全員知らない人たちでしたが、入手してみました。で、つい昨日のことですが、何で「人体の不思議展」ジャケ?といぶかりつつ聴いてみましたら、こいつぁー面白い!!というわけで3回連続でじっくりと聴いてしまいました。
本作は、CHRISTOPH ERB(1973年生まれ)をリーダーとするドイツのバンドERB_GUTのセカンドアルバムということらしく、2005年12月録音、2006年リリース。9曲全てCHRISTOPH ERBの作曲で、どれもこれもありきたりでないユニークな音です。
本作は、CHRISTOPH ERB(1973年生まれ)をリーダーとするドイツのバンドERB_GUTのセカンドアルバムということらしく、2005年12月録音、2006年リリース。9曲全てCHRISTOPH ERBの作曲で、どれもこれもありきたりでないユニークな音です。
この人たちのジャズを聴いて思い浮かべるのは、サルバドール・ダリの描く絵画の世界でしょうか。変拍子や起伏の多い奇妙な音列はあたりまえ。管楽器のダーティーなサブトーンやフリーキートーンはしょっちゅうで、エレクトロニクスなども入ります。シリアスで硬派なうえにフリージャズの要素もありますが、リズム隊がしっかり支えておりますし、決して無味乾燥にはならず有機的とさえいえるアンサンブルを創りだしていると思います。ポップな一面をも感じさせる現代感覚と優れたセンスがあり、ミニマルが主体ながら実によく練られた楽曲は納得の素晴らしさ。抽象表現が多いものの必然性に基づく演奏には説得力が伴っており、一番大切な“音楽を聴く面白さ”という点においても本作には満点がつきます。もちろん演奏は各人が文句なしのハイレベルで、作品としての完成度も高いです。ERB_GUTは、ZURCHER KANTONALBANK JAZZ PRIZE 2005(2005年度のチューリッヒ州立銀行ジャズ賞?)を受賞しているそうです。
1曲目のTRAUMSHOP-SKYHORSEからいきなりのアブストラクトですが、面白いです。
お気に入り、2曲目のSPAMは、5拍子と7拍子のパターン化された音型を反復させたテーマがニヒルでかっこいい。中間部になるとアブストラクトな表現に加え、トランペットがブシュー、ブリブリ、ブガガガ、ブチューーッなどのダーティートーンを頻発。エレクトロニクス、かすかな人の囁き声も聴こえてきて...と、こう書くと敬遠されそうですが、リズムとテンポは最後までキープされており、絶妙に構築された独特の不思議サウンドにのめり込んで行きます。
3曲目のDASCHは、ギターソロをメインとするストレートでノイジーなロックを、変拍子だらけのジャズロック的イントロとエンディングでサンドイッチにしたスピード感のある一曲。
4曲目のMOIA BUは、眠気を誘う倦怠感と奇妙なトランス感覚を持つゆったりとした曲調ですが、そのうちリズムもテンポも無くなってエレクトロニクスと効果音的パーカッション(太くて重たそうな鎖を打ち付ける音?など)を多用したフリーインプロヴィゼーションになって行きます。
1曲目のTRAUMSHOP-SKYHORSEからいきなりのアブストラクトですが、面白いです。
お気に入り、2曲目のSPAMは、5拍子と7拍子のパターン化された音型を反復させたテーマがニヒルでかっこいい。中間部になるとアブストラクトな表現に加え、トランペットがブシュー、ブリブリ、ブガガガ、ブチューーッなどのダーティートーンを頻発。エレクトロニクス、かすかな人の囁き声も聴こえてきて...と、こう書くと敬遠されそうですが、リズムとテンポは最後までキープされており、絶妙に構築された独特の不思議サウンドにのめり込んで行きます。
3曲目のDASCHは、ギターソロをメインとするストレートでノイジーなロックを、変拍子だらけのジャズロック的イントロとエンディングでサンドイッチにしたスピード感のある一曲。
4曲目のMOIA BUは、眠気を誘う倦怠感と奇妙なトランス感覚を持つゆったりとした曲調ですが、そのうちリズムもテンポも無くなってエレクトロニクスと効果音的パーカッション(太くて重たそうな鎖を打ち付ける音?など)を多用したフリーインプロヴィゼーションになって行きます。
5曲目のIL LAは、本盤の変態楽曲群のうちではまだまともな方かなと思いきや、やはり普通に終わることはありませんでした(笑)中間部あたりでしだいに楽曲が崩壊して行くにつれ、破壊に伴う快感(?)を味わうと同時に“エントロピーの法則”とやらに思いを馳せることになります。
6曲目のAXOLOTLは、途切れ途切れな子供の話し声のサンプリングを配した奇妙な余韻を残すゆったりしたテンポの小曲。
7曲目のHNG/UTE LUBEは、バスクラ、トランペット、ドラムスによるフリーインプロを主体にしたジャズロック。ドラマーのJULIAN DILLIERには特に光るものがあります。
8曲目の表題曲、ENGURG(UD GUG)は、ビターでシリアスなムッチャかっこいいジャズロック。
これもお気に入り、ラストのFAKTOR TRAKTORは、やはりミニマルな手法によるダイナミックで緊張感のある楽曲です。しかし、まあ、変拍子といい、アクセントといい、その複雑怪奇さと変カッコよさときたら半端じゃありません。
各人の高度な演奏スキルによって創りあげられたバンドサウンドは聴き手の興味を一瞬たりとも逸らさず最後まで楽しませてくれるばかりか、繰り返し聴いても飽きない濃い内容と完成度で、クセになったら抜けられない面白さです。分かりやすく口当たりの良いだけの軟弱ジャズを四方八方に蹴散らしながら、奇妙で不思議で刺激的な変態ジャズ道を邁進するERB_GUT。その名、しかと記憶に留めておこう!←何て読むのか分からんので、覚えようがないのが困りますが(笑)
御用とお急ぎでないかたはERB_GUTのHPへどうぞ。2004年のデビュー作RADIUSの4曲だけ試聴ができます。
http://www.erbgut.ch/
6曲目のAXOLOTLは、途切れ途切れな子供の話し声のサンプリングを配した奇妙な余韻を残すゆったりしたテンポの小曲。
7曲目のHNG/UTE LUBEは、バスクラ、トランペット、ドラムスによるフリーインプロを主体にしたジャズロック。ドラマーのJULIAN DILLIERには特に光るものがあります。
8曲目の表題曲、ENGURG(UD GUG)は、ビターでシリアスなムッチャかっこいいジャズロック。
これもお気に入り、ラストのFAKTOR TRAKTORは、やはりミニマルな手法によるダイナミックで緊張感のある楽曲です。しかし、まあ、変拍子といい、アクセントといい、その複雑怪奇さと変カッコよさときたら半端じゃありません。
各人の高度な演奏スキルによって創りあげられたバンドサウンドは聴き手の興味を一瞬たりとも逸らさず最後まで楽しませてくれるばかりか、繰り返し聴いても飽きない濃い内容と完成度で、クセになったら抜けられない面白さです。分かりやすく口当たりの良いだけの軟弱ジャズを四方八方に蹴散らしながら、奇妙で不思議で刺激的な変態ジャズ道を邁進するERB_GUT。その名、しかと記憶に留めておこう!←何て読むのか分からんので、覚えようがないのが困りますが(笑)
御用とお急ぎでないかたはERB_GUTのHPへどうぞ。2004年のデビュー作RADIUSの4曲だけ試聴ができます。
http://www.erbgut.ch/
トランペッターPETER SCHARLIのHPはこちら。
■ERB_GUT / ENGURG (YVP Music 3133 CD)
CHRISTOPH ERB (sax, bcl) (1973年生まれ)
PETER SCHARLI (tp) (1955年生まれ)
MARKUS STALDER (el-g) (1973年生まれ)
RALPH SONDEREGGER (b) (1972年生まれ)
JULIAN DILLIER (ds) (1975年生まれ)
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MARTIN BAUMGARTNER (electronics、cover design)
入手先:HMV(通販)