以前の記事の続きです。
こちらも硬貨を使った問題の今年の出題例です。
その1(国府台女子2024)
100円玉1枚、50円玉3枚、10円玉2枚あります。このとき、これらの硬貨を組み合わせるとちょうど支払える金額は▢通りあります。
それぞれの硬貨を何枚使うかの組合せを考える。その場合、重ねて数えることのないよう100円1枚を50円玉2枚に両替した形でしらべる。
つまり「100円玉1枚、50円玉3枚、10円玉2枚」を「50円玉5枚、10円玉2枚」にかえてそれぞれの硬貨を使う枚数を考えると
- 50円玉は0枚(使わない)、1枚、2枚、3枚、4枚、5枚のどれかで7通り
- 10円玉は0枚、1枚、2枚のどれかで3通り
すると組合せはぜんぶで6×3=18通り。このうち2つとも0枚となる1通りはのぞく必要がある。
よって18−1=17通り
その2(自修館2024)
1円玉、5円玉、10円玉のこう貨を使って合計30円を作る方法は全部で何通りあるか答えなさい。ただし、使わないこう貨があってもよいものとします。
一番大きい10円玉を何枚使うかで場合分けしてしらべると
- 10円玉×3枚の場合…これで30円となり1通り
- 10円玉×2枚の場合…これで20円なのであと10円分。つまり5円玉と1円玉で合計10円を作る場合の数をしらべることとなるが5円玉の枚数だけ決めればよい(残りは自動的に1円玉に決まる)。すると10円以内の5円玉の使い方は0枚、1枚、2枚の3通り
- 10円玉×1枚の場合…これで10円なのであと20円分。そして20円以内の5円玉の使い方は0枚~4枚の5通り
- 10円玉を使わない場合…30円以内の5円玉の使い方は0枚~6枚の7通り
よって1+3+5+7=16通り
その3(玉川学園2024)
500円玉を2枚、100円玉を8枚、50円玉を7枚持っています。1000円の品物を買うとき、硬貨(こうか)の出し方は何通りありますか。ただし、おつりのないようにします。
一番大きい500円玉を何枚使うかで場合分けしてしらべると
- 500円玉×2枚の場合…これで1000円となり1通り
- 500円玉×1枚の場合…これで500円なのであと500円分。つまり100円玉と50円玉で合計500円を作る場合の数をしらべることとなるが前問と異なり枚数制限がある(100円玉の枚数だけ決めれば残りは自動的に50円玉に決まるということにはならない)。そこで50円玉の方に注目すると、7枚ある50円玉の使い方は(残りを100円玉で作れるように偶数枚にする必要があるから)0枚、2枚、4枚、6枚の4通り。このとき残りはそれぞれ500円、400円、300円、200円となってすべて8枚ある100円玉で作れる金額だから4通り
- 500円玉を使わない場合…これも50円玉の方に注目すると、7枚ある50円玉の使い方は0枚、2枚、4枚、6枚の4通り。このとき残りはそれぞれ1000円、900円、800円、700円となるが、このうち8枚ある100円玉で作れる金額は800円と700円の2通りだけ
よって1+4+2=7通り
その4(浦和明の星)
100円玉と50円玉を合わせて80枚持っていました。50円玉の何枚かを100円玉に両替したところ、100円玉と50円玉は合わせて72枚になりました。また、両替した後の100円玉の合計金額と50円玉の合計金額の比は10:3になりました。はじめに持っていた100円玉と50円玉の枚数をそれぞれ答えなさい。
- 100円玉と50円玉の「合計金額の比は10:3」のとき、1枚あたり金額の比が2:1だから、合計枚数の比は(10÷2):(3÷1)=5:3
- すると「100円玉と50円玉は合わせて72枚」なので両替した後の100円玉は72×5÷(5+3)=45枚、50円玉は72−45=27枚だった
よって
- 合計枚数80枚→72枚と8枚へったこと
- 両替すると50円玉2枚が100円玉1枚になること
からはじめに持っていた100円玉は45−8=37枚、50円玉は27+8×2=43枚
その5(関西大学北陽2024)
100円硬貨(こうか)、50円硬貨、10円硬貨あわせて26枚の硬貨があり、合計金額が1660円でした。このときの100円硬貨の枚数はもっとも少なくて何枚か答えなさい。
100円硬貨がA枚、50円硬貨がB枚、10円硬貨がC枚あるとすると
- 「合計金額が1660円」だから式にすると100×A+50×B+10×C=1660。10で割って整理すると10×A+5×B+C=166…ア
- 「あわせて26枚の硬貨」だからA+B+C=26…イ
- ア-イをするとCが消えて9×A+4×B=140。この式を4で割ると⁹⁄₄×A+B=35…ウ
- ウの形よりAは4, 8, 12のどれかにしぼられる。小さい順にためすと
- A=4のときウよりB=26。これはイの条件に合わない
- A=8のときウよりB=17。このときイよりC=1となり条件に合う(もっとも少ない場合がわかったのでこのあとA=12をためすまでもない)
よって100円硬貨の枚数はもっとも少なくて8枚
その6(関東学院2024)
2024円をすべて硬貨で支払います。4番目に枚数の少ない支払い方をしたとき、全部で何枚の硬貨が必要ですか。ただし、硬貨の種類は1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉の6種類あり、枚数は十分にあるものとします。
- 一番枚数が少ない支払い方は金額が大きい硬貨から使っていくことを考えて500円×4+10円×2+1円×4=2024円…アより4+2+4=10枚
- ここから10円玉1枚を5円玉2枚に両替したとき2番目に枚数が少ない支払い方となる。このとき全体の枚数は1枚ふえて11枚(500×4+10×1+5×2+1×4=2024)
- さらにもう1枚ある10円玉を5円玉2枚に両替したときが3番目に枚数が少ない支払い方。このとき500円×4+5円×4+1円×4=2024円…イという形となって全体の枚数は12枚
- このあと4番目に枚数が少ない支払い方としては①イで5円玉1枚を1円玉に両替することのほか、②アにもどって500円玉1枚を100円玉に両替することも考えられる。2つの場合をくらべると
- ①イで5円玉1枚を1円玉に両替すると500×4+5×3+1×9=2024の形となり、全体の枚数は4+3+9=16枚
- ②アにもどって500円玉1枚を100円玉に両替すると500×3+100×5+10×2+1×4=2024より3+5+2+4=14枚
よって②の方がより少ないので、4番目に枚数の少ない支払い方をしたときの硬貨の枚数は14枚