読書日記 -3ページ目

読書日記

自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

5月に読んだ本は8冊(図書館本7冊・購入1冊)でした。

三連休で時間もあるし、久しぶりにアップ。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

本『彗星夜襲隊 』 渡辺 洋二(光人社NF文庫 2008.3)
【満足度】★★★
【概要・感想】太平洋戦争中、特攻を拒否した美濃部正少佐が指揮する「芙蓉部隊」の奮戦について書かれた本。その芙蓉部隊とは海軍804、812、901の3飛行隊(最終、第131海軍航空隊)の夜戦部隊の総称で、元々はニックネームでしたが、自他共に認める独立部隊です。本書は美濃部少佐本人の話よりも芙蓉部隊についての記述に詳しいです。「芙蓉部隊」所属の隊員の戦歴や太平洋戦争全体の記述が多いため、やや重たい内容かもしれませんが、個人的には『特攻セズ 』よりも本書の方が臨場感があり、感情移入して面白かったです。

【ポイント】

*「精神力一点ばかりの空念仏では、心から勇んで発つことはできません。同じ死ぬなら、

 確算のある手段を講じていただきたい」(p.106 美濃部)

*参謀は長官、司令官を補佐して作戦・用兵を立案するのが任務だ。いわば作戦専門屋の

 参謀が、特攻攻撃しか思いつかず、一飛行隊長に代案を問おうとは!(p.106)

「二〇〇〇機の練習機を特攻に狩り出す前に、赤トンボ(93式中間練習機)まで出して

 成算があるというのなら、ここにいらっしゃる方々が、それに乗って攻撃してみるといい

 でしょう。私が零戦一機で全部、撃ち落としてみせます!」(p.107 美濃部)

*飛行長の肩書きが付くと、空中指揮は行わないが、航空隊の持つ全飛行隊の飛行科と

 整備科を地上指揮できる(p.110)

*芙蓉部隊は、機動部隊に対する攻撃はもちろんのこと、索敵つまり偵察任務も請け負って

 いるうえ、飛行場攻撃も兼務している。索敵は毎日必要だし、飛行場は固定目標として

 つねに存在するため、出撃は連日(p.165)

「彗星」の夜間飛行が零戦よりも絶対的に有利なのは、後席に航法専門の偵察員が乗って

 いることだ。(p.183)

*芙蓉部隊では、進出したての人員に少なくとも数日間は作戦出動させず、また初動は

 比較的容易な任務を与えた。(p.199)

 

本『特攻セズ 美濃部正の生涯』 境 克彦(方丈社 2017.8 )
【満足度】★★★
【概要・感想】太平洋戦争中、「一億総玉砕」といった精神論が幅を利かせていた日本で、正攻法で戦う信念を曲げずに、特攻を拒否した美濃部正少佐29歳。一介の前線指揮官が指揮した総勢1,000人の芙蓉部隊の奮闘について書かれた本ですが、『彗星夜襲隊 』との違いとして、こちらは美濃部少佐個人の人生についての記述がメインです。弱冠29歳の青年が精神主義真っ盛りの戦時下で、ここまで信念を曲げずに合理的な判断や主張を貫き通した人がいたことに感動しかありません。ちなみに著者は時事通信社の元編集局長というゴリゴリのジャーナリストで、詳細まで取材されています。
【ポイント】

*美濃部は =中略= 「特攻の乱用」に反対したのであって、特攻を頭から否定していた

 訳ではない(p.18)

 ⇒負けてよい戦法は論外。不可能を可能とすべき代案なき限り、特攻もまた止むを得ず。

*大正世代は、満州事変から数えて15年にも及んだ戦争という国策に、全員が翻弄された

 世代(p.36)

*米軍が太平洋戦争の開戦と同時に抜擢人事に踏み切ったのと違い、日本の陸海軍は平時の

 硬直的人事制度を基本的に改めることができないまま終戦を迎えた。=中略= 試験成績の

 優等生が戦争全体を指導し、あるいは艦隊の司令長官となって作戦を指揮していたのである。

 (p.75)

*亀田(寛見少佐)の口癖がある。「一概にそうでないんであってして」「そういうことも

 考えられるが、こういう考えもあるんであってして」 =中略= 何か問題を解くに

 当たっては「一つの考え方だけにとらわれてはいけない」「それ以外に解決の方法はないと

 思いこんではいけない」 =中略= さらに「自分の考えが正しいんだ」と軽々に断定する

 ことを戒め、決めつけるような言い方ではなく、「私はそう思う」と言うべきだと注意を

 与えた。(p.82)

*「水上機は駄目だから零戦に変えてくれ」という要求が通るなど、前代未聞のことだった

 (p.217)

*江村(日雄少佐)の634空も終戦まで通常攻撃を反復した数少ない部隊(p.267)

*戦力で圧倒的に優秀な米軍に対抗するためには、敵の直衛戦闘機の警戒が緩む夜間に作戦を

 行う以外にない。(p.288)

*整備不良で10%台に落ちていた彗星の稼働率は、芙蓉部隊では最大で80%前後という驚異的

 な水準に達した(p.294)

*岩川基地は最前線にありながら米軍の目を欺き通し、ついに終戦まで1発の爆弾も落とされ

 なかった。(p.321)

*海軍は最後の最後まで、この航空戦力という新たな戦力の本質を理解できず、飛行機の

 優位性が明らかになってからも、一発勝負である「艦隊決戦」の枠の中で活用策を追求する

 レベルから抜け出せなかった。(p.326)

 

クリップ『大本営参謀の情報戦記』 堀 栄三  (文春文庫 1996.5)

【満足度】★★★
【概要・感想】名著「失敗の本質」と同じくらい面白く、陸軍大本営情報部に勤務した堀少佐の貴重な体験記。第三者的視点を大切する意味で「堀は、、、」という独特の言い回しで書かれています。原爆投下を情報的に見抜けなかったことは情報部の完敗と語っていますが、とかく情報を軽視しまくった大戦下でこんな軍人もいたのかと思うとともに、せっかく情報的大切さを後世に語ってくれているのに現代社会でも普通に起きているケースの数々にこれらの教訓はほとんど生かされていないと、とてもモヤモヤしました。。。

【ポイント】
*一番大事な米本土に情報網の穴のあいたことが、=中略= 敗戦の大きな要因であった。

 (p.97)

 ⇒日系人の強制収容

*陸軍と海軍が双方とも、何の連絡もなく勝手に戦果を発表していたため、陸軍は海軍の

 発表を鵜呑みにする以外にないという日露戦争以来変わっていない二本建ての日本最高

 統帥部の組織的欠陥があった(p.101)

*大本営作戦課や上級司令部が、米軍の能力や戦法及び地形に対する情報のないまま、机上で

 二流三流軍に対すると同様の期待を込めた作戦をたてた(p.110)

*米軍は常に戦果確認機を出して写真撮影するのが例になっているが、日本の海軍でも陸軍

 でもその方法は採られなかった。(p.189)

*方面軍参謀となって仕事を始めてみると =中略= 七千余の島を守っている方面軍が、

 自力で知り得る情報は守備隊の占領している地域と、そこから望遠鏡で目視できる範囲の

 海上の動きだけで、方面軍の欲しい情報の大部分は、大本営、南方総軍、航空軍、海軍から

 貰わなければやっていけないのである。しかもその情報の授受は、お互いが好意的に連絡

 する協力型であって、組織制度的なものではない。(p.194)

*太平洋に展開した日本軍の中で、暗号に従事していた人員は、恐らく五、六万名、ざっと

 四、五個師団分に相当したのではなかろうか。

 ⇒手仕事の日本軍に対し、米軍は機会暗号のため一人で出来る。

*情報の任に当たる者は、「職人の勘」が働くだけの平素から広範な知識を、軍事だけでなく、

 思想、政治、宗教、哲学、経済、科学など各方面にわたって、自分の頭のコンピューターに

 入力しておかなければいけなかった。(p.260)

数学的思考が、既述の鉄量計算のように日本軍には欠けていた。それが日本軍の思考を常に

 精神主義の方に走らせた原因でもあった。われわれはもっと考えなければならないことを、

 精神主義の壁の陰に隠してしまった(p.269)

*情報の判断には、百パーセントのデーターが集まることは不可能です。=中略= 空白の

 霧の部分を、専門的な勘と、責任の感とで乗り切る以外にありません(p.297)

*陸軍と海軍の連絡が円滑さを欠いただけでなく、陸軍の中でも作戦部、情報部、技術本部、

 航空本部などがまったくバラバラの活動をしていた。(p.331)

 

本『居場所。』大崎 洋(サンマーク出版 2023.3)

【満足度】★★
【概要・感想】ダウンタウンを見出した元・吉本興業の会長の著書。お名前は昔から知ってましたが、こんなユルイ人だったのか、と。そして、会社人生の半分は窓際だったというから驚きですが、それで終わらなかったのは木村政雄氏やダウンタウン、さんまとの出会いがあったからのようです。子ども時代の頃の話から自分の子どものエピソードなど大崎氏の考え方のルーツを知れます。闇営業問題の最中「大崎さんが辞めるなら俺も辞める」と松ちゃんは静かに言ってましたが、その絆もよくわかりました。

【ポイント】

*どこだろうと、土俵には上がらないこと。どこにもしがみつかないこと。(p.58)

*みんな、「どうしたいか」は違っています。幸せなんて、人によって違う。目指すゴールが

 違うのに、競争したところで意味なんかありません。(p.103)

解決しなくとも、仕方ないと受け入れ、「しゃーない」という言葉でだましだましやって

 いたら、そのうちいい風も吹いてくる。(p.187)

*「できると認めて頼んでくれたから、精一杯こたえる」という繰り返しで、できることが

 増えていく。やってみて喜ばれると、そのことが好きになっていく。(p.222)

 

メモ『歴史をなぜ学ぶのか』本郷 和人 (SB新書 2022.1)
【満足度】★★
【概要・感想】本書は日本史(といっても中世史メイン)における6つのターニングポイントを例に挙げ、歴史の文脈を考え、歴史的思考力を身につける大事さを説きます。歴史に興味を持つ上で重要なのは個別の事実を単に暗記するのではなく、前後に流れがあり、その物語性=史料と史料の間を考えることです。(ある意味、時代小説が面白いのはそこ。) どうしてこんなことが起きたのか、その前提はなにか、その結果どういう影響が起きたのかなど考えていくと、今は当たり前だと思っていることが、長い時間をかけて時には先人たちの犠牲を伴い、作られてきたことがわかります。過去と現代の対話を通して学ぶことが大事だと思い知らされる一冊です。

【ポイント】

*奈良に置かれた都に対する奥の院は伊勢(p.56)

*壬申の乱をきっかけにこの不破関が東国と畿内の分かれ目であり、朝廷の防衛ラインとして

 重要な場所であることが認識されていきます。(p.64)

 ⇒大海人皇子(天武天皇)は不破関などの要所を押さえることで勝利した

*朝廷の力がそこまで及ばない関東では、国衙や在地領主たちが土地を争って奪い合いを

 おこなっている(p.80)

 ⇒公地公民が建前で、私有地である荘園はおめこぼし

*北条氏がどんなに権力をもったとしても、将軍になることだけは躊躇して、執権という

 ポジションのまま幕府を動かしていたのは、やはり北条氏は武士たちの本当の意味での

 リーダー=棟梁になるような家柄ではなかった(p.91)

*律令国家-権門体制-幕藩体制という体制の変化によって日本史を語ることができる(p.143)

 

メモ『宝治合戦』細川 重男(朝日新聞出版新書 2022.8)
【満足度】★★
【概要・感想】北条義時亡き後の北条vs三浦の宝治合戦を小説半分、歴史概説半分で紹介するという冒険的な試み。小説では、時頼と三浦泰村の戦乱回避に向けての行動や、安達景盛に率いられた安達氏と三浦陣営の強硬派三浦光村の対立などの描写が描かれており、そこはわかりやすかったです。元々、著者は小説をリリースしたかったようですが、登場人物のガラが悪さが目立ちすぎる気はしました。(なぜに台詞が広島弁?)

【ポイント】

*平安・鎌倉時代の武士団は、後の戦国大名と比べれば、そもそも兵力は多くなかったので

 あり、二、三百騎程度で、“大武士団”であった。(p.18)

*合戦直後の地位からして、政村が宝治合戦における北条陣営の最高幹部(p.303)

*時頼の治世で最も大きな成果は、=中略= 引付方の設置(p.319)

 ⇒法と合議に基づく執権政治の到達点

 

本『心理的安全性のつくりかた』石井 遼介(日本能率協会マネジメントセンター 2020.9) 

【満足度】★★
【概要・感想】心理的安全性×行動分析学の本。悪気なく心理的安全性を阻害している行動やその空気についての言及はよくある話で、そういった無意識の意識化をする知見として行動分析学を組み込んでいる本書は相当実務的です。(両方の知見を初めて聞く人は目からウロコなのでは?)ただ、読後、あまりフレーズがノウハウ記憶に残っていないということはそこまで良書ではないのかも。 

【ポイント】

*罰・不安が「ない」状態を目指すのではなく①話しやすさ、②助け合い、③挑戦、④新奇歓迎

 =中略= が「ある」状態を目指す(p.50)

*人々の「行動」は「きっかけ」と「みかえり」によって制御されている(p.158)

 ⇒「きっかけ」によって「行動」が起き、「みかえり」が「行動」に影響を与える

*「行動の直後にみかえりがなくてはならない」(p.162)

*「なぜ」の代わりに、「なに」「どこ」を使うとうまくいくことが多い(p.208)

 ex.どこで、なにが起きたのか教えて/なにが大切だと思って、これを最初にしたの?

*エンゲージメントの高いチームをマネジメントするリーダーは、ありがとうに理由をつける

 (p.270)

 ⇒私がいかに助かったかを伝える

 

本『気づかいの壁』川原 礼子(ダイヤモンド社 2023.2)

【満足度】★
【概要・感想】元・リクルートCS推進室の教育リーダーが教える「気が利く人」になる方法を伝授という内容ですが、名前を呼ぶ、人が見ていなくてもやる、箇条書き、会議前の根回し等々、個人的には目新しい知見はありませんでした。(相手の領域を尊重するというアドラー心理学を絡めて、「気づかい」を考察している点はわかりやすい。)気がつくかは素質で、気が利くかは技術。新卒や、気が利かない方と言われる人は読んでみる価値ありかなと。

4月に読んだ本は4冊(図書館本4冊)でした。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

本『国商 最後のフィクサー葛西敬之』森 功(講談社 2022.12)
【満足度】★★
【概要・感想】著者はノンフィクション作家の森氏。JR東海会長の葛西氏といえば2017年刊行の『飛躍への挑戦』がわりと面白かった記憶があり、興味のある人物です。本書はJR東海のトップの葛西氏の政治がらみの裏面史が中心の内容でした。ただ、官僚やら登場人物のイメージがわかず、葛西氏本人が実際、何をしたのかまでは今ひとつよくわからなかったのですが・・・。ちなみに、菅氏が弔辞で引いた安倍晋三の読みかけの本の一節「かたりあいて 尽しし人は 先立ちぬ」は元々、安倍氏がまさに盟友の葛西氏に向けての悔やみの言葉だったとのことです。

【ポイント】

*国鉄の最大の問題はなんだったかというと、抱えた借金とストライキ(p.53)

 ⇒分割されたからJR労組は権力を保てなくなった

*中曽根にとっての国鉄分割民営化は、労働組合運動を骨抜きにする政治的実験となる。

 (p.64)

 ⇒国労は日本社会党最大の支援組織であり、その弱体化は自民党タカ派の悲願

*国鉄の長期債務は清算事業団が私有するJR株や優良な土地を売って返済するスキーム

 (p.140)

*分割されたJR各社は、極左や過激派を内包する労働組合対策のため、守護神として警察幹部

 を雇ってきた。(p.158)

*第二次安倍政権が生まれて以降、この葛西ー杉田ラインが日本を動かしてきたと言っても

 過言ではない。(p.168)

 

メモ『復活への底力』出口 治明(講談社現代新書 2022.7)
【満足度】★★
【概要・感想】2021年に脳卒中で倒れた出口APU学長の社会復帰までの記録。そのニュースを耳にした後、どうなったのか気になっていて本書を手に取りました。右半身麻痺・失語症の後遺症が残ったのにも関わらず、リハビリをして、その後数ヶ月に本まで出しているというのはまさに驚愕・・・。困難を前にして出口氏は全く動揺することなく(何でもトレードオフの関係と割り切る)、前を向き、淡々とリハビリに取り組まれていた日々を知りました。人生にはどうしようもないことが起こるから、その時々の状況で粛々と適応していくという達観した考えはもはや仙人の域です。

 

メモ『伝わる仕組み』藤井 貴彦(新潮社 2022.2)

【満足度】★
【概要・感想】日テレの藤井貴彦キャスターの本。コミュニケーションで起きる課題についての解決のヒントがとても丁寧に書かれています。行間は広く取ってあり余白も多く、また魔法の言葉(ボキャブラリー)の類も書いていないため、お金払って読むにしては内容が薄いかもしれません・・・。普段耳にしないアナウンサーの裏話は面白かったです。

【ポイント】

*「指示から提案へ」「ウイットとメリット」(p.19)

 ⇒勉強したら?に旨味を加えると「勉強するのはいいタイミングじゃない?」

*「しかし」の後にはポジティブワード(p.114)

 ⇒なぜシュートを外すんだ、しかし、シュートの選択は正しかった。次から頼むぞ。

*こんなことを言ったらおせっかいかなと思う場合は、頭の中で一度「自分が言われてみる」

 といいでしょう。(p.121)

 

本『一番伝わる説明の順番』田中 耕比古(フォレスト出版 2018.6)
【満足度】★
【概要・感想】説明下手なもので一応、読んでみましたが、思っていたより普通の内容。情報を伝える順番を意識する=相手が聞きたい順番で話すなどは基本ですよね。あとはマジックナンバー3の話とか。読みやすく、超初心者向けです。

3月に読んだ本は4冊(図書館本4冊)でした。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

メモ『9割の買い物は不要である』橋本 之克(秀和システム 2021.9)
【満足度】★★
【概要・感想】行動経済学の観点から買い物で得する人と損する人を考察し、思い込みやマーケティングの煽りに乗せられず、良い買い物をしましょうという内容。行動経済学を知っている人ならすぐ読めてしまいますので、個人的には用語のみφ(´・ω・`)メモメモ 本書を読むだけでも理性で無駄な支出をずいぶんコントロールできると思います。ただ、コントロールした上で(不要な)買物自体を楽しむことがストレス解消になるならそれはそれで良い気はしています。

【ポイント】

*ウインザー効果(p.58)

 直接的な利害関係のない第三者から間接的に伝わる情報の信頼性を高く感じる

*バンドワゴン効果(p.60)

 多くの人が同じ選択をしていることにより、その選択肢が、さらに多くの人から選ばれ

 やすくなる現象。「バンドワゴン」とはパレードの先頭を行く楽隊車。

*投影バイアス(p.206)

 将来における自分の選好を予測するとき、現在の自分の状態、感情や好みなどに

 引きずられるバイアス

*感情ヒューリスティック(p.237)

 合理的に判断すべき事柄を、好き嫌いなどの感情で判断してしまう心理的バイアス

 

メモ人生の経営出井 伸之小学館新書 2022.4)

【満足度】★★
【概要・感想】
岩間社長→大賀社長ときた後、ソニー6代目社長の出井氏の著書。昨年、鬼籍に入られ遺作となりましたが、井深氏や盛田氏はもちろん平井氏にしてもなぜかソニー社長(について)の本は面白い。(出井氏とストリンガー氏がソニー凋落の戦犯とはよく聞きますが・・・。)本書は出井氏のソニー入社後の話から平易に書かれており、面白いしサクッと読めました。人生の経営というタイトルの割には、あくまで会社が軸という団塊の世代特有の働き方&考え方なんだなぁという感想。肩書や年齢よりも個人のキャリアが重視される時代になるべきだという主張には共感しました。

 

メモナンバー2の日本史榎本 秋(MdN新書 2022.4)

【満足度】★
【概要・感想】歴史上の政治的ナンバー2を取り上げるという着眼点は興味深かったのですが、対象範囲は弥呼の時代から幕末まで、登場人物も90人弱と広すぎ。紙幅が人物1人あたり1ページ+αくらいと少なく特にマイナーな人物ほど内容の薄い話しか書かれておらず、もったいなかったです。(意外と飛鳥時代は面白かったですが。)

【ポイント】

*両統迭立による対立が、ついには後醍醐天皇の倒幕運動へ繋がっていったことを思えば、

 時宗の判断が幕府滅亡の遠因(p.130)

*管領(p.152)

 執権を連想させるポジションだが、北条氏のようにひとつの家が独占せず、足利一族の

 有力家系「斯波」「細川」「畠山」から選出(三管領)

*鎌倉府(p.154)

 武士発祥以来、東国は重要な地域だが、京からのコントロールは難しいため設置。

 鎌倉府の長官(鎌倉公方)の下に上杉氏が代々継承する関東管領を設置。

*細川頼之は中国地方で足利直冬の軍勢と戦って大いに活躍した人物で、四国の守護を

 任されて四国管領と呼ばれていた。頼之が実質的に統治する形で、三代将軍・足利義満の

 治世は始まった(p.158)

*四代将軍・義持の時代以降、幕政は三管四職をはじめとする有力守護大名による合議に

 よって左右される(p.165)

*明応の政変(p.185)

 細川政元が畠山政長を自害に追い込み、足利義材を追放。義澄を将軍に擁立。

 ⇒応仁の乱で傷ついた幕府と将軍の権威に決定的なダメージ。守護や守護代、国衆があてに

  ならない幕府を無視して勝手に領地を争うように。

 

本パワハラ上司を科学する津野 香奈美(ちくま新書 2023.1
【満足度】★
【概要・感想】著者は学者。パワハラそのものとパワハラをしてしまう上司の特性や傾向に対しての分析には申し分ありません。しかし、自分をパワハラ上司と認識していない人はそもそもこの本を読まないので本書での分析を踏まえた上で、パワハラの受け手側としての対処法や組織としてパワハラを予防できるような提言があれば良かったなと思います。

【ポイント】

*周囲に悪影響を及ぼす邪悪な性格特性:ダークトライアド(p.76)

 マキャベリ主義・サイコパス・ナルシシズム

*国内情勢が悪化したり、治安が悪化したりするほど、人々は邪悪な性格特性を持つ人に

 魅力を感じやすい(p.84)

 ⇒多少の非論理性に目をつぶっても実行力に期待してしまう

*自分に厳しい人、努力をしてきた人、~すべきという価値観を多く持っている人は、

 パワハラをするポテンシャルが高い(p.149)

 ⇒期待水準をあげがち。同じ価値観を相手も大切にしているとは限らない。

*パワハラの訴えがある部署は、恒常的に職場が忙しい、職員全員に全く余裕がない、という

 状態がある傾向にあります(p.180)

 ⇒裁量権があれば個々が調整したり、仕事のやり方を変えたりして乗り切れる

*「男らしさ」が求められる職場では、「そうでない者」に対してパワハラが行われやすい

 (p.187)

 ⇒男性がタフ、競争的、物質的な成功を求める傾向がある職場

*イライラ・怒りへの対処 =中略= あの人はだめなのではない。①その仕事のやり方を

 知らないか、②その仕事が苦手なのか、③なにか事情があるのだ =中略= ほぼすべてで

 この三つのパターン(p.209)

2月に読んだ本は2冊(図書館本2冊)でした。
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<満足度> ★★★ オススメ  ★★ 面白い  ★ 収穫少なめ 

 

メモ一俗六仙川村 隆(東洋経済新報社 2021.7
【満足度】★★
【概要・感想】著者の
川村氏は日立の元会長。みずほ・カルビー・ニトリの社外役員を経て当時、渦中の東電会長を引き受け、結局80歳になって自由の身になったとのこと。以前、川村氏の講演会を聴いた際。穏やかで至って普通のマジメなおじさんに見えましたが、この歳まで引く手あまただったということは相当な敏腕経営者なのでしょう。本書では切った張ったのビジネスの話はほぼ無く、著者の人生観についてエッセイ風に語られています。タイトルの一俗六仙とはリタイアしてからの生活を表した著者の造語で、週七日のうち一日だけ俗世間的仕事と関わり、残りは人生の生きがいに使って悠々自適にと。幕末の儒学者・佐藤一斎の「言志四録」からの引用が面白い。全体通して学びのある良書と思います。
【ポイント】

*組織内の人間は、部下の教育に持ち時間の2割を割け(p.90)

 ⇒小組織の小リーダー以下で主体的行動がとれるように大リーダーが教育

*ラストマンこそラストが大切(p.104)

 ⇒事業の進歩発展に最も害するものは、 青年の過失ではなくして。老人の跋扈だ。

  (伊庭貞剛)

*さし当たって役にも立たぬことの集積が人生をつくるが、すぐに役に立つことは生活しか

 作らない。生活があって、人生のない一生ほど侘しいものはない (p.127 遠藤周作)

*生きがい感というのは、人生に途中で時たま期せずして与えられる恩恵のようなものでは

 あるまいか。(p.133)

*人が生きるのは総論と各論が必要だ。総論に当たる書物は、宗教や哲学の本、各論に当たる

 のは文学作品と言える。(p.147)

 

本決算書で読む新しい成長戦略入門』 佐藤 章憲(日経BP 2022.8)
【満足度】★
【概要・感想】超オーソドックスな会計とファイナンスについて、会計をよく知っている人と初学者の対話形式の本でしたが、対話形式の本とは相性悪く、あえて読む必要なかったな。ケーススタディとしてソニー、テスラ、ライザップなどの経営分析が出来てきます。途中から流し読みになっちゃいましたが、ファイナンス面ではわりと専門的な話が出てきますし、本書は誰(初心者?中級??)をターゲットにしているのか謎です・・・。

1月に読んだ本は8冊(図書館本4冊・購入4冊)でした。

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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

メモ『60歳までに「お金の自由」を手に入れる! 』榊原 正幸(PHPビジネス新書 2022.3)
【満足度】★★★
【概要・感想】イヤな仕事でも死ぬまで働くしかない状態からの脱却を目指すための本。FIREの話ではなく、「イヤじゃない仕事に就くこと」の重要性を説いているのですが、これは結構、現実的ですし、意外と類書には無い視点。ほんとその通りかも(結果的にそうであれば良いですが、言うほど簡単でもない)。老後のための資産運用」はインカムゲインとキャピタルゲインの両輪ですね。巻末には投資対象の銘柄リストも公開してくれていて親切です。意外と重要だと思ったのは、健康寿命の観点。60歳とは健康寿命の70歳まで残り10年ということ。そう思えば不本意な仕事を延長している場合ではないですね。
【ポイント】
*60歳を過ぎたら「最前線の頭脳労働」の現場においては「老害」に属すると心得るべき(p.47)

 ⇒財力はあるが、気力・体力に自信が無くなった時点で辞めるのが理想

*重要なのは早く辞めることではなく、「イヤな仕事」を「イヤじゃない仕事」に変えること(p.99)

 ⇒早く辞めたいというのはよほどイヤな仕事をしているということ
*≪国際優良企業の選別基準≫ (p.232)

 ①TOPIXコア30とTOPIXラージ70に該当している

 ②海外売上高比率30%以上

 ③平均売買代金が30億以上

 ④BPSが500円以上かつ自己資本比率30%以上

*≪財務優良企業の選別基準≫ (p.234)

 ①東証プライム上場

 ②純資産500億以上

 ③純資産が1000億以下なら1日平均売買代金が1億以上

 ④BPSが1000円以上かつ自己資本比率60%以上

 

クリップ『今日の芸術』岡本太郎(光文社知恵の森文庫1999/3)

【満足度】★★
【概要・感想】岡本太郎関係の本は読んでいますが、あいみょんの愛読書とのことで読んでみました。岡本太郎の芸術論が書かれた1954年刊行の名著です。
「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない。」本書の内容はたったこれだけの言葉で言い表せてしまえるのが凄い。

【ポイント】

*「いい」と思ったとき、その人にとって、そう思った分量だけ、わかったわけです。(p.44)

*若さというのは、その人の青春にたいする決意で決まります。いつも自分自身を脱皮し、

 固定しない人こそ、つねに青春をたもっているのです。(p.54)

*まともに生きることを考えたら、いつでもお先まっくら。いつでもなにかにぶつかり、

 絶望し、そしてそれをのりこえる。そういう意志のあるものだけに、人生が価値をもって

 くるのです。(p.97)

*芸術はここちよくあってはならない(p.99)

 すぐれた芸術には飛躍的な創造があり、見る人に一種の緊張を強要する。

*作品が傑作だとか、駄作だとかいっても、そのようにするのは作家自身ではなく、味わう

 ほうの側 =中略= そうすると鑑賞ーー味わうことは、じつは価値を創造すること

 そのものだ(p.118)

 

クリップ『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?』 林健太郎 (三笠書房  2022.6)
【満足度】★★
【概要・感想】著者は例によって昔は指示ばかりしていて、ふと聴く力に気付いてコンサルをし始めたタイプの人。面談のゴール設定について、部下の成長を促すこと、行動を是正、心身の状態を確認、行動パターンの特定、業務の再現性の確認などは改めて参考になりました。話を聴く際に注意する点、事実?感情?推測?などのパターン分けも久しぶりに聞き、脳内に上書き保存しました。あとは、傾聴、つまり徹底的に黙る(静かな時間の提供)が出来ればOK。部下の感情、考えや意見を聞いてみることにフォーカスですね。

【ポイント】

*部下から話を聴く目的は、問題解決ではなく、信頼関係を築き、部下が自分で考えるように

 なること(p.19)

*評判がよいお医者さんは、実は「患者の話をよく聞いてくれる医者」(p.20)

*決めつけないで、常に「かもしれない」をつけることで、考える余地を残す(p.44)
 ⇒あ、コイツわかってない・・・かもしれない

*要約の復唱で、わざと外したことを言って、相手に「違います、言い方を変えると・・・・」

 などと言わせて、真意を探るというテクニック(p.129)
*同意をしていなくても、「そういう考えもあるよね」と伝えることはできる(p.133)

*「私の意見を言ってもいいかな?」や「ひとつ質問してもいいかな」と許可取りする(p.143)

*「今日、どんな感じ?何を感じてる?」(p.154)

 ⇒人間の行動や意思決定を最終的につかさどっているのは感情と思考

*「わかりません」と部下が答えても、そこにどんな思いが込められているか(p.163)

 ⇒方向性の例示で引き出す(わかることを教えて・話したいことだけでもいいよ)

 

メモ仕事は自分ひとりでやらない小田木 朝子(フォレスト出版 2022.5)

【満足度】★
【概要・感想】仕事を
ひとりで抱え込まないという考え方にシフトし、持続可能な「仕事のやり方」を考えようというのが本書の内容。この手の本の起点は大体、出産前はバリバリ働き、子どもが生まれてからはそんな働き方はムリみたいな話ですよね。自分の仕事を自分でやりきるのも大事ですが、チームの仕事がチームで期限通りに正しく終わることの方が大事なのはその通り。ヘルプシーキングは、なにがなんでも自分でやりきるという人の意識改革には有効な考え方と思いますが、助ける側と助けられる側の気持ちの部分が抜けている気がします。(それと性善説ではないかと)

【ポイント】

*「考える仕事」の初期段階は、まず「30分だけ考える」(p.114)

*「完成度3割で共有する」仕事の進め方の目的は、「成果物の“ズレ”にできる限り早く気づく

 こと」(p.118)

*上手に助けを求めるために、そして上手に助けるために、「余裕がない」状態を整理整頓して

 おく(p.157)

 ⇒情報はオープン、やり方は標準化(ファイルなど蓄積する方法と場所と名前)

 

クリップこうして社員は、やる気を失っていく松岡 保昌(‎ 日本実業出版社 2022.4)

【満足度】★
【概要・感想】リクルート、ファーストリテイリング、ソフトバンクで会社視点・社員視点の両方を経験したコンサルの著者が、メンバーはどんなときにモチベーションが下がるのか、その解決策のヒントについて書いた本。高いアウトプットには個々のモチベーションの高さが関係しますが、それを落とさないよう上司サイドで気をつけておくべきノウハウが学べます。傾聴などのコミュニケーションスキルなどド定番ネタばかりでしたが、経験と勘だけでマネジメントする危うさが反面教師的によくわかります。

 

クリップ数学する人生岡潔/著 森田真生/編集(新潮文庫 2019.3)

【満足度】★
【概要・感想】現代アート作家の大竹伸朗氏のトークショーでの話題で数学者・岡潔という人物を知りました。気になり買って読んでみましたが、途中からいろんなエッセイの寄せ集めになり、構成がイマイチ。岡氏の言う“情緒”についてなにかもう少し掴みたかったのですが、理解不足で叶わず・・・。冒頭の「最終講義」の話にあった仏教や禅の思想に興味が湧きました。

 

メモ「かなぁ?」から始まる未来』 北村 甲介(幻冬舎 2022.4)

【満足度】★
【概要・感想】インテリアショップのリビングハウス社長の著書。世襲の3代目が本を出版するのもは珍しいと思いますが、案の定、2:8の法則、ダーウィンの進化論や「成果=資質×意欲×考え方+技能」など内容の8割は先代のノウハウの受け売り。裸一貫ベンチャーの創業社長ならともかく、月給14万で命を繋ぐとか、ちょっとどういう感覚なのかなと思いました。

 

本『構想力が劇的に高まるアーキテクト思考』 細谷 功(ダイヤモンド社 2021.9)
【満足度】★
【概要・感想】アーキテクト思考とは建築家がゼロベースから全体構想を構築する思考法と同じ。「具体と抽象」の細谷氏が著者なので読んでみましたが、「具体と抽象」をアーキテクト思考という概念に無理やり当てはめている分読みにくく、アーキテクト思考の話としてはわかりにくかったです。また、二部構成となっていますが、後半パートに繋がっている感はなく、後半はまた別のビジネス書にすら思えました。

定例の本棚整理で書籍・雑誌類を買取王子に売却しました。

昔に買った小説の単行本や最近のビジネス書が少々でトータル22冊。

【内訳】 単行本:13 新書:5 文庫:2 ムック:2

 

・・・結果、売却金額は3,964円

どの本を高く査定してもらったのかわからないけど1,500円くらいを想定してたから、高く買い取りしてもらって、けっこう助かったキラキラ

やっと昨年分の読書ブログのアップ完了した。

読んだ本のまとめをしておこう。
 

■年間読書冊数:58冊(2021年は55冊)

 

王冠1面白かった本ベスト5王冠1

・やわらかい頭の作り方

・オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資

・敗軍の名将

・ノモンハン責任なき戦い

・嫌われた監督

 

最近、ビジネス書に面白い本ってなくなってきたなぁ。

12月に読んだ本は4冊(図書館本4冊)でした。
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本オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資長期株式投資(KADOKAWA  2022.2)

【満足度】★★★
【概要・感想】タイトルは煽り系ですが、今まで読んだ投資本の中で断トツでしっくりきました。割安な(と考えられる)ときに高配当株(もしくは減配しない安定配当株)を買って、ひたすらホールド、受取配当額を増やしていくだけ。その方法は1株投資ですが、単元未満を保有するのは考えなかったです。1株づつならポートフォリオのリバランスもやりやすい。ところで、投資の際にチェックするのは①配当利回り②EPS③PERの3つとのこと。著者が永久保有している銘柄17の紹介も親切です。たった1,500円(図書館で借りたけど)の授業料としてお買い得すぎます。

【ポイント】
*EPSの推移が安定していて、配当利回りは高く、かつ配当性向が低い銘柄(p.90)

 ⇒配当性向が低いと、業績悪化でも配当を実施できる余地があり、業績堅調なら引き上げる

  ことで増配も期待できる

*PER20倍以上の銘柄は買わない(p.93)

*儲かる業種は、ヘルスケア、トイレタリー、エネルギー(p.104)
*ミックス計数(p.107)

 PER×PBRが22.5を下回った時が割安。PER15倍、PBR1.5倍を目安

*コロナショックでも、リーマンショックでさえも、日経平均株価のPBRは0.8倍を割って

 いません。(p.155)

 ⇒日経平均のBPS(PBR1倍)を調べ、BPSに0.8を掛ければ底値の推測ができる

*株式を売却しなくてはならなくなったら、業績が芳しくなく、株価も低迷している銘柄から

 売却する(p.206)

*最高のパフォーマンスを上げている個人口座の動きを調べてみたところ、共通していたのは

 彼らが口座のことをすっかり忘れていたか、すでに死亡していた(p.227 要約)

 

メモ<問い>から始めるアート思考』 吉井 仁実(光文社新書 2021.12)

【満足度】★★
【概要・感想】
本書のテーマの「アートとは問い」を軸に展開しています。最初に長谷川愛、福原志保、脇田玲、落合陽一、真鍋大度など最新のアートシーンで活躍する作家を紹介。知らないアーティストは調べながら読みましたが、Chim↑Pomやバンクシーなど、わりとメッセージ性の強いアーティストを例に取り上げている気もします。「表現の不自由展」についての考察もあり、作品を通して問いを投げかける(鑑賞者に考えさせる)という切り口では、例の作品はやはり直接的すぎて違和感とのこと。同意見ですね。

【ポイント】
*鑑賞者がアート作品に向き合うとき、「これはどんな問いを投げかけているのか」という

 視点を持つと、その作品をよく理解できるようになります。(p.8)

*アートはいつも見えないものを見ようとしてきた歴史(p.42)

 

本考証 鎌倉殿をめぐる人びと』 坂井 孝一(NHK出版新書 2022.7)

【満足度】★★
【概要・感想】鎌倉殿の13人で、お馴染の坂井氏の著書。坂井氏の他の著作との違いは、鎌倉初期の人物史(プラス歴史教養編)となります。「源氏」「北条氏」「東国の御家人」「鎌倉期の女性」「朝廷」といったカテゴリーで、主要な人物で約10ページほど割いています。1年前に読んだとしたら、よくわからない人物と内容だったと思いますが、今やほとんど知っている状態。ドラマ化というのは偉大ですよね。

【ポイント】
*胤義は =中略= 頼家の子禅暁を産んだ女性を頼家死後に妻としていたが、北条氏によって

 禅暁が殺されたため三浦を捨てて在京し、鎌倉に一矢報いようと考えたという(p.140)

 ⇒在京中に検非違使の任官を受け、義村より格上に。胤義と組むメリットはなかった。

*義村は、承久の乱の戦後処理に欠かせぬ存在(p.142)

 ⇒宮中守護という特命。

 

本ANA苦闘の1000日』 高尾 泰朗(日経BP 2022.9)

【満足度】★
【概要・感想】コロナ禍における航空業界の闘いを描いたドキュメンタリー本。最初はコロナが不気味に広がってくるという、よくわからない人の流れの異変の臨場感みたいなものがひしひしと伝わってきて、面白い!と思いましたが、読み進めるにつれ尻つぼみに・・・。なぜだろうと読み返すと後半部分は実質、航空業界の未来(ANAやLCC、ドローン輸送)についての著者の提言という展開だったからかもしれません。

11月に読んだ本は6冊(図書館5冊・購入1冊)でした。

今月は星ひとつの本が多く、選書失敗月となってしまいました。。。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

クリップ『絶対悲観主義』 楠木 建 (講談社+α新書 2022.6)

【満足度】★★

【概要・感想】2018年から2022年4月まで日立Webマガジンに連載された記事をまとめた本。どうせうまくいくわけないと悲観的に考えて、気楽に行動する絶対悲観主義をベースにして、これは一体、何の本だったのか・・・と読み終わって何も残らない楠木節全開の面白い本でした!

 

本『記憶はスキル』 畔柳 圭佑(クロスメディア・パブリッシング 2022.5)

【満足度】★★

【概要・感想】著者は脳科学者ではなく、元グーグルのSE。「記憶すること」についてラクできる知見はないかと思い読んでみましたが、オーソドックスな内容(最後15ページは自社アプリの宣伝だし)。記憶することも意思に頼るのではなく、習慣化するのがラクで効率的です。それとやっぱり記憶の定着には結局、テストが不可避・・・。

【ポイント】
*理解は記憶の組み合わせによって実現される(p.29)

 ⇒細部までしっかりした記憶が理解につながる

*短期記憶の持続時間は数秒から数分くらいとされていて、扱える情報の数は =中略= 

 「7±2」とされる(p.64)

*短期記憶として覚えた情報を長期記憶に変えて保存し、適切なタイミングで思い出せるように

 する(p.67)

*文章中に含まれるキーワードの数を、=中略= 「7±2」も範囲におさまるように自分で

 言語化しなおす(p.102)

 ⇒複雑な内容やあいまいな内容をそのまま覚えようとしない

*リストの最初と最後をよく記憶している(p.116)

 ⇒繰り返し学習するときは順番をシャッフルする

*記憶のゴールデンタイムは朝。分散効果を考えて、朝と夜に記憶しよう。(p.178)

 

メモ知ってるつもり』 西林 克彦(光文社新書 2021.10)

【満足度】★

【概要・感想】「知っているつもり」状態の特徴は、周辺知識がほとんどないまま定義だけを保持している状態とのこと。IT時代はすぐ検索できる安心感から、いろんな分野でいかにその状態が多いかと思い知らされます。前著は名著レベルで、本書のテーマも大変興味深かったのですが、いかんせん内容の方が図形やら植物やらこんなん知っていますか?という事例としての説明に終始していたのがかなり残念。そもそも事例もわかりにくく、途中からほぼ流し読み。詰め込み教育は大量の知識が問題ではなく、雑然と機械的に暗記した知識群の質に問題があるという指摘には納得でした。

【ポイント】
*知っている知識のすぐそばでしか、きちんとした疑問や推測は起きません。(p.8)

 ⇒問題点が指摘できるには、必要条件としてその手前までわかっていなければならない

 

本ビジネススクール意思決定入門』 内田 和成(日経BP 2022.8)

【満足度】★
【概要・感想】久しぶりに内田氏の著書。タイトル通り、意思決定の入門書です。今、持っている情報でいかに質の高い意思決定をするかについてのノウハウが書かれています。行動経済学やゲーム理論などお馴染の知見でしたが、ビジネスで重要な「物事の決め方」については意外とどこかで習うことがないので
ビジネススクールでの議論形式も取り入れている本書は初学者に有用かと思います。(個人的にはあえて読まなくて良かった本でした。)

 

本一軍監督の仕事』 高津 臣吾(光文社新書 2022.4)

【満足度】★
【概要・感想】
2年連続最下位から2021年に日本一、22年もリーグ優勝したスワローズ・高津監督の著書。21年のペナントレースの話にクローズアップされ過ぎているのでファン以外はあまり興味ないかもしれません。ビジネス書風タイトルですが、スポーツ書です。スワローズの選手のキャラクターない人物をわかっていないとビジネスの組織論なり人材育成論に抽象化しにくいかなと。
【ポイント】
*大きく集団を変えるというよりも、すべてのエリアで数パーセントの改善が出来れば、

 チームの総合力は大きくアップするのではないか(p.22)

 

本『「失敗の本質」を語る』 野中 郁次郎 (日経新聞出版新書 2022.5) 
【満足度】★
【概要・感想】
元・日経新聞記者の前田氏が「失敗の本質」の著者の野中先生に「失敗の本質」が誕生した背景や現代から見た意義、その後の戦史に関わる研究などをインタビューした内容。聞き手の話なのか、野仲先生の言葉なのかよくわからない部分もあり、けっこう消化不良。「失敗の本質」をまとめた箇所も出てきたりして、すでに何度も読んでいる自分は本書をあえて読む必要はなかったかなと。

10月に読んだ本は6冊(図書館本5冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

メモ『ノモンハン 責任なき戦い』 田中 雄一(講談社現代新書 2019.8)

【満足度】★★★
【概要・感想】本書は18年8月に放送されたNHKスペシャルがベースとなっていて、著者はそのディレクター。1939年に勃発したノモンハン事件。満州国とソ連の国境地帯、遊牧以外に価値のない場所で関東軍とソビエト軍大規模な戦争を始めたのはなぜか。辻政信らエリート将校や上層部の無責任さに焦点を当て、新たな証言を基に分かりやすく構成した内容です。(但し、辻政信の親族にも配慮あり)この手の本にしてはとても読みやすく理解が進みました。ノモンハンでは圧倒的に鉄量の差があったのにソ連の死傷者の方が日本の死傷者を上回りました。そういった結果が、その後の日本の楽観論、情報軽視、精神論重視などの考えを一層強化したのかもしれません。ソ連が手強いことを思い知り、南進論に舵を切っていったことも覚えておきたいです。

【ポイント】
*ノモンハンの兵士の回想録には「道に迷った」「目的地にたどり着けない」という記述が

 多数(p.14)

*歩兵中心の軽装備で臨んだ日本に対し、ソ連は最新鋭の戦車や装甲車など近代兵器を投入

 し、日本を圧倒(p.19)

*陸軍中央としては、2年前に始まった日中戦争が泥沼化する中で、“余計な”戦争は避けたい

 というのが本音(p.20)
 ⇒戦費がかさんでおり、日中戦争を関東軍と、制御できない陸軍中央という構図の中で

   明確な意思決定がないまま戦線は拡大

*満州事変によって、陸軍内部における関東軍の地位も飛躍的に高まった(p.28)

 ⇒泣く子も黙る関東軍。最大70万規模。天皇に直隷していたため、参謀本部の部長クラス

   でも容易に口出しできない気風。

*辻がいなければノモンハン事件は起こりえなかった。(p.52)

 ⇒関東軍参謀中最年少、身分も少佐だが、関東軍の参謀が異動で総入れ替えとなり、古参

  の一人となった。現場に足しげく通い、満州の知識や経験は辻に敵わなかった。辻は

  板垣さんが関東軍の参謀長だった頃の懐刀。

*参謀本部作戦課長の稲田正純大佐は、日中戦争の解決を最優先とし、ソ連との余計な紛争

 を避けたいと考えながらも、関東軍の面子や裁量をも大事にしたいと考えていた(p.72)

*国境を越えての軍事行動は天皇の大権に属するにもかかわらず、辻ら若手参謀は参謀本部

 にもいっさい知らせることなく独断で空爆に踏み切った(p.74)

*自決強要、免官、停職など、中下級指揮官に対する処分は、軍幹部の処分に比べ格段に

 重かった。(p.165)

*誰人の意見をも受け付けない辻が、服部の意見に対しては、一も二もなく承服する(p.198)

 

クリップ『「名コーチ」は教えない プロ野球新時代の指導論』 高橋 安幸 (集英社新書 2022.7)

【満足度】★★★
【概要・感想】スポーツの指導論とビジネスにおける人材育成手法はかなり相性が良いと思っています。プロ野球は毎年毎年、高校生が入団する訳ですから、常に最新のコーチング理論として洗練されているはず。本書は石井琢朗、鳥越裕介、橋上、吉井、平井正史、大村巌、6人のプロ野球コーチの指導論。すでに吉井・橋上の書いた本は読んだけど、とても気になっていたヤクルト・広島で手腕を発揮した石井琢朗、SBとロッテでコーチを歴任した鳥越裕介、糸井を開花させた大村巌を取り上げてくれた著者のセンスは素晴らしい。管理という手法がもういかに古いのかよくわかります。いかにしてプレイヤーが自分でやったという風に持っていくか、とても重要ですね。

【ポイント】

*選手に技術を教えるというよりも、選手が自ら努力する方法を教えてあげるのがコーチ

 (p.19)

*練習は量でもないし、時間でもない。結局、どれだけ自分をよく知って、役割を知って、

 目標設定しているかどうか(p.102 橋上)

*コーチから教えるんじゃなくて、選手が何をやりたいか、はじめに聞いて、それに沿って

 アドバイスを出す(p.137 吉井)

*「自分でやったんだ」っていう感じ、=中略= そんな感じを自分で持てれば、モチベー

 ションが上がったり、自信がついたりしていくので。自分でできた、自分でやった、という

 感覚に持っていくのが、コーチのいちばんの役目(p.141 吉井)

*新人の選手にはコーチングとティーチングの両方が不可欠であって、丁寧な説明とともに

 モチベーションを保つための言葉も大事(p.193 大村)

*「諭す」(p.195 大村)

 なぜいけなかったのか、なぜしたのか⇒それをどう思っているのか⇒どうしていけばいいのか

*コーチとしての僕の役目は、遠まわしでもいいので、選手にアイデアを出してあげる。

 =中略= 自分からやったんだという記憶になるようにしたい。 =中略= 自立させないと

 いけない(p.201 大村)

 

メモ鎌倉幕府抗争史』 細川 重男(光文社新書2022.7)

【満足度】★★
【概要・感想】 頼朝の落馬から政子が没するまでの期間の内部抗争の歴史を時系列に紹介。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ど真ん中の副読本として読みましたが、よくまとまっており、わかりやすかったです。巻末に中世日本の基礎知識や家系図といった補助資料も理解を助けてくれました。

【ポイント】
*頼朝時代、御家人で受領に任官できるのは原則として門葉に限られていた。(p.82)

 ⇒景時滅亡後、時政は遠江守に任官。

*政所は鎌倉殿に限らず公卿の家政機関であり、公家社会では役職に複数の就任者がいる場合、

 筆頭者が執権と呼ばれた。(p.164)

 ⇒時政は広元の上位の政所別当筆頭=執権

*和田合戦の最大の歴史的影響は、この義時の侍所別当就任(p.216)

 ⇒侍所別当と政所別当を兼職した地位が、これ以後執権と呼ばれる

 ⇒侍所の副官である所司に北条家の家臣化した御家人が就任(御内人・得宗被官)

*「金槐和歌集」の「金槐」か鎌倉の「鎌」の偏と大臣の唐名「槐」を合わせたもので、

 「鎌倉内大臣」を意味する。(p.229)

*泰時の治世十八年間は、大きな抗争も起こらず、おおむね平和な時代となった。(p.293)

 ⇒合議制としての完成形である評定衆、執権、連署と共に幕府最高幹部

 

本サイコロジー・オブ・マネー』 モーガン・ハウセル(ダイヤモンド社 2021.12)

【満足度】★★
【概要・感想】タイトル通り、お金にまつわる人間心理について書かれた本。お金に対して慣れていない人向け。
心理と言えば、お金に関する悲観的なニュースがみんな大好きという指摘はまさにその通り。年金問題なんてみんな大騒ぎですよね。他にも心理に左右されるのは投資をする時。自分独自の経験に基づいて、その時々に意味があると思われる判断をしているという指摘。実際、株が上がるか下がるかを100%予想できないですからね。そういった身近な事例をエッセイ的に取り入れつつ、本書の結論として著者がよりどころとしているのは「高い貯蓄率」、「忍耐力」、「世界経済は今後数十年、成長するという楽観主義」とのこと共感するところ。投資の世界は特に上がった時も下がった時も「忍耐」です。

【ポイント】
*「何事も、見かけほど良くも悪くもない」(p.40 NY大学教授スコット・ギャロウェイ)

 ⇒1度や2度、投資に失敗しても自信を失わず、プレイし続ける。運とリスクが影響。

*投資に関する最強かつ最重要のアドバイスが書かれた本のタイトルは「黙ってじっと待て」

 (p.84)

*優れた美術品商は =中略= さまざまなアーティストの作品をポートフォリオとして

 まとめて購入 =中略= そのうちの数点が高く評価される日をじっと待つ。それが

 すべてだ。(p.107)
*富を築くために必要なのが自制心(p.149)

 ⇒お金を使うことではない。貯金とは収入からエゴを引いたもの。

*市場の変動性を、「間違った判断をしたことに対する罰金」ではなく、「将来的に利益を

 得るために支払わなければならない手数料」と考えることは、長期的な視野で投資をし、

 利益を得るためにはとても重要。(p.237)

*「悪いことが起こるのを前提にして、良いことが起こるのを待つ」(p.273)

*低コストのインデックスファンドにドルコスト平均法で投資する(p.314)

 ⇒長期的に成功する確率がもっとも高い投資法

 

メモ 鎌倉幕府と室町幕府』 山田 徹・谷口雄太・木下竜馬・川口成人(光文社新書 2022.3)
【満足度】★★
【概要・感想】
日本中世史では鎌倉幕府の研究が先行してきましたが、最近は室町時代もブーム。本書は人物、合戦、事件ではなく、制度や権力構造に重点を置き、室町幕府と鎌倉幕府を比較し、特徴を浮き彫りにする手法で解説。鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったのか?という執筆者4人による座談会も収録。ちょっとお堅い文章でしたが、①公家寺社との関係 ②地方支配(守護)③滅亡 という興味深い切り口で勉強になりました。鎌倉幕府は150年、室町幕府は250年(実は江戸時代よりも長い)続いたという事実も意外でした。

【ポイント】
*室町幕府や江戸幕府と異なる鎌倉幕府の大きな特徴(p.23)

 ⇒公家政権や大きな寺社勢力に鎌倉幕府はあれこれ命令する立場になかった

*守護とは、播磨国や肥後国といった国ごとに設置される官職である。一方の地頭は荘園など

 国より小さい所領ごとに設置される。地頭の地位は本来的に収益をともなう(p.97)

*鎌倉期守護の基本的役割は、任国内の軍事・警察権を担うこと(p.98)

 ⇒国衙を兼任し、在庁官人を家臣化。公的業務が守護に吸収され、守護領国制の前段に。

*江戸時代には、全国の大名をリストアップした「武鑑」という書物が広く流通しており、

 どの国を誰が治めているかは一目瞭然だった。(p.100)

*鎌倉幕府は全盛期のなかで突如滅亡したというにがおおよその学会の共通認識(p.163)

 ⇒パブリックイメージもない貞時期が幕府全盛

*室町時代の場合だと、守護は基本的にずっと京都にいる(p.234)

 ⇒但し、九州や東国の守護は京都にいない。

*室町時代の守護は、京都の政界で権力闘争に敗れたら屋敷を焼いて地方に帰る =中略=

 一方の鎌倉時代は、鎌倉で兵を挙げて、それでだめだったら一族郎党そのまま滅んでしまう

 (p.236)

 

本東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』 西成 活裕(あさ出版 2021.4)

【満足度】★
【概要・感想】渋滞学が専門の西成氏の本。目新しい話がないどころか、ちょっと昔のビジネス書風の切り口だなぁと思って読んでいたら、10年前(!)の
2011年に刊行された本の加筆・修正版でした。思考体力をつけるためのノウハウ本です。