思考の癖について考える②潜在意識と自動思考 | 自由の翼 Die Flügel der Freiheit

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昨日の記事 思考の癖について考える①思考の癖=認知の歪み の続きです。今日は思考の癖が生まれる仕組みを、潜在意識と自動思考という側面から考えてみたいと思います。自動思考については過去に頭の中のおしゃべり(自動思考)という記事を書いていますのでリンクから記事を読んでいただけると今日の記事も少し分かりやすくなるのかなと思います。

 

今回はその自動思考が脳の中のどのような状態や仕組みの中で生じるのかについて、それが存在するであろう潜在意識(無意識)領域と、その影響を受けているであろう顕在意識(自分で考えていると自覚できている思考)や感情・感覚との関係についても含めて、私なりのイメージによる説明を試みたいと思います。

 

まず、潜在意識(無意識)と顕在意識についてですが、この潜在意識(無意識)の領域については心理学分野、脳科学分野で研究が進められています。心理学分野ではフロイトが「人が意識化できない心的領域である無意識領域」があるとして精神分析学という理論を構築したのが始まりとされています。また、無意識の存在をフロイトとは違う理論で重視したのはユングの分析心理学でした。この、フロイトとユングの無意識の発見以降、心理学はその無意識という概念によって大きく進化したと言われています。

 

潜在意識と無意識はフロイト以降の心理学では同じ意味だと理解しています。無意識という言葉には「脳が機能的に動いていない」という意味も含まれますので、私は潜在意識という言葉を使っています。

 

脳科学の分野、ITの分野でよく使われている比喩ですが、私は「脳=パソコン」の例えが分かりやすいかなと思っています。その例えを使って説明を試みるとすると、以下のようなイメージになります。


・潜在意識領域=ハードディスク

・潜在意識領域内の膨大な情報=OSが処理していない断片化データ(言語化されていない)

・顕在意識=メインで使っているアプリケーション

・顕在意識で認識できる情報=関連付け、意味付けされた構造的なデータ(言語化されている)

・情報=外から入って来る刺激のすべて
・脳の機能=OS(オペレーションシステム)

・自動思考=OSのアルゴリズム(処理の手順、やり方)の一部

 

潜在意識は生まれてから今までに見聞きした、経験したすべての情報を蓄積していると言われています。たとえばある場面でちらっと通りかかった見知らぬ人は普通は誰も意識せず覚えてもいませんが、そういった情報もすべて記録されていると考えられています。このような情報は自分にとって何の意味も持たない可能性が高いので情報の関連付けや意味付けがされておらず、言語化もできない断片化されたデータのような状態だと言えると思います。

 

潜在意識と顕在意識の割合は潜在意識90~97%、顕在意識3~10%と言われているので、潜在意識がひじょうに膨大な認識できない情報を蓄積しているということが分かりますよね。顕在意識に上ってくる情報は、その膨大な情報の中から関連付け、意味付けの処理がされて言語化できる状態でフォルダに格納されたものと言えると思います。記憶として取り出したいときにいつでも取り出せて言語化もされているので言葉にできる。また顕在意識というアプリを使って違うものを組み合わせたり、もっと深く理解しようと試行錯誤を試みることができるという感じです。

 

脳の機能にはこういった情報を処理したり、管理や制御のための機能や、脳内で動くアプリが共通して利用する基本的な機能などを実装した、システム全体を管理するOSのようなものがあるのではないかと考えられます。OSとはパソコンやスマホを使うときに必ず必要な基本ソフトで、パソコンならウインドウズやmacOS、スマホならアンドロイドやiOSのことです。

 

そのOSが脳内に入って来る情報の重要性を分析し、データとして処理したり、関連付けて同じ種類のものを同一フォルダに管理したり、フォルダの階層(取り出しやすいか、取り出しにくいか)を管理したりしていると私は想像しています。

 

意味付け、関連付けされたデータを格納するフォルダにはラベルがあり、多くの場合は感情や感覚がそれに当たるかなとイメージしています。また、ポジティブやネガティブ、良い悪い、好き嫌いなどもフォルダのラベルになるのかもしれません。

 

そして今回の記事で一番重要な自動思考についてですが、これはOSのアルゴリズムの1つと捉えられるのではないかと思います。アルゴリズムとは情報をどう処理するか、どう関連付けるかなどの手続きのやり方のことを言います。人はPCやスマホと違い、このアルゴリズムを自分で作り出しているわけですが、そこには生育環境や教育、地域や社会などからの影響といった条件が存在し、自律的にアルゴリズムを作り出したりアップデートしたりしていると考えられます。

 

断片化データのどれとどれを関連付け、自分なりに意味付けをして言語化し、どんなラベルのフォルダに格納してどれだけ取り出しやすくするのかを処理しているアルゴリズムがあるとして、環境要因からの影響や経験の繰り返しなどの学習がそのアルゴリズムに何かしらの傾向を持たせたりアップデートさせたりするのであれば、認知心理学で言うところの自動思考は「ネガティブに偏った情報処理をするアルゴリズム」と言えるかもしれません。

 

私たちが無意識で行っていること、思考でも感情でも行動でも、そして身体の生命活動でもそうですが、それは顕在意識を経ずに潜在意識の領域で動いているそれぞれのアルゴリズムで扱われている生命維持のための自分を守るやり方ということになるのだろうと思います。何が良い、悪いということではなく、ただその人にとってはそれが現在のバージョンだということなのかなと私は考えています。

 

次回の記事では、自動思考がどのように顕在意識や言動に影響しているのかについて、もう少し深く考えてみたいと思います。

 

 

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