[A] Across The Universe -44ページ目

道をひらく

私が唯一定期購読している雑誌。
「月刊 致知」

月の初めに家のポストに届くだけで、背筋がピンと伸びる。
これほど読み終えるのがもったいないと思う雑誌はない。そして、次の月になるまで気に入った記事は妻にも読ませ、自分でも何度も読み返す。
まったく怪しい雑誌ではない。何らかの思想に基づくものでもない。宗教もまったく関係ない。ブレず、偏らず、ひたすらにより良く生きる道を探る。私も購読し始めてからまだ半年しか経っていないが、次の更新の時期には3年契約に変えようと思っている。

これほどに素晴らしい雑誌の認知度が低いのはなぜだろう。
昨年、藤尾社長の講演会のお話を伺う機会があったので理由はわかるが、商業主義ではないのだ。
年間購読しなければ1冊1,000円。
高いか?
読めば分かる。
1,000円でも安いくらいだ。
1冊読み終えるだけで、その辺の本を何冊も読む価値がある。
みなさんが読むようになれば、そして共感してくれれば日本はもっと素晴らしい社会になると確信する。
自分の感想も含めて、これからは「致知」の記事について毎月触れていくことにした。




「道をひらく」
今月の致知の特集である。

藤尾編集長による今月の解題。

「道は、心を定めて希望をもって歩む時、ひらかれる」
松下幸之助氏の言葉である。
藤尾氏が仕事で嫌なことがあり鬱々とした気分のとき、この松下翁の言葉を聞いて、「雲間から差し込む一条の光に照らされたような喜び」がこみ上げた、という。


振り返って我が身。
松下翁の言葉はただ読み飛ばそうと思えば、非常に単純な言葉である。

「心を定めて」
生きながら日々心を定めることが出来る人はどれだけいるのだろう。日々心は揺れ動く。「私の人生の選択は正しいのか」、「このままこの仕事を続けていいのか」

「希望をもって」
日々希望をもって生きているか。
惰性に生きていないか。

そして、「歩む」ことを続けているか。
日々の生活のまま、満足していないか。
遠い目標に向かって歩みつづけているか。

どのような職業に就いていようと、心に染みる言葉。


私は心を定めているか。
希望を持っているか。

申し訳ありません。
まだ、まったく出来ていません。
ただし、これから人様に迷惑をかけず、人様に喜ばれるよう生きて行きたいと思っています。



NYに禅堂を建立し、教えを広めていらっしゃる嶋野老師のお言葉。

「”自力”と言っても違う。”他力”言っても正しくない。自分に嘘のない日々をコツコツ生きていたら、不思議と計らいを超えた力が、そっと後ろから押してくれた。温かく、そして力強く。怖れをなくし、身をその力に委ね切ることができた時、道はおのずから開けてきた。」


頑張った者に、神は微笑む。
私john、若輩者ですが、これからも努力して生きていく所存です。
ありがとうございます。

現代の覚者たち

覚者とは悟りを開いた人のことである。
まだ起こらなかった道を起こした人
まだ知られなかった道を知らしめた人
まだ説かれなかった道を説く人
------である。
「現代の覚者(致知出版社)」表紙より


この本は「現代の覚者」7人のインタビューから構成されている。
皆さん明治の生まれで、残念ながら現在では坂村先生以外鬼籍に入られているが、この本が出版された昭和63年当時の写真は、それぞれ本当に素晴らしい表情をされており、まさに覚者。このような素晴らしい方々によって、私たちは現在の日本の繁栄を享受できているのだと実感する。

隅から隅まで珠玉の言葉で埋め尽くされているが、ほんの一部を備忘録として。


森信三 先生
明治29年生まれ、哲学者、国民教育の父と言われる。

「昔ね、登校拒否の中学生をもって困り抜いたお母さんから相談を受けたんですがね、その解決法はただ一つあるだけで、それは明日からあなたがご主人に良く透る声で「ハイ」と返事をされることですといった。曽於人はその通りしたんでしょう、その子どもはその後十一日目にはもう登校しだしたとのことでした。「ハイ」という言葉がいえたら、非行少年でも徐々に変わってくる。ところが、本当に「ハイ」が言える婦人は百人のうち、ニ、三人じゃないかな。」

「真の読書というものは、いわばその人がこれまで経験してきた人生体験の内容と、その意味を照らし出し統一する「光」といってもよいでしょう。だから、せっかく、深刻な人生経験をした人でも、もしその人が平生読書をしない人の場合には、その人生体験の意味を十分にかみしめることができないわけです。」

「読書の中心は結局「自分」というものを、つねに内省できる人間になるということでしょう。だから、私たちは平生読書を怠らぬことによって、つねに自己に対する内観を深め、それによって真の正しい実践の出来る人間になることが、なにより肝要です。」


鈴木鎮一 先生
明治31年生まれ、幼児の音楽才能開発に尽力、スズキメソッドの学習者は世界に数十万人。

「最も大切なことは、何度もくり返してやる、ということです。身につくまで何度でもくり返してやる。子どもが日本語をしゃべれるようになるのは、毎日毎日のくり返しでしょう。どんな能力でもそれと同じで、やさしく感じるようになるまで、何度でもやる。それが能力を高める秘訣ですね。」

「あのときやっておけばよかった、ということがよくあるでしょう。せっかっくのチャンスだったのに、と。それはすぐに行動を起こす能力を持っていないから起こることです。そういう人は結局、一生運命が開けない。チャンスはあるんだけれど、それをつかむ行動がないということは自らチャンスを放棄しているということです。」


三宅廉 先生
明治36年生まれ、日本で初めて産科と小児科が一体となった周産期教育病院「パルモア病院」を開設。

「子がどうなるかを決めるのは学校より家、親が最も重要です。特に母親が子の将来を担っているのです。人間を作るのは、やはり母親です。三歳くらいまでは父親でなく、絶対に母親ですよ。最初が肝心で、これをしっかりやっていれば子は大丈夫です。」

「弱い子、だめな子はいらない。こういう考えは、突き詰めれば怖い思想です。この世の役に立つことの出来なくなった老人は早く死ねという考え方につながっていきます。弱いものを支える心、劣った人へのまなざしの欠如は、結局は普通の子や人をも生きにくくします。みんな自分に帰ってくる。」


坂村真民 先生
明治42年生まれ、詩人。

そういう母の思い出のなかで
わたしが今も忘れないのは
乳が出すぎて
乳が張りすぎてといいながら
よく乳も飲まずに亡くなった村びとの
幼い子たちの小さい墓に
乳をしぼっては注ぎしぼっては注ぎ
念仏をとなえていた母の
美しい姿である
若い母の大きな乳房から出る乳汁が
夕日に染まって
それはなんとも言えない絵のような
美しい母の姿であった


関牧翁 先生
明治36年生まれ、天竜寺管長

「まず、人間というものはうまれたから死ぬ。それで、日常与えられたささいなこと、そのささいなことをおろそかにしなかったならば、いざというとき覚悟の必要はない、ということです。平素、油断がなければ覚悟の必要がないということを先師は徹底された。ですから「一日よく生きる」という徹底ね。一日よく生きるということを徹底していけば安楽の死につながるんだ。」


松野幸吉 先生
明治39年生まれ、松下電器産業取締役時、松下幸之助氏の要請を受け日本ビクターへ。相談役。

「ぼくが松下の重役になったときに、松下幸之助さんから「松野君、商売のコツがわかったか」といわれたが、その頃はまだコツがわからなかった。商売のコツがわかったのは、重役になり、東京駐在になって、色々仕事をしているうちに、商売のコツというか、経営のコツがだんだんわかってきたような気がする。(中略)それはね、どういうことかというと、まず、自分より人が偉い、と思えということなんだ。そうすると、人の長所を見るようになってね、人の短所はみないことになる。あいつはいいとこあるなぁ、という感じになり、自然に、人が偉いと思えてくると、その人から学ぼうという態度になってくるから。」

松野先生が大病を患い、長期入院していたときのこと。社長(松下幸之助氏)が見舞いに来た。
「ぼくの寝ている横に来て、どうや、といわれるが、こっちはもう苦しくてしょうがないし、あたまからふとんをかぶって、黙っていた。ふと、ふとんからのぞいてみましたらね。松下さんはベッドの側に座り、僕の寝ているのを黙って見つめながら涙をこぼしておられるのです。そのとき、「はぁ、俺はこのひとのために尽くさないかんなぁ」と、一瞬そう思うた。これで「俺が生き返ったら、この人にご恩返しをせなあかんなぁ」という心境になった。」


平沢興 先生
明治33年生まれ、神経解剖学の世界的権威、京大元総長。

「敬老の日なんかになると、長生きについていろいろ話が出ますね。あれはほとんど全部嘘です。ご飯を良く噛むとか、酒を飲むとか、それは長生きした人の個人の趣味を書いているんでね。その人はそう思っているが、それを真似したら長生きできるというものではない。」

「年をとると偉そうにいうようになるが、本当に偉い人は、偉そうには言わぬ、大体偉そうにいう人は成長が止まっている。」

「教育の基本は、第一はあくまで誉めること。第二はできるまでやらせること。第三は、自分もそれを実行すること。」



素晴らしい言葉の数々。
ありがとうございます。


 
森 信三, 関 牧翁, 三宅 廉, 松野 幸吉, 平沢 興, 鈴木 鎮一, 坂村 真民
現代の覚者たち

「本当の学力」は作文で伸びる / 芦水奈雄

作文教室「小平村塾」を主宰する筆者による書。
効率的な作文指導により、国語以外の学力も伸びるというのだ。

まず、例として引用されている子供達(ほとんどが小学3,4年生)の作文のうまさに舌を巻く。それもそうだろう、通信教育で習っている子どもの多くが作文コンクール等で入賞しているというのだから。
的確な指導で、週に原稿用紙3-4枚の作文で国語力、学力が伸びるという。

作文の書き方(テクニック)についてもエッセンスは触れられている。
ブログを書く上でも参考になりそうだ。
・作文はストーリー性が重要
・結果は書かない 、等々。

しかし、作文だけで学力が伸びる、というよりも、「学習能力」が伸びるというのが正しい。
要は、自分で考える癖をつけるきっかけが「作文」というツールに隠されているということ。
筆者の言い分を信用するしないはさておき、
小学生時代にこういった指導方法で作文を書いていれば、間違いなく作文能力は上達していただろう。


私の作文能力?

・・・・・・ご存知の通り(笑)


芦永 奈雄
「本当の学力」は作文で劇的に伸びる

ホテル・ルワンダ

念願かなって、やっとホテル・ルワンダ を見ることが出来た。


アカデミー賞主要3部門にノミネートされた作品ながら、上映権の高騰から日本での公開が見送られていた映画である。有志による署名活動が奏効し、先月から一部の映画館では公開が始まっていた。しかし、当初都内では渋谷のシアターNという映画館のみの公開。それも毎日立ち見が出るほどの盛況が今でも続いている。近場で公開しないものかと考慮中、千葉では幕張と舞浜で2月4日から公開との朗報。待ちに待った本日公開初日、早起きして最初の回を見てきた。



あらすじは以下の通り


 1994年、アフリカのルワンダで長年続いていた民族間の諍いが大虐殺に発展し、100日で100万もの罪なき人々が惨殺された。アメリカ、ヨーロッパ、そして国連までもが「第三世界の出来事」としてこの悲劇を黙殺する中、ひとりの男性の良心と勇気が、殺されゆく運命にあった1200人の命を救う。

 「アフリカのシンドラー」と呼ばれたこの男性は、ルワンダの高級ホテルに勤めていたポール・ルセサバギナ。命を狙われていたツチ族の妻をもつ彼の当初の目的は、なんとか家族だけでも救うことだった。しかし、彼を頼りに集まってきた人々、そして親を殺されて孤児になった子供たちを見ているうちにポールの中で何かが変わり、たったひとりで虐殺者たちに立ち向かうことを決意。行き場所のない人々をホテルにかくまい、ホテルマンとして培った話術と機転だけを頼りに、虐殺者たちを懐柔し、翻弄し、そして時には脅しながら、1200人もの命を守り抜いた。



期待が高い映画ほど見終えてがっかりすることが多い。

しかし、この映画は終わってからもしばらく立ち上がることが出来なかった。


最初の回の少ない観客ではあったが、そこにいたほとんど全員が同じ感覚だったのだと思う。

エンドロールが終わってもすぐに立ち上がる客はいなかった。

いや立ち上がれないのだ。己の無力さに打ちのめされて。


ほんの10年前、実際にアフリカのルワンダで起きた実話。

100日間で100万人もの人間が虐殺された現実。

西側からやって来た無力な国連平和維持軍。



虐殺の様子をニュースで西側に流すことが出来たカメラマンにポールが言う

「これで世界の人たちが救助にやってきてくれる、ありがとう」

しかし、ジャーナリストは首を振りながら

「いや、違う。世界の人はあの映像を見て”怖いね”というだけでディナーを続けるだけだ」


そう、自分はそんな無関心な一人だった。



このような作品こそ全国でロードショウすべきだ。

幸運にも近くで「ホテル・ルワンダ」が公開されている映画館があれば、是非見て欲しい。

まずは知ることが大切なのだ。



実際にポールさんが日本を訪れて出席したシンポジウムの講演録はこちら。

http://www.peacebuilders.jp/symp11.html



人生を変えた贈り物 / アンソニー・ロビンズ

まずこの本に前書きを寄せているのが本田健氏。

彼の本を読んだことがある方なら、それだけでこの本のテイストを分かっていただけると思う。

本田氏によれば、アンソニー・ロビンズはアメリカでもスター級の講演者らしい。そして、巻末のアンソニーの関連会社の数を見るに、半端ではない金持ちだということがわかる。


ある若い夫婦の貧しい家庭には、感謝祭だというのにごちそうがなかった。一家そろって険悪な雰囲気の中でたたずんでいると、見知らぬ男性がたくさんのご馳走やお菓子を抱えて、家の入り口に立っていた。

「困っている家があるので、届けるように頼まれただけです」と。

その貧しい家の息子が18歳になったとき、なけなしの小遣いをはたいて食料品を買い集め、貧しそうな家に食料品を運び込む。その家の女性は

「あなた、贈りもの、神様」

と言うが少年は

「僕はただの配達係です」

と去っていく。

少年の心は興奮と喜びで満ち溢れていた。

この少年こそアンソニーなのである。彼はその後、人に尽くすことで満足を得る人生を歩み、現在でも感謝祭には貧しい家庭に食料を届けている。1冊の小冊子をつけて。

その小冊子を読みやすく改定したのがこの本である。


ストーリー仕立てではないが、成功哲学のエッセンスが濃縮されており、しかも分かりやすく簡潔に書かれているので非常に読みやすい。シンプルな分、余計に心に響く。


・あなたの過去はあなたの未来と同じではない。

・神の遅れは神の拒絶ではない。

など、シンプルかつ含蓄のある言葉に溢れている。


出てくる事例は、カーネル・サンダース、本田宗一郎、ビリー・ジョエル。みんな知っているだけに、想像力も働きやすい。


成功に向かうためには目標が大切だ。

目標を立ててもその過程を考えるとつい弱気になってしまう。

しかし、アンソニーは言う、「可能性に限界を作ってはいけない」

「絶対に失敗しないとわかっていたら、あなたは何をするだろう」と。


巻頭の「この本について」でのアンソニーの言葉にまずやられる。

「ありがとう!」

「この本に投資してくれてありがとう。」

なのだ。

この本の売上は全額、恵まれない人たちの食料や教育機会に使われるという。

「幸せはまず与えることから始まる」を身を持って実践している。

お金持ちの行動パターンは共通点が非常に多いことが良くわかる。

非常に読みやすく、1時間もあれば読み終わるのでお薦めだ。

ただし、何度も読み返して自分の血と肉にする必要があるのは他の本と同じ。


アンソニー・ロビンズ, 河本 隆行
人生を変えた贈り物 あなたを「決断の人」にする11のレッスン

道は開ける / D・カーネギー

D・カーネギーの「人を動かす」と並び賞される「道は開ける」を再読。
原題は「How to Stop Worrying and Start Living」。
原題を読むと明らかだが、「悩み」を持つ人への対処法を数多く掲載しているのが本書である。

最初に、最大の成果を得るための9か条がある。
要約すると
第一条、本書から真剣に学んで欲しい。
第二条、各章をまず速読し、その後もう一度精読せよ。
第三条、時には中断して内容について考えろ。自問しろ。
第四条、赤鉛筆を手にしながら、重要部分には線を引け。
第五条、無意識に使えるように何度も読み返せ。
第六条、本書に基づいて行動しろ。
第七条、本書の原則に違反した場合、家族に罰金を払え。
第八条、週に一度は自己分析せよ。
第九条。日記をつけろ。

これだけやれば、確かに内容はすっかり頭に入るだろう。そして、悩みについて他人にアドバイスできるようになるかもしれない。
巻末には悩みを克服した31の実例が紹介されている。ロックフェラー等の有名人から、一般の方の体験談まであり、これがなかなかためになる。


「人に動かす」を再読した際もそうだったが、「道は開ける」も内容をすっかり忘れている。この本ももっと頻繁に読まなければならない。

たった一つ、
現在、私が無意識に実践できているカーネギーのアドバイスがあった。

第二章、「悩みを解決するための魔術的公式」のアドバイスである。
1.「起こりえる最悪の事態とは何か」を自問すること。
2.やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。
3.それから落ち着いて最悪状態を好転させる努力をすること。

私は、悩みごと、心配ごとについて、いつも最悪の結果とは何かを考える。そしてその最悪の結果から対応策を考え始める癖がついている。

すっかり忘れていたが、この考え方は「道は開ける」からのものだったのだ。

驚いた。無意識に取り入れていたのだ。
この最悪の結果を想定することで、いったん地面に足を着くことが出来る。そこから力をこめてジャンプすることが出来る。悩んでいるままでは、思いは落ちていくばかりで、とどまる所を知らない。この考え方は非常に役に立っている。


他のアドバイスも無意識に取り入れられるよう、今後も再読あるのみ。


デール カーネギー, Dale Carnegie, 香山 晶
道は開ける 新装版

朝の電車にて

朝の通勤電車には独特の雰囲気が漂う。人の密度の割りには静かな車内。

新聞を読む人、本を読む人、マンガを読む人、音楽を聴く人、携帯に熱中する人、眠る人、物思いにふける人、車窓から風景を堪能する人。

そこには、大きな声をを出さないという不文律が出来上がっている。

高校生やカップルが迷い込んで来て大声で話し出すと、車内は標的に対して一斉に非難の視線を浴びせる。


今朝の電車でのこと。

会社員が二人、戸袋の近くで場違いな大声で話している。昨日酔って泊まった勢いが今朝まで続いて・・・という感じではない。なにせ今日は月曜日だ。片方が大声で話している内容は、家庭のグチ。それも子どもの教育方針が奥さんと合わないらしい。

車両は駅に着くたびに人波を飲み込んでいく。彼はグチをやめない。みんなにも聞いて欲しいかのような話しぶり。聞かされる相方も可愛そうだ。こういう相手には「そうだよね」としか返しようがない。グチを言われている奥さんも可哀相だが、朝の混みあう通勤電車でわざわざ家庭のグチを暴露せざるを得ない、彼を心から「可哀相な人」だと思った。

オグマンディーノも言っている。

口から出た言葉は、良い言葉であれ、悪い言葉であれ、めぐりめぐって己に戻ってくるのだ。

なるべく良い言葉を毎日口にするように心がけよう。



朝の電車では雑念が入って読書に集中できなかったが、帰りの電車では乗客も少なく、かなり読書ははかどった。そこでふと気づく。帰りの電車は乗客が少ないために電車の走行音が朝よりも大きく聞こえるのだ。それなのに、朝よりも格段に深い集中力が生まれている。

そう、たかが会社員のグチに心を乱されている為に集中力が散漫になっていたのだ。

惑わされない強い心を持つ努力が必要だ。


以前の私であれば、今朝のような会社員のグチを聞くと、「怒り」という否定的な反応をしていたはず。

今日も気づきをいただいた。

ありがとうございます。

幸せとは

彼が望む幸せとは何だったのだろう。

会社を時価総額世界一にして、どうするつもりだったのだろう。

今回の件では、いろいろ思うことがある。


東京地検の強制捜査の翌日の日経の特集記事は、事前に用意してあったとしか思えない充実した内容だった。記事には、買収された会社の関係者の詳細な証言も載っていた。買収の手法がおかしい、と。彼の会社は至る所に敵を作りながら大きくなってきたのだろう。今回の捜査も、実はそんなところがきっかけなのかもしれない。

「人を動かす」 の中に、鉄鋼王アンドルー・カーネギーのこんな話が残っている。寝台車の売込みをするのに、ライバル会社と熾烈な受注競争を行っていたとき、カーネギーは競争相手の経営者プルマンに面談し、合併することを提案する。合併会社の名前は「プルマン・パレス」でいかがでしょうか、と。結果、合併話は円満に行われた。取引関係者や友だちの名誉を立てるのが、カーネギーだったと。


また、「ユダヤ人大富豪の教え」 では、お金を感謝と愛情の表現として使えば、回りまわって自分のところに戻ってくる、という話がある。


先入観があるために混同しそうになるが、今回の事件は「堀江的な考え方」が問題だったのではなく、飽くまで違法な会計処理が問題なのだ。ただ、堀江的な考え方と、違法な会計処理との因果関係はわからない。ただ、彼の言動からは「礼節」、「道徳」、「倫理」といったものを感じることができなかったのは確かである。

彼が従来の日本の伝統的、非効率な部分を明らかにした功績があったことは認める。


製品的にも業績的にも日本を代表する財界団体、経団連の現在の会長はトヨタの奥田会長。次期経団連会長はキヤノンの御手洗社長。

トヨタもキヤノンも、バブル期に非効率の象徴としてさんざん叩かれた終身雇用を是とする企業である。両社とも、バブル以前も日本を代表する企業だったが、バブル以降はさらに業容を拡大させ、現在では世界を代表する企業となった。日本的なものを全て否定すべきではない。


人の心が大切なのだと、改めて思う。

貴重な教訓、ありがとうございます。


人を動かす / D・カーネギー

村上春樹の小説の中で、主人公に「僕はドストエフスキーとか、古典しか読まないんだ」と言わせる場面がある。その理由は確か、評価の定まらない新刊を読むのは時間の無駄だし、評価の定まった本は読んでも安心感があるから、というものだった気がする。
出来ることなら、古本屋に出さずに生き残った本だけをじっくり味わって何度も何度も読むのが理想だが、読みたい本が次から次と本棚を占領していく。買ったのに読んでない本が20冊以上もあるのでは、じっくり再読など夢のような話。
カーネギーの「人を動かす」を再読して、その主人公の言葉を思い出した。

本屋を覗くとふと目に付いたのが、ハンディーカーネギーという、「人を動かす」、「道は開ける」、「名言集」のカーネギー3部作の文庫セット。バラ売りならもっと嬉しいのだが、持ち歩くのに最適である。即買い。

これは何度も読み返す必要がある、と当時思いながらも数年の歳月が経ってしまった。
今回読み始めると悲しい事に、読んだ当時あれだけ感心したにもかかわらず、既に半分以上は忘れているのである。今年の目標である、「以前読んだ本の再読」の大切さを実感する。

初版は1936年、今だに年間30万部が売れ続けている。人と付き合うための「良いお手本」が満載であり、必ず読んだ人の共感を呼ぶからであろう。

「重要感を持たせる」の一節

・・・デトロイトのある小学校の女先生が、授業中に逃げた実験用のねずみを、スティーヴィー・モリスという少年に頼んで探し出してもらった。この先生がスティーヴィーにそれを頼んだのは、彼が目は不自由だが、そのかわりに、すばらしく鋭敏な耳を天から与えられていることを知っていたからである。素晴らしい耳の持ち主だと認められたのはスティーヴィーとしては、生まれて初めてのことだった。スティーヴィーの言によれば、実にその時、自分の能力を先生が認めてくれたその時に、新しい人生が始まった。・・・彼の名は「スティーヴィー・ワンダー」



改めて、気づくことが多い。何度読んでも飽き足りない。自分の感情をこの本の内容に照らし合わせてコントロールできるようになれば、人間関係の摩擦で悩むことなどなくなるのだろう。

私がこの内容を実践するのに、一番難しい相手が家族(妻)なのだ。長年のしがらみ、馴れ合い、力関係が邪魔をして、対応を変えることが出来ない。恥ずかしい限りである。
一番大切するべき人を大切にせずに、社会の人を幸せには出来ない。
少しずつ、実践あるのみである。
ありがとうございます。

デール カーネギー, Dale Carnegie, 山口 博
人を動かす 新装版

東京タワー

午前中、仕事で六本木ヒルズへ。

オフィス棟の最上階部分に入居する某企業でミーティング。

休憩時間に「景色を見せてもらっていいですか」とお願いして、ブラインドを上げてもらう。

数日前に新聞で読んだ、「東京タワーを見下ろせるのはここしかないからだ」という堀江氏の著書のくだりが頭に残っていたからだ。


すぐ目の前に現れる東京タワー。想像以上に近くに感じる。

ヒルズの上階からは見下ろす感じになり、あの東京タワーが小さく感じる。

池袋、皇居、お台場、千葉方面、すべて見渡せるこの感覚。

東京タワーの展望台よりもおそらく高い場所から眺める首都・東京は、確かにサンシャインや都庁から見る景色とは違って見えた。

今日も彼は、ヒルズの38階のオフィスから東京タワーを眺めていたに違いない。


朝日新聞の一面特集記事では、ライブドアを事件当時のリクルートと対比させる形で記事が書かれている。

江副氏が逮捕されたのは89年、今からちょうど17年前のことだった。

政界ルート、NTTルート、文部省ルート、労働省ルート。藤波官房長官、真藤NTT会長等、政財界のそうそうたる面子が逮捕されていく驚き。テレビで報道されるときにはかならず映る、ガラス張りの銀座リクルート本社ビル。まさにバブル景気真っ只中だった。

主を失ったリクルートは、虚業と言われながらダイエー傘下に入り、中内氏の下でも着々と成長して優良子会社となった。現在では、起業家養成所のごとく優秀な経営者を輩出する、日本有数の企業となった。

ライブドアの20年後はどうなっているのか。堀江氏が言うように世界一の企業になっているのか。

今分かることは、リクルートは当時も今も、新しいビジネスを自ら開拓している企業であること。

残念ながら、ライブドアは何ら新しいビジネスを生み出していない。堀江という、新しいキャラクターが古い事業を行っているのが実情である。


私は彼の考え方には全く共感できない。


しかし、

ヒルズから見下ろす東京タワーを目にしたとき、

不思議なことに、初めて彼に同情する気持が少しだけ沸き起こった。