インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog -48ページ目

経営者は,戦略が可視化されるとうれしい


数日にわたってバランス・スコアカード(BSC)を使用した戦略
整理について記載してきました。なかなか難しい作業ですし、
多くの方にとってあまり経験のない作業だとも思います。
そういう作業について、手順や考え方、中止すべき事項など
拙書『情報システム計画の立て方・活かし方』の中で説明を
していますが、そこで書ききれていないことを中心に、このブロ
グで書いてみました。限られた字数で表現する中で、どれだけ
お伝えできているのか不安がありますが、読んでいただいた方
は、どのような感想をお持ちになられたでしょうか。

 

こういう自分の考えや想い、アイデアなど他の人に伝えることは
非常に難しいですね。これは、伝える側の表現力の問題と、受
け側の感じ取る力の双方がうまくかみ合わないと、正しく物事が
伝わらないということにあるように思います。

 

出した情報がどのように受け取られるかは、受け取る側の過去の
経験や知識、関心の度合いなどにより異なるのだと思います。
様々な年齢、経験の人が入り混じる企業の中で、経営者が戦略
を方針として説明し、組織に徹底させることに難しさやもどかしさを
感じているのもうなずけます。


昔から「百聞は一見にしかず」といいます。映像の方が情報量が
多いからなのか、認識しやすいから、あるいは事実と感じてしまい
易いからなのかわかりませんが、確かに「百聞は一見にしかず」
と思います。戦略なども映像でドラマ仕立てにして社員の方々に
見てもらえば、より伝えやすくなるのかもしれませんね。

 

(今のところ、時間とコストの面で実用的でないと思いますが、将来、
簡単な操作で登場人部やストーリーを組み立てて、コンピュータ
グラフィックで映像化されたドラマができるようなツールでも発売さ
れれば、試してみる価値はあるように思いますね)

 

BSCは、言葉や文書と比較すると、戦略をビジュアルに表現して
いると思います。戦略を実現するための課題とその達成時期、
改善点とその改善度合い、およびそれら課題間の関連などが
コンパクトに1枚の紙の上で表現されます。
ドラマ仕立てのような臨場感や、見ればわかるというほど簡単な
表現ではありませんが、口頭のみ、あるいば文章のみよりは
ポイントを伝えやすくなっていると思います。

 

過去、何枚ものBSCを作るお手伝いをさせていただいており
ますが、多くの経営者や事業責任者の方が、自分が考えている
戦略がBSCで1枚の紙に表現されることに、うれしそうな顔を
されるのを見てきました。戦略を表現し、伝えることの難しさを
痛感されているからだと思います。

 
戦略をBSCでわかりやすく表現し、社内での認識の共有化を
図るということは、ITの戦略活用だけの話ではありません。
そもそもは、戦略(事業計画)立案から社内への方針展開の
話であり、経営企画などが行うべきことでないかと思われるかも
しれません。

 

しかし、私の実経験として、
戦略整理、方針展開、その後のPDCAの運用までを、IT企画
担当者が経営企画などの戦略部門と一緒に行うことに、ITの
戦略活用実現のポイントがあると思います。ITを戦略的に活用
しようとする方の少しでも参考になればと思います。

 

 

 
BSCを用いた戦略整理について、細かく書き出すときりがない
のですが、その作業内容についてより詳細を必要とされる方は
拙書『情報システム計画の立て方・活かし方』を参照願います。

このブログは、経営戦略の整理の次のステップである『重点施

策の整理』作業についての概説に話を進めたいと思います。





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IT企画者は、戦略ボキャブラリーを鍛えよ

 

昨日の続きで、ITの戦略的活用を想定したBSCの書き方(ヒヤリン
グの仕方)のつづきです。



① BSCは上から下、次に水平に話を進めろ。

② BSCを書きながらインタビューせよ。

③ KPI値は、後で詰めろ。

④ 経営者と同じ目線に立て。

⑤ 経営、戦略を語るボキャボラリーを身に着けろ。




②③は、言葉そのままです。


BSCのよい点は、経営戦略を4つの視点で整理した経営課題の
集合として捉え、その関係性をビジュアルに表現できることです。
同じものを見ながら話をするのと、言葉だけでやり取りするのでは、
意思疎通の簡易さがまったく異なります。「こういうことですね」と

白板にBSCイメージでヒヤリングした内容を書きつつ進めることが

大切です。


書くことをせずインタビューだけ行い、後で整理しようとすると
多くの確認漏れがあることに気づきます。こうならないためにも
BSCを書きながら行い、その場で大枠のBSCを完成させてしまう

ことをお勧めします。

 

 

また、経営課題の洗い出しやKPI項目の整理は、ヒヤリングの場で

行えますが、KPI値の確認は、できる場合とできない場合があります。
具体的な現状、および目標とする数値まで経営者が把握されている
場合はもちろん問題ありませんが、そうでない場合は、後日確認し
数値部分のみ経営者に再設定いただくこともよくあることです。


KPIの現状、目標値は、後の取り組みの実施水準や範囲を確定
する際に大きな影響を与えます。大きな改善が必要な場合と、小
さな改善が必要な場合では、何をどこまでやるかは異なります。
このため、「だいたいこれぐらい」という話で終わらせることなく、
事後になっても、現状の実績値の把握と、目標値の設定は慎重に
行う必要があります。

 

 

 
一方、④⑤は、経営者の想い、関心事、発想、考え、思考パターン
などをインタビューワーが理解し、経営者とコミュニケーションを取
れなければ成り立ちません。理解するためには、言葉そのものを
理解できることと、言葉の裏側にある本当にいいたいポイントや
想いなどを理解、察知できることが必要です。


何日もかけて、事業背景からこれまでの歴史、このような戦略を
考えるに至った検討過程など、事細かに経営者に説明していただく
のであれば、理解しやすいかも知れません。しかし、実際には、そ
のような時間はありません。結論を聞きながら、背景や思いを理解
しつつ、BSCが作成できるレベルに聞き出し、整理していくことが
インタビュワーには求められます。

このため、インタビュワーの経験、知識の厚みが、インタビューの
質を決め、結果作成されるBSCの品質に大きな影響を与えること
になります。



しかし、これらは①②③のように、すぐできることではありません。
たかがインタビューですが、インタビューは非常に難しいものです。
ITを戦略的に活用するためには、IT企画者が戦略立案者の考え、
思いを正しく理解できる必要があります。それができなければ、
経営者とIT担当者、あるいは、戦略とITの溝は埋まりません。



ITを戦略的に活用したいとお考えのあなた!
『戦略や経営に関するボキャブラリー』は十分にインプットされて

いますか?



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戦略インタビューは、BSCの上から下、次に水平に話を進めよ


ITを戦略的に活用するために、ITに対する戦略面からの期待事項と
(要件だし)と投資対効果の整理のために、バランス・スコアカードを
使用します。


で、皆さんは、バランス・スコアカード(BSC)を書いたことがあります
でしょうか?書いたことがない人にとっては、そもそもどこから書き
始めるのかもイメージがわかないかもしれません。


書き方といっても、自分で考えて書くのではなく、戦略を立案する経
営者をインタビューして、その結果をBSCで表現することになります。
このためBSCの書き方というよりは、BSCを書くためのインタビュー
の仕方といったほうが適切かもしれません。



インタビューをする場合、どこから書き始めるかではなく、何から聞く
のか、そこからどのように話を展開し、BSCに記載すべき事項を
聞き出すのかということが課題になります。


最終的にBSCを作成するわけですから、BSCのフォーマットを経営
者へ提示し、「ここはどうですか?」と聞くのが手っ取り早いかもしれ
ませんが、インタビュー相手の経営者がBSCを知っているとは限り
ません。多くの場合、知らない場合のほうが多いです。このため
BSCを理解しているインタビュアーが、BSCを知らない経営者に
BSCを意識させることなく話を聞きながら、BSCを作成するために
必要な事項をもれなく聞き出すことが必要となります。


さあ、どうしましょう?



事例を上げながらステップごとに詳細の解説を『情報システム計画の
立て方・活かし方』の第3章に記載しているので、興味のある方、実際に

インタビューをやるために具体的イメージが必要という方は、そちらを

参照いただきたいのですが、ポイントを上げると、以下の点になります。



① BSCは上から下、次に水平に話を進めろ。
② BSCを書きながらインタビューせよ。
③ KPI値は、後で詰めろ。
④ 経営者と同じ目線に立て。
⑤ 経営、戦略を語るボキャボラリーを身に着けろ。



①②③は、インタビューを行う際のテクニックです。


①は、話を効く順序、進め方についてです。
BSCは、4つの階層からなりますが、各階層は以下のような関係を
持っています。



 財務の視点

    数年後に実現したい業績
 

 顧客の視点

    そのためには、どのような顧客ニーズに応える必要があるか
 

 内部プロセスの視点

    顧客ニーズを満たすためには、業務をどのように変革すべきか
 

 学習と成長の視点

    その業務を機能させ、継続的に改善させるためには何か必要か

 


戦略実行の結果、これだけの収益を上げたい、事業規模にしたいという

ような成果としての財務の視点をスタートに、それを実現するために、

どのような顧客ニーズに・・・という風に、財務から順番に顧客、内部プロ

セス、学習と成長の視点と話を進めることがコツです。


注意点としては、各視点に経営課題は1つとは限りません。複数ある
ことが普通です。財務の視点をすべてヒヤリングした後に、次に顧客の
視点をヒヤリングするということよりは、財務の視点の一つの経営課題
がヒヤリングにより導き出されたら、その課題実現のための顧客の
ニーズは何かというように話を一つ一つ上から下へ掘り下げた方が
話が散漫にならず、よいように思います。


(私は、財務の視点を一通り網羅的に展開した後に、財務の視点の
ひとつ一つの課題単位に、深堀していくやり方を取っています。)



これは、この一つの矢印の流れが一つの戦略を表しており、経営者
側も、一つの戦略をイメージしつつ、その戦略により期待する財務面
の効果、顧客のニーズ、内部プロセスの課題などの各側面に切り分け
ながら整理して考え、答えることができるからです。このために、話が
散漫化せず、一つの戦略にテーマを絞り込んで話ができるからです。


その戦略を実現するための内部プロセスの課題などは、戦略単位に
業務プロセスを作っているわけではないので、当然一つのプロセスで
複数の戦略実現を図らなければならないということが発生します。この
ことから、内部プロセスの視点の課題などは、各戦略から導き出された
経営課題が重複したり、相反する課題が導き出されたりと複雑に絡み
合うことも珍しくありません。このため、上記のように一つの戦略をイメ

ージしつつ、垂直的に経営課題の洗い出しを行った後に、次に横串に

戦略間の経営課題の関係性について整理、調整することが必要です。



つまり、『上から下へ垂直方向へ、その後水平に』進めよです。



つづく




--- 拙書 該当箇所 ---

~経営戦略の実効性を高める~ 情報システム計画の立て方・活かし方

の第3章 「経営計画マップの作成」





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ITの戦略的投資効果を表現するBSCの表記方法


情報システムを戦略に活用するためには、戦略を整理し、戦略から
それを実現するための情報システムを導き出すことが必要となるこ
と、KPIの定義が重要となることを説明しました。本日は、この戦略と
KPIをバランススコアカード(BSC)上でどのように表記するのかに
ついて記載します。


BSCでは、戦略を4つの視点に整理した経営(戦略)課題の組み
合わせで表現します。BSCの書籍を読まれた方はご存知だと思い
ますが、各視点毎に四角い箱がかかれ、その中にコメントで経営課
題が記載されています。そしてその箱が矢印で結ばれ、経営課題
間の関係が表現されています。


矢印で表される経営課題間の関係とは、財務の視点の経営課題を
実現するためには、顧客の視点に記載された顧客ニーズに応える
ことが必要で、そのニーズに応えるためには、内部プロセスの視点に
記載されたプロセスを構築することが必要といった感じです。
この『視点』『経営課題』『矢印』を用いて、戦略としての狙いと実現の
ための課題を表すことで戦略をビジュアルに表現しています。


しかしここにはKPIは表現されていません。BSC関連の書籍では、
表形式のBSCを別途作成し、その中でKPIを記載されていることが
多いようです。しかし、表形式のBSCでは経営課題間の関係性が
わかりづらく、そのため、各経営課題のKPI間の関係性もわかり
づらくなっています。


昨日の記載のように、情報システムの戦略的活用にBSCを用いる
目的は、戦略を整理し、そこから戦略実現に必要となる情報システ
ム要件の抽出に使用するだけではなく、投資効果の説明に用います。
その投資対効果の説明には、経営課題間の矢印で表現されるつな
がり(KPI間のつながり)が、わかりやすく表現されることが非常に重
要です。このため、経営課題の関係性をあらわすBSC図とKPIの整
理を行う表形式BSCの2つに分けるのではなく、BSC図一つで、経
営戦略とKPIを同時に表現するほうが、わかりやすさの点からいって
適しています。


拙書『情報システム計画の立て方・活かし方』では、BSC図に記載
する経営課題の各箱の中に、①経営課題、②経営課題の補足説明、
③KPIの項目名、④KPIの現在値、⑤KPIの目標値、⑥実現期日
の6つを表現する形式で記載しています。



経営課題の記載例


(情報システム計画の立て方・活かし方 P77)


この6点を記載することで、経営課題の内容が具体化され、何が課題
であるのかが非常に明確になります。また、BSC図で表現するため
経営課題間の関連が矢印で表され、KPI間の関連も明示されるように
なります。


繰り返しになりますが、このKPI間の関連が明示されることが、ITの
戦略的効果を説明するためには非常に重要です。


逆に難点をいうと、BSC図が非常に大きくなってしまいがちです。
私はエクセルを使用してBSCを描くことが多いのですが、A4サイズで
は入りきらず、ほとんどの場合、A3横のサイズで記載することに
なってしまいます。印刷して見る分にはA4でも、A3でも変わりはあり
ませんが、PC上で作成中は、A3だとほんのわずかな部分しか画面
に表示されないので、スクロールを繰り返し全体像を確認しながら
作成するのが面倒ですね。


~経営戦略の実効性を高める~ 情報システム計画の立て方・活かし方

の該当部分 第3章 P75~P95
 

 

 
 

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ITを戦略活用するための『KPI』定義の重要性


システム企画の作業とは、『システム化の目的を定義し、その目的を
実現するシステム像を描きだすこと』です。システム企画作業の役割
は、この『目的』『システム像』を描き出すことで、投資意思決定者に
以下の判断材料を提供し、投資是非の意思決定を促すことが役割と
なります。


 システム化の目的    ・・・ 投資効果の把握
 システム像        ・・・ 実現性の検証材料
                ・・・ 投資額の算定材料


ITを戦略的に活用する場合、システム化の目的は「経営戦略の実効
性を高めること」になります。企画した情報システムが、どの戦略の
何に効き、どれだけの効果を上げるのかを整理することが必要です。

従来の業務効率化などを目的とした情報システム企画の場合に、
現業部門のヒヤリングと検討を通じて整理していた業務改善効果と
同じことを、経営者を対象に経営戦略について行うことになります。


先日の『経営戦略と情報システムをつなぐ線』に沿った検討は、この
システム化の目的とシステム像を描き出すための検討にほかなりま
せん。この線の中で、システム化の目的の整理を行うのが、以下の
青字の部分に該当します。青字の部分は、バランススコアカードの
フォーマットを使用して整理を行います。




 財務の視点の経営課題
     KPI項目         KPIの改善目標
       ↓
 顧客の視点の経営課題
     KPI項目         KPIの改善目標
       ↓
 内部プロセスの視点の経営課題
     KPI項目         KPIの改善目標
       ↓             ↓
 重点施策のKPI項目      重点施策のKPI改善目標
       ↓             ↓
 情報システム機能要件    情報システムの機能スペック




(注)
上記は簡略化して書いているのですが、情報システムの機能要件や
スペックが、内部プロセスの視点からしか導き出されないといっている
わけはありません。顧客の視点や成長と学習の視点から導き出される
こともあります。



情報システムの戦略的活用を意図した場合にポイントとなるのは、
経営課題に対するKPIの定義です。


KPIとは、key performance indicatorの略で、この戦略課題が達成され

たかどうかを判断するための基準(評価指標)のことです。XX事業の

拡大という経営課題に対するKPIとしては、売上高や営業利益額など

が該当します。


また、より厳密に言葉を定義する場合、以下のように使い分けることも

あります。

KGI:重要目標達成指標 (結果の評価指標)

KPI:業績評価指標    (結果を出すためのプロセスの評価指標)

上記でいっている経営課題が実現されたかどうかの指標という意味

では、KGIという方がより厳密な表現になります。


もし、KPIを整理しない場合、経営課題の文言から経営課題の実現に
寄与するであろうシステム要件をイメージすることになります。
例えば、在庫の削減が経営課題として上がっていた場合に、それを
実現するために需要予測システムやリアルタイム在庫管理システム
などが導き出されるようなイメージです。


システム企画の場面を想定した場合に、需要予測のシステムと在庫
管理システムの構築を企画し、それは、経営課題である「在庫削減」
を実現するためですという説明では、あまりにお粗末です。
そのシステムを導入することで、どれぐらい在庫が減るのか、在庫が
減ることによる資金効率や保管費用等の削減効果はどのぐらいなの
か。システム化への投資額と比較して、資金効率や費用削減などの
効果は見合っているのか?などの経営者の疑問に答えれなければ
なりません。


このような疑問に答えるためには、システム企画の作業の中で、
どれだけの在庫削減が経営戦略の意図する目的からすると求めら
れているのか、その戦略課題を実現することで得られる業績上の効
果はどれぐらいを想定しているのか、などを整理しておく必要があり
ます。情報システム計画の立て方・活かし方では、このような戦略実
現による効果を、KPIとして整理しています。


上図での内部プロセスの視点に定義された経営課題に対するKPIは
その経営課題の達成目標値です。しかし、除法システム開発等の取

り組みの結果、その目標値が達成されるのだと仮定すると、KPIは、

その取り組みの効果と読み替えることができます。


またさらに、その経営課題の実現による業績面での効果は、その経営

課題から矢印をたぐり、その課題がひもづく財務の視点の経営課題の

KPIとして定義されることになります。



企画したITの投資効果を経営戦略の話の中で説明できなければ、戦
略投資としての意思決定を得ることはできません。


その説明を説得力をもって行うためには、経営戦略→経営課題→KPI

→情報システム要件へと論理的に落とし込むこと、つまり、矢印がつな

がっていることが重要です。投資対効果の説明は、この矢印を逆に

辿ることで、情報システムにより経営課題、戦略が達成されることを

説明します。(矢印がつながっていないと、逆に辿れなくなります)


戦略的にITを活用するための投資意思決定を円滑に行うための

ポイントは、『徹底的な論理展開』と『KPI』です。


~経営戦略の実効性を高める~ 情報システム計画の立て方・活かし方

の該当部分 第3章 P75~P95






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