「不安」によるコントロール | 自由の翼 Die Flügel der Freiheit

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人が他人をコントロールしたいと思った時に、使う方法は2種類あります。それは、報酬を見せるか、不安にさせるかです。

 

たいていの人間関係でも、この方法は日常的に使われています。たとえば幼児はコントロールするのが難しい存在ですが、親や養育者などの大人は幼児をある程度コントロールしなければ、その子を危険から守れないと考えているでしょう。

 

幼児の場合、言葉の理解がまだ難しいので、きちんと説明して理解させるということもままなりません。その場合、「これをやったらお菓子を買ってあげる」(報酬)、「これをやらないなら何もしてあげません」(不安)といった具合に、報酬か不安によって簡単にコントロールするという方法が採られやすくなります。

 

そして人は、幼児期に不安によってコントロールを受け続けると、自分を不安にするものに対する冷静な判断や耐性が低下してしまいます。以前、記事にも書きましたが、潜在意識という脳の領域で、不安→反応というアルゴリズムが出来上がってしまっているためです。これはつまり、成人した後もその人は「不安」によって誰からも何からもコントロールされやすいという結果に繋がってしまうでしょう。潜在意識のアルゴリズムについて書いた記事は↓です。

 

思考の癖について考える②潜在意識と自動思考

思考の癖について考える③自動思考と現実と経験

 

このように親子関係でまず植え付けられた報酬か不安によるコントロールは、その後の人生では友人、恋人、学校のシステム、就職先、自分の家族など、あらゆる場面で報酬と不安によってコントロールされるということに繋がっていくでしょう。

 

さらに、TVやラジオから流れて来るCM、本や雑誌などの活字媒体、ネットからあふれる情報、それらのほぼすべても、この「報酬」か「不安」によって、その情報に接した人をコントロールしようというものです。今のままでは駄目だ、変わる必要がある、これを使えば思い通りの結果になる、使わなければもっと酷くなる、などなど。または、不安の一種として焦らせるというものもあります。今だけ、限定、先着○○名のみなど。普通に生活しているだけでも、こういった言葉が滝のように絶え間なく耳や目から流れ込んできます。

 

自分が自分の意志で選んでいるようでも、実際は誰かや何かの情報からの不安に踊らされているだけかもしれません。前回までの6回シリーズで書いた、罪悪感と無価値感を潜在意識内に抱えている場合は、頭の中にフックがあるようなものなので、何かしらのキーワードになる刺激に対して自分から引っかかりに行ってしまうということも起こるでしょう。

 

また、それとは正反対のように見えますが、たとえば健康問題、原発や放射能問題、最近では新型コロナなどのリスクについて言及する人に対し「不安を煽るな!」「デマだ」などと攻撃的に否定する人が大勢いました。これらの人たちも実際は、自分の頭の中のフックで引っかかっているからこそ見逃せない、徹底的に黙らせたいという気持ちになるのではないかと私は思っています。

 

もしも絶対にありえない、まったくそんな可能性が無いと心から信じているならば、他の人がどう考えるかは放っておけばいいだけのことです。それでも、そのデマを信じ込む人がたくさん出て、それで社会不安が起こるからと考えるのであれば、その人は他人や社会をその程度だと見下す判断をし、逆に自分が自分の思い通りにコントロールしたいという欲求があるということになります。

 

それがたとえ、自分が考えるところの「良い目的」のためだと思ったとしても、他人を、社会を、世界を、自分の思うように動かしたいとなれば、それは支配欲であり、脅しや不安を使うのであれば精神的な暴力です。

 

こういった不安によって突き動かされる反応としての言動は、これもまた以前記事で書いたのですが、新たな不安を生む、または不安が倍増していくという結果に繋がっていきやすいと私は考えています。そのことの生む問題を説明した記事は↓です。

 

行動は動機を強化する

 

それでは巷に溢れかえる、こういった不安を使ったコントロール(宗教団体などの洗脳もその一種です)に影響を受けないためには、どうしたらいいでしょうか。

 

そのためには、自分の頭の中に何かしらのフックがあるのかどうか、冷静に考えることなく反応してしまいがちなことは何なのか、何が自分にとって「不利益」だと自分は信じているのかを、一度自分自身に問いかけてみて、非論理的なもの、不要なものはスッキリと捨て去るという「意識の断捨離」のようなことをしてみるのも良いだろうと思います。

 

次から次へとなだれ込んでくる不安の情報は、人の精神や身体の健康にも悪影響を与えます。なので、自分が不安な情報に反応しないでいること、フックで引っかからずに右から左へとただ流す程度にすること、それよりも自分が幸せな状態でい続けるために、今「自分がしたいこと、自分にできること」になるべく意識を向け続けられるようにしたいと私は考えています。

 

 

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