、地方議員20万円)もいるが、もちろん全額自腹の旅行ならば何一つ問題は無い。しかし党費が支出されている限り、基本的には公務員の出張旅行と大差ないものである。つまりこれは党費が支出された党務としての出張旅行なのであり、自民党という政権与党の公的な役割を重視するならばこの研修旅行は個人的な旅行やただの慰安旅行であるわけはなく、公的な出張と大差無い。とすれば公務員に課されている報告義務(研修内容と出費の内訳等)とほぼ同等のもの、少なくとも自民党員が納得できるレベルの報告が38人のメンバー全員に課されるべきだろう。

   これらの写真を見た国民がどう思うのか…国民の気持ちに寄り添う感性の欠片も感じられない、想像力の貧しさ…楽しそうに浮かれてはしゃいでいる自分たちの写真をSNS上に発信して大炎上を招いた議員たちの、知性と品性が問われている。ただでさえ世界でトップレベルの給料をもらっている日本の国会議員がさも得意気に発信してよい写真ではないだろう。SNS上にあげるべきはフランスでの少子化対策や女性活躍に関わる資料や写真、新たに学んでこられた知識や制度であり、それ以外はせいぜい参加者の集合写真一枚あれば十分。バラエティー番組の収録でもあるまいし、インスタ映えを狙ったような料理や議員の笑顔、観光地の風景などは邪魔でしかなく、政治家として公的に発信した意図が不可解。であるにもかかわらず、これ見よがしにプライベートめいた観光写真をSNSにあげる議員の心のありようが心底、怪しまれるのだ。

   議員特権の上に胡坐をかきつつ「研修」と称して党費、公費を自身の個人的娯楽に流用している、と疑われても仕方があるまい。ただでさえ増税と物価高で不満を強めている国民は少なくない。進行する円安もあって海外旅行に出かけられる日本人は急減している。そんな中での贅沢なフランス研修旅行

 …この程度で大騒ぎするな、と議員たちを擁護する意見(茂木氏、堀江氏ら)もあるが、むしろこの程度で炎上してしまうほどに今の国民の政治不信とフラストレーションは高まっている、ということはしっかりと弁えておくべきだろう。民意を汲むことは政治家が果たすべき大きな責務であるはず。

   ただし最も責任が重いのはこの人たちを選挙で選んだ有権者であり、深く反省すべきは国民の側である。どうせ一時的に騒ぎ立てたとしてもまた同じ人物に投票するようなら、また同じようなことが繰り返されるに違いない。

   では、なぜ、国民はこの人たちを当選させ続けてきたのか?

 まず問われるべきは学校教育、とりわけ公民科の授業の内容と授業方法であろう。

 ※参考記事

       松川るい議員、派閥からの還流収入204万円の不記載明かす ネット上では「エ

          ッフェル塔に失礼だから…」中日スポーツ 2024.1.23

         特権意識がはびこると金銭面でもだらしなくなるようだ。特に安部派は差別発

         言を繰り返し、居直る女性議員も同様のだらしなさを恥じることなくSNS上

         に垂れ流している。安倍派の居心地の良さはもしかすると派閥議員たちの特権

         意識をくすぐる点にあったのかもしれない。一体、どこを向いて国政が行われ

         ているのか、怪しい限りである。

  ◎自民党が裏金事件めぐる調査公表 杉田水脈氏、松川るい氏など女性国会議員の

   不記載額は 東スポWEB によるストーリー 2024.2.13

   過去5年間の不記載の金額に関して「女性議員の不記載は杉田水脈氏1564

   万円、橋本聖子氏2057万円松川るい氏194万円丸川珠代氏512

   万円、…山えり子氏2403万円…」とある。杉田氏はさんざん差別的な言動

   を繰り返しても反省の欠片すら見せていない人物。松川氏は「エッフェル姉さ

   ん」の責任者、丸川氏と橋本氏は東京オリンピックの責任者、山谷氏は性の多

   様性に否定的な保守を代表する人物。

    ただでさえ数の少ない自民党の女性議員がこれほどまで金銭と国民に対して

   無頓着であり、不誠実であり続けたことの背景に何が考えられるだろう。

    まずここで太字にした人物はすべて安部派に属している。彼女らが最有力派

   閥に属していたことで得た利益、権益がいかに大きかったかがこの金額からも

   偲ばれるだろう。少なくとも長期政権の派閥に属してきたことによる慢心、油

   断が彼女たちの心に潜んでいたのは間違いあるまい。

  〇【独自入手】“エッフェル姉さん”研修は実質3時間 公文書から明らかになった

   パリでの空白の1日 

   AERA dot. 今西憲之,吉崎洋夫 によるストーリー 2023.11.24

   国会議員にはウソをつき、ウソを押し通す特権があると信じているかのような

   言動でガッカリさせられる。自民党にとって数少ない女性議員がこのテイタラ

   クではこの政党に期待する方がどうかしていよう。

  松川るい自民党女性局長ら、フランス「観光」写真にSNSで批判殺到

   産経新聞 2023/7/31 16:20

  自民・今井絵理子氏、フランス研修“説明”にネット「議員立法、期待してま

   す」「少子化対策の発信を」毎日新聞 2023/8/2

  自民フランス研修への批判は「底の浅い義憤」 茂木健一郎氏が問題視「写真一

   枚で...みんな余裕なさすぎ」 J-CASTニュース の意見 2023.8.1

   茂木氏の意見について賛否を問うと、議論は一層深まるだろう。岸田首相の長

   男が数々の不祥事を引き起こして批判され、解任されたばかり、というタイミ

   ングも問われるだろう。

  ◎自民女性局長「パリ視察」がこうも炎上した理由 松川氏らに厳重注意、自民の女

   性支援策にも冷水 東洋経済オンライン泉 宏 によるストーリー 2023.8.4

  〇今井絵理子・松川るいが参加した「パリ視察」全スケジュール…研修はわずか6

   時間、セーヌ川クルーズ、シャンゼリゼで買い物

   SmartFLASH によるストーリー 2023.8.6

  【予算は5億円】自民女性局「エッフェル塔ポーズ」は氷山の一角 この夏だけ

   で55人が渡航、国会議員の外遊先リスト 

   NEWSポストセブン によるストーリー  2023.8.7

  国会議員150人ホイホイ外遊に「予算5.3億円」《文通費で行け!》などと国

   民カンカン 日刊ゲンダイDIGITAL の意見 2023.8.7

  〇「パリ研修旅行」今井絵理子議員〝台風情報〟連続投稿で埋もれる「炎上ツ

   イ」 FRIDAYデジタル の意見 2023.8.7

 

・日本経済の低迷

参考動画

【泉房穂が語る】国会で何か言おうとした日の朝に刺殺されたあの議員

 著者が語る 2024/09/25 36:25

 石井紘基議員の刺殺事件(2002年)の背景と石井議員が目指していたことをその後継者と目されていた泉氏が熱く語っている。石井議員は特殊法人と官僚の役割に関しては巨大な利権が絡む深い闇があると感じてその資料を個人的に集め続けてきた。そして長年集めてきた資料を持って場合によっては「国家が傾くかもしれない」との覚悟を固め、国会では審議されない、一般会計の4倍相当の金額を有する特別会計について質問予定だったその朝に右翼に刺殺された。そして貴重な資料とメモは事件の際に紛失したまま、石井氏とともに永久に葬られてしまった。

 警察や司法は資料、メモの捜索をまともにすることなく、事件の背景は今も不問に付されたまま、結局はただの殺人事件として処理されている。犯人の右翼は後に石井氏の殺害は誰かから頼まれたものとの証言が残されているが、にもかかわらず、事件の背景に潜む謎は一切、これまで解明されてこなかった。石井事件は21世紀の日本政治を考える上で、最も闇深い事件の一つであろう。ここ30年あまり、日本経済が停滞したままであるのも、石井議員の死が大きく影を落としているとの泉氏の指摘はもっと注目されるべきではあるまいか。

柳井正さんと前澤友作さんの「日本人滅びる」論争について解説します

   堀江貴文 ホリエモン 2024/09/12 9:01

 ある程度の進学校ならば面白い論争となりそうな動画ネタである。前澤氏の楽観論についての賛否を問う形で討論を始めてみたい。少子高齢化の負のインパクトをどう評価するのかで、賛否は分かれるだろう。

【2035年未来予測 10年後の日本】危機に直面する基幹産業と日本人が買えなく

 なるものとは?ホリエモンが本気の未来予測!

 中田敦彦のYouTube大学  2023/09/30 42:21

【2035年未来予測 10年後の日本】日本が生まれ変わるためにすべき事

 と勝てる領域は? 中田敦彦のYouTube大学  2023/10/01 35:15

【アトキンソンの日本経済予測:前編】三流先進国になった日本/2025年から日本

 経済は縮小する/増税地獄が始まる/賃上げのための8つの提言/政府にできること

 は少ない/雇用の7割占める中小企業がカギ

 PIVOT 公式チャンネル  2023/01/03 38:15

【アトキンソンの日本経済予測:後編】全国一律最低賃金を導入せよ/非正規社員

 改革のデメリット/男女の賃金ギャップが生まれる理由/大企業の女性の給与が低

 すぎる/インバウンドは大チャンス/今後は富裕層が中心

 PIVOT 公式チャンネル 2023/01/04 30:42

 人口減の中で労働生産性を上げていかないと日本の凋落は止まらない。中小企業のイノベーションを進め、賃金を上げていかないと2025年以降、日本経済の急激な悪化は不可避。日本経済再建の鍵を握るのは今、最も頼りになるのはおそらく観光業ではないだろうか。とすれば今後はもっともっと外国の富裕層をターゲットに絞った観光業の発展を目指すべき・・・

【新時代到来】2023年に押さえておくべき新しい経済圏とは?けんすう、小島武仁

 らが大予想 NewsPicks /ニューズピックス 2023/01/04 13:04

 日本のyoutuberの質は高いと言われる。そうした質の高いクリエーターの増加が日本経済を牽引する可能性は確かにあるかもしれない。

【2023年大展望:キャリア|前編】逆GAFAM現象が起こる/米テック出身者は国

 内スタートアップに流れる/リスキリング元年/エムスリーはスタートアップ界の

 横綱/副業はガス抜き程度【北野唯我×渡邉正裕】

 PIVOT 公式チャンネル 2023/01/04 35:55

 どうやら逆GAFAM現象が2022年に顕在化してきているようだ。これらのビッグテック企業から流出してくる優秀な人材がこれからどのような企業に流入していくのか・・・は確かに経済の行く末を占う上でも注目していきたいポイントの一つであろう。こうした人材をしっかりと取り込めないような日本企業の場合、たとえこれまでは大企業であったとしても、一層の厳しさが予想されている日本経済の行く末を考えた時、無傷で今後生きのびていける可能性は極めて低いと予想するほか無いのかもしれない。

【2023年大展望:キャリア|後編】転職実現率5%という現状は変わるのか?/男

 女の賃金格差は埋まり始めるのか?/罰則付きの情報公開義務の必要性/ジェンダ

 ー視点による仕事選び【北野唯我×渡邉正裕】

 PIVOT 公式チャンネル  2023/01/05 27:08

 企業の情報開示が進まず、転職率が低いままである点と男女賃金格差の大きさが日本経済停滞の大きな原因となっているという指摘は極めて重要だと考える。しかもこの二つのポイントが学校教育の問題点とほぼ重なっているように思われる点が悲しい。日本の教師は一見、男女平等度がかなり高いように思えるが、実際にはかなり格差が大きいと考えるべきではないのか。実際、大学の教師や学長は圧倒的に男性が多い。また校長の数は高校や中学校の場合、まだまだ女性がかなり少ない。その一方で給与の低い幼稚園教諭や保育士は相変わらず女性が圧倒的に多い。教職全体で見れば明らかに男女格差は大きいままなのである。またイジメ事件等の隠蔽が性懲りも無く繰り返されている点から見ても日本の学校ほど情報開示が遅れている組織はあるまい。つまり日本経済停滞の淵源を遡れば学校教育に辿り着くと言っても決して過言ではないとカッパは考えている。日本経済の回復を図る上でも学校教育の根本的な見直しは必須であろう。

【出稼ぎ時代の到来!?】外国人に時給いくら稼いてるのか聞いてみた

 タロサックの海外生活ダイアリーTAROSAC 2022/11/10 18:45

 「ビッグマック指数」では54カ国中41位であり、物価の安さと賃金の安さが比例している事の深刻さが伝わってくる。2022年段階で日本では390円、アメリカでは710円、スイスにいたっては925円である。中国でも490円、韓国では483円、コロンビアで480円、ベトナムですら406円。特に日本での平均年収が430万円台なのに対して多くの外国人がそれを遙かに上回っている事が何を意味しているのか、是非しっかりと議論したい。

 しかも平均年収の日本での中央値はわずか398万円との統計まである。ネット上では韓国が経済破綻している・・・と揶揄する向きもあるが、日本経済の方が遙かに心配な状況にあることの方を日本では強調すべきではないのか・・・またこれからの日本人はもっと海外へ出稼ぎすべきであるとするならば、若者にとって英会話能力の向上は最大の課題となる。

【挑戦者たちの末路】英語力ゼロで海外挑戦したらこうなりました

 タロサックの海外生活ダイアリーTAROSAC 2022/11/12 50:56

 英語力ゼロでも積極的な気持ちさえなくさなければオーストラリアでは何とかやっていけるようである。とは言え基本的な文法と単語力程度は身に付けておくに超したことはない。

【日本の労働環境は○○?】日本と海外の職場環境の違いがヤハ過きた

 タロサックの海外生活ダイアリーTAROSAC 2022.11.20 20:30

 日本の就労文化の過酷さが浮かび上がるだろう。オーストラリアなどへの移住や出稼ぎはこれからの日本の若者にとって一つの有力な選択肢となってくるに違いあるまい。

【日本サゲ論】なぜ自虐や批判から入る?リスクを計算せずに避ける思考?メディ

   アの報道姿勢に課題?EXIT兼近と考える|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/12/15  14:10

 「失われた30年」をどう評価するのか、でこの議論は左右されるだろう。日本経済の現状をどう捉えるのか、どう評価するのか、日本の将来への予測は?

 日本の弱みと強みは?自国を評価するための公平で客観的な視点を保つのは極めて難しい。少なくとも信頼できる有用なデータに基づいて国際的な視点から判断する努力は必要だろう。次の動画と比較してみると対照的で面白いだろう。

もはや先進国ではない?「残念な国」となりつつある日本が生き残る道とは【宮台

 真司×堀江貴文】 2022/01/07 13:45

日本の夫婦は愛よりも金で結びつく?先進国最低クラスの幸福度:日本のジレンマ 

 【宮台真司×堀江貴文】 2022/01/01 9:11

日本人の頭の悪さはスペックにこだわる所?技術・政治に見えるイノベーション欠

 如【宮台真司×堀江貴文】 2022/01/02 10:21

民主主義の適切人口は3万?日本は民主主義に不向きな国なのか【宮台真司×堀江貴

 文】 2022/01/06 11:48

前篇:【宮台真司×波頭亮】現代社会をRethinkせよ。

 2021/10/29 NewsPicks /ニューズピックス 33:42

後篇:【宮台真司×波頭亮】現代社会をRethinkせよ。

  2021/10/29 NewsPicks /ニューズピックス 37:17

【宮台真司】「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と三島由紀夫を読み解

 く2021/01/02 NewsPicks /ニューズピックス 10:23

【宮台真司】「鬼滅の刃」が現代人に問うこと

 2021/01/01 NewsPicks /ニューズピックス 11:42

 宮台氏の痛烈な日本社会批判は極めて根底的であり、刺激的で論争を呼ぶだろうが、高校生にはかなり難しい。ただ非常に示唆に富む内容なので理解力のある生徒達には是非すべてを視聴させたい番組。

#83『君の名は。が好きな人はバカなのか?問題と糸守町に墜ちたものの正体と

 は?』2017/03/03 山田玲司のヤングサンデー 1:06:13

 「君の名は」が大ヒットした背景に何があるのか、をめぐる山田氏の考察は非常に興味深く、かつ爆笑できる。

「“劣化社会”日本と、孤立化する個人」宮台真司と先崎彰容が語る“日本人への処方

 箋”ダイジェスト 2022/01/27 文藝春秋digital編集部 18:39

【成田悠輔】日本は鎖国状態になる。「ネオ江戸社会」は意外と暗くない

 2021/12/30 NewsPicks /ニューズピックス 16:01

【文化・アートをRethinkせよ】山口周と波頭亮が、日本の未来を見つめ直す。

 2020/08/30 NewsPicks /ニューズピックス 47:10

林修も唸った!イェール大学助教授・成田悠輔★経済・教育・・・思い込みを捨

 て、データを見ると新しい世界が 

 2022/04/24 日曜日の初耳学【公式】 28:29

「失われた30年」の次に迫り来るもの…デービッド・アトキンソンが語る、日本

 経済復活のヒントとは?【成毛眞】 2022/03/18 NewsPicks  

“沈む日本経済”はおバカ!?最低賃金は先進国でビリ!課題だらけ…給料上げる方

 法を大激論! | FACT LOGICAL 2022/02/19 日経テレ東大学 

【日本人は貧乏】給料上がらない…韓国以下の水準!?停滞する「日本経済」に脱

 出方法はあるのか? | FACT LOGICAL 

 2022/02/12 日経テレ東大学 22:25

◎【貧困大国】20年後には途上国日本に「逆転の一手」はあるのか?

 NewsPicks /ニューズピックス  2022/12/28 1:20:22

 「憧れなき劣等感」が漂う日本社会に「憧れと希望」を取り戻すには明るい未来をリアルに描ける構想力が必要であり、今の日本の学校教育ではその能力はほとんど育めないだろう。宮田氏が自ら飛騨に大学を創設しようと計画中であるように、まず日本に求められているのは学校教育界でのスタートアップなのだ、という指摘には大いに共感を覚えた。

本間龍×宮台真司×神保哲生:電通問題の本質【ダイジェスト】

 2022/09/17 videonewscom 11:03

 日本の労働生産性の低さは特定の企業による「中抜き、ピンハネ」の構造にもその要因が求められるようである。コロナ禍で強行された東京オリンピックに絡んだ贈収賄事件は「平和の祭典」というきれい事の裏で誰が得をしているか・・・アスリート達の素晴らしい活躍を台無しにしてしまうような醜い利権構造に検察がどの程度、メスを入れられるか、厳しく監視していきたい。

※参考記事

「無理ゲー」の霞が関 退職官僚がつづった思いとは

 毎日新聞 によるストーリー  2024.1.9

 諸悪の根源は政治家の見識の低さであり、そうした政治家を選び続ける選挙民の意識の低さである。そして選挙民の意識の低さを巧妙に醸成してきたのはもっぱら日本の学校教育であろう。時間はかかるが、学校教育のあり方を根本から見直さないと日本の政治はいよいよ低次元のポピュリズムに流されてしまうに違いない。

「ワーホリ看護師」の人生を変えた驚きの職場環境 日本とは真逆「高収入、残業なし、

   休みやすい」 東洋経済オンライン 上阪 徹 の意見 2023.11.8

 おそらくこれからの若者はいきなり日本を変えようとするよりも、まずは外国に行って学び、働くことを通じて英会話能力を高め、視野を広げ、貯金をしておいた方が自分と日本の将来をより明るくできるのかもしれない。

 

日本の労働生産性27位=70年以降最低、OECD加盟中 

 時事通信 2022.12.20

【悪い円安①日本経済の危機】円安は給料や生活にどんな影響を及ぼすのか?

 2022/04/16 中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY 28:59

【悪い円安②日本経済の危機】日本円のピンチに日本国民が取るべき対策とは? 

 2022/04/17 中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY 

円安直撃】「アルバイトで月給80万円」今や日本人が海外へ出稼ぎにいく時

 代!? 日テレNEWS 2022/11/07 5:58

 外国為替市場の動きが私たちの働き方に大きな影響を及ぼしている現状を理解したい。

インターネット界を牽引してきた二人が宇宙産業に懸ける理由。ISTに出資の

 KADOKAWA・夏野剛さんと対談

 2022/04/26 堀江貴文 ホリエモン 1:00:19

 観光と宇宙と海洋関係が日本の未来を支える、という二人の指摘に注目したい。堀江氏がロケット開発と沖縄観光に力を入れる背景が分かる。変人と言われるイーロン・マスクの先見性も合わせて理解できるだろう。

スペシャル対談 #2 【藤田晋氏×堀江貴文】サイバーエージェント藤田晋社長が、

 ホリエモンの宇宙ビジネスに出資した理由

 2022/02/15 インターステラテクノロジズ(株) 52:39

落合陽一「皆いつの間にか“人気の奴隷化”している」「この芝は青いぞと言った責

 任を取れよと俺は思うタイプ」 経済学者・小島武仁と考える『アテンションエコノ

 ミー』と『資本主義の未来』を語る意味

 2022/08/25 NewsPicks /ニューズピックス 12:30

 人気の奴隷化」という言葉は多くのSNS利用者に刺さる部分があるだろう。アテンションエコノミーや行動経済学の人気に対して警戒を怠るわけにはいくまい。

【2023年は邪悪になるな】30代の歴史家 ルトガー・ブレグマン氏が日本人に直言

 /ユヴァル・ノア・ハラリ氏が絶賛した欧州の知性/暗い人類史をひっくり返す/1

 日3時間労働も可能だ/最後は善い人が勝つ

 PIVOT 公式チャンネル 2023/01/01 40:09

 外発的動機付けに頼りがちな日本社会は人々の意欲や創造性を枯渇させかねないという指摘に同意したい。

【2023年はシルバー民主主義から脱皮】「周りと違うことに慣れろ」30代の世界

 的知性、ルトガー・ブレグマン氏/ベーシックインカムは可能だ/ユヴァル・ノ

 ア・ハラリ氏絶賛の若き知性の希望の人類史

 PIVOT 公式チャンネル  2023/01/02 32:00

知の巨人「ルトガー・ブレグマン」、絶望する日本のZ世代に喝

 NewsPicks /ニューズピックス 2023/01/05 9:08

 日本の若者が過度な忖度を強いる、極めて同調圧力の強い日本の高齢化社会から抜け出し、閉塞感の色濃く漂う現状を打ち破っていくためには嫌われる勇気を持つことが不可欠である、とブレグマンはいう。老害や集団によるイジメがはびこり、多数派と協調する事を強いる日本の学校が若者の閉塞感、絶望感を醸成してきた張本人であることは否定できないだろう。

 真面目な議論を避け、社会派が唱える正論に対して否定的に冷笑する姿勢が目立つ若者達を育成してきた責任の一端は明らかに教師や児童生徒の個性や多様性を尊重しようとしない旧態依然の学校の有り様にあるとカッパは考える。

 

・老害発言は年齢差別?

「もう出馬してほしくない」高齢議員ランキング…3位小沢一郎、2位麻生太郎を抑

   えた1位は? 女性自身 によるストーリー 2023.10.25

   高齢の政治家が年功序列によって指導層にいつまでも居座る日本の政界こそが、時代の流れに取り残されがちな、停滞し、低迷する日本の現状を引き起こしている元凶の最たるものであろう。財界もしかり。成田氏が指摘するような「集団切腹」ならぬ潔い「勇退」制度、年齢制限が求められているだろう。少子高齢化の中で不利な立場に置かれている若者への優遇措置も同時に必要となっている。

「松本人志を本当に超えたい?」成田悠輔が”世代交代できない芸能界”を斬る【中

 田敦彦】 NewsPicks /ニューズピックス  2023/08/18  14:02

 「老害問題」と若者との関係をどう捉えるか、過激な発言で知られる二人の対談は非常に興味深い。キーワードは「世代交代」のあり方であろう。高齢化する日本社会の世代交代のあり方についてぜひ討論させてみたい。

若者よ、選挙に行くな 2019/07/12 たかまつななチャンネル 1:27

 討論に使えるだろう。シルバー政治に対抗する手立てはあるのだろうか?日本の年齢別人口ピラミッドや世代別投票率のデータを示しつつ、ぜひ時間をかけて討論させたい。

「若者の政治離れ」と言ってる人に一言 2019/07/04 ワラしがみ 4:58

 「政治の若者離れ」という表現はお見事。

今後のことで画期的なアドバイスがあるから聞いてほしい

 2022/05/21 ワラしがみ 3:29

 税金の使途についてもう少し厳しい監視の目が必要だろう。

文通費問題の全部を丸く収める超絶アイデアを思いついた

 2021/12/18 ワラしがみ 5:00

 文通費の「クーポン券」配布はかなり有効なアイデアに思える。

【ひろゆき】爆笑問題太田が大炎上。これ理解できないバカが日本を滅ぼします。

 爆笑問題太田光の二階幹事長への炎上発言についてサンジャポファミリー

 ひろゆき【切り抜き】2021/12/11 3:05

【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化よ

 り無人化の方がマシ」少子化&人口減少前提で考える日本の未来|#アベプラ《ア

 ベマで放送中》 2021/12/19 20:28 

 過激だが説得力のある提案。

【名作】ネットで話題騒然となった問題発言の発端!!今の日本の現状を痛烈に批

 判!!居座り続ける老人達に成田悠輔が警告を放つ!!

 成田悠輔の動画  2023/08/06  7:14

 【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化よ

り無人化の方がマシ」ABEMA Prime (2021/12/19)において高齢者の集団切腹」といった過激な表現だけが切り取られ、高齢者差別を煽る暴言と決めつけられて一時、大炎上した成田発言だが、実際には物理的切腹という意味ではなく社会的切腹(過去の功績をもって上のポジションに居座り続ける高齢者に潔く引退を促す、というほどの意味)であるとの発言であったことが分かる。この炎上騒ぎが成田氏に悪意を持つ勢力の扇動である可能性は高いだろう。成田氏が社会的切腹をイメージしたのはおそらく二階元幹事長や森元首相の発言をめぐる一連の騒動であったと思われる。

女性めぐる発言「深く反省」森喜朗会長が発言撤回 辞任は否定

 2021/02/04 FNNプライムオンライン 4:35

森喜朗を救いたい 2021/02/06 ワラしがみ 12:51

【成田悠輔】誰もが興味を持つ話題にぶっ飛び発言!政治家になる可能性は?ひろ 

 ゆきと成田悠輔に聞く【成田悠輔切り抜き/成田祐輔/ひろゆき/日経テレ東大学/リ

 ハック/Yusuke Narita】2022/01/01 3:04

「僕らは武器を与えられず大人になっている」20代の若者が日本経済への心情を吐

 露 2022/08/15 NewsPicks /ニューズピックス 14:30

たかまつなな/芸人挫折し慶応卒後NHK局員なるも 同僚から週刊誌リーク/

 精神崩壊しADHD 2021/09/25 街録chあなたの人生、教えて下さい

 43:38

 日本の若者の政治離れをどう食い止め、若者が不利となる政策を断つには何をすべきか、といった問題に真剣に向き合ってきた「たかまつなな」の歩みがよく分かる。

【一人一票】若新雄純「ワクワク感薄れてる」若い世代の閉塞感…余命投票なら変わ

 る?世代間格差をなくすには【参院選】2022/06/25 ABEMAニュース【公式】 

 17:47

【衝撃結末】収録直後…天才がまさかの告白【選挙ってなんだSP】

 2022/06/21 日経テレ東大学 40:32

 ランク付けの投票は検討に値する投票プランの一つと思われる。

【22世紀の民主主義】成田悠輔が提唱する「政治家不要論」アルゴリズムが政

 策を決めていく時代 2022/07/26 中田敦彦のYouTube大学 –

 NAKATA UNIVERSITY 40:40

22世紀の民主主義②】日本の停滞感を根本から変える「成田悠輔の新構想」とは?

 2022/07/27 中田敦彦のYouTube大学  42:00

 SNSの普及がポピュリズムをはびこらせ、民主主義の停滞を招いたとする成田氏の指摘は参考になるだろう。SNSの普及は他方で民主主義を再生するには「選挙」という古臭い、雑なシステムから離脱し、政治家を不要とする新しい社会を招く可能性を有している、という指摘も刺激的だが非常に面白い。本当の民意を反映させる方法としてAIを用いた政治を構想することも必要。「選挙に頼らない民主主義」という意表を突いた発想に注目したい。

【激論】成田悠輔×西田亮介 ニッポンの民主主義は限界?改良の余地は【参議院選

 挙】2022/06/24 ABEMAニュース【公式】 31:27

 二次投票のアイディアも現実的改善策としては検討に価するだろう。

参考記事

斎藤知事の兵庫県政「支持する」15% 文書問題巡る説明、6割超「納得できない」

  就任3年で本紙調査 神戸新聞NEXT/神戸新聞社 によるストーリー 2024.7.30

 高齢者ほど斎藤知事を支持する割合が多い、という調査結果に絶望を感じる若者は多いだろう。少子高齢化が進む中で若者の支持を得られないような頑迷固陋な政治家ばかりが再生産されてくる背景には高齢者特有の投票行動が潜んでいるだろう。しかし高齢者の政治意識を変えることは明らかに不可能に近い。もちろん若者の投票率を上げることも難しいし、現状では残念ながら若者の投票率がどんなに上がろうとも、地方では年齢構成のアンバランスから老害政治家が当選し続ける。おそらく現在の選挙のあり方を変えない限り、政治は変わらないに違いない。

 いっそのこと参政権の年齢制限を設けてはいかがか。とりあえず75歳以上は政治家に立候補することも、投票することもできない…とりあえず実験的に少子高齢化が進んでいる複数の市町村をターゲットにして現在の市町村議員の年齢を明示し、それぞれの議員への指示度を年齢階梯別、性別に集計してみると良いだろう。この調査ができるのは地方の首長か、議会、あるいは地方紙であろうが、現状を変えたいと思うならばぜひ実施してみると良いだろう。

 生徒にはアンケートや討論を用いるなどして、この件についてぜひ対応策までしっかりと考えさせたい。

「俺が市議だと知らないのか?」ごみ分別求められ威圧 北海道・北見市議会が厳重

 注意 テレ朝news によるストーリー 2024.7.30

 地方における老害政治家の典型がこれであろうか。77歳にもなって常識外れの振る舞い、居丈高な言動…こういう人物に限ってただひたすらに威張りちらしたい目的で議員様となっている…地方でこんな議員が幅を利かしているようでは少子高齢化に歯止めなぞかけることはできないだろう。

 ※参考動画

  ○「俺が市議だと知らないのか?」ごみ分別求められ威圧 北海道・北見市議会が厳重注意【知っ

   ておきたい!】【グッド!モーニング】 ANNnewsCH 2024/07/30 1:23

   最も問われているのはセリフの内容であり、口調ではあるまい。この議員には口調からして、反

   省の欠片も見えない

日本の「重症の民主主義」を再生させる3つの手段 「#投票に行こう」では変わらない

 現実を変える  成田 悠輔 2022/08/04 15:00 東洋経済オンライン

「若者の非婚化」を後押しする日本の絶望未来 実は「晩婚化」なんて起きていないとい

 う衝撃 荒川 和久 2022/08/14 07:30 東洋経済オンライン

成田悠輔氏の広報起用批判受け 内閣広報室、各省庁に「人選慎重に」

 毎日新聞 によるストーリー 2024.3.22

 まさしくこうした動きの背後に老害政治家たちの狡猾な動きが潜んでいるように見える。

キリン「氷結無糖」の“成田悠輔氏”広告取り下げが起こった本当の理由

 日刊SPA! の意見 2024.4.6

 上の記事とあわせて利用するとこの問題への理解が深まるだろう。

 

【賃上げラッシュ】経済トピックを総ざらいし、2023年を占う

 NewsPicks /ニューズピックス  2022/12/30 21:38

 「安くなった日本」で、どう幸せをつかむか?世界と向き合っていくうえで大切な

 こと ライフハッカー・ジャパン 印南敦史 2023.8.19

 日本の強みは何か、どこを克服すれば強みを生かせるのか、見えてくる。

「黒のスーツで画一」就活の服装は変えられる? 青山商事、学生に授業 5月から初

 の試み ITmedia ビジネスONLiNE 2023.5.24

 ブラック校則問題と同じ視点で日本の企業文化を批判する視点は必要だろう。なぜ就職活動の際、黒一色のリクルートスーツが日本社会に広くはびこってしまうのか、学校教育の問題と絡めてぜひ生徒たちに考えさせたい。

日本人の“働く幸福度”、世界最低に 調査で分かった「3つの理由」

 ITmedia ビジネスONLiNE 2023.5.25

労働者の「成長意欲」、日本は8カ国中で最下位 -「ウェルビーイング」って何?

 マイナビニュース CHIGAKO によるストーリー 2023.919

「世界的に見て低水準」な日本の従業員エンゲージメント 「最も低い世代」は? 

 ITmedia ビジネスONLiNE 2023.5.25

おカネに関する考え方がまるで違った…!アメリカ人が日本人の“4倍以上”資産を

 増やせる「驚きの理由」現代ビジネス

 世古口 俊介 によるストーリー 2023.5.9

 これからは投資を含めた金融教育、経済教育を充実させなければならない…と理屈では分かっているものの、教師自身が投資に消極的なマインドのままではリアルで面白い授業を望めないだろう。この分野、教師側の取り組み姿勢が今後、厳しく問われてくるに違いない。

トップ10に7社最高で39位日本経済「失われた30年」は時価総額の世界ランキ

 ングでもはっきり 東京新聞 2023.5.26

経済成長率157位の「ヤバい」日本それでも世界と戦えるのは「製造業」だっ

 た!現代ビジネス 週刊現代 によるストーリー 2023.5.3

内田樹「『最悪のシナリオ』に敬意を表する米国、『敗北主義』と呼ぶ日本」

 AERAdot.2022/11/16  07:00

 ウツの悲観的で現実主義的な予測が実は客観的で公正な未来予測とさほどズレてはいない事があると言われる。むしろごく普通の人達の将来予測の方が楽観的なバイアスがかかり、歪んだ認識に陥りがちなのだという。同様にアメリカの専門家が微細に論じてきた将来への最悪のシナリオはおぞましくもあるが、最悪の事態を避ける上では有効なのかもしれない。この観点は「未来予測」を論じる上で欠かせない議論なのでその是非に関してはこの分野の最初に討論の議題に据えておきたい。

 この期に及んでまだ「日本万歳!」と叫んでいるネトウヨの危うさは「大本営」発表と同じ、勢いだけの精神主義に汚染されている点であることにも気づかせたい。

日本は「一億総下流社会」へ…? 「中流より下の暮らしをしている」と答える人が

   多いという現実 現代ビジネス 小林 美希 2022.11.20

非正規雇用が増えすぎた結果…「中間層が崩壊すれば、日本は沈没する」一流経営

   者の予言 現代ビジネス 小林 美希  2022.11.24

日本の人材力は世界41位 4年下落、国際経験が最低

 共同通信社 2022.12.27

 世界に開かれた教育がなされてこなかったツケが回ってきているようだ。

参考動画

テレビやニュースはもう信じてはいけない。この事実に気付けば見えてくる生き方

   YSクロニクル目線

【山田玲司のヤングサンデー切り抜き】  2023/09/27 9:50

 学校教育とマスコミと政権与党への不信感満載の山田氏の論調は進撃の巨人を例にして非常に分かりやすく、刺激的。消費者主権の意義も踏まえて今、閉塞した日本に対して私たちは何ができるのか、一緒に考えてみたい。

【日本の闇】社会問題ワースト10をわかりやすく解説

   原貫太国際協力師 2020/09/12 14:08

   最初に問題点を列挙し、一つ一つ、掘り下げていくパターンなら、この動画から入るのも良いだろう。

【激震】あなたの初任給はいくら?|日本は既に安い国なのか?

   2022/06/22 タロサックの海外生活ダイアリーTAROSAC 16:23

 経済面での日本の現状を確認しておく必要はある。日本経済の低迷の導入として使いやすい動画。

[クロ現] 低い賃金 長時間労働 “安いニッポン”を離れ海外へ出稼ぎする若者のホン

  ネ | NHK  2023/03/22 5:18

 これも視聴時間が短く、分かりやすいテーマなので導入部で利用しやすい動画。

本田由紀×宮台真司×神保哲生:まずは今の日本がどんな国になっているかを知る

    ところから始めよう【ダイジェスト】 Videonewscom 2023/01/14 9:17

 かつて日本経済を支えていた企業、家庭、教育の循環構造が破綻し、様々な問題点が浮上してきている。まずは現状の問題点から目を背けてはなるまい。日本社会を俯瞰的に捉えたいときは特に役立つ動画。

松谷創一郎×宮台真司×神保哲生【5金スペシャル映画特集+α Part1】ジャニーズ

 を「サンクチュアリ」(聖域)化し、ジャニー喜多川を「怪物」にしたものとは 

 videonewscom  2023/07/01  1:56:11

 学校社会もまたジャニーズ事務所が君臨する芸能界やマスコミと同様に聖域化してしまい、法律以上に学校社会特有の掟が幅を利かす村社会、アウトローの社会なのかもしれない。だからこそ事件の隠蔽が横行し、不祥事が多発してもブラック校則や一斉講義形式の授業が残存し続けるのだとすれば、ジャニーズ事務所の問題と同様、学校社会もまた、一度は組織の膿を出し切らなければなるまい。

 応用のきく動画なので、教師にとってはこの分野でも大いに参考となる。

宮台真司】"他人を見捨てる"「日本社会」なぜ助け合わないのか?

 NewsPicks /ニューズピックス 2023.5.20

 現代日本の何がダメになっているのかを根本から見直す、有意義な見識に満ちていると思うがいかがか。民主主義を危機に導く「民意の劣化」をもたらしたのはもっぱらマスコミと学校であろう。

 特に学校教育の責任は重大であると考えるが、いかがか。民意を育てるには国民の知る権利が最大限保障されている事が一つの基本条件であろう。しかしほとんど情報統制の道具と化してしまったマスコミや学校教育がもたらす情報の偏り、加えて本来、周知せしめるべき情報の隠蔽とがあいまって国民の「愚民化」を推し進め、今に至る…

 政治について論ずることの出来ない主権者の増加は再び民主主義の暴走を招くに違いない。未熟であっても論じ続ける場と機会が乏しい日本の社会を作り出したのも、生徒の意見を尊重せず、服従と忖度ばかり一方的に強要する一斉講義形式に依存してきた日本の学校教育ではなかったか。

 これも応用のきく動画なので様々なテーマの参考となるだろう。

個人情報丸見え社会のスウェーデン|どこまでマイナンバー管理?犯罪は?| 北欧在

 住ゆるトーク Nord-Labo 北欧研究室  2023/09/23  16:52

 やや視聴時間は長いが、考えさせられる場面が多く、討論にもっていくにはうってつけの動画。情報公開の原則、知る権利の保障と個人情報保護、プライバシーの保護との調整は難しい問題だが、スウェーデンでは200年以上も昔から取り組んできた大きなテーマの一つだったことに驚かされる。政府や政治家、学校などでの各種隠蔽、改ざん、金銭面での不透明さ…が目立ってきた日本社会を変えるには参考とすべき部分が多いと感じた。

 ほかの分野でも使いたい、貴重な動画。

※参考記事

【宮台真司×與那覇潤】「一般市民」が「バイト感覚」で強盗になる未来が意外で

 はない「驚愕のワケ」週刊現代 によるストーリー 2023.6.2

 若者を論じていて生徒には関心が深いネタであり、格好の討論の材料だと思われる。ただしこの文章だけを単独で取り上げても難解。教師は上記の宮台氏が出演する幾つかの動画も視聴して、あらかじめ論点を整理しておく必要がある。