連絡事項ばかり
「新入学・新入社キャンペーン」ですが、
今月末が締切です。
キャンペーンのご利用をご希望の方は、
お早めに手続きをお願いいたします。
「がんばれオリックス・バファローズ」
キャンベーンは、終了時期未定です。
このままシーズン終了まで継続してもいいかと思ってます。
ゴールデンウイークのスケジュールですが、
最初に発表した後、
2回変更の訂正を加えてます。
ジムにも訂正後のスケジュール表を貼りだしてます。
今一度ご確認ください。
特に閉館時間を通常より繰り上げてます。
「えっ、もう終わり? 夜7時に閉まるんじゃないの?」
といったことにならないように
ご確認のうえで練習にお越しください。
どうぞよろしくお願いいたします。
ゴールデンウイークのスケジュール
ゴールデンウイーク中の開館スケジュールですが、
さらに一部に変更を加えました。
4月27日(土)と4月28日(日)ですが、
開館時間を午後1時から午後6時までといたします。
閉館を1時間繰り上げます。
お間違えのなきようお願いいたします。
連休スケジュール一部変更
ゴールデンウイーク中の開館スケジュールですが、
一部に変更を加えました。
4月30日(火)から5月2日(木)まで の3日間ですが、
開館時間を午後1時から午後5時までといたします。
閉館を1時間繰り上げます。
お間違えのなきようお願いいたします。
彼はひきこもりだった 完
続き
十分な練習をこなしたうえで面接に挑んだ彼は、
その会社に採用されることとなった。
がんばった甲斐があったと私も喜んだ。
彼は就職後もしばらくは練習に来たが、
来るペースがおち始め、
やがて数か月後にはまったく顔を見せなくなった。
仕事が忙しくなったんだろうと考え、
時たま、元気にしているだろうか、
仕事は続いているだろうかと彼のことを思いだした。
それから7年ほどたった頃だったかと思う。
ある日、ジムの前に軽トラが停車し、
作業服の男が降りてきたと思ったら、
そのままジムに入ってくる。
何だろうと思って見ると、彼だった。
「お久しぶりです、覚えてくださってますか?」
照れくさそうに笑う彼は、
かつての彼とは別人のようになっていた、
聞けば、就職して始めた建築の仕事をずっと続け、
独立して「ひとり親方」になったのだそうだ。
在籍した会社の下請けですよと謙遜するが、
たいしたものだよと心から感心した。
「あの時、ボクシングと出会ってなかったら、
今もまだ家にこもってたかもしれないです」
いきいきと明るく語る彼の言葉に
よかった、ほんとによかったと
喜びで胸がいっぱいになった。
終わり
彼はひきこもりだった・6
続き
彼が応募したいという会社は、
建築業の分野に属する業種であった。
現場での仕事であり、体力も必要となるため、
ジムで練習を再開して、
体力をつけて仕事に臨みたいのだという。
まず、履歴書に目を通し、細かい部分を添削する。
次に、面接のロールプレイングをする。
面接で想定される応募者への質問に加え、
まったさく関係のない事柄の質問をぶつけ、
イレギュラーへの対応力を強化する。
最大の問題は、高校中退からこれまでの空白の期間だ。
ストレートに「何もせずひきこもっていた」と
答えるのはさすがにまずいだろう。
うそをつくことはまずいが、
何もかも隠さずに正直であることも良いことではないのだ。
それは「融通が効かないやつ」と思われてしまうだろう。
時にはその場その場をうまく切り抜ける
立ち回りのうまさが求められることだってあるのだ。
そこで、彼と相談し、
「この空白の期間には何をしていたのか?」と聞かれた時、
相手を納得させられる内容の答えを用意した。
そのうえで何度も面接のロールプレイングを繰り返した。
「胸をはってあごをひけ」
「相手の目を見て、そらさずに話せ」
「あわてずにゆっくりでいいから、ていねいに話せ」
「語尾をはっきりと」
話す内容だけでなく、話しかたまでこと細かく注意した。
彼は、ここでも指示されたことを確実に身につけようと懸命になった。
続く
彼はひきこもりだった・5
続き
彼がジムに戻ってきたのは、
それから1年版ほど後のことだ。
ふらりとジムに入ってきた彼には、
少し照れくさそうな表情が見えた。
少し人間らしい面が出てきたなと感じた。
「また試合目指すか?」とたずねると、
「それはもういいです」と言う。
試合出場は頭にないが、練習は再開したいと言う。
たずねたことにはっきりと自分の言葉で答える彼に
以前よりコミュニケーションをとりやすくなったと感じた。
1週間ほどたった後、
「相談したいことがある」と持ちかけられた。
何かとたずねると、
「就職したいが、その相談にのってくれ」と言う。
就職先を紹介してくれといったことではなく、
履歴書の書きかたや面接に関して、
アドバイスをほしいということである。
その少し前の時期であるが、
ひきこもりの練習生を対象にして、
就職関連の支援をしていたことがあった。
私は、ジムを開設する前も現在も、
広告の仕事に携わっている。
現在はコピーライターとして広告制作を手掛けているが、
もともとは広告代理店の営業職として、
求人広告の営業を長く続けていた。
その際に得た知識やスキルをもとにして、
就職関連のアドバイスをする支援サービスを行なっていた。
彼はそのことを目にしていたのだろう。
私にアドバイスを求めてきた。
「わかった、では、応募したい会社の資料と、
履歴書を持ってこい」と彼に指示した。
続く
彼はひきこもりだった・4
続き
2度目の敗戦を喫した彼だが、
それでもその翌日からまた何もなかったかのように
ジムに来て、練習を続けた。
なぜ負けたのか、なぜ倒されたのかを、
彼に伝えた。
パンチを打って、ガードの位置に戻す際
拳の位置があごの下に戻ること、
つまりガードが甘くなることが時々ある、
そこにタイミングよく打ち込まれて、
すっとばされているのだと説明した。
その日からは、
その弱点の部分を修正する練習を中心にした。
3度目の練習会はその3か月後であった。
彼はその練習会に参加し、
その際は2ラウンドをフルに戦い抜いたが、
ジャッジ3名は全員が相手の勝ちとして、
彼は3度目の敗戦を喫した。
その翌日、彼はジムに来なかった。
その翌日も、また翌日も来なかった。
続く
彼はひきこもりだった・3
アマチュアボクシングの公式試合に出場するには、
一定期間の練習が必要とされている。
その期間を超えたうえで、
所属するアマチュア団体の指導者が、
その選手の技量や体力が試合出場に十分であると
認めた場合にのみ、公式試合に出場できる。
彼については、1年間の練習を経た後に、
公式試合に出場させようと考えていた。
その間に何度かスパーリング練習会に参加させ、
経験を積んだうえで公式試合に出場させる腹づもりがあった。
彼はスパーリング練習会と公式試合の違いさえも
わかっていなかったかもしれない。
ただ、どのような形式であれ、
「戦って勝つ」ことを経験させたいと思った。
彼にとって、それはとてつもなく大きな喜びになるはずだ。
まず練習会での勝利を経験させ、
その後、公式試合の勝利を果たさせる。
その両者は勝った時の喜びが格段に違う。
敗戦から3か月後、彼は2度目の練習会参加を果たした。
今度こそ勝ちたいとの思いを持っていたはずの彼だったが、
この練習会でも相手の強打の直撃をくらって
リングにしずめられることとなった。
大阪のボクシングジム
彼はひきこもりだった 2
その1か月後、彼はスパーリング練習会に挑んだ。
公式試合ではなく、いわば「練習試合」だったが、
彼にとっては初めての試合となる。
その練習会までの1ヶ月、
彼は実戦練習を中心に、試合に勝つための練習を続けた。
スポーツの経験はない。
ボクシングのセンスもあるとはいえない。
ただ、彼は教わったことを教わったとおり
忠実になぞり、こなそうとした。
少々ぎごちないところもあったが、
言われたとおりに動き、
少々難しいことにも懸命にとりくみ、
身につけようと努めた。
できないと投げ出したり、あきらめたりすることはなく、
黙々と練習にとりくみ、
指導する私たちはその熱意にこたえるべく後押しをした。
彼の初めての「試合」は、3分間もたずに負けた。
キャリアで大きく優る相手に果敢に向かっていったが、
実力差がそのまま結果に表れた。
ガードが下がった一瞬のスキをついて狙われた
左フックを直撃されてフロアに沈み、
立ち上がりはしたが、足元がふらついていたため、
続行せずにストップをかけた。
「強い相手に一歩も引かずに立ち向かっていった」
「勝とうとする気持ちがはっきり出ていた」
負けてうなだれている彼に声をかけたが、
彼はうつむいたまま顔を上げようとしない。
ボクシングをやめてしまうかもしれないなと心配した。
しかし、彼はその翌日ジムに来て、
いつものように練習を始めた。
彼はひきこもりだった 1
彼が初めてジムに来たのは、20歳の時だった。
母親に連れられてやってきた彼は、
ずっとうつむいたままで、
話しかけても言葉を発しない。
ジムではどんな練習をするのかを説明して、
見学をしてもらっただけでその日は終わった。
翌日、母親からメールが届き、
本人がボクシングをやってみたいと言っていること、
中学生の頃からいじめを受け、
高校を中退した後はひきこもり状態であることを
知らされた。
一度体験入会をした後、
彼は入会して毎日練習に来るようになった。
当初は母親が付き添って来ていたが、
2週間ほどたってからは1人で来るようになった。
ただ、相変わらずいつもうつむいたままで、
言葉を発することはなかった。
変化があったのは2か月が経過した頃だ。
初めて、彼がジムで口を開いた。
「試合に、出てみたいです」
まず、スパーリングをさせた。
キャリア2か月でのスパーリングは
未熟でぎごちなかったが、
弱気で及び腰になったり、
下を向いてしまうこともなく、
前に前にと打って出る姿勢を見せた。
内に秘めた闘志と、気持ちの強さを感じ、
彼を試合に出場させようと思った。
続く