相方の死を考えたことはある。

事故で急死したりしたら、私は堂々と相方の携帯をチェックできて、真相がわかり、

そして離婚ほどの労力を使わずに相方から解放される、

と、去年はよく思っていた。


死ななくても事故に遭うだけでも、真相に近付けるとも思った。

相方のフリをしてメールして、

誰と何をしてるのか知ることが出来る。


いくら聞いても黙秘を続ける相方との生活の中で、

だから私は相方の死を考えた。

望んだわけではないけれど、もう、そうなっちゃってもイイヤ、みたいな感じ。



いや、今年の初めも思っていた。

夫の不倫で離婚するよりも、夫の死で出戻るほうが、

手続きだって楽だし、

憐れまれない気がした。



そして今でも時々考える。


その時、相方の携帯のメモリに彼女の名前はあるだろうか?

メールボックスに彼女のメールはあるだろうか?

友達とどんなメールのやり取りをしてるだろうか?


相方の死を知らせたらどんな反応をするんだろう?

葬式に誰か来るだろうか?

彼女は来るだろうか?


今年だったら、彼女に来てほしい気はする。

だって、相方を1番愛してるんだから。

それとも愛してたんだから、って過去形か?

どっちか知らないけど。


で、私、

喪主を務める心境になれるだろうか?

でも“不倫された妻が喪主なんてできません”とか言ったら、

相方母に怒られそうな気がする。



とか、そーいう、しょーもない事をボーッと思っている時がある。



ところで、相方。

自分は早死にすると思ってる。


「早く死んじゃうなら子供作るのやめたら、そんな無責任な」


「でも生きてるより大金入るよ」


大金って保険金ですか?


お金の問題じゃないよ・・・。



そうそう、D一生命のおばちゃんが、

私が自分にかけてる保険料を聞いて、

「もったいない。そんなに払っても自分じゃもらえないのよ。ご主人にかけて(保険金)もらった方がいいわよ」

と、言っていた。

田舎の生保レディはストレートに言うのね。

生命保険って死ななきゃもらえないもんみたいですよ、その言い方。

7月中旬の話。


テレビのニュースだったかで40代で亡くなった著名人の特集をしていた。


相方は自分も病気で早死にすると思っているので、

「死んだらごめんね」と訳のわからないことを言っていた。


そういうつもりなら、子供なんて作るな。



ふと、思いついて言った。


「君の葬式でもないと、私は君の友達に会えないね」


「来ないよ」


相方が即座に答えた。

友達の話になると途端に声に不機嫌さが混じる。


「なんで? 毎月誰かが遊びに来るほど仲がいいのに、死んでも来ないの?」


「葬式は急なんだよ、休みと違っていつって決まってないんだから仕事で来れない」


「みんながみんな来れないわけじゃないでしょう。

それに今はみんなが同じ職場じゃなくて、けっこうバラバラになってるんだから、それなりに休めるでしょ」


「・・・」


“葬式は急な事だから、仕事の都合で来れない”って言いたいことはわかる。

でも即座に「来れない」って決め付けるのはどうなんだろう。

「来れないかもしれない」っていうのならともかく、「来れない」って・・・。


なんか、“来て欲しくない”って感じがするんだけど。

それって、私に会わせたくないってことだよね、やっぱり。


はぁ~。


「君が死んでも、私は君の友達に会えないんだ・・・」


「・・・」



友達と一緒になんか悪さをして、それが私にバレるとまずいから、私に会わせたくなかった、

という話は2月頃だったかに聞いた。

そして今でも会わせたくなくて、

そして死んでも会わせたくないって事だろうか?


友達の話になると不機嫌になることと併せて考えると、

一体何を隠し続けてるんだろうと思う。


はぁ~。

7月中旬のお話。


子供の幼稚園のクラス名簿を相方が眺めていた。


「これ何て読むの?」


最近の子供の名前って、素直に読めない名前ばっかりじゃん。

(うちの子供の名前もそうなのが悲しいけども、

だって私は誰でも読める名前をつけようとしたのに・・・)

で、子供が口にするクラスメートの名前がすぐ誰かわかるように、

子供に聞いたりして、名簿で読み方がわからない名前にふりがなをふった。


そして読み方がわかる名前はふりがなをふらなかった。

でも相方は読めずに私に尋ねたというわけだ。


「どれ?」


「ゆうの上の子」


「・・・」


名簿でうちの子供の上に書いてあるのって、

相方の彼女と同じ名前で、相方と同姓の、

○おりちゃん


それを私に言えってか?

くっそー、ずいぶんじゃないか。


「それを私に聞く?」


「??? なんで?」


相方は全く気付いていないらしい。

マジでわからないらしい。

よりによって○おりちゃんの名前が読めないとは、うぐぐ。


「何? なんて読むの?」


「○おり」


「あっ、そりゃ失礼しました」


失礼しました、じゃ、ねぇって。

君の彼女はひらがなみたいだから、誰でも読めるんだろうけど、

この漢字も○おりって読むのよっ!


君はサザンが嫌いだから、知らないんだろうけどね、

サザンにその漢字を使った曲があるのよ、『○のテーマ』っていう。

あたしゃ、世代だから、サザン。

大学時代、カーステからはいつもサザン、みたいな。

周りがみんなサザン好きだったから。

だから読めるから、ふりがなふってなかった。

それが裏目。

なんで私に「○おり」なんて口にさせるのよ。


同じ頃気付いたこと。

ドラマ『青い鳥 L'oiseau Bleu』、すごく好きだったんだけど、

娘の名前が○織なんだった。

今後、平静では見られない。

ドラマに集中できない。

どうしてくれるんだよ・・・。

ちぇっ。


相方の携帯画面を流れていった「○おり」の文字から、

いつになったら解放されるんだろう。

子供と出かける時にありがちなのが、忘れ物。

だって、用意が出来る前に勝手に玄関を飛び出していく子供を引きとめて、ひと騒動してると、

なんか忘れてしまうのだ。


で、今回、相方が自分の着替えを入れた袋をカバンに入れ忘れた。

子供の着替えじゃないから、なんとかなるでしょと私は思った。


だが、しかし、夕食の時にTシャツにしょうゆを飛ばしちゃったのであった。

相方は着替えを取りに帰ると主張した。

もちろん夕食で酒を飲んでるので、翌朝取りに帰ると言う。


しかし腹痛でトイレに入りびたりで睡眠不足なので、あきらめたかと思いきや、

チェックアウトした後で、私と子供を公園に降ろして、取りに帰ってしまった。

「なら家族みんなで帰ればいいじゃん」と言ったんだけど、

「せっかくだからどこかで遊んで行こう」とまた戻ってきた。


眠いのが大嫌いで面倒くさいのが大嫌いな相方が、

片道30~40分かけてわざわざ着替えを取りに帰ったのである。


知り合いに会うわけでもないし、おっさんのTシャツなんて誰も気に留めてないよ、

取りに帰る時間を子供と遊んでよ!

と私は思うわけだが。



子供が遊んでると肌着の裾がズボンから出てくる。

それだけ体を動かして遊んでるんだから仕方ないし、入れてもまた出てくるし、

子ども自身が裾がズボンに入ってるのが好きじゃないし、

冬の屋外を除けば、私は放っておくほうが多い。

相方は「ほら裾が出てる」と私に言って、入れさせようとするし、

自分でも子供を呼んで入れてたりする。

お腹が冷えるからとかいう理由ではなく、格好悪いから。


ペットボトルホルダー、

私は保冷機能が高そうなのを使う。

相方はデザインがカワイイのを使う。

ぬるい飲み物嫌いなのに、保冷よりデザイン優先。



そんなに見栄えが気になるなら、

妻を取り替えるのが1番だと思うぞ。

いくらTシャツを着替えて小ぎれいにしたって、

連れて歩いてるのがこんな私じゃ見栄えが悪くて仕方ないじゃん。



そんなこんなの8回目の結婚記念日。終了。

結婚記念日の1泊旅行当日。


と言っても、家から車で30分弱。

と言っても、子供の幼稚園が終わってバスで帰宅してからの出発。


なので相方も仕事から早めに帰宅しての出発。

傾き始めた太陽を見ながら車で出発。



相方が仕事で何度も車で行ってる場所なので、地図を見ながらもめることもなく、

「この道がさぁ」とか相方の解説を聞きながら問題なく到着。


フロントで挨拶してる相方から離れて、子供と2人で座っていると、

相方が何か私を呼んだ。


「えっ?」


相方が特にそれ以上何も言わないので、そのまま子供と一緒にいた。


手続きが終わった相方が近づいてきて、フロントでもらった紙類を私に渡した。


「朝食券が3枚あるけど?」


「子供の分どうするか聞かれてわかんないから頼んだ」


「ええっ。朝食は親のをあげれば十分だよ。朝はあんまり食べてくれないし」


「だって、(フロントで)呼んだのに来なかっただろ」



確かに何か呼んでましたけど、

その次のセリフがなくて、そのままフロントの人と話してるから、

私がいなくても解決したのかと思いましたよ。


だからさ、いつも思うんだけど、

用事がある時は用事をはっきり言ってほしいんだよな。

「ちょっと」とか「おかーさん」とか言われても、

それが急ぎなのか、そうでないのかわからないから普通に行くと、

“どうしてすぐに来ないんだよ”と舌打ちされる。

「何?」と問うても「来て」と言うだけだし、

用件は“何”かと聞いてるんだってば。


でもまぁ、せっかくの1泊旅行だから黙っておく。



部屋は和洋室だった。

ここの和洋室はカジュアルな造りで、狭いベッドの洋室部分と、とってつけたような畳スペース少々。

う~ん、空いてるんだから和室にしてくれればいいのに。

大事なお客様じゃないもんなぁ。

取引先関係の人間だもん、文句言えないのがなぁ・・・。


お風呂は日帰り入浴対応の下駄箱とかロッカーとかの施設がやや鼻につくものの、

設備もお湯も問題なく、

ただ「おとーさんと入る」と言って男湯に消えた子供が、

すぐに女湯に駆け込んで来て「おかーさんと入る」と言うので全くくつろげなかった。


おとーさんが一緒の時はおとーさんに甘えてくださいよっ!



夕食は宴会場フロアの小さい個室で、

他の客を気にしなくてよいというのは子連れにはありがたい。

久々のホテルの料理に心おどったものの、

コレ! という料理もなく、なんだかありきたり。


それでもなんだか楽しい夜だった。



んが、ビールを2本頼んで、すでに上機嫌になった相方は3本目を頼むと言う。


「3本は多いよ」


「大丈夫だよ」


「だめだよ、やめとこうよ、絶対多いって」


「え~っ、こんなに幸せな気分なのに、いいじゃん。ビール代自分で払うから」


そこで“幸せ”をたてにするか!?

確かに去年までの相方だったら、そんな事言わず、

そんな楽しそうな表情もしてなかっただろう。


でもさ、君はアルコールが入るといつも楽しいんじゃん。

別に相手が妻子でなくたって楽しく飲めるんだしさ。



でもまぁ、せっかくの1泊旅行なので3本目を許可した。



で、


案の定、


相方に3本目は多かった。


いつになったら自分の胃袋の大きさが把握できるんでしょうか。


「料理多かったし」って、

そう言うほど多くないですよ、

ビールをコップ1杯の私が少しお腹いっぱいな量だってことは、一般的に言えば多くない量だ。

ビールで腹ふくらませ過ぎなだけだってば。

「食い過ぎた」としきりに言う。


で、


物音で目が覚めると午前4時だった。

音の源はトイレに入ってる相方。


トイレから戻ったと思うとまたトイレ、

戻ったと思うとまたトイレ、

かれこれ1時間近く行ったり来たり。


「なんか薬ない?」と泣きの入った相方に正露丸を渡して寝た。

というか相方のトイレ行きがおさまったので、やっと寝れた。



一応さ、結婚記念日だったんだけど、

静かに和やかには終われないのね・・・。


あの時、ビール1本我慢できればなぁ、展開も違ってたかも、なんだけど、

それが出来ないのが相方だもんな。

で、それを笑い飛ばせないで、こうして文句を言うのが私、

私の方がやっぱり、嫌な奴だよな。

7月初め、隣県の地図を眺めてる私に相方が聞いた。


「どっか行くの?」


「うん」


「行ってらっしゃい」



“行ってらっしゃい”、それだけですかぁ?

どこ? いつ? 何も聞かないわけ?


それじゃ去年までと変わらないような気がしちゃうんだよ。

いや、去年は無愛想に断わられたから、正確に言えば去年とは違うんだけど。

でも結果だけ見ちゃうと、去年と何も変わらないような気がしてくる。



「(子供が)夏休みなんだから、1泊くらいどこかへ行ってほしいんだけど」


「そうだね」



ゲーム画面を眺めながら言う“そうだね”は、適当な相づちにしか聞こえない。

今こっちが食い下がっても、ちゃんと聞いちゃいないので話を終わりにしておく。


「1泊くらい真面目に考えてみてくれないかな」


「はい」



「はい」と言ったからって、そう簡単に考えてくれるわけがない。

漠然と“旅行しようよ”と言ってては話が進まない人なのだ。

具体案で攻めていかないと。



2日後、私は作戦を変えた。


「今週、結婚記念日があるでしょ。○×ホテルでいいから泊まれないかな?」


子供が夏休みだから1泊でも旅行してと言ったのだが、まだ夏休みじゃない。

でも結婚記念日をたてにでもしないと相方自身も休もうとしないし、

相方母もなかなか休みをくれないのだ。

○×ホテルは会社の取引先関係だから、相方も相方母も文句を言わないだろうし。

(3月の私の誕生日の時は無関係の旅館に泊まったので、遠回しに文句を言われた)


そもそも結婚記念日と言っても、入籍しただけの日だ。

それも相方の実家に婚姻届を送って、相方父が提出しに行ったので、

自分達はただ会社でそれぞれ仕事していただけの日なんだけど。


実際の挙式の日は相方父母の都合で決められて、

挙式・披露宴も全て相方父母が仕切ったので、

せめて入籍の日くらい自分で選びたかったのだ。


それもスーパーにミラクルに記憶力のない相方なので、

(いまだに子供の誕生日が覚えられない・・・)

ゾロ目で意味のある日を選んだだけのことだ。

だから思い入れのある日ではない。


でも“結婚記念日”だ。



案の定というほどでもないけれど、わりとあっさりゴーサインが出た。

(ホテル側が券を売りたいイベントがある時に行ってくれたほうがよかったのにと相方母に言われたけども)

取引先関係なので予約は相方母&相方におまかせ。


別に何も起こらないんだけど、つづく。

7月中旬、別に観光に行ったわけじゃないけれど、

観光土産のある店頭で子供がキーホルダーで遊んでいた。

おみくじの形のキーホルダー。

振るとカチャカチャ音が鳴るのが楽しいらしい。

さらにくじが飛び出してくるのが楽しいらしい。


見ると“ステキな恋の予感”とか雑誌の星占いかよっ! みたいなのが書いてある。

純粋におみくじではなく、恋占いおみくじなのだった。


「おとーさんやって」


相方がおみくじを振った。



「次はおかーさん」


私がおみくじを振った。



“彼の気持ちが他の女に”



。(´д`lll)  なんで?


なんでキーホルダーごときの占いで、私の結果だけ悪い?

相方の結果はフツーに軽いやつだったのに。

私が読み上げると相方が軽く笑った。

ふんっ!

私なんか読み上げる声が動揺してるっていうのに。



子供が別の色のおみくじを手に振り始めた。

相方に手渡され、相方も振った。


「はい、おかーさん」


私もまた振った。



“別れの予感”



。(´д`lll)  またですか?


子供も相方もフツーの結果だったじゃん・・・。


私がまたまた読み上げると、相方もさっきほどは笑えなかったようだ。



子供はまたまた次の色へ。

おかーさんはもうおみくじしませんよっ!


「かいたい」

おかーさんはそんなおみくじ買いませんよっ!



ってなわけで、他の所へ行ったり、レストランで休憩したりして、

帰り際、また子供がおみくじのキーホルダーを手に振っていた。


そして相方が振った。



“2歳年上がベスト”



「もうホント、シャレになんない」



一瞬、何のことかわからなかった。



そうだった、彼女は相方の2歳年上だ。


私と彼女の年齢差は意識してたけど、

相方と彼女の年齢差は意識してなかったので、気付くのが遅れた。

相方にとっては自分と彼女の年齢差はなじみのあるものだから、即座に「シャレになんない」と言えるわけだ。


なんなんだよ、もうっ、このおみくじ!



それにしたって、おみくじのキーホルダーでさえ、こんな結果にする私のマイナスのパワーってば、

どんなパワーだよっ。

どんなオーラだよっ。



子供はおみくじキーホルダーで遊び続けてたけど、もう出るくじ出るくじ、暗いやつだった。


ほら、帰るよ!


「ねー、かいたいよ」


「字が読めるようになったらにしよう。ね?」


「えー、かいたい」


「だって何が出たかわからないでしょ。だから字が読めるようになってからね」



買いませんよ、そんなもん。



つーかさ、まだ“シャレになんない”状況かい?

6月の下旬、久しぶりに新幹線に乗った。


そしたらぶり返した。


また頭の中、彼女の事でいっぱいになってしまった。


3月に中旬、下旬と続けて乗った時に、

2回目は案外大丈夫だったんだけど、

久しぶりに乗ったらダメみたい。


前と同じことの繰り返し。



行きはそれでも軽かったんだけど、帰りがねぇ。


臨時の8分後に通常便が出発するというパターンが、

混んでなくて使い勝手がいいので、

また彼女と同じ時間の新幹線に乗ってしまった。


暮れていく空、

光り始めるネオン、

広がっていく闇、

彼女も同じ車窓を見ていたはずだ。

彼女が車窓を眺めるタイプかどうかは定かではないけれど、

ちらっとでも車窓を見たとき、そこには同じような空が広がっていたはず。


3月に乗った時はそうじゃなかった。

彼女は3月には相方に会うために新幹線に乗ってない(たぶん)。

峠に雪が残っていたこととか、3月の車窓を彼女は知らない。


でも6月の車窓を彼女は知ってる。

去年4月にUターンして引っ越した相方を、

翌週には会いに来たのだ(おそらく)。

そして毎月何度も会いに来るようになる。


“あとどれくらいで着くんだろう”とつい時計を見てしまう、その時も、

“あぁ、きっと彼女もこうやって時計を眺めてたんだろうな”と思ってしまう。


おかげですっかり車内で不機嫌になってしまい、

駅に迎えに来た相方にも、すんなりと話せず、

帰宅してもなんだかイライラしどうしで、そんな私を相方が嫌そうに見ていた。



う~ん、修行が足らない。

いまだにこんな事で気に病んでるようではダメだ。

新幹線にガンガン乗って克服しなければ! というのも間違ってるしな。


でも、何が1番情けないって、

新幹線の自由席で土曜に上京、日曜に帰宅だったにもかかわらず、

【土・日きっぷ】の存在をすっかり忘れて、正規料金を払って乗車してしまった私だ。

うわ~ん。

あぁ、ダメだ、やっぱり修行が足らない。

テレビを見ていた相方がツッコミを入れていた。


「カレシの元カノの元カレの・・・、かと思っちゃったよ(笑)」


雰囲気の似たCMがやってたのだ。

公共広告機構のエイズ検査のCMに似た。


な~んかなぁ、

君がそうやって笑ってると、

あのエイズのCMまで他人事みたいに笑ってるみたいでイヤなんだけどなぁ。


彼女の事、“(付き合い始めの頃は)他に何人も男がいた”って言ってたよね。

カノジョの元カレの元カノの元カレとか言ったら、総勢何名様よ?


「君さ、あのCM笑えんの?」


「その時はその時」


私の質問の意味を聞かなくても言いたいことはわかったらしい、あっさりと答えた。



「何それ」


「その時はその時だよ」


なんだ、その答え。


なんで、そんなにさばけてんだよ。


気に入らない。


ムカつく。


そりゃ、そんなこと考えて不倫する奴なんていないだろうさっ。

わかっちゃいるけど、なんにでもつっかかって、大げさに考えて、

そういうこと思っちゃうんだよ。


世間ではこれをウザイというらしい。

(注:相方が言ったわけではない)


男はウザイの大嫌い。

面倒くさいの大嫌い。


だからって、私が我慢して何にも言わないで何も書かないでおとなしくしてればいいなんて、

私は思わない。


これでも言わないで我慢してることいっぱいあるんだけどな。

書いてない事だってあるし。



何か書いてないと、精神のバランスがとれないよ・・・。


『我輩は主婦である』に

“書きたい事のある奴は病んでる”とか“書きたい事のない奴は幸せ”、

という趣旨のセリフがあって、

あらら・・・、って感じだった。

そうかもしんないなぁ。

テレビでプレゼントの告知をしていた。

ペット資格取得の専門学校が、

ペットのシャンプーやトリミングできるチケットをプレゼントというものだった。


「あぁ、あそこの角にあるやつ」


「えっ?」


相方の言った事がわからなくて問い返した。

だって我が家も相方の実家もペットなんて飼ってないし、興味もないのだ。

なんでペット系の専門学校なんて知ってるの?


あぁ、そうか。

駅前のビルの角にある場所にそんなテナントが入っていた気がする。

でもあのビルの前を相方と歩いたことはほとんどない。

歩いた事があったとしても、

興味ないことは全く覚えようとせず、記憶力が抜群にない相方が通りすがりのテナントを覚えるわけがない。



彼女だよな・・・。


私の思ったことを裏付けるかのように、相方はそれ以上何も言わず黙っていた。


彼女はペット好き?

彼女と何回も歩いて覚えた?

駅の改札口じゃなく、あのビルで待ち合わせした?

やっぱり駅のあっち側のホテルに泊まってた?



もう、掘り返しても仕方のないことだ。

でもなんか憂鬱。