2015
ハノイには八重の椿が似合ひさう
食ひもせず無聊に下がる木通なり
時計草陽除けになりし午後の家
貴船菊舟一杯の夢見けり
秋茜すいと止まりたる段の菊
秋の陽の深山海棠慈しむ
次郎柿食ひし太郎も今ははや
角立てて色で取りなす桔梗かな
鬼薊名に違ひたる可憐
山に生ふ辣韮の花垢抜けて