『インディ･ジョーンズ』新作はリブートではなく続編に！･･･てか初めから続編のつもりだったよね？

今年12月公開に向けて『ウエスト･サイド･ストーリー』の仕上げに取りかかっているスティーヴン・スピルバーグ監督だが、次回作はいよいよ『インディ･ジョーンズ５』になる。

『スター･ウォーズ／スカイウォーカーの夜明け』で映画『SW』をとりあえず終わらせたルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディは、先日行われた第73回英国アカデミー賞授賞式でのBBCのレッドカーペットインタビューで「『インディ･ジョーンズ』の新作はリブートではなく４作目から続く続編です。納得のいく脚本の仕上がりを待っています。ハリソン・フォードも待ち望んでいますよ」と答えた。一時は70代後半を迎えたハリソン・フォードがインディ役を続投するのは厳しいから若手俳優を新たに起用してリブートするらしいとファンの間で噂になったこともあったが、その噂を改めて否定した。

５作目の情報は信憑性のない噂も含めて2014年あたりからチラホラ出ていた。これまでの情報をまとめてみよう。

『インディ･ジョーンズ』新作が企画されていると情報が出始めた頃は、ハリソンではなくブラッドリー・クーパーやクリス・プラットが２代目インディ候補に上がっているという噂もあったが、プロデューサーのフランク・マーシャルが「全くのデタラメ」と否定。しかしスピルバーグが「もうアクション映画は撮らないだろう」と発言したことから５作目は別の監督がメガホンを取ることになると囁かれたこともあった（その後、『レディ・プレイヤー１』を監督している）

そしてディズニー体制下で再始動したルーカスフィルムが2016年3月に『インディ･ジョーンズ５』の製作を公式発表。当初は2019年7月公開予定だった。発表当時は『スター・ウォーズ／フォースの覚醒』が世界的に大ヒットしていた時期。劇中でハン・ソロが死んでしまい、世界中のファンから激烈な反応が起こったことを気にかけてかスピルバーグが「『インディ』次回作でハリソンを殺すことはしない」とコメントしたことも。延期に次ぐ延期で、製作発表されてから４年が経とうとしているがまだ撮影にも入っていない。

ディズニーCEOのボブ･アイガーは「『インディ･ジョーンズ５』が最終作ではない」と発言し、『スター・ウォーズ』と同様、シリーズ続行を示唆した。ストーリー原案と製作総指揮で過去４作に関わってきたものの、既に映画の世界からは退いているジョージ・ルーカスの復帰も囁かれたが、脚本を手掛けているデヴィッド・コープによるとルーカスは製作に関わっていないとのこと。

2017年4月、ディズニーは米国公開を１年延ばして2020年7月10日に変更したことを発表。また、『インディ･ジョーンズ　クリスタル･スカルの王国』に登場したインディJrのマット･ウィリアムズは再登場しないことをデヴィッド・コープが明かした。スピルバーグが「『インディ･ジョーンズ５』の撮影は2019年4月から始まる」と発言した矢先、コープの脚本をジョナサン・カスダンがリライトするため撮影開始が遅れることにより米国公開日もさらに１年延期になり、2021年7月9日に改められた（←現在の米国公開日）。

脚本はデヴィッド・コープ → ジョナサン・カスダン → 『THIS IS US 36歳、これから』のダン・フォーゲルマン → で、今はまたデヴィッド・コープに戻っていて三度も交代。ビッグバジェット映画なら脚本家交代は特に珍しくないが、ここまで交代が相次いでいると脚本の出来になんらかの問題があるのか、酷評された『インディ･ジョーンズ　クリスタル･スカルの王国』のような失敗は絶対に出来ないと製作陣がかなり慎重になっているのか。とはいえ初夏までに撮影に取りかからないと来夏の米国公開に間に合わないのでそろそろ脚本完成の一報が欲しいところ。

ディズニー体制になったルーカスフィルムとして初めて製作される『インディ･ジョーンズ』。となると今までパラマウントのスタジオロゴの山からオーバーラップして本編に入るというおなじみのスタイルがもう見られなくなってしまうのかと思うとちょっと寂しいものがある。今後の『インディ･ジョーンズ』の新作はディズニーが製作・配給を行うが、前４作の配給権はパラマウントが引き続き保有している。