ブルーレイ・レビュー19●『アバター エクステンデッド・エディション』(追記) | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

ブルーレイ・レビュー19●『アバター エクステンデッド・エディション』(追記)

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3バージョンの本編、
10時間にも及ぶ膨大な特典を満載した
『アバター エクステンデッド・エディション』が到着。


通常版BDでは味わえなかった〈パンドラ〉の世界を追体験できる
究極バージョンを徹底チェックする!



ブルーレイ視聴記 19
アバター エクステンデッド・エディション

フォックス 6990円


■2010年アメリカ
■監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
  出演:サム・ワーシントン

ゾーイ・サルダナ


BD仕様

●BD3枚組
●162分(オリジナル版)
  171分(特別編)
  178分(エクステンデッド・エディション)
●ビスタサイズ
●メニュー画面:動画
●つづき再生:可
●音声
 1 英語 5.1chサラウンド dts-HDマスター・オーディオ
 2 英語 2.0chサラウンド ドルビーデジタル
 3 日本語吹替 5.1chサラウンド dts
●字幕
 1 英語
 2 日本語
●MPEG 4-AVC/2層ディスク
●35チャプター(オリジナル版)
  40チャプター(特別編)
  42チャプター(エクステンデッド・エディション)
●THX仕様



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●作品レビュー
ドラマ性、アクション性が向上した完全版


本編は
昨年12月公開のオリジナル版(162分)、
今年10月に公開された特別編(171分)、
そしてBD、DVD用に追加編集された
エクステンデッド・エディション(178分)の
3バージョンが収録されている。


最近の映画はソフト化の際、シーンを多少追加した程度の
ロング・バージョンはよくあるが、
特別編もエクステンデッド・エディションも
キャメロンのこだわりが活かされたバージョンに仕上がっている。


さすがに『アビス』ほど結末まで変わってしまうような
改変はされてないが、『エイリアン2』『ターミネーター2』と同様、
作品への印象はオリジナル版に比べけっこう違ってくる。


特別編は14シーン、
エクステンデッド版は17シーンを追加。
(※のあるシーンはエクステンデッド版のみの収録)


また、追加シーンだけにアクセスすることも可能なので
どのシーンが加わったのかもすぐ分かる。


① 地球(※)
② スタームビーストの群れ
③ かつての学校
④ 紫のコケ
⑤ 君の名前は?
⑥ シルワニン(※)
⑦ 空に浮かぶ山
⑧ 過去の痛み
⑨ ネイティリの飛行
⑩ スタームビースト狩り
⑪ ジェイクとネイティリの契り(ロングバージョン)
⑫ 戦争勃発
⑬ 侵略開始(※)
⑭ 落ちゆくツーティ
⑮ スタームビーストの攻撃
⑯ サナターの戦い(ロングバージョン)
⑰ 最後の影



エクステンデッド版の大きな違いは
オープニングが地球のシーンから始まるところ。
足が不自由で人生に憤りを感じるジェイクを描くことで
兄の死への受け止め方も劇場版、特別編とは印象が異なる。
立体的なネオンや雨に濡れた路地裏など
『ブレードランナー』のような未来社会のビジュアルも見どころ。


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また、新たに追加されたスタームビーストは
ステゴザウルスをもっとでかくしたようなクリーチャー。
②で初登場し、予告編でも使われた⑩のハンティング・シーンが圧巻。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』のバッファロー狩りを
彷彿とさせる迫力映像で魅せる。


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追加エピソードで印象的だったのは
グレースが講師だった過去が明らかになる場面だ。

③ではナヴィの子供たちに英語を教えていた学校の跡地が登場する。

だが教室の壁には銃痕が・・・・。

そして⑥ではネイティリにはシルワニンという死んだ姉が存在していた

ことも描かれ、⑧でグレースがシルワニンの死にまつわる

忌まわしい過去をジェイクに話す。
これらのエピソードが加わったことでドラマに深みが増した。


クライマックスのバトルシーンも若干長くなったが
各シーン30秒~1分ほど追加された程度なので
大きく変わった印象はない。

ただ、戦闘後のツーティのシーンが

最も感動する場面だったりする(⑰)。
なぜオリジナル版でカットされたのだろう? 

と思うほど感情を揺さぶるシーンだ。


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今回の追加シーンだけでも日本映画4~5本に相当する
製作費が費やされているらしい。
この新たなシーンを観るためだけでも買う価値はあると思う。



さて、次なる『アバター』はパナソニックのブルーレイ製品の
購入特典として既に配布されているブルーレイ3D版だが、
気になるフォックスからの一般販売はまだ予定がない。
2011年にはエクステンデッド・エディションも含めた
3Dバージョンでリリースされることは間違いないだろう。



●クオリティ・レビュー
他の追随を許さない圧倒的なクオリティ


しかしまあ、この非の打ち所のない
画質、音質は一体なんなんだろう。
このクオリティがBDの標準レベルだったら
もっとBDライフが楽しいものになるんだけどね。


通常版BDでもそのクオリティに度肝を抜かれたが
やはり高精細な映像はそうそう味わえない。


メカや戦闘機のディテール、パンドラの森の緻密性、再現力は
どの映画BDよりも群を抜いている。
発色、鮮度、解像感、色彩感も文句なしで、
THXによるクオリティにはため息しか出ない。


通常版よりも画質が向上しているのでは?と
錯覚を受けてしまいがちだが、クオリティはほぼ同等。
つまり、『アバター』のクオリティそのものがすごすぎるということであり、

現時点でこれ以上の画質を求めるのはほぼ無理だ。


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ただ、音質、サラウンド力は僅かながらも向上している。


ちなみに日本語吹替は3バージョンとも完全収録。


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●特典レビュー
特典の数々が本編をさらに面白くしてくれる


なんといっても今回の注目は

2枚のBDに収められた特典の数々だ。

通常版では予告編すら入らなかったから、
これらの特典を待ち望んでいたファンも多かったと思う。

膨大な舞台裏を見てこそ『アバター』の真価が分かるというもの。


今回は同バージョンのDVD版も発売されているが、

本編が2枚に分かれてしまう上、特典もBD版の半分も入ってないので

差額1000円なら絶対にBD版をオススメする。


■未公開シーン集


エクステンデッド・エディションにも使われなかった
未公開シーンがなんと28種(計67分)もある。

視覚効果が施される前の編集段階で削除されたため、
CG処理前の撮影素材や簡易CGでの未公開シーンがほとんど。
パフォーマンス・キャプチャーを使ったシーンでは
CG素材のアニメ映像と俳優の実際の映像を2分割画面で収録している。


大佐が兵士たちに喝を入れるシーンや、ジェイクがネイティリに

狩りを教わるシーンのロング版など、興味深いシーンが多い。
特に狩りの宴や、ナヴィの戦士の儀式を受けるジェイク、
ナヴィ族がパーカーのいる司令室を襲撃するクライマックスの
未公開シーンは完成映像としてもぜひ観たかった。


もしこれらの未公開シーンも加えていたら
4時間近くの超大作になっていただろう。


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■ドキュメンタリー:「アバター」大解剖


キャメロンらへのインタビューを交えながら
企画から完成までを追った98分のドキュメンタリー。


デジタルで容姿を変えられるとはいえ、
やはり基となるのは俳優の演技。
銃器や弓矢の扱い、乗馬、ナヴィ語の習得、
動物の動きなどのトレーニングを積み、
3日間のジャングル生活に臨むなど、
出演者は“普通の映画”以上の苦労を強いられた。


編集段階に入り、製作が大幅に遅れ始め、
初めは13ショットのCGを作るのに1年もかかっていたが
作業の効率化によりスケジュール通りに完成させた。


だが、殺人的なスケジュールで完成した本作の予告編が
解禁になった時は、世界中から批判的な声が上がったものの、
公開後は記録的な成功を収めることとなる。


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■パンドラからのメッセージ


テクノロジーの進歩と共にその代償となった

自然と環境破壊への警鐘をうながしてきたキャメロン。
『アバター』製作のきっかけはその強い思いがあったから。


キャメロンはアマゾンへ赴き、ダム建設の影響により
ある民族の生活が脅かされている現状を目の当たりにする。


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■プリ・プロダクション:メイキング映像集


スクリーンテストや実験映像など
さまざまな舞台裏映像の寄せ集めたもの。


「ILM社によるアバターの原型」は
テスト用に作られたジェイクとネイティリの“パイロット版”。


「ジェームズ・キャメロン 撮影開始のスピーチ」では
キャメロンが撮影初日に関係者を集めて激励を飛ばす。
「脚本は12年前から書いていたがまさか映画化できるとは思ってなかった。
時間どおりに終わるということは僕のアイデアが尽きたということだ」
と関係者を笑わせる一幕も。


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各VFX製作会社によるVFX過程では
合成の過程を分かりやすく映像で見せる。

ほとんど何もないグリーンスクリーンで演じている
俳優には卓越したイマジネーションが要求されるものだと痛感。
また、何気ないシーンでも共演している2人の俳優が
実は別撮りだったりと意外な合成カットも紹介する。


笑えるのが最後の「スタッフ・フィルム:“The Volume”」。
モーション・キャプチャー演技で“バカ”になったある俳優を
共演者やスタッフが煙たがるジョーク映像で、
ゾーイもスティーブン・ラング大佐も結構ノリノリ。


■段階別に見るモーションキャプチャー


これは面白い特典で、17シーンの本編の

モーション・キャプチャー映像を収録したもの。


リモコンの緑ボタンでテンプレート映像(CGの簡易映像)、
黄ボタンでキャプチャー映像(俳優の映像)、
そして赤ボタンを押せば2つの映像を
ピクチャー・イン・ピクチャーで同時表示することが可能。

デジタル技術、モーキャプ技術の躍進を改めて実感させられた。


■製作の舞台裏 


各部門のスタッフがそれぞれの製作舞台裏を解説する映像集。
ドキュメンタリーとダブッている映像もあるが、
17のパートに分類され、より詳細なメイキングが楽しめる。


スタントマンによるアクション撮影終了日に、キャメロンが

スタントマン・チームから“サプライズ”をプレゼントされる場面も。


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封入された40Pのブックレットには貴重なメイキング写真などを掲載。

公式メイキング・ブックのダイジェスト版という感じだが

それなりに読み応えのある内容になっている。



●特典一覧(青字の特典はBDのみ)


【ディスク2】
■未公開シーン集(28種:67分)
■ドキュメンタリー:「アバター」大解剖(98分)
■パンドラからのメッセージ(20分)
■プリ・プロダクション:メイキング映像集(83分)
・アート・ギャラリーで見る「アバター」
・“Brother Termite”よりワンシーン
・ILM社によるアバターの原型
・スクリーンテスト サム・ワーシントン(編集前映像)
・スクリーンテスト ゾーイ・サルダナ(編集前映像)
・ゾーイの型取り(編集前映像)
・ジェームズ・キャメロン 撮影開始のスピーチ(編集前映像)
・ILM社によるVFX過程
・FrameStore社によるVFX過程
・Hydraulx社によるVFX過程
・Hybride社によるVFX過程
・Prime Focus社によるVFX過程
・Look Effects社によるVFX過程
・スタッフ・フィルム:“The Volume”


【ディスク3】
■段階別に見るモーションキャプチャー(65分)
 1.ピクチャー・イン・ピクチャー映像と共に見るファイナル
 2.キャプチャー
 3.テンプレート

■製作の舞台裏(90分) 
・クレイモデル作成
・イクランの誕生
・サナターの誕生
・AMPスーツ開発
・「アバター」の航空機
・ナヴィの衣装
・ナヴィ語ができるまで
・パンドラの生態系
・スタント 
・パフォーマンス・キャプチャー
・バーチャルカメラ
・3Dフュージョンカメラ
・サイマルカム
・「アバター」の編集
・「アバター」の音楽
・音響デザイン
・偉大なニュージーランドのスピリット

■アバター・アーカイブ
・オリジナル劇場予告編(2種/5分)
・「アバター」の原案(英文・静止画)
・ジェームズ・キャメロンによる「アバター」脚本(英文・静止画)
・パンドラペディア(英文・静止画)
・「アバター」の楽曲(英文・静止画)
・「アバター」の美術

■BD-LIVE(ネット接続によりさらなる特典映像が見られる)


●評点
作品:9.5
画質:10
音質:10
サラウンド:9.5
特典:10

総合:9.8


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※今回も再生不良があるようです。

パソコンや一部メーカーの機器では再生できないようです。


当方が使っているSONY BDZ-X95では

バージョンアップ済みなので問題なく再生できました。




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