読書2月 世界一のベンチで起きたこと | 読書日記

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自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

2月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

<お気に入り順>

メモ『世界一のベンチで起きたこと』城石 憲之(ワニブックスPLUS新書  2023.8) 
【満足度】★★
【概要・所感】23年WBCで栗山監督の傍らで「攻撃担当ベンチコーチ」として作戦の準備に奔走していたのが城石内野守備・走塁兼作戦担当コーチ。現役時代、華々しい成績は残していないものの(大学中退してファイターズの入団テストに合格。その後スワローズにトレード)、選手として15年、コーチとして14年と一度もユニフォームを脱ぐことなく野球界に留まり続けています。栗山監督から「話しやすいコーチ」の役割を任せられていたことから考えると栗山監督の考えるコミュニケーション力やアイデア力と親和性が相当高いのでしょう。WBCのベンチで起きていたドラマやメンバーの裏話(メキシコ戦の村上の打席!)の数々・・・昨年のWBCを思い出して楽しめる1冊です。

【ポイント】

*監督から言われてやるのでは僕がいる意味がありません。指示を待つのではなく、僕が

 自分で判断してタイムリーに監督に選択肢を進言する。そうすることで、監督は「行くか

 行かないか」の決断に集中してもらうことができます。(p.30)

*会議の進め方は、=中略= 栗山監督が意見を求めて、各コーチに話題を振って発言させる、

 トークバラエティ番組のようなスタイルです。(p.34)

*栗山監督は、=中略= まず野球選手一人ひとりへの尊敬があり、その力を信じて、

 どのように引き出すかを考える。最大限に出した力をひとつにまとめることで大きな力に

 変えていく、そんなリーダーシップのとり方をする監督です。(p.44)

*自分の目で見て、自分の心で感じた「こうなりたい」という気持ちを持って、自分の考えた

 練習をする。そのためにコーチに相談して、アドバイスをもらって実現する。(p.165)

 ⇒自分の頭で考えないと上達しない。頼られ過ぎないよう一定の距離感を置く。

 

メモ『超一流の思考法』鶴岡 慎也(SB新書 2023.9) 
【満足度】★★
【概要・所感】著者の鶴岡氏は日ハム時代にダルビッシュ専属捕手としてその球を受け、大谷翔平のプロ初勝利したときの捕手でもありました。今回、栗山監督に請われて、「ブルペンキャッチャー」としてWBCに参加。間近で見てきてからこそわかる栗山監督の「信じる力」・ダルビッシュの「野球脳」・大谷翔平の「リーダーシップ」。それ以外の侍ジャパンのメンバーの素顔も徹底解説。いろいろな名シーンの舞台裏も聞け、WBCファンは超楽しめる1冊です。

 

本『認知バイアスの教科書』 西 剛志 (SBクリエイティブ 2023.2)
【満足度】★★
【概要・所感】著者は脳科学者。『認知バイアス』とは脳が無意識のうちにやる思考のクセや傾向のこと。誰しも自分の考え方の偏りに自力で気づくのは困難なので、例えば読書を通じての自問自答や他人からの意見は重要です。本書では認知バイアスのうち、誰もが影響を受けている重要な5つを説明。その後、5大バイアスから派生したその他のバイアスを大量に紹介していく展開でしたが、繋がりはよくわからず・・。聞いたことのない用語も多く、バイアス繋がりは理解できなくとも十分、勉強になります。なお、巻末には色々なバイアスのまとめも。

【ポイント】

*注目バイアス(p.27)

 一度気にし始めると急にその対象を頻繁に目にするようになる認知バイアス

 ex.嫌なところばかり目につく

*自動性(p.90)

 理由を伝えられると脳は事実を否定できず、自動的に行動しようとしてしまう

*脳はコントロールできないもの状況に対して恐怖を感じる(p.96)

 ⇒なにかに理由を帰属させ、状況をコントロールできていると脳が錯覚するとストレスが

  減らせる ex.噂をしているとくしゃみが出る

*大脳基底核は、直感をつくり出している場所でもある(p.150)

 これまでの経験や蓄積した知識が保存されていて、そこから最適な答えを見つける機能

*バックファイア効果(p.269)

 自分の信じる世界観に合わない情報に遭遇したとき、考えを変えるのではなく、それを拒否

 して、自分の世界観にさらに固執するようになる傾向

*ツァイガルニク効果(p.276)

 人は達成できなかったり中断したことが、達成できたことより気になり、記憶に残りやすい

*代謝バイアス(p.296)

 代謝が高いほど時間を長く感じる

 

本『逆境を生き抜くための教養』出口 治明(幻冬舎新書 2023.5)
【満足度】★★
【概要・所感】脳出血で倒れた出口学長の復活までのプロセスで、どういったことを考えていたのか?普段から言っていたスタンスは崩れることなく、事実を淡々と受け入れ、リハビリに励んでいたようです。これだけ前向きに行動できる一助となっているのは、間違いなく「知=教養」だと思います。中でも、体験談としての「ダーウィンの進化論」が一番印象に残りました。

【ポイント】

*目の前の現実を受け入れ、「ではどうすればいいか」と考え、やるべきことをやる。

 僕がやったのはそれだけです。(p.17)

*逆境に直面するということは、環境が変化したということです。(p.53)

 ⇒なかったことにはできないので、与えられた環境の変化に適応する。強さや賢さではない。

*順境から逆境への変化は、たまたまそういう巡り合わせになっただけ(p.128)

 ⇒自分の工夫や努力では止められない。運と偶然の要素。

*逆境を乗り越えるための大胆な発想は、まず現状を「あきらめる」ことから生まれます。

 (p.198)

 ⇒阿部正弘の鎖国、吉田茂の自主防衛などファクトに基づいてロジカルにあきらめる

 

本『働く君に伝えたい「考える」の始め方』出口 治明(ポプラ社 2023.1)

【満足度】★★
【概要・所感】出口さんのお家芸は「数字・ファクト・ロジック」と「タテ・ヨコ・算数」、そして「人・本・旅」ですw 大きな病気を経ても何ら変わらずに、常にフラットで考えられるのは知のチカラです。改めて、出口さんの考えをお聞きすることが出来て良かったです。よく「考えろ」と言うけれど、「考える」を噛み砕くと、どういう行動のことなのかよくわかる1冊。

【ポイント】

*考える力がつくということは、ものごとの本質を見られるようになるということ(p.18)

 ⇒困難な問題に直面しても、問題の構造を捉え、シンプルに考えることができる

  悩むとは違う。歴史や価値観、数字など「知る」プロセスが必要。

*「考える」とは、まず問いを持つことからはじまります。(p.45)

 問わないと考えられない→考えられないと議論できない→議論できないと理不尽が罷り通る

*誠実に、手間をかける姿勢こそが、考える力を育てる(p.88)

 ⇒反射的に同調したり反対するのではなく「タテ・ヨコ・算数」を調べる習慣をつける

 

本『否定しない習慣』林 健太郎(フォレスト出版 2022.12 
【満足度】★

【概要・所感】人間関係で大事なことは相手を否定しないこと。シンプルな否定はもちろん、本書では良かれと思ってのアドバイスなども否定に含みます。否定しないマインドで重要なのは「相手がどう受け取ったのか」。意見の正しさの争いではなく、意見の違いとして受け入れられるかもポイントです。否定しないコミュニケーションの習慣化についてのノウハウを知りたい人は本書にてご確認を。

【ポイント】

*「なぜ、あなたがしゃべっているのか?常にその問いを自分に立てなさい」(p.102)

 ⇒沈黙は金。しゃべりたい欲求とじゃべるという行動は分けて判断する

*相手に「強い意見」を言うときは、許可は許可でも、相手に「聞く覚悟を促すような許可」を

 取る。(p.207)

 ⇒厳しい事を言っていいかな?

*怒っているという感情があるなら、それを相手に伝えたうえで、主観情報から客観情報に変換

 していく(p.212)

 ⇒私は腹が立っていて改善してもらいたいのだが、どう思う?