リスクについて
今日の東京株式市場は落ち着きを取り戻したが、ここ数日の株式市場はまれに見る動きを見せた。特に最近の株ブームに乗ってしまった個人投資家にとっては、良い勉強になる相場だっただろう。
もちろんきっかけはライブドア。
株であれ、債券であれ、不動産であれ、投資を行うにはリスクがある。教科書的に言うと、3つのリスクに分類される。
価格変動リスク・・・文字通り、価格が変動するリスク。主に株式だが、債券でももちろん価格は変動する。
信用リスク・・・デフォルト・リスクとも言われるが、倒産するリスク。バブル後の金融不安では、株式市場でも倒産リスクを考慮する必要があったが、通常は社債の金利プレミアムとして表れる。
流動性リスク・・・不動産に代表されるように、売りたいときに売れないリスク。株式は非常に流動性の高い資産であり、通常このリスクを考慮する必要はない。
しかし、今週の株式市場はこの3つのリスクが同時に見られた。平時の株式市場では絶対に「ありえない」し、あってはならない。そんな信じられないことが起こってしまった。
まずはライブドア。捜査段階であり報道以上の何も言うことはないが、このライブドアがおかれている状況が「信用リスク」。
そして、他のIT銘柄も連想から連れ安し、とどめはマネックスの「ライブドア・グループ企業の株式の担保の掛け目をゼロとする」という発表(19日現在ライブドア・オートのみ80%の掛け目復活)。個人の方々は保有株式を担保に入れて、お金を借りる形で他の銘柄の信用取引を行う方が多かった。ライブドア・グループの株を担保に入れていた人は、いきなり担保価値がゼロになるので、「追証」と言って追加で新たな現金、あるいは株式を担保として差し入れる必要が生じた。ということは、他の保有銘柄を売らなければならない。ライブドアを担保に入れるような投資家は、他の保有銘柄も新興IT企業である事が多いため、真っ先に新興IT企業の株が売られる。ま、こういった事情が「価格変動リスク」。
そして、東証はシステム能力の限界を理由に取引を14:40で停止してしまった。売りたくても売れない。先進国市場ではありえない事態だ。しかし、これが「流動性リスク」。
投資家は、ライブドアの利益の大半がライブドア証券から出ており、中身は金融会社だとしっかり理解して投資していたのだろうか。
信用取引のリスクをよく理解して投資を行っていたのだろうか。追証が発生しても余裕資金で対応しなければならない。信用取引は博打ではない。
株式投資とは何かを理解しているのだろうか。チャートやデイトレで儲かるのはほんの一握りの「運」が良い人だけだと知っているのだろうか。チャートやデイトレは「テクニック」や「能力」ではない。「運」が占める部分がほとんどなのだ。宝くじに当たった人のまねをして自分も当たると勘違いしている。
世界的に見ても日本の株式市場の手数料は低水準だ。
証券会社は注文の量が多くなければ採算が取れない。
結果、チャートのツールやデイトレの手数料を引き下げて、売買を回転させるように暗に仕向ける。本来ならば、手数料はもっと高くても基本的な投資家教育をする必要があるところなのだが、目先の利益ばかり。
これを読んだ方はよく覚えておいて欲しい。
・デイトレやチャートなどではまず儲からない。運良く儲かったとしたらそれは「運が良かった」のだ。株式投資の能力があるのではない。
・「○○円が〇億円に!」などの本は宝くじに当たった人の体験記と同じ。真似して儲かるはずがない。
・普通の週刊誌にまで株の記事が載るようになると、相場は天井。最近はまさにそうだった。
・株の銘柄の推奨は信用しないこと。推奨する人が本当に自信があるのであれば、人に教えずに自分でこっそり儲けるはず。
・株式市場はある程度効率的である。これは、情報が一般に知られたときにはすでに株価に情報が反映されているということ。「とっておきの情報」などでは儲からない。もし本当の「とっておき」ならば、それは儲かるだろうが、後でインサイダーでつかまる覚悟が必要。
否定的なことばかり書いたが、私は「それでも株を買いなさい」と言いたい。
良い会社の株を、安いときに買い、貯金と同じように放っておく。
これが個人の株式投資の王道である。
Deep Blue
BBCが7年かけて製作した、海のドキュメンタリー映画。
昨年すでに話題になっていたのだが、最近amazonで衝動買い。
「海は広いな大きいな」
だけではない。
深い、寒い、弱肉強食の残酷な世界でもあり、しかし美しい世界でもある。
よくもこのような映像が撮れたものだ、と感嘆のため息が漏れる。
メイキングと合わせて見ると、特撮など一切使っていないことが良く分かる。たとえば5分のシーンを撮るのに200日間テープを回し続ける。
サメのすぐ近くで撮影するダイバー。クジラを至近距離で撮ろうとし、「もう少し近づくとイワシと一緒に吸い込まれそうだった」と笑いながら、でも「人生で最高に感動した瞬間だった」と喜ぶスタッフ。
世界に7台しかない深海潜水艇での深海生物の撮影は素晴らしいの一言。
美しく泳ぐイルカがいて、赤ちゃんオットセイを食べるシャチがいて、集団で回遊するイワシを食べるクジラがいて、寒さに必死で耐える皇帝ペンギンがいて。
青い海は感動的だ。
私が好きな色は青だ。
青い海の映像を見ていると、心が静まる。
それは私が青が好きだからなのか、海を起源とする命が太古の記憶を呼び覚ますのかはわからない。
いのち
その後マイアミのジャクソン記念病院にて5臓器同時移植を行い、先日退院したとのこと。無事に1歳の誕生日を迎えることができたようだ。
よく頑張ったね。そしておめでとう。
とてもうれしい。
5臓器の同時移植。大変だっただろう。本人もご家族も。
これからもまだまだ気の抜けない日々が続くだろうが、次は是非日本で笑顔を見せて欲しい。
そして、ななみちゃん も移植のために渡米が必要なのだ。
本日夜のNHKのニュースで状況を初めて知った。
腎臓が生まれつき一つしかなく、その腎臓も機能低下。母親の腎臓を生体間移植するにはまだ小さすぎるとのことで、マイアミでの腎移植を待っている。
みなさんのご協力をお願いいたします。
私も先程ネットで振込み、わずかながら協力させていただいた。
おそらく、
今までは、あきらめていたご家族もたくさんいらっしゃったのだろう。
海外での移植の可能性は分かっていても、莫大な医療費を募金で集められる保証は全くなかった。
それが、ネットというツールで情報が瞬く間に全国に広がるようになった。
助かるかもしれないなら、わずかながら力になってあげたい。
自分の家で家族みんなで布団で休ませてあげたい。
特に小さな命は助けてあげたい。
愛されるために生まれてきたのだから。
日本で小児脳死移植が可能になるよう立法を目指している、河野太郎氏の活動を全面的に支持したい。
「話す力」が面白いほどつく本 / 櫻井弘
とある社外のお偉い方が勢ぞろいしているところで30分ほどプレゼンする必要があり、社内の役員を練習台にして毎日練習しなければならなかった。間の取り方、視線の向け方、声のトーンの強弱。最初は社内の役員を前にするだけでも緊張する程だったのだが、日々の練習の結果、本番では非常に緊張したものの時間通りに落ち着いてプレゼンすることが出来た。
そのプレゼンの練習を社内で最初にした際に、まずプレゼンの様子をビデオに撮られた。それを自分で見てみると、悪いところが客観的にわかるらしい。
関係者と自分のプレゼンをビデオを見て唖然とする。恥ずかしいくらいに下手くそだった。
・早口で聞きずらい。
・視線が資料の方ばかり見ていて自信がなさげ。
・「えー」という無意味な言葉が多すぎる。
これを、少しずつ日々矯正した。
話す内容は同じなので、慣れるにしたがって口もスムーズに動き出す。
話す内容は徐々に暗記できてくるので、それ以外のところに自らの注意を向けることが出来るようになる。
と、要は人前で話す際には事前の念入りな準備と十分な練習が必要なのである。
ところで自宅の本棚で見つけたのが『「話す力」が面白いほどつく本』。
買った覚えがまったくないので、妻が買ったのだろう。「話す力」を発揮するには事前準備と練習が欠かせないと身を持って知っている自分が買うはずがない。
が、どんなものかと手にとってみる。
これは「話す力」をつける本ではなく、一般常識をつける本だ。題名に偽りあり。
電話の取り方、会釈の仕方、敬語の使い方・・・新入社員のマニュアルかよ。いや、「新入社員なら」読み応えがある。
しかし、「これこそ本当に運を味方につける話し方」の章、p228のケース3、「始めて行ったスナックで」の話し方はどうなんだろう。
スピードワゴンが売れる前に書いたと思うが、それでもこんなダサいこと言うのはオヤジだ。
・スナックに行き、隣に女性が座る。
・女性に「以前にいらしたことないですか?」と聞かれる。
・そのときに「何をいい加減なこと言ってるんだ!」と怒った口調で言い返す。
・しかし、次の瞬間女性の顔をまじまじと見ながら穏やかに
「君みたいな美人だったら、一度見れば絶対に忘れないからね」
・・・・・・
・・・・・・
一応言っておいた方がいいんだろうか・・・・・・
あまーーーーーい
口はわざわいのカド
「初心」 「忘るべからず!」
「どんぐりの」 「せいくらべ!」
「猿も」 「木から落ちる!」
塾でことわざを習って以来、娘がことわざの問題をせがんでくる。
有名なものはほとんど覚えたらしく、得意げに答えるのが微笑ましい。
「口は」
「わざわいのカド!」
「カド? わざわいのもとでしょ?」
「塾のテキストにはカドって書いてあるの!絶対にカドなの!」
「それは笑う門とごっちゃになってるんだろ。わざわいのカドなんて言うか?」
「絶対にカド!」
「そんなに強情だともう問題出さないから」
とやりとりするうちに娘は泣き出してしまった。
どうせ「笑う角」と混乱し、間違えたのも恥ずかしくて訂正できずにゴネたんだろう、と娘は放っておき再び新聞に目を通す。
が、気になって塾のテキストをこっそり開いてみる。
「口は 口は と・・・あった 口はわざわいの・・・門」
・・・・・・
丁寧に門には「かど」とルビもふってある。
「口はわざわいのもと」だけではなく、「口はわざわいのかど」も正解なのだ。
娘のもとに取って返し、土下座で謝る。
申し訳ありませんでした。パパが間違ってました。許してください。
本当にひどい事をしてしまった。
娘が泣いたのは、自分を信じてもらえなかったからなのだ。
あの時、なぜ「カド」は違うと思っても、「じゃ、あとで調べてみよう」の余裕ある一言が言えなかったのだろう。
自分がことわざごとき間違うはずがない、という慢心が全ての根源。
まだまだ修行が足りない。
謙虚な気持の大切さを痛感した。
今日失った信頼を回復すべく、日々精進。
ありがとうございます。
博士の愛した数式 / 小川洋子
この本を読むとそんな高校時代を思い出す。
博士は時々数字、数式のことを「美しい」と表現する。
私の高校時代、数学の授業でも、放課後に仲間に数学の解き方を聞くときもよく使われた言葉「美しい」。
「解き方が美しい」、「この式は美しくない」
そのたびに数学が苦手だった私は「数学が美しくてタマるか!」と思っていたが、まれに自分が四苦八苦した後に綺麗に数式を並べて解を書き込む瞬間、「美しい」と感じることもあった。
小川洋子は初めて読んだが、とてもうまい。この作品は川上弘美に通じるものを感じる。
始めから終わりまで淡々と、まさに淡々と物語りは進み、常にトーンは一定。
一度も水面上に顔を出さないまま静かに物語はフェードアウトしていく。
読後感はとても柔らかい。
さすが2004年本屋大賞受賞作。
担任でもあった数学教師の書く数字の「2」はとても特徴があった。
そんな20年前のことを思い出しながら読んだ。
- 小川 洋子
- 博士の愛した数式
野村ノート / 野村克也
福袋を買うわけではないのだが、私以外の家人は華やかな雰囲気を味わいたいのか、例年家族で繰り出す。
妻と娘はもちろん服を買いに。私も一応服を見に行くのだが、結局面倒になってCD屋か本屋でブラブラする。そこで、見つけた本。
正直、私の中で野村=グチグチのイメージが激しく出来上がっており、最初は買うつもりなど端からなかったのだが、理論部分を立ち読みし始めるとこれがさすがに面白い。結局買ってしまって、その後の数時間で読了。今年のペナントレースはこれまでよりも数倍楽しめそうだ。打者のタイプ、投手の配球など、さすがに納得。これで楽天の来年の野球のやり方が半分以上は理解できる。と言っても、自分は根っからの巨人ファンだから交流戦でしか見ないと思うが。
野村氏は、投手では巨人の上原を一番評価している。
打者ではイチロー、松井が天才だと。
その一方で、指揮官として全く力を発揮できなかった阪神の選手に対してはボロクソ。特に今岡、井川。番外では清原も。これだけ実績があり、これからも楽天の指揮をとる方がこんなこと書いてはいけない。自分でも野球人の前に人間としての教育が必要だと言っているが、これでは説得力がないではないか。
ID野球は、指揮官として行うことには全く異論なし。しかし、野球界全体がデータ中心に回るべきだとの考えは、どうなのか。強くなければ戦う意味がないのは当然だが、80-90年代の管理野球といわれた森監督下の西武は常勝でも「つまらない」野球だった。要はバランスなのだろうが、その均衡点が難しいところだ。
フィリップ・マーロウではないが
強くなければ野球をやれない、面白くなければ野球をやる意味がない、とでもなるか。
ま、ノムさんのグチも含めて野球好きには楽しめる内容盛りだくさん。
今年の4番はやはり由伸かな。ロッテから小坂が来たのもすごく楽しみ。
- 野村 克也
- 野村ノート
きっと飛べると信じてた / オグ・マンディーノ
今ではすっかり彼のファンとなった。
この本はまず邦訳版の名前が「粋」だ。
原題は「Mission : Success!」
邦題は「きっと飛べると信じてた」
邦題の方がしっくり心に来るが、読んだ後は原題でもなるほど、と思う。
原題からはスパイ物か戦争物かと想像が働くが、中身は戦争物。
しかし、要点の成功哲学へつながるための伏線としての戦争物だ。ルークはアメリカを代表する大会社の経営者。彼は第二次大戦中、爆撃機の爆撃手であり、ふとしたきっかけでロンドンの老婦人のホテルを訪れたことから話は始まる。その老婦人は手芸店で大成功を収め富豪となり、その蓄えで現在は兵士専門のホテルを経営していた。そこに戦争で亡くなった息子そっくりのルークが現れ・・・
「成功の種子」が本書の要点。
これを読ませるためにこの本は書かれているので、全ては書けないがひとつだけ。
・今日という日を貴重なバイオリンのように扱います。ある人はそこからハーモニーを奏で、またある人は不協和音を奏でます。しかし、楽器そのものを非難する人は誰もいません。人生も同じで、正しく弾けば美を奏で、わけもわからずに弾けば醜いものを奏でます。
こういった27項目の成功のための種子が書かれており、私は毎日寝る前に読むことにした。
読み物としてもとても良く書かれている。
- オグ マンディーノ, Og Mandino, 牧野・M. 美枝
- きっと飛べると信じてた
古代への情熱 / シュリーマン
久しぶりに手にとる岩波文庫。
訳の堅さが岩波を感じさせ、学生時代を思い出す。
目標、希望、意志、情熱。
新年にあたり、最初に読む本にふさわしいと思い手にとる。
ギリシア神話に疎い私が全てを同じ緊張感で読むのは、やはり無理がある。しかし、シュリーマンの目標への情熱、目標に対する長期的なビジョンはやはり見習うべきものがある。
「神話」を信じて事業家として財をなし、その財を発掘に投じる。美しいが、「神話」の実在を信じない人にはただのバカ野郎にすぎない。やはり、その信じる力に驚かされる。その信じたものが己のみならず「神話」であるがゆえに。
特にシュリーマンがビジネスで必要な10ヶ国語以上を習得した秘訣。
・非常に多く音読すること。
・決して翻訳しないこと。
・毎日一時間をあてること。
・つねに興味ある対象について作文を書くこと。
・・・Simple is best. なんだこのBasicな項目は。
何も新しい秘訣は書かれていない。何事も近道などないのだ。
やはり、語学も結局「やる」か「やらない」かの違いが結果となって表れるということ。
名を残す人は、すべからくその方面で「やっている」ということ。
私もまずはやってみよう。
ああ、上杉鷹山の「 為せば成る為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」そのものだ。
シュリーマンは私と同じく、朝は一杯のブラックコーヒーから始まっていた。
ただし、起床時間は3時45分だった。
- ハインリヒ シュリーマン, H. Schliemann, 村田 数之亮
- 古代への情熱―シュリーマン自伝
ありがとう
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
今年も感謝の気持を日々忘れずに過ごしていきたい。
何があっても心の中で「感謝します」、「ありがとう」。
嫌なことがあっても「ありがとう」。
この世の中には無駄なことなど何一つないのだ。
嫌なことでも「ありがとう」と受け止めれば、勉強あるいは教訓に変わる。
できれば本をもっとたくさん読みたい。
新しい本ばかり読むのではなく、今年は以前読んだ本を再読することにも力を入れる。
食べ過ぎ、飲みすぎに注意する。
特に酒量は半分以下に減らす。
日々ありがとう、と感謝をしながら本を読み、夜は酒ではなくお茶を飲みながらゆっくり床に就く。
それが私の今年の目標。
新年を迎え、新たな気持で前へ向かえることに感謝する。
ありがとうございます。

