読書日記 -2ページ目

読書日記

自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

7月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

メモ『永田鉄山と昭和陸軍』岩井 秀一郎(祥伝社新書 2019.7)
【満足度】★★★

【概要・所感】 陸軍軍人として知名度は高くないが、必ず出てくる名前が永田鉄山。将来の日本陸軍を背負う逸材で、「永田の前に永田なく、永田の後に永田なし」とか「彼が生きていたら日本はみじめな敗戦にはならなかった」と言われた存在の軍人でしたが、相沢三郎中佐に惨殺されました。いくら永田が頭脳明晰だと言っても、太平洋戦争は日本一国の事情(ましてや軍人ひとりの影響)だけで起こったわけではなく、米英中の存在や対応があり、選択肢のひとつとして戦争に踏み切ったという流れは承知していますが、少なくとも何か違った結末にはなった気がしました。
【ポイント】

*磯部(浅一)は、永田殺害の現場である陸軍省で、エリートである幕僚たちの周章狼狽を

 見て、そこに「軍閥をたおす」好機を見つけた(p.26)

 ⇒二・二六事件の決起を間接的に促した

*東条を「型通りの秀才」とすれば、永田は「型にはまらない天才」(p.32)

*永田の所属する区隊の区隊長は金谷範三中尉だったが、永田は金谷に将来を嘱望されていた

 という。金谷はのちに参謀総長に就任するが、その人物に将来を見込まれていた(p.38)

 ⇒中央幼年学校時代。陸大時代の教頭も金谷大佐

*岡村、小畑の二人は、特に永田と親しかった。この三人は「十六期の三羽ガラス」(p.42)

 ⇒他に土肥原賢二大将、板垣征四郎大将

*バーデン・バーデンの盟約(p.74)

 将来の戦争は総力戦になることを考えればこのままの陸軍では対応できない。

 大正10年、岡村、小畑、永田は軍の改革を誓い、陸軍の長州閥の排除を目標にしたとされる

*軍内部には永田らの一夕会のほかに、桜会があった。主宰者は、橋本欣五郎中佐。(p.79)

*永田は、その後、歩兵第一旅団長を経て、軍務局長になるが、注目すべきは、経歴における

 陸軍省勤務の長さである。(p.98)

 ⇒陸軍省は編成、兵器、人事など軍政を司る機関。軍務局長は幕僚として大臣を支える

*主に軍政方面を歩んだ永田に対し、同期の小畑敏四郎は作戦面で才能を認められた。(p.98)

 ⇒永田と小畑を並べて、「前者は軍政の第一人者、後者は統帥の権威」

  荒木貞夫 「こと作戦に関しては、陸軍広しといっても小畑の右に出るものはいない」

*二葉会と木曜会が合流してできたのが一夕会である。(p.100)

 ⇒バーデン・バーデンの盟約を経て、二葉会を結成。この動きに影響を受けた鈴木貞一が

  木曜会を結成。石原莞爾も参加。その後、対ソ・対中戦略をめぐって統制派・皇道派に分裂

*相沢をはじめとするいわゆる青年将校は当初、別の問題意識から「国家革新」を唱え、やがて

 皇道派と共闘関係になった(p.127)

 ⇒荒木の大らかで精神論を信奉する態度は、青年将校に好感を持って受け入れられた

*荒木の陸相時代である昭和七年頃、小畑は参謀本部第三部長、永田は同第二部長であった。

 荒木陸軍大臣であるから、両者の直接の上司でない。しかし、小畑は荒木のもとをたびたび

 訪ね、荒木もまた小畑の話をよく聞いた。(p.139)

 ⇒永田は秩序や統制を重視し、逸脱を嫌ったので、陸相の私的顧問になっている小畑を快く

  思っていなかった?

*真崎のほうが荒木より知恵者と見られていたようで、二人の全盛期は「荒真時代」と呼ばれ、

 なかには「荒木は真崎のロボットだ」という者までいたという。(p.143)

*荒木が陸相の間は皇道派が優勢であり、彼らの天下だった。=中略= 病気を抜きにしても

 荒木の辞任は時間の問題だったとの指摘もあり、予算獲得に失敗した荒木は幕僚たちの信頼を

 失い、その地位は不安定なものとなっていた。=中略= 荒木は当初、真崎を後任の陸相に

 据えようとしたが、閑院宮参謀長に拒絶される。(p.146)

 ⇒陸軍三長官の後任人事は三長官の合意で決める慣例。閑院宮は自分を差し置いて好き勝手に

  振る舞う真崎参謀次長に嫌悪感を抱いていた

*林(銑十郎)陸相のもと、いよいよ永田軍務局長が誕生する。この時五十歳、階級は少将で

 あった。林は荒木や真崎と近しい関係にあったが、二人が威を振るう状況については快く

 思っていなかったようだ。そこで人事の目玉として永田を軍務局長に持ってきたのである。

 (p.147)

 ⇒永田の局長就任は周囲も待望していたが、林は特に熱心だった

永田の死がおよぼした影響で最も大きいのは、統制派を取りまとめる人材がいなくなったこと

 であろう。永田が亡き後、軍を率いることになったのは東条英機らだった。(p.202)

 ⇒永田の一期下の東条は傍で見る目も羨ましいほど仲が良く、永田が東条を引っ張る関係

*永田氏の叡智の前に東条氏は永田氏に師事している格好である。だが、闘志になると、東条氏

 のそれは凄まじく、猛烈な断行力、何者にも屈せず驀進する鉄のような力は、東条氏の最も

 得意とするところである。(p.202)

 ⇒騎手なき悍馬。東条は永田のような包容力をもたないゆえに多田駿や石原莞爾と衝突した

*昭和天皇は東条の真摯な態度、緻密な頭脳を高く評価している。東条が悪く言われるように

 なったのは、東条の兼職の多さ(首相・陸相・参謀総長など)と憲兵の使いすぎが原因と

 述べている。(p.223)

 

メモ『最後の参謀総長 梅津美治郎』岩井 秀一郎(祥伝社新書 2021.12)
【満足度】★★★

【概要・所感】日本が無条件降伏を受け入れ、代表としてミズーリ号に乗り込んだのが梅津美治郎大将です。彼は東京裁判でも沈黙を守り、自らについて多くを語らなかったのですが、重光葵にして“東條より板垣よりも先に陸相となっていなければならない。梅津を重用していれば軍の統制は取れ、あるいは戦争になっていなかったかもしれない”と言われ、軍の内外からも“梅津が一番しっかりしていて正しい“という評判があったようです。在任中、親分肌の軍人ではなく、統制派や皇道派にも属さず、愚直に軍内の秩序を重んじ本務以外に関わることを嫌っており、それに陸軍大学首席で卒業の優れた頭脳の持ち主だったため、警戒の目で見られることも多々あったようです。陸軍軍人にしては稀有な人物だったからこそ、二・二六事件後に陸軍次官として粛軍、ノモンハン事件後に関東軍司令官になり国際紛争を起こさせず、そして終戦前の1944年7月に参謀総長に就任し、終戦処理という大きな後始末ばかりを任されました。幹部として戦争を止められなかった責任はあるにしても、こういった軍人がいたことは知っておいていいと思います。
【ポイント】

*梅津は明治四十四年十一月に陸大を卒業するが、この時に成績は主席だった。=中略= 永田

 鉄山が二番の成績だったことからも、いかに優秀な頭脳の持ち主だったかがわかる。(p.26)

*現役武官制が内閣を倒す道具として使われてしまうが、そもそもの目的が「皇道派の復活阻止」

 にあったことはまちがいない(p.53)

 ⇒軍が大臣を出さなければ組閣出来ないが、それは政治への介入強化ではなく、二・二六事件

  で追放された皇道派の大物たちが大臣になる道を防ぐため

*陸軍省はトップに陸軍大臣がおり、次官、軍務局長がいる。ただし、命令系統として次官の下

 に軍務局長がいるのではなく、次官はあくまで陸相の補佐役であり、軍務局長は大臣に直接

 つながり、その幕僚として大きな権限を振るった。(p.56)

*参謀本部の改正が石原大佐のイデオロギーで行われたのに対して、陸軍省の改正は梅津中将の

 イデオロギーで行われたといっても過言ではあるまい。(p.58)

 ⇒兵務曲の新設・軍務課の設置。改正前は群務局長と呼ばれるほど書類の決裁に追われ、

  大臣の補佐が疎かになっていた

*「宇垣内閣」に反発したのが参謀本部作戦課長の石原莞爾である。(p.62)

 ⇒宇垣内閣阻止、林銑十郎へ大命降下、陸相に板垣征四郎を配置すれば完成という段階にきた

*柴山兼四郎 =中略= 日中が戦争状態に突入した時は軍務課長として、早期の和平にも尽力

 している。外務省東亜局長を務め、=中略= 「陸軍部内で最も正しく中国を理解する第一人

 者」 =中略= この柴山がもっとも尊敬し、評価していたのが梅津だった。(p.70)

*二・二六事件以降、陸相は寺内寿一、中村孝太郎、杉山と三人を経てきたのに対し、次官の

 梅津はずっと同じ地位にいる。下を見ても要職の軍務局長は磯谷廉介、後宮淳と交代して

 いる。(p.83)

*多田駿は中国文化に深い造詣を持ち、陸軍でも屈指の中国通と言われた人物である。石原とも

 旧知の仲で、石原以上とも言える日中戦争不拡大論者だった。(p.91)

*梅津への信頼は、五年間という異例の長期間関東軍司令官を任されたことでも証明されて

 いる。(p.131)

 ⇒満州事変以降、大中将の最古参を選ぶことになっていたが、梅津は二十数名の先輩を飛び

  越し、重責に就いた。在任中は一度も国境紛争を起こさせなかった。

*阿南は、「皇軍本来の姿に還元」するには、杉山や山田では物足りなく、同郷の先輩である梅津

 こそ、その任に相応しいと考えていた(p.134)

*参謀本部戦争指導班の種村佐孝大佐によれば、「(東條のあと)誰を陸軍大臣にするかは一に

 梅津参謀総長の発言如何にあった」(p.148)

 ⇒教育総監だった杉山元帥を推し、東條の予備役編入まで言及。人事は思い切った決断

*小磯内閣で最初に行われた目立った施策は、「最高戦争指導会議」の設置である。(p.150)

 ⇒首相も軍事に参加可能に。それまでは「大本営政府連絡会議」という情報共有の会議

*梅津総長は、すでに陸軍次官時代、幕僚の越軌沙汰に苦労しただけあって、重要事項は幕僚の

 意見を用いなかった。=中略= 梅津大将が、杉山元帥をリードし、杉山は梅津にさからわ

 なかった。梅津は天皇にも親任篤く、彼が陸軍を代表している感があった。だから、この頃の

 陸軍は、稀に見る静穏で幕僚の越軌行動も殆ど目だつものはなかった。(p.156)

 ⇒東條は参謀本部との連携に苦労し、最終的に自ら総長まで兼ねた。そのときの総長は杉山

*梅津の部下の使い方には、=中略= 陸軍次官時代は柴山兼四郎、関東軍司令官時代は田村

 義富、参謀総長時代は種村佐孝というように、誰か一人信頼できる部下を見出し、その人物を

 懐刀として使うことだ。(p.156)

*梅津が戦争継続論を唱えた話を聞き、これを父に問い質してみた。=中略= 「バカ、いやしく

 も全日本陸軍の作戦の総責任者として、もう戦争は出来ません、などという無責任な発言が

 出来ると思うか」と一笑に附された。(p.195 長男・美一談)

 ⇒表面強硬論を唱えながら、少しずつ和平に向けて陸軍の軌道を動かした

*梅津は、まさしく「合理」の人だった。阿南は、「徳望」をもって慕われた。=中略= 阿南は

 梅津に国家の後始末の役割を頼み、梅津は屈辱に耐えて、ミズーリ艦上に立った(p.232)

*昭和二十年三月と言えば、すでに硫黄島の戦いが佳境に入っており、ドイツは無条件降伏直前

 =中略= 細菌兵器の使用は、まさしく「人類に対する戦争」になっていただろう。梅津は、

 これをギリギリの段階で阻止したのだ。(p.234)

 ⇒米内海相も承認し、決行待ちだったが、「人道的に世界の冷笑を受けるだけだ」と中止させた

*梅津は満州時代に此人ありと云われた人、冷静にして思慮稠密にして折り目正しき将軍で

 ある。(p.237 重光葵)

 

メモ『罰ゲーム化する管理職』小林 祐児(集英社新書 2024.2)
【満足度】★★

【概要・所感】著者はパーソル総研の研究員。今やなりたくないものの筆頭・管理職が「罰ゲーム化」している事態を攻略するアプローチを提案。過酷な現状の分析から「罰ゲーム」の終わらせ方、そして管理職としてのやりがいや本来の使命も提示する。

【ポイント】

*性別役割分業意識を背景に、仕事を通じて女性にモテたり、妻子を経済的に支えようとする、

 マッチョで男性的な規範があることによって、たとえ管理職が「罰ゲーム化」しても、「大変

 だが、やってみよう」と覚悟を決めていく男性が現れてくれる(p.55)

*ピープル・マネジメントの問題は「管理職向けの、対人スキル・トレーニング」へと偏って

 きます。(p.160)

 ⇒対人関係という相互行為の問題を「管理職の側のスキル」で解決しようとしている根本的誤り

*「罰ゲーム」に苦しんでいる管理職は、忙しいにもかかわらず、自ら能動的に動く「アクション」

 が多すぎます。(p.215)

 ⇒会議に出過ぎ、指示を出し過ぎ、プレイングし過ぎ、働き過ぎ

*「全体のタスク量のシェア」ではなく、「期待水準のすり合わせ」(p.217)

 ⇒目の前の仕事が必要に見えているからこそ行動している。期待水準もUPしている

 

本『ドンキはみんなが好き勝手に働いたら2兆円企業になりました』吉田 直樹(日経BP 2024.9)
【満足度】★★

【概要・所感】PPIHのCEO吉田氏、上席執行役員の森谷氏、博報堂クリエイティブDの宮永氏による共著。同時期刊行の「進撃のドンキ」の姉妹本という位置づけです。ドンキはある種、本部からの制約なく自由に売りたい商売人気質の社員は働きやすいように思います。“好き勝手”という言葉の響きは魅力的ですが、創業者の安田隆夫氏が記した企業原理「源流」を理解した上で、、その枠の中で考えながら継続してやり続けるのはそれはそれで逆にしんどいシステムかもしれません。

【ポイント】

*現代の消費者にとって、日常の買い物の多くは「義務的行動」(p.228 宮永)

 ⇒「こっちのほうがいいじゃん!」と違う定番に入れ替わる。その発見の楽しさがドンキにある

*権限委譲とは、プロセスコントロールをしないこと(p.276 安田会長)

 ⇒ドンキでは丸投げしないマネジャーは評価されない。決められた範囲を深く狭く任せる

*競争意識がないと、結果に対するこだわりが減り、失敗でも成功でもどっちでもいいや、

 となってしまうため、失敗の確率が増える。つまりリスクが増すんですね。(p.291 吉田)

 

メモ『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです』伊藤 誠一郎(日本実業出版社 2023.1)

【満足度】★

【概要・所感】若手社員育成が専門のコンサルの著者による昨今の若手社員の傾向と対策。若手の社員のことを理解し、若い力が伸びる環境をつくるノウハウや良好な関係を築くためのポイントを紹介。本書に書かれているのは一般的な若手社員の傾向でしょうけど、年長者や上司が一方的に本書のノウハウを使うのも危険な気はします。上司は「声だけかけてマネジメントしている感」を戒めないといけないし、部下の「待ちの姿勢」を助長しないよう留意が必要です。

【ポイント】

*「品質を高めるために練習することは、仕事上の義務になります。しかもその良し悪しを

 決めるのは、お客様である第三者です。」(p.172)

 ⇒仕事・義務・給料が発生している・社会人・品質(自信があるなら手本に)がキーワード

 

メモ『脳から見るミュージアム』中野 信子・熊澤弘(講談社現代新書 2020.10)
【満足度】★

【概要・所感】 東京芸大准教授の熊澤氏との対談形式。全体を通して深い話は無く、美術館やアート、学芸員にまつわる雑談といった感じ。かと言って、読みやすい訳でもなく。タイトルの「脳から見る」となっていますが、脳は関係がなかったです。中野さんの鑑賞法でキュレーターの作品の並べ方や、美術館がこの時期にこの個展を開催した理由など、作家以外の視点も考えて「問いを立てる練習をしながら観る」というのは若干、参考になった程度でした。

 

6月に読んだ本は4冊(図書館本3冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

メモ『石原莞爾の世界戦略構想』川田 稔(祥伝社新書 2016.4)
【満足度】★★★

【概要・所感】満州事変の首謀者として知られる石原莞爾の戦略思想である「世界最終戦争論」を緻密に分析した一冊です。国家のグランドデザインを描き、洞察力にも優れた鬼才の石原は満州事変後、一貫して日中戦争不拡大の考えに転換し、武藤と田中と激しく対立。また犬猿の仲である東条との対立から予備役に追い込まれ、軍からは失脚。極東軍事裁判では東条と敵対したことも幸いし、罪に問われることはなく、、、もし石原の考え方のままに進んでいればその後の日本は果たしてどうなっただろうか。

【ポイント】

*柳条湖での鉄道爆破は関東軍の部隊によって実行された謀略だった。(p.9)

 首謀者は石原莞爾作戦参謀・板垣征四郎高級参謀。実行は独立守備隊の河本末守中尉

*当時宇垣派が掌握していた陸軍を改革するため、一夕会が事実上陸軍中央の人事を掌握し、

 =中略= 荒木貞夫・真崎甚三郎・林洗十郎ら反宇垣派将官を擁立しようとしていた。(p.21)

関東軍司令官は天皇に直属しており、参謀総長といえども、彼らを指揮命令する権限はもって

 いなかった(p.39)

*若槻らは、南陸相の辞職を回避し、南陸相。金谷参謀総長との連携を回復することによって、

 なおこれ以上の関東軍の暴走を食い止めようとした(p.43)

*日本政府はやむなく、満州でに軍事行動を、自衛のための一時的な行動と対外的に説明して

 きた。だが、錦州爆撃は、自衛の範囲をはるかに超え、対外的に説明がつかないものだった

 (p.48)

*石原は、満蒙領有は、対米持久戦の契機となる可能性がきわめて高いと判断していた。

 (p.103)

石原の対米持久戦構想は、=中略= 太平洋戦争開戦前夜の田中新一作戦部長の戦略構想の

 なかに、かたちを変えて引き継がれる。(p.131)

*石原が参謀本部に初出勤の日、統制派の指導者だった永田鉄山軍務局長が、白昼陸軍省の

 執務室で殺害(p.158)

*(二・二六事件後)軍中央のなかで強い影響力をもつようになったのが、参謀本部では石原

 作戦課長、陸軍省では武藤軍事課高級課員だった。いずれも永田が軍務課長在任中にそれぞれ

 参謀本部・陸軍省に呼び寄せていた。(p.167)

 ⇒武藤は、前年死去した永田鉄山の後継者と目されており、統制派を率いていた

*軍部大臣現役武官制の復活など制度改変の目途のついた同年(1936年)六月、武藤は

 =中略= 関東軍参謀として満州に転出。石原が一時、陸軍中央において主導的役割を果たす

 ようになる。(p.169)

 ⇒参謀本部を改組。戦争指導課を新設、初代課長となった。

  戦争指導課と作戦課を中心に作戦部が構成されるようになり、参謀本部の主要な権限が

  作戦部に集中するシステムになった

*石原は=中略=対ソ戦略上、米英との良好な関係を維持することが必要だと判断していたが、 

 両国は中国に強い利害関心をもっていた(p.222)

*幕僚間では、たとえ部長と課長のような上下関係でも、組織としての決定でない限り、個別的

 な命令関係にはなく、参謀総長への意見具申などが許されていた。(p.277)

日中戦争は、その発端においては、陸軍内の政策的対立に起因するもので、武藤らが石原の

 政策的指導権を破砕しようとしたことが重要な動因となっていた。(p.351)

 

本『陸軍作戦部長 田中新一』 川田 稔  (文春新書2025.1
【満足度】★★

【概要・所感】1940年10月、東条陸相の意向により47歳で参謀本部作戦部長就任、開戦を最も強硬に主張し、陸軍を動かしていった人物が田中新一です。彼が作戦部長だった対米開戦期を中心に、作戦部長を任されるほど優秀な人物がなぜ日本を破滅に導く決断をすることになったのか、彼の思想と行動を追っています。元々、個人的な疑問として作戦課の主要メンバーが東京裁判にかけられておらず(本書の主役である主戦論者の田中も戦犯指定を受けず)、一方、対米慎重論の武藤はA級戦犯で死刑、と対照的な結末を迎えたことから気になっていた人物でした。なお、田中の作戦部長としての最後は、ガ島放棄の方針に佐藤賢了軍務局長を殴り、東条に「バカ者ども!」と暴言を吐き、更迭という成り行きです。(ただ、これは作戦部長として責任が持てなくなり確信犯的に辞職した等、諸説あるようです)

【ポイント】

*「抜群な説得力」「指導力」と「比類なき迫力」で参謀本部内外に強い影響力を持っていた=中略=

 田中部長を中心に、部下の服部卓四郎作戦課長、辻政信作戦課戦力班長の三人が、「開戦の

 強力な主唱者」(p.9 作戦課員・高山信武談)

 ⇒日米開戦に慎重姿勢は武藤章陸軍省軍務局長 ※軍務局は軍政、予算を担当する部局

*田中が去ったあと武藤は、「アイツとの調整で精魂が尽きる。これでは何んにも出来ない」と

 漏らしている。(p.10)

 ⇒三国同盟維持により米を挟撃したい田中と、三国同盟を空文化し日米戦を回避したい武藤。

  この大方針の相違が二人の激論の根本要因

一夕会は、当時陸軍を主導していた長州系を排除し、満州問題の武力解決や国家総動員体制を

 実現するため、陸軍を主導権を握ることを目的とした非公然組織(p.19)

*田中はソ連から帰国後教育総監部に所属していたが、同じ部署の永田にさそわれ、一夕会の

 メンバーとなった。これが、その後、田中が陸軍中央で有力ポストにつく一つの要因となる。

 (p.19)

参謀本部作戦中枢において、石原作戦部長の方針に武藤作戦課長が強硬に反対し、陸軍中枢

 ラインでも、梅津次官や田中軍事課長が石原案に強い批判をもっていた。(p.35)

 日中戦争不拡大:石原 ⇔ 日中全面戦争:田中、武藤(権益保持が目的なら撤退は総敗北)

*(1939年)当時、陸軍省中枢ラインは、杉山陸相、梅津次官、町尻量基軍務局長、田中軍事

 課長で構成されていた。町尻、田中はともに一夕会員で、石原転出後に軍務局長となった町尻

 は、実務の中核である田中軍事課長の意見を基本的に尊重するスタンスをとっていた。(p.55)

 ⇒陸軍省内では対中強硬論の田中が強い影響力を持っていたため、杉山陸相も強硬論を主張

*(1938年)6月、近衛首相の強い意志で杉山陸相が辞任し、石原莞爾と親しい板垣征四郎が

 陸相となった。=中略= 板垣は石原を次官に望んでいたが、それを阻止するために、先手を

 打って東条を次官に据えたのである。(p.63)

 ⇒軍紀を乱す石原を嫌悪した梅津が企図した

*田中の世界戦略の方策(p.138)

 独ソ戦によって三国同盟と日ソ提携との連繋は消失。米英ソを連繋させないため、ソ連を打倒

 するしかない。そして独を英屈服に向かわせ、日本の南方武力行使とともに英を崩壊させ、

 米を孤立させる。

長年陸軍が想定、研究してきた「仮想敵国」はアメリカではなくソ連だった。(p.150)

 ⇒関特演の実態は演習ではなく、対ソ戦のための兵力動員(否定派の武藤の不在を衝いて)

*石油全面禁輸を知った近衛首相は、対米戦争を回避するため、ルーズベルト米大統領との首脳

 会談を企図する。田中ら参謀本部は、近衛が三国同盟を弱める方向でルーズベルトと妥協する

 ことに強い危惧をもった。(p.159)

 ⇒その場しのぎの「妥協」が成立しても、一時的であり、欧州戦争が片付いた時には海軍の戦力

 比が圧倒的に不利な状況になった後、日本は米英その他に袋叩きにあうことを恐れた

南進戦略、三国同盟の堅持が米英蘭一体を招いたとすれば、田中らの決断の帰結(p.181)

*作戦部長である田中は、大本営連絡会議などの国策決定の場に出ることはなく、参謀総長を

 介して自らの意思を通していた。(p.200)

*海軍は、次官(澤本)、軍務局長(岡敬純)、軍令部次長(伊藤整一)、作戦部長(福留繁)

 ともに慎重姿勢のなかで、嶋田海相、永野軍令部総長の二人のトップが、開戦やむなしとの

 判断を示していた(p.209)

*田中はガダルカナルの争奪戦が、日本が長期持久戦を維持できるかどうかの分岐点であり、

 日米戦争の一つの決戦場だと考えていた(p.245)

 ⇒陸軍首脳は米軍の反攻は1943年以降と考えていたが、田中はすでに本格的だと捉えていた

*決戦後講和の方針から、日米の戦力差の拡大のなかで、日本陸海軍は決戦を求めては失敗し、

 膨大な犠牲を積み重ねることとなっていく。(p.251)

 ⇒田中も日米戦は回避の考えだったが、結局、死中に活を求めるしかなくなった

*田中には、仙台幼年学校同窓で、関東軍での上司だった石原の構想に惹かれるところも残って

 いた。=中略= 石原の日米持久戦論から強い影響を受けていた。(p.260)

 ⇒永田の後継者だった武藤は中国を完全な支配下に置くのではなく資源や経済のみ独占下に

 

クリップ『リーダーは偉くない。』立花 陽三(ダイヤモンド社 2024.2)
【満足度】★★

【概要・所感】慶応ラグビー部から外資系証券会社数社を渡り歩き(メリルリンチ時代にガツガツ系のリーダシップが通用しないことに気付き)、その後、東北楽天イーグルス社長としての経験を中心に「リーダーシップとは何か?」をあくまで「自分向けに」考えてみたとのこと。「上に立つからといって偉そうにしない」のは当たり前な気がするのですが、著者のような経歴だと切り替えが難しいのかもしれません。氏が影響を受けたという宿澤広朗氏が気になります。 

【ポイント】

*リーダーはメンバーの「能力」を高めるために、あれこれと教える(ティーチング)することも

 必要ではありますが、より根本的に重要なのは、メンバーの「やる気」に火をつけることだと

 思うのです。(p.102)

 ⇒やる気のスイッチは本人にしか押せない

 

メモ『仕事は初速が9割 』越川 慎司 (クロスメディア・パブリッシング 2023.12)
【満足度】★★

【概要・所感】 著者のコンサル会社でAI分析した結果、仕事の初速を上げることが成果につながることがわかった。そこで本書が紹介するのは「スピード感のある仕事」を実現している人たちの「成功ルール」、つまり実際の習慣。資料作成、メール、会議など作業別の初速を上げるテクニックを紹介。目新しいことは書いてなかったですが、自分用にいくつかメモ。

【ポイント】

*「成功or失敗」の二元論ではなく、いくつもの失敗を積み重ねた先に成功がある(p.12)

 ⇒小さな行動実験を繰り返して失敗によって得た学びをもとに行動を修正していく

*どんな小さなことでもいいから、とにかく何かを始めることによって、モチベーションが

 高まります。(p.53)

 ⇒モチベーションが高まってから仕事をするのではなく、作業興奮によって高まる。

*とりあえず「2分」だけ作業してみる(p.119)

 ⇒人間の脳は小さな数字で示されると「その作業は行動ハードルが低い」とイメージする

  ex.1分だけアンケート・2ヶ月だけジム

資料というのは、それを作成することが目的ではなく、作った資料で「相手をどう動かすか?」

 が一番の目的(p.152)

5月に読んだ本は4冊(図書館本2冊・購入2冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『楽園のカンヴァス』原田 マハ(新潮文庫 2014.7 )
【満足度】★★★

【概要・所感】アート・ミステリー小説。MoMAのキュレーターのティム・ブラウンと日本の美術館の元研究員である早川織江を中心に物語は展開していきます。二人は伝説的なコレクターから「アンリ・ルソーの“夢”という作品」の真贋を判定するよう依頼されます。判定の条件は提示された日記を7日間かけて読み解くこと。二人は日記を通じて、ルソーと彼を支えた人々、そして若き日のピカソにも触れながら、絵画に隠された衝撃の真実へと近づいていきます。史実を土台に原田マハお得意の絶妙のフィクションが織り交ぜられ、とても面白かったです。そしてアンリ・ルソーの作品が観たくなりました。

 

クリップ『素晴らしき世界 ~もう一度旅へ』吉田 修一(集英社文庫 2023.10)
【満足度】★★

【概要・所感】 15年にわたり続いたANAの機内誌『翼の王国』に連載していたエッセイ。「ぼくたちがコロナを知らなかったころ」に続き、2019年2月から2021年3月までの26編を文庫化。

【ポイント】

*誰かに話を聞いてもらう。ただ、それだけのことがこれほど人を幸福な気持ちにするのだと

 改めて気づかされる。(p.73 「人生初のトークショー」)

*旅に失敗はつきものである。いや、失敗した旅ほど、のちに良い思い出となったりする。

 何より旅先での失敗というのは、旅に出られるという幸福の一部なのだな、と改めて思う

 (p.122 「沸いていたはずのTOKYOの夏」)

 

クリップ『機嫌のいいチームをつくる』吉井 理人(ディスカヴァー・トゥエンティワン 2024.7
【満足度】★★

【概要・所感】千葉ロッテの元監督・吉井氏が2022年秋に監督を引き受けた時点から監督としてシーズンを送った1年と少しの体験を元に心理的安全性を高めるコミュニケーション術などリーダー向けに書かれています。否、ロッテの選手・将来のコーチ陣向けに書いたものかも? 吉井氏が最も影響を受けたのは栗山監督とありましたが、確かに似た方向性の話が多く、セオリー通りの内容でした。
【ポイント】

*決めるのは監督だ。コーチが意見を言っても、採用されるかどうかはわからない。それでも

 意見を言うところまではコーチの権利と義務だ。(p.76)

選手はあたかも自分ひとりの力でうまくなったと思ってくれた方がいい。=中略= 理想は

 あくまで選手自身が気づき、選手の主体性でやることだ。(p.110~111)

 

本『「好き」を言語化する技術』三宅 香帆(ディスカヴァー・トゥエンティワン 2024.7)
【満足度】★

【概要・所感】2023年刊行本を新書化。“推し”の語り方について“やばい”しか出てこない人が若い人に多いですが、それは語彙力が足りないというより、自分の言葉を作る技術がないからだと本書では論じています。“推し”に限らず、映画やアートの感想でも言語化しておかないと、すぐに忘れてしまいますよね。そこには「自分がどう感じたか」を言語化することで解像度が上がるとことを示しています。「自分を主語にすること」「観察(比較・具体化・細分化)」などのテクニックを紹介。個人的には「SNS等で他人の感想を見る前に、自分の感想をメモする」は意外に重要かもしれないと思った次第。(批評に正しいも正しくものない) 第二章の「推しを語る前の準備」以外は、「話す・SNSで発信・文章」そして「例文」と結局、同じ話ばかりで、そこはもったいなかったです。

【ポイント】

*伝わる文章というのは、書き手が「伝わるように工夫している」(p.41)

*推しの魅力を言語化するとき、=中略= 必要なのは、「細分化」です。(p.76)

 ⇒良かった点や違和感を覚えた点を細分化する(感想のオリジナリティは細かさに宿る)

4月に読んだ本は4冊(図書館本3冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

クリップ『ぼくたちがコロナを知らなかったころ』吉田修一(集英社文庫 2023/8)
【満足度】★★

【概要・所感】 ANAの機内誌『翼の王国』に連載していたエッセイで、コロナ前の2016年11月から2019年9月までの27編を文庫化。小説『悪人』や『怒り』、『国宝』などとは違い、気軽に読めます。昔ほど名言はないけど、小説同様に旅の情景が浮かんできたり、その場面に一緒にいたような気にさせてくれる1冊。

 

本『仕事のできる人がやっている 減らす習慣』中村 一也(フォレスト出版 2024.1)
【満足度】★★

【概要・所感】著者はデータサイエンスが専門のコンサル。過去に比べて労働時間は減っているのに仕事を早く終わらせてもやるべきことはなくなりません。仕事を速くするのではなく、減らすという考え方が重要になってきます。本書では、仕事のパフォーマンスを低下させている要因をムダな考え事・ムダな作業・自分のターン・メール・ミスの5つとして定義し、それぞれの減らし方のノウハウが記載されています。業務を効率化するのはいいとして、その後(要は目的)の方が大事だということも心に留めておきたい。

【ポイント】

スキマ時間の活用を徹底していくと、私たちは「常に忙しい状態」になってしまう(p.30)

 ⇒あえて予定を埋めず自分の意志で活動を停止する_戦略的小休止@ジュリエット・ファント

*幸福になることで、仕事の効率が上がる(p.37)

*重要度の高い仕事に取り組めたか?(p.43)

 ⇒緊急度の高い仕事は良い仕事をしたと錯覚させてしまう

*本当に大事なことを先にスケジュールに組み込むべきだ(p.49)

 ⇒最初に大きな石を入れなければ大きな石は決して瓶には入らない。

  先に砂や水を入れると大きな石は入らない

いかなる成果もあげられない人のほうがよく働いている@ドラッカー

 ⇒ひたすら受け身の予定をこなして時間を費やしている

*生産性の高い一日を送るためには、決断の回数も少ない方が良い(p.55)

 ⇒悩むのをやめる。

*「書く」「口に出す」などして、頭の中から自分の考えを外に出すことで、はじめて思考は整理

 される(p.60)

*言語化には再現性が高まるというメリットがあります。再現性が高まるということは、自分の

 今後にとって有益なだけでなく、他者に技術を伝えることができる(p.63)

 ⇒自分は天才ではない。なぜならどうしてヒットを打てるか説明できるからです@イチロー

*暗記するよりも理解することを心がけたほうが、記憶に残りやすい(p.70)

*緊急度と影響度で優先順位を検討(p.82)

*なぜマルチタスクで生産性が落ちるのか。=中略= 理解しやすいのは「ながら運転」「ながら

 スマホ」です(p.103)

 ⇒時間があるからこそ、意思決定にとって重要ではないささいな情報まで気にしてしまい、

  意思決定の精度が落ちた

*仕事を減らしたいと思うなら、仕事の方向性を他人に決めさせてはいけません。(p.117)

 ⇒自分で方向性を決めて、それを承諾させる。仮説を持ち、人に認めてもらって本当の答。

*過去の成果を学ばない・利用しないという場合、過去の人たちがすでに解決した問題を、もう

 一度自力で解く必要に迫られます。(p.137)

 ⇒「車輪の再発明をするな」

*仕事における悩みというのは、突き詰めると知識やスキルで解決できることが多い(p.172)

 ⇒であれば、今の自分の知識・スキルでは解決できないとスパツと諦める。

  悩むことで時間を浪費するのではなく、知識を習得するなど前向きに時間を使う

複数人でのチェックの効果は、ミスが「減る」なのです。つまり、「ミスがゼロになる対策では

 ない」(p.222)

 ⇒注意力でミスを防ぐことはできない。ミスが起きない仕組みづくり

 

メモ『聴く監督』吉井 理人(KADOKAWA 2024.3)
【満足度】★

【概要・所感】著者はWBC投手コーチと千葉ロッテ監督の吉井氏。「聴く」こと自体について言及している部分はかなり少なく、主にWBCでの投手起用などの裏話や千葉ロッテ監督就任1年目(2023年シーズン)の回顧録といった内容。監督としてコーチや選手たちに対してどう関わっていこうとしたかのコミュニケーション論は世の管理職にも大いに参考になるかと。また千葉ロッテファンは野球読み物として是非読んでおいた方が良い1冊。 

 

メモ『スキル』高瀬 敦也(クロスメディア・パブリッシング 2023.10)
【満足度】★

【概要・所感】 著者は「有吉の夏休み」や「逃走中」を企画した元フジテレビプロデューサー・高瀬氏。すでに自分が持っているスキル(ビジネス上のスキルではなく、人間関係をうまくうまく回すなども含む)をどう組み合わせ、どう使いこなすかという戦略について書かれてありましたが、あまり刺さりませんでした。

3月に読んだ本は5冊(図書館本4冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少


<お気に入り順>

クリップ『知的戦闘力を高める 独学の技法』山口 周 (日経ビジネス人文庫 2024.8)
【満足度】★★

【概要・所感】2017年刊行の著書の文庫本。AIの発達が目覚ましい今日この頃、他と差別化するには「知識」を武器化して使いこなせるかがカギになります。氏は、巷の本がインプットの論点に偏り過ぎと喝破し、その独学のプロセスを「①戦略 ②インプット ③抽象化・構造化 ④ストック」という4つに定義し、全体として捉える考え方を取っています。例によってリベラルアーツこそもっとも長く使える武器と推奨されており、本の紹介リストも。

【ポイント】

*いわば「知識」から「知恵」にするためには、こういった生情報を抽象化して「示唆」や「洞察」を

 引き出すことが必要(p.54)

 ⇒「○○ではないか?」という仮説でもいいので、「問い」がインプットの感度を高める

*「自分が持っているもの」を活かそうとせず、「自分が欲しいもの」を追求してしまう。(p.74)

 ⇒その人の本当の強みは本人にとっては「できて当たり前、知ってて当たり前」のことが多い

*「アウトプットが必要になったとき」というのは、もう「舞台に立て」と言われているわけです

 から、そこで勉強しているようでは、どうしても付け焼刃的な知識の表面的なインプットに

 ならざるを得ません。(p.108)

*質問というのは、わかっていないから生まれるのではなく、わかっているからこそ生まれる

 (p.147)

*なぜメモが大事かというと、メモが癖になると、“感じること”も癖になるからだ。人より

 秀でた存在に不可欠な条件は、人より余計に感じることである。(p.151 野村克也)

*アイデアの質にもっとも大きな影響を与えるのは、アイデアの量だ(p.192)

リベラルアーツとは、コミュニケーション効率を一気に高める(p.237)

 ⇒複雑な背景説明なしに状況の理解を共有することができる

 

メモ『侍ジャパンヘッドコーチの最強の組織をつくるすごい思考法』白井 一幸(アチーブメント出版 2023.7 ) 
【満足度】★★
【概要・所感】
2023年WBC侍ジャパンのヘッドコーチ白井氏による組織論・人材育成論です。栗山監督も白井氏も急にスポットライトが当たった風ですが、実は日ハムのコーチ時代からやっていることは一貫していて、WBCの結束力にしても、一人一人が作り出したチームビルディングの結果であることがよくわかります。

【ポイント】

*役割責任とは、全員がそれぞれリーダーシップを発揮すること(p.23)

 ⇒試合に出ている、出ていないは関係なく自分にできることは何か?を考えて行動する

*わたしはよく価値質問をします。「これを実現したら何が起こる?あなたは組織からどんな

 評価をされる?組織にどんなプラスの影響がある?」(p.**)

 

本『勘違いが人を動かす』エヴァ・ファン・デン・ブルック(ダイヤモンド社 2023.10)
【満足度】★★
【概要・所感】2021年にオランダで刊行された「ハウスフライ効果」の邦訳版。副題は教養としての行動経済学入門。経済学においては人間=理性的と考えられていましたが、実際は「勘違い」に支配されています。我々の行動は思いもよらない何かに影響されているので、そのメカニズムを認め、不合理さを前提に行動することで、自分の行動や人を動かすことについて定義し直すという内容。本書は脳が持つ認知バイアスについての様々な知見から日常生活に役立つヒントが満載です。
【ポイント】

大量の情報は注意の欠乏をもたらす(p.104 ハーバート・サイモン)

*何もしないことは、「簡単な何かをすること」よりもさらに楽だ。(p.122)

*脳は自分の知らないこと(ギャップ)を見つけると、それを埋めようとして好奇心を起こす

 (p.141)

 ⇒全然知らないことと既に何でも知っていることには興味は示さない

何かを決断する際、私たちはたいてい後悔を過度に大きく見積もっている(p.166)

変化を強調するだけで、嘘をつかずに効果的に規範を望ましい方向に導ける(p.203)

 ⇒「減らしている」より「減らし始めた

*曖昧な事実でも、「皆さんもご存じのように」というフレーズで始めると信憑性が高まる。

 (p.222)

*人は何度も誘惑に耐えると、意志力が尽きてしまう。これは、前頭葉のエネルギーが枯渇して

 しまうからだと考えられている。(p.247)

*大切な決断はなるべく1日の早い段階で行う(p.252)

 ⇒決断疲れ。午後になると裁判官の判決が厳しくなる傾向があることがわかっている。

*同僚に協力してもらうには、相手に共感を抱かせるほうがいい。(p.300)

 ⇒「我々」という同じ集団に属していると人は「イエス」と言う

 

本『こうやって頭のなかを言語化する。』荒木 俊哉(PHP研究所 2024.12 )
【満足度】★★

【概要・所感】本書によれば、言語化は才能ではなく、練習で身につくスキルです。語彙力もさることながら、そもそも言いたいことがわかっていないという点を見える化するというのが本書のキモで、結局のところ「言語化ノート術」という話になっています。

【ポイント】

*言語化力のベースは「聞く力」にある(p.18)

思考とは自問自答(p.45)

*「できごと→感じたこと」の順番で問いかけていくことが、言語化につながる聞き方のコツ

 (p.93)

 例)自分の会社名を口にするときはどんなとき?⇒その時、なにか感じることはある?

自分が体験した「できごと+感じたこと」に対して、いつも「それは、なぜだろう?」と問いを

 立てて =中略= 自分なりの「結論」や今後の「行動」を言語化しておく。(p.223)

 

メモ『新幹線全史』竹内 正浩(NHK出版新書 2023.9) 
満足度】★★
【概要・所感】
新幹線の路線の成り立ちに焦点を当てた1冊。鉄道史はもちろん政治、経済、技術の三軸から、特に政治と新幹線の関係は詳しく書かれています。当初の輸送量増大ではなく、その高速性に着眼して新幹線を誘致すれば地方が発展するという政治家たちの思惑も絡み、国土開発を行う目的に変わったというのも興味深い考察です。
【ポイント】

*(満州)事変勃発以降、大都市圏の郊外には次々と軍需工場が新設され、鉄道による工員の

 通勤が増加していく。(p.25)

 ⇒輸送力増強の抜本的な解決策として急浮上したのが「新幹線」いわゆる「弾丸列車」構想

*戦前の計画では、東京~下関間のうち、東京~姫路間を昭和24年度に開業する予定だった。 

 (p.86)

 ⇒暫定では第十師団司令部の所在地である姫路(新姫路)が新幹線の終端駅になる予定だった

*兵庫県内の新幹線駅の多さは、いわば、新幹線夜行寝台列車構想の置き土産(p.88)

*「山陽、東北、上越各新幹線の新駅建設は、私が総裁となってから、交渉の矢面に立ったが、

 嫌な仕事だった。交渉といっても、大部分はさまざまなルートで持ち込まれる案の断り役

 だからである」(p.101 磯崎叡国鉄総裁)

大陸に向けて出征する陸軍の拠点が広島の宇品にあった関係で、鉄道が広島にあるのとない

 のでは、兵站に雲泥の差があった。(p.104)

*小倉~博多間の線形も複雑である。=中略= この細かな曲線が生じた原因は、筑豊炭田の

 旧坑道や鉱害地域などが錯綜していたため(p.115)

*新幹線とは、名目上はあくまで既存の鉄道幹線の線路増設という位置づけで、建設にあたって

 新たな法律を必要としなかった。(p.136)

*鉄道新線の建設の是非や鉄道政策全般を左右する重要な諮問会議として、戦前の日本には

 「鉄道会議」なる存在があった。鉄道会議を主宰する議長には大正期まで陸軍の参謀次長が

 代々就任していた。=中略= 陸軍が実質的な主導権を握っていた。有事における鉄道と軍事 

 (兵站)の関係が密接だったことを示す好例(p.138)

*野放図な新幹線の拡大に警鐘を鳴らしていたのが、ほかならぬ国鉄総裁の石田禮助だった。 

 (p.145)

 ⇒輸送力に適合した輸送需要が第一。独立採算経営の国鉄では新たな新幹線建設は困難。

創成期の鉄道は市街地に停車場が開設できなかった。とりわけ、江戸時代に密集地が形成

 されていた城下町ではその傾向が顕著だった。=中略= 旧江戸城下に鉄道を敷設することが

 難しかったため、市街地南の外れも新橋停車場を設けたのである。(p.192)

*磯崎叡(注:国鉄総裁)は =中略= 岐阜羽島と浦佐は新幹線に夜行列車を運転した場合の

 退避駅だったと明言している。(p.235)

2月に読んだ本は4冊(図書館本4冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『推し、燃ゆ』宇佐見 りん(河出書房新社 2020.9)
【満足度】★★★

【概要・所感】 史上3番目の若さで芥川賞受賞した宇佐見りんの2作目の小説。重力ピエロの「春が2階から落ちてきた」よろしく冒頭の「推しが燃えた。」で掴まれました! 推しを応援する女の子がどこかで生きづらさを抱えている現代の話ですが「推し=背骨」とか比喩や心情の描写がいちいち純文学的ですごく好き。おそらく今年読んだ本でベスト5には入ってくる予感です。

【ポイント】

*坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、の逆だ。その坊主を好きになれば、着ている袈裟の糸のほつれ

 までいとおしくなってくる。そういうもんだと思う。(p.29)

*あたしは推しは存在を愛でること自体が幸せなわけで、それはそれで成立するんだから

 とやかく言わないでほしい。(p.62)

 

本『脳が一生忘れないインプット術』星 友啓(あさ出版 2024.6)
【満足度】★★

【概要・所感】著者はスタンフォード大学のオンライン学校の校長。最新の脳科学や心理学に裏打ちされ、科学的に効果が確認されている効果の高いインプットの方法が学べます。従来のメジャーな勉強法である「読み返し・ハイライト(マーカー)・書き写し」は、各単体では記憶定着には効果が低いとのこと。一方で、「読む前の目的設定やプレビュー、読みながら手書きメモ、ストップ&ゴー(読むのをやめて内容を頭の中で振り返る)、読んだ後にキーワードテスト、箇条書きで目次を作る」等々の、こういった脳に負荷をかける仕組みを作ることが一生忘れないインプット術として有効のようです。
【ポイント】

*最高のインプットには、最高のやる気の維持が大切(p.7)

*「心の音読」は、=中略= 効果的な「読むインプット」に必要な脳のメカニズム(p.36)

*私たちの脳は、勉強やインプットを「快感」と感じるようにできている(p.64)

 ⇒時間を割いてでも目的設定やプレビューをすることで集中力と記憶力の環境を整える

「聞く」だけで情報をインプットしようとするとワーキングメモリーがパンクしてしまうものの

 、「見る」も使ってインプットをすると、情報処理の負荷が「聞く」と「見る」とに分散できて、

 ワーキングメモリーをより効果的に使うことができる(p.94) 

*リトリーバル(p.123)

 「うーん、なんだっけ?」と自分の頭だけを使って思い出してみることで記憶の効果が高まる

*人間のモチベーションのベースは、人とのつながり(関係性)、自分が何かできるという感覚

 (有能感)、それから、自分が決断したことを自分の意思に沿ってやっているという感覚(

 自立性)である。(p.151)

 ⇒報酬系が活性化されるとドーパミンが分泌される=モチベーションの源泉

 

本『いますぐできる実践行動経済学』大竹 文雄(東京書籍 2024.6
【満足度】

【概要・所感】阪大教授の著者が早稲田塾で高校生向けに行ったオンライン講義を書籍化。感染症、創作落語、ラグビー日本代表、風疹抗体検査をテーマにして行動経済学をわかりやすく解説し、実際の生活や活動に活用するための実践編となっています。アダム・スミスの「国富論」、囚人のジレンマ、サンクコスト、コンコルド効果、参照点、現状維持バイアス、ナッジなど行動経済学お馴染の理論の紹介が多数出てきます。復習で読みましたが、初学者向け。
【ポイント

「現状維持バイアス」があることを理解できれば、迷ったときは「変化」を選ぶ(p.133)

 ⇒迷うのは価値が同じと思い込んでいるからであり、「現状維持バイアス」を割り引く

 

本『島津氏』新名 一仁(PHP新書 2024.10)
【満足度】

【概要・所感】本書は、薩摩を治めていた島津氏の展開を扱っています。鎌倉期に源頼朝の御家人となった島津家の初代忠久から、戦国期の義久・義弘(関ヶ原に参戦した豊久はほとんど取り上げられず・・・)を経て、幕末の重豪、斉興、斉彬、そして明治の久光の代まで解説。島津氏は好きな大名でしたが、本書は読むにはちょっとマニアック過ぎました。ちなみに島津義弘といえば、麿赤兒のイメージですw

【ポイント】

*忠久は比企氏の縁者であったため、同年九月、島津荘の所職や守護職を剥奪されてしまう。

 (p.28)

*父・義久による関ヶ原合戦での敗戦、そして叔父・義久による戦後処理問題、それらを解決

 したのが、家久 =中略= 島津家の安定を導いた。(p.120)

*千厳園は光久の命によって築かれた(p.158)

*なお、江戸時代には公式に「藩」という呼称はない。例えば、領地判物は「島津家所領」とされて

 いた。「藩」の呼称は、明治二年の版籍奉還から明治四年の廃藩置県までの二年間である。

 (p.255)

2025年1月に読んだ本は5冊(図書館本4冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

クリップ『見えない音、聴こえない絵』大竹伸朗 (ちくま文庫 2022.8)
【満足度】★★

【概要・所感】2003年~2008年にかけて「新潮」に連載されたエッセイの単行本に加筆し、文庫用の書き下ろし(あとがき)や新作の木炭線画を収録。その木炭線画が図らずもコラムのタイトルとシンクロしているのが面白い。同時期に東京都現美で開催された回顧展「全景 1955-2006」への軌跡でもあります。時系列で収録されているのではなく、「遠景」「」全景」「近景」という章だてられた構成ですが、これが不思議とまとまっています。独特なタイトルと筆致でどれも面白いコラムですが、「トランスうどん玉エクスプレス」が好き。

【ポイント】

*純粋にモノを見る行為は非常に困難だ。ピカソの絵画を観ることには、同時に彼のとてつも

 ない認知度や絵画の価格からの「価値観」がセットになっている。(p.254)

 

メモ『結果を出す二軍の教え』小久保 裕紀ほか (KADOKAWA 2023.8) 
【満足度】★★
【概要・所感】
いずれも2023年春時点で、ホークス二軍監督の小久保、ベイスターズファーム監督の仁志、スワローズ作戦コーチの松元ユウイチ、ファイターズファーム監督の木田優夫、GやCで二軍監督を務めた名伯楽の内田順三の選手育成論。スポーツでの人材育成論はビジネスでもヒントになることが多くように思います。特に本書は小久保、松元ユウイチ、木田の育成論に興味がありました。
【ポイント】

*決めごとは完全結果で伝えないとダメなんです。ウォーミングアップをしっかりやろう、では

 伝わらない。だから、マーカーまで走れ、と結果で規定する。(p.38 小久保)

勝負の神様は細部に宿る(p.40 岡田武史)

 ⇒小さなことを準備できる人は、大きな準備もできている。できない人は練習のどこかが甘く

  ても、自分でそれを許してしまうかもしれない。

急にはうまくならないんですよ。積み重ねたものが効いてきて、気がつけばできているなぁ、

 となる。(p.78 仁志)

選手がその気にならないと練習の価値が低い =中略= だから、その選手に合ったやる気に 

 させる言葉ややり方を探すんです。(p.130 松元)

*お前のレベルで、まだそんなにやるの?と感じるくらい、彼は努力をしていました。   

 (p.179 木田)

 ⇒ダルの野球はスポーツ医学や人体力学に精通している

*須藤(※豊)さんは、一軍で戦い抜く武器があるか?そんなことをよくおっしゃっていま

 した。武器がひとつあれば一軍にいられる。ふたつあれば勝てる。三つあればスターに

 なれると。(p.185 木田)

成功する人は一日一歩、コツコツ続ける。ガツガツやらない。疲れるからね。続かない。

 努力はなんとなくするもの。(p.215 内田)

 

本『0から学ぶ「日本史」講義 近・現代篇』出口 治明(文藝春秋 2024.8) 

【満足度】★★

【概要・所感】出口さんの日本史講義シリーズ。明治維新から終戦までを扱った内容。太平洋戦争前後のあたりはもの足りなかったのですが、それにしても明治維新後の近・現代史をこれだけわかりやすく解説している歴史本もないと思われます。

【ポイント】

*大久保のあとを継いで内務卿になった伊藤博文と、大蔵卿の大隈重信の二頭政治(p.113)

 ⇒大隈はバックに福澤諭吉、三菱グループがついていた

*明治十四年の政変で追放された大隈重信の後任に、岩倉具視と伊藤博文は松方正義を大蔵卿へ

 抜擢します。(p.118)

*大久保利通に薫陶を受け、もともと近代的な立憲政治の社会を目指した伊藤博文と、陸軍と

 内務官僚のボスとして組織を握り権力を維持する山縣有朋は、同じ長州閥であっても相入れ

 ない性格でした。(p.170)

*伊藤は、自分がつくった政友会の総裁職を西園寺に譲ってコントロールしたので、西園寺は

 伊藤の代理内閣といえます。そして政友会の総裁となった西園寺を実務面で支えたのが、

 のちに自身も首相になる原敬でした。(p.224)

*大学より、陸軍士官学校や海軍兵学校に通うほうがお金がかからなかったので、軍の青年将校

 には地方の貧しい家の秀才が多かった(p.310)

 ⇒その不満は政党や財閥批判へ向けられ、国家改造運動へ

一夕会では軍部刷新と満蒙問題解決に重点を置くことが議論されていました。この二人が偽旗

 事件を起こした(p.335)

 ⇒石原主任参謀・板垣征四郎高級参謀らによる、満鉄の線路を爆破し、中国人の仕業にし、

  それを口実に中国へ戦争をしかける、という構想

*犬養内閣は、いつ暴発するかわからない陸軍を抑えるため、青年将校に人気があり十月事件で

 首相に擬せられた荒木貞夫を陸相に就けました。のちに起こる五・一五事件が二・二六事件

 ほど大きな動きにならなかったのは、=中略= 荒木によって政治が変わることを期待して

 いたからではないかと見られています。(p.353)

*(※中国は)上海事変をきっかけに、列国が静観していた満州事変に国際社会の眼を向け

 させることに成功した(p.356)

 ⇒日本は満州国建国に向けた動きから目を逸らさせたかった

*元老の西園寺公望は、=中略= 首相を軍人にし、大臣は政友会と民政党の両党を入れた挙国

 一致内閣を作りました。首相に選ばれたのは海軍大将の斎藤実です。(p.366)

 ⇒国内の不況と満州事変をきっかけに山積した外交問題に対処するため

 

本『47都道府県女ひとりで行ってみよう』益田 ミリ(幻冬舎文庫 2011.4)
【満足度】★★

【概要・所感】ひと月に1都道府県というペースで一人旅に出た益田ミリのエッセイ。コンプリートして220万ほど使ったみたいですが、有意義なお金の使い方ですね。無理して観光へ出かけない、無理して人と触れ合わない、無理して土地のモノを食べないというスタンスで旅をするのもアリと思えます。本書を読んだ後、旅行はこうあるべきという固定観念より解放されて、もっと気楽に旅を楽しめそう。

 

​​​​​​本『2028年街から書店が消える日』小島 俊一(プレジデント社 2024.5)
【満足度】★★

【概要・所感】元トーハンの営業部長で明屋書店社長を経て独立した著者が出版業界の関係者28人を取材。各インタビューの内容が2ページ弱とあまりにも短すぎて内容が薄く、対話形式を削るなどすれば紙幅は確保できたのではないかと。返品や配送や正味価格、あるいは利益率の高い商品を扱うなど業界内の構造的な問題の提言はわかるのですが、消費者には一切関係がなく、その感覚が置いてかれている気がします。その意味では巻末の有隣堂の松信氏の寄稿「本は大切です。だから守ってくださいは通用しない。書店はしょせん小売業」が一番、的を得ていますね。消費者が買いたいと思える魅力的な本があるのかどうかが根本的に大事ではないかと思います。

【ポイント】

*愚かさとは同じことを繰り返しながら違う結果を求めることである。(p.1アインシュタイン)

ようやく24年分の読書ブログのアップ完了し、読んだ本のまとめです。
大体、毎年GWが通常運転w

 

■年間読書冊数:72冊(23年:65冊、22年:58冊、21年:55冊

 冊数に意味はなく、どのくらい読書に時間割いていたのかというだけの備忘

 

王冠12024年面白かった本ベスト5(順不同)

 やっぱり歴史と吉田修一メインですが、ようやくビジネス書が1冊だけランクイン

・『ミス・サンシャイン 』 吉田 修一

・『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』メン獄

・『私はないものを数えない。』葦原 海

・『太平洋戦争への道1931-1941』半藤 一利

・『学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話』ちいさな美術館の学芸員

 

【アーカイブ】

王冠12023年面白かった本ベスト5(順不同)

・『彗星夜襲隊 』 渡辺 洋二

・『特攻セズ 美濃部正の生涯』 境 克彦

・『大本営参謀の情報戦記』 堀 栄三

・『国宝 (上)青春篇 / (下)花道篇』吉田修一

・『極楽征夷大将軍』垣根 涼介

2024年12月に読んだ本は6冊(図書館本5冊・購入1冊)でした。

多忙により長らく中断していましたが、GW期間中に通常運転に戻しますw

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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『ユニクロ』杉本 貴司(日経BP 2024.4)
【満足度】★★★

【概要・所感】ユニクロと柳井正のノンフィクション物語です。世界のユニクロといえど、最初からユニクロも柳井氏もうまくいっていた訳ではなく、まず家業の紳士服の小郡商事が泣かず飛ばず。氏が就職したジャスコは9ヶ月で退職(その時、小嶋千鶴子氏と出会う)するし、その後、家業を継ぐも古参社員の退職の憂き目に合う。番頭格の浦氏となんとか二人三脚で経営をしていき、その間に、接客しないセルフ業態への脱皮、SPAを推し進めたあたりでようやく“1勝”。商品を大量生産すべく、その資金調達のため上場を目指していた際、地元の絶対的権力者の広銀支店長の柳田との確執のあたりはもう半沢直樹の世界。第5章からも面白く、フリースブームと伊藤忠の澤田氏・AGC玉塚氏の活躍の裏では古参の浦と岩村が退職。ロンドンへ進出するがほどなく撤退し、その澤田氏が去り、玉塚氏への禅譲。が、その後、更迭するという・・・。柳井氏の「一勝九敗」の軌跡が臨場感のある筆致で描かれ、非常に興味深かったです。
【ポイント】

*「できないことはしない」、「できることを優先順位をつけてやる」(p.79)

*生まれたばかりのユニクロは「カジュアルウエアの倉庫」からメーカーの機能も兼ね備えた

 SPAへと転換し始めた。ユニクロ誕生からのわずか3年後の1987年のことだ。(p.138)

*澤田、玉塚、堂前、森田の四人は新時代のユニクロを象徴する存在と目されたのだった。

 (p.253)

 

クリップ『成瀬は天下をとりに行く』宮島 未奈(新潮社 2023.3) 

【満足度】★★
【概要・所感】昔の大津西武が小説の舞台という設定に興味を持ち、珍しく単行本で購入。滋賀県大津市が舞台の成瀬あかりという主人公が、我が道を清々しく突き進む青春小説。こんな子、いそうでいないという絶妙なラインに惹かれます。映画化して欲しいなぁ。

 

本『決断 そごう・西武61年目のストライキ』寺岡 泰博(講談社 2024.7)
【満足度】★★

【概要・所感】そごう・西武の労組・寺岡中央執行委員長の著書。2023年に池袋西武のストライキを決行するまでのノンフィクション。臨場感があり、どんどん読めてしまいます。堤氏や水島氏時代からのそごう・西武の歴史があって、寺岡氏が西武へ入社。その後、和田繁明氏の改革が始まり、店舗が次々と閉鎖していく時期を経て、7&iHD傘下へ。池袋店のスト決行までラスボス感満載の井坂社長との丁々発止の攻防戦は大変興味深く読みました。百貨店事業売却に関する情報がマスコミにどんどん漏れる謎・・・深い闇がありそう。

 

メモ『普通にやるだけやんか 』岡田 彰布(Gakken 2024.3) 
【満足度】★★
【概要・所感】
阪神タイガースの元監督・岡田氏が自身の「野球観」と「組織論」を解き明かした一冊。岡田監督が説いていた「四球」の重要性はすでによく知られていますが、タイトルにもある“普通”というワード、この“当たり前のことを普通にやる”が実は一番難しいことなのかもしれません。ビジネスや日常にも通じる話として大いに参考になると思います。

 

本『グランドスタッフになるには』京極 祥江(ぺりかん社 2018.1)
【満足度】★★

【概要・所感】JALのグランドスタッフとしてキャリアを積み、接客のコンテストで優勝経験もある著者が、グランドスタッフを目指す学生に向けて仕事の現実から採用までの道のりを解説したガイドブック。グランドスタッフを目指している訳ではありませんが、空港の仕事に興味があり、図書館で手にとってみました。

 

メモ『がんばらない効率化』諏訪 寿一(PHPエディターズ・グループ 2023.6) 
【満足度】★
【概要・所感】
がんばらない効率化ためない・まとめないがポイント。西成氏の渋滞学と同じ考え方ですね。仮説を実証するための実験こそ違えど、同じ話や、同じ例えの繰り返しで退屈でした。掴みのクイズ(皿を洗うのは溜めて洗う?or 1枚づつ洗う?)が面白かったので読んでみましたが、残念ながら期待ハズレで残念。

11月に読んだ本は6冊(図書館本6冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

本『太平洋戦争への道1931-1941』半藤 一利(NHK出版新書 2021.7)
【満足度】★★★

【概要・所感】「昭和史にはすべての問いの答えがある」というのは半藤氏の名言。本書はNHKラジオ「太平洋戦争への道」(2017年8月15日)を再現・編集したもの。1931年の満州事変から1941年の太平洋戦争開戦まで、時系列で世相となぜ戦争に突入したか、について半藤氏、加藤陽子氏、保坂正康氏の対談形式で語られます。加藤氏が最後に「戦争は暗い顔とか、わかりきった顔で近付いてはこない」と言っていますが、近現代史を流れで理解しればとても腑に落ちる一言です。半藤氏が「たった1年の空襲体験が戦争観を作っているのは、戦争に対する考えの幅が狭く、想像力が足りていない」と喝破しています。

 

超面白すぎたので、この際、昭和史をざっくりまとめてみます。

まず、日本は世界恐慌により疲弊し、ソ連の国防上、満州の権益が欲しかったので、柳条湖をきっかけに自衛を目的に満州を制圧、溥儀を担ぎ出し昭和七年に満州国を建国。それは関東軍の傀儡であったので、蒋介石は国連に提訴。国連のリットン調査団は日本の権益に配慮(国際協調の道は残す)したが、その間、関東軍が熱河作戦という軍事行動を起こす。国連に経済制裁されるくらいなら、国際連盟を脱退。そもそもこのように日本が国際的に侮られているのは、支配層に問題があるからだとテロが相次ぐのが昭和七年。(昭和のファシズムは昭和八年に芽が出てきた) 昭和十二年には盧溝橋での武力衝突をきっかけに日中戦争に突入、和平工作は失敗し、昭和十三年の近衛声明に。盧溝橋は現地の軍双方で大規模化する意思はなかったが、それを超えて日本側の参謀本部作戦課などの思惑があり強硬な路線になってしまった。日本は中国に宣戦布告はしていないのに反撃をしてくる、つまり内乱の鎮圧であって、中国に謝らせる(ぼうしちょうよう)ことで終結させたかった。だが、この中国との戦争がズルズルと終わらず、それは英米の支援があるからで、その対立から戦争へ。昭和十五年には東亜新秩序を目指すため、日独伊三国軍事同盟を締結。結果、米との関係が決定的に悪化。昭和十六年に対立を打開するための日米交渉開始(ハルノートは厳しい内容だが、日本は開戦を決断できる状況にないはずと思われた)。その交渉の最中、石油のアメリカ依存を脱却のため南部仏印へ進駐したところ、アメリカは日本の予想を超える対抗措置・石油輸出禁止(フランスの承認を得ているのだから侵略では無いが、ただならぬ数の軍人が南下していた) 以下はご存じのとおり。

【ポイント】

日本が軍事的に表へ出ていくのを後押ししたのは、実は日本のマスコミ(p.30)

 ⇒軍縮ブームのあと、満州事変が起き、新聞は一斉に支持。国民が煽られて後押し。

*究極的には、「日本の軍人の教育制度と内容」に基本的な過ちがあったのではないか

 (p.38 保阪)

 ⇒頭脳明晰、分析力にも優れているタイプがなぜ?

*関東軍にとって張作霖は、実際に傀儡化できなければ存在価値がないというので、昭和三年に

 暗殺 =中略= この背景を知った張学良は、父の仇を討つという心理で抗日に転じ、蒋介石

 とともに中国統一の先頭に立った(p.66 保阪)

リットン調査団の報告書は、国際社会の融和の中に日本を戻そうと試み、そしてその中で日本

 の提起している問題については、私たちも共同で立ち向かい、ともに権益を享受するかたちに

 するというようなことを言っています。(p.72)

 ⇒侵略して領土にしたのではなく、満州民族で作った国を認めないのは受け入れられない

*天皇が陸軍にストップをかけるような何らかの判断を下して、国民の反発を買うリスクを負わ

 せるということは、侍従武官長や宮中の人としてはできなかった。(p.80)

 ⇒動き出した熱河作戦を止められなかった

国際連盟脱退を強く主張したのは、むしろ新聞です。(p.83 半藤)

 ⇒斎藤実内閣はどうにもならないくらい参ってしまった

日本が太平洋戦争に進む道筋は、この満州国建国と国際連盟の脱退による孤立主義が大きな

 影響を持った(p.93)

*五・一五事件の裁判が行われた昭和八年、=中略= テロリズムそのものを悪とするのでは

 なく、動機が正しければ何をやってもいいという空気ができ上がってくる(p.98)

 ⇒裁判で涙ながらに主張を訴える若い陸軍士官たちが英雄視され、反対に、犬養首相の家族に

  冷たい目が向けられる

二・二六事件は軍内の権力闘争によって起きた(p.106)

 ⇒後ろ盾になっていた荒木貞夫、真崎甚三郎は力を失い、梅津、寺内寿一、東条が主導権を。

*「皇道派」は、戦略観だけで言えば、ソ連と対決するというのを本義とします。=中略=

 「統制派」は国内を統制して力を蓄え、中国をまずたたいて後顧の憂いをなくしてからソ連

 と対決したほうがいいという戦略(p.108)

 ⇒戦略論の争いの結果、昭和十年の永田鉄山暗殺に反撃して二・二六事件を起こす

  派閥争いが常態化し、青年将校を甘やかす空気が醸成されていた

*とくに議会ではこの二・二六事件以後、本来行うべき活発な議論が委縮していきますp.109)

 ⇒暴力の恐怖をもたらした。「私はいいが、下のものがどう思うですかね」といった圧力

*近代史の中で、中国と戦争する国は、基本的になかった =中略= 中国の内部に入っていく

 メリットは何もなかったからです。=中略= それに対して日本は =中略= 支配下に置こうと

 した。この発想自体に、日本の軍あるいは政治がなにか基本的錯誤を犯していたのではないか

 (p.126)

*日本が本当の戦時体制に入ったのは、1938年の国家総動員法の制定からだと言える(p.141)

 ⇒陸海軍は日中戦争には3割くらいしか予算を割かず、対英米戦の準備をしている

*三国同盟は大島浩ありきだった。(p.156)

 ⇒個人的なドイツびいきの関係が陸軍首脳に受け入れられ締結に。米内、山本、井上などの

  海軍はアメリカと敵対することになると徹底して反対

*日独伊三国軍事同盟を日本が締結した目的(p.160)

 ⇒戦勝国であるドイツがすべてかっさらってしまう。講和会議に戦勝国として参加したい

日独伊三国軍事同盟が結ばれたときの日本人の熱狂ぶりは、本当に現在では想像もつかない

 ぐらいのもの(p.164)

 ⇒新しい時代の同盟。めでたく平和な時代が来る

*日中戦争の初期には、ドイツと中華民国の間のほうが結びつきが深かった。=中略= こういう

 構図を理解すると、盧溝橋事件以来の戦線拡大を憂いて、ドイツの駐華大使トラウトマンが

 講和工作に奔走したのもわかる。(p.175)

*日本は三国同盟でドイツの戦争を自分たちの戦争の行く末と一体化させたわけだが、その背景

 を探ると日本陸軍の親ドイツの体質がよくわかる。(p.177)

 ⇒明治期のドイツ陸軍の模倣、第一次大戦でのドイツの軍事力に惹かれた

*有田八郎(p.191)

 1936~40年に外務大臣。ハル・ノートを見て、これで開戦を始めるのはおかしいと語って

 いる。ここから交渉を始めるべきだと上奏文を書いた

*軍事指導者は、もう大体が開戦やむを得なし、といって文官に圧力をかけている。=中略= 

 結局近衛は辞職してこの厄介な政務から逃げ出してしまった。天皇と内大臣の木戸幸一は、

 次期首班に東条を選んだ。強硬派の東条を首相に据えることで =中略= 軍内を抑えようと

 した(p.208 保阪)


本90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』大江 英樹(光文社新書 2022.9)
【満足度】★★
【概要・所感】著者は経済コラムニスト。本書はいわゆる「マネー本」とは違います。お金は使ってこそ価値があり、お金持ちになることが目標ではなく、楽しく過ごして幸せになることを人生で一番考えるべきというお話。お金を増やすこと自体にそんなに意味は無く、むしろ減らすことで得られるものの大切さを考えてみる必要があります。例えば、好きなことに使う・思い出に使う・人に使う(寄付)・価値のあることに使う(コスパ偏重)など、こうやってお金を減らしていくことが人生を豊かにするという著者の主張には共感しました。
【ポイント】

「利用可能性ヒューリスティック」(p.22)

 自分の身近で起こったことや自分が見聞きしたことは現実に起こりやすいと思ってしまう

*人生後半に向けて考えるべきことは、「お金を増やす」ことではなく、「お金をどう使うか」

 ということでしょう。(p.151)

*お金を減らすことで「経験」という貴重なものを手に入れたり、人のために使うことでお金を

 減らしたりすることによって、大切な「満足」を手に入れることができます。(p.159)

*「好きなことをやるために、生きている」そして「人生の目標は自己満足である」(p.162

 森博嗣)

 ⇒欲しいものは買えばいい。でも必要なものはできるだけ我慢する。

「人生でしなければならない一番大切な仕事は、思い出を積み重ねることです。最後に残る

 のは、結局それだけなのですから」(p.179)

*「人は用だけを済ませて生きていると、真実を身落としてしまいます。真実は皮膜の間に

 ある、という近松門左衛門の言葉のように、求めているところにはありません。」(p.211

 篠田桃紅)

 

メモ『太平洋戦争史に学ぶ日本人の戦い方』藤井 非三四(集英社新書 2023.4) 
【満足度】★
【概要・所感】日本人の戦史は将来の日本に資する示唆に富んでいます。大東亜戦争は受け身として巻き込まれたのでもなく、指導的立場の者が失敗した結果というだけではありません。それらの歴史を学ばないと同じようなことが起こりかねないと著者は危惧していますが、俯瞰して考えれば今のビジネス社会でもそう変わらない意思決定や行動が多く、戦争の反省は果たして活かされているのか・・・。本書は戦術面や兵器がけっこう専門的ゆえにイメージがしづらく(=読みにくく)★はひとつで。

【ポイント】

*山本(五十六)は航空のことならばまず大西(瀧治郎)に相談するのを常としていた(p.12)

*佐藤幸徳と牟田口 =中略= この二人は =中略= 軍内結社「桜会」の主要メンバー

 だった。=中略= 佐藤は九州各地で過激な講演を重ねていたが、これに厳重注意をしたのが

 参謀本部庶務課長の牟田口だった。これで二人の関係は悪化(p.101)

*海軍が助成金を支出して民間船として建造し、戦時にこれを徴傭する方式(p.129)

*搭載武器を優先して航続力を犠牲にしている日本の艦艇は、十分なタンカーの支援がなければ

 作戦行動に支障をきたす。(p.132)

*兵役義務は皇族にも課せられていた。(p.162)

 ⇒昭和天皇は陸軍と海軍の現役大将。皇族も満18歳になると軍務に就くことが義務

*兵役は義務であったが、同時に国民としての権利(p.162)

 ⇒封建時代の士分になった気分を味あわせる

*日本陸軍では師団を戦略単位として位置付けていたが、その師団数を四年で三倍にしたの

 だから、それを支える戦略基盤の拡充を同時並行的に進めなければならなかった(p.176)

 ⇒「国民皆兵」で兵は集まるが、実際は小銃が不足

特務士官や兵曹長のトリオこそ戦艦の戦力発揮を担っており、ひいては連合艦隊の命運を

 左右する存在だった。(p.181)

*部隊を統率する各級将校の資質が大動員によって低下(p.188)

 ⇒従来、少佐は少尉から15年。戦争末期には5年。指揮官としての修練不足。

 ⇒優秀だと連隊本部から抜け出せない=戦死しない限り第一線から抜け出せない

 

本『進撃のドンキ』酒井 大輔(日経BP 2024.8)
【満足度】★

【概要・所感】日経BPロンドン支局長の著書。パン・パシフィックインターナショナルHDはセブン、イオン、ユニクロに次いで日本4位の売り上げ高を記録しています。本書は日経ビジネス23年9月号の特集が起点となり、ドンキの取り組みを400ページにわたって紹介しています。ある意味、長編小説で、ドンキの短編コラム著者の思い入れがわかる1冊です。ドンキがテーマの本書に限っては紹介写真がすべてカラーなのはドンキの店内をイメージしやすくグッドアイデアだと思いました。

【ポイント】

*ドンキには「顧客親和性」という言葉がある。店づくりには想定顧客に最も近い店員が関わる

 べきという考え方だ。(p.86)

 ⇒Z世代だからZ世代のトレンドがわかる

*「物を売るんじゃない。空間創造なんだ。面白い空間ができれば、ついでに物が売れるんだ」

 (p.110)

 ⇒店そのものが作品。(安田創業会長)

「仕事を『ワーク』ではなく、『ゲーム』として楽しめ」(p.230 源流)

*人というのは、自分が主役になって、自らの意志で決められる仕事に関しては、真摯かつ一生

 懸命に取り組む(p.327)

 ⇒楽しくないことで人は力を発揮しない。楽しいから爆発的な成果を生む

 

本『悪魔の傾聴』中村 淳彦(飛鳥新社 2022.9)
【満足度】★
【概要・所感】著者は風俗や貧困、介護などわりと際どい社会問題に光を当てているフリーのノンフィクションライター。その経験から、常に聞き手が主導権を持ち、常になぜという疑問を持って、想像力を働かせることでいかにして本音を引き出すかのノウハウが書いてあります。本音を引き出せると、相手への理解が深まったり、知らない本音を聴けるので視野も広がるますし、信頼もされます。ここぞという場面で、徹頭徹尾、聞き役を演じるのが“悪魔”の傾聴です。事例は著者のインタビューの経験が下地になっており、想定読者は後進のライター向けですが、一般読者も覚えておいて損はありません。
【ポイント】

*人と会話するあらゆる場面で絶対にやってはいけないこと(p.21)

 ●否定する

 ●比較する

 ●自分の話をする

*自分の好き嫌い、興味関心は一切関係ありません。とにかく相手が話を継続できる質問を

 心がけます。(p.29)

 ⇒自分が知りたい質問ではなく、相手の語りをもっと深めるための質問をする

*褒め言葉(p.56)

 かわいい方・優しそうな方・仕事ができそうな方・知的な方・面白そうな方

*ミラーリングする最大の目的は、相手の語りとリズムをあわせることです。(p.78)

 ⇒リズムがズレると語りも鈍る

*「いつも心に底辺を」(p.180)

 ⇒自分のような低辺の話は価値がないし、語っても迷惑だろうと自覚し、自分語りを律する

*聞き手に意見やアドバイスは求めていません。いったいどうして?という好奇心をもって、

 リズムをあわせて相づちを打ち、相手が語りやすい環境整備に徹するべき(p.190)

 ⇒世界は自分がわからないことだらけ。理解しようとするからアドバイスをしてしまう

 

本『だから僕たちは、組織を変えていける』斉藤 徹(クロスメディア・パブリッシング 2021.12)
【満足度】★

【概要・所感】最初、図書館で借りて、これは良書!と購入しよう思ったものの機会を逸し、やっと図書館の順番を待って借りてきたのですが、これが全く響かない内容でどこを良いと思ったのか。内容も全く覚えておらず・・・。