以前紹介した『世界のエリートが学んでいる教養書必読100冊』。この中で紹介されていたE.H.カー『歴史とは何か』に興味が湧き、今読んでいるところです。

 

読み進めていくうちに「ほーっ」と思ったのは、「歴史とは現在と過去との対話である」という一文でした。

 

過去に起きたことは変わりません。しかし、その中から何を「事実」として選び取るか、それがどう意味づけられるかは、現在の私たちの関心によって変わっていく。だから歴史は一度書かれて終わりではなく、時代ごとに書き直され続けるのだといいます。

 

これを読んで、ふと教科書の、あの騎馬武者の絵を思い出しました。

 

子供の頃、教科書で「足利尊氏」として習った、馬に乗った武将の絵です。

 

あの絵は、昔から変わっていません。しかし今、多くの教科書からは姿を消しています。研究が進み、描かれているのは尊氏ではなく、家臣の誰かではないか、という見方が有力になったからです。

 

同じ一枚の絵でも、解釈によって変わる。そのことに驚きました。

 

自分が「これが尊氏だ」と信じて覚えた絵も、じつはある見方の一つに過ぎないかもしれません。