以前の記事の続きです。
手持ちの硬貨でおつりがないように支払うとき
①●円の支払い方は何通りあるか
②支払うことができる金額は何通りあるか
という硬貨の支払い方についての定番問題です。
決まった金額の支払い方①(京都先端科学大学附属2024)
100円玉、50円玉、10円玉がたくさんあります。今、これらを使って270円をおつりがないように支払(しはら)うとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ 100円玉を必ず使って支払うとき、支払い方は何通りあるか求めなさい。
100円玉を何枚使うかで場合分けをしてしらべると
- 100円玉を2枚使うとき…残り70円の作り方は「50円×1+10円×2」「10円×7」の2通り
- 100円玉を1枚使うとき…残り170円の作り方は「50円×3+10円×2」「50円×2+10円×7」「50円×1+10円×12」「10円×17」の4通り
よって2+4=6通り
⑵ 50円玉と10円玉の2種類を必ず使って支払うとき、支払い方は何通りあるか求めなさい。ただし、100円玉は使わないこととします。
大きい方の硬貨に注目して50円玉を何枚使うかで場合分けすると
- 50円玉は5枚使う、4枚使う、3枚使う、2枚使う、1枚使うのどれかで5通り
- 使う硬貨は2種類だけなので残りの金額は自動的に10円玉で支払うこととなる
よって支払い方は5通り
⑶ 支払い方は全部で何通りあるか求めなさい。
小問⑴⑵をヒントに考えると
- 100円玉を使う支払い方が6通り(小問⑴)
- 50円玉と10円玉だけ使う支払い方が5通り(小問⑵)
- 10円玉だけ使う支払い方が1通り
よって 6+5+1=12通り
決まった金額の支払い方②(攻玉社2024)
10円、50円、100円硬貨(こうか)がそれぞれたくさんあります。これらを使ってちょうど400円を支払(しはら)うとき、硬貨の組み合わせは▢通りあります。ただし、使わない硬貨があってもよいものとします。
100円玉を何枚使うかで場合分けをしてしらべると
- 100円玉を4枚使うとき…1通り
- 100円玉を3枚使うとき…残り100円の作り方は「50×2」「50×1」「50×0」(それぞれの不足額は自動的に10円玉となる。以下も同じ)の3通り
- 100円玉を2枚使うとき…残り200円の作り方は「50×4」「50×3」「50×2」「50×1」「50×0」の5通り
- 100円玉を1枚使うとき…残り300円の作り方は「50×6」から「50×0」までの7通り
- 100円玉を使わないとき…残り400円の作り方は「50×8」から「50×0」までの9通り
よって1+3+5+7+9=25通り
支払うことができる金額 (豊島岡2024第2回)
10円硬貨(こうか)が3枚、50円硬貨が3枚、100円硬貨が2枚あります。これらの硬貨を使って支払うことができる金額は何通りありますか。ただし、使わない硬貨があってもよいものとし、0円は考えないものとします。
二重に数えるのをなくすため100円硬貨2枚は50円硬貨4枚におきかえて考える。
つまり「10円硬貨×3枚、50円硬貨×7枚」で考えると
- 10円硬貨の使い方は0枚~3枚の4通り
- 50円硬貨の使い方は0枚~7枚の8通り
よってぜんぶで 4×8=32通りあるが「0円は考えない」のでここから0円になる1通りを引いて 31通り
別の考え方
いまあるお金はぜんぶで380円(=100×2+50×3+10×3)。これがぜんぶ10円玉だったらおつりのでない支払い方は10円から380円までぜんぶで38通り。
実際は10円玉の枚数制限(3枚まで)があるので、この38通りには実際にはできない金額も入っており、その通り数を引かないといけない。その金額は40円、90円、140円、190円、240円、290円、340円の7通り
よって38-7=31通り