[A] Across The Universe -41ページ目

子供を東大に入れる母親のちょっとした「習慣術」

普段なら買わない題名だが「食品の裏側」の隣に平積みになっていたので、思わず衝動買い。

この手の本に興味が向くようになってきてしまった。


「母親の」というのは、今をときめく勉強法・ノウハウ本で有名な和田秀樹氏の母親、和田寿栄子さん。
和田家の兄弟は兄秀樹氏、弟さんともに東大出身。秀樹氏はご存知のように現在精神科医、弟さんは弁護士をされているのだそうだ。

全体を通して貫かれる文体のトーンには厳しさがある。
著者は、「言葉よりも手が先に出る」、「怒りっぽい方だ」と自分で書かれている通り、文章からもそのスキのなさはにじみ出ている。現代の状況なら厳しいのかもしれないが、昔の「母ちゃん」はどこでもこんなもんだったのではないだろうか。北野武氏のお母さん、さきさんも貧しいながらも子供に教育だけは受けさせようと厳しく育てていた。

・知性がないと人間には「品」が出てこない。多少お金は持っていても、それでは尊敬されない。学歴がないと知性は磨かれない。

・平身低頭してお金を稼ぐのは確かに大変なことですし、そうやって給料を持ってきてくれたことには感謝します。けれども、自分の家庭を犠牲にしてまでもぺこぺこと頭を下げるような職業に、子供たちに就いては欲しくありません。

辛辣な言葉の数々。
読む人によっては反感を買う表現多々あり。

多少反論しておこう。

学歴がなくても品は出る。ただし、それは「気品」を前提とした教育を家庭で行っている子供か、あるいは学歴がなくても社会でもまれて、知識ではなく知恵をつけるか、のどちらかだ。そこを学習によって一定レベル以上の学校に行くことにより、近道で身に付けることができるのだと思う。

二つ目の引用は、ご主人のことを例にあげているのだが、男として悲しくなる。
下げたくもない頭を下げて給料をもらってくるご主人に感謝こそすれ、子供にサラリーマンにはなって欲しくない。その母親の気持ち、分かる。分かるが、子供の前でそれを言っちゃあおしまいよ。
この本は全体を通してお父ちゃんのことは良く書かれていない。
それでは、いくら子供を東大に入れても職業の貴賎を植え付け、それもサラリーマンでさえダメダメだ、と言っているようなものだ。


サラリーマンとしては少しへこむが、それでもまっとうな教育、しつけが書かれたオーソドックスな内容である。

和田 寿栄子
子供を東大に入れる母親のちょっとした「習慣術」

食品の裏側 / 安部司

今話題のベストセラー。
近場の小さな本屋には2軒ともなかったが、外出ついでに寄ったオアゾの丸善本店にはレジ前に山積みになっていた。今週のノンフィクション部門売上2位。


一昔前に流行ったこの手の本を読んだときには、「そんなに食べてはいけないといわれると、食べるものなくなるんだけど」と遠い目になった記憶があるが、こ の本はそこまで悲観的ではない。そして著者は食品添加物自体を悪者にしているわけではない。そんな著者はもと食品添加物会社のトップセールスマン。消費者 に実態が知らされていないことに警鐘を鳴らしているのだ。文中何度も出てくるが、単体では安全性が保証されている添加物でも、複数種類同時に摂取した際の 人体への影響は実はまだわかっていない。人体実験しているようなものだ。

これを読んだら、しばらく出来合いの食品は食べるのに躊躇しそうだ。
少なくともコンビニのサラダは食べられない。昔からそんな話は聞いたことがあったので、出来合いのカット野菜だけはなるべく食べないようにしてきたのだが。
それから、大好きな明太子も食べる量を減らそう。というか、しばらく忘れるまで食べることができない。
あとは、なるべくコンビニでご飯買うのは控えるようにしよう。やはり、かつお節たっぷりの無添加自慢立ち食い「そばよし」で食べるのが良い。

それにしても、コーヒー・クリームやしょう油の話はショックだ。
そんなことが許されていいのだろうか。
コーヒーはブラックで飲むから問題ないが、しょう油の場合は本を読みながら家のラベルをチェックしてしまった。家のしょう油は本物の「しょう油」だったが、買い物ついでにスーパーの特売しょう油を見てみたところ・・・インチキしょう油だった。恐ろしい。

水にお金をかけるのと同様に、安全な食品には余分なコストがかかる時代がやって来ている。
しかし、加工食品を使わないようにすれば手間もかかる。
まさに、効率性を追求してきたこれまでの社会の暗部が、食品添加物にも現れているといっても過言ではない。


安部 司
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

黒胡椒せん

以前にみきさん のところで紹介されていて、調べてみると近所に直売店があった。

せんべい好きの私は、家には必ずせんべいのストックがある。

今回買い物ついでにおせんべいや に寄って黒胡椒せんを買ってきた。


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店内のおせんべいは、ほとんどが綺麗な箱に入れられて売られているが、売れ線の商品は家庭用に割れたものも入っている、袋売りもしている。

せんべい好き、かつ胡椒味も大好きだので、味見もしていないのに3袋買い込む。そして、「ぬれせん」が好きな娘のために「ぬれせん」を1袋。


帰って早速袋を開けて食べてみる。

想像した通りの味。

かなりうまい。

ポテチの黒胡椒味のせんべい版を想像すればよい。ただし、ポテチより歯ごたえがあってヘルシー、堅いから子供のおやつにもぴったり。

唐辛子せんべいもかなりハマったが、黒胡椒せんも食べだすと止まらなくなる。

いいものを教えてもらった。

みきさん、ありがとう。


娘に買ってきたぬれせんも、今までに食べたことがない濃厚な味。

手間が掛かってるのが良く分かる。


しばらく普通のせんべいは食べられない。



この国の立志立命

藤原正彦氏の「国家の品格」が100万部を超えたと言う。
昨年12月発売の月刊致知 1月号を読み返してみる。

「この国の立志立命」というテーマでの藤原正彦氏と米長邦雄氏の対談だ。
この対談での藤原氏の発言を読めば、本を買わずとも大体の内容は想像できる。


・いまは子供たちの自主性を重んじると言うので、とにかく押し付けなくなりました。戦前、非論理的なこと押し付けすぎた反動で、戦後は非論理的なことはやめましょうと論理的に説明できることだけを教えるようになったんです。しかし、世の中で最も重要なことには論理的に説明できないことが多い。例えば、何故人を殺してはいけないか。私なんか、人を殺してよい論理は一時間もあれば百くらい考え付きます。しかし、人を殺すのは駄目だから駄目なんですね。論理的な理由はない。同様に卑怯はいけない。男が女をぶん殴ってはいけないという論理的な理由は何もない。卑怯と言うだけです。そういう価値観を親が自信を持って問答無用で押し付けることが重要だと思います。

・子どもの個性を尊重しようと言う言い方がありますね。しかし、子どもの個性とはほとんどが悪い個性なわけです。野菜を一切食べない個性とか、授業中歩き回る個性とか、親を手伝わない個性とか、テレビを一日に5時間見る個性とか。こう言う個性は全部踏みにじらなければならないんです。(中略)こう言うことをきちんとしないで子どもにおもねることは、子どもが立派な大人になる権利を侵害しているわけです。親はどんどん子どもを叱りとばす。

・私は日本が世界に誇りうるのは素晴らしい情緒と形だと思うんです。先程お話した非常に繊細な美的感受性。こういうものは世界でも飛び抜けてナンバーワンなんですね。それから二つ目には日本人が作り上げてきた美しい形です。卑怯を憎むとか、名誉と恥とか、忍耐と誠実とかその多くは武士道精神から来ています。とりわけ取り戻さなくてはいけないのが惻隠の情でしょう。


所々に辛辣な言葉がちりばめられているが、内容は概ね共感できる。
ただし、単に復古的に昔の日本を礼賛するだけでは、元来た道を辿る恐れがある。

戦後生まれの私たちは残念なことに、戦争で日本は戦争で悪いことをした、という教育しか受けていない。
だから日本の良い面と悪い面の区別が客観的に判断できない。

しかし最近の風潮は単に昔の日本は良かったという、復古主義的に過ぎないか。
私たちは長い年月を経て学習してきたはずだ。
良いところ、悪いところ、何事もバランスが大切だ。
現在の昔の日本を見直す風潮は個人的に好感を持っているが、過去の日本が全て善であったと言う論調には懐疑的だ。
現代の日本の良いところを残しつつ、昔の日本を良さを加味する。
そういった賢さが私たちにはあると信じたい。

巨富を築く13の条件 / ナポレオン・ヒル

今はあまり見かけないが、昔は都内のタクシーに乗るとナポレオン・ヒル・プログラムのチラシが結構置いてあった。当時はナポレオン・ヒル自体のことを良く知らず、怪しいセミナーの類いだとばかり思っていた。
だから、この成功哲学の神様のことを知ったのも実はここ数年のこと。
本を読んだのは今回が初めて。


1908年、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーと出会ったヒルは、彼から巨富を得るための秘訣を語られる。そして、その秘訣を世界の人のために伝える仕事をするつもりがあるか、と尋ねられる。それも無償で。29秒かけてYESの回答をしたヒルは、数多くの富豪から巨富を得る秘訣を聞き、プログラムをまとめた。そして、その過程でヒルもまた大富豪の仲間入りをする。

巨富になる秘訣は13。
願望、信念、深層自己説得、知識、想像力、計画、決断力、忍耐力、マスターマインド、性衝動、潜在意識、頭脳、インスピレーション。
私が今まで読んできた成功哲学の本のエッセンスがこの本に収められていた。いやエッセンではない、それ以上のものがある。

特に興味深かったのが、これまでの本にはなかった性衝動の章。
私も、性衝動をコントロールすることに悩んでいる。というか今では半ばコントロールすることを諦めつつある。
しかし、ヒル氏によれば性衝動のエネルギーは、文学・芸術・その他の専門的な職業においても、冨を築くためにも、力の源泉になるものであると言う。だから、無理に減退させたり排除せずに、意志の力で転換しろと言うのだ。そして、驚く研究結果が述べられている。成功した著名な2万5千人の調査の結果、40歳前に成功した人はほとんどいないというのだ。ほとんどが50を過ぎてから成果を発揮している。すなわち、大多数の人が若いときには性エネルギーの転換の仕方がわからずに、肉体的に発散してしまっているのである。
しかし、この本にはその最も重要な性エネルギーの転換方法は書かれていない。
自分で体得しろということか。
私もあと数年で40。
そろそろエネルギーのうまい転換の仕方を覚えて、次のステージへ進まなければ。


ナポレオン ヒル, Napoleon Hill, 田中 孝顕
巨富を築く13の条件

知恵の蔵をひらく

月刊致知 4月号の巻頭の言葉は稲盛和夫氏、「知恵の蔵をひらく」

京セラ、KDDI、ウィルコム。
稲盛氏が創業したこれらの企業を成長発展させていく際に、偉大な存在を実感し、敬虔な思いを新たにすることが少なくなかったと言う。大きな叡智に触れ、それに導かれるように様々な新製品開発に成功し、人生を歩んできたとおっしゃっている。

それは偶然でもなく、氏の才能がもたらしたものではないと言う。
「知恵の蔵」とも言うべき場所があり、自分でも気がつかないうちにその蔵に蓄えられた「叡智」を、新しいひらめきや発想として引き出してきたのだと。

以前到知の編集長藤尾氏の講演会に行ったおり、藤尾氏も似たようなことを言っていたことを思い出す。万有引力の法則を発見したのはニュートンだが、万有引力の法則はニュートンが発見する前から存在していたものである。発見したのではなく、「気づいたのだ」と。そして、そこにある「真理」に気づくことを「明徳」と言うと。


私たちが知恵の蔵の扉を開き、その叡智を得るにはどうしたらよいか。
稲盛氏は教えてくれる。

それは、一点の曇りや邪心もない純真な心を持って、燃えるような情熱を傾け、真摯に努力を重ねていくことしかないと考えています。美しい心を持ち、夢を抱き、懸命に誰にも負けない努力を重ねている人に、神はあたかも行く先を照らす松明を与えるかのように、「知恵の蔵」から一筋の光明を授けてくれるのではないでしょうか。
(中略)
「他に良かれかし」と願い、一所懸命必死に生きている人が、何か困難に直面して、悩みに悩み、苦しみもがき抜いているとき、一筋の光明が差すように、天は必ず障害を克服するヒントを指し示してくれるはずです。


美しい心を持ち、夢を抱く。
私は、まだ様々な欲望をコントロールすることができない。
夢を抱いて、努力あるのみ。

「他に良かれかし」
素敵な言葉だ。

そばよし

今日の昼はやっと「そばよし」で食べることができた。

曜日の影響があるのか、比較的月曜日と金曜日は比較的空いている気がする。

昭和通沿いのこの店の味を知ってからは、他の立ち食いそば屋に行く機会がめっきり減った。

鰹節問屋に併設されている小さな店舗でやっているが、麺は生麺、本職の鰹節のだしはそれはそれは濃厚な味、うどんを頼むと「きしめん」が出てくる。

そして、この店はライスをサイドで注文すると、粉かつおが「かけ放題」なのだ。

この鰹かけご飯にちょろっとしょう油をたらして食べるご飯が、懐かしウマイ。ご飯だけで幸せ、と言いたいところだが、ご飯だけの注文は受け付けてくれない。


昨日から食べたかった、「しらす丼セット」、¥480とトッピングに「あなご天」¥150をつけて¥630ポッキリ。至福の時間。


あなご天そばは、こんな感じ。


そばよし


丼からあなごがはみ出る大きさ。


それからそれから、このあなごは何と江戸前小柴産!

そんなあなごが150円で、それも立ち食いそばで食べられる店なんて他にあるのだろうか。もちろん食感はプリプリ、ふわふわ。

早めに行かなければすぐに売切れてしまう人気の一品。

生麺そばもおいしいが、なによりもここの汁が最高。鰹節エキスたっぷりで、飲んだ瞬間に誰でも違いがわかる。だからここの店は立ち食いそば屋の割には女性客の姿が多いのだろう。


大好きなしらす丼はこれ。


そばよし2


上からの写真だとわかりにくいが、釜揚げしらすが文字通り「山盛り」になっている。

塩加減もほど良く、しらすの下にある大根おろしとの相性も最高。



そばとあなごとしらす。

こんなにシンプルでヘルシーな組み合わなのに、品質の良さが醸し出すおいしさ。


そばよしはこの辺界隈のランチマップのなかでも、かなりランクは高い。

花一文 / 日本橋室町

週に2回は昼飯に行く、究極の立ち食いそば屋「そばよし」。

今日もあの「しらす丼セット」を食べる気マンマンで行くと、いつもより大行列。

なんだか最近妙に混んでると思ったら日経トレンディで紹介されてしまったらしい。

しばらくは近寄れないかもしれない。


そんなことで、行ってみたいと思いつつ一度も行ったことがない「花一文」へ。

今まで「花一文」に行けなかった理由?

それは、この店の並びには、この界隈ではここにしかない風俗店があったのだ。それもちょっとした小路になっているため、そんなところから出てくるところを会社の連中に見られでもしたら、変な誤解を呼ぶに違いない。いや、絶対誤解される。

と思って近寄れなかったが、どうやらその風俗店は閉店したらしく(ネオンがない)、初訪問。




もっと早く行っておけばよかった。


店構えは、そのまま木造のかなーり古い民家。

メニューは焼き魚、刺身、煮魚の定食だけ、¥1,000均一。

引き戸を開けると、くの字型カウンターに、古い木の椅子が10脚ほど。席はそれだけでテーブルはない。

座面には白い布がかかっていて、古風な雰囲気を醸し出す。

カウンターの内側には板さんが一人。接客はおばあさんとお姉さんの二人。

どうも客はみんな常連っぽい。

板さんが切っている、ひらめの昆布〆がうまそうなので、刺身定食にしてみる。


出てきた刺身はこれだよ。


花一文


鯛、かんぱち、ひらめ昆布〆、初鰹。

見た目も美しいが、食べてもすごい。

これで¥1,000なんて信じられないクオリティ。

このほかに小鉢3皿、味噌汁、ご飯。


ひらめの昆布〆もしっかり仕事がされており、ちゃんと「えんがわ」もついてる。

初鰹も厚いのが3切れもあり、脂ののりは走りだけに少ないが、うまさがジワーッと口に広がる。

ご飯ではなく、日本酒を飲みたくなる。


素晴らしい。



味噌汁には皮付きのじゃがいも、漬物は自家製。

文句の付け所なし。

焼き魚と煮魚はどれだけうまいのだろう。

居合わせた客はみな刺身定食ばかりだったので、次回試してみよう。



ちなみに、ここの刺身は客によって内容が違うのだ。

他の客は「とり貝」がついていたし、また他の客は「飛び魚」がついていたし、また他の客には「鰹のたたき」がついていた。

刺身の種類は板さんが客を見て決めるのだろうか。

目の前で盛り付けられていく様子を見ながら、楽しむのもまた結構。


後悔しない中学受験 / 中曽根陽子、ワイワイネット

漠然と、我が子は中学受験するのだろうと思い、勉強が楽しいとの本人の希望もあったため、小学1年生から某大手塾に通わせている。塾も3年生までは勉強を楽しもう、勉強する癖をつけよう、との意図からであろう、それほどカリキュラムに無理もない。まさしく楽しみながら学校に通い、塾に通い、夜は9時前には床につかせるという平穏無事な日々を送っていた。

しかし、数回のテストの結果を経て成績順に塾のクラスは再編成され、この2月からは早くも4年生のカリキュラムが始まっている。驚いたことに塾は4年から既に受験モード。家庭で行う予習復習の量も半端じゃなく増えた。いきなり子どもの寝る時間が11時過ぎになってしまっている。これは大変だ。いくら予習復習とはいえ、身体を壊してまで中学受験させるつもりはない。しかし、他の家のお子さんだって状況は同じだろう、と早速妻に塾友ママ連中にヒアリングさせる。案の定、他の子も同じ状況。11時過ぎまで勉強している子もいたとのこと。寝るのは12時前とか。これじゃ後3年後の受験前に力尽きるだろう。4年始まりの時期はみんな力が入ってしまっているらしい。そんなわけで、我が家では国数の予習復習はきっちりと、理社は思い切って手を抜くことにより、10時過ぎの就寝パターンがやっと出来上がった。睡眠時間8時間以上は確保しているので良しとする。

いやはや、私が育った北海道の田舎ではほとんど私立がなく、私立を受験するのは公立からこぼれてしまった奴が行く所というネガティブなイメージしかない。ましてや私立中学など今でもない。経験がないからなかなかアドバイスが難しい。自分が苦しいときは周りも同じように苦しんでるんだよ、という程度のもの。あせらずやろうや、といったところだ。

そんなところへ、元アマゾンのカリスマバイヤー、エリエス・ブック・コンサルティング の土井氏が珍しく受験の本をお薦めしていた。
それがこの「後悔しない中学受験」。もちろん即買い。

さすが、土井氏が薦めるだけのことはある。
非常にバランスがよく構成されており、内容も痒いところに手が届き、感動した。

私立中学と公立中学の比較。
受験するのか、しないのか。
私立のメリット、公立のメリット。
塾の選び方、クチコミ情報。
塾通いでのトラブル、悩み。
学校ごとの校風、合格者、保護者の声。
大学への進学について。

著者は「ワイワイネット」という受験サイトを主宰しているため、内容に偏りがなく、いわゆる体験記もののように「そりゃあんただけだろ」風の、一般人からかけ離れた話は一切ない。
親子間での、ストレスから来るトラブルへの対処方法も、経験者の声が多く載っており、今後の参考になった。

結局受験して「後悔する」か「後悔しない」かは受験の結果次第かもしれないが、中学受験を考えている人、迷っている人には非常に参考になる一冊だろう。


中曽根 陽子, ワイワイネット, 森上教育研究所
後悔しない中学受験―子どもを伸ばし、成功に導く、賢い親の選択とは?


若い才能の芽をどう養うか

月刊致知 4月号の特集は「根を養う」。

伊東みどり、浅田真央らを育てるグランプリ東海クラブコーチの山田満知子氏と、小谷実可子を育て、現在日本水泳連盟シンクロ委員長の金子正子氏の対談から。


当時、才能を発揮し始めた伊東みどりの才能を見込んでプリンスホテルがスポンサーについた。その後のこと。資金的な余裕もでき、海外遠征に行く際の寄付集めに奔走する必要はなくなった。しかし、試練はそこから始まった。

私自身、スケートを楽しめなかったから、いまでも習いに来ている子ども達にいやいや滑らせることはしません。ただ、スポンサーからお金をいただく以上、いやでも何でも、滑らなければいけないと思ったのです。
みどりにとって楽しくて大好きだったスケートが、やらされるスケートになった。ちょうど中学生くらいの難しい年頃だったこともあって、それはそれは激しく反発してきました。家出もしたし、男の子の問題もありましたしね。そして、いつも最後は「先生のために滑らされているんだ」という言い方をしました。向かってくる車に本当に走っていったこともありますからね。「車に撥ねられて滑れなくなれば先生も諦める」と。(山田氏)

その後、コーチと伊藤は何度も何度も話し合いを重ねる。スケートをやめたほうが良いのではないかと悩んだこともあったと言う。そして、92年アルベールビルの銀メダルへとつながっていく。



アルベールビルの伊藤みどりは今思い出しても鳥肌が立つ。フリーで1度目のトリプルアクセルを失敗した彼女は、後半に再度トリプルアクセルに挑む。そして成功。あのときの滑りながらの笑顔のガッツポーズ。見ているこちらもガッツポーズだった。すがすがしかった。うれしかった。金メダルに等しい銀メダルだった。
華麗なジャンプの技で、フィギュアスケートを芸術からスポーツへと高めた伊藤みどり。
天才スケーターも、陰ではこれほど苦労をしていた。


トリノで金メダルをとった荒川静香も、一度は引退を考えたほど苦労したと言う。
そして、先日のジュニアで銀メダルに終わった浅田真央。
浅田の場合は伊藤みどり同様、これから楽しいスケートからやらされるスケートに変わっていくに違いない。そこで苦しみを乗り越えて花開くことができるか。

私は今の浅田に、ジュニア時代の安藤美姫を重ね合わせてしまう。これからの4年は長い。

安藤も浅田も、チャンスはまだまだある。
華麗な姿を見せつづけて欲しいと心から願う。