[A] Across The Universe -39ページ目

沈まぬ太陽 / 山崎豊子

長らく読みたかったにもかかわらず、なかなか機会がなくやっと読むことができた。
山崎氏の著作は「大地の子」を読んだことがあり、非常に感銘を受け、この「沈まぬ太陽」も傑作に違いないと思いながらも何故今になるまで読まなかったのか。
遅ればせながら読むことができて良かった。
このような本に出会うことができるから、読書は楽しいのだ。

ある男が某国営航空労組の委員長を引き受けたがために、彼の人生を左右させるほどの人事差別を受けていく。
10年にわたる歳月を、アフリカでたらいまわしにさせられながら耐えて行く「アフリカ篇」。
いまだに夏になると思い出す「御巣鷹山篇」。
関西経済から経営建て直しのために就任した会長を支えるための会長室の部長として社内の暗部と格闘する「会長室篇」。

全体を通じて作品の底流を流れる、「人間の尊厳」とは何か、という作者の問いかけに対して読者も考えながらページをめくる。

「御巣鷹山篇」だけは、この作品のなかでも独立している。
文庫であれば3巻目だけを読めばあの悲惨な事故が甦る。
御巣鷹山篇だけは事故の被害に遭われた方が実名で登場する。
改めてあの事故がどれほどの人間の人生を狂わせたかを思い知らされる。

事実を元にして「小説的に」構築した作品であるために、登場する人物は「大体」実名がわかってしまう。
取材対象も「差別された側」からの情報が多かったであろうことは想像に難くなく、その点については批判があることも承知している。
しかしながら、片方の側から見えた「事実」がここにあるのである。

会社と個人の関係について考えると共に、作者の力量に感服した。


山崎 豊子
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上)


伝説の成功者はあなたよりも落ちこぼれだった / 木村晃士

「伝落」本として評価されている本。

amazonで購入すると中身を見ることができないために、届いたときに本の内容が予想と違うことがままある。

この本も予想とかなり違っていた。
もちろん悪い本ではない。ただ、私のニーズとはかみ合わなかった。
いわゆる「成功本」の範疇に入っているのだが、超入門編といったところか。
マンガが多用されており、普段本を読まない方にも詠みやすくできている。
残念ながら、この分野の本を多数読まれている方に新しい内容はない。

個人的には子供に読ませたい本である。
ヘレン・ケラーを教育した「サリバン先生」のくだりの部分では、娘も「へぇー」と唸っていた。



木村 晃士
伝説の成功者はあなたよりも落ちこぼれだった

ささやかな幸せ

休みの日、明るいうちから少し早めにビールを飲み始めるのがささやかな幸せ。

普段は発泡酒(グリーンのやつ)かブランドにこだわらずに缶ビール。
なんだか気分が乗らないときは奮発してエビス。
基本的には苦めのテイストが好み。
ブランドにはあまりこだわらないが、この銘柄だけは別格。



サッポロクラシック。

サッポロが出している北海道限定のビール。
実家の北海道に帰るときは必ず箱で用意しておいてもらう。
そんな北海道限定の貴重なビールだが、まれに北海道物産展などでこちらでもお目にかかることがある。ラッキーなことに今日は入手することができた。

ささやかな幸せが一つ増えた。


ちなみに、サッポロビールの星☆マークは北海道開拓使時代の建物の目印の名残。
サッポロビールも、開拓使によって創業されたのだそうだ。
だから、この☆マークは札幌の時計台にもついているし、北海道庁にもついている。
時計台の☆とサッポロビールの☆は同じ由来だというトリビア。
札幌に修学旅行に行った際に、バスガイドさんに教えてもらったことをふと思い出した。

成長する

先月は半月以上一人暮らしだったため、コンビニ弁当ばかりの毎日だった。
コンビニの弁当も毎日食べるとさすがに飽きてくるのだが、かといって娘が入院して頑張っている時に会社帰りに寿司屋に寄る気もおこらず。
近所には手ごろな定食屋もなく、頻繁にお世話になったのが「すき屋」。

「豚丼」
「牛丼」
「カレー」
「とりそぼろ丼」
をローテーションする毎日。

そんなとき、
異常にに仕事が遅い店員が一人。
胸には「見習中」のバッジがついていて納得する。
しかし、夜でもドライバー、学生、サラリーマンで混雑するこの類の店では、仕事のスピードが生命線だ。
テイクアウトで待っている客がイライラしているのを、見ているこちらがハラハラしてしまう。
先輩店員からの注意にも真剣な表情で返事をしている。
帰りの支払いの時のレジは彼が対応したが、あまりの仕事の遅さに彼の今後が心配になる。

次の日もすき屋を訪れるが、彼の仕事のスピードは相変わらず。
そのうちまた私もコンビニ弁当のサイクルに入り、
無事に家で食事をとるようになり彼のことはすっかり忘れていた。

そして先日、飲みに行ったがほとんど何も食べなかったため、帰りに小腹が空いてすき屋へ。
なんとあの彼がいた。
1ヶ月前には「見習中」だったとは全く感じさせない仕事のスピード。


そう、
「習うより慣れろ」
きっと彼も失敗を繰り返しながら仕事を覚えていったのだろう。


いろいろ思い悩む前に私もまずやってみよう。
少し後ろ向きになりかけていた自分に、前向きな気持ちを思い出させてもらった。

レジの対応も驚くほど素早くなっていた。
すごいな、私も怖れずに前に進もう。

凡事徹底 / 鍵山秀三郎

イエローハット相談役。
掃除道で非常に有名だが、イエローハットをここまで大きくしたその力量に敬服する。
経営理念が素晴らしく、現在のベンチャー経営者に真似はできないだろう。

千代田区にあるEUの日本大使館の土地はイエローハット所有なのだと言う。
その土地の取得経緯が信じられない。
鍵山氏が長年その周囲を清掃していたがために、その土地の持ち主が「わずかな」お金で譲ってくれた、というのだ。

鍵山氏の理念は一貫している。
「欲」という言葉から最も遠いところにいらっしゃる方のような気がしてならない。
とはいえ、会社とは利益追求が使命であるわけなので、社会に対する崇高な理念と利益追求目標の接点がどこかにあるはずなのだが。


カー用品は近所に別の店があるのでいつもそこを利用してしまうが、今度からは足を伸ばしてイエローハットを使うことにした。


鍵山 秀三郎
凡事徹底―平凡を非凡に努める

勝負 / 升田幸三

娘は先週無事に退院した。
3ヶ月ほど運動の制限があるが、それ以外の日常生活は通常どおりで、少し痩せた意外は全く元通り。
娘本人も家族もまた一つ困難を乗り越えて成長したかもしれない。

なんでもない、普通に家族が一つ場所で語り合う幸せを再認識した。
やはり、私の心が落ち着く場所は家族がそろう我が家なのだ。





今日はこの本。

将棋史上初の三冠(名人・王将・九段)を達成した棋士。1991年逝去。
彼が若いサラリーマンの読者を意識して書いたのがこの本。

さすがにその道を極めた人の言葉には重みがある。
それでいて重厚さを感じさせないその人柄。
読んでいて人間のスケールの大きさを感じさせる。

「たどり来て、未だ山麓」
三冠を成し遂げたときの升田の言葉である。


「念ずれば花開く」
という真民さんの言葉を思い出した。


日々精進。
ありがとうございます。

升田 幸三
勝負


出世のルール / 浜口直太

日本の大学を卒業し、米国のコンサルティング会社で働いていた著者による書。
見開き2ページに一つのルールがまとまっていて読みやすい、101のルール。
いずれも著者の体験のもとに書かれているため、説得力がある。
また、読者の経験に照らしても「そうだよな」という事象が多いので、この本を読んで「確認」になる。


でも・・・
私は
朝は弱いし、
声はハキハキ大きくないし、
生命力は強そうに見えないし・・・

至らぬことは多々あれど、より良き人生に向かって明日も歩もう。


浜口 直太
あたりまえだけどなかなかできない出世のルール

功名が辻

先週、娘の手術は無事に成功した。
その後の経過も良好で、来週中には退院できる可能性が高い。
今回の手術も親が主治医と相談して決断したが、娘本人にもよく説明し、本人も納得した上での手術であった。小学生ながらその決断力、親としても見習わなければならない。

何度経験しても非常に不安な手術中の待合室。
そしてその後の付き添いを通じて読んだ本。
大河ドラマでも人気の「功名が辻」。

大河ドラマもまだ半ばなのであらすじには触れないが、
やはり信長から家康までの時代の人間模様は面白い。
そして
千代・・・恐るべし。

舘ひろしの信長も柄本明の秀吉も、最初見たときにはかなりおかしかったが、今では全く違和感がない。
特に柄本明の秀吉は当たり役ではないだろうか。

司馬 遼太郎
功名が辻〈1〉


そして、最後になりましたが、娘の手術の心配をしてくださった方、
深くお礼を申し上げます。

お心遣い、ありがとうございます。

節目

社内の仕事が変わってから一ヶ月以上が経った。
しかし、プレッシャーから熟睡できない日々が続いている。
今が人生の節目。
竹は節がなければ強くならない。
しかし、節をつくるには多少時間かかる。
きっとこれを乗り越えれば、私もスッと伸びることができるに違いない。
私は私の力を信じている。


日付が変わって明日の月曜日、娘は予定していた手術を受ける。
小さい身体で、一生懸命苦難を乗り越えようとする姿に親ながら心打たれる。
不安感から、数日前から情緒不安定になって親に八つ当たりもするが仕方ない。
10歳だ。
それなのに、苦難を乗り越えようとするその信念。
親ながら感服する。
仕事ごときでパパが弱音を吐いてはいけないね。


たかが仕事ごときで、オヤジが体重減らすなど恥ずかしいではないか。
しかし、娘の手術が決まったのと、私の異動が決まったのが同時期だった。
この正体不明の不安感は、実は自分自身も何者かは分かっていないのだ。


月刊致知6月号で藤尾社長が坂村真民氏の詩を紹介している。

今の私には心に染み入った。






生涯の旅路



私は私の一生の旅路において

今日というこの道を再び通ることはない

二度と通ることはない

二度と通らぬ今日というこの道

どうしてうかうか通ってなろう

笑って通ろう歌って過ごそう

二度と通らぬ今日というこの道

嘲笑されてそこで反省するのだよ

叱られてそこで賢くなるのだよ

叩かれてこそ強くなるのだよ

一輪の花でさえ風雨をしのいでこそ

美しく咲いて薫るのだ

侮辱されても笑ってうけ流せ

蹴倒されても歯をくいしばって忍べ

苦しいだろうくやしいだろう

しかし君、この道は尊いと言われた人たちが

必ず一度は通った道なんだ

知と徳

教育基本法改正の流れの中で、昨今取りざたされているのが「知」と「徳」。
近代教育では「知」ばかりで「徳」の教育が忘れられてきた、と。
それは学校教育だけではなく、家庭教育、いわゆる「しつけ」のレベルから始めなければならない問題だ。

若者が人前で化粧する、電車で地べたに座る、などと言う事例を挙げる報道を見る。
確かにその通り。
ひどい時代になったと思う。
でも、そのような目立つ事例ではなくても、私が感じる「乱れ」はこのような些細なことからなのだ。


あくび


昨日も仕事で疲れ果て、ぐったりしながら混雑する帰りの電車の扉の前で本を開く。
読むスピードも幾分ゆったりしながら、一週間の疲れを感じつつ、明日の休日に喜びを感じつつふと隣に視線を投げる。
20代前半であろう、見目麗しき乙女が車窓の外を眺めている。
綺麗な方だ、と思った束の間。
その人が口に手も添えず大あくびをしたのだ。
両手に荷物はない。
なぜに口に手を添えない?

なぜ人前で喉の奥まで晒すことができるのだ。
うら若き女性が人前で喉の奥まで見せてする「あくび」。

私はこれが減ると、少しは日本人の道徳観が改善すると思っている。

これは学校教育でどうなるものでもないと思う。
「国家の品格」がベストセラーになっているのは、このような状態を好ましく思っていない方がたくさんいらっしゃるということだ。

森信三先生はおっしゃっている。
しつけとは、
・挨拶をきちんとする。
・靴をそろえる。
・返事をきちんとする。
これだけできれば十分であると。


おそらく、この基本ができていない若者が増えているということだ。