◆高野秀行『恋するソマリア』を読み解く


高野氏は、辺境冒険作家。


★要旨


・ソマリ人は、

アフリカ東部、サイの角のように突き出た広大な土地、

通称「アフリカの角」に住んでいる。

国でいえば、

ソマリア、ジブチ、そしてエチオピアとケニアの一部だ。



・ソマリランドは実在した。

アフリカやアジアの平均以上の平和と安定を享受していた。



・ソマリ人と彼らの暮らす土地は、

驚くほど世界的に知られていない。



・それは、一つには彼らの伝統社会が

ひじょうに複雑怪奇かつ排他的であること、

彼らの言語ソマリ語が外国人にとっては習得がきわめて困難なこと、

そして、

何より20年以上もソマリアが「危険地帯」と認識され、

外部の者が立ち入ろうとしないことによる。



・ソマリ世界は、

現代における数少ない「秘境」となっている。



・ソマリ世界では、

私がソマリランドやソマリ人についての本を書く、

と言っても、喜ぶ人などいなかった。



・ソマリ人は誇り高い反面、冷徹なリアリストでもある。



・世の中を動かすのは、

所詮カネと武力であると正しく理解し、

一冊や二冊の本が大勢に影響を及ぼすなどと

ゆめゆめ思わない。



・加えて、

「あたしのことをそうやすやすと、わかられてたまるか」

という

高慢な美人のように面倒なプライドを持ち合わせている。



・気づくと、私は、

世界にソマリ人を知らしめる以前に、

ソマリ人に対して

「自分のことをわかってくれ」

と叫んでいた。



・全体から見れば、

彼らはとても長いスパンで、ものを見ているんじゃないか。

職を追われても、

敵に狙われてて異国の地に逃げざるをえなくても、

彼らは淡々としている。



・今どこにいようとも、

それは今、居心地がいいから、

あるいは他に行く場所がないからたまたまいるだけであって、

明日はまたどこか別のところに行く。

それが人生と達観している。



・達観できるのは、

ソマリ人は、どこへ行っても、

氏族社会=ソマリ世界に属し、

そこは揺るがないからだと思う。



★コメント

やはり、アフリカは謎が多い。

あらためて、調べなおしたい。