こんばんは。 ジュニパパです。
8番目にコンタクトしたのは、住友林業です。
■ 住友林業を候補先に加えた経緯
ミサワホームとの打合せを重ねているうちに、木造の相見積を取りたいという考えが生まれたのと(前述の通り、スターツとは既に没交渉状態になっていたので)、木造住宅といえばやっぱり住友林業だよね、という単純な発想で、住友林業も候補先の一つに加えることにしました。
ただ、この計画をスタートした時点からは既に3ヶ月半以上を経過して、私達の中でもある程度考え方が固まってきていたので、これから新たにスタートさせると、他社との進捗度合が極端に違ってしまい、急に価格交渉でも始まりだしたら、足並みを揃えるのは大変ではないかという懸念はありました。
それでも、後々になってからやっぱり見ておけばよかったなどと後悔したくないという思いから、念のため、話だけでも聞いてみようということにしました。
■ 住友林業の特徴
住友林業は、国内第3位の社有林面積を誇る大手ハウスメーカーであり、注文住宅事業と並び木材建材事業も両輪の柱となっています。
木造住宅といえば、まずは住友林業が筆頭に挙げられるのではないかと思います。
一般住宅では、マルチバランス構法やビッグフレーム(BF)構法が有名で、横綱・白鵬のCMでもお馴染みですね。
賃貸住宅でもBF構法と同じようなより設計自由度が高いと謳うウォールフレーム(WF)構法というものを商品化していますが、一般的にはツーバイフォー構法をメインに提案しているようです。
BF構法やWF構法は建築費がかなり高くなるとのことで、収支計算が重要視される賃貸住宅においては、比較的リーズナブルな価格帯で提供できるツーバイフォー構法が適しているようです。
しかも外壁もサイディングが主流とのことであり、一応LS30仕様という呼称で、30年間メンテフリーの耐候性や耐火性の高い外装材とのことです。
賃貸併用住宅の外観イメージはこんな感じです。
※ 住友林業のHPより拝借しました m(_ _ )m
最初に完成実例のモデルルームを見学した時にこれらの説明を聞いて、私達が住友林業の家として抱いていたイメージとは随分かけ離れているな、という印象を受けました。
住友林業のイメージは、マルチバランス構法かBF構法のガッシリとした造りに吹付塗装の外壁というものでしたが、ツーバイフォー構法にサイディング外壁の組合せとは、正直なところ意外というよりもガッカリしました。
素人考えではありますが、サイディングの壁では木の質感を生かすことはできないと思っていました。
しかもツーバイフォーは海外から入ってきた建築工法ですから、住友林業には相応しくないと勝手に思っていました。
■ 住友林業の営業スタイルと経過
住友林業は、他社とは異なり、申込金の5万円を払わないと、敷地調査や正式な設計プラン作成等をしない営業スタイルをとっていることで知られていますね。
7年前に自宅を建てた更に2~3年前に実家を建て替えるという計画があった際(結局、頓挫しましたが)、モデルハウスを訪問しその方式を知りましたが、その時は担当についた営業マンがあまりにも冴えない方だったので、5万円も払って得られるもののイメージが湧かず、早々に断念した記憶があります。
今回の営業担当は、若手の2人組でした。
1人はほぼ新人に近い感じの方で、もう1人は少しだけ先輩という感じです。
完成実例のモデルルーム見学に行った際に、現場で待っていました。
上記のように申込金を入れないと正式なプランや収支計画等を作成してもらえないことは知ってはいたのですが、他社との進捗状況やこちらの考え方(各社の提案プランを比較できるようある程度詳細なプランができるまでは費用負担の面でも差をつけない)をありのままお話し、最初からは申込金を払う気はないがプラン作成をして頂けないかとぶつけてみました。
ネットの情報では、申込金を払わなくても、営業担当が手書きベースの簡易的な設計図面と見積を作成してもらえた、等の情報もあったので、その程度のものでもいいので見てみたいと思ってお願いしました。
簡易的なプランでよければ作成してみましょうと言われ、それから1ヶ月ほど経過した頃に別のモデルハウスで打合せを行いました。
年末年始を挟んでいましたし、申込金を払ってないので、少々時間が掛かるのは致し方ないとは思っていましたが、少し掛かり過ぎかなとは思いました。
出来上がってきたプランは、意外にも、きちんとした事業提案書のフォーマットで作成されており、設計図面やパース、収支計画書等一通りの内容を備えたものでした。
しかも、設計士の方も同席していました。
組数限定の設計士によるプラン作成を体験してもらう特別なキャンペーンを適用させて頂きました、みたいな説明だったと思いますが、本当かどうかは兎も角、無理を言えば結局はやってくれるものなのだと勝手に解釈しました。
もちろん、敷地調査や地盤調査などは実費が掛かるため実施していませんので、あくまでも簡易的なものという前提ではありますが、賃貸住戸の賃料もグループ会社の住友林業レジデンシャルが査定したものが付いています。
設計プラン自体はそんなに悪くはないなと思いましたが、やはり外壁の仕様はカーボンファイバーウォールというサイディング張りであり、LS30仕様と呼ばれる30年間メンテナンスフリーを謳う耐候性や防汚性等耐久性の高いものではあるものの、ミサワホームの外観デザインと比べると見劣りしてしまいます。
一方で、収支計画はミサワホームのものより、はるかに良いものでしたので(これは後々覆されますが)、もう少し改良したプランも見てみたいと欲がでました。
そこで、自宅部分を中心とした間取りの修正と同時に、外壁を総タイル張りに変更して、プランを作成し直して欲しいとお願いしました。
まだ申込金を入れていませんが、これもあっさりと受けて頂きました。
■ 住友林業のプラン
今度は2週間後に修正プランが出来上がってきました。
設計プランの内容としては、木造(ツーバイフォー)3階建の総タイル張り、賃貸住戸10戸(全て1LDK、各戸40~44㎡、片廊下タイプ)+自宅(1階玄関・3階住居、3LDK+2WIC+納戸+ホームエレベータ、120㎡強)の構成です。
外観デザインも大きな違いはありませんが、タイル張りの重厚感は増したように思います。
建築費は、やはり総タイル張り工事分のコストアップ分が大きく、それでけでなんと1,500万円(税抜)近い増額になっていました。
それでも、まだミサワホームの収支計画よりも良い収支を生み出す見通しとなっています。
厳密には融資条件等も固まっていないので、単純な比較はできませんが、同じ条件で融資が受けられると仮定した場合には、この時点の住友林業のプランの方が上回る結果となっていました。
しかしながら、住友林業の作成した事業提案書には一つ大きなミスが隠されていました。
その内容については後述しますが、自宅部分を含む間取りの修正を幾つか追加でお願いして、申込金を入れるかどうかは次回の打合せ位には決めたいと思いますと言って切り上げました。
それから約2週間後に設計プランとパースの修正版が、とりあえずメールで送られてきました。
その後、問題は発覚します。
■ 選ばなかった理由
- 設計プランの前提となる法規制に関する確認が洩れていたため、防耐火仕様の設定に間違いがあり、建築費の見積が大幅に増額となることが判明したこと
- 申込金を入れいないという前提があるにせよ、プラン提案や修正提案に要する時間が掛かり過ぎること
1についてですが、今回の計画地は、準防火地域であると同時に、“新たな防火規制区域”に指定されていますので、延床面積が500㎡を超える建築物(又は4階建以上の建築物)は耐火建築物としなければなりませんが、住友林業さんはその点の確認をしていなかったため、プラン作成上、準耐火構造の仕様で設計し、見積りを作成していました。
そのことに気付いたのは当方であり、住友林業さんはこちらが指摘するまで気付いていませんでした。
申込金を入れていない段階でのプラン作成であるとはいえ、敷地調査などしなくても分かることで、その程度の確認は注文住宅を設計・施工し、販売している会社としては基本中の基本であり、最低限なすべきものであると思われ、素人の施主サイドから指摘されることなどあってはならないこととでしょう。
準耐火構造から耐火構造への変更による建築費の増額は約2,400万円(税込ベース)とのことで、これだけの金額修正につながる事項を見逃していたという事実だけで、選ばない(というより、選べない)ことの理由としては十分だと思いました。
この増額を入れた段階で、ミサワホームの建築費単価を上回ることとなり、これまでの収支計算が良く見えたのは、単なる見せかけだったということになりました。
最終段階まで進めていけば値引き等が入りもう少し改善するのかもしれませんが、このミスが無かったかのように平静な気持ちで(しかも申込金を払って)打合せを続けられるほど寛容でもなく、時間も掛けられないということで、打ち切りとさせて頂きました。
2は、理由が一つだけだと物足りない感じだったので、付け足しの理由です。
ということで、住友林業さんともご縁がありませんでした。
上記について、きつい表現になってしまい、住友林業の家にお住いの方々には不快な思いや不安な気持ちにさせてしまったかもしれず大変申し訳なく思いますが、これはあくまでも申込金を払っていない段階で生じた話であり、個別的な問題ですので、きちんとした手順を踏んて家を建てている場合には、そのような心配は全くもって無用と考えます。
私は、今でも、住友林業という会社は、日本を代表する立派な木造住宅のハウスメーカーのの一つであると信じております。
では、また。