㊺男女共学化と女子枠入試、性教育
※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。
・男女別学問題と女子枠入試
〇どうなる? 埼玉の県立高校共学化 意見交換会で反対意見相次ぐ
毎日新聞 2025.8.26
なぜここまで県立高校の共学化に反対意見が埼玉県民から出てくるのか、理由がまったく分からない。高校では男女別の方が過ごしやすい、というのなら今後、大学や就職先においても男女別の居場所を設けるべきということなのか。男女共学化に反対する人は、これまで国や自治体が男女共同参画社会の実現を目指してきた流れを否定するつもりなのだろうか。
黒人差別が今よりも激しかった時代ならば、白人と黒人とが学校や居住地域を分離していた方が様々な衝突や事件を避けられる可能性はそれなりにあっただろう。南アフリカのアパルトヘイト政策にもあの時代においては人種間の衝突を避けるという合理性が多少ともあったと思われる。
男女分離教育に公立高校として自ら関与するという事は、地方自治体として学校における男女のアパルトヘイトを部分的にせよ認めるということに他ならない。仮に埼玉県では相変わらず社会全体で激しい男女差別が残存しており、男女間の激突を避けるためにも男女共学は時期尚早である、との認識が広くあるならば、反対意見にもそれなりの理はあるに違いない。しかしどう見ても埼玉県がそれほど男女間の仲が悪いローカルな伝統文化を根強く持っているとは思えまい。
男女共同参画社会の推進を義務付けられている地方自治体の一つとして、埼玉県だけが高校における男女共学の流れに反旗を翻すわけはいくまい。
〇埼玉県立高の共学化方針 男女別学校の卒業生有志が「撤回と是正を」 意見書を県に
提出 東京新聞 2025.2.26
学校教育における男女隔離政策の悪影響が生徒たちの卒業後にまで及んでいるのだろうか。県教委の共学化方針に反対する勢力の動きは賛成派よりもかなり活発に見える。ならばなおさら、県は男女共学化を推進すべきだろう。
おそらく多数の人は共学化に賛成か、どちらでも良い、という考えであろうが、意見書を県に提出するほどの強硬派は、実際には少数派と思われるが、いかがだろう。
〇25年前にさかのぼって調査指示、浦和高校の校歌指導に埼玉県教育長
朝日新聞社 2025.2.14
未だにこんな封建的な校歌指導が、あろうことか、県下随一の進学校で行われていたことに唖然とする。こうした旧態依然の、バンカラな男中心の校風が男子校の伝統校に生き残っているのは、ある意味で必然的ではあるまいか。男女共学化に対して執拗に抵抗してきた浦和高校の、真の体質が、人権や女性を軽視する前近代的な体質に依拠するものとして捉えられても仕方あるまい。この問題、かなり根深いものがありそうだ。
授業ではなぜ浦和高校で、こんな前近代的風習が放置されてきたのか、その原因を生徒たちに探求させたら面白くなるだろう。
〇校歌指導問題 埼玉県教育長「大変重く受け止め」 保護者に謝罪も
東京新聞 2025.5.22
何と21世紀に入ってからこのような前近代的校歌指導が始まったというのだから驚きである。埼玉県の学校教育風土自体に非人権的側面が根深く残存していたと考えて良いのかもしれない。そうした前近代的要素はこの校歌指導が三校の男子校で行われていた事と何かしら関連してはいないのだろうか。少なくともこの点は多少とも疑ってかかった方が良いと思われるのだが…
◎公立の男子校・女子校は共学にすべきか? ジェンダー平等か伝統か、埼玉で巻き起
こった議論の決着は― 47NEWS によるストーリー 2024.10.13
これまでに出てきた議論がある程度、整理されていて議論のたたき台にするには資料としてかなり使い勝手が良い記事だろう。根強い反対論の存在を指摘するこの記事を読むと、どうやらこのテーマを扱う際には、ある程度、頑強な差別の残存を説明できるような本質論を意識していないと、たちまち議論百出し、収拾がつかなくなる危険性があることに注意が必要なように思えてくる。
まず、なぜ日本の男女格差が世界最悪レベルのままなのかに関して、一体どこまでその原因追求の手を広げてきたのか、深く掘り下げてきたのか、によって意見はいくつかに分かれると考える。したがってこの議論で真っ先に必要なのは表面的なレベルで男女別学の是非についての賛否を問うといった議論ではなく、日本の男女格差の深刻さ、大きさについての私たちの認識の深さと広さへの関心の強さなのだろう。
○「男女別学は否定しない」としながら共学化ゴリ押しの埼玉県教委が高校生との意
見交換で放った"トンデモ主張" プレジデントオンライン 2024.9.20
相変わらずピンボケ気味の意見が出されているが、多様性を尊重することとアパルトヘイト的側面を持ちかねない男女別学とを混同してはなるまい。もちろん現状においても別学に拘るならば私立高校に行けば良いだけである。別学の選択肢が完全に無くなるわけではなく、ちゃんと確保はされている。
逆に男女共同参画社会を推進する立場にある県があからさまに管轄下にある公立高校での男女別学を認めるわけにはいくまい。男女別学を公立高校で認めている都道府県の数は現在、急速に少なくなってきており、埼玉県だけがそうした動きにいつまでも逆行することは立場上、もう許されないはずだ。
埼玉県における男女別大学進学率で女性の進学率が男子よりも目立って低いのはなぜだろう。公立高校での男女別学が一つの原因となってはいないのだろうか。日本全体の男女格差がなかなか解消されない中で埼玉県だけが男女格差解消の取り組みをサボっているとの印象はやはり否めない。
なお千葉県も少数ながら公立の女子高校が存在している。千葉県でも一刻も早く公立での完全共学化を実現すべきだろう。
○賢い男子は「浦高」、女子は「一女」でなぜダメなのか…埼玉県でくすぶる「県立高校共
学化」問題の迷走ぶり プレジデントオンライン 城山 ちょこ 2024.9.1
一見するともっともらしい主張だが、なぜ埼玉県だけが突出して男女別学の公立高校が多いのか、歴史的経緯がきちんと説明されておらず、大きな疑問が残る論調である。もちろん男女共学の高校にも大きな問題があるが、それが男女別学を正当化する理由には決してならない。そもそも最大の問題は男女別学と男女共学との別を問わない、時代遅れとなった日本の学校教育全体の問題だからだ。その問題が日本社会全体を停滞させ、「人権後進国」と呼ばれる現状を創り出している最大の元凶の一つなのである。したがって男女共学化だけ実現しても、何一つ事態の改善は見られないだろう。とは言え、それは決して男女別学の残存を今後も許容する理由にはならない。
男女平等度の低さもまた世界トップレベルの日本が、いまだに一部の県に限られるにせよ、公立高校で男女別学を維持している事の持つ意味は小さくあるまい。当然、学校教育全体の根本的見直しは急がれるが、同時に公立高校における男女共学化も急がれる、情けない状況に日本が置かれていることにいい加減、気付くべきであろう。
○県立高校共学化、少子化が一つの理由 県教育局、別学校生徒に
朝日新聞社 によるストーリー 2024.8.28
共学化が「少子化」を大きな理由とした県教委の回答にはがっかりさせられた。少子化は小さな理由にはなるだろうが、それ自体は本質的な問題ではあるまい。日本社会に深く根付いている男女間格差の原因として一体何が考えられるのか…現在の日本社会が抱える問題の多くが学校教育の遅れに淵源する、と考える立場からすると、やはりこの問題も高校での男女別学を公立で戦後も数多く残存させてしまったことに起因する側面が多少とも存在するのは否めないと私は見る。
授業ではまず高校生と教育局側とのやりとりに関して意見を募りたい。この問題は戦後の新制高校における三原則の意義を踏まえた歴史的経緯、及び学校教育や日本社
会の各所に巣くい続ける男女間格差への知識が必要不可欠になる。欧米など、男女平等度の高い国での男女別学の有無を調べさせることも作業としては欠かせまい。
○【佐藤優コラム】「埼玉県立高校の共学化問題」の不可解 政治化したこと自体が深
刻な問題 東スポWEB によるストーリー 2024.8.8
佐藤氏の論考はまさに官僚的な模範回答であり、手続き上の瑕疵を表面的に批判しているだけのように見受けられるのだが、いかがか。この件では本来、男女共学の理念に基づいて出発したはずである日本の戦後の新制高校がなぜ、特定の自治体においてはいまだに公立の女子高、男子校が存在してしまっているのか、が問われているはず。つまり同じ中等教育段階でも前期中等教育にあたる公立中学校では男女共学がほぼ全国的に実現できているのに、なぜ後期中等教育段階ではいまだ実現できていない地域があるのか、そして現状における高校での男女別学に果たして合理的理由があるのかが、本質的には問われているはずである。
この問題は大学進学率の性差にも及んでいる可能性が高い。たとえば理系学部への進学率や東大、京大など、いわゆる難関大学への進学率は日本の場合、明らかな性差が見られる。この性差を生じさせている原因は一体どこにあるのか…埼玉県のような地域でこの性差が全国と比べて有為に大きいとすれば、男女別学による効果の影響が性差発生の原因の一つとしてそれなりに疑われるだろう。つまり国際的に見てトップクラスに男女間の不平等度が高い日本社会の現状を考えた時、高校での男女別学の問題はむしろもっと強く「政治化」すべきであり、大きな論争が生じて当然のテーマであるとすら言えるのではあるまいか。
ちなみにお茶の水女子大の高校別合格者数のランキングで川越女子と浦和第一女子の2校が常に上位を占めている。日本女子大も似たり寄ったりである。彼女たちが受験先に女子大を選びがちなのはなぜなのか…少しはその理由を考えた方が良いだろう。
◎埼玉県立高校の共学化論争、中学生の56%が「どちらでもよい」…高校生は別学
維持が過半数 読売新聞 によるストーリー 2024.7.12
高校生の別学維持の理由では「両方を選べるのがよい」「共学化すると伝統の尊重や校風の維持ができなくなる」「学校生活を安心して過ごせる友人ができる」といった意見が多かったらしい。
また別学高の共学化について…中学生の56・2%が「どちらでもよい」とした。「共学化した方がよい」18・7%、「しない方がよい」19・3%と、別学維持の声が僅差で多かった。共学化に賛成する理由(複数回答)としては「性別によって入学できない高校があるのは公平ではない」、別学維持の理由では「(共学、別学の)両方を選べるのがよい」が最も多かった…という。
日本の性教育の遅れがこんなアンケート結果となって表面化しているのかもしれない。いずれにせよ、生徒たちや保護者がそれぞれ対立する意見をどうすり合わせてお互いに納得感のある方向性を見出すのか、が問われる。議論の場を設けないまま、意見の多寡によって結論を急ぐことだけは避けるべきだろう。
◎高校の共学化加速、男女別学はピーク時の3分の1に…埼玉県では卒業生ら反対で
存続議論 読売新聞 によるストーリー 2024.6.29
授業で利用可能な事例やデータが紹介されており、男女共学化を巡る流れが分かりやすい。討論型の授業をするなら、この記事を最初に紹介してしまうとあまりにも早く同じ結論に誘導してしまう惧れがあるので、様々な意見が生徒たちから出尽くした段階で紹介すべきだろう。
◎「別学か共学か」 公立高校の男女共学化問題でジェンダー教育はどうなる
AERA dot. 小長光哲郎 によるストーリー 2024.6.15
論拠の一部とされるべきデータをほとんど示さないこの手の不毛な議論がまだ続いているのかと思うと、個人的には絶望的な気分に陥る。授業では一見もっともらしいこの記事の論調に漂う奇妙な違和感にハッキリと気付けるような資料と併せて具体的なデータを提示すると、刺激的な議論が展開できるかもしれない。
ポイントの一つとして見逃せないのは、たとえ男女別学校の授業で十分なジェンダー教育が行われていたとしても、物言わぬ場の力学、環境の差異、「女子高・男子校」というフレームワークが果たす影響力を決して甘く見てはいけない…という常識的なこと。所詮、現状の授業程度では場の与える無言の影響力を上回ることが極めて難しい…違うだろうか。
〇「埼玉の県立高共学化」論争再燃、卒業生や保護者が反対署名…県は108万人対
象にアンケート実施 読売新聞 によるストーリー 2024.6.10
論点の整理に利用できる。
〇娘を通わせるべきは「女子校」か「共学」か?1000人のアンケートで判明した「女
子校育ち」のある特徴
ダイヤモンド・オンライン 城山ちょこ によるストーリー 2024.6.27
女子高の数が戦前と比べて激減したのはアメリカの占領政策の影響が大きい。したがって女子高激減が男女共学化を推進する理由とはなるまい。女子高を巡る論点を列挙する上では役立つ記事。
〇共学校にも実社会にも潜む「男子校の亡霊」とは 男子校を潰しても男女平等にはなら
ないワケ 東洋経済オンライン おおたとしまさ の意見 2024.6.7
男子校を潰しても男女平等にはならない、というのは当たり前のことであろう。したがって男子校の存在を目の敵にしても男女平等には近づくまい。ただ、埼玉県のケースでは男子校の存在が男性優位の現状を創り出す要因の一つとなっている可能性を否定できないかもしれない。
◎男子校は女子差別? 共学化論争に欠けた「機会の平等」議論と「東大至上主義」へ
の疑問 おおたとしまささん
弁護士ドットコムニュース によるストーリー 2024.6.30
「東大至上主義的教育競争が和らいで『どこの学校もいい学校だよね』となれば、多分男子校の人気も下がるんです。そうすればいずれ自然に男子進学校はなくなるでしょう。本当に変えていかなければいけない点は、東大至上主義的な教育観です。いま県民の支持を得ている学校をむりやり潰して遺恨を残すことは、優れた民主的判断とはいえないと思います。」というのがポイントとなる論拠だろう。
「東大至上主義的教育競争が和らいで『どこの学校もいい学校だよね』となれば、多分男子校の人気もさがるんです。」などという趣旨の指摘は何十年も前から繰り返されてきた陳腐なものだが、日本の進学競争は残念ながら学力上位層においては相変わらず激しい。中高一貫校の人気を見れば一目瞭然だろう。したがって当分の間は「自然に男子進学校はなくなる」とは思えないし、「東大至上主義的な教育観」が日本からすぐになくなるとも思えない。
これをなくすには学歴や学校歴、学習歴などと対等に技能をも重視するヨーロッパ風の職業観が日本でもしっかりと根付いてこなければならないだろう。労働者の採用条件では学歴と並んで技能重視の側面がこれまで以上に強まってこなければならないだろうし、中等教育における職業教育だって今以上に社会的に重視されていく必要がある。以上の変化が社会全体で進まない限り、「東大至上主義的な教育観」が変わる可能性などほとんどあるまい。
当然、この変化には時間と労力が相当かかる。つまり今、何を変えるべきかだけではなく、今、何を変えられるのか、問う必要がある。当面の行程を念頭に置かない議論は現実味を欠くがゆえに不毛に見えるのだ。
確かにフィンランドなどは日本と比べて名門高校や名門大学などはほぼ存在せず、世界的に見てもフィンランドのどの高校、どの大学もレベルが高いし、それぞれの教師は小学校も含めてほぼ全員が優秀と言える。日本と違ってフィンランドでは教師が最も尊敬される、憧れの存在になっているのだ。教師の力量の高さも手伝って、フィンランドでは学校間格差がほとんど存在しない。
他方で職業教育も充実し、高校段階での職業実習では生徒に賃金まで支払われている。もちろん、フィンランドでは学費、通学費、文房具代まで原則、無料であり、進学を目指しても就職をめざしても、それだけでは将来的な収入の格差拡大につながらない。当然の事、学力低位層や職業高校を下に見るような偏見、差別はフィンランド社会にはほとんど無い。
だとすれば、日本は本当にフィンランドのようになれるのだろうか、あるいは本当にフィンランドのようになりたいと願っているのだろうか…自問自答してみれば良かろう。20年ほど前に日本のPISAにおける順位が急落した際、教育関係者や文科省の役人たちが大勢、フィンランド(当時はトップクラスの成績を続けていた)に視察に行っているはずだ。20年経って何か、日本の教育界は変われたのだろうか。
今、日本の官僚たちはPISAの順位を少しばかり上げただけで得意になっているだけだろう。つまり政府は本音では決して「東大至上主義的競争」を悪い事とは捉えていない。そもそもこの国には福祉国家フィンランドをお手本とするような、未来の設計図は一切存在しないのだ。
「東大至上主義的教育競争が和らいで『どこの学校もいい学校だよね』となれば、多分男子校の人気も下がるんです。そうすればいずれ自然に男子進学校はなくなるでしょう」という、根拠の無い、無責任で非現実的楽観論に依拠して男女別学の存続を説く…何と甚だしくトンチンカンで滑稽な意見であろう。
加えて…共学だろうが男女別学だろうが、性差別解消に必要なのは学校において異性に対する知識や理解を深める努力がなされているか、否か、である…?これってどういうこと?性差別に関してどんなに優れた教育が行われていようと、性差別が存続している限り、その教育は無意味ではないか。第一、男女別学を公教育として許容することと学校での授業の質とはまったく別次元の問題であろう。論点を少しずつずらしていきながら、持論を展開するこの手の論評に流されてはなるまい。
仮に白人社会で黒人差別に対するそれなりの教育が行われていたとしても相変わらず アパルトヘイトが続いているのならば、黒人差別が十分に改善されたとは言い難い。アパルトヘイト自体が差別の主要な要素だからである。私たちは男女別学によってもたらされる無意識的な影響力を決して甘く見てはなるまい。
東大の学生に占める女子学生の割合が2割程度に過ぎないのは中高一貫を問わず、男子校出身者が東大合格に占める割合の多さにも、その要因を求められるのではあるまいか。仮にその可能性を排除できないのならば、せめて公立校での男女別学程度は辞めるべきだと考えるが、いかがか。
◎埼玉県立高校共学化問題の動き活発に ネット上では反対署名
産経新聞 2024.1.23
○埼玉県立高校共学化問題大詰め 別学は差別的か、意見聴取ではほぼ「反対」
産経新聞 2024.3.21
◎共学化勧告受け、埼玉県立浦和高生が意見表明 「別学通いたい 多様性無視」 約
85%の生徒が反対 東京新聞 2024.3.22
◎男女別学県立高の共学化を 市民団体が改めて早期実現訴え
朝日新聞社 によるストーリー 2024.4.11
※参考動画
〇【AI×教育最前線】教育分野の最新AI活用事例5選 / 「教育のAI活用は学力低下に繋がるのか?」
問題【生成AI】安野貴博の自由研究チャンネル 2025/04/02 14:07
この話題、議論のテーマにうってつけ。ぜひ、授業に取り上げていただきたい。
私としては男女別学が「アパルトヘイト」と同種の効果をもって性差別を助長するおそれをはらむと思い、あまり好ましくないものと考えるが、いかがだろう。特にこれを公立学校で認めていること自体、間違っていないのだろうか。
一見すると共学化反対の意見に合理性があるように思えるが、戦後教育の流れを考えた場合、共学化反対意見にはかなりモヤモヤする側面がある。GHQが打ち出した戦後の高校教育三原則(男女共学・小学区制・総合制)の中で日本が辛うじて実現できたのは男女共学のみ、とこれまでよく言われてきた。しかし実際には北関東などでGHQ内の組織の違いによって男女共学原則すら、まともに実現できなかったという過去があるのだ。このため茨城などでは上辺だけ男女共学の体裁をとっておきながら、学校内部では男女別の学級を編成する、といった男女共学方針への姑息な抵抗が長く続いていた。これは明らかに「男女七歳にして席を同じうすべからず」といった封建的で性差別的な考えが北関東では頑強に残り続けたからである。
もちろん、私立高校ならば多様性を重んじ、学校独自の教育方針を打ち出す中で男子高、女子高の存在があっても問題は無い。しかし公立高校、しかも男女共学に頑強な抵抗を続けてきた北関東地区、という歴史的条件を考えると共学化反対意見には素直に従えなくなってくるだろう。そもそも、日本の男女平等度は極めて低く、先進国では最低の位置にあり、諸外国からも強く批判されている現状がある。
たしかに公立高校であっても一部は男女別学を認めるケースが他の県では広く見られるので、男子校5校、女子校7校程度ならば数的に問題無いと思える。しかし男子校では浦和、春日部、川越、女子高では浦和第一女子高、川越女子といった県内トップレベルの進学校、伝統校が公立別学校12校中5校も含まれる点には強い疑念が生じるだろう。私立でも進学校で有名な明の星女子が存在することを考えると、どうやらこの状態はもはや確信犯的であるとさえ言えるのではあるまいか。
実は東京都では男女とも四年制大学の進学率が7割を超えているというのに、東京の大学に自宅から通え、首都圏に所在する中高一貫校にも通学範囲内である埼玉県での女性の大学進学率がなぜか半数にも満たない、という驚きの統計(→文科省の学校基本調査参照)もあるのだ。
2022年度の実績では全国平均が男54%、女49%に対して進学率トップの東京都はそれぞれ72%と73%であり、何と東京では女の進学率が男を上回っている。対して埼玉ではそれぞれ59%、48%であり、男は全国平均を5%も上回っているが、女は全国平均を1%下回ってしまっている。いわゆる「埼玉都民」が大勢、居住しているはずの埼玉において、この数字が意味することは極めて重大ではなかろうか。特に進学率の男女間格差は全国平均が5%ほどなのに対して埼玉では何と倍以上の11%も開いてしまっているのだ。
これは首都圏においても突出した数字であり、北関東ですら、栃木県(男女比52:46)、群馬県(49:43)、茨城県(55:49)に比べても男女間格差が大きいという恐ろしい状況、もはや異常レベルの値なのだ。しかも埼玉同様に東京への依存度が高く大勢の「千葉都民」を抱えている、アノ、学校不祥事多発の千葉県における男58%と女49%の格差9%よりも埼玉は2%ほど上回ってしまっている。つまり昨年度の埼玉県での四年制大学進学率には男女格差の解消が叫ばれている現代において、全国レベルでも後ろ指をさされかねないほどの露骨な性差が浮上してしまっているのだ。
まず授業では一般論として公立における男女別学のメリット、デメリットを挙げさせたい。次に埼玉県の問題としてはどうなのか、進学率のデータの背景にある埼玉県の問題点をじっくりと考えさせると有益で面白い議論が展開できるだろう。
◎県内エリート男子高で“性教育”の名の下セクハラにあった図書館司書46歳女性、教
職員カーストで圧された声とは 女子SPA! の意見 2024.2.13
学校での性差別問題の諸側面を垣間見ることの出来る、貴重な事例が紹介されている。エリート男子校、女子高の存在を学校の多様性、個性として擁護する意見があるが、事はそんなに単純ではない…等々、多くのことを考えるきっかけを与えてくれるだろう。
〇中学卒業式で不登校など6人、椅子への案内なく「平均台」に座る…さいたま市教
委が校長を厳重注意 読売新聞 2025.4.17
これだけのことをしておいて校長への厳重注意と保護者への謝罪で済まそうとするのは常識はずれにも程があるだろう。当該校長やさいたま市教委の良識が根本から疑われる対応であり、ネット上で炎上するのも無理はない。
中学校側に、欠席を続ける生徒を隔離し、辱め、罰する意図があったことは終始、椅子ではなく平均台に座らせたことで既に明白。「本来ならば君たちには卒業式に参加する資格が無い…」という暗黙のメッセージは6人にしっかりと伝わったはずである。6人の心の傷が今後、どの程度の深さに達していくのかは、市教委と校長の対応次第であったが…残念というほかあるまい。
なぜ、彼らが長欠を続けたのか、その原因を生徒本人と家庭側の問題にしか求めようとしない、的外れで頑なな姿勢がおそらくこの学校全体、さらにはさいたま市教委に行き渡っていたのだろう。6人が体育館の2階で終始、平均台に座らせられていたことを教員の誰一人として気付いていなかった…という言い訳を信じるお人好しは今時、皆無であるはずだ。衆人環視の下での組織的「犯罪」とみて良い。多くの教員はせいぜい「見て見ぬふり」をしていたのだろう。
そもそも長欠の生徒たちをどのような形で式に参加させるかは事前に3学年会議や全体の職員会議で毎年、しっかりと検討されるべき議題であるべきだ。当然、イジメ等の関係で式に加われない不登校の生徒は少なくあるまい。ならば式当日も欠席したい生徒だって少なくないはずだ。式の参加を巡っては長欠生徒からの多様な意見が考えられるのだから、各生徒一人一人にどのような形の参加が良いのか、学年会議の前にクラス担任があらかじめ尋ねておくことは今やマストであるといって良い。でなければ卒業式における長欠生徒への対応をめぐる各種の会議はそもそも開けるわけがない。
にもかかわらずこうした事件が発生してしまった…ということはこの中学校の職員のほとんどが長欠生徒のことを全くと言ってよいほどに視野に入れてこなかった…どの会議においても長欠生徒への個別対応はほとんど話題にもならず、誰もが真剣に考えていなかった、ということではないのか。
これは一校長の資質の問題に限られるものではあるまい。この中学校全体、はてはさいたま市の学校教育風土全体の、組織的で幅広く、かつ根深い人権意識の低さをうかがわせる問題であるように思われるのだが、いかがか。
いまだに男女別学という異性の隔離政策を頑なに続けている保守王国埼玉県のことである。こうした式における長欠生徒の隔離措置と見せしめ、辱めなど、学校現場では断固として意に介さない…ということなのかもしれない。
・2024年度学校基本調査(文科省)より男女格差を考える
国立を除く公立で女子高が存在する都道府県は現状で12道県。ただし内5校は男女共学を謳っているにもかかわらず、在校生が女子ばかりとなっている高校である。入学段階で女子のみを対象としているのは9道県、24校に過ぎない。
その内、埼玉6校,群馬5校,栃木4校と複数の公立女子高を有する都道府県は北関東に過半数が集中している。なお北関東以外では鹿児島3校、千葉2校と続く。また東北の山形と北関東の茨城では共学であるにもかかわらず、男の在校生が不在であり、それぞれ2校は事実上、女子高と化している。
北海道、宮城、島根、福岡では各々1校ずつ女子高が残存しており、岩手も山形や茨城と同様に表向き共学ではありつつ女子のみ在校する、事実上の女子高が1校ある。こうして現状の公立女子高のデータを概観してみると、北海道、東北、関東、山陰、九州地方に女子高の残存が確認でき、特に関東は合計19校と、女子高の残存数が突出していることが分かる。
以上のデータと2024年度の進学実績のデータを重ね合わせて公立高校における男女別学の問題点を検証してみたい。全国の大学進学率(短大を除く)は男女合わせて59.1%。性別の内訳で男は61.9%、女は56.2%である。いまだ男の方が2.6%ほど進学率は高いが、実は女の進学率が男より低い都道府県はわずか7道県に過ぎない。既に都道府県単位で見れば圧倒的に数多くの地域で女性の進学熱が男性を上回っているのだ。
新潟は男女同率の大学進学率なので新潟以外をカウントしてみると、何と39都府県もの地域で女の進学率が男を上回っている。都道府県単位で見ると女の方が男を圧倒しているように感じるのだが、全国では逆に男の進学率が2.6%も高くなっているのは実に不思議なことに思えてくる。多少とも統計処理のミスが考えられなくはないが、今回、その可能性は不問に付しておくことにしよう。
女の進学率が男を下回っている7道県を男女間の進学率格差が大きい順に挙げると以下のようになる。
山梨(3.1%)、北海道(2.9%)、静岡(2.6%)、滋賀(1.9%)、神奈川(0.8%)、千葉(0.7%)、埼玉(0.4%)。
太字は公立の女子高が残存している地域。やはり公立女子高の存在はその地域の教育界における男尊女卑の因習の残存をにおわせており、女の大学進学率を男よりも少しばかり低くさせる効果があるようだ。ただしその効果はさほど大きくはないようにも見受けられる。詳しく知るためには本来なら公立女子高の残存する地域の女子大への進学率をも調べる必要があるが、こちらもやや手間がかかるので深追いは諦める。
以上、参考までに2024年度の文科省データから、かなり不十分ではあるが推測できる点を少しばかり考察してみた。
◎女性の「理系」進学率が圧倒的に低い日本。卒業生が母校に帰る「2時間」が女子生
徒の可能性を広げる、その理由 ハフポスト日本版 2025.3.8
埼玉県の公立高校における男女別学の残存問題と絡めて授業でこの問題を取り上げられればきっと生徒の食いつきがさらに良くなるだろう。企業の経営者、裁判官や国会議員に占める女性の割合の低さなど、日本における性別役割分業的な格差は現在でも多方面にわたって表面化している。その背景には埼玉県の様に性差の問題が学校教育においても解決不十分なまま残存しており、根深い差別的風土が学校社会にも広く横たわっているに違いあるまい。
◎<くらしの中から考える>女子枠 東京新聞 2023.5.3
他国と比べて日本の理工系大学への進学者に女性の割合が極めて少ない、その理由をアンケートなどで問いたい。また女性進学者を増やすための「女子枠」について賛否を問いたい。いずれも討論の題材にうってつけのテーマだろう。
◎東大にはなぜ女性が少ないのか。入学式で総長が問いかけた「構造的差別」とは
【式辞全文】 ハフポスト日本版 の意見 2024.4.16
…特定の属性を持つひとが、等しい機会を得られずに排除され、あるいは人一倍の努力をせざるをえない状況を「構造的差別」といいます。この構造的差別から脱却すべく、経団連は、2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にする目標を掲げました。東京大学も、2020年に30% Club Japanのメンバーとなり、UTokyo Compassにおいても、学生における女性比率を30%とすることや、新たに採用する研究者の女性の割合を30%以上とし、教員における女性比率を向上させるという目標を明記しています。
なぜ30%という数値目標なのかということですが、ハーバードビジネススクールのロザベス・モス・カンター教授は、ビジネスの場に関する研究において、女性が15%に満たない組織では、女性一人ひとりの能力や技能が、女性という集団的な属性に関係づけられる傾向があること、そして女性の比率が30%を超えるとそうした傾向が変わりうることを指摘しました。すなわち、女性個人としての能力や技能に応じた貢献が可能になり、意思決定プロセスに影響をあたえ、組織のさまざまな変革を推進できるようになるということです。
であればこそ、その状況ゆえに活躍できない少数派の女性の割合を30%にまで上げることが、公正な社会実現に向けた最初の目標となるでしょう。…
以上、藤井輝夫東京大学総長の入学式での式辞の一部を抜粋してみた。理系の大学や学部の入学試験において女性の合格枠を予め定めておく動きが近年、目立ってきている。そうした動きに対して「逆差別」との批判もあるが、それへの反論としてこうした考え方があることは知っておくべきだろう。
◎運動会の“ジェンダーレス徒競走”が物議 1位はほとんど男子…「ジェンダーレスの
履き違え」ENCOUNT の意見 2023.5.22
どこの小学校のことなのだろうか?ジェンダーレスを「性差が無いこと」ときわめて単純に捉えてしまう、この浅はかさに仰天してしまう。しかし討論の題材としては刺激的で議論噴出、活気のある討論が期待できよう。
◎中学体育の「男女共習」から3年目 7割の学校が「全種目で実施」
朝日新聞社 によるストーリー 2024.1.15
身近なテーマなので性差別問題の導入部で使えそうな記事。高校体育での「男女共修」はどうなのか、ぜひ考えさせたい。
◎京都大学が入試で「女子枠」新設へ 理学部と工学部で26年度から
朝日新聞デジタル 2024.3.21
わざわざ女子枠を設けて女性を優遇する受験制度は果たして性差別と言えるのか、議論させると面白いだろう。もちろん高校段階までで性による進学格差がほぼ解消されている状況であるならばこれは女子優遇、男子冷遇の性差別であることは間違いない。しかし高校までの学校教育において性による格差が色濃く残存している…つまり女子生徒が学習や進路選択に際して不利な状況が続いているのならば、多少はやむを得ない、合理的措置とも判断できるだろう。したがって最も問われるべきは初等中等教育段階での性による格差問題解消の進み具合の確認なのではあるまいか。
これについてはとりわけ高等教育の前段階である中等教育での性による格差残存の実態把握が必要不可欠だろう。しかし信頼できるようなきちんとした学校教育の実態把握は学校のブラック化、ブラックボックス化などによってどうせ困難を極めるに違いない。そうなれば勢い、「多様性の尊重」という美名に隠れて特定の偏ったプロパガンダに煽られた性差別を助長する政治的風潮に世論は根こそぎ押し流されてしまうかもしれない。実際、埼玉県の公立高校における男女共学化に反対する意見が某高校で大勢を占めてしまっているように…
◎社長になる人物はどこの出身者が多い?…社長輩出率で「42年連続1位」を獲得し
ている「意外な地域」とは【帝国データバンク情報統括部が解説】
THE GOLD ONLINE によるストーリー 2024.11.10
都道府県別の社長輩出率や女性社長が占める割合のデータは非常に興味深い。生徒たちに社長輩出率上位3位までを当てさせてみると面白いだろう。また社長の中に女性の占める割合がいまだに1割にも満たない、という現状にもぜひ気づかせたい。これまでの政権が繰り返し女性活躍社会の創設を謳いながらも、さほどの成果を挙げてこられなかった理由について生徒たちにじっくりと考えさせたい。
日本の女性差別が日本社会の随所にいかに根深く、広く根を張っているのか、日本の学校教育や民法、天皇制などに色濃く残存している男尊女卑のあり方を確認する中で時間をかけて理解していく必要があるだろう。
◎奨学金受給が与える、高等教育卒業後「結婚人生の落差」 女性だけが負の影響が大
きいナゾ...慶応大学が驚きの研究 J-CASTニュース の意見 2024.3.11
女性の貧困問題、少子化進展の背景に何があるのか、考えさせられるポイントに奨学金問題が挙げられるだろう。社会科学的なものの見方の一例として取り上げても役立つに違いない。特に上の記事(埼玉での公立高校における男女別学の残存)と併せて授業のネタにすると、学校教育と性差別の問題との複雑な絡みが見えてくるはず。
・日本の性教育の遅れ
参考記事
◎中学体育の「男女共習」から3年目 7割の学校が「全種目で実施」
朝日新聞社 によるストーリー 2024.1.15
身近なテーマなので性差別問題の導入部で使えそうな記事。高校体育での「男女共修」はどうなのか、ぜひ考えさせたい。
〇性別に基づく「アンコンシャス・バイアス」解消へ、教育現場で取り組み広がる
読売新聞 によるストーリー 2024.6.6
◎「生理」の教員研修、男性に知ってほしいのに5% 産経新聞 2022.9.8
なぜ日本の性教育が遅れているのか、その理由の一端が見えてくるだろう。
〇「教育が児童を同性愛へ誘導しかねない」 自民党区議、台東区議会で発言 当事者
「差別や偏見に基づく非科学的な発言」東京新聞 2023.9.24
性教育を否定的に評価する保守政治家の典型的な意見と思われ、議論のたたき台には有効だろう。
参考動画
◎【性教育ドラマ】ユースクリニックへようこそ - ここは、あなたのための病院です
- 第一話「取り戻せるの?私の人生」
【性教育YouTuber】シオリーヌ 2021/09/29 11:28
実際には授業で視聴させていいのか、非常に判断に迷う内容。ただし教師必見の動画。この動画を授業で視聴しにくい現状こそが日本の学校における性教育の遅れを表しているだろう。しかし、高校生たちにとっては深刻な問題に発展しかねないことであり、できることなら視聴させたい。ドラマ仕立てなので理解しやすく、生徒たちの集中力はかなり高まることが期待できるだけに、見せないのはもったいないのだが…
○【性教育】なぜ家庭や学校で教えない?小中学生が使う言葉で性を考える「性=秘
めごと」は正しい?ひろゆき&紗倉まなと考える性教育|
2021/11/29 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 14:41
◎【特集】セックスのこと話せますか?気になるイマドキの性教育 京都の中学数学
教師が挑む新しい教育とは【報道ランナー】
関西テレビNEWS 2023/02/15 12:22
「臭い物に蓋をする」学習指導要領の大きな問題点が性教育における歯止め規定にあからさまに露呈してきている。SNS、ネットの普及によってとっくの昔に「臭いものに蓋」が出来なくなっている現状は無視できないだろう。勇気ある取り組み。
◎【17.3 about a sex1話フル】「私きめた。セックスのコト勉強する」女子高生の
リアルな葛藤を描く話題作!彼を想う優しい気持ちが悲劇に?皆みたいにオトナに
なれるはずだった。でも│アベマ配信中
2021/03/05 ABEMA ドラマ【公式】 30:15
日本の性教育の遅れを正面からあぶり出したドラマ。やや長いが、もし視聴させれば生徒達の集中力をかなり高められるはず。本来ならばこの分野の導入としてイチオシの動画。視聴後、アンケートをとって男女別に集計してみたい。討論のテーマにもってこいの内容。しかし、実際、授業で使えるかどうかは微妙…
◎【性体験が早いことのリスク】童貞の卒業は遅い方が良い!?
2021/05/22 夏山x瀧本の性知識アカデミー 13:56
瀧本氏の観点は非常に重要だろう。高校生必見の動画。童貞や処女に対するイメージ調査をクラスで行っておくと授業で展開しやすくなるのでは。ただしこれも本当に授業で使えるかどうかは微妙な内容。自己責任でどうぞ。
◎【いくらか知ってる?】避妊にまつわる金額 何にどのくらいかかる?
2022/07/20 夏山x瀧本の性知識アカデミー 2:23
避妊、堕胎、出産に関わる費用の概算は知っておくにこしたことはない。こちらは授業でも視聴可能だろう。
◎【セックスとは?】性行為に罪悪感を抱かなくなるには?【性嫌悪】
2021/12/11 夏山x瀧本の性知識アカデミー 7:40
これほど性行為の意味を正面からズバリ、指摘できている動画は珍しい。こちらもできるなら授業で是非、視聴させたい。もちろん倫理や道徳でも使用できる内容。ただし自己責任でどうぞ。
◎【性知識を普及する人】改めまして!瀧本いち華です
2022/07/01 夏山x瀧本の性知識アカデミー 17:15
この分野を扱う際には教師として予め視聴しておきたい動画の一つ。
◎【大人の性教育】子供の作り方_妊娠編
2022/07/08 夏山x瀧本の性知識アカデミー 22:41
子供の作り方シリーズは教師必見の動画。日本が男女平等度の低い国である原因が学校での性教育の遅れにも由来する事がよく分かる貴重な動画。日本では長らく大人や青少年の性知識の不足や偏り、AVの悪影響が様々な悲劇を引き起してきた事に疑いはない。このテーマは保健体育や家庭科の授業だけではなく、社会科でも積極的に取り上げていくべきだろう。でなければこの分野における日本の圧倒的後進性は改善できないだろうし、性にまつわる悲劇を減らしていくことも不可能。
特に性交編は本来ならば是非、社会科の授業で視聴させたいイチオシの動画。もちろん、自己責任の覚悟は必要。
◎【国際女性デー】成田悠輔「権力者が恥ずかしくなるような"見える化"を」企業の
改革がカギに?日本の"男女格差"縮める方法とは|#アベヒル《アベマで放送中》
2022/03/10 ABEMAニュース【公式】 4:54
◎好意と性愛、男女の友情は成立するか?
精神科医がこころの病気を解説する 2023/06/10 18:17
視聴時間がやや長いが、参考となる点は多く、「男女の友情は成立するか」は議論のテーマとしても非常に面白いのではないか。保守的、慎重派の論理がよく分かる。
◎精神科医目線でメンタルによい職場とは?
精神科医がこころの病気を解説する 2024.1.26 19:27
女性が働きやすい職場こそ、メンタルに良い職場である、という指摘に納得。企業などの職場における女性の立場の弱さが男性をも含めたメンタルの問題を生み出している、とすれば性差別の問題をしっかりと考える必要性は自殺やうつ病、引きこもりの多い日本では極めて大きいだろう。
参考記事
◎トランスジェンダー当事者・サリー楓さんと考える 広がる学校でのジェンダーフリ
ー 多様性を浸透させるために「大切」なこと【news23】
TBS NEWS DIG の意見 2022.12.14
学校の制服をめぐるジェンダーフリーの動きは生徒達にとっては身近なテーマであり、討論の材料として相応しいだろう。性の多様性を「善意で受け入れる」方向に民意を持って行くには何が必要なのか、議論させたい。
◎【ココがおかしい日本の性教育②】望まない妊娠や性暴力から子どもたちを守
る FNNプライムオンライン フジテレビ解説委員 鈴木款 2022.11.25
人権教育の一環としての性教育という捉え方が日本ではイマイチ根付いていないようだ。北欧の先進的な取り組みに学ぶことは多いだろう。
参考記事
◎性教育「10代の実態に合わず」 NPOが文科省に見直し求める署名
毎日新聞 国本愛-2022.12.3
中学校の学習指導要領にある「歯止め規定」によって避妊や性行為については授業で触れない事とされているが、2020年度の十代における人工妊娠中絶数は1万件を超えているという。しかも例の通り、「歯止め規定」が設けられた際の議事録が文科省に残されておらず、規定の意図が不明瞭。どう見ても問題だらけの学習指導要領であり、性教育の遅れが日本の男女平等度の低さを招いている原因の一部である事は最早疑いようがあるまい。上記の動画と合わせる形で配布資料にして生徒の討論に持ち込みたい。
〇「緊急避妊薬を薬局で買いたい」日本はなぜ世界で普通のことが叶わないのか 緊急
避妊薬と日本 前編 現代ビジネス 福田 和子 の意見 2023.5.11
〇緊急避妊薬検討会議をリアタイで聞いて絶望した声…なぜ日本は前に進まないのか
パブコメで97%が賛成なのに…現代ビジネス 福田 和子 2023.5.14
2022年12月27日から2023年1月末日まで、「緊急避妊薬の薬局販売に関するパブリックコメント」が募集され、97%の人が緊急避妊薬の薬局販売に賛成したという。これだけ圧倒的多数が賛成しているにも関わらず、なぜ、緊急避妊薬の薬局販売が実現できないのだろう?
ぜひ、生徒たちに討議させてみたい。
◎性の知識を具体的に教えずに子どもを性暴力から守れるか 「生命の安全教育」の実
効性に疑問の声 東京新聞 2023.6.6
日本の学校における性教育の遅れで一体誰が得をするのか?性差別、性加害に加担する、あるいは黙認する男性、それも中高年の男性であろう。それはすなわち国会議員の多くであり、特に政権与党のメンバーである…そう思いたくなるほどに、今の日本は学校での性教育に後ろ向きではないのか。
他方で体育の授業や学校行事、部活動中の事故、事件が多発していても、一向に改善を見ない。一体、「生命の安全教育」というきれいごとは何の役に立っているのかすら疑問であろう。グランドの釘すら無関心な学校に安全だとか、衛生だとか、教育的だとかのきれいごとを並べる資格はあるのか…実に不思議である。
◎触って学べる性教育。「ポケット避妊教室」って知ってる?
2022/10/04染矢 明日香 NPO法人ピルコン間野 麗
避妊に対する知識不足が目立つ日本の現状を知っておきたい。
◎セクハラ・性加害の背景に不十分な性教育 中学校で「性交」を教えることができな
い理由 AERAdot. 古田真梨子 2022.11.20
日本の学習指導要領に「性交」を教えてはならないとしている理由とそうした規定の弊害について考えさせたい。活発な意見のやり取りが期待できるテーマだろう。 「学習指導要領」の意義、存在価値についても触れておきたい。