こんにちは!
JNEXT司法書士事務所、補助者のやまもとです。
前回に引き続き、韓国領事館での体験談をお話します。
今回は、特に韓国戸籍謄本の取得を予定されてる方にはお役に立てるような内容になるかと思います!
さて、前回は帰化されたペ・ヨンジュン様(仮名)の韓国戸籍を取得するにあたり、
登録基準地の情報が必要であることは書きました。
第1話をごらんになりたい方はこちらをクリックください↓
https://ameblo.jp/jnext-shihoushoshi/entry-12612639570.html
登録基準地とは・・・・韓国での本籍地(番地まで正しい情報が必要) 帰化する直前なら尚可
※氏名と本籍地の情報がないと領事館側の人も調べることができません。
日本国内での戸籍謄本と登録基準地の情報、(今回は代理取得なので相続人からの委任状も)
この2つが揃ったのでもう大丈夫・・・・・
ということでいざ窓口へ!
日本の戸籍謄本と登録基準地!
これさえあれば領事館の人もすぐ調べられるはず・・・・・・
領事館「これだけじゃ足りないです」
自分「え!?」
「委任者の相続人の方の情報が足りません」
「・・・・そ、相続人????」
・・・・・
そもそも、亡くなられた方(被相続人)の相続手続きをおこなう際、
大体のケースではご親族(相続人)が、市役所に戸籍謄本や住民票を貰いに行きますよね。
その際、被相続人が亡くなられた事と、「被相続人との続柄」がわかる書類が必要になります。
たとえば、同じ戸籍に載っている戸籍謄本のコピーや被相続人の死亡診断書ですね。
※同じ市内に親子で住んでいた等、役所側が把握できるのであれば不要です
日本国内でしたらその戸籍謄本のコピーでOKなのですが、
もし相続人の方が帰化されている場合、
さらに「相続人の帰化前の名前が載っている戸籍謄本コピー」が必要です。
たとえば帰化直後の日本戸籍謄本コピーですね。
「平成●年●月●日 ~市より帰化。韓国従前の名前チャン・ドンゴン(仮名)」
帰化された方の直前の戸籍謄本には、上記のような記載があります。
今回のケースでは、委任を受けた相続人の方も帰化されていたので、
その情報が必要だったというわけです。
相続人が帰化されているかどうか、
これにより必要な書類も変わりますので、もしご親族で帰化されている方がいる場合はご注意ください。
※ちなみに親子同時に帰化しているのであれば、同じ戸籍に帰化情報も載るので別々に取得する必要はありません。
今回は別々に帰化されているケースでした。。。。
かくして、再び韓国領事館から退散し、数日後、相続人の戸籍謄本を持って出直しました。
そしてやっと韓国戸籍を発行してもらえましたが、最初の申請からここまでくるのに1カ月以上はかかりました
まさか一つの戸籍謄本をGETできるまでこれほど時間がかかるとは・・・・・帰化戸籍、かなりの難敵でした。。。
また、当然ながら韓国の戸籍謄本はほとんどの内容がハングルで書かれてますので、
取得したら今度は日本語に翻訳する必要があります。
特に我々のおこなう相続登記では、内容を日本語に翻訳してから提出しなければなりません。
戸籍謄本を取得したらすぐ手続き!というわけにはいかないんですね。
今回のおさらい(韓国領事館へ戸籍謄本取りに行く方は是非ご参考に!)
あらかじめ用意しておく情報
①亡くなられた方の帰化前のお名前
②登録基準地
③相続人が帰化されているかどうか
用意しておく書類
1.申請書
韓国領事館にも置いてある様式です。ホームページからもダウンロードできます。
これは1つの戸籍を取るごとに1通書く必要があります。
たとえば帰化前に韓国で2回転籍していると、その2つの戸籍分の申請書を書いて出さなければなりません。
3回転籍しているなら3通、4回転籍しているなら4通ですね。
(お客様からご依頼を受けた士業事務所様向け)
復代理人を立てる場合は、上記に加えてさらに代理人から復代理人への申請書を書く必要があります。
1.ご本人(またはご親族) → 代理人
2.代理人 → 復代理人
1.2で1セット、これで一つの戸籍分が申請できます。
なので帰化前に4回転籍していたら合計8通ですね・・・・
出生までさかのぼって戸籍を取得される際、長期戦となる可能性があるのは覚悟しておいた方が良いかもしれません(笑)
また、申請書には委任状と同じ印鑑が押されてないと受け付けてもらえません。
2.委任状(代理人を立てる場合)
日本国内でも同じですが、司法書士などの士業にお願いする際は委任状が必要です。
韓国戸籍の場合は、下記の文言を委任状に入れておかなければなりません。
「家族関係登録などに関する法律」第14条及び「家族関係の登録などに関する規則」
第19条に基づき登録簿などの記録事項などに関する証明申請書提出及び受領などに関する一切の行為
さて、ここまでいかがだったでしょうか。
韓国から帰化された方への相続、一筋縄ではいかないという事はご理解いただけたかと思います。
今回は、私たちも初めてのケースだったので非常に苦労しました。
でも、とても貴重な経験でしたし、
帰化された方はこんな手続きを踏むんだ、という勉強にもなりました。
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