3月に読んだ本は4冊(図書館本4冊)でした。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ
『9割の買い物は不要である』橋本 之克(秀和システム 2021.9)
【満足度】★★
【概要・感想】行動経済学の観点から買い物で得する人と損する人を考察し、思い込みやマーケティングの煽りに乗せられず、良い買い物をしましょうという内容。行動経済学を知っている人ならすぐ読めてしまいますので、個人的には用語のみφ(´・ω・`)メモメモ 本書を読むだけでも理性で無駄な支出をずいぶんコントロールできると思います。ただ、コントロールした上で(不要な)買物自体を楽しむことがストレス解消になるならそれはそれで良い気はしています。
【ポイント】
*ウインザー効果(p.58)
直接的な利害関係のない第三者から間接的に伝わる情報の信頼性を高く感じる
*バンドワゴン効果(p.60)
多くの人が同じ選択をしていることにより、その選択肢が、さらに多くの人から選ばれ
やすくなる現象。「バンドワゴン」とはパレードの先頭を行く楽隊車。
*投影バイアス(p.206)
将来における自分の選好を予測するとき、現在の自分の状態、感情や好みなどに
引きずられるバイアス
*感情ヒューリスティック(p.237)
合理的に判断すべき事柄を、好き嫌いなどの感情で判断してしまう心理的バイアス
『人生の経営』出井 伸之(小学館新書 2022.4)
【満足度】★★
【概要・感想】岩間社長→大賀社長ときた後、ソニー6代目社長の出井氏の著書。昨年、鬼籍に入られ遺作となりましたが、井深氏や盛田氏はもちろん平井氏にしてもなぜかソニー社長(について)の本は面白い。(出井氏とストリンガー氏がソニー凋落の戦犯とはよく聞きますが・・・。)本書は出井氏のソニー入社後の話から平易に書かれており、面白いしサクッと読めました。人生の経営というタイトルの割には、あくまで会社が軸という団塊の世代特有の働き方&考え方なんだなぁという感想。肩書や年齢よりも個人のキャリアが重視される時代になるべきだという主張には共感しました。
『ナンバー2の日本史』榎本 秋(MdN新書 2022.4)
【満足度】★
【概要・感想】歴史上の政治的ナンバー2を取り上げるという着眼点は興味深かったのですが、対象範囲は弥呼の時代から幕末まで、登場人物も90人弱と広すぎ。紙幅が人物1人あたり1ページ+αくらいと少なく特にマイナーな人物ほど内容の薄い話しか書かれておらず、もったいなかったです。(意外と飛鳥時代は面白かったですが。)
【ポイント】
*両統迭立による対立が、ついには後醍醐天皇の倒幕運動へ繋がっていったことを思えば、
時宗の判断が幕府滅亡の遠因(p.130)
*管領(p.152)
執権を連想させるポジションだが、北条氏のようにひとつの家が独占せず、足利一族の
有力家系「斯波」「細川」「畠山」から選出(三管領)
*鎌倉府(p.154)
武士発祥以来、東国は重要な地域だが、京からのコントロールは難しいため設置。
鎌倉府の長官(鎌倉公方)の下に上杉氏が代々継承する関東管領を設置。
*細川頼之は中国地方で足利直冬の軍勢と戦って大いに活躍した人物で、四国の守護を
任されて四国管領と呼ばれていた。頼之が実質的に統治する形で、三代将軍・足利義満の
治世は始まった(p.158)
*四代将軍・義持の時代以降、幕政は三管四職をはじめとする有力守護大名による合議に
よって左右される(p.165)
*明応の政変(p.185)
細川政元が畠山政長を自害に追い込み、足利義材を追放。義澄を将軍に擁立。
⇒応仁の乱で傷ついた幕府と将軍の権威に決定的なダメージ。守護や守護代、国衆があてに
ならない幕府を無視して勝手に領地を争うように。
『パワハラ上司を科学する』津野 香奈美(ちくま新書 2023.1)
【満足度】★
【概要・感想】著者は学者。パワハラそのものとパワハラをしてしまう上司の特性や傾向に対しての分析には申し分ありません。しかし、自分をパワハラ上司と認識していない人はそもそもこの本を読まないので本書での分析を踏まえた上で、パワハラの受け手側としての対処法や組織としてパワハラを予防できるような提言があれば良かったなと思います。
【ポイント】
*周囲に悪影響を及ぼす邪悪な性格特性:ダークトライアド(p.76)
マキャベリ主義・サイコパス・ナルシシズム
*国内情勢が悪化したり、治安が悪化したりするほど、人々は邪悪な性格特性を持つ人に
魅力を感じやすい(p.84)
⇒多少の非論理性に目をつぶっても実行力に期待してしまう
*自分に厳しい人、努力をしてきた人、~すべきという価値観を多く持っている人は、
パワハラをするポテンシャルが高い(p.149)
⇒期待水準をあげがち。同じ価値観を相手も大切にしているとは限らない。
*パワハラの訴えがある部署は、恒常的に職場が忙しい、職員全員に全く余裕がない、という
状態がある傾向にあります(p.180)
⇒裁量権があれば個々が調整したり、仕事のやり方を変えたりして乗り切れる
*「男らしさ」が求められる職場では、「そうでない者」に対してパワハラが行われやすい
(p.187)
⇒男性がタフ、競争的、物質的な成功を求める傾向がある職場
*イライラ・怒りへの対処 =中略= あの人はだめなのではない。①その仕事のやり方を
知らないか、②その仕事が苦手なのか、③なにか事情があるのだ =中略= ほぼすべてで
この三つのパターン(p.209)