◆小笠原敬承斎『生き抜くための小笠原流礼法』を読む



★要旨



・礼法は室町時代から

武士の教養かつ武士の統制をはかるものとして伝わる。



・約700年前から伝わる小笠原流の伝書には、

日常的な作法から蹴鞠や首の改め方に至るまで

あらゆる作法が書かれている。



・知識一辺倒ではなく、

臨機応変に自分の判断で自然に行動するのが

小笠原流礼法の考え方である。



・相手のことを考えれば、

時には礼の省略も必要なり。



・礼儀作法の理由を理解していれば、

すべき作法は自然に導き出せる。



・礼儀作法やマナーと聞くと、

どちらかというと女性が身に付けるものという印象を持つ方が多いのですが、

小笠原流は武家社会の中で確立したもの。



・荒くれ者の武士たちも、

京都で公家の文化を目の当たりにすると、

教養を身につけたいという思いが高まった。



・一方では彼らをまとめる将軍や幕府も、

礼儀作法を浸透させ協調性を身につけさせることで、

社会生活を円滑にすることができると考えた。



・ヨーロッパにもマナーは存在しますが、

小笠原流のように流派として確立しているというよりは、

各家々で決まっていることが伝承されているように思う。



★コメント

やはり、サムライの精神は、

礼法から学ぶのも、おもしろい。


 

 



 

 

今、ちまたで、秘かに話題の予言書がある。

16年前の本。

恐ろしいまでに、現在の国際情勢を言い当てているのだ。

北野さんは、本書で

「中国ロシア同盟」

というキーワードを使っている。

今では、そうだよね、という言葉だか、

16年前には、そういう言葉は見かけなかった。

今こそ、読み返し、大戦略の思考を身に付けたい。




◆北野幸伯氏『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』を再び読む




★要旨



・アメリカの行動原理はたった二つ。

基軸通貨ドルの防衛とエネルギー資源の確保なり。

外交における政治判断は基本的にこの二つに集約される。



・ドル基軸の崩壊の可能性あり。



・次の覇権争いは、中国&ロシアVSアメリカとなる。



・イラク戦争など、

過去もそしてこれからも石油を巡って争いが起きる。



・ドルが基軸通貨ではなくなったら、アメリカは没落する。



・アメリカが没落したら、

日本は自国の力で脅威に対応する必要がある。


・この本は、皆さんの視点を世界の指導者レベルまで一気にひきあげる目的で書かれている。

熟読された後、皆さんの世界情勢に対する見方が、自然と変化しているのに気がつかれると思う。



・私はこの本が、「世界情勢の真相を理解するため」ばかりでなく、

「日本が自立するためにどうするべきか」を考えるきっかけとなることを心から望みます。



・世界情勢分析のプロになる。

今は世界の動きを知らずして、競争相手を打ち負かし、勝ち抜くことができない時代になっている。

しかし、世界情勢を知ること、未来を予測することは難しくない。



・世界情勢を理解するための5つのファクター。


1.国家のライフサイクル。


2.国際関係の主役と準主役の動き。


3.ある国の動きを決める国益。


4.指導者。


5.通貨と資源。



・国益とは金儲けと自国の安全である。



・外交とはつまり「金儲け」である。

外交とは安全を追求する手段である。



・人類の歴史は覇権争奪戦である。



・アメリカの目標は「覇権国家で居続けること」である。



・ロシア人エリートのアメリカ観・中国観をひとことで言うと、

「アメリカを憎み、中国を恐れる」となる。

感情的な面をあげれば、中国の成功に対する嫉妬がある。



・中国最大の武器は、「外貨準備」と「アメリカ国債」だ。



★コメント

10数年前に、現在のカオスな世界情勢を予測されているところに、凄みを感じました。

世界情勢をシンプルに把握できるのが、この本の特長といえる。

シンプルに考えれば新聞やニュースがすっきり入ってくる。

この基本を理解し、肉付けしていけば、より情報力が高まる。

 

 


 

 

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◆北川智子『世界基準で夢をかなえる私の勉強法』を読み解く



北川氏は、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で数学と生命科学を専攻。

同大学院でアジア研究の修士課程を修了。

プリンストン大学で博士号を取得。

専門は、日本中世史、中世数学史。

2009年より3年間ハーバード大学で教鞭をとり、ユニークな授業方法で人気を得る。

「思い出に残る教授」にも選出される。

著書『ハーバード白熱日本史教室』もベストセラーとなる。



※要旨



・高校の夏休みを利用した初の短期海外留学。

1ヶ月のホームステイ先は、カナダのノースバンクーバー。

トランク1つ、語学力ゼロの、日本から来た高校生。

怖いものがないというより、怖がる理由がなかった。

九州から突然飛び出してきて、目的という目的もなかった。



・ホームステイ先のご家族によくしてもらい、

「もっと英語を勉強して、こっちの大学に家から通えばいいじゃないか」と勧められ、

私はあっさりその気になった。

これはやってみないと後悔する、という直感が、いったん帰国した私を再び九州から飛び立たせるきっかけとなった。



・しかし実際は、すぐに大学に入れたわけではない。

私の高校までの英語は、カナダの大学に入学できるレベルからは程遠く、

ノースバンクーバーのホームステイ先からバンクバーの英語学校にしばらく通うことになった。



・英語学校での目標は、もちろんTOEFLの試験で高得点を取ること。

しかし、一から英語の勉強を始める私には、途方もなく長い道のりに見えた。

そこで、私は突然テストのための勉強をやめた。



・子供向けのテレビ番組で基礎の基礎を覚える。

英語を学ぶ留学生とのコーヒーショップのほうが会話がはずんだ。

間違ってもよいので気楽に英語が使えた。


その後、毎日5時半にホームステイ先の家に帰って、3歳のスティーブンとテレビを見た。

実は、これが英語上達の早道だった。



・スティーブンを寝かせるための絵本の読み聞かせと子守唄で反復学習をした。

これがまたいい英語の勉強になった。



・このような試験勉強ゼロの日常の学習6ヶ月でTOEFL基準点を突破できることができた。



・大学では覚えた内容を何度も思い出す時間をつくった。

ノートはほとんど取らなかった。

記憶の反芻という作業をしていると、一人でぼーっとしているような見かけになるので、

静かで安全なスポットを見つけておく必要がある。



・途方もない仕事量のこなし方。

プリンストン大学での博士号取得には、歴史の知識だけでなく、言語の習得が必要だった。

日本史専攻の私の場合は、英語のほかに、ヨーロッパの言語で文献が読めること、

中国語の文献が読めること、そして古文漢文の解読能力が要求された。



・専攻科目の歴史の勉強のほうはというと、言語のほかにも膨大な量の書籍との戦いが待ち構えている。

本読みをどうこなすかが、博士号取得にかかる時間を左右する。

図書館にはいっぱい本があり、それらを片っ端から読んでいくのは無謀である。



・論文はがむしゃらに書く、捨てる、書き直す。



・締め切りは絶対。

時間内にどれだけ成果を出すか。

ずるずる引き延ばしても、よい作品や仕事はできない。



・勉強に没頭、気づいたら5日経っていた。

本当にやりたいことをやっていると、人は時間が経つのを忘れる。

好きな本に没頭して、何時か分からなくなるような感覚で、5日経っていたことがあった。

とにかく集中して読み、書き、真剣に考え抜いた。



・教えることは最高の学び。

準備がすべて。

このことは、結局何事にも共通している。



※コメント

北川さんの話を聞くと、何でもやってやれないことはないと思える。

一見不可能と思えることも、細分化して地道にこなしていけば達成するものだ


 

 



 

 



 

 


◆高野秀行『恋するソマリア』を読み解く


高野氏は、辺境冒険作家。


★要旨


・ソマリ人は、

アフリカ東部、サイの角のように突き出た広大な土地、

通称「アフリカの角」に住んでいる。

国でいえば、

ソマリア、ジブチ、そしてエチオピアとケニアの一部だ。



・ソマリランドは実在した。

アフリカやアジアの平均以上の平和と安定を享受していた。



・ソマリ人と彼らの暮らす土地は、

驚くほど世界的に知られていない。



・それは、一つには彼らの伝統社会が

ひじょうに複雑怪奇かつ排他的であること、

彼らの言語ソマリ語が外国人にとっては習得がきわめて困難なこと、

そして、

何より20年以上もソマリアが「危険地帯」と認識され、

外部の者が立ち入ろうとしないことによる。



・ソマリ世界は、

現代における数少ない「秘境」となっている。



・ソマリ世界では、

私がソマリランドやソマリ人についての本を書く、

と言っても、喜ぶ人などいなかった。



・ソマリ人は誇り高い反面、冷徹なリアリストでもある。



・世の中を動かすのは、

所詮カネと武力であると正しく理解し、

一冊や二冊の本が大勢に影響を及ぼすなどと

ゆめゆめ思わない。



・加えて、

「あたしのことをそうやすやすと、わかられてたまるか」

という

高慢な美人のように面倒なプライドを持ち合わせている。



・気づくと、私は、

世界にソマリ人を知らしめる以前に、

ソマリ人に対して

「自分のことをわかってくれ」

と叫んでいた。



・全体から見れば、

彼らはとても長いスパンで、ものを見ているんじゃないか。

職を追われても、

敵に狙われてて異国の地に逃げざるをえなくても、

彼らは淡々としている。



・今どこにいようとも、

それは今、居心地がいいから、

あるいは他に行く場所がないからたまたまいるだけであって、

明日はまたどこか別のところに行く。

それが人生と達観している。



・達観できるのは、

ソマリ人は、どこへ行っても、

氏族社会=ソマリ世界に属し、

そこは揺るがないからだと思う。



★コメント

やはり、アフリカは謎が多い。

あらためて、調べなおしたい。



 

 



 

 



 

 


◆高野秀行『辺境の怪書。ハードボイルド読書合戦』を読み解く



高野氏は、辺境冒険作家。

清水克行さんとの対談。


正式タイトルは、

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』



★要旨



・ディープな本を辺境作家と歴史家が読んで

語り合った読書会の記録。



・片や学問的な視点から、内容への考察が加えられ

対象の本の魅力が再発見されていく。



・だいたいが海賊にだって家族はいる。

女や子どもは海賊行為に参加しないわけ。



・輸送と移動のリアリティ。



・日本には、

お祭りのときに神輿を出す地域と、

山車(だし)を出す地域があって、

基本的には神輿を出すのは山間部の農村で、

山車を出すのは、平野部の都会なんだと教わったことがある。



・外交&通商のアウトソーシングを担う悪徳エージェント。



・中世に蝦夷地や奥州に勢力を張った安藤氏が、

自分たちは、朝廷に滅ぼされた蝦夷の血を引いている、

と言ったり、

前九年の合戦で負けて死んだ俘囚の安倍貞任の子孫だと

称していることが、面白い。



・そう名乗ることで、

地元からも中央政府からも、

辺境の地の代表者として認められる、

というメリットがだったみたい。

だから、あえて「自分たちは蝦夷の親分だ」

ということを前面に出す。

一種のハッタリとして。



・戦国大名だと、周防の大内氏なんかも、

百済王族の末裔だと言って、

対朝鮮貿易の利権を正当化しようとしている。



・中央政府の側にも、

異民族とか異世界とは直に接しない、

という一貫した方針があったみたい。

朝鮮外交なら対馬の宗氏をエージェントにして

任せたほうがいいと。



・そうすると交渉や翻訳のテクニックが

対馬に蓄積されるので、

政府が直に朝鮮とやりとりするよりも

効率的だという発想なり。

外交や通商をアウトソーシングするような感じ。



・倭寇みたいな辺境の人は、すごくバイタリティがある。



・源頼朝は、あえて関東の田舎者になったからこそ、

田舎者の世界でトップを張れた。



・世の中には、

力で片づけなくてはいけないことが必ずあって、

それを一手に引き受けてきたのが武士であり、

ヤクザであったという印象をもった。

中世までは、武士とヤクザは一体だった。



・当時、鎌倉にあった頼朝邸は、

御家人たちのたまり場みたいになっていて、

御家人同士が、すごろくをして遊んだり、

酒を飲んでドンチャン騒ぎしたりしていた。



・つまり幕府は、部活やサークルの部室とか、

居酒屋とかカラオケボックスみたいな場だったと、

細川さんは書いている。



・鎌倉武士は、かなりお行儀の悪い連中だった。

くだらないことで、すぐケンカしちゃう。



★コメント

歴史や読書には、新しい発見がたくさんあり、

やめられない面白さがある。


 

 



 

 



 

 



◆北川智子『ハーバード白熱日本史教室』を読む



北川智子さんは、カナダのブリティシュ・コロンビア大学出身。

数学を専攻していたが、教授のリサーチ・アルバイトをきっかけに、歴史の博士号を取得。

その後、ハーバード大学で講師に就任。

初年度は、16人だった受講生が、2年後には200人以上の人気講義となった。




※要旨




・最初の秋学期は、さっそく自前の日本史コースを2つ教えることになった。


その一つは、「レディ・サムライ」というタイトル。


アメリカでも、サムライや武士道といった講義が多いが、女性を主人公にしたのがこのコース。


1年目は、小さな教室に16人が集まった。

この数に驚いた教授がたくさんいた。

日本史は元々人気が無かったので、0人でも2人でもなく、10人を超えたのがニュースであった。




・2年目には、106人の登録があった。


歴史がみんなを強くする理由。

それは、2つあると繰り返した。


1.時には隠された意味を見つけること。


2.時の重力を感じること。




・「レディ・サムライ」で取り扱う人物の一人が、北政所ねい(ねね)だ。

豊臣秀吉の正妻である。


秀吉がいくさ、城の工事、鷹狩りなどで留守にしている間、

ねいは彼女個人の名でネットワークづくりをしていく。


男性のサムライと同じ書式で手紙を書き、他の大名と対等に会話をし、

時には彼らを諌める場面も出てくる。





・私の講義の核心は「自分の趣味をティーチングに生かすように工夫すること」

趣味はピアノ、絵画、身体表現。

そのため、聴覚を使ったレクチャーを多用してる。


元寇の話のときは、モンゴルの民謡をバックグランドで流す。


・中世以降より、日本人女性は「殺されない性」として扱われていたこと。



・戦国時代の大名とその本妻は「ペア・ルーラー(夫婦統治者)」として存在し、互いの立場を尊敬しあっていた。



・「日本とは何か、という質問に対してしっかりした答えを構築すること」をすべての読者に求めている



・証明などいらない。あなたの可能性は無限大。



・毎回、自分ができる最高のことをやる。

自己最高記録は、いつも更新されるべきもの。

準備がすべてなり。



・社会で輝ける人とは、他人と力を合わせられる人間、

自分のオリジナリティーを信じられる人間なり。


※コメント


教えるということには、いろいろ工夫があるようだ。

ただ単に語るだけでなく、面白い映像や画像、音響を使うと学生の中に残る。

また、そういった映像を学生に作らせることで、楽しく学ぶことができるようだ。




 

 



 

 



 

 


◆高野秀行『謎の独立国家・ソマリランド』を読み解く



副題→「そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」



高野氏は、辺境冒険作家。



★要旨



・宮崎駿監督のアニメ「天空の城ラピュタ」

というアニメをご存じだろうか。



・空にラピュタという幻の国が浮かんでいる。

ほとんどの人はその存在を知らないし、

そこへ行くこともできないのだが、

主人公の少年は、たまたまラピュタの王族の血を

引く少女と出会い、

その不思議な国へ行くという話だ。



・現実にラピュタと似たような国がある。

ソマリランド共和国。

場所は、アフリカ東北部のソマリア共和国内。



・国内は、無数の武装勢力に埋め尽くされ、

戦国時代の様相を呈しているらしい。



・まさに謎の国。

未知の国家。

地上の「ラピュタ」だ。

「謎」や「未知」が

三度の飯より好きな私の食欲をそそらないわけがない。



・私は「謎の国家」や「自称国家」には、なじみがある。



・未知や謎を追っていくと、

国連で認められているような

国家の中央政府の力が及ばない地域に行きがちで、

そういう地域には「自称国家」や「国家もどき」が

出現しやすいのである。



・一体ソマリランドとは何か。

結局、自分の目で見てみないとわからないという、

いつもの凡庸な結論に達したのである。



・ソマリは面白い。

知れば知るほど、新しい真実が浮かび上がる。



・その後、ソマリランド、プントランド、南部ソマリアが

どうなんていったか、簡単に記したい。



・ソマリランドは、

東部のドゥルバハン里見氏とのごたごたを除けば、

相変わらず治安がよく保たれている。



・プントランドは、

実際にソマリランドを手本にしている。



・実際にヨーロッパに移住するカネほしさに

海賊になった連中がたくさんいるのだ。



・西欧民主主義は、

ソマリランドでもソマリアでも敗北したが、

プントランドの海賊にも敗北を喫しているわけだ。



★コメント

まったく知らない地域のことを学ぶのは楽しい。

脳がリフレッシュされる。


 

 


 

 



 

 

◆渡瀬裕哉『税金下げろ、規制をなくせ。日本経済復活の処方箋』を読み解く


★要旨


・「真面目に働く人が報われる社会を作りたい、

それなら現場でどうすればよいのかを学ぼう」、

そのような思いを描いて政治家事務所の門を叩きました。 



・大学に籍を置きながら、

自民党事務所で数年間、

ほぼ休むことなく朝から晩まで身を粉にして働きました。



・その後、

与野党の枠を出て選挙戦略の組み立てや

首長のマニフェストづくりの仕事に数年間携わりました。



・しかし、その中で僕は気づきました。

現代の日本の政治・経済を悪化させているのが「談合とやらせ」だということに。



・「談合とやらせ」が何をもたらすか。

増税と規制です。 



・そして、日本が壊れていくのを止める方法は、

減税と規制廃止しかないと確信するにいたりました。

なぜ減税と規制廃止が日本を救うのか。

本書でゆっくりお話ししましょう。



・なぜ、日本からグーグルやアマゾン、

またはツイッターやフェイスブックのような世界的な大企業が生まれないのか。



・また、いわゆる弱い産業とされている日本の農業は本当に弱いのか。

今のいびつな教育は何とかならないのか。 

それもこれも、すべて税や規制の問題です。



・アメリカは復活し、

成長する元気な国であり続け、覇権国家として今も世界に君臨しています。

減税によって需要を喚起し、規制廃止で供給力を高め、

国家としての競争力を取り戻しました。



・腐っても鯛と言いましょうか、

途上国と違って日本にはポテンシャルがあります。

今の日本は税金や規制によって発展が阻まれているだけです。



★コメント

シンプルで、しっくりくる内容だ。

日本復活の光をこの本の中で発見した。

行動したい。




 

 


 

 





◆高野秀行『アジア新聞屋台村』を読み解く



高野氏は、辺境冒険作家。




★要旨



・ワセダの三畳間に沈没するライターのタカノ青年は、

台湾の美人社長に見込まれ、

なぜか多国籍新聞社の編集顧問に就任した。



・勇み立ったはいいが、

アジア各国のツワモノたちに翻弄され、

たちまちハチャメチャな屋台的世界に突っ込んでいく。



・どうも話を聞いていると、

劉さんの経営方針とは、

「まず出す。よかったら続ける。ダメなら止める」

のようだ。




・「あのね、タカノさん、こう考えてみて。

ここは屋台なの。屋台の集まり。

インドネシアの新聞、ある?と言われたら、

はい、あります。

タイの新聞は?

はい、どうぞ。

発行が遅れたら、

まだ料理ができていない。

印刷した新聞の数が足りないときは、

もう売り切れました。

だから、ここは屋台村と一緒よ」



・なるほど、私は目から鱗が落ちたような気がした。



・アジア風の屋台か。

料理の代わりに新聞を出す。

メニューを増やして評判がよければ続けるし、

ダメなら止める。

客が増えればテーブルと椅子を増やす。



・「マーケティングをしない」

と言ったが、それも違う。

新聞を出すこと自体がマーケティングなのだ。

準備もろくにしないで発行するから、

コストがかからない。



・私はこの卓抜したアジア的発想に打たれた。



・劉社長は突拍子もない人だが、

私が聞く限り、社員やスタッフの誰からも愛されている。

「個人的には魅力があるし、楽しいし、いい人」

それがみんなの一致した意見である。



・「タカノさん、今日、ちょっと飲みに行かない?」

こうして、私は新大久保の台湾居酒屋で

劉さんの半生を聞くことになった。

たかが30年そこそこなのだが、

それはもう波乱万丈のドラマであった。



・台湾の台北に生まれた彼女は、

父親が高級外国車の輸入を手掛ける会社を営んでいた。

彼女はピアノやバレエを習い、お嬢様育ちだったらしい。



・彼女は大学を中退して、日本に留学。

20代で会社を起業、そして倒産。

パリに行き、日本人向けの情報誌を発見。

それをヒントに、日本に戻り、

在日台湾人、中国人向けに中国語新聞を企画した。

「エイジアン」という会社をつくった。

24歳のとき。1991年のこと。



・新聞社を設立したはいいが、

出版の知識はゼロ。

元全国紙記者から新聞や出版のことを

一から教わった。



・営業の仕方もど素人だった。

新聞を置いてくれそうなところに、

飛び込みで売り込んだ。



・その行動力の源泉はどこにあるのか。

「日本人はすぐ恥ずかしがるでしょ。

でも、私はチャンスがあれば、何でもやる。

台湾人には、そういう人が多いの」



・彼女には、

なりふりかまっていないのに、

成金じみた田舎臭さがないのだ。

苦労人にありがちなアクの強さもない。

どこか、垢抜けた、清澄な明るさがある。



・劉さんも育ちがいい。

バイタリティのあるお姫様だからこそ、

こんあにも純粋に頑張れる。

そして、周りの人からも助けられる。



・紹興酒の酔いも手伝い、

私はすっかり劉さんの虜になっていた。

「エイジアンの姫を守る」

そんな漢気すらおぼえた。

これからますます泥沼に、

はまっていくとは夢にも思わずに。



★コメント

やはり、高野さんのような面白い人には、

それに相当する面白い魅力的な人が集まってくるようだ。

これぞ、引き寄せの法則なり。





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◆高野秀行『放っておいても明日は来る』を読み解く



高野氏は、辺境冒険作家。




★要旨



・僕は、アジア、アフリカ、南米の辺境地に行って、

未知の生物を探したり、

ゲリラと一緒に暮らしたりしてきた。



・今でも頭で解決しようとしているときは、

僕も調子が悪い時で、

なるべく現場に行って、人が知らないようなことを見て、

帰ってくるって方向にした。



・コンゴに幻獣ムベンベを探しに行こうとしたとき、

フランス人に手伝ってもらって、

フランス語で許可申請書のようなものを作って、

郵送で送った。

3か月後、コンゴ政府からOKの返事が来て驚いた。


言葉が多少下手でも、結果が出ればいいんだから。

ダメだって言われたら、どうしたらいいんだって訊く。


ある程度やりとりしていると

向こうもいい加減だし、

面倒くさくなったりしてきて、

「いいよ」と言ったりもする。


埒があかなくなったら、

もう遠く離れて交渉していても仕方ないから、

現地にいっちゃう。


それで、実際コンゴに行っちゃった。

そうすると話が早い。

顔を合わせて交渉できるから。

一緒にメシを食ったり酒を飲んだり、

ディスコに行ったりしていると人間関係ができてきて、

「じゃあ協力しようか」

となる。



・コンゴでは、

一緒に来ていた動物学者とは英語で話し、

他のコンゴ人の役人とかはフランス語、

村の人たちとは現地の共通語リンガラ語で話していたが、

全部できるのは僕だけだった。

僕が通訳となり、自然とリーダーとなった。



・大変なんだけど、おもしろい。

権力が集中していく。

僕が代表になって話すようになって、

結局全部僕が仕切ることになる。

言葉ができるというのは、大きい。



・やっている人間にどんどん仕事がくる。

社会のシステムとして。

日本でもコンゴでも一緒。

そいつは大変なんだけど、

そういう人間は鍛えられるからどんどんレベルアップしていく。



・興味というのは常に、2つ3つ持っている。

そういうものを持っていると、

ひとつがダメだと、こっちをやってみようか、

みたいに考えやすくなる。



・僕は大学に7年いたんでいろいろやって、

コンゴ文学の翻訳もやった。

怪獣探しのとき。

急遽、大学を卒業しなければいけなくなり、

卒論を書かなければならない。


フランス文学科だったので、

コンゴの小説の翻訳が卒論にならないか閃いた。

教授に相談して、教授会にかけて、3時間揉めたらしい。

全部翻訳しているし、一生懸命なのは間違いないので、

それを副卒論として提出させて、

その小説の背景などを卒論として提出するように言われた。


あとは簡単だった。

僕は実際にコンゴに4回行っているし、

資料も散々調べたからいくらでも書けた。


歴史も地理も民族も政治状況も全部ひととおり知っていた。

それを卒論として書いて出したら、

フランス文学科の最高得点になっちゃった。

やっぱりできるんだなと。

無理すれば通ると。



・無理だろうなと思うんだけど、

とにかくやってみると、

なんとかなることが実に多くて面白い。



・期待してもしなくても、

普通に生きてもドロップアウトしてしまっても、

いま楽しくても辛くても、

どっちにしても明日は来る。



・放っておいても明日は来るのだ。



★コメント

おもしろすぎる、高野さんの人生だ。

このようなエピソードを知るだけで、

生きるためのヒントを獲得できる。





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