トマス・ネーゲル著『哲学ってどんなこと?』再読の記録
4年前に一度、読みました。
このブログを始めたばかりの頃でした。
とにかくいろいろな本を読もうと意気込んでいました。
その頃に興味があったのは「哲学」。
哲学について全く知識がなかった私は何か入門書を探しAmazonを検索してました。
トマス・ネーゲル著『哲学ってどんなこと?』はその中で見つけた一冊でした。当時の私には一読しても何が言いたいのか全くわからずじまいでした。
「どこが入門書だよ」
と思った記憶があります。
先日、ふともう一度よんでみるかと思い立ち再読しました。
すると4年前はさっぱりだった内容が、今はそういうことかと心に入ってきました。
一般的な「入門書」とは一線を画す内容
この本は入門書とはいうものの、過去や現在の有名な哲学者の紹介やその著作の紹介。またその哲学論を解説するような入門書ではありません。
扱われているのは以下のような9つの哲学的な問いです。
- 私たちの心を超えた世界を知ることができるのか。
- 他人の心を知ることができるのか。
- 心と脳の関係はどのようなものか。
- いかにして言語は可能になるのか。
- 私たちは自由意志をもっているのか。
- 道徳の基礎はどのようなものか。
- どのような不平等は正しくないのか。
- 死とはどのようなものか。
- 人生に意味はあるのか。
「答え」ではなく「考え方」を学ぶ実践書
挙げられているテーマを考えたからと言って「哲学ってどんなこと?」に対する答えはわからないかもしれません。
しかし、この本の本当に大切なのは9つテーマそのものではなく、テーマについてどのように考えを掘り下げてゆくのかというプロセスにあります。
哲学的な物事のとらえ方を9つのテーマを使って教えてくれる。つまりこの本は「哲学ってどんなこと?」という問いに問いに対する実践的なトレーニング入門書なのです。
読者自身が同じテーマを哲学的に深く考えるもよし。また違うテーマをこの本から学んだ「掘り下げ方」で考察するもよし。読者の「思考のきっかけ」を与えてくれる本です。
4年という月日が生んだ「成長」
4年前はさっぱりだったが本が、ようやくその価値がわかるぐらいに成長できたのかなと思い少しうれしい気持ちになりました。
もし、あなたが「哲学の歴史や知識」を求めてこの本を手に取ったら、肩透かしを食らうかもしれません。
しかし、「哲学的な思考の回路」を手に入れたいと考えているなら、これほど自信を持っておすすめできる本はありません。
