ホテル・ルワンダ
念願かなって、やっとホテル・ルワンダ を見ることが出来た。
アカデミー賞主要3部門にノミネートされた作品ながら、上映権の高騰から日本での公開が見送られていた映画である。有志による署名活動が奏効し、先月から一部の映画館では公開が始まっていた。しかし、当初都内では渋谷のシアターNという映画館のみの公開。それも毎日立ち見が出るほどの盛況が今でも続いている。近場で公開しないものかと考慮中、千葉では幕張と舞浜で2月4日から公開との朗報。待ちに待った本日公開初日、早起きして最初の回を見てきた。
あらすじは以下の通り
1994年、アフリカのルワンダで長年続いていた民族間の諍いが大虐殺に発展し、100日で100万もの罪なき人々が惨殺された。アメリカ、ヨーロッパ、そして国連までもが「第三世界の出来事」としてこの悲劇を黙殺する中、ひとりの男性の良心と勇気が、殺されゆく運命にあった1200人の命を救う。
「アフリカのシンドラー」と呼ばれたこの男性は、ルワンダの高級ホテルに勤めていたポール・ルセサバギナ。命を狙われていたツチ族の妻をもつ彼の当初の目的は、なんとか家族だけでも救うことだった。しかし、彼を頼りに集まってきた人々、そして親を殺されて孤児になった子供たちを見ているうちにポールの中で何かが変わり、たったひとりで虐殺者たちに立ち向かうことを決意。行き場所のない人々をホテルにかくまい、ホテルマンとして培った話術と機転だけを頼りに、虐殺者たちを懐柔し、翻弄し、そして時には脅しながら、1200人もの命を守り抜いた。
期待が高い映画ほど見終えてがっかりすることが多い。
しかし、この映画は終わってからもしばらく立ち上がることが出来なかった。
最初の回の少ない観客ではあったが、そこにいたほとんど全員が同じ感覚だったのだと思う。
エンドロールが終わってもすぐに立ち上がる客はいなかった。
いや立ち上がれないのだ。己の無力さに打ちのめされて。
ほんの10年前、実際にアフリカのルワンダで起きた実話。
100日間で100万人もの人間が虐殺された現実。
西側からやって来た無力な国連平和維持軍。
虐殺の様子をニュースで西側に流すことが出来たカメラマンにポールが言う
「これで世界の人たちが救助にやってきてくれる、ありがとう」
しかし、ジャーナリストは首を振りながら
「いや、違う。世界の人はあの映像を見て”怖いね”というだけでディナーを続けるだけだ」
そう、自分はそんな無関心な一人だった。
このような作品こそ全国でロードショウすべきだ。
幸運にも近くで「ホテル・ルワンダ」が公開されている映画館があれば、是非見て欲しい。
まずは知ることが大切なのだ。
実際にポールさんが日本を訪れて出席したシンポジウムの講演録はこちら。
http://www.peacebuilders.jp/symp11.html