◆山村明義『民主党政権。悪夢と恐怖の3年3ヶ月』を読む


★要旨 


 ・2009年9月から2012年12月まで、 

3年3ヶ月続いた民主党政権下では、
国民の間から「日本が没落する」 

「日本の国家がなくなる」
という悲鳴が上がった。 


 ・結局、民主党は何が悪かったのでしょうか。 

意外なほど原因が第三者から究明されていない。 


 ・「マニフェストがウソばかりだったから」 

「決められない政治だったから」 

「政治の手法が稚拙だったから」
どれも一理ありそうだが、 

政治の現場を知っている私にとっては、
いまひとつ、しっくりこない。 



 ・民主党という政党の設立以来、
ジャーナリストとして取材してきた私は、 

もっとも重要な観点を発見した。
それは、民主党全体の「政治思想」である。 


 ・その政治家や政党の「政治思想」は、
政治家の言動を決める大きなファクターだ。 


 ・欧米では「思想は世界を動かす」という言葉がある。 

じつは民主党も、1996年の結党以来、
なぜか「革命思想」に憧れる政治家が
中枢に続々と集まってきたのだ。 

その思想とは、「左翼リベラル思想」である。 



 ・本来「左翼」とは、
暴力革命、非暴力革命などの方法論を問わず、

 より「平等」な社会理想を目指す社会変革を
支持する層の人たちを指す。


 ・一方、世界的に「リベラル思想」とは、
「自由、公平、博愛」、

 あるいは「自主、自立、競争」などの
「社会思想」を目指すことを支持する人たちの思想だ。 


 ・「左翼」と「リベラル」は、
元々は違う概念だが、
どうして「左翼リベラル主義」という言葉を使うのかというと、 

日本では両者の「合体」が起きていたと思われるからだ。 


 ・日本の政界の中での「左翼」は、
じつはその思想の姿を変えて、 

あくまでしぶとく生き残り続けた。  


・日本には、したたかで
寛容性のある「日本型の保守主義」が
必要であると思われる。  

・弱者の視点は、
「左翼リベラル主義者」の独占的な所有物ではない。 

実際に日本の歴史に照らしてみると、 

日本では「弱者への救いの心」は伝統仏教が、
「相手への思いやりの精神」は、 

古来からの神道がそれぞれ請け負ってきた。 


 ・日本の伝統精神とは、
そのような「優しさ」をも元々有している。 


 ・必要なのは時空間という縦軸を活かした政治。 

いまもっとも大事なことは、
日本の政治思想を「縦軸」に取るという理念だ。


 ・日本には神武天皇以来、
2600年以上の天皇並びに皇室制度を有する
「歴史」と「伝統文化」、 

それを記した「神話」というものがある。 


 ・つまりヨーロッパよりも古く、 

ギリシャのソクラテスやインドのブッタの時代まで
遡れる「歴史観」という縦の時間軸と思想がある。 


 ・民主党政権のヨーロッパ型のリベラル思想には、
この歴史観という時間軸がほとんど存在しない。 


 ・日本の政治家には、
時空間を「縦軸」に取ることが出来る、 

というアドバンテージ(有利さ)がある。

 西欧の思想を「知識」として得ておくことは重要だが、 

この有利さを生かさない政治家は、
民主党政治のように何もできないだろう。 



 ・国家を守れる日本型の「保守主義」の場合、
相手のために、
自分の身を惜しまない「自己犠牲の精神」が必要だ。 

その「努力」と「自己犠牲の精神」があってこそ、
東日本大震災のようないざというときに、
国民が守れるのだ。 


 ・「左翼リベラル・ウイルス」に打ち克つための処方箋。 


 ・結局、「左翼リベラル思想」というウイルスは、
民主党の症状を見てもわかるように、
国家思想や個人個人の思想が弱まると、 

ものすごい勢いで増殖し、伝染していく。
とりわけ政治家は「思想の健全さ」が土台だ。 


 ・では「左翼リベラル・ウイルス」に
感染しないためにはどうしたら良いのか? 


 ・まずは、日ごろから日本という国の成り立ち、
歴史、伝統、文化、日本人の精神性などについて知ることだ。 

そのうえで、
それを愛するという
日本型の「保守主義」「愛国心」を涵養することだ。 


 ・インフルエンザにかからないように、
日頃からインフルエンザに対する正しい知識を持ちながら、 

体力を蓄えて抵抗力をつけるのと同じだ。  

・「愛国心」「国家に対する誇り」
という日本人としての基礎体力とともに、
抵抗力をつけることも大変重要だ。 


   ・これはすなわち、
日本人としての誇りを持つこと、
自国の歴史や文化に対する造詣を深めることから始まる。 


 ・最近では、日本の歴史や伝統文化を
大事にする若い日本人が本当に増えてきた。 

これは日本人の基礎体力が上向いてきて
「左翼リベラル・ウイルス」に対する
抵抗力がついてきたと言える。 


 ・「左翼リベラル・ウイルス」に対する
一番の特効薬は、

じつは日本人自身が
個人個人で自分の先祖や先人たちの
「努力や生き様を忘れない」ことなのだ。 



★コメント 

歴史を学ぶことの大切さを感じた。 

いままで歴史は単に趣味として
面白いから読んでいたが、
命がけで日本の歴史を学びたい。