母子の眉毛がすごい
谷崎潤一郎翁原作、市川崑監督作品、「鍵」拝見。
原作の「日記」をほぼ排除しての映画化。
公開当時、花の18禁。
中村鴈治郎様、京マチ子様、仲代達也様、叶順子様、北林谷栄様他
あの禁断の文学作品の完全映画化、ってポジションだったようですが、
相当、映画化に当たって大胆にアレンジが加えてあるような。
だいたい「鍵」の意味が違うし。
原作で妙に印象的だった、鶏すき焼きが出て来なくて残念。
「けものみち」然り、「ザ・商社」然り、当作然り、エロ爺は、実力派が演じないと、
全然迫力でない気がいたします。しかし、演じる国宝級役者さん、大変だろうなあ。
全員のメイクも、独自で、白塗りデイートリッヒ眉に、能面アイラインの京マチ子様、
これまた特殊なげじげじ眉?の叶順子様、青白い顔で冷めた青年医師の仲代達也様。
皆さま、目のお芝居が薄気味悪く、素晴らしかった。
心の歪みを現すような、中村鴈治郎様の軽く脚が不自由な歩き方。
台所に入ってきたにゃんこを、可愛がろうとして、にゃんこの脚が不自由なのを見て、
思い切り庭に放り出す京マチ子様。そんな日常を見続けるお手伝いの北林谷栄様。
いやはや、なかなかに迫力?ある一作でありました。
そして、作中、繰り返し現れる甍の波・・・今にも、石坂浩二様が金田一耕助姿で、
駆けて来られそうな、市川崑監督の「瓦」でありました。
+1枚は18禁?で。
そりゃ、血圧も上がりますわな。