◆夢枕獏『陰陽師のすべて』を読み解く
夢枕さんは、
「陰陽師」シリーズなど多数の小説を書いている作家さん。
★要旨
・風水都市「京都」と陰陽道。
・京都という都市を語る上で
どうしても避けて通れないのが、陰陽道と風水の関係である。
・中国の五行思想に端を発するそれは、
古来人々の生活から日本の都市計画まで
大いなる影響を及ぼし続けてきた。
・たくさんの連載を抱えているが、
締切が来ると、その物語の引き出しが自然と開いて、
物語の世界に入る。
『陰陽師』シリーズの短編は、だいたい3日で書ける。
・一週間あれば、最初の4日間はいろいろ考えるだけ。
あとは資料を調べる。
ただ、調べるのって楽しい。
それで「あ、これも知りたい」「あれも知りたい」
って調べていく。
・調べていてその横に気になる項目があったりすると、
「これはちょっと別のところで使えるな」
とメモをする。
実際にそういうメモを入れておく「引き出し」がある。
・その作業が楽しいから、
あっという間に4時間、5時間過ぎてしまって
書く時間が3日間しかなくなる。
でも3時間集中すれば、ゼロから構想までは、できる。
その構想を出力するのに、3日かかる。
・言葉は、読むことで身体化される。
・独特の言語感覚について、
執筆中から音読するように書くということを意識している。
・声に出して読むというのは、
言葉の意味も含めて咀嚼して味わって、
言葉に酔うことができるということ。
言葉をいったん外に出したうえで、身体化できる。
・朗読には、小説を書くことに共通する快感がある、
ということに気付いた。
・朗読会で、客席と対峙して、逃げ場がない、
その瞬間に腹をくくる快感が生まれる。
・聖徳太子や天武天皇をはじめとする古代の聖君たちは、
陰陽道の哲理と技術を活用することで
国家の礎を定めた。
・山伏や忍者など
天下争乱の陰に暗躍した異能集団が奉じる呪法秘術も、
やはり陰陽道のそれと密接な関係を有していた。
・陰陽道は、日本土着の民間信仰や
神道仏教諸宗派などと習合することで
日本的オカルトの一大源流となったのである。
・千年余の長きにわたり
日本史の闇に命脈を保ってきた陰陽道は、
明治維新と文明開化の到来により
甚大な打撃をこうむることになった。
★コメント
やはり、陰陽道は、奥が深い。
調べなおしたい。