終活業務日誌~U様のケース① | JNEXT司法書士事務所のブログ~終活業務日誌~池袋 相続・遺言書・認知症対策

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池袋のJNEXT司法書士事務所と申します。
相続といえば日本一と言われる様、日々精進してまいります。
また、終活に関する記事についても掲載していき、見てくださった方の参考になりますと幸いです。

みなさん、こんにちは!

 

司法書士の落合です。

 

本日は、U様の事例についてお話しをさせて頂きます。

 

U様については、去年の8月に数回に分けて公正証書遺言を作成した経緯について記事を書かせて頂きましたが、昨年の12月中旬にU様が急逝されました。

 

原因は急性心不全だったようですが、U様がお亡くなりになる2週間前に任意後見契約公正証書作成のため、一緒に公証役場に行ってきたばかりだっため、その知らせを初めて聞いた時は大変驚きました。

 

2週間前にお会いした時は、足に不自由があり、歩くことがだいぶ大変そうであったため、車椅子で移動するなりの対応は必要でしたが、表情はお元気そうでしたので、私も別れ際に「まだまだ長生きしてくださいね」と声を掛けた記憶があります。

そんな矢先の出来事でしたので、最初は信じられませんでした。

 

U様は、生涯独身で親族とも疎遠となっており、都内にあるご自身のマンションに一人暮らしをされているいわゆるお一人様です。

 

亡くなっていることが発見された経緯というのも、毎日頼んでいた宅配サービスのお弁当を受け取らない日が数日続いたため、その宅配サービスからご連絡を受けたことがきっかけでした。

連絡を受けたU様のサポートをしている終活協議会の担当の方が急いでご自宅に伺ったところ、家の鍵はかかっていたため、中には入れず、玄関のブザーを押したり、ドアをたたくなどをしたものの反応がなく、そこで警察や救急に連絡をされたということです。

警察の到着後、たまたまU様の隣の家が改修工事をしていたこともあり、救急の方が隣の家からU様のベランダに回り、家の中で倒れているU様を発見されたということです。

 

救急の方の話しでは、家の中の洋服などが散乱しており、亡くなる前にだいぶ苦しまれたのではないかということでしたので、もしかしたらご自身で救急などに連絡ができる状態でもなかったのかもしれません。

 

ご遺体は、その後検死のため、警察が一度引き取り、私にもその日のうちに亡くなった旨のご連絡を頂きました。

 

次の日の朝、終活協議会の担当の方から電話があり、U様の場合、身寄りがないため、遺体の引き取り先をどうすればよいか警察の方が困っているという相談でした。

U様は、生前に死後事務委任契約を終活協議会と交わしておりましたので、終活協議会が責任をもって、亡くなった後の手続を行う必要がありますが、今回担当された警察の方が身寄りがないケースが初めてだったようで、言われるがままにご遺体を渡してしまってよいのか迷っているようでした。

 

担当の方からも終活の手続について警察に説明はされていたようですが、警察の方も終活についての知識がほとんどなかったこともあり、警察から私に終活について聞きたいという電話があるといった話しもありましたが、警察から電話がかかってきた時には、その担当の刑事も自分なりに終活を勉強されたみたいで、そのまま終活についてお答えをしたところ、納得して頂き、終活協議会が無事ご遺体を引き取ることができたようです。

 

その時に終活自体、まだまだ行政の面でも浸透しておらず、もっと終活を広めるための努力が必要であるなと思った記憶があります。

 

その後、U様のご遺体は終活協議会の担当者が責任をもって火葬しました。

火葬を行う際に私も立ち会いをしたかったのですが、あいにく終活セミナーの講師の予定が入っていたため残念ながら立ち会えなかったのが心残りです。

でも、その終活セミナーではU様のお話しをさせて頂き、ご参加頂いた方にU様の件をきっかけに終活についてもっと考えて頂く機会になったのではないかと考えています。

 

火葬後、ご遺骨につきましては、U様が海洋散骨をご希望されていたため、4月に海洋散骨をされたということで聞いております。

 

本日はここまでとさせて頂きます。

今回は亡くなった当時の出来事を記憶のままにお話しをさせて頂きましたが、もちろん亡くなった後の手続も多々発生します。

U様は遺言書を残されておりましたので、遺言書の内容を実現する必要があります。

次回はその話しをさせて頂ければと考えています。