読書日記

読書日記

自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

4月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『あっという間に人は死ぬから』佐藤舞(KADOKAWA 2024.7)
【満足度】★★

【概要・所感】 有意義な時間の使い方についてのコーチングブック。副題の「時間を食べつくすモンスターとの戦い方」にある通り、要は自分の人生の舵を自分で握るという話に尽きます。毎日ダラダラと過ごさず、自分の価値観に沿った行動が本当に出来ているか?と。耳が痛い指摘ですが、その通りです。ちなみに、芦田愛菜と峰不二子の名言は知らなかったのですが、いずれもなかなかインパクトがあり、その紹介により★2つに格上げw

【ポイント】

*人間は同じ作業を1日中することはできない。(p.50)

*ストレスにより細胞が傷つくことがいけないのではなく、それを自ら修復することで強く

 なっていきます。(p.118)

 ⇒風というストレスが木を強くする(ホルミシス)

*「人を動かす唯一の方法は相手の自己重要感を満たすことである」(p.148 カーネギ―)

 ⇒自分を重要な存在と敬意を払ってくれる人に対して、好意や信頼を感じる

*信じる(p.213要約 芦田愛菜)

 自分が理想とする人物像に期待しているが、「裏切られた」というのは「見えなかった部分」が

 見えただけであって、その上で「それも含めてその人だ」と受け入れられる揺るがない自分が

 いるということ

「つまづいたのは誰かのせいかもしれない。けど、立ちあがらないのは誰のせいでもないわ」

 (p.235 峰不二子)

 

メモ『権藤主義 唯一無二の痛快野球論』権藤 博(ベースボール・マガジン社 2023.11)
【満足度】★★

【概要・所感】現役時代は中日ドラゴンズ。「権藤、権藤、雨、権藤」のフレーズが生まれるほど1年目から活躍。そのせいか選手生命は短命に終わったが、以降は投手コーチとして様々な球団を渡り歩いた後、横浜ベイスターズの監督として日本一にも輝き、直近だとWBCの小久保政権下で投手コーチも務めた(85歳でも元気!)。氏にかかれば、プロ野球で常識とされる采配など無縁。とは言え、筋が通っているエピソード満載で「唯一無二の痛快野球論」から今のプロ野球にも活かせることがあるのでは。権藤氏のスタイル「教えない教え」も面白かった。

【ポイント】

*教えられて覚えたことはすぐ忘れる。自分でやって覚えたことは忘れない。だから、彼が自分

 でできるようになるのを待っているんだ(p.61 ドジャーズ スナイダーコーチ)

 ⇒Don't over teach

*物事は近くから見るのがいいとは限らないし、真正面から見たものがすべてではない。(p.76)

 

本『学力よりコミュ力』菅 広文(PHP研究所 2025.12)
【満足度】★★

【概要・所感】お笑いコンビ「ロザン」の菅さんの著書。社会人になるまでは「学力」、その後は当分「コミュ力」、そして社会終盤は「学力」という著者の見立てはその通りですね。数時間で読めてしまう本ですが、「相手の話を聞く」や「聞き流すスキル」や「無言に慣れる」、「聞いてもらえる努力をする」などコンパクトにコミュ力の本質を突いています。

【ポイント】

*ではどのように芸を盗むのか。舞台袖で見る。気になった先輩の舞台を見る。その経験から

 自分でできそうなスキルに転換するのである。(p.44)

成功した先輩の言うことは合っている。ただし自分に当てはまるかどうかは人による(p.46)

*「あなたの話は短い時間しか聞いてもらえない」(p.89)

 ⇒これを念頭に置いて、コミュニケーションを取っていくべき

*「興味を持とうとすること」(p.120)

 ⇒○○について興味を持ってなかったのですが、どこから手をつけるといいとかありますか?

*「思ってる以上に他人はあなたに興味がない」(p.181)

 

本『おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』桶井道(PHP研究所 2024.9)
【満足度】★★

【概要・所感】 配当利回り2.8%以上(税込?)の高配当株と増配株狙いで「長期・分散・ほったらかし」がキモという内容でしたので、共感はするものの目新しさはなかったです。紹介されている銘柄もほぼ類書と同じですが、ETFや海外株の個別解説は本書だけかも? 著者の場合は日本株だと時価総額1兆円以上で営業利益20%以上、ROE二桁、最低でも8%以上の個別銘柄が対象になるようです。著者が高齢になった時、今と同じ判断が出来ない、PCの操作も覚束なくなると指摘し、海外株や投資信託から個別株やETFにシフトし配当金で生活することを目指すとの主張でしたが、出口戦略として覚えておくべき話でしょうね。

 

メモ『結局、集中力が9割』加藤俊徳(アスコム 2024.9)
【満足度】★

【概要・所感】著者は脳内科医・医学博士。集中力には8種類(思考・伝達・理解・感情・運動・視覚・記憶・聴覚)あるそうで、例えば読書したいときの集中力と、運動したいときの集中力はまったくの別物とのこと。つまり、脳の活性化する部位が違う。集中力を効率的に伸ばすには自分の脳の個性を把握して、まず使っていない脳の部位を伸ばすことが重要です。さらに脳の部位同士の連携をよくすることでいつでも何をしているときでも集中力がUPした状態になっていきます。そう、一部の人だけが持つ特別な能力ではなく訓練することで伸ばすことができる、と。意外と「歩きながら考える」とアイデアが出やすいのは集中出来ているからかもしれませんね。

【ポイント】

新しいことにチャレンジすると、これまで使っていなかった脳の部位が成長する(p.20)

 ⇒脳が成長すると集中力がアップ。繰り返し使う集中力は鍛えられ、使われないと鈍化する。

*「やる理由」があいまいだと、やる気も集中力も上がらない(p.157)

 ⇒目的と時間を決める

*脳に一番のごほうびは「達成感」(p.190)

体と脳はつながっていて、体を動かせば、脳も活性化します。(p.255)

 ⇒歩けば歩くほど脳は活性化する(5分歩くだけでも脳の様々な部位に刺激がある)

 

本『わかりやすさよりも大切な話し方』横山信弘(東洋経済新報社 -- 2025.8)
【満足度】★

【概要・所感】著者はアタックスGのコンサルの横山氏。本書では相手にわかりやすく伝えるテクニックよりも、心理学の知見等を用いて「相手をその気にさせて動かす」という目的に軸を置いています。ビジネスシーンでよく見聞きする「私は言いました・伝えました」では全くの不十分という訳です。また、稲盛氏の提唱した「自然人・可燃人・不燃人」を7タイプにアレンジし、本書の約半分の紙幅を割いて、解説。それぞれに合った「話し方の火種」も参考に。(この手の分類は話としてはわかるが、実務で使うのにはイマイチ・・・)

【ポイント】

*知識の呪い(p.27)

 自分が知っていることは相手も知っていて当然だと思い込んでしまう認知バイアス

話すことはあくまで手段でしかない。その先にある「相手の変化」こそが真の目的(p.41)

 ①行動を変えるつもり・・・・相手の行動の変化

 ②その気にさせるつもり・・・気持ちの変化

 ③気づきを与えるつもり・・・価値や課題、意義に気づいてもらう

*「傾聴」はあくまで相手の思いや課題を把握する手段であり、それ自体が目的ではない。(p.59)

 ⇒状況も応じて適切な対応をとることが目的

3月に読んだ本は2冊(図書館本2冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『キーエンス流性弱説経営』高杉 康成(日経BP 2024.12)
【満足度】★★

【概要・所感】 著者である高杉氏はキーエンスの社員を経て、現コンサルですが、キーエンスのソリューション営業には「性弱説」視点があり、高収益を上げていると言います。「人は弱いので難しい事や新しい事を積極的にやりやがらない、目先の簡単な方法を選んでしまいがち」という“性弱説”を前提に戦略を立て、仕組みを作り実践するのがキーエンスの強さの本質という主張です。精神論や性善説とは違う、徹底した仕組み化や属人化を排した「やり切らせる」文化など大いに参考になります。ところで内容には関係ありませんが、章の見出し以外に、最初にまとめが3つ書いてある構成は意外と画期的でわかりやすかったです。

【ポイント】

*顧客ニーズには、「特殊ニーズ」「意見」「作文」が多く含まれているという認識がまず必要です。

 (p.170)

 ⇒性弱説視点だと「顧客は自分の見える範囲、イメージできる範囲しか想像出来ない」ので、

  商品の付加価値に向上に役立つ情報はほとんど得られない

 

メモ『仕事に追われず自分の時間を確保する』ハック大学ぺそ(ポプラ社 2023.10)
【満足度】★★

【概要・所感】 著者は外資系金融機関で働きながら、副業で「ハック大学」というYouTubeチャンネルを運営しているYouTuber。タスクに対して、「なくす」⇒「へらす」⇒「かえる」を検討し、大胆に実行するのが本書のキモ。業務改善だけでなく、まさに自分の時間を確保するためのノウハウが書かれた本です。
【ポイント】

もっとも非効率な仕事は、不要な仕事を効率化することだ(p.42 ドラッカー)

*「なくす」タスクの見極め方(p.66)

 ①なんのためにやっているんだっけ? ②やらなかったら何が起きる?

*「へらす」タスクの見極め方(p.74)

 なにができていればいいのか?数字に着目する(人数・回数・日数など)

*「かえる」タスクの見極め方(p.82)

 別に○○しなくても目的は達成できる=かえなくてもいいけどかえたほうがいい(最適化)

2月に読んだ本は2冊(図書館本1冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

メモ『会社は「本」で強くなる』宮本 恵理子(日経BP日本経済新聞出版 2025.10)
【満足度】★★

【概要・所感】2012年に創業したマネーフォワード社が全社で「人材育成や組織開発のために読書をフル活用」して取り組んでいる「読書経営」についてのノンフィクションライターの宮本恵理子氏による実践レポート。巻末には辻庸介CEOや各部門長オススメのブックリストも。
【ポイント】

*マネーフォワードでは"問いを持って読む"という姿勢が組織的に促進され、根づいている。

 (p.40)

 ⇒自分が何にひっかかったかを言葉にする練習をするとマネジメントの場での対話力が高まる

チームメンバーに1時間かけてみっちりと話すよりも、本1冊を共有するだけで、はるかに

 密度濃く正確に伝わる効果がある。(p.109)

*読書の役割は「知る」から「わかる」への橋渡しにある。(p.156)

 ⇒情報を自分の仕事や経営課題と結びつけて理解する。そこから「実行する」「教える」に繋げる

*多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失っていく。=中略= 食物は

 食べることによってではなく消化によって我々を養うのである。(p.184ショーペンハウアー)

 

クリップ『なぜ、あの人との会話は嚙み合わないのか米澤創一(プレジデント社 2025.4
【満足度】★

【概要・所感】嚙み合わない会話はどうして起こってしまうのか。そして、どうすれば改善できるのか。この原因や対策を詳しく明らかにしていきます。コミュニケーションを成立させるには相手のスタイルやレベルを正しく把握して、それに合わせて伝え方を変えないといけません。本書では「具体的知識」と「抽象化能力」という概念を用いて、それぞれを「0~4」までの5段階で評価し、マッピングしています。それが使いこなせればいいのですが、そもそも自分や相手がどこに属するかが分かりにくいように思いました。

【ポイント】

*コミュニケーションを噛み合うものにするには、"話の目的・全体"を捉える抽象的な視点と、

 “話の詳細”を捉える具体的な視点の両面が必要(p.9)

抽象化能力が低いと自身の思考スタイルの自己認知を誤りやすくなります。(p.172)

「具体的知識」の高め方(p.186)

 ⇒今、見えているものは対象物の全体なのか、部分なのかを意識する

2026年1月に読んだ本は3冊(図書館本3冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

メモ『話し方の戦略』千葉 佳織(プレジデント社 2024.4)
【満足度】★★★

【概要・所感】著者は、芦屋の高島市長のスピーチをサポートした実績もあるコミュニケーションの戦略コンサル。「話し方」を構成する要素を、言葉・音声・動作の3つの側面から分解し、定義し、誰でも理解できる構図に落とし込むという体系化をした点が本書の核です。類書は、「言葉」と「音声・動作」のどちらかのみを指導、あるいはマインド面にフォーカスする内容が多いですが、「話し方の戦略」とは、自分が伝えたいことを聞き手に届けるため、話の目的を定め、言葉と音声、動作を考え抜くことになります。「音声」の章のメモは割愛しましたが、かなり実践的でした。

【ポイント】

*話し方の戦略の3つの原則(p.24~)

 ①「話す目的」を明確にする・・・話すことで実現したい事項を意識する

 ②「対象者」を分析する・・・話の難易度をどこに設定するか

 ③「話し言葉」の意識をする・・・一文の長さを短くし、理解を促す

*話し方を「言葉」と「音声・動作」の2軸に分析(p.26)

 ⇒両面からアプローチし、理解・実践していく

 「言葉」の戦略・・コアメッセージ、構成、ストーリー(共感・熱意)、ファクト、レトリック

 「音声・動作」の戦略・・・発生、沈黙、身体表現

*「自分が話したことは全部相手に記憶してもらえている」という思い込み(p.72)

*コアメッセージには2種類(p.97)

 ⇒具体的フレーズ

 ①行動依頼・・・聞き手へ行動に関する具体的なお願い ex.チャレンジしましょう

 ②価値観提供・・・考え方を伝えたい ex.チャレンジが大切です

*ストーリーを語るときは、いくつかの時間軸を設定し、時系列順に場面を変化させる(p.176)

 ひとつの時間軸だと「ある経験の紹介」になってしまう

*伝えたい内容を補強し肯定するために「他の人もこう言ってましたよ」と引用を行う(p.225)

 会話文以外にも格言、名言、ことわざなども候補。

 「相手の気持ちの代弁」に話す目的やゴールの提示を加える

*音声と動作の意識は自分の思う3倍以上やって初めて、聞き手には普通に聞こえる(p.249)

 

メモ『結果を出すチームのリーダーがやっていること』五十嵐 剛(すばる舎 2024.5)
【満足度】★

【概要・所感】NECに36年務めた著者が「リーダーとして成功するためのノウハウやコツ」をわかりやすくまとめた本ですが、とてもオーソドックスな内容。悪い本ではないですが、改めて憶えておく点も特になかったです。(新卒でNECに入社した一定の基礎力を持った部下をマネジメントした経験則からの内容ということには留意が必要)
【ポイント】

*ミスはそのメンバーだけに原因があるのではなく、その背後にミスを誘発するような環境的な

 問題や組織的な要因が隠れているものです。最終的にミスを犯したのがそのメンバーだったに  

 にすぎず、ほかの人、たとえばあなた自身がミスを犯していた可能性だってある (p.220)

 

本『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』飯田 一史(平凡社新書 2025.4)
【満足度】★

【概要・所感】今や「町の本屋」だけでなく大型書店の倒産や撤退も相次いでいますが、本書は1990年代を境に激減した「町の本屋」の衰退を流通システム化やネット書店の台頭、消費行動の変化から分析し、業界の構造的問題を解き明かした一冊。書店業界関係者向けの難易度のような気がします。書店での訴求方法やそもそも読者が読みたい本を作家が供給出来ているのかという読者へのソフト面もあるように思います。

ようやく25年分の読書ブログのアップ完了し、読んだ本のまとめ。
毎年GWの恒例行事w

 

■年間読書冊数:54冊(24年:72冊、23年:65冊、22年:58冊、21年:55冊

 冊数に意味はなく、どのくらい読書に時間を割いていたのかだけの備忘

 

王冠12025年面白かった本ベスト5(順不同)

 やたら太平洋戦争本ばかりを読んでいた1年だったが、示唆に富み過ぎた。

 そして、またもやビジネス書はベスト5圏外へ・・・。ノウハウ本ばっかりだからだな。

・『推し、燃ゆ』宇佐見 りん

・『楽園のカンヴァス』原田 マハ

・『永田鉄山と昭和陸軍』岩井 秀一郎

・『こえび隊、跳ねる!』 監修・北川 フラム/編著・こえび隊

・『渡辺錠太郎伝』岩井 秀一郎

 

【アーカイブ】

王冠12024年面白かった本ベスト5(順不同)

・『ミス・サンシャイン 』 吉田 修一

・『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』メン獄

・『私はないものを数えない。』葦原 海

・『太平洋戦争への道1931-1941』半藤 一利

・『学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話』ちいさな美術館の学芸員

 

王冠12023年面白かった本ベスト5(順不同)

・『彗星夜襲隊 』 渡辺 洋二

・『特攻セズ 美濃部正の生涯』 境 克彦

・『大本営参謀の情報戦記』 堀 栄三

・『国宝 (上)青春篇 / (下)花道篇』吉田修一

・『極楽征夷大将軍』垣根 涼介

12月に読んだ本は5冊(図書館本2冊・購入3冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

メモ『信じ切る力』栗山 英樹(講談社 2024.3)
【満足度】★★★

【概要・所感】23年3月のWBC優勝後の栗山監督の絶頂期の著書になり、どうかな?と思いましたが、さすが栗山監督です。ひたすらの真摯さ・謙虚さしか感じませんでした。人生において達観していてもはや栗山教の教本の感がw 腹をくくって「信じる」という哲学ですね。選手時代、そしてキャスター時代、ファイターズ監督時代、WBC監督時代と栗山さんの各時代においてのエピソード(随所に大谷翔平も)がバランスよく散りばめられていて、経験に裏打ちされています。それにしても、「まるで翔平のために神様から遣わされているのではないか」とご自身が語っていましたが、大谷翔平をアメリカで成功させるために、キャスターとしての経験が役に立つ(後になって分かる)とか、ドラフト外で入団し7年間の現役では華やかな実績もなく、その後、監督のオファーが来て。さらにはWBC監督そして世界一と、キャリアは全くわからないという好例ですね。
【ポイント】

*「監督は気づかせ屋さん」(p.32)

 監督はそう持っていくけど、本人は自分で気づいたと思っている。これがベスト。なぜなら

 人は自分で決めたことでなければやり切れない。人から「こうしろ」では最後行き切れない

目の前で起こっていることは、嫌なことだったり、苦しいことだったりするかもしれない。

 しかし、それはマイナスの出来事ではない、と。それを自分がどう捉えるかが、問われている

 だけなんだ、と。(p.32)

 ⇒これをやったら、自分はもう一つ上のステージに行けるなくらいの気持ち。

  結果が出る、出ないは関係ない。ステージが人を変える。

*動かなければ、何も起こらない。=中略= 起きていることに、素直に反応するべきなの

 です。(p.62)

 ⇒与えられたもの中でやり尽くす

*今、結果が出せなかったとしても、その努力が思わぬ形で未来に生きてくる可能性は間違い

 なくある(p.123)

 ⇒ただし、そのためにはやるべきことをしっかりやっておくことが大事

*わかっていても行動するのが難しい、=中略= でも、わかって行動するというところまでは

 やらなければいけない。(p.170)

 ⇒すぐに何らかの結果につながるわけではないが、ちゃんとすることで成長していく

*やり尽くすべきことは、やり尽くしていく(p.247)

 

クリップ『マンガでわかる!超はじめての株式投資』長期株式投資(永岡書店  2024.12
【満足度】★★

【概要・所感】著者の「長期株式投資」氏がSNSや前著で提唱してきた「高配当株投資」の手法をマンガで分かりやすく解説しています。投資マインドを鍛える19のQ&Aもわかりやすく、超初心者にとって慣れるまでの最高のバイブル(しかも文庫本サイズでお値段1,078円)になると思います。巻末付録には銘柄リスト100も。

 

クリップ『有と無 ―見え方の違いで対立する二つの世界観』細谷 功(dZERO 2024.6
【満足度】★★

【概要・所感】物事は最終的い「有or無」に行きつくという仮説から「ものの見方の一つを提供する」本とのこと。17の「有と無」のペアを「ある型」思考と「ない型」思考の両面で考察しますが、「ツッコミとボケ」これが一番わかりやすかったかもしれません。ツッコミは対象があるからこそツッコミ出来るが、ボケは全方位型で想像力が必要、この関係です。目に見える具体的な「ある型」思考の人と常にその外側にある抽象的な「無(無限の可能性)」を想像できる人、両者を自在に往復することでお互いのコミュケーションを考察する本と言えるかも知れません。

【ポイント】

*ものの見方を抽象化すればその基本単位は「AかAでないか」という見方にまで昇華できる

 (p.3)

*「あるもの」のほうが数多くリストアップできるが、実は(天文学的に)多いのは「ないもの」

 (p.20)

 ⇒「有と無」は対立概念ではなく、非対称(認知の歪みがある)

悪魔の証明(p.26)

 「ない」ことを証明するのはほぼ不可能である

*「ある型」の思考回路の人は文字通り「あるもの」から発想するのに対して、「ない型」の人は

 「ないもの」に着目してそこから発想します。(p.28)

 ⇒「あるもの」・・・具体的、経験、過去の知識、自分中心、常識(/非常識=不正解)

 ⇒「ないもの」・・・抽象的、想像、思考力、メタ認知、非常識

*私たちはとかく、「自分の立場で考えたら」という「前提条件」が抜け、自分の経験している世界

 が世の中のすべてだと思いがちです。(p.41)

 ⇒自分はなぜその前提で考えるべきなのか?自分の経験から離れて考える

*自分は特殊でオンリーワンの存在であり「他人とは違う」と思いたがる一方で、他人のことは

 一般化して「みな同じ」だと考える。(p.88)

 ⇒自分と他人の非対称性

*「ない型」の思考回路とは、学べば学ぶほどその外枠(「ない」の領域)が広がっていき「学べば

 学ぶほど自分の未熟さが身に染みる」(p.148)

 ⇒「ダニング・クルーガー効果」・・・わかってない人ほどわかっていると誤解している

 

メモ『黒子のリーダー論』丸山 茂雄(日経BP日経新聞出版 2023.9)
【満足度】★★

【概要・所感】SMEの元社長・SCEの元会長。主にCBSソニー、EPICソニーなど音楽系を渡り歩き、“黒子”としてイノベーションを起こしてきた丸山氏の著書。日経新聞に連載された「私の履歴書」がベースになっています。連載も面白かったが、本書も面白い。読みやすい文章も丸山氏のキャラによるものでしょう。読後、全編通してなにか教訓を学んだというより、SME時代の黒子に徹した、氏の考え方を追体験した(※なぜかソニーの読み物は全部面白い)という感じ。 巻末には、丸山氏と近い距離で仕事をしていたグループ内の重要人物(元ソニー社長平井一夫氏・プレイステーションの生みの親こと久夛良木健氏)との対談も興味深かったです。

 

クリップ『行動経済学が最強の学問である』相良 奈美香(SBクリエイティブ 2023.6)
【満足度】★★

【概要・所感】著者の相良氏はオレゴン大学で行動経済学の博士号(日本人としては数少ない)を取得し、現在は行動経済学コンサルタントとして活動する日本における行動経済学の第一人者です。本書は行動経済学の主要理論を「認知のクセ」「状況」「感情」の3つに体系化した入門書という触れ込みです。「結局、ビジネスの中心は人間の行動を変えること(p.20)」と指摘の通り、現場の課題に直結させ、意思決定をコントロールする、そういった“使える”本になっています。

【ポイント】

非合理な意思決定を決める3つの要因(p.73)

 ①認知のクセ・・・システム1(ヒューリステック)vsシステム2

 ②状況・・・主体的に判断しているのではなく、周りの状況に影響を受けて判断させられる

 ③感情・・・不安や怒り

*系列位置効果(p.175)

 記憶は「初頭効果」と「新近効果」によって、最初と最後が頭に残りやすい

*ほんの一瞬よぎる微妙な感情を、行動経済学では「アフェクト」と呼ぶ(p.260)

 頻繁に喜怒哀楽を抱くわけでなく、淡い感情を抱く方が多い。なので、このアフェクトに動か

 されて非合理になり得ることを理解する必要がある。

*「困ったことになるのではないか」という心配より、実際そうなったときの心理的ダメージの

 ほうが小さい(p.311)

 ⇒「先が読めない」が史上最強のストレス

11月に読んだ本は5冊(図書館本4冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『こえび隊、跳ねる!』 監修・北川 フラム/編著・こえび隊 (現代企画室 2025.3)
【満足度】★★★

【概要・所感】瀬戸内国際芸術際外伝という副題の通り、こえび隊から見た芸術祭(黎明期の1985~2025年まで)の記録。芸術祭のオモテは、アート鑑賞や旅という楽しく華やかな一面で、ウラはそれを滞りなく進めてくれている運営面ですが、そこに考えを廻らしたこともあまりなかったですね。(運営の段取り悪いと激しくバッシングされ、スムーズが当たり前の仕事・・・。) 会場の島、作品や各会期、こえびさん一人ひとりにそれぞれドラマがあり、特に大島の山本隆久さんと理沙さんの文通は泣けました。いつか芸術祭のボランティアに関わって恩返しをするのもいいかもと思わせてくれる、非常に面白い1冊。

 

クリップ『リボルバー』原田マハ(幻冬舎文庫 2023.7)
【満足度】★★

【概要・所感】「ゴッホの死」の謎に迫るミステリー小説。史実をベースにしながらも史実に無い行間は脚色し、ゴッホ他殺説、そしてゴッホが自殺に使ったとされる「リボルバー」をネタに、ゴーギャンの子孫のサラ、日本人オークショニアの冴を登場させ、現代のストーリーとして成立させています。お見事です、ページをめくるまで想像がつかず面白かった。

 

本『保阪正康と昭和史を学ぼう』保阪 正康(文藝新書 2025.7)
【満足度】★★

【概要・所感】 保阪氏が「文芸春秋」に寄稿した中で、氏の昭和史に向き合ってきた姿勢がうかがえる原稿を15本厳選。後半の半藤一利や戸部良一との対談が一番学びがありました。他でも書きましたが、昭和(=太平洋戦争)は何も総括されておらず、今の時代が歴史に学んでいない、昭和を克服出来ていないことを思い知らされます。
【ポイント】

*東條内閣のもとでは石油がどれだけ足りないか、足りない分の石油をいかにして調達するか、

 という真剣な議論がなされた形跡が見たらない。(p.92)

 ⇒開戦しないとあと何年で枯渇するとか南方から調達すれば国力が維持できるという話のみ

*「玉砕」を繰り返すことは、確実にアメリカ兵の「日本兵を徹底的に叩く、絶滅させる」という

 意識を増幅させてしまったはずだ。(p.144)

 ⇒撃たれても撃たれても向かってくる日本兵

*海軍には伝統的に、日本の艦隊の戦力がアメリカの七割あれば勝てるという考えがある(p.163 半藤)

 ⇒七割のうちに戦争を始めないと勝てない

天皇は独裁者ではなくて立憲君主(p.171 保阪)

 ⇒開戦時は政府も統帥部も一致して開戦に賛成だから反対はできない。終戦時は戦争終結と

  継続の意見が一致せずだったから鈴木首相が憲法違反だと知りながら無理やり天皇に判断を

  仰いだところ、ポツダム宣言賛成の「聖断」を下した

*皇族で軍令部総長の伏見宮博恭は、激しい対米強硬派で、この三人(山本五十六・米内・

 井上)のことを大嫌いだった(p.174 半藤)

*開戦直後の十二月十一日に、単独不講和を定めた日独伊三国協定を結んでしまいました。これ

 があるおかげで、日本だけ先に講話することができなくなった。(p.179 保阪)

*明治維新以降に政治家、軍人と立場が分かれても、軍事と政治の両方を分かっている人が

 多かった(p.189 戸部)

 ⇒伊藤、山県など下級武士出身とはいえ軍事エリートであり、政治エリート

「原発は絶対安全」という発想は、「戦艦大和は絶対沈まない」という発想と同じです。=中略=

 「完璧だ」となった瞬間に、そこを破られたときのことを考えなくなる。(p.249 戸高)

*太平洋戦争の三年八カ月の間、大本営発表は八百四十六回あるんですが、そのうち八十数回は

 開戦直後の十二月八日から同三十一日の間に、それこそ一時間おきくらいに集中 =中略=

 それが戦況の悪化につれて、頻度が減り、「撤退」を「転進」と言い換えるなど言葉をごまかす

 ようになる。その後は、台湾沖航空戦みたいに嘘をつく。=中略= 昭和二十年の四月ごろに

 なると、月にせいぜい二、三回ですよ。(p.258 保阪)

*日本軍人に捕虜はいない、ということになってましたから、捕虜になった後の教育もできなか

 った。米英軍の兵士は、「捕虜になったら名前と認識番号以外はしゃべるな」と教育

 (p.264 半藤) 

アメリカは戦力とは総合力と考える、=中略= 港や、さらに奥にいる牧場の牛、つまり食糧

 まで含めて”戦力”と定義 =中略= ところが日本で戦力といえば、単に戦艦であり、兵士

 (p.265 保阪)

*アメリカとすれば、世界中が全面的に日本と戦争している構図を作りたかった。実際、そう

 なった五月から八月までの間、たった一国で四十ヵ国以上と戦争をやっている。(p.277)

 

本『太平洋戦争』大木毅(PHP新書 2025.8)
【満足度】★★

【概要・所感】戦略・作戦・戦術からなる戦術の諸階層から太平洋戦争諸戦役の検討した内容。太平洋戦争史は失敗した作戦がクローズアップされることが多いですが、本書は真珠湾作戦やマレー作戦など初期の圧倒的勝利を戦術的成功と分析して紹介している点が珍しいですね。しかし、結局のところ日本には最初から最後まで統一された戦略が存在せず、つまり、戦略なきまま開戦して各個に作戦を展開し、敗北していったというプロセスと結果はこの戦争での押さえておくべき反省点でしょう。なお、本書は「歴史街道」の連載記事の再構築したものであるため、ある程度知識のない人には分かりにくいと思います。
【ポイント】

国運を賭した大作戦、南方攻略といえども、十一個師団の兵力しか割り当てられなかったので

 ある。(p.22)

 ⇒当時の師団数は五十一個。対中戦争、ソ連への備えが必要。

*少なくとも南方攻略に関しては、それなりに論理的な戦略にもとづき、巧妙な作戦を実行して

 いた(p.24)

 ⇒マレー攻略は戦略目標が明確、それに応じて戦略立案など本来のプロセスが機能した

*マレーとフィリピンを押さえることが、蘭印作戦発動の前提(p.83)

*国際情勢に戦雲が垂れこめ、日米開戦が現実味を帯びるまで、日本陸軍は、具体的なフィリ

 ピン攻略計画を準備していなかった(p.97)

 ⇒大本営はフィリピン軍を植民地軍と侮り、殲滅戦も首都奪取も楽観視していた

*本間(雅晴)は、駐英武官を務めたこともある知英派で、ドイツとの同盟や対米戦にも反対

 していたという、健全な戦略的識見の持ち主である。(p.99)

*南方攻略=第一段作戦終了後に何をなすべきかは、まったく検討されていなかった(p.111)

 ⇒南方攻略作戦で手いっぱいで、余裕がなかった。

*MI作戦は、かくも量的に貧弱なスタッフにより、拙速で策定された計画であったことは否定

 できない。(p.136)

*いわば、太平洋戦争は昭和十八年に水面下で決定的な転換点(p.172)

 ①早期にパイロットの大量育成に踏み切った米は3倍増、日本は昭和十八年にかけて1.6倍

 ②米は新艦隊を完成。硫黄島や沖縄の作戦を支援した艦艇は真珠湾以降に建造された

 ③米の海上輸送路への攻撃

 

本『うまくいくチームはカリスマに頼らない』 三浦 将(三笠書房 2024.1)

【満足度】★★

【概要・所感】人材育成・組織開発系コンサルがリーダーシップを発揮する具体的な方法を体系立てて解説。その根幹はメンタルコーチング・アドラー心理学・認知心理学に支えられたメソッドとなっています。類書を読んだことがあれば、内容については特に目新しい話はありませんが、入門書として読みやすく学ぶべき内容も多いです。
【ポイント】

*リーダーシップとは、「変化に対応する力」(p.18)

 ⇒一人では変化に対応しきれない。チーム全体で考え、施策を実行していける体制を作る

*本物のコーチは、「できたのは、ひとえにコーチのおかげ」でなく、「コーチのサポートを受け

 ながら、自分が達成したんだ」と相手が思うような方向にリードしていくコーチ(p.157)

 ⇒マインドの変化を促すが行動をしたのは自分自身なので自分で達成したという感覚になる

*弱みとは強みを提示したのちに、控えめにさらすべきもの(p.200)

 ⇒しかし、強みを周りの人が認めないうちに、弱みをさらすことにはリスクあり

10月に読んだ本は4冊(図書館本2冊・購入本2冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

クリップ『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』今井 むつみ(日経BP 2024.5
【満足度】★★

【概要・所感】著者は慶大の環境情報学部の教授の今井氏。本書はコミュニケーションの困りごとについて、認知科学と心理学の視点からコミュニケーションの方法を教えてくれます。「言い方」ではなく、「心の読み方」にフォーカスしているのが類書とは違う点です。「話しても伝わらない」ことについて、記憶の曖昧さやいろいろなバイアスなど人の高い認知能力を支える性質がかえって、それにつながっていると指摘。相手の思考の文脈に歩み寄ることこそが、伝わるための第一歩です。
【ポイント】

*相手に正しく理解してもらうことは、相手の思い込みの塊と対峙していくことです。(p.37)

 ⇒自分の枠組みというフィルターを通してしかコミュニケーションはとれないことを理解する

*偏った視点や考え方を持った者が集まって、仕事は進んでいきます。意見を擦り合わせたり、

 歩み寄ったりすることで、より広い視点を獲得することができる(p.110)

 ⇒相手がどんな視点からそれを言っているのかを考え、聞き取り、その懸念の払拭が必要

*私たちの記憶容量は「1G」ほどしかない(p.121 スローマン教授)

*「相手の立場に立つ」「相手の気持ちになって考える」というのは、単に思いやりを持てという

 ことではありません。ビジネスにおいては、相手の置かれている状況を分析し、それに応じた

 提案をする、ということ(p.172)

*つまり人は「これが好き」という感情が最初にあって、それを基に意思決定をし、あとからその

 選択でいいかどうかを理性で検証している(p.195)

 ⇒何かを選ぶ時や迷った時、最初の瞬間に注視したものを最終的に選ぶ傾向がある

「失敗・分析・修正」をセットでできる人だけが、「失敗は貴重な機会だ」と言うことができる

 (p.256)

 ⇒失敗を分析できるかどうかが大切

*「仕事は段取り8分」と言われますが、その段取りの中に「相手」が含まれていることを覚えて

 おく(p.277)

 ⇒あの人にこう言ったらこういう反応が返ってくる、だからこういう風に準備しよう

 

クリップ『努力は仕組み化できる』山根承子(日経BP 2024.8)

【満足度】★★

【概要・所感】行動経済学のコンサルの著者が「日経BOOKプラス」に連載していた内容を加筆・再構成し、「努力」を行動経済学的な視点から解説。「今コストを払って報酬を手に入れるか」または「今、楽する代わりに将来何も得られないか」、この選択に良い悪いはありませんが、「自分の時間割引率の下で効用を最大化した」結果、「努力しなくても困らない」と選択している人は良いとして、反対にそれが自分にとって最良の選択が行われていない=後悔するとしたらもったいない話です。その「今」払うコスト=“努力”ですが、努力を中断させようとする敵の正体と戦い方は下記にメモ。参考文献からの事例の記載も多いので(それはそれで信頼に値しますが)、そこは読み飛ばしていいかもしれません。
【ポイント】

*努力を続けられない人ほど「努力には意志の力が必要だ」と考えている。(p.40)

 ⇒努力を継続している人はそうは考えておらず、努力を努力と思わずにできる

*努力が勝手に続く4つの仕組み(p.43~)

 ①フィードバックの内容を受け止め、それを目標に反映させることでパフォーマンスが向上

 ②その行動をどこで、いつ、どのように行うかを予め決めておく

 ③2ヶ月頑張ることができれば、意識せず自然に行える

 ④目標や教育によって自動化する

*努力の継続のためには、まずは自分の努力は無駄ではないのだと感じることが必要(p.93)

*必要な努力が無理なく続く2つのナッジ(p.105~)

 ①デフォルト・ナッジ・・・初期設定に従ってしまうという性質を利用する

 ②他人の力を借りるナッジ・・・「みんなやっていますよ」「みんなで頑張る」  

*人は難しい作業やつらい作業をするときにこそ、コミットメントを必要とする(p.135)

 ⇒コミットメントで将来の自分の行動を制限することは、誘惑と戦う上で重要

*人と一緒にいるときや、疲れているときが、努力をやめてしまう危険なタイミング(p.214)

 

メモ『今村 均 敗戦日本の不敗の司令官』岩井 秀一郎 (PHP新書 2023.7)
【満足度】★

【概要・所感】太平洋戦争下において名指揮官だったと言われる今村均・陸軍大将の評伝。彼を知る軍人との関係性から足跡を掘り下げようとするが、それがかえって読みにくくなり残念でしたが、こういう軍人がいたことはやはり知っておくべき話でなぜ紹介されないのでしょうか。今村将軍は不敗の指揮官と呼ばれ、開戦時は蘭印を攻略、優れた統治を行い、第八方面軍時代には司令官としてガ島からの撤退を指揮、その後ラバウルで徹底した自給自足を命じ、防御面では要塞化、連合軍の上陸を見ずに終戦を迎えたという人物です。真骨頂は敗戦後の振る舞いです。マッカーサーに直談判し、自ら望んで巣鴨から、南洋のマヌス島の刑務所へ移り、収容されていた多くの部下たちを励まし続けたことです。「自分の責任だ」と言える人はいても、行動に移せる人はそうそうおらず、今村将軍も旧来の武士道の精神を備えた真の軍人だったと思います。

【ポイント】

*今村は一夕会のメンバーではなかった、永田に信頼されていた(p.73)

*師団は戦略単位として戦闘から経理、兵器、馬事全ての機能を備え、連隊はその下で戦術単位

 として十分な権限を委ねられている。しかし、旅団長となると副官二名、書記を担当する

 下士官二名がいるだけであり、伝令も連隊から来ているものが二、三名、経理や兵器、衛生に

 ついてはなんら関わりを持たなかった。(p.106)

*中央ではガダルカナル島を巡って参謀本部と陸軍省の対立があり、作戦部長の田中新一が南方

 軍司令部附に、作戦課長の服部卓四郎が首相秘書官に更迭(p.204)

 

メモ『マッキンゼーで学んだ時間の使い方がうまい人の一瞬で集中する方法』大嶋 祥誉(PHP研究所 2024.3)
【満足度】★

【概要・所感】マッキンゼー出身の著者が集中する方法を伝授してくれると思ったのですが、集中できない現代事情の考察(スマホ等のIT化)等から始まって、解決法にしても、すでに一般的に知られている内容が多く、新しい知見等ありませんでした。第4~5章の「大嶋流の集中する方法」などはほぼエッセイに近い内容。

9月に読んだ本は3冊(図書館本3冊)でした。

見事に昭和陸軍軍人の3人の評伝。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『渡辺錠太郎伝』岩井 秀一郎(小学館 2020.2)
【満足度】★★★

【概要・所感】 二・二六事件で暗殺された唯一の陸軍大将・渡辺錠太郎の評伝。そもそも事件の細部は全く知らなかったのですが、渡辺将軍の次女・渡辺和子の証言にあった“父の血を浴び、肉片が飛び散る”という生々しさ、こういうのも学校の近現代史の授業で教えた方がいいですね。渡辺は、山県有朋の副官を二度も務めたので、それを利用して出世もできたはずですが、「学者将軍」と言われた彼は、梅津に同じく政治的な立ち回りや権力闘争を極端に嫌う性質だったようで、結局、陸軍三長官の一つである「教育総監」が最後のポストとなりました。もし、二・二六事件で暗殺されなければ無謀な戦争に突入する可能性がいくばくか低くなったかもしれないと思わせます。和子氏と渡辺将軍を殺害した高橋少尉の弟氏との邂逅も興味深かったです。

【ポイント】

*狙われた六人の中で、岡田、斉藤、鈴木の三人は海軍大将で、陸軍大将は渡辺錠太郎のみ

 だった。襲ったのは陸軍の一部であるから、彼らは自分たちの所属する組織の上層部の人間を

 殺害した =中略= 渡辺は、首相経験も大臣経験もない純粋な陸軍軍人だった。(p.44)

*五・一五事件や二・二六事件の発端は、やはり金解禁にあったといっても、私は言い過ぎじゃ

 ないと思うんです。(p.185 経済評論家・高橋亀吉)

 ⇒浜口内閣の蔵相・井上準之助は血盟団のテロで殺害

「陸軍改革」という大きなことを、いきなり少佐程度のメンバーだけでできるはずもない。永田

 らは長州閥に属さない有力と見られる将軍たちを担ぎ出そうと考えた。彼らが支援すると定め

 たのが、荒木貞夫、真崎甚三郎、林銑十郎だった。(p.190)

*永田は陸軍省の軍事課長だったが、上司は軍務局長、すなわち宇垣擁立に動いた小磯国昭

 だった。

 ⇒三月事件・・・桜会のが陸相・宇垣一成を首相に擁立するクーデター計画

*小畑の戦略論は、=中略= 「対ソ早期開戦論」だった。=中略= 対して、永田はソ連の

 準備がそれほど早く整うと考えておらず、対ソ開戦の時期を早々に決定してしまうのは誤り

 だとしていた。=中略= この永田と小畑の対立は、単なる両者の仲違いでは済まなかった。

 陸相の荒木は小畑の作戦に関する才能を非常に評価しており、小畑の話に耳を傾けることが

 多かった。(p.199~200)

*荒木は陸相を退き、=中略= 後任の林は教育総監からの横滑りだが、当初荒木は、自身の

 盟友である真崎を陸相に据えようとしたらしい。ところが、参謀次長だった真崎の陸相就任

 に対し、上司だった閑院宮参謀総長が強く反対した。=中略= 閑院宮は真崎が自分を無視

 して勝手に振る舞うことにかなり腹を立てていたようで、以後も真崎と敵対的な立場をとる。

 (p.203)

*真崎については「影の実力者」といったイメージがあったらしく、「荒木は真崎のロボットだ」

 とまで評された(p.203)

 ⇒意図的に若者の人気を取ろうとして、次長時代、若手将校と昼食を共にしていた

*林の陸相就任には渡辺が相当に手を回し、下地をつくった =中略= 林があまりにも主体性

 のない人物のように映ってしまうが、実際、同時代の人からは林の評判はあまりよくなかっ

 た。=中略= 永田が林と推した荒木や真崎とはだいぶ異なる。(p.210)

*渡辺は真崎らとの敵対姿勢を隠そうともしなかった。他の参議官が仲裁に入らねばならない

 ほど、強い調子で責任を問うている。(p.234)

*渡辺の訓示は、「教育総監が天皇機関説を支持した」として大問題になる。=中略= 真崎の

 更迭に加えて、この名古屋での訓示が大きな要因となり、渡辺が二・二六事件の襲撃対象に

 加えられることになったとする見方が根強い。(p.236)

 ⇒渡辺の主張は「天皇機関説は個々で議論せず、陸相の判断に一任し、その統制に従え」という

  ことだったが、青年将校の間では天皇機関説に賛成していると悪意をもって受けとられた

*南(次郎)は閑院宮と同じく騎兵科出身で、派閥的には宇垣一成に連なる。宇垣閥は荒木が

 陸相となってからはほぼ一掃されており、皇道派とは敵対的な関係にあった。つまり、渡辺

 とは「敵」を同じくする。(p.241)

*しぶしぶ渡辺陸相案に同意をしていた荒木が、=中略= 永田遭難後になって渡辺陸相案に

 反対したということは、昭和九年段階では渡辺がそこまで脅威として見られてはおらず、

 恐らくは教育総監就任後に初めてその恐るべきを知ったことを示していると見ていい(p.243)

メモ『武藤章 昭和陸軍最後の戦略家』川田 稔(文春新書 2023.7)
【満足度】★★

【概要・所感】 武藤章は永田鉄山の後継として陸軍をリードし、戦後、最年少でA級戦犯となり、死刑判決を受けた人物。(東条からは「君を巻き添えに合わせて気の毒だ。まさか君を死刑にするとは思わなかった」との発言もあった) 日中戦争においては戦局拡大を主張、そして三国同盟・南北仏印進駐の決定に深く関与する一方、日米開戦には反対し続けた軍務局長時代の武藤に焦点を当て、彼の行動と思想を考察。陸軍は石原ー永田ー東條・武藤・田中新一の世代交代のゴタゴタ(主導権争い)で歯止めが利かなくなっていった感もあり、現代のビジネス界隈でも政治界隈でも同じような話があるように思いますが、自虐史観ではない本当の意味で戦争の総括は出来ているのだろうかと感じざるを得ません・・・。

【ポイント】

*今村は、事変当初は石原ら関東軍の行動を、やむをえないものと見ていた。だが、その後、

 関東軍が北満出兵や錦州攻撃を企図していることを知ると、国際的な配慮から =中略= 

 抑制しようとした。武藤はそのような今村に反抗して、石原ら関東軍の動きを支援(p.20)

 ⇒武藤は作戦課員、今村は上長の作戦課長

*永田と武藤は、教育総監部第一課で二ヵ月、情報部で一年四ヵ月、軍務局で五ヵ月、同じ部署

 に属した。(p.27)

*武藤の対中強硬論の主要なねらいは、石原作戦部長による華北分離工作中止の方針を打破し、

 華北の軍需資源を確保することにあった。(p.37)

 ⇒石原は対ソ戦備充実を最優先課題に中国との紛争を避けようとしていた

*武藤は国防国家体制の確立には、国内の体制整備のみならず、「自給自足経済体制」の確立、

 ことに資源の自給自足が必要だと考えていた。(p.48)

*永田の時代には、中国の資源で自給自足が可能と考えられていた。だが、今や、中国の資源

 のみでは長期の国家総力戦には対応できない、と武藤は判断していた(p.50)

大東亜生存圏、大東亜共同経済圏の設定が、戦前昭和史において武藤が果たした役割の最も

 重要なものであろう。(p.53)

*武藤の真のねらいは、三国同盟を日独伊ソの四国連合に展開させ、それによって日本の国策

 遂行に対するアメリカの介入を押し止めることにあった。(p.99)

 ⇒対米戦を危険視していたので三国同盟は対米戦のためではでなく、回避するため

*一九四○年一○月、田中新一が、北部仏印進駐問題で更迭された冨永恭次の後任として、参謀

 本部作戦部長となった =中略= 東条陸相の意向によるものだった。田中は東条が関東軍

 参謀長だった時期、東条の「一番の幕僚」とみられていた。(p.116)

 ⇒陸軍内での戦略決定における一番の阻害要因となっていく

*陸軍トップの東条陸相は、長く中央を離れていたため独自の構想をもっておらず、武藤や田中

 の構想や政策に最終判断を下す立場だった。(p.116)

陸軍中央では、来たるべき独ソ開戦への対応について、事態を静観すべきとする武藤ら軍務局

 と、北方武力行使と南方進出を主張する田中ら作戦部の深刻な対立が生じた。(p.154)

 ⇒独ソ戦により日独の対米牽制力が低下するのでソ連を屈服させ、独を英に向かわせたい

*南部仏印進駐は、当地の資源獲得とともに、さらなる南方作戦が必要になった場合の軍事基地

 の確保を目的とするものだった。(p.164)

*陸軍は、タイに兵力を進めれば、イギリスは強い危機感をもち、「米英の反発は必至」だと考え

 ていた。それゆえ逆に、=中略= 南部仏印なら、シンガポールは爆撃圏内に入るだけで、

 直接攻略することは困難 =中略= これが、南部仏印に武力進駐しても、戦争に至るような

 決定的な事態にならない、と判断していた大きな要因だと推測される。(p.174)

 ⇒進駐により米英関係は悪化するとは見られていたが、蘭印石油資源確保の渇望が切実だった

*武藤は、南北同時戦争に陥ることを回避するには、彼自身、対日禁輸強化を危惧していた南部

 仏印進駐実施を容認し、まずは対ソ開戦が不可能な状態を選択するしかないと考えていた

 (p.185)

 ⇒実際、田中は北方武力行使を断念する

*アメリカの対日石油全面禁輸と、その後の対日戦決意は、イギリス存続のためにおこなわれた

 といえよう。(p.192)

 ⇒ソ連の崩壊はドイツに資源等工業力をもたらし、より大規模な攻撃でイギリスに向かわせる

*中国からの全面撤兵とそれにともなう特殊利権の放棄は、これら永田以来の営為の結果が全て

 無に帰することを意味した。=中略= 対米戦回避に力を尽くそうとした武藤といえども、

 容易には、そこまでは踏み切れなかったといえよう。(p.246)

*一九四二年四月、南方戦線視察直後、武藤は軍務局長を解任され、近衛師団長に任命される。

 =中略= 武藤解任について、正確なことは分かっていない。(p.252)

 ⇒岡田啓介や東郷外相に、戦争終結に導くため首相に辞めてもらうしかないという話が東条の

  耳にはいったという説も。

*「私の不思議に思うのは、日本の某々新聞が、東京裁判を連合国対被告と思い込んでいること

 である。被告に対していかに憎悪を感じても、彼らは日本を代表している。彼らが侵略者で

 あれば、日本も侵略国である。」(p.270 武藤談)

*対米戦回避に意を注いだ武藤への死刑判決を意外に思う関係者も少なくなかったが、この判決

 については、軍務局長在任中の行為は終身刑相当だが、スマトラやフィリピンでの残虐行為の

 責任から死刑になった、との見方がある。(p.271)

武藤をはじめとする昭和の日本が持ちえなかったのは、そうした環境の変化への対応力でも

 あったのではないだろうか。(p.275)

 ⇒アメリカは独ソ戦という新たな事態を受けて政治・外交など対日戦略を変更した

 

本『東條英機』一ノ瀬 俊也(文春新書 2020.7)
【満足度】★★

【概要・所感】 現在においても厳しい批判の対象とされるA級戦犯として処刑された東條英機とは極悪人の独裁者だったのか?また、彼のやり方を現代から見た結果論ではなく、戦時下の国民はどういう風に見ていたのか?も気になります。天皇に忠実で生真面目な努力家であった一介の軍人が、いかにして総力戦指導者として戦争敗北への道を突き進んだのか、東條の実像に迫っています。東條に限らず、昭和の軍人は“その叩きこまれた強烈な自負心は根が純真であるだけに勇ましく尖鋭な実行力となり、どこまでも走らずにはいられない”という内面が全員に備わっているように思います。戦争責任者の東條の場合は、国家としてその精神主義と現実問題の乖離を埋められずに、ひいてはそれが日本の敗因にもなったのではないでしょうか。
【ポイント】

*名門第一連隊長への就任は、エリートコースに乗ったことを意味する。東條は部下をよくいた

 わった名連隊長で、「人情連隊長」とあだ名されていたと言われている。(p.55)

*二葉会と木曜会は、前記の張作霖爆殺事件を契機として、陸軍上層部を突き上げる圧力団体へ

 と変化していく。(p.65)

 ⇒政党内閣や軍上層部に対する不信感が統制無視につながり、国家国軍のためなら超法規

*真崎と永田・東條はのちに激しく対立するが、このころは反金谷・南次郎(宇垣一成系)で

 結束(p.68)

*永田と小畑は =中略= ソ連が所有していた北満鉄道の買収問題をめぐって決定的に対立

 した。(p.76)

 ⇒対ソ戦志向の皇道派/部内を統制し総力戦体制整備の統制派

 ⇒林陸相が恣意的な人事の目立った荒木・真崎を嫌いはじめていた

*明治~大正期の陸軍は、藩閥という「出自」の論理で動いていた。しかし、よくも悪くも「デモ

 クラシー」化した昭和期にものを言ったのは数の力、すなわち「世論」であった。(p.79)

*近年の研究では、陸軍の総力戦体制論が少なくとも満州事変までは国民主体の、議会や政党

 との協調を重視していた(p.84)

*第一師団長時代の真崎は部下である第一連隊長の東條を「東條連隊長は日本一の連隊長だよ」と 

 口を極めて褒めていた(p.91)

*一九三五年七月十六日、真崎は彼を嫌うようになっていた林陸相と閑院宮参謀総長によって、

 教育総監の座を追われる(p.105)

 ⇒真崎の更迭に皇道派は激怒し、永田を黒幕と見なした

*東條は同年九月二一日付で関東憲兵隊司令官に就任し満州へ渡る。東條が永田と同じ運命を

 たどるのを危惧した林の配慮だったという(p.106)

*東條は、第一次近衛内閣の陸相となった板垣征四郎の補佐役として、三八年五月三○日、陸軍

 次官に就任した。東條を選んだのは、その事務能力を高く評価した近衛である。(p.117)

 ⇒石原系の板垣に統制派の東條を配して、陸軍をコントロールしたかった、とも。

*岩畔は「天皇陛下に関しては、東條さんは小学生のような如く忠臣であった」という。(p.122)

*東條の仕事ぶりは、たしかにカミソリ大臣、電撃陸相と呼ばれるに値するものだった。

 (p.142)

 ⇒業務の細かいところまで目を配り、不手際があれば叱責もしている

*東條の”悪名”をなした理由の一つに、一九四一年一月八日、陸相として出した訓令「戦陣訓」が

 ある。(p.144)

 ⇒降伏投降を禁止したものとされ軍事課長・岩畔が板垣陸相に提案し、完成時は東條陸相

*東條の「思想戦」や「経済戦」そして「国民の給養」に気を遣う態度は、彼の個人的なものという

 よりは、第一世界大戦後の陸軍が組織として主に敗戦国の独国より得た”教訓”に根ざした

 もの(p.148)

*「大衆層」は「従来の総理大臣に見られなかった東條首相の、気軽な、そして、きびきびした

 「町の探訪」に多大な好感を寄せている」(p.153)

*東條がここまで大陸駐兵に固執したのは、先に衆議院や枢密院でなぜ陸軍は中国から賠償金や

 領土をぶん取らないのかと突き上げられており、せめて駐兵だけでも「事変の成果」として

 国民の示す必要があったからである。何もとらず、おめおめと米国に屈することはできないと

 いうのだ。(p.178)

*かつての陸軍は自ら責任をとることなく、内閣で自分の利益のみを主張していればよかったが

 現役の陸軍将官たる東條の首相就任は、そうした無責任な態度を許さなくなった(p.186)

*一○月三○日、嶋田は=中略=前任の及川と違い、対米戦争も止むなしと判断したのだ。

 海軍は海軍で、対米屈服の全責任を押し付けられるのを拒絶したのであった。(p.190)

*東條は天皇の忠実な軍事官僚として、天皇の前で全会一致の手続きを重んじたのである。(p.202)

*この戦争は名称をめぐる陸海軍間の食い違いがあった。陸軍は「大東亜戦争」と称し、=中略=

 海軍側は「太平洋戦争」「対米英戦争」を提案し、太平洋正面で「決定的に戦」う、つまり短期決戦

 をめざす(p.204)

*東條が「上奏癖」といわれるほどに天皇への報告を怠らなかったことにより、その信任をかち

 えていたことは有名である。(p.221)

 ⇒独国民の飢えが敗戦につながったことを重要視。天皇も国民生活を重大問題に。

*東條は、ガ島作戦における制空権確保の重要性を、控えめながらも陸軍部内でいち早く指摘

 した(p.)

 ⇒航空総監、航空本部長の経験があり、航空重視の感覚は絶対的なものがあった(戦史叢書)

*昭和天皇は=中略=「要するに、彼は、近衛の聞き上手で実行しないのに反して、聞き下手で

 直ぐ議論をやるから人から嫌われるのであろう」と東條評を語っている(p.240)

*東條は、<日本の物質力+精神力>で<米国の物質力>を克服し勝つという発想に傾きつつ

 あった(p.286)

*天皇から見ると、東條はこれ以上首相の地位に固執して「世論」の反感が天皇に向かってしまう

 のを避けるため、辞表を出したことになっている。つまりは自分をかばうために一身を犠牲に

 した忠臣である。だから「立派」なのである。(p.309)

結果的には東條が故人となった杉山と永野にかわり、開戦の全責任を一人で背負った形と

 なった(p.359)

8月に読んだ本は5冊(図書館本5冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

メモ『ペリリュー玉砕』早坂 隆(文春新書 2019.6)
【満足度】★★

【概要・所感】 太平洋戦争の激戦地・ペリリュー島。昭和19年9月〜11月にかけての戦闘が行われた島です。・・・と言われても、本書を読むまでは、そんな島の名前とか聞いたこともないし、どこにあるのかも知らないし、なぜそんな名前も知らないような島で激闘が行われたのかも全くわかりませんでした。(調べたらパラオ諸島の一番南) 中川洲男大佐率いる日本軍約1万の守備隊に対して米軍は4万2千人と4倍ほどの兵力差があったのに第一海兵師団は史上最悪の損害を被ったとされ、その74日間の激戦のあと行われた沖縄戦や硫黄島での戦い方に影響を及ぼしたと言われています。第四章から最終章までは、生き残った兵士など関係者からのインタビューで中川大佐の人物像に迫っていますが、現代に生きる我々にもリーダーたる人物はかくあるべしということを教えてくれます。ちなみに本筋とは関係ありませんが、中川大佐が、西南戦争時に西郷方の一兵士として参戦した父に対峙した歩兵第二連隊の連隊長としてペリリューに布陣したとのことで、これにはなんとも因果な縁を感じざるを得ませんでした。
【ポイント】

中川が連隊長となった歩兵第二連隊は、茨城県の水戸を編成地とし、「陸軍最強の精鋭部隊」

 との呼び声も高い部隊であった。(p.70)

日本軍では、陸軍は中国大陸や朝鮮半島、海軍は太平洋区域と責任が総じて棲み分けられて

 おり、島嶼部の防衛は海軍陸戦隊が主に担っていた。しかし、太平洋戦線の戦況の逼迫を

 受けて、陸軍の精鋭部隊が島嶼防衛にあたるよう変更になったのである。(p.82)

 ⇒満州の第十四師団をニューギニア(のちにマリアナ)・第二十九師団をマリアナ諸島へ派遣

*パラオは「内南洋」にあたるため、絶対的国防圏内として認められたことなる。軍中央はこの

 決定に基づき、パラオ方面の防備を強化する構想を固めた。=中略= 十月には豪北方面に

 第二方面軍が設けられ、パラオはその後方兵站基地とされた。(p.110)

 ⇒昭和19年3月パラオの空襲を受けて第十四師団の行き先がパラオに変更された

*現場からの叩き上げである中川は、徹底した「準備の人」でもあった。(p.121)

 ⇒島内の視察の多くの時間を割く。作戦担当や大隊長も同乗させ上空からも地形を検証

*中川大佐は将校を定期的に昼食などに呼んで一緒に食事をし、そこで陣地の配備や兵員の動き

 などを聞くということを常にやっていたそうです。縦社会である軍隊では、連隊長ともなると

 自分の側近を通じて下に指示を出していくのが普通なわけですが、中川大佐の場合は末端の

 将校にまで直接、話をした(p.130 第二大隊第六小隊長 山口氏)

*グアム島が陥落した結果、第三十一軍司令部は機能を喪失。その影響から、パラオ地区集団は

 第三十一軍から南方軍に編入された。総司令官は寺内寿一元帥である。(p.142)

*マリアナ諸島を陥落させた米軍の次なる目的は、フィリピンの奪還であった。=中略=そんな

 中で米軍が注目したのが、フィリピンの近隣に位置するパラオ諸島であった。中でも大規模な

 飛行場があるペリリュー島は、フィリピンを奪還するための拠点として最適な地と判断された

 (p.143)

 ⇒日本軍も十分に予測しており、原住民と在留邦人を避難させた

*玉砕を覚悟した訣別電報の末尾で、御嘉尚の数の訂正を依頼する。中川とは、そんな「細やか」

 な人物であった。(p.214)

 ⇒極限の戦いの中、先の電報で御嘉尚の数を間違えてしまった

 

本『誰が一木支隊を全滅させたのか』関口 高史 (芙蓉書房出版 2018.2)
【満足度】★★

【概要・所感】 著者は防衛大学准教授でガダルカナル戦を考察した著作が多数。その中でも本書は一木支隊にフォーカスして、定説を史実に基づき検証しています。一木支隊は旭川を出て宇品からサイパンへ。そして、サイパンからミッドウェー(イースタン島)への前進中にMI作戦の敗北により南鳥島へ。しかしそこには部隊を展開させる場所も食料もないと分かり、途中で針路変更し、グアムへ。防諜上の問題によりグアムで二か月過ごした後、旭川へ戻る予定だった話が、パラオへ転進。再び行き先の変更でトラック島へ行く、第十七軍隷下に入ることに。そしてガダルカナル島へ直行・・・という数奇な運命をたどります。以前、一木大佐の年老いた娘をテレビで見ましたが、隊を全滅させた部隊長の負い目を背負って生きてきた姿には胸が締め付けられる思いがしました。
【ポイント】

*戦争によって国運を開く、それが当時に「常識」だった。(p.44)

 ⇒戦争がはじまり、皆が祭りのように浮かれていた

一木支隊はミッドウェー作戦に参加する唯一の陸軍部隊(p.53)

 ⇒第七師団はフィリピンへの上陸作戦想定で訓練をしていたところ、田中作戦部長が一木大佐

 の経歴と盧溝橋での活躍を知っていたことから歩兵第二十八連隊に白羽の矢が立った

*日本軍にとってオーストラリア進出の道筋に当たるソロモン諸島の価値が陸軍と海軍では

 異なっていた。(p.81)

 ⇒海軍はオーストラリア侵攻を視野。陸軍はFS作戦失敗により重慶・インド洋に関心

第十七軍は、=中略= 「FS作戦」を担任するために新編された。大本営直属の軍(p.105)

 ⇒軍司令官は百武晴吉中将。二見秋三郎参謀長

*ガダルカナル島奪回の条件をめぐり、中央では「時間」を優先するのに対し、二見参謀長は

 「態勢」を重視(p.115)

 二見:一木支隊のような小部隊を派遣しても意味がない。ポートモレスビー攻略に集中すべき

 参謀:大本営からは一木支隊を直ちにガ島へ派遣し、飛行場を封殺せよとの意向

*二見参謀長は責任感の強い一木支隊長に過大な任務を与えることは、支隊長を窮地に追いやる

 ことになると感じていた。(p.124)

*そもそも松本参謀(※第十七軍作戦担当の高級参謀 中佐)は、大本営への恭順を示すために

 一木支隊を二組に分け、駆逐艦六隻でガダルカナル島へ上陸させる計画を発案した(p.129)

当時の陸軍では、米軍の一個師団に対し、日本軍一個連隊でも駆逐できるという自惚れが

 あった。(p.137)

*辻中佐こそ、後日、大本営の作戦の失敗を覆い隠すため、現地部隊の失陥を論い、その責任を

 なすりつけた張本人と目される人物である。(p.225)

*ガダルカナル島における一木支隊の全滅と川口支隊の攻撃失敗は、帝国陸軍の不敗伝説が米軍

 の前に躓いたことを示した。(p.232)

*一木支隊は支隊と言っても、一個大隊基幹であり、支隊のほとんどの将校は少・中尉などの

 尉官であり、戦術能力には限界があった。大佐は一木支隊長ただ一人、中佐はおらず、少佐は

 二人、しかも一人は第二梯団を率いていた。さらに大尉も数名で多くの中隊長は中尉だった。

 (p.263)

 ⇒ガ島のような戦場は自律型の戦闘が求められるが、経験豊富な実兵指揮に長けた将校は不在

*一木支隊は戦いに勝つことはできなかったが、支隊長の統率は成功したのである。(p.264)

 ⇒緒戦で負ければ士気は低下し、国民の信頼も失う。そのため教訓を学ぶことなく封印された

 

本『昭和の怪物七つの謎』保阪 正康(講談社現代新書 2018.7)
【満足度】★★

【概要・所感】東條英機、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂についての考察から昭和の、あの戦争を解明する。結局、面白かったのは東條、石原でしたw 軍人の評伝を読んでいくと、個人の優秀さだけでなく、日本特有の組織の論理や国民性が絶妙にマッチングして“昭和の怪物”を生み出した気がします。

【ポイント】

*東條は中堅将校の頃から第一師団長の真崎甚三郎ときわめて良好な関係だった(p.8)

 ⇒若い将校をたきつける真崎の私心に不信感を持ち、注意し、真崎も東條は生意気となった

*東條は、昭和九年八月に東京から久留米の師団長に飛ばされてしまう。=中略= 皇道派が力

 を持っている陸軍内部で、東條は久留米の旅団長として軍人生活を終えるだろうといわれた。

 (p.9)

*永田の血染めの軍服を宿泊先に持ってこさせたという。その永田の軍服を、東條は自らの軍服

 を脱ぎ捨てて着ている。そして永田を殺した将校や皇道派への復習を誓った(p.10)

二・二六事件が、陸軍中央から追われつつあった東條の運命を変えることになった =中略=

 事件が起こったあと、=中略= 二人の将官が、誰よりも早く決断を示した。一人が第二師団 

 (仙台)長の梅津美治郎であり、もう一人が東條だったのである。(p.12)

*東條のように強引で、自らの権限しか考えない軍官僚こそが陸軍を動かすにふさわしいと陸軍

 内で考えられていた(p.12)

*木戸は強硬派の陸軍を抑えられるのは逆にその指導者である東條しかいないだろう、=中略=

 と考えるに至った(p.17)

 ⇒虎穴に入らずんば虎児を得ずだね、と昭和天皇が漏らした

*東條さんは軍人としてはアメリカとの戦争やむなしという側にいた。とくに陸軍大臣のときは

 ね。しかし、首相になって陛下から白紙還元を命じられ、=中略= そうはできなかった。

 =中略= だからひとたび戦争になったら勝たなければ、との姿勢に転じた(p.29 赤松貞雄)

*戦争というのは東條さんは、最後まで精神力の勝負だと考えていたことは間違いないと思うね

 (p.47 赤松)

*東條には思想も意見もない。私は若干の意見も持っていた。意見のない者との間に対立がある

 訳はない(p.60 石原莞爾)

*「東條と石原」の対立を見ていくと。昭和陸軍の過ちはやはり昭和十年代の人事異動にあった 

 (p.82)

*石原は作戦部長から、関東軍参謀副長に転じる =中略= 参謀長は東條英機であった。

 =中略= 東條と対立させ、陸軍から追い払って予備役に編入させる意図を含んでいた。

 (p.104)

*二・二六事件が、=中略= 四日間を鎮圧までに要したのは、天皇の意思が無視された結果

 (p.110)

 ⇒指導者たちは自身の計算を優先させて断固討伐をためらっていた

*林に列なる一派は統制派と評されたが、こちらは永田鉄山、南次郎、東條英機といった軍人

 たちで、軍事独裁政権を樹立するには非合法活動より合法的に権力を握るべきであると考え、

 青年将校をおだてあげているとして荒木や真崎と対立していたのである。(p.122)

*青年将校から見れば、石原は永田に直結する軍人である点では暗殺対象にすべきであるとする

 一方で、石原はわれわれの考えをわかってくれる、決して敵ではないと説く青年将校も存在

 したのである。(p.125)

*満州事変から三カ月、軍部がゴリ押しして政治に介入してくる事態をとにかく犬養で乗り

 きってほしいと天皇は考え、大任を托した(p.147)

*第二次大戦下の太平洋戦争では、日本は六十ヵ国余の国々と戦争を行った(p.257)

*東條には思想や哲学がないとはよく言われたが、いやむしろこの軍官僚は思想や哲学の意味が

 わからずにひたすら現実の中で二つの選択肢のうちのどちらかを選ぶかばかりに戦争を進めて

 きたというべきだった。(p.276)

 

本『自分で選んでいるつもり』リチャード・ショットン(東洋経済新報社 2024.5)
【満足度】★★

【概要・所感】行動経済学の本です。普段、買物をするとき、我々は自分で主体的に選んで買物しているつもりに見えて、実は巧妙に選ばされている話のある意味、タネあかしです。人間はいかに周囲の環境や、情報の提示の仕方が選択を左右しているかを認知バイアスで紹介。行動経済学を知っている自分にはオーソドックスな内容。翻訳本なのでエビデンスがやや冗長でした。
【ポイント】

*人間にとって「考える」というのは、ネコにとっての「泳ぐ」。できなくはないが、なるべく

 したくない(p.10 ダニエル・カーネマン)

*フット・イン・ザ・ドアのテクニックは要求の大きさを実際に変える。ドア・イン・ザ・

 フェイスのテクニックは、大きさの印象を変えている(p.54)

*名詞は「自分はどんな人間か」を表す。そのため名詞のほうが強い説得力をもつというわけだ。

 (p.178)

 ⇒○投票・定期購読 ×投票すること・定期購読

*人は出来事を流れとして憶えるのではなく、一瞬一瞬を切り取る形で心に刻む(p.255)

 ⇒記憶は映画ではなく写真を撮る。

  ピーク・エンドの法則=体験した出来事のピークが記憶に残りやすい

 

本『昭和史講義 軍人篇』筒井清忠/編 (ちくま新書 2018.7) ※再読 
【満足度】★★
【概要・感想】ちくま新書の昭和史講義シリーズ。前書きで昭和時代の陸軍の派閥抗争についての解説、本章でお馴染みの戸部良一氏ほか各分野の研究者が昭和の軍人14名を解説していく構成です。
【ポイント】

*陸軍の中枢では明治以来、山県有朋を中心にした長州閥が桂太郎、寺内正毅、田中義一と受け

 継がれてきたが、大正後期・昭和初期には人材が切れ、岡山出身で長州閥の庇護を受け昇進

 してきた準長州閥の宇垣一成を軸にした宇垣閥へと展開していった。

 これと対抗したのが大山巌に始まり上原勇作を中心とした薩摩閥で、武藤信義らを経て、真崎

 甚三郎・荒木貞夫などを擁する九州閥に転生していく(p.13~14)
*昭和期の軍は一枚岩ではなかった(p.39 要約)
 ①陸軍と海軍 ②中央と出先 ③国務と統帥

*軍の政治化は、つまり、危機に直面した政治家が気概を喪失したことでも促進された(p.43)
 ⇒軍は暴走するという認識の中、生命の危機に脅かされながら意思決定できない政治家
*東条英機(p.35~)
 山県、桂、寺内に続く、近代史上四人目の現役軍人の首相。国務と統帥の責任者を兼任する

 のは内閣創設以来初。師団を率いた経験はないが、軍事官僚としての高い実務能力で次官、

 大臣に就任。

*梅津美治郎(p.53~)

 関東軍司令官は、原則的には皇族を除く現役陸軍大将の中で最古参が任命されていたが、梅津

 は中将で、異例の大抜擢であった。功名心に走らず、幕僚の言いなりにならない確固たる信念

 を有する人物という条件に合致した。翌年の陸士15期のトップを切って陸軍大将に昇任。
*阿南惟幾(p.71~)
 阿南陸相待望論は、畑陸相の頃から陸軍内外に広がっていくが、戦局の悪化によりその声は

 大きくなっていった。彼の精神主義が、不利に傾く戦局の打開に不可欠な価値として陸軍
 内に認識されていたことを物語る。鈴木貫太郎内閣の政権運営は「徹底抗戦論」を排除すること

 なく、耳を傾けながら内閣瓦解を避け、戦争終結の機会をうかがうスタイル。それには中堅層

 の信頼が厚い将官の阿南の陸相就任と、和平派の米内の留任であった。
*鈴木貞一(p.87~)
 東條の側近として国を誤った元凶の一人。陸軍のトップエリートでありながら、部隊勤務は
 少なく、中央でのデスクワークで終始した異色の軍人。個々の局面での政治判断は正鵠を
 得ているものの、処世のため近衛や東條の決断に依存。
*今村均(p.161~)
 ラバウルの名将と呼ばれる。今村は南寧作戦が成功した時点こそ、日中終戦の絶好の機会

 だったと振り返る。(延々と中国各地に軍隊を駐留させ、戦闘を継続した)

 今村の人道的な軍政は、現地住民、部下将校、のちに敵軍からも絶大な称賛を受ける。当初、

 死刑判決を受ける予定だったが、現地住民の支援もあり、禁固10年の刑に。
*米内光政(p.197~)
 海軍兵学校は中位の成績だった米内が艦隊や本省で最高位に就くことは異例。

 2年半の海軍大臣時代・6ヶ月の総理大臣時代・終戦までの1年半の海軍大臣時代それぞれの

 期間、平和に尽くした政治家として評価
*永野修身(p.215~)
 日本海軍の歴史で、海軍省(海相=軍政)、軍令部(総長=統帥)、聯合艦隊(司令長官)
 という三つの重要ポスト全てで長を務めたのは永野のみ。
広田内閣総辞職と一緒に海相を辞す 

 が転出先は聯合艦隊司令長官。10ヶ月後、軍事参議官へ退いた後、四十一年四月、伏見宮の

 後任として軍令部総長に就任。(皇族を頂いたまま重大な決断をした場合、天皇に累が及ぶ

 のを危惧し、陸軍は杉山元に交代していた)現状ままでは日米間の軍事力の差は広がっていく

 ので有利なうちに戦争した方が良いという考えを公式の場で表明した最初の責任者。

 石油の備蓄が無くなってから米に攻撃されたら手も足も出なくなるという危機感から、

 あやふやな見通しでも直ちに戦争に踏み切り、地盤を取っておいた方が三年後に始めるより

 容易というだけで勝算は不明という無責任なもの。戦争の目算が立たないと正直に言えば、

 海軍の存在意義を失う。

*高木惣吉(p.237~)

 開戦時は若かったため、要職には就いていないが、海軍に関する著作物と、終戦時、側近

 として米内や井上成美を補佐し、終戦工作にあたった。

*石川信吾(p.253~)
 海軍省や軍令部の中堅層における対米英開戦の強行論者筆頭。

 最も影響を及ぼした経歴は軍務局第二課課長時代
*堀悌吉(p.271~)
 堀が本来就くべき、枢要なポストに就かなかったことが敗戦につながったと多くの関係者
 が認める。ロンドン軍縮条約において、条約派として大きな功績を残し、そのために加藤
 寛治軍令部長と末次信正軍令部次長の艦隊派から敵視されて海軍を去る。堀が現役将官として

 海軍に籍を置いていた場合、海相に就任する可能性が高かったため、予備役に編入された。(加藤個人の問題ではなく、時代背景の変化も影響)