読書5月 明日、野球やめます | 読書日記

読書日記

自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

5月に読んだ本は7冊(図書館本7冊)でした。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

<お気に入り順>

本『明日、野球やめます 選択を正解に導くロジック鳥谷 敬(集英社 2022.6)
【満足度】★★
【概要・所感】元・阪神タイガース・不動のショート鳥谷氏の著書。阪神入団からロッテでの引退までのプロ野球人生のその時々のシーンで何を考え、決断したのかを知ることができます。プロ野球で実働18年間のうちGG賞5回、ベストナイン6回、1939試合連続出場など結果を残す選手はやはり超一流のブレない軸を持っています。「ダイブするよりは、1歩もしくは半歩、最初から守備位置を変えた方がいい。(p.118)」といった準備の大切さを徹底して説いています。「だいたいのことは上手くいかない、どうせ失敗する」ので、せめて受け入れやすくするために何事も自分で決めて準備を怠らない。思った以上に勉強になりました。

【ポイント】

*いかに楽に守るかということを、引退するまでの間、ずっと追求してきた。=中略= 捕球

 するのも全力、送球するのも全力だと、1年間安定したプレーを続けることができないのだ。

 =中略= どんなに自分が苦しい状況でも同じ守備力を発揮できることが、遊撃手の

 レギュラーとしての最低条件(p.109)

*細かいところまで考え抜かないとならなかった本当の理由は、圧倒的な身体能力の高さを

 自分は持っていなかったからだと思う。(p.123)

*エラーをした翌日に、いきなり一生懸命練習しても疲れるだけで、エラーが減る訳ではない。

 エラーをする日の前から、3年後、5年後を視野に入れてしっかりと準備しておけば、

 たとえエラーをしても翌日に余計なことをしなくていい。(p.124)

*唯一、自分が人に誇れるものがあるとすれば、入団してからやめる日まで、準備を大切に

 い続け、毎日同じことを積み重ねたこと。(p.135)

*まずは現実に起こってしまった結果を受け入れる。そのうえで、どうしたいかを次に考える。

 そのために必要な準備を始める。(p.175)

 ⇒後悔する時間も悩む時間もなくなる

*本当のコーチングとは、たとえ選手がクビになろうがどうなろうが、自分で選択して、自分で

 どうなりたいかを考えさせることだと思う。(p.185)

*準備をして結果を出してきた、という経験がある。間違いないのは、準備をしなかった時の

 失敗は反省ができず、次に活かせないということだ。(p.201)

*現状維持というのは、常に変化しよう、成長しようという気持ちがあってこそ成り立つものだ

 (p.216)

 

本『イオンを創った女』東海 友和(プレジデント社 2018.11)
【満足度】★★
【概要・所感】小嶋千鶴子は戦後、23歳の時に両親の跡を継ぎ、四日市の呉服屋・岡田屋を切り盛りし、その後ジャスコ、さらにイオンという企業グループへ育て上げた功労者です。イオンと言えば岡田卓也氏は有名ですが、その実姉の小嶋千鶴子氏の評伝です。今で言うCHRO(そして社長)だった点に興味があり、読んでみました。元部下・東海氏が、1/3が千鶴子の生い立ちについて、2/3が印象的な言葉を人生哲学、経営哲学、人事哲学として紹介する構成になっています。
【ポイント】

*人事担当者は知ることから始める。そのためには聞くことから始める。(p.52)

*本を読み、新聞を読み、人の話をよく聞く。その中から本当に価値ある情報は何かを見極める

 判断力を養っていく。=中略= 危機に備えて準備しておくということの"準備"とはそのこと

 を含めての準備である。(p.85)

*人事施策の要諦は、変化に対応する人材の育成である。(p.139)

*水戸黄門の役者よりうっかり八兵衛の人品が劣るわけでなく、単なる役割であって、みんな

 役に徹するプロの集団である。(p.144)

 ⇒職場もアマチュアがいては成立しない。会社は役作りを支援し、自己啓発を求める

*小事は毎日の積み重ねによって大事になる。プロは日頃の小さな修練を欠かさない。音楽家も

 芸術家もアスリートもそれを欠かせば大きな成果が得られないことを知っているからである。

 チェンソーを扱う作業員は、木を切る時間よりチェンソーを研ぐ時間のほうが長いという。

 研いでおかないと切れ味が悪く、結局のところ効率が悪いことを知っているからである。

 (p.197)

*「随所で主となれば、立つところみな真なり」(p.205 禅語)

 ⇒主体性をもって行動すればいついかなるところでも外界に翻弄されることはない

 

本『経営読書記録 表』楠木 建(日経BP日本経済新聞出版 2023.12)
【満足度】★★
【概要・所感】「表」は2019年から2023年頃までオフィシャルメディアに掲載された書評で、少しお堅い本が多いように思います。相変わらずの楠木節の一文を備忘で残しておこうかと思いましたが、それは止め、読みたい本リストとしてリストアップ。高峰秀子関連も一度、読んでみないといけないのかも。既読本も数冊あり、楠木氏がどの辺を面白がっていたのかと意見交換的に読めました。

【ポイント】

*高峰秀子の流儀 斎藤明美

*明日、野球やめます 選択を正解に導くロジック 鳥谷敬

*思い邪なし 北康利

* 決断=実行 落合博満

*「なりたい自分」になるシンプルなルール 福田萌子

*お金の賢い減らし方 大江英樹

*岩田さん ほぼ日刊イトイ新聞

 

本『経営読書記録 裏』楠木 建(日経BP日本経済新聞出版 2023.12)
【満足度】★★

【概要・所感】「経営読書記録 裏」は個人ブログ掲載の書評。そのため1つの書評に対してのボリュームがちょうどよく、紹介されている本もビジネス書以外にも様々。山口周・名和高司・高森勇旗・中竹竜二ほかとの対談や、巻末には映画・音楽の批評まで。ま、それはいらなかったように思いますが・・・。読みたい本を探す際には本書が役に立ちます。こちらも気になった本をリストアップ。

【ポイント】

*トラジャ 西岡 研介

*イオンを創った女 東海 友和

 

本『死後を生きる生き方』横尾 忠則(集英社新書 2023.10
【満足度】★

【概要・所感】横尾忠則の死生観が気になって読んでみましたが、死後の世界についてのオカルトチックなエッセイでした。輪廻転生は死んだことがないからはっきり言って誰もわからないですねw  ファンタジーとして読んでくださいとありましたが、確かにそれが良いかと思います。「夜寝るのは魂が霊界に戻ってパワーを受けて肉体に戻ってくるためで、そこで死者に会うことがある(たまに死者が夢枕に立つことがありますよね)」という話や、魂の存在は信じていないくせに弔辞などで近いうちに天国で酒でも飲もうやと言ってしまう人の話は印象に残りました。

【ポイント】

*人間は未完で生まれて、完成を目指して、結局は未完のままで死ぬ。これでいいのです。

 完成されたものが美しいとは思いません。美というものは未完ゆえに美しいのです。(p.188)

*死への恐怖は、つまるところ、やり残したことがあるか、ないかによって変わってくるんじゃ

 ないでしょうか。(p.191)

 

メモ『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』安達 裕哉(日本実業出版社 2023.11)
【満足度】★
【概要・所感】新刊と思ったら著者が2015年に書いた本の再編集版でした。仕事ができる人になる方法として実行力、決断力、コミュ力、考え抜く力、働きかけ力というカテゴリーごとに普遍的なポイントが書かれています。目新しい話はなく、オーソドックスな内容でした。
【ポイント】
*人生を変えるのは、一発逆転の出来事ではなく、些細な日常の習慣(p.16)
*賢い人は、その賢さゆえに「指示待ち」となり、勝手な人はその鈍感さゆえに「問題児」と

 なる。(p.81)

*話のわかりやすさは「相手の立場から自分の話を見ることができるかどうか」(p.98)

*毎日1時間練習すれば、1年後には何もやっていない人よりも365時間分、高い技能を身に

 つけられる。10年なら4000時間近く。これならもう絶対に追いつかれない。(p.183)

 

本『「指示通り」ができない人たち』榎本 博明(日経プレミアシリーズ 2024.3)

【満足度】★
【概要・所感】指示通りできない人は一定数いて、着眼点に興味を惹かれましたが、具体的なケースを紹介したい意図はわかるにしても、会話調の相談×解決という文体が延々と続き、読みにくい。認知能力・メタ認知能力・非認知能力という3つのケースを抽象化した第4章の20ページ弱だけで良かった気がします。認知能力を鍛えるのに読書が本当の解決策となるのかは微妙です。