読書11月 早く読めて、忘れない、思考力が深まる「紙1枚!」読書法 | 読書日記

読書日記

自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

11月に読んだ本は5冊(図書館本4冊・購入1冊)でした。
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

本『早く読めて、忘れない、思考力が深まる「紙1枚!」読書法』浅田 すぐる(SBクリエイティブ 2021.12)

【満足度】★★★
【概要・感想】当初、図書館で借り読み始めて、こりゃイイ本だ!と買い直そうと後回しにしていたらすっかり熱が冷めてしまい、借り直して今に至ります。個人的には久しぶりの読書本で、この読書日記も「紙1枚!」風に試しに改良してみたのですが、ちょっと合わずに一瞬で元に戻しましたw 読書の前にはそもそも選書がありますが、選書術についても書かれていました。読書論が長いので読み飛ばして、手っ取り早く紙1枚読書法のノウハウだけ読んで、実際どんどん試すのが良いかもしれません。

【ポイント】

*「めんどくさい」思考・「深める」思考・「没頭」思考を働かせるつもりで本を読む

 (p.40)

*3つの疑問で読書が深まる(p.64)

 ①読んで何が良かった(what?)

 ②なぜ良いと感じた(Why?)

 ③どう活用したか(How?)

*「著者の言葉」より、「自分が扱いやすい言葉」に変換する(p.72)

*「自分がなぜ、この本を読もうと思ったのか?」という「あなたの目的」を優先し、その

 目的を達成するために読んでいく(p.106)

 ⇒目的を明確にし、目的達成に関係しそうなところだけ拾い、自分なりに考えをまとめる

*「選書」には「3種類」ある(p.136)

 ①未知⇒既知 不明点の解消

 ②既知⇒既知 既知をさらに既知へ強化、修得する

 ③無知⇒未知 無知を自覚することで未知を増やす、問いを得るため

*この「言い換え・具体例」は、何を主張するための「=」か?

 この「対比・逆接」は、何を主張するための「⇔」か?

 この「根拠・因果関係」は、何を主張するための「⇒」か?(p.196)

*仕事に活かせる読書とは、「他者貢献」につながる読書(p.246)

 ⇒自己犠牲ではなく、他者志向

 

本『関東軍』及川 琢英(中公新書 2023.5)
【満足度】★★

【概要・感想】関東軍とは1919年に成立した陸軍の出先機関。関東州と満鉄を保護するための兵力で、戦争に向かう過程で多くの謀略に関与しました。本書はその誕生から崩壊(ノモンハン事変)までの軌跡です。日露戦争から繋がる関東軍という軍隊にフォーカスした歴史はとても興味深く面白かったです。ただ、中国サイドの動きがリンクしてくるので、中国軍の動きにもかなり紙幅が割かれていましたが、中国人特有の似た人名&世界史に疎い自分には、そこは全く入ってきませんでした・・・。

【ポイント】

*関東軍が密接な関係を結んだのが張作霖(p.19)

 ⇒中国要人と関係性を築き、中国情報の分析に専門的にあたったのが「支那通」と呼ばれた

*満州事変以前の関東軍司令官(p.41)

 大将下位あるいは中将上位のポスト。上原勇作に近い九州出身者が多く占めている。

*満州事変までに、陸軍中央では上層部を占める宇垣派の下、主要な課長級や班長級は、

 一夕会員によって占められることとなった(p.120)

*参謀副長は主に作戦・治安・情報など純軍事分野に従事した一方、参謀長は政治・経済・

 文化等の重要事項にあたった。(p.162)

*出先では、石原を見習って下剋上の風潮が広まり、功を焦る傾向が生じた。石原が抑えよう

 としても、なんら説得力はなく、後輩参謀の華北・内モンゴル分離工作を止めることは

 できなかった。(p.230)

 ⇒石原は磯谷廉介と対立し、病気療養を理由に帰国。陸相の東條を批判し続け、予備役へ。

*梅津麾下の関東軍は、以前とは打って変わって、好戦性は見られなくなっていた(p.254)

 ⇒梅津美治郎は親分肌でなく理性に徹し切ったタイプ。統制には司令官の性格が重要。

*満州事変時の関東軍は、=中略= 命令を受ける関係にない政府や陸軍中央をなおざりに

 して動いた。天皇隷属という点では出先軍司令官は陸軍三長官と同格であった。(p.279)

*満州国軍の養成に留意し続けたのが石原莞爾であった。(p.282)

 ⇒日中親善のために満州国の協和的発展が必要。

*関東軍では、作戦参謀の発言力の強さが目立つ。出先軍のなかで特に関東軍には、陸軍

 教育機関の成績優秀者が作戦参謀として集まった。(p.283)

 

クリップ『オリンピックにふれる』吉田 修一(講談社 2021.9)
【満足度】★★
【概要・感想】 「香港林檎」@香港、「上海蜜柑」@上海、「ストロベリーソウル」@ソウル、「東京花火」@東京という、一応、オリンピックをテーマにした4作の短篇集。ちなみに作品の時期がバラバラ且つ改題もしています。「東京花火」は2021年の作品で「オリンピックにふれる」が元々のタイトル。印象に残ったのはこの作品だけかな。

 

メモ『降伏論』 高森 勇旗(日経BP 2023.6)
【満足度】★★

【概要・感想】著者は元横浜ベイスターズの選手で、引退後はデータアナリスト・ライター、要はコンサルの仕事をしているようです。本のタイトルの「降伏」というのは、隈研吾の「負ける建築」に同じく、やや哲学めいた話が展開されるのかと思いきや「いますぐやる」とか「具体的に行動する」といったオーソドックスな自己啓発書でしたので、個人的には雑学が増えたといったところ。内容は平易でわかりやすいのでamazonで高評価なのもわかりますが、成りあがりのコンサルがやりがちな、どこぞやの経営者との交際から学んだ話を著書で紹介するより、プロ野球を経験した高森氏しか書けない6年間の選手時代のエピソードをメインに知りたかったなぁと。(現役時代、面白い選手だと思っていたので文体にかなり違和感・・・)

【ポイント】

*「素晴らしい質問だ。この場に、新しい気づきとディスカッションの観点を与えてくれて

 ありがとう。」(p.174)

 ⇒質問するという勇気に最大限の承認

*ホステスの接客の基本“さしすせそ”(p.184)

*人間は取り掛かるまで20秒以上かかる物事を先延ばしにする傾向にある。

 (p.216『幸福優位7つの法則』)

*現在の行動は過去の原因からでなく、未来の目的から引き起こされている

(p.226 アドラーの目的論)

 ⇒引きこもりは過去のトラウマではなく、人と会いたくない目的を達成するため

*ケラチノサイト(p.268)

 五感以外に気圧や電気も感じる。現地で皮膚からも音を吸収し、認知する。

 

本『ビジネスエリートが知っている教養としての日本酒』友田 晶子(あさ出版 2020.10)
【満足度】★
【概要・感想】タイトルも装丁もビジネス書のテイをしていますが、日本酒の作り方や基礎知識などオーソドックスな日本酒の解説本。一応、接待や会食での日本酒のマナーの話(注ぎ方は知りませんでいた!)はありましたが、先日読んだ2冊の方がわかりやすかったので星はひとつ。新政酒造の佐藤社長、旭酒造の桜井会長のインタビューコラムもありました。
【ポイント】

*一升瓶一本のお酒を造るのに、お米が1キロ必要です。(p.52)

 ⇒大吟醸の場合、50%削るので2キロ必要

*その年の最初に仕込まれたお酒の搾り立てをとくに「初搾り」といいます。(p.173)

*日本酒8、水2くらいの割合で混ぜてお燗に(p.175)