◆藤田晋『仕事が麻雀で、麻雀が仕事』を読み解く 


 藤田さんは、サイバーエージェントの社長。 


 ★要旨 


 ・勝負強さとは、
生き馬の目を抜くようなこの世の中を生き抜くうえで、
とりわけ重要な能力だ。


 ・麻雀というのは、勝負の場だ。


 ・麻雀という競技を教科書にして、
勝負強さを学び、
身につけることは可能だと思う。 


 ・わたし自身、
日々麻雀で学んだものを自分の仕事にフィードバックし、 

逆に仕事で身につけたものを自身の麻雀に活かしている。 


 ・沈黙していることで
ベールに包まれた幻想を抱かされたりするもの。

 いずれにしても相手のレベルが自分より上、
あるいは高レベルにあるときは
「晒すと負け」やすい。 


 ・キレたら、そこでゲームオーバーなり。 


 ・仕事においても、上司に取引先に同僚に、
途中でキレそうなことなら、いくらでもある。 

しかし、最後にゲームを制している人はいつも、
忍耐強く、我慢強く、
最後までゲームを投げ出さなかった人だけだ。


 ・一旦相手にこの人は怖いな、と思わせたら、
その後のゲーム運びはずいぶん楽になる。

 相手が勝手に畏れて、
敬意を払ってくれる。 


 ・私は昔から、
「舐められてはいけない」
を強く意識してきた。 


 ・経営していると、さまざまなトラブルがあり、
それらにいちいち目くじらを立てる訳ではない。


 ・ただ、会社が舐められているな、と感じたとき、
早い段階で怒り、

出入り禁止や取引停止などの
感情的な措置を取る。 

それもできるだけ社内外に伝わるよう表立ってやる。 

普段温厚な会社である分、
効果はテキメンで、そのあとは勝手に噂が広がり、
恐れてくれるのだ。 


 ・自分のタイミングで勝負しない。 


 ・これは一言でいうと、
機が熟すまで忍耐強く我慢せよ、
ということ。 


 ・麻雀でアガれる確率は4分の1で、
残りは地味に耐えることが必要だ。 


 ・麻雀でも仕事でも、
勝つには忍耐することが最も大切だ。 

自分の都合で、焦って神風特攻隊のごとく勝負しても、
散ってしまうのがオチだ。


 ・シンプルが、一番なり。 


 ★コメント 

あらためて、麻雀を学び、
精神力を鍛えたい。



 

 



 

 





◆森口朗『自治労の正体』を読み解く 


 ★要旨 


 ・自治労とは、正式名称を、

 「全日本自治団体労働組合」という地方公務員の労働組合である。  


・たしかに、自治労は、地方公務員の組合に過ぎない。 

しかし、地方公務員の数は、
国家公務員の数をはるかに凌駕し、
自治労の組合員だけで、80万人以上いる。 


 ・その80万人が、
法律で禁じられている政治活動を行えば、
どれほどの力を有するだろうか。 


 ・政府が国内の治安維持や、安全保障のために
何か施策を実施すると、そのたびに、
「日本が監視社会になってモノを言えない国になる」

 「軍靴の音が聞こえる」
と叫ぶ老人を中心とした一般市民と称する人たち、

 その正体は、現役の自治労組組合員や、そのOBたちに他ならない。 


 ・保守政党であるはずの自民党も、
かれら左翼が跋扈する状態を野放しにしている。 


 ・不当なまでに優遇される公務員、
小規模な反日運動を国民の声と報道する新聞・テレビ、
極左議員の存在と、 

保守政党のはずなのにシャキッとしない自民党、 

不当な外国の行動にモノに言えない政治家全般、
これら全ての裏に存在するのが、 

自治労と言っても過言ではない。 



 ・私は、2009年からの3年間の、 

民主党政権時代というのは、日本で初めての、 

「労働組合に、労働組合による、労働組合のための政治」が
行われた時代であったと思っている。 


 ・中央労働金庫も、自治労幹部の美味しい天下り先である。 


 ・全労済や労働金庫は、
どうして自治労幹部の天下りを受け入れるのか。 

ひとつは、巨大なお客様だから。

 

 ・自治労の組合員だけでも80万人いるが、
非組合員も職場の組合を通じて全労済の保険に加入したり、 

労働金庫に預金したり、
労働金庫からお金を借りたいするので、 

行政系の地方公務員100万人強の顧客を
かれらは代表していると写るのだ。  


・さらに全労済や労働金庫にとって有難いのは、
労働組合が間に入ることで、 

煩雑な事務手続きの手伝いを組合がしてくれる点である。 


 ・直接的には
職場レベルの組合役員の労力により、
実質的には納税者の負担により、
自治労役員たちは、

美味しい天下り人生を歩んでいる、 

と言っても過言ではない。 


 ★コメント 

だんだんと世の中のしくみが分かってきた。 

騙されないように勉強を続けたい。


 

 



 

 

◆峯村健司さん新刊『あぶない中国共産党』に注目します。橋爪さんと共著。


 橋爪大三郎さんとの共著


 ★ポイント


 ・「実態は、世界最大のスパイ組織である」(峯村氏) 


 ・
「これは、ファシズム以上の独裁だ」(橋爪氏) 


 ・目次 

 序章  なぜ「中国共産党の研究」が必要か 

第一章 「毛沢東」の凶暴性 

第二章 狂気の文化大革命 

第三章 「改革開放」は矛盾のかたまり 


 第四章 江沢民、胡錦濤、習近平 三代の角逐 

第五章 中国共産党の本質とは 

第六章 ポスト習近平の中国 


 ・毛沢東を凌ぐ“超一強”体制を築いた習近平は、中国を、中国共産党をどこに導くのか。 

長年にわたり中国を内側と外側から観察・分析する社会学者・橋爪大三郎氏とジャーナリスト・峯村健司氏が、 

中国共産党の歴史を裏の裏まで解剖し、その“本質”に迫る異色の対談。


 ・「中国共産党」の“指導”により世界2位の経済大国となったこの国が、 

どんな原理原則・価値観に基づき動いているかを知る人は少ない。


 ・習近平体制3期目で権威主義的・覇権主義的性格を強める中国。 

世界の関心は「米中対立」「台湾侵攻」などに集まっている。


 

 

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◆河村たかし『減税論。「増税やむなし」のデタラメ』を読む 


 サブタイトル
→「増税やむなし」のデタラメ 


 ★要旨 


 ・元手(歳入)がないところから知恵を絞らないと、
いつまでたっても支出(歳出)のムダは、見直せない。 


 ・増税すると、
国民はまずまず財布のひもを締める。 

民間企業の活力がなくなり、愛国心も薄れていく。

 増税で国民は幸福になれない。 


 ・2010年には、
「減税日本」という地域政党も作り、
市民税の恒久減税を訴えた。 


 ・名古屋で減税政策を成功させ、
その成功例をもとに、日本を変えていかねばならない。 


 ・名古屋市に住む人だけでなく、 

日本国民のみなさんが、 

「もっと減税しろ、それで私たちの暮らしをよくしろ」
と政治家に主張することこそが、
まっとうなのだと言いたい。


 ・増税を前提にした政治など、大ウソもいいところだ。


 ・増税は、国民の預金の略奪行為なり。 


 ・税金で国に直接お金を吸い上げるのなら、 

国債のほおうがまだマシなのだ。 


 ・皆さんが貯蓄をすれば、
銀行が国債を買っているとはいえ、
貯蓄しているのだから、みなさん個人の財産だ。

 自由に引き出せて、いつでも使える。
財産として子孫に残すことができる。 


 ・たしかに公務員の給料やムダ遣いなどの
赤字を埋めるためだけに国債を発行するのは良くない。 

しかし、
設備投資のための借金をして
景気をよくしていくのは、いいことだ。 


 ・同じ額を行政からもらうのだとしても、
仕事をやって得た対価と、
生活保護で与えられるお金では、
もらう側の誇りが違う。


 ・財政再建に本当に必要なのは、増税ではない。 


 ・「歳入を増やすために日本全体の景気をよくする」
といった意味での「財政再建」を考えるなら、
それに必要なのは、
増税ではなく減税である。 


 ・税金は、必ず余るようになっている。


 ・税金というのは、余ったときの弊害のほうが大きい。 

皆さんが知らないところで、
国民が本当に欲しいものではない、 

わけのわからない箱モノができた。 

倒産する恐怖がないから、ムダなものをどんどん作れる。


 ・税金が余るとよくないのは、
天下り先がいくつもできたり、
裏金を作る人が出てくることだ。 


 ★コメント 

やはり、河村さんの減税論は、
時代が進むたびに輝きを放っている。
学びたい。


 

 

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◆夢枕獏『陰陽師のすべて』を読み解く


 夢枕さんは、
「陰陽師」シリーズなど多数の小説を書いている作家さん。


 ★要旨


 ・風水都市「京都」と陰陽道。 


 ・京都という都市を語る上で
どうしても避けて通れないのが、陰陽道と風水の関係である。 


 ・中国の五行思想に端を発するそれは、
古来人々の生活から日本の都市計画まで
大いなる影響を及ぼし続けてきた。


 ・たくさんの連載を抱えているが、
締切が来ると、その物語の引き出しが自然と開いて、
物語の世界に入る。 

『陰陽師』シリーズの短編は、だいたい3日で書ける。 


 ・一週間あれば、最初の4日間はいろいろ考えるだけ。
あとは資料を調べる。 

ただ、調べるのって楽しい。 

それで「あ、これも知りたい」「あれも知りたい」
って調べていく。 


 ・調べていてその横に気になる項目があったりすると、

 「これはちょっと別のところで使えるな」
とメモをする。 

実際にそういうメモを入れておく「引き出し」がある。


 ・その作業が楽しいから、
あっという間に4時間、5時間過ぎてしまって
書く時間が3日間しかなくなる。 

でも3時間集中すれば、ゼロから構想までは、できる。 

その構想を出力するのに、3日かかる。


 ・言葉は、読むことで身体化される。 


 ・独特の言語感覚について、
執筆中から音読するように書くということを意識している。 


 ・声に出して読むというのは、
言葉の意味も含めて咀嚼して味わって、
言葉に酔うことができるということ。 

言葉をいったん外に出したうえで、身体化できる。 


 ・朗読には、小説を書くことに共通する快感がある、
ということに気付いた。 


 ・朗読会で、客席と対峙して、逃げ場がない、
その瞬間に腹をくくる快感が生まれる。 


 ・聖徳太子や天武天皇をはじめとする古代の聖君たちは、
陰陽道の哲理と技術を活用することで
国家の礎を定めた。 


 ・山伏や忍者など
天下争乱の陰に暗躍した異能集団が奉じる呪法秘術も、

 やはり陰陽道のそれと密接な関係を有していた。 


 ・陰陽道は、日本土着の民間信仰や
神道仏教諸宗派などと習合することで
日本的オカルトの一大源流となったのである。 


 ・千年余の長きにわたり
日本史の闇に命脈を保ってきた陰陽道は、

 明治維新と文明開化の到来により
甚大な打撃をこうむることになった。 


 ★コメント 

やはり、陰陽道は、奥が深い。
調べなおしたい。


 

 



 

 


◆城内康伸『奪還。日本人難民6万人を救った男』を読み解く 


 ★要旨 


 ・敗戦後、当時、6万人もの同胞を救出する大胆な計画を立てて祖国に導いた「とある男」に光を当てた。 


 ・1945年8月。玉音放送の6日後にはソ連軍が北朝鮮に進駐し、
難民と化した現地の日本人に略奪と暴行の限りを尽くしたというが、
その残虐性は何よりも女性たちに向けられた。 


 ・1945年8月、朝鮮半島。6万人もの日本人難民の命を救い「引き揚げの神様」とまで呼ばれた男がいた。 

その名は、松村義士男(ぎしお)。一介の市民に過ぎず、


 ・戦前には労働運動へ身を投じたことで国家から弾圧されたアウトサイダーだったが、
飢えや疫病により死の淵に立たされた同胞を本土へ帰還させるべく身を賭した。


 ・1945(昭和20)年8月、敗戦によって日本の植民地支配が終わり、
拠り所を失った朝鮮半島に住んでいた在留邦人は事実上の「難民」と化した。

  


・復員省などの調査によると、終戦当時、朝鮮半島には約70万人の一般邦人が住んでいた。
そのうち北緯38度線以北、

すなわち北朝鮮地域に住んでいたのは約25万人と推定されている。 

さらに終戦前後には、満州から約7万人の避難民が北朝鮮になだれ込んだ。 


 ・そのような苦境において、咸鏡南道、咸鏡北道に取り残された日本人を日本本土に引き揚げさせるため、  

南朝鮮に次々と集団で脱出させた人物が北朝鮮にいた。
その名を松村義士男(ぎしお)という。 


 ・日ソ開戦前、咸鏡南道、咸鏡北道に住んでいた日本人は旧厚生省の推計で約14万人、
北朝鮮の日本人全人口の6割近くを占めていた。 

その両地域から在留邦人を大量脱出させる工作で、中心的な役割を果たしたのが松村だった。

 


 ・松村は、戦前には労働運動に加担したなどとして治安維持法違反で、
2度にわたり検挙された元左翼活動家だった。


 ・このため、北朝鮮の新政権の中には、
かつて共に辛酸を嘗めた共産主義者の知己が多く、こうした人脈を生かして日本人救済に尽力した。 


 ・ロシア軍のウクライナにおける暴虐は数多く伝えられている。 

ロシア側の戦闘員には、民間の受刑者らが「ストームZ部隊」の兵士として多数投入されているという報道もある。
歴史は繰り返すということだろうか。


 ・1945年8月、朝鮮半島。敗戦の6日後にはソ連軍が北朝鮮に進駐し、
略奪と暴行の限りを尽くしたといわれるが、 

そこでも「囚人番号」らしき入れ墨が刻まれたソ連兵の姿が目撃されている。


 ★コメント 

地獄のような戦いは、再び繰り返される。
備えよう。


 

 



 

 






◆江崎道朗『コミンテルンとルーズベルトの時限爆弾』を読む

(迫り来る反日包囲網の正体を暴く) 


★要旨 


 ・マレーシアのガザリー元外相は、 

「マレーシアが独立して間もない頃、
マラッカ海峡を通るタンカーに通行税を取ろうという話が出たことがあったが、
そうすると日本の貿易に打撃を与えるので、この話は立ち消えとなった」
と指摘する。



 ・ガザリー元外相は戦時中、
日本軍が開設した興亜訓練所で学んでおり、
大東亜戦争の理想に共鳴していたのだ。 


 ・大東亜戦争の遺産によって支えられた戦後日本。 


 ・大東亜戦争の理想に共鳴したアジア各国の指導者たちによって 

日本は過酷な戦後補償から逃れることができたばかりでなく、
東南アジア市場への進出を支援され、 

今日の経済発展の基礎を築くことができた。 


 ・大東亜戦争の精神的遺産に、わが国は支えられてきたのだ。  

・靖国参拝に反対している国は、わずか2カ国。 


 ・竹本忠雄教授は、独立国家にとって不可欠な3つの自由について、

 以下のように述べた。 

 →およそ一国が独立国といえるためには、 

3つの自由がなければなりません。 

第一は、自国の防人をもって自国を守ること。 

 第二は、自ら教育したいように自ら子弟を教育するということ。 

 第三は、自ら祀りたいように自分たちの神々を祀るということ、 

この3つであります。 

日本に、このなかのどの自由もありません。 


 ・自衛軍を持つための憲法9条改正と、 

国を愛する心を謳った教育基本法の改正、
そして首相の靖国神社参拝の3つは、 

戦後奪われた我が国の基本的自由を取り戻し、 

まともな独立国家となるために絶対に必要な決断だ。 


 ・アセアン結成を支えた民間外交官、中島慎三郎。 


 ・大東亜戦争の理想を忘れず、民間人でありながら、
福田赳夫首相らのブレーンとして対アジア外交を担い、 

インドネシア共産化を阻止した人物が日本にいることを知ったのは、

 1991年の夏のことだった。


 ・海部首相が1991年にアセアン諸国を歴訪し、
先の大戦について謝罪したことについてどのように受け止めるべきか、

 名越教授と話をしていたところ、 

「アセアンのことならば、インドネシアに戦後200回以上
訪問したことがある中島慎三郎というおもしろい人物がいるから紹介しよう」

 といって、連れて行ってくれたのが新橋にあった
「インドネシア・センター」という事務所だった。 


 ・その事務所は「インドネシア・ラヤ」という
インドネシア料理店があるビルの地下にあった。 

「インドネシア・センター代表」という肩書を記した名刺を
差し出しながら中島さんは開口一番、 

「何でも質問していいよ」
とおっしゃった。 


 ・国際的な情報戦を勝ち抜くために。


 ・いわゆる反日国家というのは
中国共産党と韓国、北朝鮮のわずか三か国に過ぎず、
日本は決して「孤立」などしていない。


 ・世界には二百近くの国家が存在しているが、
首相の靖国神社参拝に反対しているのも、
中国と韓国だけである。


 ・岸信介首相や福田赳夫首相の民間スタッフとして
アジア外交を担当した中島慎三郎先生がいらっしゃる。 


 ・中島先生を通じてアセアン諸国の政治家や
外交官と直接、話をすることができた。 


 ・そのおかげで、戦後日本が経済発展を遂げることができた背景に、  大東亜戦争を評価するアジアの指導者たちの支援が
あったことを知ることができた。

 


・アメリカの保守系シンクタンクや草の根保守、
そして米軍関係者と付き合う中で、
ソ連と中国共産党に対して警戒心を持ち、

 戦前から「強い日本」を支持するグループが
アメリカに存在したことに気付くことができた。 


 ・せっかく日本の立場を支持する親日国際ネットワークが
あるのだから、それを活用しながら日本の国益と名誉を守る外交を
展開していくべきである。 


 ・冷戦終結を受けて旧ソ連のコミンテルン文書や
アメリカの機密文書が次々に公開されるようになったことに伴い、 

アメリカでは今、保守主義者たちの手によって、
第二次世界大戦に到る歴史の見直しが進んでいる。


 ★コメント

 一国や二国だけの論調を調べるのではなく、
さまざまな国の主張を情報収集することによって
多様な見方をつくることができる。
いつの時代でも変わらない。


 

 



 

 





◆山根節『なぜあの経営者はすごいのか:数字で読み解くトップの手腕』を読む 


 ★要旨 


 ・経営教育は、好きな経営者のベンチマークからするべし。 


 ・プロ経営者とは、理論的素養と深い経験値、
そして高い志をもち、トップとしての役割を明確に認識し、 

それを高い水準でこなすトップのことだ。 


 ・多くの人に誤解があると思うが、
ビジネススクールは無味乾燥な経営理論だけを教えているわけではない。

 経営は人間臭いものである。 



 ・授業の討議教材として、経営者の評伝の本を使うことがある。 

また経営誌や経済紙の記事を使うこともある。 


 ・見本市の運営会社も業界誌の会社も、
いわばベンチャーに関するインサイダー情報の宝庫である。


 ・シナリオを描いた孫正義は、 

見本市と業界誌の会社こそ、
まさに当時の情報革命のインフラと見たのだ。 


 ・孫さんが構想する壮大な理念や方法論は
一見すると乱暴に見えるが、

 実はリアルで緻密でクリエイティブである。 


 ・孫さんは、幼少体験と猛勉強で経営の素養を身に着けた。 

子供の頃から実家のビジネスを手伝い、
また経営書の類をむさぼるように読んだ。 


 ・会計は経営を読み解く必須スキル。 

会計は、経営の全体像を「写像化」するツールである。 

経営活動全体に貨幣価値という尺度を当てたものが、
財務諸表、ないし会計情報である。  


・日本電産の永守重信は、若い頃から財務を猛勉強した。

 決算説明会では、アナリストたちの質問に対して
永守が自ら説明に立つ。 

その説明は「立て板に水」といわれ、有名である。 

それどころか、緩い質問が出ると永守から反撃され、
アナリストたちからやり込められることもある。 

それほど財務数値に明るく、
どんな時でも永守の口から即座に数字が出てくる。


 ・永守はもともとエンジニア出身だが、
若い頃から財務を猛烈に勉強した。



 ・永守はもともと口下手だったが、
それでは社長にはなれないと思い、 

中高時代には弁論部に入って口上を磨いた。 


 ・技術の連中が音をあげそうになると、
永守はいつも言った。 

「大声で『できる』と百回言ってみい」
「できる、できる、できる・・・」 

 日本電産の工場では夜になると、
こんな念仏のような合唱が聞こえてきたという。 

「どや、できる気になったやろ。できると思えばできるんや」



 ・岡藤正広は、友人の持ってきた小さな新聞記事を見た。

 そこにはこう書いてあった。

 「大成した人は若い頃、大病をわずらったか、親を亡くしている」 


 ・「経営者は知れば知るほど口を出したくなるものだが、
知れば知るほど黙るのが、より良い姿だ」

 (ダイキン工業会長、井上礼之)


 ・経営のプロたちはものすごく勉強している。 

永守重信は「かまぼこ」とあだ名されるくらい猛勉し、
財務の本まで書いた人である。 

新浪剛史は落選にめげず、3度目にして半ば強引に
ハーバードMBAをゲットした。


★コメント

 経営者の手腕は、数字に表れることは確かだ。 

人間の機微と数字をつくる手腕は、
経営者にとって必要不可欠である。 




 

 



 

 



 

 




◆中西輝政『世界史の教訓。日本人として知っておきたい』を読む



★要旨 


 ・世界覇権の文明史。
アングロサクソンはなぜ最強なのか。 


 ・ヨーロッパの田舎国が生み出した300年続く「支配の論理」。


 ・「アメリカの覇権」を正確にいうなら、
「アングロサクソン(英米)の覇権」ということになる。 


 ・ローマ帝国の崩壊以来、
ヨーロッパではフランス、イタリア、スペインなど
ラテン系の国が勢力を誇り、 

イギリスは長く「片田舎の島国」に過ぎなかった。 


 ・では、なぜイギリスは勝者となったのか。

 その鍵となったのは、3つの力によるものだった。 

それは、金融力、情報力、海洋力である。



 ・英国が覇権国家となるきっかけは、
なんといっても1588年、スパイン艦隊を破った
「アルマダ海戦」である。


 ・堂々たるスペイン海軍に対し、
イングランド海軍はの実態は、

 いわば海賊の寄せ集めだった。 


 ・そして、この海戦の最大の勝因は、
じつは海軍力ではなく、 

ヨーロッパ大陸に張り巡らされた金融ネットワークを
駆使した情報工作にあった。


 ・金融と情報を重視し、
それらを互いに関連させて駆使することで、 

アングロサクソンは覇権を手中に収めていった。 

そして島国でもあり貿易国家でもある英国(そしてアメリカ)が
力を注いだのが「海洋覇権」の確立だ。 


 ・じつは、「自由と解放」の論理こそ、
300年近く続くアングロサクソンの覇権の
もっとも核心的にある秘密なのだ。 


 ・アングロサクソン文明の「秘中の秘」の特徴は、
「偽善」である。  

アングロサクソンの「自由と開放」も、
みんなの利益を尊重しているように見えて、
実際には自分たちの利益の最大化に
つながるよう巧妙に仕組まれている。


 ・誰であれ自己利益の極大化は当たり前だが、
アングロサクソンのモラルでは、
それを露出させてはいけない。 


とにかく「隠す」ことが大切なのだ。
だから普遍的な価値観が、 

ことさら強調されるわけだ。 


 ・イギリスの知恵と「悪知恵」。 

それは、
早く見つけ、遅く行動し、粘り強く主張し、潔く譲歩する。 


 ★コメント 

すさまじいまでの国際社会の舞台裏がみえた。 

ますます、深く知りたくなった。





 

 



 

 

 ◆山村明義『民主党政権。悪夢と恐怖の3年3ヶ月』を読む


★要旨 


 ・2009年9月から2012年12月まで、 

3年3ヶ月続いた民主党政権下では、
国民の間から「日本が没落する」 

「日本の国家がなくなる」
という悲鳴が上がった。 


 ・結局、民主党は何が悪かったのでしょうか。 

意外なほど原因が第三者から究明されていない。 


 ・「マニフェストがウソばかりだったから」 

「決められない政治だったから」 

「政治の手法が稚拙だったから」
どれも一理ありそうだが、 

政治の現場を知っている私にとっては、
いまひとつ、しっくりこない。 



 ・民主党という政党の設立以来、
ジャーナリストとして取材してきた私は、 

もっとも重要な観点を発見した。
それは、民主党全体の「政治思想」である。 


 ・その政治家や政党の「政治思想」は、
政治家の言動を決める大きなファクターだ。 


 ・欧米では「思想は世界を動かす」という言葉がある。 

じつは民主党も、1996年の結党以来、
なぜか「革命思想」に憧れる政治家が
中枢に続々と集まってきたのだ。 

その思想とは、「左翼リベラル思想」である。 



 ・本来「左翼」とは、
暴力革命、非暴力革命などの方法論を問わず、

 より「平等」な社会理想を目指す社会変革を
支持する層の人たちを指す。


 ・一方、世界的に「リベラル思想」とは、
「自由、公平、博愛」、

 あるいは「自主、自立、競争」などの
「社会思想」を目指すことを支持する人たちの思想だ。 


 ・「左翼」と「リベラル」は、
元々は違う概念だが、
どうして「左翼リベラル主義」という言葉を使うのかというと、 

日本では両者の「合体」が起きていたと思われるからだ。 


 ・日本の政界の中での「左翼」は、
じつはその思想の姿を変えて、 

あくまでしぶとく生き残り続けた。  


・日本には、したたかで
寛容性のある「日本型の保守主義」が
必要であると思われる。  

・弱者の視点は、
「左翼リベラル主義者」の独占的な所有物ではない。 

実際に日本の歴史に照らしてみると、 

日本では「弱者への救いの心」は伝統仏教が、
「相手への思いやりの精神」は、 

古来からの神道がそれぞれ請け負ってきた。 


 ・日本の伝統精神とは、
そのような「優しさ」をも元々有している。 


 ・必要なのは時空間という縦軸を活かした政治。 

いまもっとも大事なことは、
日本の政治思想を「縦軸」に取るという理念だ。


 ・日本には神武天皇以来、
2600年以上の天皇並びに皇室制度を有する
「歴史」と「伝統文化」、 

それを記した「神話」というものがある。 


 ・つまりヨーロッパよりも古く、 

ギリシャのソクラテスやインドのブッタの時代まで
遡れる「歴史観」という縦の時間軸と思想がある。 


 ・民主党政権のヨーロッパ型のリベラル思想には、
この歴史観という時間軸がほとんど存在しない。 


 ・日本の政治家には、
時空間を「縦軸」に取ることが出来る、 

というアドバンテージ(有利さ)がある。

 西欧の思想を「知識」として得ておくことは重要だが、 

この有利さを生かさない政治家は、
民主党政治のように何もできないだろう。 



 ・国家を守れる日本型の「保守主義」の場合、
相手のために、
自分の身を惜しまない「自己犠牲の精神」が必要だ。 

その「努力」と「自己犠牲の精神」があってこそ、
東日本大震災のようないざというときに、
国民が守れるのだ。 


 ・「左翼リベラル・ウイルス」に打ち克つための処方箋。 


 ・結局、「左翼リベラル思想」というウイルスは、
民主党の症状を見てもわかるように、
国家思想や個人個人の思想が弱まると、 

ものすごい勢いで増殖し、伝染していく。
とりわけ政治家は「思想の健全さ」が土台だ。 


 ・では「左翼リベラル・ウイルス」に
感染しないためにはどうしたら良いのか? 


 ・まずは、日ごろから日本という国の成り立ち、
歴史、伝統、文化、日本人の精神性などについて知ることだ。 

そのうえで、
それを愛するという
日本型の「保守主義」「愛国心」を涵養することだ。 


 ・インフルエンザにかからないように、
日頃からインフルエンザに対する正しい知識を持ちながら、 

体力を蓄えて抵抗力をつけるのと同じだ。  

・「愛国心」「国家に対する誇り」
という日本人としての基礎体力とともに、
抵抗力をつけることも大変重要だ。 


   ・これはすなわち、
日本人としての誇りを持つこと、
自国の歴史や文化に対する造詣を深めることから始まる。 


 ・最近では、日本の歴史や伝統文化を
大事にする若い日本人が本当に増えてきた。 

これは日本人の基礎体力が上向いてきて
「左翼リベラル・ウイルス」に対する
抵抗力がついてきたと言える。 


 ・「左翼リベラル・ウイルス」に対する
一番の特効薬は、

じつは日本人自身が
個人個人で自分の先祖や先人たちの
「努力や生き様を忘れない」ことなのだ。 



★コメント 

歴史を学ぶことの大切さを感じた。 

いままで歴史は単に趣味として
面白いから読んでいたが、
命がけで日本の歴史を学びたい。