晴れ時々ジャズ -29ページ目

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

届いたマツボックリは5個でした。全て未聴。

1)■THOMAS RUCKERT / BLUE IN GREEN (Pirouet Records)
2)■THOMAS RUCKERT / DUST OF DOUBT (Pirouet Records)
3)■NILS WOGRAM / ROUND TRIP (Enja Records Matthias Winckelmann ENJ-9307 2)
4)■NILS WOGRAM SEPTET/ SWING MORAL (Enja Records Horst Weber enja 9166 2 )
5)■ERB_GUT featuring PETER SCHARLI / RADIUS (YVP Music 3118 CD)

1)と2)は、JOCHEN RUCKERT(ds)参加作。初めて聴くTHOMAS RUCKERT(p)のお手並み拝見です。
3)に参加してるSIMON NABATOV(p)(ロシア出身らしい)も初めて。どんなピアニストなんでしょうか。

ブログを怠けていたら、あっというまに2週間たってしまった。はぁ~、すんません<(_ _)>
ジャズは毎日聴いています。最近よく聴いていたのはこれ。

■ENRICO PIERANUNZI, MARC JOHNSON / TRANSNOCHE (Egea Records SCA 098)

ふだんBGM的な聴き方はあまりしないほうですが、これはまさに極上のBGM。もちろん、じっくり聴いても素晴らしいのは言うまでもありません!特に頭を使う仕事のときのBGMにぴったり。思考の邪魔をしない穏やかな演奏がほとんどなので仕事がはかどるうえに、思考を停止させてふと我に帰ったときには心地よく耳に響くのがいいですねー。
音楽っていうものは、聴いていてつまらない音楽や腑に落ちない音楽、納得できない音楽は、耳障りで神経に障るだけなのですね。特に、スーパーマーケットやショッピングセンターに流れている音楽(有線放送?)なんかはもう大っ嫌いで、そそくさと買い物を済ませて逃げるように出てきてしまいます。本当にあれはどうにかならんものか。耳栓が必要だと思うことしきりです。同様の意味でTVも好きではありません。本当に観たいものや聴きたいものはTVにはほとんど無いような気がして、目も耳も疲れるような気がする。歳のせいかもしれませんが(笑)
それからもう一つ。最近買い換えた炊飯器の電子音が気に入らんっ!(笑)
タイマー予約したら「キラキラ星」。ご飯が炊き上がったら「アマリリス」が電子音で流れるの。ご丁寧なことに4小節たっぷりと(∋_∈) もうほんまに、これ聴くたんびに思わず「はぁ~~~っ」ってため息出ますわ(笑)この炊飯器買ぉてきたんは夫です。夫に頼んだ私がいけなかったんです、ハイ(T_T)

人が大勢集まって自然に発生する雑踏の音は平気ですよ。木々を渡る風、小鳥や昆虫の鳴き声、寄せては返す波、水の流れ、犬猫の鳴き声、子どもの笑い声といった自然の音ならもう最高です。特にキジバトの鳴き声が大好き。デデッポーポーっていうあの鳴き声を聴くと、な~んともいえず幸せな気持になるのは私だけでしょうか。それからエキサイティングな雷鳴。たまらなく好きです♪
予約タイマーを設定したらキジバトのデデッポーポーで、ご飯が炊き上がったら雷鳴が轟く炊飯器、売ってたらすぐに買いに走ります!(笑)
あれ?なんでこんな話になったんやろ?


  日本海の波の音が聞こえますか?
いや~、正直申し上げて、私、これには少々興奮いたしております(笑)
こちらは、今のところ情報源がひとつしかなくてレーベルのサイトにもインフォメーションが出ておらず確認が出来ておりませんので、今、ここに書いてよいものかどうか...。しかし、一人で興奮しててもアホみたいやし...。
ええいっ、書いてまえ!(;^_^A

■ANDRE CECCARELLI / GOLDEN LAND (CAM Jazz) (2007年リリース予定)
ELISABETH KONTOMANOU (vo)
ENRICO PIERANUNZI (p)
DAVID EL-MALEK (ts)
HEIN VAN DE GEYN (b)
ANDRE CECCARELLI (ds)

それにしても、ワクワクするような凄い面子です~♪早く聴きたいっ!!

*情報源をご覧になるには、下記PDFファイル(仏語)を開けてください(少々時間がかかります)。3ページ目、最後の段落です。
    http://www.adami.fr/portail/upload/gestion_fichier/CA/BIO%20PDF/Ceccarelli%202007.pdf

詳細が分かり次第、また書くことにします。

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『JAZZ MAGAZINE』2007年3月号No.579で見つけました。こちらについては、私、別に興奮はいたしておりません。
フランスとアメリカを股にかけて活動するLAURENT COQ(p)の新譜が出ます。今回はフランス勢で固めたドラムレスのトリオ。本作にもDAVID EL-MALEKが参加しています(さすが人気者やわ)。

■LAURENT COQ BLOWING TRIO / THE THING TO SHARE (Cristal Records) (3月8日リリース)
LAURENT COQ (p)
OLIVIER ZANOT (as)
DAVID EL-MALEK (ts)

LAURENCE ALLISON (vo) on two tracks

こちらで試聴できます。
    http://www.laurentcoq.com/htmlfr/disque_thethingtoshare.html

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こちらは、もう、「誰も私を止めないでちょうだい。どうか、この一週間は、私をほっといてー!!」と叫びたいほどエキサイトしております(笑)
UMBRIA JAZZ PRASENTS
TOP ITALIAN JAZZ AT BLUE NOTE TOKYO

として、ブルーノート東京のウェブサイトにSTEFANO BOLLANIとENRICO RAVAの公演スケジュールがアップされております。14日から19日まで毎晩通いつめたいっ!!
    http://www.bluenote.co.jp/art/20070514.html
イタリア文化会館のウェブサイトにもインフォメーションが出ています。ENRICO RAVAのスペシャルインタビュー(というか、ミニインタビューね)も掲載されています。
フランスのジャズ雑誌『JAZZ magazine』の存在は以前から知っていたのですが、どこで入手出来るのか分かりませんでした。
こういうときに頼りになるのは、やはり“ブログ”なのですね。
「海辺で気まま日記」 のドラム小僧さんが親切に教えてくださったお陰で、年間購読の申し込みをすることが出来ました。
ドラム小僧さん、この度はお世話になりましてありがとうございました。
昨日、初めて届いた『JAZZ magazine』は、2007年3月号No.579です。外装フィルムに2月7日発送と書いてありましたので、フランスから私の家まで約20日かかって届いたことになります。

 『JAZZ magazine』2007年3月号No.579と付録のCD
マレットを手に、ちょっぴりお茶目な表情(でも、存在感たっぷり!)で表紙を飾っているのは、ヴィブラフォン奏者のROY AYERSです。が、私、この人のことはたぶん名前しか知りません。
本誌の掲載内容は、フランスのジャズシーンに限っているわけではないようですね。今号は、「JAZZFUNKSOUL No. 2」ということで、p.15~p.39にわたって特集が組まれており、その中の8ページでROY AYERSが紹介されています。
フランス語がスラスラと読めれば良いのでしょうが、そうも行きません。が、少なくとも、レーベルやディストリビューターの広告で、新譜(これからリリースされるものも含めて)の情報を得ることぐらいは出来そうです(^▽^;)

昨日届いたマツボックリは2個でした。

1)■RAFFAELLO PARETI / MAREMMA (Egea Records SCA 199) (未聴)
2)■IVAN PADUART / CLAIR OBSCUR (A-Records AL 73105) (未聴)

1)は新譜です。STEFANO BOLLANI他、興味深い面々が参加しています。
2)は1997年の作品。これ、以前からずーっと気になっていたものの、そのままになっていました。


 ハイキング(30キロメートル)の途中で拾ってきたマツボックリ
ちょっと探し物があって、ドイツのPirouet Recordsというレーベルのサイトへ行きましたら、美味しそうな目玉焼きを見つけました。

■BILL CARROTHERS / KEEP YOUR SUNNY SIDE UP (Pirouet Records)
BILL CARROTHERS (p)
BEN STREET (b)
ARI HOENIG (ds)

わ~い、ドラムがARI HOENIGやわぁ♪
これ、どこで買えるのっ!?とあせっておりましたら、リリースは4月2日でした(笑)

Pirouet Recordsのサイトで全曲試聴が出来ます。
    http://www.pirouetrecords.com/
左上の目玉焼きをクリックしてね。
SERGIO GRUZのことは全く知らなかったのですが、アルゼンチン出身のジャズピアニストというもの珍しさと、ドラマーのANTOINE BANVILLEが参加ということで入手してみました。SERGIO GRUZ(生年不詳、アルゼンチン生まれ)は、ブエノスアイレスの大学でジャズとクラシックを学び、1993~95年にはフランスに滞在して作曲とジャズピアノを教えていたこともあるそうです。ANTOINE BANVILLEは、JEAN-PHILIPPE VIRET TRIO他で活躍しているフランス人ドラマー。ベーシストのJUAN SEBASTIEN JIMENEZ(生年不詳、ベネズエラ生まれ)は、全く知らない人です。
スペイン語表記なのでよく分かりませんが本作はおそらく2004年録音で、MDR Recordsというアルゼンチンのレーベルから2005年にリリースされています。全11曲のうち9曲がSERGIO GRUZのオリジナル(ピアノソロの小曲を含む)で、1曲だけベーシストのJUAN SEBASTIEN JIMENEZ作曲、あとはVIOLETA PARRAYという人が書いた曲です。
届いてから分かったのですが、こんなえげつないジャケットは見たことありませんよぉ(笑)もしこれがLPの大きさなら、あまりの酷さに「ギョッ...」となってのけぞっていたことでしょう(^_^;)
ところが中身は全然違って、ロマンティシズムの横溢する叙情的な“静”と、エネルギッシュで硬質な“動”が巧みに交錯する洗練された上質な欧州ピアノトリオ作品といった趣。緩急とメリハリのついた三者一体の演奏には、上品さや清々しさを感じることもしばしばで、エレガントと表現してもいいほどなのです。いったい何なんでしょうね、このジャケは?(笑)

1曲目のENSEMBLEは、清々しいメロディを奏でる躍動的なピアノにまず心惹かれます。力強いベースソロもよし。
2曲目、VIOLETA PARRAY作曲のGRACIAS A LA VIDAは、古い歌曲やトラッドを思わせる哀愁漂う美しいメロディです。
一番のお気に入りは3曲目、ベーシストのJUAN SEBASTIEN JIMENEZ作曲のL'ILE TUDY。これ、めっちゃいいです~♪イントロの素晴らしいベースソロは音圧も豊かで生々しい音質。優雅なピアノがしだいに情熱的に。ブラシ、マレット、スティックを使い分けるANTOINE BANVILLE のドラムもいいですね。ゆったりしたテンポと変則リズムによるタンゴで、そこはかとなく漂う哀愁と官能の美がステキ!思わずうっとりと聴き惚れてしまうのです。中間部は少々アブストラクトぎみなインタープレイも。
4曲目のREQUIEMは、タイトルらしからぬ硬質さです。4分という曲の中で、序盤は間を取りながら音数少なく歌うピアノが、徐々に盛り上がり十分エキサイトしたのち、ごく自然に元の調子で終わっているというのが素晴らしいではありませんか。ピアノとドラムのインタープレイにエキサイト。
5曲目のPA'DELANTEは、9拍子でエネルギッシュに駆け抜けます。ANTOINE BANVILLEのドラミングが素晴らしいですー♪
6曲目のZAMBAは、しっとりとした雰囲気。ANTOINE BANVILLEの素手のドラミングに聴き惚れてたのに、フェイドアウトやなんてひどすぎるー!
8曲目のNO EXITは、ねじれたメロディのテーマが面白い。
10曲目のTIMEは、ドラマティックで清々しさも感じます。SERGIO GRUZのピアノの素晴らしさが一番よく分かる曲でしょうか。
ラストは、素朴で優しいメロディが印象的な牧歌的雰囲気。心が落ち着きます。

本作の1曲目にグッときたら、ラストまでの時間は短いと感じるほどの濃い内容の作品です。聴けば聴くほどその良さが分かるような気がして、何度聴いても飽きませんでした。ほとんどの曲が奇数拍子で出来ており、どの曲もひねりが効いています。空間を生かした思索的なパフォーマンスとエネルギッシュに突進する豪快なパフォーマンスが程よく織り成されており、上品で洗練されたラテンフィーリングを持つピアノは、全編に渡って聴き応え満点です。リーダーの音楽性をよく理解したベースとドラムスの二人にも光るものがあり、ピアノトリオ作品としても一級ですので、ジャケットデザインがああでなければ、もっともっと多くのジャズファンに手にとってもらえそうです。
*どうでもいいオマケ
中身とはなあ~んの関係もない外国人女性ヌードのジャケで殿方をフラフラと吸い寄せようと企むジャズがあるかと思えば(←吸い寄せられて買ってしまう殿方が大勢おるんでしょうなぁ。私は絶対に買いませんがね)、中身は素晴らしいのに、えげつな~いジャケで損してる本盤のようなジャズもある。ジャケットデザインと中身の組み合わせの不可解さは永遠の謎ですが(笑)タンゴ発祥の地アルゼンチンという遠い遠い国のジャズに出会うことが出来て良かったな~と思います。

「こんなえげつないジャケ、持ってるだけで気色悪い」という御仁は別にして、「えげつないジャケでも平気だもんね」というかたや、私のように「えげつないジャケと美しいジャズの組み合わせには特に惹かれます~♪」と仰る物好きなかた(笑)は、こちらで2曲だけ試聴が出来ます。
      http://www.mdrrecords.com.ar/cdgruz.htm
アルゼンチンにもこんなにいいジャズレーベルがあるんですね。レーベル設立は2003年だそうです。

JUAN SEBASTIEN JIMENEZのHPがありました。
      http://sebjimenez.free.fr/

■SERGIO GRUZ TRIO / ENSEMBLE (MDR Records MDR 1435)
SERGIO GRUZ (p)
JUAN SEBASTIEN JIMENEZ (b)
ANTOINE BANVILLE (ds)
入手先:VENTO AZUL RECORDS(通販)
ううむ、この人は凄いっ!!と、最初に言っておこう。
NILS WOGRAMは、FLORIAN ROSS(p)のSEASONS & PLACES (Naxos)とLILACS AND LAUGHTER (Naxos)に参加していたトロンボーン奏者。この人、トロンボーン上手いんちゃうん?ということでちょっと気になってリーダー作を2枚入手してみたのですが、彼の演奏技巧ときたら超絶そのものじゃありませんか!いやー、聴いてみるもんですなぁ。上手いとは思っていましたが、これほどとは...。あまりの凄さに思わず唸ってしまいました。

これまでの私は、トロンボーンに対しては、特に速いパッセージのときなど、もどかしさがつのるばかりでちっともエキサイティング出来ず、いまひとつ面白くない楽器だなあと感じることが多かったというのが正直なところです。ところが、NILS WOGRAMの演奏を聴いてびっくり。目から鱗が4枚は確実に落ちました(二重だったのよん)。もちろん私は、本作でトロンボーンに対する認識を改めましたとも。そう、トロンボーンって面白い!ってね♪

本作は2003年2月録音、同年リリース。全10曲のうち8曲がNILS WOGRAM作曲、残りはHAYDEN CHISHOLM作曲。リーダーがNILS WOGRAMで、ドイツ出身とニュージーランド出身が2人ずつですが、全員が1970年代に生まれているということでROOT 70というバンド名になったとか。本作のドラマーJOCHEN RUCKERTもFLORIAN ROSS(p)のSEASONS & PLACES (Naxos)に参加していてかなりハイレベルな演奏を聴かせていた人です。ベースはMATT PENMAN。アルトサックスとバスクラを担当するHAYDEN CHISHOLMは知らない人です。
甘口のメロディーや分かりやすいフレーズなどは皆無ですが、4人の鉄壁アンサンブルによるシリアスでコンテンポラリーなジャズはエキサイティングそのもの。特にNILS WOGRAMとHAYDEN CHISHOLMによる高速フレーズのコンビネーションには目を見張るものがあり、息の合ったところを見せ付けてくれます。ゆったりしたテンポの曲もいくつかありますが、そういう場面においてもこの二人の演奏に軟弱さや不安定さは微塵もありません。

いや~、もう、のっけから驚かせてくれるじゃありませんか。何がって、アータ...
1曲目のTHE YELLOW HAIR MANで「うわっ、今の何!?」と思ったら、NILS WOGRAMはトロンボーンで重音を出しています。おそらく歌いながら吹いているのではないかと思いますが、なんて器用な(笑)まあ、私、若葉マークがはずれたばかり(すずっくさん公認)のジャズファンですので、こういうことで驚くのは別に珍しくありません。以前にもJONAS KULLHAMMARがテナーサックスの吹きまくり爆裂ソロで1オクターブのなめらか~なポルタメントをやっているのを聴いてぶっ飛んだことがありましたから(^_^;) トロンボーンのアドリブソロは、テンポを上げた4ビートで吹きまくりでございますよぉー。
2曲目のCONCRETE VIEWは、始終ハイテンションでスピード感みなぎるダイナミックな演奏が素晴らしい。そして、ここでもやっています、トロンボーンの変な音(笑)それにしてもトロンボーンでこれだけ変かっこいいエキサイティングなソロが出来るNILS WOGRAMは本当に素晴らしい。MATT PENMANのベースソロも◎。そして、そして、JOCHEN RUCKERTの叩きまくるドラムも!
4曲目のQUALITY TIMEは、あっ、また変な重音出してるっ?!と思ったら、たんにトロンボーンをメロディカに持ち替えていただけでした(;^_^A

と、このように1曲目からビックリしたかと思うと、トロンボーンの多彩な超絶技巧のオンパレードに大喜びのアーティチョークだったのですが、実は、本作の「ビックリ!」はこれで終わりではなく、とっておきが残されていました。

5曲目のCHANGING DIRECTIONで、いきなり聴こえてくるのは...まさか、まさか、ホーミー?(笑)
間違いありません、ホーミーですよ、皆さん!あ~、びっくりした。ジャズでホーミーやなんて、いったい誰が予想できますか、ほんまに(^▽^;) 右チャンネル寄りからはホーミー。左チャンネル寄りからはロングトーンを奏でるトロンボーンで、そのトロンボーンをいったん吹き終え、ぐっと息を溜めてからホーミーを発している様子がはっきりと聴き取れます。ということは、ホーミーをやっているのはおそらくNILS WOGRAMに違いありません(つまり、この部分のみ多重録音だと思われます)。しかし、器用さもここまでくると言葉というものを失ってしまいます(笑)って、6行も書いてしもたけど(^_^;)

7曲目のDRAGON PEARL MASSAGE MUSICは、高速な4ビートを叩き出すJOCHEN RUCKERTのブラシワークが◎。それをスティックに持ち替えるとさらに凄いのですが、もっと凄いのがNILS WOGRAMのトロンボーンソロ。これなどはまさに超絶そのものですね!トロンボーンという楽器で、これほど多くの音数を、こんなに速く、しかもこれほど恐ろしく正確な音程と美しい音色で吹ける人を私は知りませんっ!
などと言っていたら、
8曲目のWILD 13の、トロンボーンも面白すぎる。トロンボーンでこれだけ多彩な演奏が出来るNILS WOGRAMというひとは、一体...???トロンボーンという楽器の可能性を極限まで追求しているばかりか、その演奏がまた恐ろしいほどに正確無比ときては、私、目が点状態です。バンドの集中力とテンションも素晴らしいのひとことで、終盤、徐々にテンポをつけて盛り上がっていくところなど「うひゃあ~っ♪」という感じです(笑)
10曲目のMY MODEM'S WORLDは、かなり変態で、面白いっ!ド迫力です。

私は、確信いたしました。NILS WOGRAMは間違いなく只者ではなく、若手では最高のトロンボーン奏者です。彼の超絶技巧に付き合うほうも大変そうですが、他の面子だってけっして負けちゃあいません。特にNILS WOGRAMとの絶妙なアンサンブルを聴かせてくれるHAYDEN CHISHOLMと、叩きまくりのJOCHEN RUCKERTには注目してしまいました。

もう一つのリーダー作
■NILS WOGRAM & ROOT 70 / FAHRVERGNUGEN (Intuition INT 3397 2)(2006年リリース)
のほうは一体どんなことになっているのでしょうか。傾向の違う他の新譜を聴いてちょっと気分を変えてから(笑)上記新譜を聴いてみることにいたします。

御用とお急ぎでないかたはNILS WOGRAMのHPへどうぞ。
http://www.nilswogram.com/
上記HPの[projects]をクリックし、さらに[root 70]をクリックすると、本作の試聴が一部可能です。ライヴ映像もありまっせ~。

■NILS WOGRAM'S ROOT 70 / GETTING ROOTED (Enja Records Horst Weber ENJ 9149 2)
NILS WOGRAM (tb, merodica) (1972年11月7日、ドイツ生まれ)
HAYDEN CHISHOLM (as, bcl) (1975年ニュージーランド生まれ)
MATT PENMAN (b) (1973年、ニュージーランド生まれ)
JOCHEN RUCKERT (ds) (1972年、ドイツ生まれ)
入手先:HMV(通販)
全員知らない人たちでしたが、入手してみました。で、つい昨日のことですが、何で「人体の不思議展」ジャケ?といぶかりつつ聴いてみましたら、こいつぁー面白い!!というわけで3回連続でじっくりと聴いてしまいました。

本作は、CHRISTOPH ERB(1973年生まれ)をリーダーとするドイツのバンドERB_GUTのセカンドアルバムということらしく、2005年12月録音、2006年リリース。9曲全てCHRISTOPH ERBの作曲で、どれもこれもありきたりでないユニークな音です。
この人たちのジャズを聴いて思い浮かべるのは、サルバドール・ダリの描く絵画の世界でしょうか。変拍子や起伏の多い奇妙な音列はあたりまえ。管楽器のダーティーなサブトーンやフリーキートーンはしょっちゅうで、エレクトロニクスなども入ります。シリアスで硬派なうえにフリージャズの要素もありますが、リズム隊がしっかり支えておりますし、決して無味乾燥にはならず有機的とさえいえるアンサンブルを創りだしていると思います。ポップな一面をも感じさせる現代感覚と優れたセンスがあり、ミニマルが主体ながら実によく練られた楽曲は納得の素晴らしさ。抽象表現が多いものの必然性に基づく演奏には説得力が伴っており、一番大切な“音楽を聴く面白さ”という点においても本作には満点がつきます。もちろん演奏は各人が文句なしのハイレベルで、作品としての完成度も高いです。ERB_GUTは、ZURCHER KANTONALBANK JAZZ PRIZE 2005(2005年度のチューリッヒ州立銀行ジャズ賞?)を受賞しているそうです。

1曲目のTRAUMSHOP-SKYHORSEからいきなりのアブストラクトですが、面白いです。
お気に入り、2曲目のSPAMは、5拍子と7拍子のパターン化された音型を反復させたテーマがニヒルでかっこいい。中間部になるとアブストラクトな表現に加え、トランペットがブシュー、ブリブリ、ブガガガ、ブチューーッなどのダーティートーンを頻発。エレクトロニクス、かすかな人の囁き声も聴こえてきて...と、こう書くと敬遠されそうですが、リズムとテンポは最後までキープされており、絶妙に構築された独特の不思議サウンドにのめり込んで行きます。
3曲目のDASCHは、ギターソロをメインとするストレートでノイジーなロックを、変拍子だらけのジャズロック的イントロとエンディングでサンドイッチにしたスピード感のある一曲。
4曲目のMOIA BUは、眠気を誘う倦怠感と奇妙なトランス感覚を持つゆったりとした曲調ですが、そのうちリズムもテンポも無くなってエレクトロニクスと効果音的パーカッション(太くて重たそうな鎖を打ち付ける音?など)を多用したフリーインプロヴィゼーションになって行きます。
5曲目のIL LAは、本盤の変態楽曲群のうちではまだまともな方かなと思いきや、やはり普通に終わることはありませんでした(笑)中間部あたりでしだいに楽曲が崩壊して行くにつれ、破壊に伴う快感(?)を味わうと同時に“エントロピーの法則”とやらに思いを馳せることになります。
6曲目のAXOLOTLは、途切れ途切れな子供の話し声のサンプリングを配した奇妙な余韻を残すゆったりしたテンポの小曲。
7曲目のHNG/UTE LUBEは、バスクラ、トランペット、ドラムスによるフリーインプロを主体にしたジャズロック。ドラマーのJULIAN DILLIERには特に光るものがあります。
8曲目の表題曲、ENGURG(UD GUG)は、ビターでシリアスなムッチャかっこいいジャズロック。
これもお気に入り、ラストのFAKTOR TRAKTORは、やはりミニマルな手法によるダイナミックで緊張感のある楽曲です。しかし、まあ、変拍子といい、アクセントといい、その複雑怪奇さと変カッコよさときたら半端じゃありません。

各人の高度な演奏スキルによって創りあげられたバンドサウンドは聴き手の興味を一瞬たりとも逸らさず最後まで楽しませてくれるばかりか、繰り返し聴いても飽きない濃い内容と完成度で、クセになったら抜けられない面白さです。分かりやすく口当たりの良いだけの軟弱ジャズを四方八方に蹴散らしながら、奇妙で不思議で刺激的な変態ジャズ道を邁進するERB_GUT。その名、しかと記憶に留めておこう!←何て読むのか分からんので、覚えようがないのが困りますが(笑)

御用とお急ぎでないかたはERB_GUTのHPへどうぞ。2004年のデビュー作RADIUSの4曲だけ試聴ができます。
        http://www.erbgut.ch/

トランペッターPETER SCHARLIのHPはこちら。

■ERB_GUT / ENGURG (YVP Music 3133 CD)
CHRISTOPH ERB (sax, bcl) (1973年生まれ)
PETER SCHARLI (tp) (1955年生まれ)
MARKUS STALDER (el-g) (1973年生まれ)
RALPH SONDEREGGER (b) (1972年生まれ)
JULIAN DILLIER (ds) (1975年生まれ)
visitor
MARTIN BAUMGARTNER (electronics、cover design)
入手先:HMV(通販)

今度のドングリは、意外に早く届きました。全て未聴です。

1)■ROSARIO GIULIANI QUINTET / ANYTHING ELSE (Dreyfus Records FDM 46050 366982)
2)■DOMANCICH - AVENEL - GOUBERT / DAG (Cristal Records CRCD 0621)
3)■NILS WOGRAM & ROOT 70 / FAHRVERGNUGEN (Intuition INT 3397 2)
4)■NILS WOGRAM'S ROOT 70 / GETTING ROOTED (Enja Records Horst Weber ENJ 9149 2)
5)■ENRICO PIERANUNZI, MARC JOHNSON / TRANSNOCHE (Egea Records SCA 098)

1)は、前作が良かったので期待しています。
2)は、monaka さんがブログで紹介なさっていましたね。
3)と4)のNILS WOGRAMは、FLORIAN ROSS作品に参加しているトロンボーン奏者です。試聴のうえ入手してみましたが、どうでしょうか。
5)は、ナゴヤハロー さんのお薦めです。


ああ、とうとう「どんぐりころころ」の歌が終わってしまいました。どんぐりに泣かれて困りはてたどじょうさんのその後が気になりますが(笑)、歌はここで終わっています。こねこちゃんに泣かれて困ってしまったいぬのおまわりさんも「ワン、ワン、ワワン」と鳴いて歌はそこで終わってしまいますので、童謡の世界ではよくあるパターンなのでしょう。


そこで、次回からは「まつぼっくり」の歌詞を、続いて「おおきなくりのきのしたで」の歌詞をドングリが届いたときの記事のタイトルにしたいと思います。ちなみにリスは、まつぼっくりも大好物なのですよ。栗も食べると思います。



本作は、2005年12月録音、2007年リリース。全12曲のうちENRICO RAVA作曲が8曲、ROSARIO BONACCORSOとROBERTO GATTOが1曲ずつ。面子は、2004年に出ていたEASY LIVING(ECM Records ECM 1760)とほぼ同じで、ピアニストがSTEFANO BOLLANIからANDREA POZZAに代わっています。ANDREA POZZAのリーダー作は、PHILOLOGYから出ているSTORMY WEATHERしか持っておりませんが、参加作などもあわせて聴いてみますと、とても感じのいい演奏をするピアニストだなあという印象を持っています。
私の場合、ENRICO RAVA本人よりも周辺のミュージシャンが購入動機になることが多いかもしれませんが、それでもCD棚を引っ掻き回してみますと、RAVAのリーダー作と参加作をあわせて12枚見つかりました。結局のところ、ENRICO RAVAの渋~いトランペットは好きなのです。
さて、本作の滑り出しは「ECM的居眠り注意報」発令なるか!?というぐらいの非常にまったりした演奏ですが、ご心配には及びません。4ビートが主体で、端正で渋い演奏もあり、ユーモアやウィットを感じる演奏もある。ということで、最後まで飽きずに楽しめました。

1曲目のタイトル曲を聴いて、全編この調子だったらどうしようと思ったのですが(笑)杞憂に過ぎませんでした。
2曲目のSECRETSは、可愛い猫ジャケのBELLA(Philology W 64.2)にも入っていましたね。
4曲目のECHOES OF DUKEで、俄然ノリが良くなり、思わず「いいぞ、いいぞ!」と嬉しくなってしまいます。GIANLUCA PETRELLAがトロンボーンで“おしゃべり”をしているのが面白い。それにしてもこの曲、本作が初演ですか?私、どっかで聴いた記憶があるのですが、気のせいかなあ???
6曲目のSOGNI PROIBITIは、ROSARIO BONACCORSOが自作自演のステキなベースソロ♪これには、たんなるアルバム中盤のアクセント以上のものがあると思います。
一番のお気に入り、8曲目のSERPENTは、イントロのENRICO RAVAのトランペットからしてなんてかっこいいんだとニンマリ。が、聴きものはGIANLUCA PETRELLAの見事なソロでしょうね。私の場合、トロンボーンのアドリブソロを聴く機会は多くないのですが、こいつぁー文句無く素晴らしいと思いました。続くANDREA POZZAのピアノもよく考えられた演奏になっていてテンションもあり、聴き応えは◎。ニヒルで苦みばしった全体の雰囲気がエエです。
9曲目のART DECOは、ENRICO RAVAとGIANLUCA PETRELLAのデュオで、とても楽しい。やはりトロンボーンの上手さに注目してしまいます。
10曲目のTRAPSは、粋でおちゃめで楽しい雰囲気。管楽器の掛け合いもいいのですが、それ以上に素晴らしいのがANDREA POZZAのバッキングなのです!
11曲目のBOB THE CATは、とってもユーモラス。タイトルのBOB THE CAT(猫のボブ)というのは、おそらくROBERTO GATTOのことなのでしょうね(ROBERTO〔ロベルト〕=BOB〔ボブ〕←ROBERT〔ロバート〕の愛称、GATTO=CAT)。どことなくアニメソングを思わせる、ウィットとユーモアが込められた曲想です。猫のボブがシッポをピーンと立てて意気揚々と闊歩している場面を思い浮かべてみましょうか。彼は立派で堂々とした猫だけれど、ちょっぴりシャイで不器用。ハンサムではありませんが根はジェントルマンなので、けっこうモテるタイプかもしれない...。って、これこれ、アーティチョークはん!勝手に自分好みの男性像をキャラに当てはめて遊ばんように(笑)
*5月にウンブリア・ジャズin東京で来日するENRICO RAVAのクインテットはこのメンバーなのでしょうか。ENRICO RAVA QUINTETのコンサートも行きたいなー...。

御用とお急ぎでないかたは、それぞれのHPをご覧ください。←そういう私は、いつもHPを探すだけで終わってしまい、あんまり内容をじっくりと見ていないという(^▽^;)

ENRICO RAVA(1939年生まれ) http://www.enricorava.com/

GIANLUCA PETRELLA(1975年3月、バーリ生まれ) http://www.gianlucapetrella.com/

ANDREA POZZA(1965年10月17日、イタリアのジェノヴァ生まれ) http://www.andreapozza.it/

ROBERTO GATTO(1958年10月、ローマ生まれ) http://www.robertogatto.com/

■ENRICO RAVA QUINTET / THE WORDS AND THE DAYS (ECM Rcords ECM 1982)
ENRICO RAVA (tp)
GIANLUCA PETRELLA (tb)
ANDREA POZZA (p)
ROSARIO BONACCORSO (b)
ROBERTO GATTO (ds)
入手先:HMV(通販)