読書3月 私はないものを数えない。 | 読書日記

読書日記

自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

3月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

<お気に入り順>

メモ『私はないものを数えない。』葦原 海 (サンマーク出版 2023.5)

【満足度】★★★
【概要・所感】今年読んだ本のベスト3候補。MISIAのLIVEパフォーマーとして楽しそうに踊っている彼女を見たのがきっかけ。リアルに車椅子ユーザーの人??と興味を持ち、調べてみたところ本を出していることを知り、ほぼ一気読み。葦原さんは16歳のときに本当に事故で両足を失ったと知りました。起きた出来事は最終的には受け入れるしかないと頭でわかっていても、ふつうはすぐに割り切れない話でもなく、でも彼女は違った。車椅子ユーザー目線の大変さや切った足の話(本人=意識不明、「足を切るか、切らないか」の選択を強いられたご両親の話は涙)など全然想像しきれてなかった本音ベースの話がたくさん。また。障害のある人を見たら助けないといけない、というのは違う気がすると葦原さん自身が言ってしまえることに衝撃を受けました。と言っても、自分で何でも努力して人の助けを借りないことに固執する訳でもなく、自分にできないことは素直に助けてもらい、感謝する、と謙虚すぎ・・・。車椅子ユーザーとして注目される才能というか、興味が無い人、知らない人にその声(ここまでの本音)を届けられる彼女の底力は凄いとしか言い様がありませんでした。

【ポイント】

*「足がないのは、もう変えられないこと、仕方ない」 =中略= あきらめじゃない。いじけた

 んでもない。開き直りでもない。変えられないなら、「じゃあ、今の環境でどうする?」って

 考えるほうが、早い。(p.82)

*いろんな人の価値観や影響にふれて私が変っていくのなら、私も誰かを変えている(p.158)

*福祉や障がいは、「知ろう」と自分で思わなければ知ることができない。=中略= 障がい者

 だけが、まるで透明人間だ。=中略= 「知らない」で終わっている。(p.194)

人生はライブだから、何が起きるかはわからない。何がいいとか悪いとか、その一場面だけ

 切り取ったらわからない。でも、どんな悪いこともハッピーエンドにつなげられる。自分の

 受け止め方次第で。(p.214)

 

本『超コミュ力』田村 淳(すばる舎 2023.10)

【満足度】★★
【概要・所感】ロンブー淳はHSP=繊細さんと公言していますが、そのコミュニケーション論を知りたく、読んでみました。好きな人だけに好かれるノウハウについて書かれていて、コミュ力=聴く力にフォーカスしています。特別難しいことは書かれておらず、超オーソドックス。それらの言動を忠実に使いこなしているバラエティでのシーンが思い浮かびます。簡単な内容だとしてもそれが出来ている状態こそが重要で、コミュ力の無さを自覚しているなら、淳式SNS(≒ホステスのさしすせそ)を意識的に使っていくだけでも効果が出てくると思います。
【ポイント】

*相手の感情より上の表情をする(p.42)

 ⇒相手の感情に寄り添う

*田村淳式「SNS」(p.56)

 すごい・なるほど・そうなんだ

*僕は1つの質問をした後、即座に3つくらいの「なぜ」を考えるようにしています。(p.73)

 ⇒なぜを中心に話を広げる

*言いにくいことは、指摘するより、まず理由を聞いてみる(p.105)

 

メモ『「考えるスキル」を武器にする』筧 将英(フォレスト出版 2023.5)

【満足度】★★
【概要・所感】著者は元・電通の戦略プランナーを経て独立したコンサルなので、MKや広告、PR系の「考えるスキル」がメインの内容になっています。最初の3章くらいまでは汎用性がありますし、以降も普遍的なノウハウが出てきますが、マーケティング上の例が多くなってきて一般的な話に置き換えるイメージが浮かばないかも。ですが、「考えるスキル」は学校はもちろん社会に出ても誰かに教えてもらう機会がまず無いため、本書で学んでおく価値は十分あります。
【ポイント】

*「思う」は =中略= 頭の中の交通整理がされていない状態です。=中略= 「考える」は、

 =中略= 思考の流れが整理されており、道筋がきれいに通っている状態です。(p.5)

 ⇒考えた時間ではなく、量を出すことが大事。※まとめずにそのまま

*語彙が多い人は世の中を認識する解像度が高い(p.56)

 ⇒よくわからない現象を理解するため。知識のないところからアイデアを考えるのは難しい

*「わかる」とは「分ける」こと(p.43)

 ⇒分けたいものを列挙してから分ける。分けたものをラベリングするのが分析。

仕事を楽しくするには、人に言われたことをやるよりも、自分で考えたことをやること

 です。=中略= 仕事を楽しむために考える力が必要不可欠(p.225)

 

本『小さく分けて考える』菅原 健一(SBクリエイティブ 2022.12)
【満足度】★
【概要・所感】タイトルから体系的な思考法の話かと思い読んだのですが、内容はタイトルのまんまでしたw 「分解思考」とは大きい課題を小さく分解する考え方ですが、OKRや「抽象→具体」の話、大谷翔平の「マンダラチャート」と同じ概念かと思います。なんでも行動レベルまで落とし込む。本書の半分を割いているのは「分解」する作業の解説で、お題は営業やマーケティングなど、ある程度のキャリアの人なら誰でも知ってて実践している薄い内容(売上=客数×単価とか・・・)だったのが残念でした。初学者向けです。
【ポイント】

*仕事で成果を出すために必要なことは、「努力や労働量」から「頭脳労働力や効率」に置き

 換わっています。(p.2)

*分解すると2つの意見に分かれる(p.43)

 ⇒2つの切り口があって、どちらも選べるテイで提案する

 

本『日本の建築』隈 研吾(岩波書店 2023.11)
【満足度】★
【概要・所感】建築家・隈研吾による日本建築論。単なるエッセイで終わらせたくなかったという思いから執筆に8年かかったとのこと。それだけに氏の、他のわかりやす著作に比べて、格段に読みにくい。ブルーノ・タウトから始まった考察ですが、読み取れた箇所は結局、最後の最後に書いてあった、おなじみの梼原でのエピソード。「頭で設計する」のではなく、「モノから考える」方法であり、「上からの設計」ではなく「下からの設計」。専門用語も多く、ある程度、建築や設計いに携わっている人、もしくは建築史に詳しい人向け。

 

本『関西の私鉄沿線格差』新田 浩之(KAWADE夢新書 2023.11)
【満足度】★
【概要・所感】関西大手私鉄の駅の利用しやすさなど様々な角度から分析。特にへぇ~と思った知識もなく、全体的にネット記事レベルの内容でした。別の著者ですが、「関東の私鉄沿線格差」という本も出ているようです。