『アバター：ウェイ･オブ･ウォーター』エンパイア誌表紙／キャメロン『アバター』４＆５は監督せず？

英『エンパイア』誌に『アバター：ウェイ･オブ･ウォーター』が登場。そして気になる情報が。ジェームズ・キャメロン監督が同誌に語ったインタビューによると、『アバター』４、５作目について「別の監督に任せる可能性もある」と監督離脱を示唆している。キャメロンのライフワークでもあるはずの『アバター』シリーズが途中で監督交代してしまったら････!?　全５作をキャメロンが監督すると思っていたファンにはちょっと衝撃的なニュースだ。

『アバター３』まで既に編集を終えており、2024年12月20日米国公開が確定している。しかし残り２作品については『アバター』２と３作目の“興行市場”判断になることも明かした。13年前は20世紀フォックス映画だった『アバター』が今ではディズニー傘下の20世紀スタジオ作品として製作。ディズニーがリスクが高すぎると判断した場合、最悪打ち切られる可能性もある（続編は４部作で計画しているが残り２作品の製作にゴーサインはまだ出ていない）。

キャメロンが『アバター』に本格的に取り組んだのが2006年からなので、再来年公開の３作目で『アバター』シリーズに18年以上も費やしていることになる。現在67歳のキャメロンだが創作意欲は一向に衰えず、他にもまだまだやりたい企画を開発中なのだという。『アバター』シリーズの世界観があまりに壮大でキャメロン自身が製作に妥協を許さないゆえ、どうしても１本の作品に費やすスケジュールが長くなってしまう。最終作『アバター５』の米国公開が2028年12月予定。あと残り６年は『アバター』に取り掛かりっきりで、“燃え尽き症候群”に陥ってしまうことを懸念しているのだろうか（キャメロンはそんなヤワな男ではない）。

キャメロンは「信頼できる監督にバトンを渡せればと思っている。そうすれば他のプロジェクトに集中することができるけど実際そうなるかはまだ分からない」と話す一方で、４作目について「４と５作目でひとつの壮大な物語になっていてすごい傑作になると思う。僕自身が手掛けたい気持ちもある」とも。他の監督に委ねてしまうのが惜しいとも取れる発言もしている。もちろん仮に『アバター』４＆５作目を他人に任せることになっても、キャメロンの脳内で設計された壮大なヴィジョンを継承できる監督がはたしているだろうか。

別の監督にメガホンを託してキャメロンはプロデュース（エグゼクティブ･プロデューサー、脚本）に専念することも考えられる。製作作品はあまり多くはないが、近作の２作品では『アリータ：バトル・エンジェル』『ターミネーター：ニュー・フェイト』をプロデュース。しかしいずれも興行的、批評的ともに成功とは言えない結果で終わった。米批評家からは「キャメロンの監督作はどれも素晴らしいがプロデュースの手腕は疑問に感じる」と言われたことも。キャメロンと何度も衝突した『ターミネーター：ニュー･フェイト』を任された監督のティム・ミラーは後に「キャメロンは現場はほとんど任せっきりで顔を出したことは一度もなかった」と告白。どうしても本人がやりたい企画は“全力投球”、そうではない作品は“口出しするけど現場は任せっきり”のキャメロンだが、となると『アバター』を他の監督に任せちゃっていいの？という不安が残る。

ちなみに『アバター：ウェイ･オブ･ウォーター』は現在編集中だが、キャメロンによると「３時間ぐらいになりそう」とのこと。前作はオリジナル公開版（162分）、特別編（171分）、エクステンデッド・エディション（178分）の３バージョンが存在するが、続編ではいきなり劇場公開版から３時間級の大作としてアバることになりそうだ。

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