読書8月 昭和の参謀 | 読書日記

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自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

8月に読んだ本は5冊(図書館本5冊)でした。
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<満足度>★★★ 感動 ★★ 面白い ★ 収穫少

 

<お気に入り順>

メモ『昭和の参謀』前田 啓介(講談社現代新書 2022.7) 
【満足度】★★★
【概要・所感】 今年の戦争本読書シリーズ1冊目。太平洋戦争時に“参謀”と呼ばれた軍人・石原莞爾、服部卓四郎、辻政信、瀬島龍三、池田純久、堀栄三、八原博通の人物像(直接、取材出来た人物もいる)に迫ります。 本書に取り上げられた個性の強い七人の参謀は全員、終戦後、生き残っています。彼らが戦後どのように生きたのか取り上げている類書は少なく、新書という紙幅の兼ね合いでそれぞれの人物像はややダイジェスト版くらいの分量になっているとは言え、大変興味深かったです。
【ポイント】

*陸軍では、軍事行政である「軍政」と、作戦・用兵を意味する「軍令」とに組織が分かれていた。

 (p.21)

 ⇒軍政は陸軍省、その長官は陸軍大臣。軍令は参謀本部、そのトップは参謀総長。

*作戦部作戦課はエリート中のエリート(p.22)

 ⇒石原は作戦部長と作戦課長を、服部は長年、作戦課長を務めた

*陸軍部隊は師団が最高の単位で、戦時には師団の上級司令部として「軍」、その上級司令部と

 して「方面軍」、さらに最上級司令部の「総軍」が編成された。

*日本の陸軍に一番大きな悪しき影響を及ぼしたのは、石原莞爾さんが上司の承認もなくして

 満州事変を起こしたことである(p.65 杉田一次)

*「下が上を剋する」というより「上が下に依存」する世界、すなわち「上依存下」の世界があった

 としか思えない(p.66 山本七平)

*大東亜戦争開戦の原動力は、田中作戦部長、服部作戦課長、辻戦力班長の三者にあることは、

 恐らく衆目の認めるところであったであろう(p.108 高山信武)

*相場師・越後と軍師・瀬島とのコンビで、伊藤忠の拡大路線を指揮した(p.221)

軍事には、司令官、軍政、参謀の三タイプがあって、参謀型の東条英機が軍政をやったのが、

 「戦前日本の失敗」(p.230 瀬島龍三)

 

本『ブラジャーで天下をとった男』北 康利 (プレジデント社 2023.6)
【満足度】★★
【概要・所感】 ワコール創業者・塚本氏の評伝。稲盛氏の評伝を読むまでワコールの創業者について意識したことも無く、そもそも京都で創業した日本の企業とも知らなかったのですが、稲盛氏の兄貴分で、そして太平洋戦争時インパール作戦55人の小隊のうち3名の生き残りと聞き俄然、興味が出て読んでみました。ワコールは和江商事というベンチャー企業からスタートし、塚本氏の同級生で営業の川口、参謀の中村のトロイカ体制に、伝説の女傑・内田と渡辺あさ野という女性といった個性の強い面々が黎明期を支えた会社。最初はパンツ屋と揶揄されながらも意に介せず、エロ商事のエロ社長です、などと道化を演じながら天下取りを虎視眈々と狙っていく、そのヒストリーが追体験出来て、面白い。

【ポイント】

人生というのは、異常事態のくり返しである。それに対処できるようにしておけば、恐いもの

 などはない。(p.85)

*京都に数多くのユニークな企業が存在している背景には、逆説的なことながら、行政に頼る

 ことなく自身の力で成長することを運命づけられた京都企業の宿命があった(p.318)

 

本『敗者のゲーム』チャールズ・エリス(日経BP日経新聞出版本部 2022.1)
【満足度】★★
【概要・所感】初版は1985年に発刊。説明に数式等使わず、人間心理や行動に結びつけて説明するわかりやすさが人気かと思います。本書の結論は、投資で長期的に成功したいなら、インデックスファンドを買えと、この時代からすでに主張しています。株価は上がっても下がっても、長期的には平均へ回帰するので、結局のところ短期的に売買するよりリターンがあります。個人的に目から鱗だった話は、債券投資はする必要ナシしという話。インフレには有効でない点と、株価上昇と逆の動きをすることを考えればその通りかも。長期的な運用基本方針を決め、それを堅持し、粛々と投資(インデックスファンド)することが大事だと腹落ちしました。
【ポイント】

*プロは得点を勝ち取るのに対し、アマはミスによって得点を失う(p.17 テニスのゲームより)

*ときどき売却する人の利回りは、ただ持ち続けている人と比べて低い。(p.39)

*投資家が期待リターンを実現できるほど、株式を長期保有し続けられるか、ということだ。

 (p.81)

 ⇒市場の問題ではなく、投資家の問題。どう市場を認識し、それにどう反応するかが問題

*投資の成功の秘訣はつまるところ、投資家の知的能力と情緒の能力によって決まる。(p.82)

 知的能力・・・財務諸表の分析能力、情報収集と活用など

 情緒能力・・・暴落や暴騰の場面での冷静さ、合理的判断

*長期における株式のリスクは種々の投資商品の中でも最も低いが、短期においては逆にリスク

 が最も高い(p.116)

*「年齢に応じた割合で債券投資」をする必要はない。金融資産は、100%株式であるべきだ。

 (p.123)

*私の総資産の中には =中略= 年金も、家や家具なども安定した資産であり、これらを考慮

 に入れれば、総資産の30~40%になる。=中略= 私の株式資産の時間軸は子供や孫の寿命

 だ。(p.129)

*優良債券でも利息は2%。=中略= インフレ率は2% =中略= だとすると、債券から

 得られる利益はない。(p.130)

 

本『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』配当太郎(クロスメディア・パブリッシング 2024.5)
【満足度】★★

【概要・所感】新NISAの枠を使うのは今(=株価上昇局面)ではない気もしますが、それはともかく、240万の配当金の原資なんて8,000万くらい必要じゃないの?と思ったら、増配株を新NISAで数年運用の結果、毎年の増配により240万になるという建てつけです。銀行、商社、通信、保険などの業種の株式をガッチリホールド。話としては賛成です。銘柄選定時のEPSなど決算短信などのチェックは良いとして、著者の言う、買える時とは一体、何をもって判断するのか?(高値と安値の定義が不明・・・)この部分はもっと追求して欲しかったところ。その点で言えば長期株式投資氏の著書の方が親切ですね。

 

本『気遣いを恋と勘違いする男、優しさを愛と勘違いする女』関口 美奈子(KADOKAWA 2022.10)
【満足度】★

【概要・所感】著者は元銀座ナンバーワンホステス。現在はコミュニケーションのノウハウを活かして、結婚相談所を起業。タイトルは面白そうだったのですが、タイトルに対するアンサーは特になく、恋愛や婚活についてのアドバイスする内容。自身の経験談+心理学の裏付けで展開されています。やたら警戒している恋愛詐欺師のような異性対策(そんなに多いのかな?)や人相学の話はイマイチな気がしました。
【ポイント】

*自分からただ愛することが幸せを呼ぶ(p.18)

*自分の意見を言うのは、しっかり関係性ができてから(p.31)

 ⇒それまでは全身全霊リアクションして、相手の意見を全肯定

*女性は、幸せホルモンと呼ばれる「セラトニン」の分泌量が男性の約半分ともいわれており、  

 不安を感じやすい傾向(p.95)