彼はひきこもりだった・3 | ラッキースターボクシングクラブ

彼はひきこもりだった・3

アマチュアボクシングの公式試合に出場するには、
一定期間の練習が必要とされている。
その期間を超えたうえで、
所属するアマチュア団体の指導者が、
その選手の技量や体力が試合出場に十分であると
認めた場合にのみ、公式試合に出場できる。
彼については、1年間の練習を経た後に、
公式試合に出場させようと考えていた。
その間に何度かスパーリング練習会に参加させ、
経験を積んだうえで公式試合に出場させる腹づもりがあった。

彼はスパーリング練習会と公式試合の違いさえも
わかっていなかったかもしれない。
ただ、どのような形式であれ、
「戦って勝つ」ことを経験させたいと思った。
彼にとって、それはとてつもなく大きな喜びになるはずだ。
まず練習会での勝利を経験させ、
その後、公式試合の勝利を果たさせる。
その両者は勝った時の喜びが格段に違う。

敗戦から3か月後、彼は2度目の練習会参加を果たした。
今度こそ勝ちたいとの思いを持っていたはずの彼だったが、
この練習会でも相手の強打の直撃をくらって
リングにしずめられることとなった。


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