読書日記

読書日記

自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

6月に読んだ本は8冊(購入1冊、図書館本7冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 


<お気に入り順>

本『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』メン獄(文藝春秋 2023.3)
【満足度】★★★

【概要・所感】本書は元々、著者の12年勤務した外資系コンサル会社で最後の部下となったスタッフへ向けて書いたものだそうです。コンサルが書いた本にしては小難しくないどころか読み物っぽく、スッと伝わってきました。個人的には第Ⅰ部のアナリスト編が面白かったのですが、と言ってもコンサル会社の若手向けの内容では決してなく、特に社会へ出て日が浅い人などは仕事の仕方が大いに参考になると思います。今年読んだ本の良書ランキング上位候補。
【ポイント】

*仕事の速度の本質は、物理的な作業スピードもさることながら、次に何が起こるかを予測

 して仕事を行う“先読み”にこそある(p.34)

 ⇒ボールが飛んでくる所を予測し、予め体をその場所に移動させてボールをキャッチする

*「何のミスを減らしたいのか」という目的から、どうしたら減らせるのかの具体的な方法・

 手順を考え、それを自動的・機械的に適用することが品質担保には必要(p.53)

 

クリップ『任せるコツ』山本 渉(すばる舎 2023/7/7)
【満足度】★★

【概要・所感】効果的な「丸投げ」、つまり仕事を依頼された側に満足感や達成感を与えるお願いとは何か?をまとめている本ですが、内容は決して「丸投げ」ではないです。主に管理職が部下に仕事の依頼するときのノウハウで、全体的にオーソドックスな話と思います。

【ポイント】

*同じことを伝えるにしても、情報の順番で大きく左右する(p.19)

 学生キャバクラ理論(キャバ嬢が昼に大学で勉強⇔大学生が夜キャバクラで働いている)

*意欲の創出(p.20)

 感謝される・褒められる・自分しかできない特別感を入れてやってみようと思わせる

*「丸投げ後のフォロー」(p.78)

 ⇒フィードバック・感謝・評価(ピーク・エンドの法則・・・最後の印象が全体の印象)

*マクドナルド理論(p.165)

 ご飯を食べに行こうとしてお店の候補が出てこないとき「マクドナルド」に行こうと言うと、

 急に案が出てくる

*カニンガムの法則(p.165)

 「教えてください」と言うより、間違ったほうがアドバイスをもらえる

 

本『岩田さん』ほぼ日イトイ新聞・編(ほぼ日 2019.7)
【満足度】★★

【概要・所感】 任天堂の社長を務めた岩田聡氏。2015年に55歳で亡くなっています。生前、メディアで語ることをせず、著書を出す意志もなかったらしく、本書は貴重な岩田氏のことばを日刊イトイ新聞や任天堂公式サイトから抜粋・編集した内容となっています。巻末には任天堂伝説的クリエイターの宮本茂社長と糸井重里氏の岩田さんについてのインタビューもあり、全編通して岩田氏の人柄がよくわかる1冊です。個人的には、任天堂の社長になった経緯もまだよくわかっていませんが、今まで開発者としての名前くらいしか知らなかったのが勿体なかったくらいです。
【ポイント】

*わたしが面談でどのくらい時間をかけているかというのは、つまり「相手がすっきりしたら

 やめている」ということなんです。(p.32)

*人間って、自分の得意なことと他人の不得意な言葉を比べて、「自分は正当に評価されて

 いない、不公平だ」って(p.44)

*仕事って、かならず「ボトルネック」といわれるいちばん狭い場所ができてしまって、そこが

 全体を決めちゃう(p.48)

 ⇒目の前のことで手を動かすのではなく、いちばん問題になっていることは何か?が

  わかってから行動すべき

*成功を体験した集団を、現状否定して改革すべきではない(p.50)

 ⇒善意と誠実な熱意でやってきたアウトプットに対して現状否定してはいけない

*自分ですべてできるなら自分でやればいいんですけど、そんなことをしていたら、ひとりの

 時間とエネルギーの限界ですべてが決まってしまう(p.60)

*ある人が間違っていることがわかっていたとしても、そのことを、その人が受けとって理解

 して共感できるように伝えないと、いくらただしくても意味がないわけです。(p.79)

*制約はクリエイティブの母(p.165)

 

本『貯金はこれでつくれます』節約オタクふゆこ(アスコム 2024.1 )
【満足度】★★
【概要・所感】著者は元々、貯金なし・浪費癖・借金ありのYouTuber「節約オタクふゆこ」です。彼女がいかにして資産を作れるようになったか、そのコツを公開。それはズバリ、貯金=メンタルが9割。まさに共感するところですが、その話が本書の半分くらい割かれていました。コスト削減=貧乏くさいイメージかもしれませんが、要するにあれこれ使うのをやめて、自分の譲れない本当に必要なものに絞ってお金を使う(そこは値段が張ってもOK)ことが本当のコスト削減です、プラス、定番の固定費・変動費の見直しなど、小さな節約の積み重ねが大きな成果になります。意外と投資の話が少なくて残念(投資歴が短いからかな?)。親近感を感じる文章で読みやすく、貯金がしたくてもできない人はご一読を。

 

本『替えがきかない人材になるための専門性の身につけ方』国分 峰樹(フォレスト出版 2023.8)
【満足度】★★
【概要・所感】著者は電通(部長職)に勤務し、その傍ら大学の非常勤講師も務めています。これからの時代、一定のレベルさえ満たしていれば、その中で一番コストが安い人だけが求められるため、平均点のビジネスマンはまず淘汰されます。ですので、専門性が大事となってくる訳ですが、専門性は自ら学ぶことが大切とはいえ、自己啓発本などでインスタントにはなかなか身につきません。また、そもそも専門性の身につけ方とは何なのかを考える必要もあります。本書ではそれらを解説していますが、自分の価値を高めるためには「余人をもって代えがたい」状態を目指すことが必要です。
【ポイント】

*勤務した時間ではなく、自分の能力とそれによって生み出した成果が、プロとしての価値と

 考えるのが、「プロ意識」(p.4)

*専門性とは、すでに存在する専門知識を「インプット」することではなく、新たな専門知識を

 「アウトプット」できることを意味します。(p.6)

*会社が成長を求められているということは、そこで働くビジネスパーソンも、現状維持では

 なく、より専門性の高い人材を目指すことが要求されている(p.27)

*ルールや条件はすべて誰かがつくったものであって、あっけなく壊れたりそのまま続いて

 いかないことを前提に、あらゆる変化が想定外ではなくなるような視座をもつのが大切(p.92)

*好きでやっている人には勝てない(p.118)

*ある情報が、既存の情報や知識と結びついて、ある状況を解釈するための体系的な仕組みと

 なったとき、はじめて知識の一部となります。(p.132)

 ⇒知識を身につける&習得する⇔情報を受け取る&渡す このニュアンスの違い

*問いを「狭く小さく、自分らしく」する意識が、成否を分ける(p.185)

 ⇒答えが出ない問い、手がかりも研究方法もない問いは避ける

*狭く深く掘れることのほうが専門性としての価値が高い(p.188)

 ⇒医学全般の知識があるという医者と、心臓外科医ならどちらに命を預けたいか?

 

本『「なりたい自分」になるシンプルなルール』福田 萌子(幻冬舎 2022.8)
【満足度】★
【概要・所感】著者はAmazonプライムビデオで配信中のバチェロレッテのシーズン1に出演のモデル。彼女と同世代の女性が好きそうな自己啓発本です。自分を好きになること・人との付き合い方・自然からパワーをもらうなどの彼女なりの「楽しく生きるコツ」や「スローな生き方」が参考になります。自己肯定感が低い人には良書です。

【ポイント】

*日常の所作を大事にする(p.152)

 ⇒歩き方、姿勢、話し方など立ち居振る舞いを整えることで自分の人生を心地いいものにする

 

本『いかなる時代環境でも利益を出す仕組み』大山 健太郎 (日経BP 2020.9)
【満足度】★
【概要・所感】アイリスオーヤマの社長の著書。「日経トップリーダー」の連載記事を加筆修正し、まとめた内容です。仕組みが大事なのはわかりますが、それを強力に推し進めることのできるアイリスオーヤマは大山氏のワンマン企業という感覚を強く持ちました。自社社員向けの本なのかもしれません。商品や営業(有名なプレゼン会議)の話題がほとんどで、中小企業の経営者は参考になる点も多い気はします。

【ポイント】

知識だけでは仕事はできない。知識と能力は反比例しませんが、比例もしていない。だから、

 知識をいかに知恵に変えていけるかを重視します。(p.164)

 

メモ『共感されるリーダーの声かけ言い換え図鑑』吉田 幸弘(ぱる出版 2023.7)
【満足度】★
【概要・所感】リーダーとして失敗した経験云々により、例によって今、コンサルという著者が伝え方の言い換え例が2ページ・ワンセットとして紹介しています。この手の類書と変わらずで、新任リーダー向けの内容です。ボキャブラリーを増やすために読むのは良いとして、この例だけでマネジメントするのは正直、厳しい・・・。

5月に読んだ本は7冊(図書館本7冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

<お気に入り順>

本『明日、野球やめます 選択を正解に導くロジック鳥谷 敬(集英社 2022.6)
【満足度】★★
【概要・所感】元・阪神タイガース・不動のショート鳥谷氏の著書。阪神入団からロッテでの引退までのプロ野球人生のその時々のシーンで何を考え、決断したのかを知ることができます。プロ野球で実働18年間のうちGG賞5回、ベストナイン6回、1939試合連続出場など結果を残す選手はやはり超一流のブレない軸を持っています。「ダイブするよりは、1歩もしくは半歩、最初から守備位置を変えた方がいい。(p.118)」といった準備の大切さを徹底して説いています。「だいたいのことは上手くいかない、どうせ失敗する」ので、せめて受け入れやすくするために何事も自分で決めて準備を怠らない。思った以上に勉強になりました。

【ポイント】

*いかに楽に守るかということを、引退するまでの間、ずっと追求してきた。=中略= 捕球

 するのも全力、送球するのも全力だと、1年間安定したプレーを続けることができないのだ。

 =中略= どんなに自分が苦しい状況でも同じ守備力を発揮できることが、遊撃手の

 レギュラーとしての最低条件(p.109)

*細かいところまで考え抜かないとならなかった本当の理由は、圧倒的な身体能力の高さを

 自分は持っていなかったからだと思う。(p.123)

*エラーをした翌日に、いきなり一生懸命練習しても疲れるだけで、エラーが減る訳ではない。

 エラーをする日の前から、3年後、5年後を視野に入れてしっかりと準備しておけば、

 たとえエラーをしても翌日に余計なことをしなくていい。(p.124)

*唯一、自分が人に誇れるものがあるとすれば、入団してからやめる日まで、準備を大切に

 い続け、毎日同じことを積み重ねたこと。(p.135)

*まずは現実に起こってしまった結果を受け入れる。そのうえで、どうしたいかを次に考える。

 そのために必要な準備を始める。(p.175)

 ⇒後悔する時間も悩む時間もなくなる

*本当のコーチングとは、たとえ選手がクビになろうがどうなろうが、自分で選択して、自分で

 どうなりたいかを考えさせることだと思う。(p.185)

*準備をして結果を出してきた、という経験がある。間違いないのは、準備をしなかった時の

 失敗は反省ができず、次に活かせないということだ。(p.201)

*現状維持というのは、常に変化しよう、成長しようという気持ちがあってこそ成り立つものだ

 (p.216)

 

本『イオンを創った女』東海 友和(プレジデント社 2018.11)
【満足度】★★
【概要・所感】小嶋千鶴子は戦後、23歳の時に両親の跡を継ぎ、四日市の呉服屋・岡田屋を切り盛りし、その後ジャスコ、さらにイオンという企業グループへ育て上げた功労者です。イオンと言えば岡田卓也氏は有名ですが、その実姉の小嶋千鶴子氏の評伝です。今で言うCHRO(そして社長)だった点に興味があり、読んでみました。元部下・東海氏が、1/3が千鶴子の生い立ちについて、2/3が印象的な言葉を人生哲学、経営哲学、人事哲学として紹介する構成になっています。
【ポイント】

*人事担当者は知ることから始める。そのためには聞くことから始める。(p.52)

*本を読み、新聞を読み、人の話をよく聞く。その中から本当に価値ある情報は何かを見極める

 判断力を養っていく。=中略= 危機に備えて準備しておくということの"準備"とはそのこと

 を含めての準備である。(p.85)

*人事施策の要諦は、変化に対応する人材の育成である。(p.139)

*水戸黄門の役者よりうっかり八兵衛の人品が劣るわけでなく、単なる役割であって、みんな

 役に徹するプロの集団である。(p.144)

 ⇒職場もアマチュアがいては成立しない。会社は役作りを支援し、自己啓発を求める

*小事は毎日の積み重ねによって大事になる。プロは日頃の小さな修練を欠かさない。音楽家も

 芸術家もアスリートもそれを欠かせば大きな成果が得られないことを知っているからである。

 チェンソーを扱う作業員は、木を切る時間よりチェンソーを研ぐ時間のほうが長いという。

 研いでおかないと切れ味が悪く、結局のところ効率が悪いことを知っているからである。

 (p.197)

*「随所で主となれば、立つところみな真なり」(p.205 禅語)

 ⇒主体性をもって行動すればいついかなるところでも外界に翻弄されることはない

 

本『経営読書記録 表』楠木 建(日経BP日本経済新聞出版 2023.12)
【満足度】★★
【概要・所感】「表」は2019年から2023年頃までオフィシャルメディアに掲載された書評で、少しお堅い本が多いように思います。相変わらずの楠木節の一文を備忘で残しておこうかと思いましたが、それは止め、読みたい本リストとしてリストアップ。高峰秀子関連も一度、読んでみないといけないのかも。既読本も数冊あり、楠木氏がどの辺を面白がっていたのかと意見交換的に読めました。

【ポイント】

*高峰秀子の流儀 斎藤明美

*明日、野球やめます 選択を正解に導くロジック 鳥谷敬

*思い邪なし 北康利

* 決断=実行 落合博満

*「なりたい自分」になるシンプルなルール 福田萌子

*お金の賢い減らし方 大江英樹

*岩田さん ほぼ日刊イトイ新聞

 

本『経営読書記録 裏』楠木 建(日経BP日本経済新聞出版 2023.12)
【満足度】★★

【概要・所感】「経営読書記録 裏」は個人ブログ掲載の書評。そのため1つの書評に対してのボリュームがちょうどよく、紹介されている本もビジネス書以外にも様々。山口周・名和高司・高森勇旗・中竹竜二ほかとの対談や、巻末には映画・音楽の批評まで。ま、それはいらなかったように思いますが・・・。読みたい本を探す際には本書が役に立ちます。こちらも気になった本をリストアップ。

【ポイント】

*トラジャ 西岡 研介

*イオンを創った女 東海 友和

 

本『死後を生きる生き方』横尾 忠則(集英社新書 2023.10
【満足度】★

【概要・所感】横尾忠則の死生観が気になって読んでみましたが、死後の世界についてのオカルトチックなエッセイでした。輪廻転生は死んだことがないからはっきり言って誰もわからないですねw  ファンタジーとして読んでくださいとありましたが、確かにそれが良いかと思います。「夜寝るのは魂が霊界に戻ってパワーを受けて肉体に戻ってくるためで、そこで死者に会うことがある(たまに死者が夢枕に立つことがありますよね)」という話や、魂の存在は信じていないくせに弔辞などで近いうちに天国で酒でも飲もうやと言ってしまう人の話は印象に残りました。

【ポイント】

*人間は未完で生まれて、完成を目指して、結局は未完のままで死ぬ。これでいいのです。

 完成されたものが美しいとは思いません。美というものは未完ゆえに美しいのです。(p.188)

*死への恐怖は、つまるところ、やり残したことがあるか、ないかによって変わってくるんじゃ

 ないでしょうか。(p.191)

 

メモ『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』安達 裕哉(日本実業出版社 2023.11)
【満足度】★
【概要・所感】新刊と思ったら著者が2015年に書いた本の再編集版でした。仕事ができる人になる方法として実行力、決断力、コミュ力、考え抜く力、働きかけ力というカテゴリーごとに普遍的なポイントが書かれています。目新しい話はなく、オーソドックスな内容でした。
【ポイント】
*人生を変えるのは、一発逆転の出来事ではなく、些細な日常の習慣(p.16)
*賢い人は、その賢さゆえに「指示待ち」となり、勝手な人はその鈍感さゆえに「問題児」と

 なる。(p.81)

*話のわかりやすさは「相手の立場から自分の話を見ることができるかどうか」(p.98)

*毎日1時間練習すれば、1年後には何もやっていない人よりも365時間分、高い技能を身に

 つけられる。10年なら4000時間近く。これならもう絶対に追いつかれない。(p.183)

 

本『「指示通り」ができない人たち』榎本 博明(日経プレミアシリーズ 2024.3)

【満足度】★
【概要・所感】指示通りできない人は一定数いて、着眼点に興味を惹かれましたが、具体的なケースを紹介したい意図はわかるにしても、会話調の相談×解決という文体が延々と続き、読みにくい。認知能力・メタ認知能力・非認知能力という3つのケースを抽象化した第4章の20ページ弱だけで良かった気がします。認知能力を鍛えるのに読書が本当の解決策となるのかは微妙です。

定例の本棚整理で買取王子に売却。昔の小説を中心にトータル18冊。

【内訳】 単行本:4 新書:1 文庫:4 ムック:3 参考書:2 漫画:1 その他:3

 

買取金額は971円

今回はほぼ古本だったので1,000円くらいかなとほぼ想定通り。

メンタルヘルス・マネジメント検定の参考書はそこまで高く売れなかったようで。

図書館本が大多数とはいえ、本棚から溢れてきているので、また近々売却しなきゃ。

4月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

<お気に入り順>

本『心のゾウを動かす方法』竹林 正樹(扶桑社 2023.10) 
【満足度】★★
【概要・所感】「直感=ゾウ」、「認知バイアス=ゾウの習性」、さらに「理性=賢いゾウ使い」に見立てて、「ナッジ」を優しく説いた一冊。「ナッジ」とは行動経済学で出てくる用語で人を動かす重要な手法。「そっと後押しする」「ひじで軽くつつく」といった意味で、行動の定着までは向いていません。本書ではナッジを用いて、がん検診の受診率を上げるという事例が取り上げられています。他にも医療現場での事例などがあり、ナッジとはどういうものかのイメージはしやすく、入門書としては良いと思いますが、ゾウの例えがややこしいのでいらない気がするのと、本の構成が問いやらQやらコラムやらトピックやら項目が入り乱れて読みにくかったのがマイナス点。

【ポイント】

*象を動かすには?(p.49)

 ①正しい情報を提供(啓発) ②行動したくなる環境を整える(ナッジ)

 ③褒美と罰則を整備(インセンティブ) ④選択を禁止(強制)

 

本『財務3表一体理解法 「管理会計」編』 國貞 克則(朝日新書 2024.2)
【満足度】★★
【概要・所感】2012年出版の大改訂版で「管理会計」編ということで久々に財務3表一体理解法シリーズを読むことに。本書も一連のシリーズに同じく、会計の専門家でない人向けですが、原価計算のくだりは少し難解な気もします。ドラッカーのマネジメント理論と会計を随所で紐付けて解説してくれる点は斬新です。
【ポイント】

*限界利益という考え方は、経済学の限界効用からきています。=中略= 売上が1単位追加

 して増えるごとに増える利益(p.87)

*利益は企業の目的ではなく、企業存続のための条件(p.112)

 ⇒目的は「顧客の創造」であり、利益は結果

*国際比較をしようと思えば、税率は国によって異なりますから税金の影響のない「税引前

 当期純利益」がEBIT・EBITDA共に基本となります。(p.174)

 

本『嫌いなら呼ぶなよ』綿矢りさ(河出書房新社 2022.7)
【満足度】★★
【概要・所感】アメトーークの読書芸人の回で紹介されていた小説。表題作の「嫌いなら呼ぶなよ」と、そのほかに「眼帯のミニーマウス」「神田夕」「老は害で若も輩」の4作品を収録した短編集。いずれも読みやすく、しかもさくっと楽しめる内容で、どれも面白かったけど、印象に残ったのは「神田夕」かな。小説の中ではコロナ禍の社会情勢が反映されていて今、読むとある種の懐かしみが。

 

本『男子系企業の失敗』ルディー和子(日本経済新聞出版新書 2023.11)
【満足度】★★
【概要・所感】女性の観点から、日本企業の現状維持志向の原因を行動経済学、社会心理学の観点から考察。男社会(同質性男性集団)と現状維持バイアスの強さにつながりがあることを指摘。男社会における権力闘争の敗北の意味=「損失回避性」などよくわかりますし、行動経済学の理論からすれば全面的に共感するところです。今後、男女の違いを認め、多様性のある集団に変えていくことは企業が発展していくカギと言えそうです。
【ポイント】

*多様性は、会社の収益を上げることには貢献したが、従業員の満足度は低くなった(p.94)

 ⇒同質性集団・内集団が大切にしてきた規範や価値観の変更を余儀なくされ、ストレスに。

*そもそも、男女で違いがないというのであれば、多様性を唱えて、女性管理職を増やしても

 何の役にも立たないことになってしまう。(p.120)

*皮肉なことに、世界一簡単にクビにできる米国企業の従業員エンゲージメントは34%と

 日本より高い。(p.177)

 ⇒リスクが怖いから不安や不満を抱えつつ、働き続ける

 

メモ『やることを8割減らすダンドリ術』飯田 剛弘(大和書房 2023.10) 
【満足度】★★
【概要・所感】年がら年中忙しくしているダンドリ下手の人向け。本来抱え込まなくていい余計な頑張りやこだわりを8割捨てる考え方について書かれています。著者の外資系企業での経験談が中心ですが、そのノウハウは超オーソドックス。時間など条件が限られている中で成果を求められるのがビジネスである以上、トレードオフの考えができないとね。
【ポイント】

*その海外のリーダーは、仕事の遅れについては何も言わない代わりに、もし担当者がその

 遅れをカバーするためのリカバリープランを用意していない場合、それをとても問題視

 していたのです。(p.143)

 ⇒計画は遅れるもの。遅れに対して対策を立てることが大切。

 

本『夜行列車盛衰史』松本 典久(平凡社新書 2023.12)
【満足度】★
【概要・所感】著者は1955年生まれの鉄道ジャーナリスト。70年代の最盛期には30数往復運行されていたブルートレインは現在、定期運行しているのはサンライズのみ。1889年から130年、明治期・大正期・昭和初期の時刻表など調べ尽くした渾身の内容。残念なのは黎明期~発展期が150ページに対して、最盛期からの記述は100ページくらいしかなく、ちょっと物足りなかったです。鉄道用語がわりと出てきて、ややマニア向け。
【ポイント】

*西園寺公望は、鉄道の国有化によって「運輸の疎通」をはかり「設備の整斉」も行えば「運賃の

 低減」につながると力説、=中略= 幹線系の私鉄を買収する「鉄道国有法」が誕生したので

 ある。(p.53)

*支那事変特別税法による通行税が課せられていたが、太平洋戦争開始の翌月には急行料金・

 寝台料金の値上げが行われ、以後、運賃・料金の改定は毎年実施されることになる。(p.101)

*東京大空襲後、急行列車はついに東京~下関間1往復となった。(p.104)

*当初、旅館より安く泊まれたブルートレインだったが、10年間で旅館並みか旅館以上の

 価格となってしまった(p.200)

 ⇒B寝台:1974年に1,900円だったのが1984年には6,000円。ブルートレイン離れが進む

*1985年3月 =中略= 牽引機のEF66形化も進められた。=中略= 機関車を統一する

 ことで運用は合理化され、また余剰となっていたEF66形を無駄なく使えるという意味も

 あった。(p.207)

3月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

<お気に入り順>

メモ『私はないものを数えない。』葦原 海 (サンマーク出版 2023.5)

【満足度】★★★
【概要・所感】今年読んだ本のベスト3候補。MISIAのLIVEパフォーマーとして楽しそうに踊っている彼女を見たのがきっかけ。リアルに車椅子ユーザーの人??と興味を持ち、調べてみたところ本を出していることを知り、ほぼ一気読み。葦原さんは16歳のときに本当に事故で両足を失ったと知りました。起きた出来事は最終的には受け入れるしかないと頭でわかっていても、ふつうはすぐに割り切れない話でもなく、でも彼女は違った。車椅子ユーザー目線の大変さや切った足の話(本人=意識不明、「足を切るか、切らないか」の選択を強いられたご両親の話は涙)など全然想像しきれてなかった本音ベースの話がたくさん。また。障害のある人を見たら助けないといけない、というのは違う気がすると葦原さん自身が言ってしまえることに衝撃を受けました。と言っても、自分で何でも努力して人の助けを借りないことに固執する訳でもなく、自分にできないことは素直に助けてもらい、感謝する、と謙虚すぎ・・・。車椅子ユーザーとして注目される才能というか、興味が無い人、知らない人にその声(ここまでの本音)を届けられる彼女の底力は凄いとしか言い様がありませんでした。

【ポイント】

*「足がないのは、もう変えられないこと、仕方ない」 =中略= あきらめじゃない。いじけた

 んでもない。開き直りでもない。変えられないなら、「じゃあ、今の環境でどうする?」って

 考えるほうが、早い。(p.82)

*いろんな人の価値観や影響にふれて私が変っていくのなら、私も誰かを変えている(p.158)

*福祉や障がいは、「知ろう」と自分で思わなければ知ることができない。=中略= 障がい者

 だけが、まるで透明人間だ。=中略= 「知らない」で終わっている。(p.194)

人生はライブだから、何が起きるかはわからない。何がいいとか悪いとか、その一場面だけ

 切り取ったらわからない。でも、どんな悪いこともハッピーエンドにつなげられる。自分の

 受け止め方次第で。(p.214)

 

本『超コミュ力』田村 淳(すばる舎 2023.10)

【満足度】★★
【概要・所感】ロンブー淳はHSP=繊細さんと公言していますが、そのコミュニケーション論を知りたく、読んでみました。好きな人だけに好かれるノウハウについて書かれていて、コミュ力=聴く力にフォーカスしています。特別難しいことは書かれておらず、超オーソドックス。それらの言動を忠実に使いこなしているバラエティでのシーンが思い浮かびます。簡単な内容だとしてもそれが出来ている状態こそが重要で、コミュ力の無さを自覚しているなら、淳式SNS(≒ホステスのさしすせそ)を意識的に使っていくだけでも効果が出てくると思います。
【ポイント】

*相手の感情より上の表情をする(p.42)

 ⇒相手の感情に寄り添う

*田村淳式「SNS」(p.56)

 すごい・なるほど・そうなんだ

*僕は1つの質問をした後、即座に3つくらいの「なぜ」を考えるようにしています。(p.73)

 ⇒なぜを中心に話を広げる

*言いにくいことは、指摘するより、まず理由を聞いてみる(p.105)

 

メモ『「考えるスキル」を武器にする』筧 将英(フォレスト出版 2023.5)

【満足度】★★
【概要・所感】著者は元・電通の戦略プランナーを経て独立したコンサルなので、MKや広告、PR系の「考えるスキル」がメインの内容になっています。最初の3章くらいまでは汎用性がありますし、以降も普遍的なノウハウが出てきますが、マーケティング上の例が多くなってきて一般的な話に置き換えるイメージが浮かばないかも。ですが、「考えるスキル」は学校はもちろん社会に出ても誰かに教えてもらう機会がまず無いため、本書で学んでおく価値は十分あります。
【ポイント】

*「思う」は =中略= 頭の中の交通整理がされていない状態です。=中略= 「考える」は、

 =中略= 思考の流れが整理されており、道筋がきれいに通っている状態です。(p.5)

 ⇒考えた時間ではなく、量を出すことが大事。※まとめずにそのまま

*語彙が多い人は世の中を認識する解像度が高い(p.56)

 ⇒よくわからない現象を理解するため。知識のないところからアイデアを考えるのは難しい

*「わかる」とは「分ける」こと(p.43)

 ⇒分けたいものを列挙してから分ける。分けたものをラベリングするのが分析。

仕事を楽しくするには、人に言われたことをやるよりも、自分で考えたことをやること

 です。=中略= 仕事を楽しむために考える力が必要不可欠(p.225)

 

本『小さく分けて考える』菅原 健一(SBクリエイティブ 2022.12)
【満足度】★
【概要・所感】タイトルから体系的な思考法の話かと思い読んだのですが、内容はタイトルのまんまでしたw 「分解思考」とは大きい課題を小さく分解する考え方ですが、OKRや「抽象→具体」の話、大谷翔平の「マンダラチャート」と同じ概念かと思います。なんでも行動レベルまで落とし込む。本書の半分を割いているのは「分解」する作業の解説で、お題は営業やマーケティングなど、ある程度のキャリアの人なら誰でも知ってて実践している薄い内容(売上=客数×単価とか・・・)だったのが残念でした。初学者向けです。
【ポイント】

*仕事で成果を出すために必要なことは、「努力や労働量」から「頭脳労働力や効率」に置き

 換わっています。(p.2)

*分解すると2つの意見に分かれる(p.43)

 ⇒2つの切り口があって、どちらも選べるテイで提案する

 

本『日本の建築』隈 研吾(岩波書店 2023.11)
【満足度】★
【概要・所感】建築家・隈研吾による日本建築論。単なるエッセイで終わらせたくなかったという思いから執筆に8年かかったとのこと。それだけに氏の、他のわかりやす著作に比べて、格段に読みにくい。ブルーノ・タウトから始まった考察ですが、読み取れた箇所は結局、最後の最後に書いてあった、おなじみの梼原でのエピソード。「頭で設計する」のではなく、「モノから考える」方法であり、「上からの設計」ではなく「下からの設計」。専門用語も多く、ある程度、建築や設計いに携わっている人、もしくは建築史に詳しい人向け。

 

本『関西の私鉄沿線格差』新田 浩之(KAWADE夢新書 2023.11)
【満足度】★
【概要・所感】関西大手私鉄の駅の利用しやすさなど様々な角度から分析。特にへぇ~と思った知識もなく、全体的にネット記事レベルの内容でした。別の著者ですが、「関東の私鉄沿線格差」という本も出ているようです。

2月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

<お気に入り順>

メモ『世界一のベンチで起きたこと』城石 憲之(ワニブックスPLUS新書  2023.8) 
【満足度】★★
【概要・所感】23年WBCで栗山監督の傍らで「攻撃担当ベンチコーチ」として作戦の準備に奔走していたのが城石内野守備・走塁兼作戦担当コーチ。現役時代、華々しい成績は残していないものの(大学中退してファイターズの入団テストに合格。その後スワローズにトレード)、選手として15年、コーチとして14年と一度もユニフォームを脱ぐことなく野球界に留まり続けています。栗山監督から「話しやすいコーチ」の役割を任せられていたことから考えると栗山監督の考えるコミュニケーション力やアイデア力と親和性が相当高いのでしょう。WBCのベンチで起きていたドラマやメンバーの裏話(メキシコ戦の村上の打席!)の数々・・・昨年のWBCを思い出して楽しめる1冊です。

【ポイント】

*監督から言われてやるのでは僕がいる意味がありません。指示を待つのではなく、僕が

 自分で判断してタイムリーに監督に選択肢を進言する。そうすることで、監督は「行くか

 行かないか」の決断に集中してもらうことができます。(p.30)

*会議の進め方は、=中略= 栗山監督が意見を求めて、各コーチに話題を振って発言させる、

 トークバラエティ番組のようなスタイルです。(p.34)

*栗山監督は、=中略= まず野球選手一人ひとりへの尊敬があり、その力を信じて、

 どのように引き出すかを考える。最大限に出した力をひとつにまとめることで大きな力に

 変えていく、そんなリーダーシップのとり方をする監督です。(p.44)

*自分の目で見て、自分の心で感じた「こうなりたい」という気持ちを持って、自分の考えた

 練習をする。そのためにコーチに相談して、アドバイスをもらって実現する。(p.165)

 ⇒自分の頭で考えないと上達しない。頼られ過ぎないよう一定の距離感を置く。

 

メモ『超一流の思考法』鶴岡 慎也(SB新書 2023.9) 
【満足度】★★
【概要・所感】著者の鶴岡氏は日ハム時代にダルビッシュ専属捕手としてその球を受け、大谷翔平のプロ初勝利したときの捕手でもありました。今回、栗山監督に請われて、「ブルペンキャッチャー」としてWBCに参加。間近で見てきてからこそわかる栗山監督の「信じる力」・ダルビッシュの「野球脳」・大谷翔平の「リーダーシップ」。それ以外の侍ジャパンのメンバーの素顔も徹底解説。いろいろな名シーンの舞台裏も聞け、WBCファンは超楽しめる1冊です。

 

本『認知バイアスの教科書』 西 剛志 (SBクリエイティブ 2023.2)
【満足度】★★
【概要・所感】著者は脳科学者。『認知バイアス』とは脳が無意識のうちにやる思考のクセや傾向のこと。誰しも自分の考え方の偏りに自力で気づくのは困難なので、例えば読書を通じての自問自答や他人からの意見は重要です。本書では認知バイアスのうち、誰もが影響を受けている重要な5つを説明。その後、5大バイアスから派生したその他のバイアスを大量に紹介していく展開でしたが、繋がりはよくわからず・・。聞いたことのない用語も多く、バイアス繋がりは理解できなくとも十分、勉強になります。なお、巻末には色々なバイアスのまとめも。

【ポイント】

*注目バイアス(p.27)

 一度気にし始めると急にその対象を頻繁に目にするようになる認知バイアス

 ex.嫌なところばかり目につく

*自動性(p.90)

 理由を伝えられると脳は事実を否定できず、自動的に行動しようとしてしまう

*脳はコントロールできないもの状況に対して恐怖を感じる(p.96)

 ⇒なにかに理由を帰属させ、状況をコントロールできていると脳が錯覚するとストレスが

  減らせる ex.噂をしているとくしゃみが出る

*大脳基底核は、直感をつくり出している場所でもある(p.150)

 これまでの経験や蓄積した知識が保存されていて、そこから最適な答えを見つける機能

*バックファイア効果(p.269)

 自分の信じる世界観に合わない情報に遭遇したとき、考えを変えるのではなく、それを拒否

 して、自分の世界観にさらに固執するようになる傾向

*ツァイガルニク効果(p.276)

 人は達成できなかったり中断したことが、達成できたことより気になり、記憶に残りやすい

*代謝バイアス(p.296)

 代謝が高いほど時間を長く感じる

 

本『逆境を生き抜くための教養』出口 治明(幻冬舎新書 2023.5)
【満足度】★★
【概要・所感】脳出血で倒れた出口学長の復活までのプロセスで、どういったことを考えていたのか?普段から言っていたスタンスは崩れることなく、事実を淡々と受け入れ、リハビリに励んでいたようです。これだけ前向きに行動できる一助となっているのは、間違いなく「知=教養」だと思います。中でも、体験談としての「ダーウィンの進化論」が一番印象に残りました。

【ポイント】

*目の前の現実を受け入れ、「ではどうすればいいか」と考え、やるべきことをやる。

 僕がやったのはそれだけです。(p.17)

*逆境に直面するということは、環境が変化したということです。(p.53)

 ⇒なかったことにはできないので、与えられた環境の変化に適応する。強さや賢さではない。

*順境から逆境への変化は、たまたまそういう巡り合わせになっただけ(p.128)

 ⇒自分の工夫や努力では止められない。運と偶然の要素。

*逆境を乗り越えるための大胆な発想は、まず現状を「あきらめる」ことから生まれます。

 (p.198)

 ⇒阿部正弘の鎖国、吉田茂の自主防衛などファクトに基づいてロジカルにあきらめる

 

本『働く君に伝えたい「考える」の始め方』出口 治明(ポプラ社 2023.1)

【満足度】★★
【概要・所感】出口さんのお家芸は「数字・ファクト・ロジック」と「タテ・ヨコ・算数」、そして「人・本・旅」ですw 大きな病気を経ても何ら変わらずに、常にフラットで考えられるのは知のチカラです。改めて、出口さんの考えをお聞きすることが出来て良かったです。よく「考えろ」と言うけれど、「考える」を噛み砕くと、どういう行動のことなのかよくわかる1冊。

【ポイント】

*考える力がつくということは、ものごとの本質を見られるようになるということ(p.18)

 ⇒困難な問題に直面しても、問題の構造を捉え、シンプルに考えることができる

  悩むとは違う。歴史や価値観、数字など「知る」プロセスが必要。

*「考える」とは、まず問いを持つことからはじまります。(p.45)

 問わないと考えられない→考えられないと議論できない→議論できないと理不尽が罷り通る

*誠実に、手間をかける姿勢こそが、考える力を育てる(p.88)

 ⇒反射的に同調したり反対するのではなく「タテ・ヨコ・算数」を調べる習慣をつける

 

本『否定しない習慣』林 健太郎(フォレスト出版 2022.12 
【満足度】★

【概要・所感】人間関係で大事なことは相手を否定しないこと。シンプルな否定はもちろん、本書では良かれと思ってのアドバイスなども否定に含みます。否定しないマインドで重要なのは「相手がどう受け取ったのか」。意見の正しさの争いではなく、意見の違いとして受け入れられるかもポイントです。否定しないコミュニケーションの習慣化についてのノウハウを知りたい人は本書にてご確認を。

【ポイント】

*「なぜ、あなたがしゃべっているのか?常にその問いを自分に立てなさい」(p.102)

 ⇒沈黙は金。しゃべりたい欲求とじゃべるという行動は分けて判断する

*相手に「強い意見」を言うときは、許可は許可でも、相手に「聞く覚悟を促すような許可」を

 取る。(p.207)

 ⇒厳しい事を言っていいかな?

*怒っているという感情があるなら、それを相手に伝えたうえで、主観情報から客観情報に変換

 していく(p.212)

 ⇒私は腹が立っていて改善してもらいたいのだが、どう思う?

さて、読書ブログは5月になって、ようやく24年シリーズに突入。

1月に読んだ本は4冊(図書館本4冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ  

 

<お気に入り順> 

本『頭のいい人が話す前に考えていること』安達 裕哉(ダイヤモンド社 2023.4) 
【満足度】★★
【概要・所感】元・DLトーマツ出身のコンサルが「頭のいい人になるためのマインドとフォーム」を解説。頭のいい人と認識されれば、話を聞こうと思われ、薦めるものは欲しくなり、自分のやりたいことも通りやすくなります。頭の良さは他者が決めるというのは意外と忘れがちですが、とても重要な視点です。頭のいい人になるための、7つの黄金法則と5つの思考法は本書にて確認を。一方、頭の良さと対極の、ちゃんと考えていないヤツについての考察(根拠が薄い・言葉の意味や定義を知らない・成り立ちをしらない・ヤバい、面白い、エモい、スゴイと言った安易な表現を使う)も参考になりました。

【ポイント】

*無人の山で木が倒れたら音はするのか?(p.60 ドラッカー)

 ⇒誰も聞かなければ音はない。コミュニケーションを成立させるのは、受け手。

*なぜ論理的思考が大事なのか?(p.67)

 ⇒立場も価値観も違う他人と考えを共有するため。

*思い込みが強いと頭が悪く見える(p.141)

 ⇒話が浅く聞こえてしまい、ちゃんと考えている?となる(バイアスに意識的でいること)

*物事を深く理解するには、どれだけ対象物を分けて整理できるかにかかっている(p.190)

 ⇒比べる情報要素が同じか違うかの認識をする。理解する=「分けて、同じものをまとめる」

*“頭のよさは、他人が決める”ということは、相手の立場に立って考えること(p.195)

 ⇒結論から話せというのは相手が求めている結論から話せということ

*話を整理して相手の意思決定を助ける(p.245)

 ⇒相談する側が言語化すべきコミュニケーションコストを聞き手が負担しているとも言える

*読書によって得られた知見は、自分自身が思っているよりも曖昧(p.319)

 ⇒ノウハウメモ

 

メモ『2023WBC侍ジャパンヘッドコーチが伝える「心」の動かし方』白井一幸(PHP研究所2023.8)
【満足度】★★
【概要・感想】WBC優勝後の白井ヘッドの新刊と思ったら、2007年刊行の「メンタル・コーチング」の加筆修正版でした。「怒る」「教える」「やらせる」という従来型の指導方法ではなく、自ら考えて行動することの大切さを説きます。ティーチング=指示に従うだけの依存型の人間をつくる/コーチング=能力を引き出す支援をして自走型の人間をつくる。今では完全にマネジメントた育成方法の主流ですが、白井氏は17年前からすでに言っていた訳ですから、それが花開いたということだと思います。
【ポイント】

*目的=ゴールや理念、目標=目的までの手段や指標(p.15)

*私たちにできることは、気づきを与えるきっかけをつくることだけ(p.37)

 ⇒相手が変わるか変わらないかはわからないが、関わり続けることはできる

*指導する側にまわったときは、自分の感覚や常識とか基本とかいわれていることを、一度は

 疑ってみることが大事(p.42)

*大事なのはリーダーよりリーダーシップです。(p.50)

 ⇒リーダーシップは全員が発揮できる

*緊張するということは、それだけ成功したい、勝ちたいという気持ちが強いからこそ生じる

 もの(p.62)

*ペップトーク(p.79)

 受容(事実の受け入れ)⇒承認(捉え方変換)⇒行動(してほしい変換)⇒激励(背中をひと押し)

*打てなかった責任はその選手にあるのではなく、その選手を起用した私たちの決断に責任が

 ある(p.98)

*ヒルマン監督は「監督の仕事は、選手たちに快適に野球をしてもらうことだ」(p.130)

*大事なのは選手の感覚を知ることなので、選手に自分が教えたやり方をやってもらって、どう  

 感じたかを聞きます。(p.145)

 ⇒最初はティーチして、選手の感想や意見を聞きながら、双方向でやりとりして、最終的に

  選手が主導権を握っていく

*問題点に気づいても、辛抱強く見ていることが大事。試行錯誤して、そこでつかんだものが

 選手の技術になります。(p.175)

*「がんばれ」より「よくがんばっているよね」(p.184)

*コーチングとは =中略= すでに相手がもっているものを引き出していくことです。

 だから、自分がこうやったらうまくいったという体験からの答えを選手に伝え、同じように

 やらせようとしてもうまくいくものではありません。(p.187)

 ⇒「自分の場合は」という前置きをつけて話す

 

メモ『仕事の「質」と「スピード」が上がる仕事の順番』田中耕比古(フォレスト出版 2023.4)
【満足度】★
【概要・感想】 著者は日本IBMを経て独立したコンサル。仕事がデキる人とは「当たり前を当たり前にできる」人のこと。劇的なコツはなく、基本に忠実かつ着実に。例えば、仕事をスタートする前に順番を考えるとかは当たり前の話として、無意識にやっている行動も多く、それをまとめたのが本書です。仕事の順番、会議の順番など、基本に忠実に出来ているかのチェックは本書にてご確認を。

【ポイント】

*軽いタスクがあれこれ残っている状態で仕事をしていると、実際にはひとつの作業しかして

 いなくても、脳内で軽いタスクが気にかかりマルチタスク状態になっています。(p.94)

 ⇒軽いタスクはその場で片付ける

 

メモ『上司と部下は、なぜすれちがうのか』本田 英貴(ダイヤモンド社 2022.8 )

【満足度】★
【概要・感想】著者はリクルートの人事を経て(マネジャーとして奔走するもメンタルで休職)、その後1on1の重要性に気づき、コンサルとして独立。1on1の必要性やリクルート時代の経験談まではよかったのですが、その一連の解決策として約3分の2くらいを割いて自社の1on1ツールKAKEAIの宣伝をしているのがかなりイマイチ。
【ポイント】

*脳神経科学の研究者は「人間はそもそも自分がわからない生き物を排除するもの」と指摘

 (p.54)

ようやく23年分の読書ブログのアップ完了し、読んだ本のまとめです。
大体、毎年GWが通常運転w

 

■年間読書冊数:65冊(22年:58冊、21年:55冊

 冊数に意味はなく、どのくらい時間割いていたのかという単なる目安。

 

王冠1面白かった本ベスト5(順不同)

・『彗星夜襲隊 』 渡辺 洋二

・『特攻セズ 美濃部正の生涯』 境 克彦

・『大本営参謀の情報戦記』 堀 栄三

・『国宝 (上)青春篇 / (下)花道篇』吉田修一

・『極楽征夷大将軍』垣根 涼介

 

歴史と吉田修一で占められています。ついに昨年はビジネス書で私的ヒットした本が無かった・・・。

12月に読んだ本は3冊(図書館本3冊)でした。
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【満足度】★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

<お気に入り順>

メモ『Deep Skill』石川 明(ダイヤモンド社 2022.10) 
【満足度】★
【概要・感想】著者はリクルートでAll Aboutを立ち上げ、その後独立したコンサル。人間心理への深い洞察=ディープスキルと名付けて「人間心理」と「組織力学」で人と組織を巧みに動かす方法について書かれていますが、「All About」立ち上げの経験談が中心で、なにか理論化しているわけでなく読んだ人がそれを聞いて活かすというスタンスでしょうか。参考になる内容もありましたが、基本的には「社会人を数年経験すればまぁ普通にそうしているよね」という内容でした。

【ポイント】

*「正論」は自分を律するために用いるべきでものであって、これを他者に押し付けても

 反発されるだけ(p.50)

*すぐに、“9回裏ツーアウト”だと思うから、おかしくなる。(p.70)

 ⇒ビジネス上のトラブルで、解決不能なものなく、ことさらに深刻になる必要などない。

*「壁打ち」(p.110)

 まだぼんやりしているが、考えていることや悩んでいることを聞いてもらい、相手に思いつく

 ままに感想や質問、アイデアを返してもらい、新たな視点を得る

 

メモ『日本的「勤勉」のワナ』柴田 昌治(朝日新書 2022.5)
【満足度】★
【概要・感想】著者は組織改革系のコンサル。副題の「まじめに働いてもなぜ報われないのか」に興味があり、読んでみました。日本人の持つ勤勉さや、置かれているルールの中で余計なことを考えずひたすら仕事を捌くことが今の停滞の主要因になっているという話には同意しますが、すでに前から言われていると思います。要は、思考停止せずに「考えてやる」という話ですが、コンサルでの経験で裏づけしたいだけなのか似たような話が続き退屈でした。

【ポイント】

*深く考えるということを経験したことがないから、すぐに「どうやるか」を考える方向に

 走るのです。(p.97)

 ⇒なぜ?どういう理由で?何のために?などものごとの背景を考える

*トヨタでは、=中略= 自分が負うことができるリスクの範囲内であれば、作業を任せる

 だけでなく、リスクがある重要な判断も任せる(p.121)

 

本『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』元山 文菜(クロスメディア・パブリッシング 2023.9)
【満足度】★

【概要・感想】軽く目を通す程度で読んでみましたが、ムダ作業の“あるあるネタ”。普段から問題意識を持って仕事をしている人には参考にならないかも。一方、効率化をあまり考えたことがない人はヒントになるかもしれません。

【ポイント】

*ブルックスの法則(p.3)

 遅れているプロジェクトに人を追加しても、プロジェクトは更に遅延してしまう

 ⇒3分かかるカップラーメンを3人で作っても1分にはならない。

  タスク分解の限界やコミュニケーションの増加など

11月に読んだ本は5冊(図書館本4冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

本『早く読めて、忘れない、思考力が深まる「紙1枚!」読書法』浅田 すぐる(SBクリエイティブ 2021.12)

【満足度】★★★
【概要・感想】当初、図書館で借り読み始めて、こりゃイイ本だ!と買い直そうと後回しにしていたらすっかり熱が冷めてしまい、借り直して今に至ります。個人的には久しぶりの読書本で、この読書日記も「紙1枚!」風に試しに改良してみたのですが、ちょっと合わずに一瞬で元に戻しましたw 読書の前にはそもそも選書がありますが、選書術についても書かれていました。読書論が長いので読み飛ばして、手っ取り早く紙1枚読書法のノウハウだけ読んで、実際どんどん試すのが良いかもしれません。

【ポイント】

*「めんどくさい」思考・「深める」思考・「没頭」思考を働かせるつもりで本を読む

 (p.40)

*3つの疑問で読書が深まる(p.64)

 ①読んで何が良かった(what?)

 ②なぜ良いと感じた(Why?)

 ③どう活用したか(How?)

*「著者の言葉」より、「自分が扱いやすい言葉」に変換する(p.72)

*「自分がなぜ、この本を読もうと思ったのか?」という「あなたの目的」を優先し、その

 目的を達成するために読んでいく(p.106)

 ⇒目的を明確にし、目的達成に関係しそうなところだけ拾い、自分なりに考えをまとめる

*「選書」には「3種類」ある(p.136)

 ①未知⇒既知 不明点の解消

 ②既知⇒既知 既知をさらに既知へ強化、修得する

 ③無知⇒未知 無知を自覚することで未知を増やす、問いを得るため

*この「言い換え・具体例」は、何を主張するための「=」か?

 この「対比・逆接」は、何を主張するための「⇔」か?

 この「根拠・因果関係」は、何を主張するための「⇒」か?(p.196)

*仕事に活かせる読書とは、「他者貢献」につながる読書(p.246)

 ⇒自己犠牲ではなく、他者志向

 

本『関東軍』及川 琢英(中公新書 2023.5)
【満足度】★★

【概要・感想】関東軍とは1919年に成立した陸軍の出先機関。関東州と満鉄を保護するための兵力で、戦争に向かう過程で多くの謀略に関与しました。本書はその誕生から崩壊(ノモンハン事変)までの軌跡です。日露戦争から繋がる関東軍という軍隊にフォーカスした歴史はとても興味深く面白かったです。ただ、中国サイドの動きがリンクしてくるので、中国軍の動きにもかなり紙幅が割かれていましたが、中国人特有の似た人名&世界史に疎い自分には、そこは全く入ってきませんでした・・・。

【ポイント】

*関東軍が密接な関係を結んだのが張作霖(p.19)

 ⇒中国要人と関係性を築き、中国情報の分析に専門的にあたったのが「支那通」と呼ばれた

*満州事変以前の関東軍司令官(p.41)

 大将下位あるいは中将上位のポスト。上原勇作に近い九州出身者が多く占めている。

*満州事変までに、陸軍中央では上層部を占める宇垣派の下、主要な課長級や班長級は、

 一夕会員によって占められることとなった(p.120)

*参謀副長は主に作戦・治安・情報など純軍事分野に従事した一方、参謀長は政治・経済・

 文化等の重要事項にあたった。(p.162)

*出先では、石原を見習って下剋上の風潮が広まり、功を焦る傾向が生じた。石原が抑えよう

 としても、なんら説得力はなく、後輩参謀の華北・内モンゴル分離工作を止めることは

 できなかった。(p.230)

 ⇒石原は磯谷廉介と対立し、病気療養を理由に帰国。陸相の東條を批判し続け、予備役へ。

*梅津麾下の関東軍は、以前とは打って変わって、好戦性は見られなくなっていた(p.254)

 ⇒梅津美治郎は親分肌でなく理性に徹し切ったタイプ。統制には司令官の性格が重要。

*満州事変時の関東軍は、=中略= 命令を受ける関係にない政府や陸軍中央をなおざりに

 して動いた。天皇隷属という点では出先軍司令官は陸軍三長官と同格であった。(p.279)

*満州国軍の養成に留意し続けたのが石原莞爾であった。(p.282)

 ⇒日中親善のために満州国の協和的発展が必要。

*関東軍では、作戦参謀の発言力の強さが目立つ。出先軍のなかで特に関東軍には、陸軍

 教育機関の成績優秀者が作戦参謀として集まった。(p.283)

 

クリップ『オリンピックにふれる』吉田 修一(講談社 2021.9)
【満足度】★★
【概要・感想】 「香港林檎」@香港、「上海蜜柑」@上海、「ストロベリーソウル」@ソウル、「東京花火」@東京という、一応、オリンピックをテーマにした4作の短篇集。ちなみに作品の時期がバラバラ且つ改題もしています。「東京花火」は2021年の作品で「オリンピックにふれる」が元々のタイトル。印象に残ったのはこの作品だけかな。

 

メモ『降伏論』 高森 勇旗(日経BP 2023.6)
【満足度】★★

【概要・感想】著者は元横浜ベイスターズの選手で、引退後はデータアナリスト・ライター、要はコンサルの仕事をしているようです。本のタイトルの「降伏」というのは、隈研吾の「負ける建築」に同じく、やや哲学めいた話が展開されるのかと思いきや「いますぐやる」とか「具体的に行動する」といったオーソドックスな自己啓発書でしたので、個人的には雑学が増えたといったところ。内容は平易でわかりやすいのでamazonで高評価なのもわかりますが、成りあがりのコンサルがやりがちな、どこぞやの経営者との交際から学んだ話を著書で紹介するより、プロ野球を経験した高森氏しか書けない6年間の選手時代のエピソードをメインに知りたかったなぁと。(現役時代、面白い選手だと思っていたので文体にかなり違和感・・・)

【ポイント】

*「素晴らしい質問だ。この場に、新しい気づきとディスカッションの観点を与えてくれて

 ありがとう。」(p.174)

 ⇒質問するという勇気に最大限の承認

*ホステスの接客の基本“さしすせそ”(p.184)

*人間は取り掛かるまで20秒以上かかる物事を先延ばしにする傾向にある。

 (p.216『幸福優位7つの法則』)

*現在の行動は過去の原因からでなく、未来の目的から引き起こされている

(p.226 アドラーの目的論)

 ⇒引きこもりは過去のトラウマではなく、人と会いたくない目的を達成するため

*ケラチノサイト(p.268)

 五感以外に気圧や電気も感じる。現地で皮膚からも音を吸収し、認知する。

 

本『ビジネスエリートが知っている教養としての日本酒』友田 晶子(あさ出版 2020.10)
【満足度】★
【概要・感想】タイトルも装丁もビジネス書のテイをしていますが、日本酒の作り方や基礎知識などオーソドックスな日本酒の解説本。一応、接待や会食での日本酒のマナーの話(注ぎ方は知りませんでいた!)はありましたが、先日読んだ2冊の方がわかりやすかったので星はひとつ。新政酒造の佐藤社長、旭酒造の桜井会長のインタビューコラムもありました。
【ポイント】

*一升瓶一本のお酒を造るのに、お米が1キロ必要です。(p.52)

 ⇒大吟醸の場合、50%削るので2キロ必要

*その年の最初に仕込まれたお酒の搾り立てをとくに「初搾り」といいます。(p.173)

*日本酒8、水2くらいの割合で混ぜてお燗に(p.175)