K3 surfaces with involutions -8ページ目

K3 surfaces with involutions

Local and global Torelli theorems for complex K3 surfaces, periods of K3 surfaces, non-symplectic holomorphic involutions, anti-holomorphic involutions, Hilbert schemes of K3 surfaces, Nikulin's lattice theory, lattice-polarized K3 surfaces. . .

(川又 p.7より)


位相空間とその上の可換環の層の組を,環付き空間(ringed space)という.


極大イデアル(=剰余環が体になる)をただ1つだけもつ可換環を局所環(local ring)という.



環付き空間において,各点でのstalkが局所環であるとき,

「局所環」付き空間(local ringed space)という.



共立講座 21世紀の数学

「代数多様体論」 (川又雄二郎 著 1997)



Real K3 surfaces and Hilbert’s 16th problem-kawamata-book1


必要なことがコンパクトにまとめられています.


スキームの言葉で書かれていますが,

話の展開が速いです.


(ただ,層の定義は,私には,

「代数幾何における位相的方法」(ヒルツェブルフ著)のほうがわかりやすいです・・・)




因子の説明もわかりやすい.


偏極多様体の定義は,p.45にあります.







「次数2dの偏極K3曲面」の定義,p.181にあります.


K3曲面の性質については,やはり,[BHPV]を引用してあります.


K3曲面のトレリ定理についても,statementだけですが,書いてあります.

[BHPV]のVIII章のTheorem 11.1,Theorem 14.1 からの引用です.






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代数幾何を専門にされる方は,将来,特異点のある多様体(高次元,正標数など)を研究していくために,広範囲の一般的な基礎知識が必要でしょう.

しかし,今,私は,非特異複素曲面,なかでも,K3曲面を研究しています.

その目的だけのためには,代数幾何のテキストの一般的な記述を,かなり特殊化,簡略化して読み進んでよい(と思います). (しかし,はじめから簡略化されたテキストだと,かえって混乱することがあります)



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川又先生のこの本と,  秋月&中井&永田「代数幾何学」,  [BHPV],

もともと代数幾何が専門でない私にとって, とても頼りになります.




Nikulinの論文の紹介の続きです.


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定理3.10.5

Н_{n,k}(R)_{t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh}} を,

(RSK3)を満たし,不変量 (n, t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh}) をもつpolarized itentegral involution (L, φ, h) の同型類

に対応するcoarse projective equivalence class とする.


A ∈ Н_{n,k}(R)_{t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh}} に対し,


       χ(A(R)) = 2t_(-) - 18.



(t_(-), a, δ_φ) = (9, 10, 0) のとき, A(R)は空である.

そうでないとき, A(R)は空ではなく,


       dimH_*(A(R); Z_2) = 24 - 2a


となる.つまり,(A, conj) は(M - a)-manifoldである.


A(R)が空でないとき,

δ_h = 0 ならば,

十分大きなある奇数mに対して,very ample linear system |mh| でAを射影空間P^Mに複素共役についてequivariantに埋め込んだとき,

Aのhyperplane sectionの実部(S^1のdisjoint union)は,H_1(A(R); Z_2)において0を代表する.またこの逆も成り立つ.

また,このことは,この埋め込みから誘導されるhomomorphism

    H_1(A(R); Z_2) → H_1(P^M(R) ; Z_2)

が0であることと同値である.



δ_φ = 0 ⇔ [A(R)]=0 in H_2(A(C) ; Z_2)


δ_{φh} = 0 ⇔ [A(R)]=h (mod 2) in H_2(A(C) ; Z_2)

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注意:

最後の2つの主張は,

格子 L = H_2(A(C) ; Z) において,

[A(R)] (mod 2L) が 対合 conj_* の characteristic element であることから.


(恒等写像のcharacteristic element は,c_1(A(C))で,K3曲面の場合は0)




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定理3.10.6 (real algebraic K3 surfaces の位相型)

Н_{n,k}(R)_{t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh}} を,

(RSK3)を満たし,不変量 (n, t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh}) をもつpolarized itentegral involution (L, φ, h) の同型類

に対応するcoarse projective equivalence class とする.



A ∈ Н_{n,k}(R)_{t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh}} に対し,


A(R)は空または,orientableな(非連結かも知れない)閉曲面であり,

その位相型は,


1空集合               if (t_(-), a, δ_φ) = (9, 10, 0)

22つのトーラスのdisjoint union  if (t_(-), a, δ_φ) = (9, 8, 0)

3Σ_g ∪ k S^2 (残りの場合),

  ここで, g = (21 - t_(-) - a)/2, k = (1 + t_(-) -a)/2

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注意:

反シンプレクティック正則対合(anti-symplectic holomorphic involution)を持つK3曲面 (2-elementary K3 surfaces)

    (X, τ)

の場合も,τの不動点集合は,空集合またはX上の複素曲線となり,

その位相型(genus と P^1の数が重要)は,

対合付き格子

        (H_2(X, Z), τ_*)

の不変量

        (t_(-), a, δ_φ)

をpolarized integral involution の場合と同様に定めることにより,

上の定理3.10.6と全く同様に,


1空集合               if (t_(-), a, δ_φ) = (9, 10, 0)

22つのトーラスのdisjoint union  if (t_(-), a, δ_φ) = (9, 8, 0)

3genus g の曲線 ∪ k P^1 (残りの場合),

  ここで, g = (21 - t_(-) - a)/2, k = (1 + t_(-) -a)/2


となる!!


(V.V. Nikulin,

Factor groups of groups of automorphisms of hyperbolic forms with respect to subgroups

generated by 2-reflections,

J. Soviet Math. 22 (1983), 1401--1476. を参照)



格子(integral symmetric bilinear forms) には,同型類よりも粗い分類である,「種 (genus)」という概念があり,Nikulin の論文には頻出します.


定義(Gauss, Minkowski (Milnor&Husemoller p.43より) ):

格子(integral symmetric bilinear forms) X, Y同じ種(genus)に属するとは,

任意の素数 p (=2, 3, 5, 7, ・・・・) とp=∞に対し,

X, Y を p進整数環 Z_p 上に拡張した形式が,Z_p 上同型なことである.

(ただし,Z_∞ = R とみなす.)


注意:

格子に対して,

1determinant (discriminant) (=表現行列の行列式),

2parity (evenかoddか)

3signature (l_+, l_-)

は,種の不変量(genus invariants)である.(種が同じならば,同じ値になるということ)




定義(偏極対合付き格子(polarized integral involution )の種,Nikulin)

偏極対合付き格子(L, φ, h), (L', φ', h') が同じ種(gemus)に属するとは,

任意の素数 p (=2, 3, 5, 7, ・・・・) とp=∞に対し,

(L,φ), (L',φ') を p進整数環 Z_p 上に拡張したものの間のZ_p 上同型写像で,

h を h' に写すものが存在することである.(ただし,Z_∞ = R とみなす.)





定義(条件付対合付き格子の種,Nikulin):

type(S,θ)の対合付き格子(条件付き対合付き格子) (L,φ), (L',φ') が群Gに関して同じ種(gemus)に属するとは,

SからSへのある自己同型ξ(∈G)が存在し,このξが,

任意の素数 p (=2, 3, 5, 7, ・・・・) とp=∞に対し,

(L,φ), (L',φ') を p進整数環 Z_p 上に拡張したものの間のZ_p 上同型写像に

拡張できることである.(ただし,Z_∞ = R とみなす.)





コメント:

Nikulinの理論では,まず,偏極(あるいは条件付き)対合付き格子の種(genus)を表すような,有限個の種の不変量の組を見出す.次に,それらの不変量の取り得る値の組をすべて数え上げる,ということを行います.

したがって,各不変量が何からの幾何学的性質を表しているならば,その性質の起こり得る場合をすべて知ることができます.


少ない例外を除いて,対合付き格子の種(genus)は,同型類に一致しています.例えば,偏極対合付き格子の場合,同型類が,対応する実K3曲面のモデュライの連結成分とbijectiveに対応しているので,種よりも,同型類を知りたいわけです.

種と同型類に違いがあるかどうかを調べる際の2次形式に関する議論は,(私には)難しいです.


type(S,θ)の対合付き格子(条件付き対合付き格子)の分類のときに出てくる群Gは,O(S,θ) (=Sの自己同型でθと可換なもののなす群) のある指定された部分群です.

当然,Gが大きいほうが粗い分類になります.しかし,Sの階数が2以下の場合の具体例では,G={恒等変換}であることが多いです.



定義

まず,格子(lattice)とは,non-degenerate integral symmetric bilinear form のことをいう.

格子上のhomomorphismとは,群準同型かつformを保つものとし,

格子上の同型写像(isometry)とは,群の同型かつformを保つものとする.


φが格子L上の対合であるとは,homomorphismであって,φoφ=id_Lなること.

格子Lとその上の対合φの対(L, φ)を対合付き格子と呼ぶ.



定義(Nikulin)

偏極対合付き格子 (polarized integral involution) とは,triple


              (L, φ, h)


で,L はunimodular lattice,φは格子L上の対合, h ∈ L, φ(h)=±h

なるものである.



p.136

Example 3.1.2

A を nonsingular projective algebraic variety of even dim k over R とする(曲面,4-folds など).

A(C) をそのcomplex point の集合とし,

         H_k(A(C)) = H_k(A(C) ; Z)/tor

とおく.intersection form により, H_k(A(C)) はunimodular latticeである.(unimodularであることは,Poincare dualityより)


簡単のため,k=2 とする.

h ∈ H_2(A(C)) をhyperplane section のhomology class とすると,

             conj_*(h) = -h

である.また,h^2 > 0 である. (ここで,h はprimitiveとは限らない)


すると, 偏極対合付き格子(polarized integral involution)


             (H_2(A(C)), conj_*, h)


を得る.



p.137

さて,以後,polarized integral involutions (L, φ, h) の分類を考えていくが,

h^2 > 0,φ(h) = -h であるものを分類すれば十分である.

また,h を適当な自然数 k(h) で割ると,primitive in L となる.

この自然数 k(h) は (L, φ, h) のgenus invariant (""の不変量) である.


polarized integral involutions (L, φ, h) に対して,

    L_+ = {x ∈ L | φ(x) = x },

    L_- = {x ∈ L | φ(x) = -x },

とおく.(これらは,互いに直交補空間であることに注意)


L_+上のsignatureを (t_(+), t_(-)) とおく.



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以後,polarized integral involutions (L, φ, h) に対して,

L はunimodularかつevenで,signature (3, 19),

h^2 > 0, φ(h) = -h, h は Lの中でprimitive, t_(+)=1   (RSK3)

と仮定する.

(注 Nikulinの原論文よりも,強い条件を課した)

(明らかに,L_-上のsignatureは,(2, 19-t_(-)) となる)



さて,以下のように,polarized integral involution (L, φ, h) のgenus invariants を導入する:


n := h^2 (positive even integer),


L_+ のdiscriminant group は Z/2Z のいくつかの直和に同型となるが,

a 個の直和だとする.



δ_h = 0 if h・x ≡ 0 (mod 2) for ∀x ∈ L_-

     1 otherwise


δ_φ = 0 if x ・φ(x) ≡ 0 (mod 2) for ∀x ∈ L

     1 otherwise


δ_{φh} = 0 if x ・φ(x) ≡ x ・ h (mod 2) for ∀x ∈ L

       1 otherwise


と定める.




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定理3.3.1

polarized integral involutions (L, φ, h) で (RSK3) を満たすものに対し,


 (n, t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh})


は, (L, φ, h) のgenusを決める.

ある場合(原論文参照)には,isomorphism class も決める.

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定理3.4.3

polarized integral involutions (L, φ, h) で (RSK3) を満たすし,不変量


 (n, t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh})


を持つものが存在するための必要十分条件は,

次のすべての条件:


I. Parity relation on L

n は偶数である.

II. Basic inequalities:

t_(-) ≦19

a ≦ min {1+t_(-), 21-t_(-)}

III. ・・・・・・不等式,合同式など(原論文を参照のこと)

IV. ・・・・・

V. ・・・・・・

VI. ・・・・・・

VII. ・・・・・・


を満たすことであるビックリマーク

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注意:

●定理3.4.3を用いて,polarized integral involutions (L, φ, h) で(RSK3)

h^2 =n を満たすものに対して,不変量

           (t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh})

の取り得る値がすべてわかることになる!

すなわち,すべてのgenera (同型類より少し広い同値類) を数え上げることができる.そして,少しの例外を除いて,多くのgenus は同型類と一致している.


●定理3.10.1 のbijectiveな対応によれば,

Μ_{n,k}(R)に属する偏極実K3曲面に対して,そのassociated polarized integral involution の不変量 (t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh}) の取り得る値がすべてわかることになる.

すると,不変量 t_(-), a, δ_h, δ_φ, δ_{φh} それぞれの位相的解釈がわかっていることから,

Μ_{n,k}(R)に属する偏極実K3曲面の位相的性質がわかることになる!



(Last updated 2009/5/21)

K3曲面の定義は、論文によって違っていることが多い。K3曲面の定義が確定していない時代があった。

現在ならば、[BHPV]のp.323から読むのが良い.K先生のご助言によると,「[BHPV]だけで完結している.見通しは一番良い.K3曲面の理論は、「K3曲面の特殊性」を多く用いているため、他には適用が難しい理論である.定理の証明よりも,「主張」 (鏡映群とその基本領域など)をまずはきちんと理解すること.

Y先生のご助言によると,[Asterisque126]  Séminaire Palaiseau,  Géométrie des surfaces K3: modules et périodes, Astérisque 126, Soc. Math. France (1985).がお薦めである.大変よく解説されているとのこと.複素微分幾何的な方向からも書いてある.

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[BHPV]の内容(K3曲面に関する部分)は以下のとおり:

7. The local Torelli Theorem for K3 surfaces

8. A Density theorem

9. Behaviour of the Kaehler cone under deformations

11. The Torelli theorem for K3 surfaces

12. Construction of moduli spaces

13. Digression (脱線) on Quaternionic structures

14. Surjectivity of the period map

22. Projective K3 surfaces and Mirror symmetry (→Dolgachevの仕事について)

 

K3曲面のモジュライと周期の研究の歴史   p.371の注意より和訳すると:
K3曲面の変形を,正則2-形式による「周期」を通して研究するアイディアは,Andredtti と Weil による.

The local Torelli property は彼らによるものである(しかし,unpublished).

証明は,任意のK3曲面に対してはKodairaによってなされ,ケーラー性を仮定してG.N.Tjurinaによってなされた.

 

以下の有名な仮説があった:

(i) すべてのK3曲面は,ひとつの連結な族をなす.

(ii) すべてのK3曲面はケーラーである.

(iii) K3曲面の周期写像は全射である.

(iv) the global Torelli theorem の1つの形(AndreottiとWeil により定式化されたもの[Wei80])が成り立つ.

WeilによるK3曲面の定義は我々[BHPV]のものとは違う.

彼は,P^3の中の非特異4次曲面の微分構造を持つものをK3曲面と呼んでいる.

 

我々([BHPV])のK3曲面の定義に従うならば,

予想(i)は,KodairaとG.N. Tjurina により独立に証明された([Ko66] part I, Theorem17 および [Saf]ChapIX,Theorem7).

ただし,G.N. Tjurina はケーラー性を仮定している.

 

予想(ii)は,Siuにより証明された(1983)が,

我々[BHPV]は,この結果を用いずに,「b_1が偶数ならばケ-ラーである」という事実により証明した.

 

予想(iv)は,projective (algebraic) K3曲面の場合に,Piateckii-Shapiro and Safarevic [Pi-S]により肯定的に解かれた.しかし,彼らの証明は原理的に正しいがいくつかの欠陥と誤りを含む.そのうちのいくつかは,かなり深刻である.これらは,後に,M. Rapoport により修正された.独立して,塩田徹治 ([Shi]) も修正した.しかし,これらは,完全な形では公表されていない.もとの証明の詳細に訂正されたaccount (説明) は,[L-P]にある.そして,その中に,Burns and Rapoport によるケーラーK3曲面の周期写像に対しsimplifyされたバージョンが与えられている([B-R]).

 

予想(iii)は,最初に,projective K3曲面の特別なクラスに対して,Shah [Sha76],[Sha80],[Sha81]により,また,独立に,堀川[Ho77]により解かれた.そして,V.Kulikov[Kul]が,(制限なしに)projective K3曲面に対する証明を与えた.しかし,彼の証明は多くの点で明確化を要する.それは,Persson Pinkham [P-P]により与えられた.

Sect.13で述べたように,Atiyah-Hitchin-Yauの結果を本質的に用いて,A. Todorov [To]が,ケーラーK3曲面に対する周期写像の全射性の証明を与えた.

我々[BHPV]の証明は,projectiveK3曲面に対する全射性は使わずに,Looijenga[Lo](1981)によっている.

 

参考文献:

[Ad] A. Andreotti, On the complex structure of a class of simply connected manifolds in

Algebraic geomery and Topology, Princeton Univ. Press (1957), 58--77.

[Ko66] Kodaira, On the structure of complex analytic surfaces I, American J. Math. 86 (1964), 751--798.

[Saf] I.R. Shafarevich et al., Algebraic surfaces, Proc. Steklov Inst. Math,75 (1965).
G.N. Tjurina, The space of moduli of a complex surface with q=0 and K=0,

Chapt. IX in [Saf]. ケーラーが仮定されている.

[Wei80] A. Weil, Collected papers, Springer 1980.

[Pi-S] I.I. Piateckii-Shapiro, I.R. Shafarevich,

A Torelli theorem for algebraic surfaces of type K3,

Math. USSR Izvestija, 5-3 (1971) 547--588.

[B-R] D.Burns and M.Rapoport,

On the Torelli problem for Kaehlerian K3 surfaces,

Ann. sci. Ec. Norm. Sup. IV ser.8 (1975), 235--274.

[Sha76]

[Ho77]

[Kul] V. S. Kulikov,   Surjectivity of the period mapping for K3 surfaces (in Russian),

Uspekhi Mat. Nauk 32, no. 4 (1977), 257--258.

[Shi] T. Shioda, The period map of abelian surfaces, J. Fac. S. Univ. Tokyo 25 (1978), 47--59.

[L-P] E. Looijenga, C. Peters, Torelli theorems for Kaehler K3 surfaces, Compositio math. 42 (1981), 145--186.

[P-P] U. Persson and H. Pinkham, Degeneratin of surfaces with trivial canonical bundle, Ann. Math. 113 (1981), 45--66.

[Lo] E. Looijenga, A Torelli theorem for Kaeler-Einstein K3 surfaces, in Geometry Sympos. Utrecht 1980, Springer, L.N. in Math 894 (1981) 107-112.

[To] A. Todorov, Application of the Kaehler-Einstein-Calabi-metric to moduli of K3 surfaces, Invent. Math. 81 (1982), 251--304.

 

その他参考文献:

I.I. Piateckii-Shapiro, I.R. Shafarevich,

The arithmetic of K3 surfaces,
Proc. Steklov Inst. Math., 132 (1973), 45--57.


V. S. Kulikov,

Degenerations of K3 surfaces and Enriques surfaces,

Izv. Akad. Nauk. SSSR, Ser. Math. 41 (1977), 1008--1042.

Math. USSR Izv. 11 (1977), 957--989.

[浪川] 浪川幸彦,

K3曲面の周期の逆問題とKaeler性

城崎シンポジウム報告集 1980.

Y.-T. Siu,

A simple proof of the surjectivity of the period map of K3 surfaces,

Manuscripta Math. 35 (1981), 311--321.

Y.-T. Siu,

Every K3 surface is Kaehler,

Invent. Math. 73 (1983), 139--150.

Namikawa, Y.,

Periods of Enriques surfaces,

Math. Ann. 270 (1985), 201--222.

Ken-Ichi Yoshikawa,

K3 surfaces with involution, equivariant analytic torsion, and automorphic forms on the moduli space, Invent. Math. 156 (2004), 53--117.

 

北大での2日間の集中講義が終わりました.

1日目は,K3曲面に対するlocal Torelli theoremを用いたKharlamovの(ある位相型の)実4次曲面の存在証明に関する仕事の紹介をし,

2日目は,私自身まだよく理解できていないNikulinの偏極実射影K3曲面の大域的モジュライ空間に関する結果に言及しようとし,理解できていないことを痛感しました.これは今後の課題です:

Nikulinによる実・代数的・K3曲面の粗モジュライ空間に対する対応定理3.10.1  

Nikulinの定理3.10.1 の証明の概要

 

ここでは,[BHPV] p.323~における解説されている,

The local Torelli Theorem for K3 surfaces について述べる.

(G.N.TjurinaによるThe local Torelli Theorem for K3 surfaces もある)

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Theorem 7.3 (The local Torelli theorem)

K3曲面 X に対するthe Kuranishi family (Chapt I のTheorem 10.2)は,Xに対応するbase point のある近傍Sを取れば,Sの任意の点上のfiberに対するuniversal deformationとなっている.このbase space S は smooth であり,複素20次元である.

このfamilyのthe associated period map は,Sの各点でlocal analytic isomorphism である.

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X=(X,p,S)を Vのsmooth deformation with base point s_0 とするとき,

a homomorphism

ρ_ X : T_S(s_0)→H^1(V,T_V)

が,[BHPV, p.38]のように定義される.これを,

Vのdeformation X the Kodaira-Spencer map と呼ぶ.


次の定理は,Kodaira and Spencer による古典的結果である.

(Kodaira and Spencer, A theorem of completeness for complex anlytic fibre space, Acta Math. 100 (1958), 281--294.)


Theorem 10.7

smooth deformationがcomlpeteであるための必要十分条件は,the Kodaira-Spencer mapがsurjectiveなことである.


注意

1 X がcomplete deformationで,そのKodaira-Spencer mapがisomorphismならば,Xは versal deformation であることがわかる.

2 complete smooth deformation が与えられると,上の定理よりそのK-S map は surjectiveであるが,base space を smooth subspace に取り直して,K-S map をisomorphismにできる.上の定理より,このdeformationもcompleteである.1より,これはversal deformationである.以上により,complete smooth deformation が存在すれば,K-S map がisomorphismであるようなversal smooth defromationも存在することがわかる.



(以上は,[BHPV] Chapter I §10 Deformations of complex manifolds p.38 にもとづく)



[BHPV] p.37 を参照


Theorem 10.2 (倉西の定理)

compact complex manifold は versal deformation を持つ.


証明は,[Douady, Sem. Bourbaki 1965]を参照.Kuranishiによって構成されたfamilyは,the Kuranishi family (倉西族) と呼ばれる.



さらに,以下の重要な事実が知られている:


10.3 Teorem 10.2のversal deformation (Kuranishi family)は,

その任意のファイバーに対するcomplete deformation となっている.

さらに,h^1(X_s,T_{X_s})が定数である場合には,

任意のファイバーに対するversal deformationとなっている.



10.4 H^2(V,T_V)=0ならば,Vはsmooth versal deformation を持つ.

10.5 H^0(V,T_V)=0ならば,Vはuniversal deformation を持つ.

10.6 universal deformation が存在すれば,任意のversal deformation はそれに(analytic) isomorphic である.



注意 V がK3曲面のとき,H^0(V,T_V)=0 と H^2(V,T_V)=0である!